JP2004138339A - 熱供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】端末器を適切に定格運転させることが可能となる熱供給システムを提供する。
【解決手段】加熱手段Hにて加熱された熱媒を、端末器TUが接続された循環路3を通して循環ポンプ4にて循環させるように構成された熱源機CHと、その熱源機CHの運転を制御する制御手段5とが設けられた熱供給システムであって、
端末器TUにおける熱媒の定格流量と、その定格流量での端末器TU及び循環路3の通流抵抗とを入力する入力手段21が設けられ、制御手段5が、入力手段21にて入力された端末器TUにおける熱媒の定格流量と端末器TU及び循環路3の通流抵抗とに基づいて、循環路3を循環する熱媒の循環流量が定格流量になるように循環ポンプ4の作動を制御するように構成されている。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱手段にて加熱された熱媒を、端末器が接続された循環路を通して循環ポンプにて循環させるように構成された熱源機と、
その熱源機の運転を制御する制御手段とが設けられた熱供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる熱供給システムにおいては、設置条件により、端末器の通流抵抗が異なったり、循環路の通流抵抗が異なったりして、端末器及び循環路からなる循環部の通流抵抗が異なることになるので、循環ポンプを循環部の通流抵抗に応じた熱媒循環能力にて作動することが望まれる。
そこで、従来では、循環ポンプを循環部の通流抵抗に応じた熱媒循環能力にて作動させるように構成した熱供給システムとして、熱供給システムを設置対象場所に設置した状態で、制御手段により、下記のように試運転制御を行って、循環部の圧損と流量との関係である圧損曲線を取得すると共に、通常運転においては試運転制御にて取得した圧損曲線に基づいて循環ポンプを制御するようにして、実際の循環部の圧損に対応した作動量で循環ポンプを作動させるように構成して、循環ポンプの作動効率の向上、それに伴う省エネルギー化を図ろうとするようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、循環部の圧損は、循環部の配管抵抗に起因するものであるので、循環部の圧損は循環部の通流抵抗に相当する。
即ち、試運転制御としては、循環ポンプの回転速度を段階的に変化させて、各回転速度において、循環部を通流する熱媒の流量を流量検出手段にて検出すると共に、各流量における熱媒の圧力を循環部の圧損として圧力検出手段にて検出し、それらの検出情報に基づいて、循環部の圧損曲線を求め、求めた圧損曲線を記憶手段に記憶させるようにする。
通常運転における循環ポンプの制御については、詳細には記載されていないものであり、循環部の圧損曲線に基づいてその圧損に対応した循環流量になるように循環ポンプの回転速度制御が行われることになる旨、記載されていることから、例えば、循環ポンプの作動効率の向上を図るために、圧損曲線から、循環ポンプの定格吐出圧力に相当する循環部の圧損に対応する循環流量を求めて、その流量になるように循環ポンプの回転速度を制御するようにすることが考えられる。ちなみに、循環ポンプの吐出圧力と吐出流量と回転速度との関係は予め分かっているので、その関係に基づいて、前述のように圧損曲線から求めた循環流量に相当する吐出流量になる回転速度を求めて、その回転速度にて循環ポンプを作動させるようにすることが考えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−317748号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の熱供給システムは、循環部の圧損曲線に基づいて循環部の圧損に対応した循環流量になるように循環ポンプの回転速度制御が行われるものであり、例えば、循環部の圧損曲線に基づいて、循環ポンプの定格吐出圧力に相当する循環部の圧損に対応する循環流量を求めて、その求めた循環流量になるように循環ポンプの回転速度が制御されるものであった。
従って、従来の熱供給システムでは、端末器を定格出力又はその定格出力に略等しい出力を出力させるように運転させる、即ち、端末器を定格運転させることができないものであった。例えば、端末器として浴室暖房乾燥機、床暖房装置等の暖房用端末器を設ける場合、端末器を所望の暖房能力を発揮させるように運転させることができないものであった。
【0005】
つまり、端末器を定格運転させるには、端末器に対して、その定格出力を出力させるべく予め定められた定格流量又はその定格流量に略等しい流量にて熱媒を循環させる必要がある。
しかしながら、従来では、前述のように、例えば、循環部の圧損曲線から、循環ポンプの定格吐出圧力に相当する循環部の圧損に対応する循環流量を求めて、その求めた循環流量になるように循環ポンプの回転速度が制御されるので、端末器を循環する熱媒の流量が端末器の定格流量に対して不足したり過大になったりして、端末器に対してその定格流量又はその定格流量に略等しい流量にて熱媒を循環させることができないものであり、端末器を定格運転させることができなかった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端末器を適切に定格運転させることが可能となる熱供給システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の熱供給システムは、加熱手段にて加熱された熱媒を、端末器が接続された循環路を通して循環ポンプにて循環させるように構成された熱源機と、
その熱源機の運転を制御する制御手段とが設けられたものであって、
前記端末器における熱媒の定格流量と、その定格流量での前記端末器及び前記循環路の通流抵抗とを入力する入力手段が設けられ、
前記制御手段が、前記入力手段にて入力された前記端末器における熱媒の定格流量と前記端末器及び前記循環路の通流抵抗とに基づいて、前記循環路を循環する熱媒の循環流量が前記定格流量になるように前記循環ポンプの作動を制御するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、入力手段により端末器における熱媒の定格流量(以下、単に端末器の定格流量と略記する場合がある)とその定格流量での端末器及び循環路の通流抵抗(以下、端末器及び循環路の定格流量時通流抵抗と略記する場合がある)が入力され、制御手段により、入力手段にて入力された端末器の定格流量と端末器及び循環路の定格流量時通流抵抗とに基づいて、循環路を循環する熱媒の循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプの作動が制御される。
つまり、端末器及び循環路からなる循環部に熱媒を循環させる場合、その循環部の通流抵抗(端末器の通流抵抗と循環路の通流抵抗とを加えたものとなる)は、その循環部を流れる熱媒の循環流量に応じて変化するものとなる。
そこで、循環ポンプの熱媒循環能力を、端末器の定格流量及び循環部の定格流量時通流抵抗(端末器の定格流量時通流抵抗と循環路の定格流量時通流抵抗とを加えたもの)に応じたものとなるように調節することにより、端末器を循環する熱媒の循環流量がその定格流量になるように、循環ポンプの熱媒循環能力を適切に調節することが可能となり、もって、端末器に対してその定格流量又はその定格流量に略等しい流量にて熱媒を循環させることが可能となる。
ちなみに、端末器の定格流量、端末器及び循環路の定格流量時通流抵抗は、以下のようにして求めて入力するようにすると、熱供給システムの構成の簡略化を図ることができるので、好ましい。
即ち、端末器の定格流量は、その設計条件等に基づいて予め定められた仕様値であり、例えば、仕様書に記載されているので、そのような仕様書から求めることができる。
又、端末器の定格流量時通流抵抗は、端末器の設計条件等により定まる仕様値であり、例えば、仕様書に記載されているので、そのような仕様書から求めることができる。
又、循環路の通流抵抗は、循環路を形成する配管の通流抵抗、及び、循環路に設けられている開閉弁等の通流抵抗等を加えたものであり、それら配管の通流抵抗や開閉弁の通流抵抗は、流量との関係として、例えば仕様書等により与えられていることから、循環路の定格流量時通流抵抗は、そのように仕様書等により与えられる配管や開閉弁の通流抵抗と流量との関係、及び、熱供給システムを設置する際の循環路の設計条件(配管の長さや開閉弁の設置個数等)に基づいて、求めることができる。
つまり、端末器の定格流量、端末器の定格流量時通流抵抗及び循環路の定格流量時通流抵抗は、それらを求めるための新たな構成を追加することなく求めるようにすることが可能となるので、熱供給システムの構成の簡略化が可能となるのである。
要するに、請求項1記載の特徴構成によれば、端末器を適切に定格運転させることが可能となる熱供給システムを提供することができるようになった。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の熱供給システムは、請求項1において、前記端末器及び前記循環路からなる循環部の熱媒の循環流量と前記循環部の通流抵抗と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記循環ポンプを作動させるための運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、記憶手段により、循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報が記憶され、制御手段により、入力手段の入力情報及び記憶手段の記憶情報に基づいて、循環路を循環する熱媒の循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプの作動させるための運転用制御変数が求められて、その求められた運転用制御変数にて循環ポンプが作動される。
つまり、記憶手段に記憶されているところの、循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報から、循環部の熱媒の循環流量が入力手段にて入力された端末器の定格流量であり、且つ、循環部の通流抵抗が入力手段にて入力された循環部の定格流量時通流抵抗であるときの循環ポンプの制御変数を運転用制御変数として求めて、その求めた運転用制御変数にて循環ポンプが作動されるのである。
循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係は、予め実験により、例えば、以下のようにして所得することができる。即ち、通流抵抗が種々に異なる循環部を用意して、循環部毎に、循環流量を種々に異ならせるように循環ポンプの制御変数を変更することにより取得することができる。
そして、入力手段にて入力された端末器の定格流量と端末器及び循環路の定格流量時通流抵抗との情報に基づいて、循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプを作動させる運転用制御変数を求めるための制御変数情報として、実際に循環路に熱媒を循環させて取得したものを用いるので、循環ポンプの運転用制御変数を一層適切に求めることが可能となる。
従って、循環ポンプの運転用制御変数を一層適切に求めることが可能となるので、端末器を一段と適切に定格運転させることが可能となる。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の熱供給システムは、請求項1において、前記循環ポンプの吐出圧力と前記循環ポンプの吐出流量と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記循環ポンプを作動させるための運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、記憶手段により、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報が記憶され、制御手段により、入力手段の入力情報及び記憶手段の記憶情報に基づいて、循環路を循環する熱媒の循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプの作動させるための運転用制御変数が求められて、その求められた運転用制御変数にて循環ポンプが作動される。
つまり、記憶手段に記憶されているところの、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報から、循環ポンプの吐出流量が入力手段にて入力された端末器の定格流量に等しく、且つ、循環ポンプの吐出圧力が入力手段にて入力された循環部の定格流量時通流抵抗に等しい時の制御変数を運転用制御変数として求めて、その求めた運転用制御変数にて循環ポンプが作動されるのである。
循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報は、熱供給システムに搭載する循環ポンプのポンプ特性として定まるものであり、そのポンプ特性は、循環ポンプの機種毎に、予め計測されて、循環ポンプの仕様書等に記載されている。
そして、記憶手段に記憶させるところの、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報としては、特別に実験等により求めることなく、循環ポンプの仕様書等に記載されている情報を用いて求めることが可能となるので、熱供給システムの低廉化が可能となる。従って、低廉化を図りながらも、端末器を適切に定格運転させることが可能となる。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の熱供給システムは、加熱手段にて加熱された熱媒を、端末器が接続された循環路を通して循環ポンプにて循環させるように構成された熱源機と、
その熱源機の運転を制御する制御手段とが設けられたものであって、
前記端末器が複数設けられると共に、前記循環路が前記複数の端末器を前記加熱手段に対して並列接続するように構成されて、各端末器及び各端末器に対応する循環路からなる循環部が、前記加熱手段に対して並列接続される状態で複数設けられ、
前記複数の循環部夫々について前記端末器における熱媒の定格流量とその定格流量での前記循環部の通流抵抗とを入力する入力手段が設けられ、
前記複数の端末器のうち、前記循環路を通して熱媒を循環させて運転状態とするものを選択して指令する指令手段と、
各端末器への熱媒の循環を断続する断続手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記指令手段の指令情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された端末器のみを前記運転状態とするように前記断続手段の作動を制御し、且つ、前記運転状態とする端末器に対応して前記入力手段にて入力された前記端末器における熱媒の定格流量と前記循環部の通流抵抗とに基づいて、前記運転状態とする前記端末器に対応する前記循環部を循環する熱媒の循環流量が前記定格流量になるように前記循環ポンプの作動を制御するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、入力手段により複数の循環部夫々について端末器の定格流量と循環部の定格流量時通流抵抗とが入力され、制御手段により、指令手段の指令情報に基づいて、運転状態とするものとして指令された端末器のみを運転状態とするように断続手段の作動が制御され、且つ、運転状態とする端末器に対応して入力手段にて入力された端末器の定格流量と循環部の定格流量時通流抵抗とに基づいて、運転状態とする端末器に対応する循環部を循環する熱媒の循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプの作動が制御される。
つまり、複数の端末器を循環路にて加熱手段に対して並列接続し、指令手段により、循環路を通して熱媒を循環させて運転状態とするものを選択して指令するようにして、運転状態とするものとして指令された端末器のみを運転状態とすることが可能なように構成する場合があるが、そのような場合、端末器毎に循環部を構成する循環路の長さが異なる等により、循環部の通流抵抗が異なるのが通常である。
そこで、入力手段を、複数の循環部夫々について端末器の定格流量と循環部の定格流量時通流抵抗を入力するように構成し、制御手段により、入力手段の入力情報に基づいて、循環ポンプの熱媒循環能力を、運転状態とする端末器の定格流量及び循環部の定格流量時通流抵抗に応じたものとなるように調節することにより、運転状態とする端末器を循環する熱媒の循環流量がその定格流量になるように、循環ポンプの熱媒循環能力を適切に調節することが可能となり、もって、運転状態とする端末器に対してその定格流量又はその定格流量に略等しい流量にて熱媒を循環させることが可能となる。
ちなみに、入力手段により入力する端末器の定格流量、循環部の定格流量時通流抵抗は、請求項1記載の発明について上記にて説明したようにして求めるようにすると、それらを求めるための新たな構成を追加することなく求めるようにすることが可能となるので、熱供給システムの構成の簡略化が可能となって好ましい。
要するに、請求項4記載の特徴構成によれば、複数の端末器から運転する端末器を選択可能でありながら、運転するものとして選択した端末器を適切に定格運転させることが可能となる熱供給システムを提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
請求項5に記載の熱供給システムは、請求項4において、前記循環部の熱媒の循環流量と前記循環部の通流抵抗と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された前記端末器を運転状態として運転するときの前記循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、記憶手段により、循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報が記憶され、制御手段により、入力手段の入力情報及び記憶手段の記憶情報に基づいて、運転状態とするものとして指令された端末器を運転状態として運転するときの循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求められて、その求められた運転用制御変数にて循環ポンプが作動される。
つまり、入力手段の入力情報に基づいて、運転状態とする端末器の定格流量と運転状態とする端末器に対応する循環部の定格流量時通流抵抗が求められ、続いて、そのように求められた端末器の定格流量及び循環部の定格流量時通流抵抗と、記憶手段に記憶されているところの、循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報とから、運転状態とする端末器の循環流量が定格流量になるように循環ポンプを作動させるための運転用制御変数が求められて、その運転用制御変数にて循環ポンプが作動されるのである。
そして、記憶手段に記憶させるところの、循環部の熱媒の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報は、請求項2記載の発明について上記にて説明したように、予め実験等により、実際に循環路に熱媒を循環させて取得する。
そして、入力手段にて入力された複数の循環部夫々についての端末器の定格流量及び循環路の定格流量時通流抵抗の情報に基づいて、運転状態とする端末器の循環流量が定格流量になるように循環ポンプを作動させる運転用制御変数を求めるための制御変数情報として、実際に循環路に熱媒を循環させて取得したものを用いるので、循環ポンプの運転用制御変数を一層適切に求めることが可能となる。
従って、循環ポンプの運転用制御変数を一層適切に求めることが可能となるので、複数の端末器から運転するものとして選択した端末器を一段と適切に定格運転させることが可能となる。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
請求項6に記載の熱供給システムは、請求項4において、前記循環ポンプの吐出圧力と前記循環ポンプの吐出流量と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された前記端末器を運転状態として運転するときの前記循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、記憶手段により、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報が記憶され、制御手段により、入力手段の入力情報及び記憶手段の記憶情報に基づいて、運転状態とするものとして指令された端末器を運転状態として運転するときの循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求められて、その求められた運転用制御変数にて循環ポンプが作動される。
つまり、入力手段の入力情報に基づいて、運転状態とする端末器の定格流量と運転状態とする端末器に対応する循環部の定格流量時通流抵抗が求められ、続いて、そのように求められた端末器の定格流量及び循環部の定格流量時通流抵抗と、記憶手段に記憶されているところの、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報とから、運転状態とする端末器の循環流量が定格流量になるように循環ポンプを作動させるための運転用制御変数が求められて、その運転用制御変数にて循環ポンプが作動されるのである。
循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの制御変数との関係を定めた制御変数情報は、請求項3記載の発明の説明について上記にて説明したように、循環ポンプの仕様書等に記載されている。
そして、記憶手段に記憶させるところの、循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報としては、特別に実験等により求めることなく、循環ポンプの仕様書等に記載されている情報を用いて求めることが可能となるので、熱供給システムの低廉化が可能となる。
従って、低廉化を図りながらも、複数の端末器から運転するものとして選択した端末器を適切に定格運転させることが可能となる。
【0013】
〔請求項7記載の発明〕
請求項7に記載の熱供給システムは、請求項5又は6において、前記制御手段が、前記運転状態とするものとして複数の端末器が指令されたときは、前記入力手段の入力情報に基づいて、前記運転状態とする複数の端末器に対応する前記循環部の通流抵抗のうちの最大の通流抵抗と、前記運転状態とする複数の端末器における熱媒の定格流量の合計流量値とを求め、且つ、求めた最大通流抵抗及び合計流量値と前記記憶手段に記憶されている前記制御変数情報とに基づいて、前記運転用制御変数を求めるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、運転状態とするものとして複数の端末器が指令されたときは、制御手段により、入力手段の入力情報に基づいて、運転状態とする複数の端末器に対応する循環部の定格流量時通流抵抗のうちの最大の定格流量時通流抵抗と、運転状態とする複数の端末器における熱媒の定格流量の合計流量値とが求められ、且つ、求められた最大定格流量時通流抵抗及び合計流量値と記憶手段に記憶されている制御変数情報とに基づいて、運転用制御変数が求められる。
つまり、運転状態とするものとして複数の端末器が指令されたときには、それら複数の端末器に対応する循環部の定格流量時通流抵抗うちの最大の定格流量時通流抵抗と、それら複数の端末器の定格流量の合計流量値とに見合う熱媒循環能力を出し得る制御変数にて循環ポンプが作動されるので、運転状態とする複数の端末器の全てを、循環流量が定格流量になるように熱媒を循環させて運転させることが可能となる。
従って、複数の端末器から運転するものとして複数の端末器が選択された場合に、選択された複数の端末器の全てを適切に定格運転させることが可能となる。
【0014】
〔請求項8記載の発明〕
請求項8に記載の熱供給システムは、請求項7において、前記制御手段が、前記運転状態とする複数の端末器に対応する前記循環部の通流抵抗の逆数の比にて前記合計流量値を比例配分して、前記循環部毎の熱媒の循環流量を求めると共に、前記循環部毎に、求めた循環流量と前記入力手段にて入力された定格流量との差を求め、且つ、求めた差に基づいて前記運転用制御変数を補正するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、制御手段により、運転状態とする複数の端末器に対応する循環部の通流抵抗の逆数の比にて前記合計流量値が比例配分されて、循環部毎の熱媒の循環流量が求められると共に、循環部毎に、求められた循環流量と入力手段にて入力された定格流量との差が求められ、且つ、求められた差に基づいて運転用制御変数が補正される。
つまり、運転状態とする複数の端末器に対応する循環部の通流抵抗の逆数の比にて前記合計流量値が比例配分されて、循環部毎の熱媒の循環流量が求められると共に、循環部毎に、求めた循環流量と入力手段にて入力された定格流量との差が求められ、且つ、求められた差に基づいて、例えば、その差が大きくなるほど熱媒循環能力が大きくなるように運転用制御変数が補正されるようにすると、運転状態とするものとして指令された複数の端末器において、循環部の定格流量時通流抵抗のバラツキが大きくて、定格流量時通流抵抗の大きい循環部に対して配分されて循環される熱媒の循環量が少なくなる場合にも、その定格流量時通流抵抗の大きい循環部に対しても、熱媒の循環流量が定格流量になるように熱媒を循環させて運転させることが可能となり、もって、運転状態とする複数の端末器の全てを定格運転させることが可能となる。
従って、運転状態とするものとして指令された複数の端末器において、循環部の定格流量時通流抵抗のバラツキが大きい場合にも、運転状態とする複数の端末器の全てを適切に定格運転させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、熱供給システムは、加熱用熱交換器1とその加熱用熱交換器1を加熱するバーナ2とからなる加熱手段Hにて加熱された熱媒としての温水を、端末器TUが接続された循環路3を通して循環ポンプ4にて循環させるように構成した熱源機CHと、その熱源機CHの運転を制御する制御手段としての制御部5とを備えて構成してある。
【0016】
端末器TUは複数設け、循環路3は複数の端末器TUを加熱手段Hに対して並列接続するように構成して、各端末器TUと各端末器TUに対応する循環路3とからなる循環部Lを、加熱手段Hに対して並列接続される状態で複数設けてある。
そして、各端末器TUに対応して、各端末器TUへの温水の供給を断続する熱動弁6を循環路3に設けてある。
複数の端末器TUとしては、例えば、浴室暖房乾燥機、床暖房装置等種々のものがあり、各端末器TUの構成は公知であるので詳細な説明は省略するが、熱源機CHから温水が循環供給される放熱部9、及び、端末器TUの運転のオンオフ等の制御情報を指令する操作パネル10等を備えて構成してある。
【0017】
そして、制御部5は、各端末器TUの操作パネル10からのオンオフ指令に基づいて、熱動弁6を開閉するように構成してあり、オン指令が指令された端末器TUの放熱部9のみに温水を循環供給するように構成してある。
つまり、各端末器TUに設けた操作パネル10にて、複数の端末器TUのうち、循環路3を通して温水を循環させて運転状態とするものを選択して指令する指令手段を構成し、制御部5は、操作パネル10の指令情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された端末器TUのみを運転状態とするように熱動弁6の作動を制御するように構成してある。
【0018】
熱源機CHについて説明を加える。
基端を加熱用熱交換器1の出口に接続した循環路3の往路部分3gの先端には、複数(例えば10口)の接続口を備えた供給ヘッダ7を接続し、先端を加熱用熱交換器1の入口に接続した循環路3の復路部分3bの基端には、複数(例えば10口)の接続口を備えた戻りヘッダ8を接続してある。そして、各端末器TUは、それぞれ熱動弁6を設けた循環路3の端末器接続路部分3cにて供給ヘッダ7の接続口と戻りヘッダ8の接続口とに接続して、循環路3の往路部分3g、端末器接続路部3c及び復路部分3bにて、端末器TUそれぞれについて循環経路を形成し、そして、このように各端末器TUそれぞれに対応して循環経路を形成する循環路3と各端末器TUとにより循環部Lを構成してある。ちなみに、この熱源機CHには、端末器TUを10台まで接続することができる。
【0019】
熱源機CHには、更に、バーナ2に燃焼用空気を通風する送風機11、循環路3を通して循環される温水を貯留すると共に、循環路3中における温水の膨張を吸収する開放型の補給水タンク12を設けてある。
補給水タンク12は、循環路3の復路部分3bの途中に設け、復路部分3bにおける補給水タンク12よりも下流側に上述の循環ポンプ4を設け、往路部分3gと復路部分3bにおける補給水タンク12よりも上流側の部分とを、往路部分3gを通流する温水を復路部分3bに端末器TUを迂回させて流すバイパス路13を接続してある。
【0020】
循環路3の往路部分3gには、通流する温水の温度を検出する往温度センサ14を設け、復路部分3bにおけるバイパス路13の接続箇所よりも上流側の部分には、通流する温水の温度を検出する戻温度センサ15を設けてある。
バーナ2にガス燃料を供給する燃料路16には、ガス供給を断続する電磁操作式の燃料用開閉弁17、ガス燃料の供給量を調節する電磁操作式の燃料調節弁18を設け、バーナ2の近くには、バーナ2を点火するための点火プラグ19、バーナ2が燃焼しているか否かを検出するフレームロッド20を設けてある。
循環ポンプ4には、駆動用として直流電動モータ4mを備えてある。
【0021】
更に、人為操作にて各種情報を入力する入力部21(入力手段に相当する)と、その入力部21にて入力される情報を表示する表示部22とを設け、制御部5には、各種情報を記憶する記憶部23(記憶手段に相当する)を備えてある。
【0022】
弟1実施形態においては、入力部21は、複数の循環部TU夫々について端末器TUにおける温水の定格流量(以下、単に端末器TUの定格流量と略記する場合がある)とその定格流量での循環部Lの通流抵抗とを入力するように構成し、記憶部23には、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数としての回転速度との関係を定めた制御変数情報を記憶させてある。尚、以下の説明では、循環部Lや、それ以外の各部(例えば、端末器TU、配管、開閉弁)を対象として、前記定格流量での通流抵抗と記載するに当たっては、定格流量時通流抵抗と略して記載する場合がある。例えば、前記定格流量での循環部Lの通流抵抗を、循環部Lの定格流量時通流抵抗と、前記定格流量での端末器TUの通流抵抗を、端末器TUの定格流量時通流抵抗と夫々記載する。
【0023】
入力部21に入力する端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗について説明を加える。
端末器TUの定格流量は、その設計条件等に基づいて予め定められた仕様値であり、例えば、2L/minの如く、仕様書に記載されている。
循環部Lの定格流量時通流抵抗は、端末器TUの定格流量時通流抵抗と、その端末器TUに対応する循環路3の定格流量時通流抵抗とを加えたものである。
【0024】
端末器TUの定格流量時通流抵抗は、その設計条件により定まる仕様値であり、例えば、開発時に実測され、例えば、○○kPa(定格流量○○L/min時)の如く、仕様書に記載されている。尚、通流抵抗は、通流抵抗を計測する対象に温水を通流させたときの入口圧力と出口圧力との差で示される圧力損失と同義であるので、以下の説明では、通流抵抗の単位をkPaにて示す。
【0025】
循環路3の定格流量時通流抵抗は、循環路3を形成する配管の定格流量時通流抵抗、及び、循環路3に設けられている開閉弁(熱動弁6等)の定格流量時通流抵抗等を加えたものであり、熱供給システムを設置する際の循環路3の設計条件により定まる。
循環路3を形成する配管の通流抵抗は、配管の材質、径、長さにより決るものであり、例えば、配管の材質及び径毎に、図5に示すように、単位長さ(例えば1m)における流量(L/min)と通流抵抗(kPa)との関係が与えられているので、その流量と通流抵抗との関係に基づいて求められる。
又、開閉弁の通流抵抗は、開閉弁の機種により決まり、例えば、開閉弁の機種毎に、図6に示すように、流量(L/min)と通流抵抗(kPa)との関係が与えられているので、その流量と通流抵抗との関係に基づいて求められる。
【0026】
そして、熱供給システムを設置する際の循環路3の設計条件により、循環路3を形成する配管の材質、径及び長さ、並びに、設けた開閉弁の機種及び個数が分かるので、例えば図5により示される如き配管の流量と通流抵抗との関係に基づいて、配管の定格流量時通流抵抗を求め、例えば図6により示される如き開閉弁の流量と通流抵抗との関係に基づいて、開閉弁の定格流量時通流抵抗を求めて、それらを加算して、循環路3の定格流量時通流抵抗を求める。
例えば、循環路3の設計条件が、配管の材質が樹脂、径がφ7、長さが10mであり、開閉弁の個数が1個であるとする。すると、図5から、1m当たりの配管の定格流量時通流抵抗は、0.25kPaとして求められるので、10mの配管の定格流量時通流抵抗は、2.5kPaとなり、又、図6から、開閉弁の定格流量時通流抵抗は、10kPaとして求められ、もって、循環路3の定格流量時通流抵抗は、配管の定格流量時通流抵抗である2.5kPaと、開閉弁の定格流量時通流抵抗である10kPaとを加えた12.5kPaとなる。
【0027】
そして、仕様書から分かる端末器TUの定格流量時通流抵抗と、上述のように求めた循環路3の定格流量時通流抵抗とを加えたものを、循環部Lの定格流量時通流抵抗として求め、そのように求めた循環部Lの定格流量時通流抵抗を、端末器TU毎に、入力部21にて入力するのである。
制御部5は、入力部21にて複数の循環部TU夫々について入力される端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗を、端末器TUに対応付けた状態で記憶部23に記憶させる。
【0028】
次に、記憶部23に記憶させる制御変数情報であるところの、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係について説明を加える。
循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係は、予め実験により求められるものであり、例えば、図3に示すように、循環部Lの循環流量毎に、循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係として求められる。
例えば、通流抵抗が種々に異なる循環部Lを用意して、循環部L毎に、循環流量を種々に異ならせるように循環ポンプ4の回転速度を変更して、図3に示す如き関係を取得する。そして、そのように取得した図3に示す如き関係を例えばマップデータとして、記憶部23に記憶させる。
【0029】
以下、制御部5の制御動作について説明する。
制御部5は、マイクロコンピュータを備えて構成してあり、リモコン操作部24から熱源機CHの運転のオンオフが指令されるようなっていて、オン状態となっている状態で、各種制御の実行が可能となる。
【0030】
いずれかの端末器TUの操作パネル10からオン指令が指令されると、循環ポンプ4を作動させ、操作パネル10からオン指令が指令された端末器TUに対応する熱動弁6を開弁すると共に、バーナ2を点火させる点火制御を実行し、以降は、往温度センサ14の検出温度を設定目標温度(例えば80°C)に維持するようにバーナ2の燃焼量を調節する温水温度制御、循環ポンプ4の回転速度を制御するポンプ回転速度制御を実行し、全ての端末器TUの操作パネル10がオフ状態になると、循環ポンプ4を停止させると共に、バーナ2を消火させる消火制御を実行する。
【0031】
各制御について説明を加えると、点火制御としては、送風機11を作動させると共に、燃料用開閉弁17を開弁して、点火プラグ19を作動させ、フレームロッド20にてバーナ2の点火を確認すると、点火プラグ19の作動を停止させる。
温水温度制御としては、戻温度センサ15の検出温度及び往温度センサ14の検出温度に基づいて、加熱用熱交換器1から出湯される温水の温度が設定目標温度になるように、燃料調節弁18の開度を調節してバーナ2の燃焼量を調節する。
消火制御としては、燃料用開閉弁17を閉弁し、その閉弁後、アフターパージ時間が経過すると、送風機11を停止させる。
【0032】
以下、ポンプ回転速度制御について説明を加える。
弟1実施形態においては、制御部5は、操作パネル10からの指令情報に基づいて運転状態とする端末器TUに対応して入力部21にて入力された端末器TUにおける温水の定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗とに基づいて、運転状態とする端末器TUに対応する循環部Lを循環する温水の循環流量が定格流量になるように循環ポンプ4の作動を制御するように構成してある。
具体的には、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)及び記憶部23の記憶情報(具体的には、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係定めた制御変数情報)に基づいて、運転状態とするものとして指令された端末器TUを運転状態として運転するときの循環ポンプ作動用の運転用回転速度を求めて、その求めた運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させるように構成してある。
【0033】
説明を加えると、運転状態とするものとして1台の端末器TUが指令されたときは、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)に基づいて、運転状態とする端末器TUの定格流量と運転状態とする端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗を求め、続いて、記憶部23に記憶されている制御変数情報から、循環部Lの温水の循環流量が前述のように求めた端末器TUの定格流量であり、且つ、循環部Lの通流抵抗が前述のように求めた循環部Lの定格流量時通流抵抗であるときの回転速度を運転用回転速度として求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして指令された端末器TUは、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、定格運転させることが可能となる。
【0034】
又、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときは、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)に基づいて、運転状態とする複数の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗のうちの最大の定格流量時通流抵抗と、運転状態とする複数の端末器TUの定格流量の合計流量値とを求め、続いて、記憶部23に記憶されている制御変数情報に基づいて、循環部Lの温水の循環流量が前述のように求めた定格流量の合計流量値に等しく、且つ、循環部Lの通流抵抗が前述のように求めた循環部Lの最大の定格流量時通流抵抗に等しいときの運転用回転速度を求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときには、それら複数の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗うちの最大の定格流量時通流抵抗に見合う吐出圧力と、それら複数の端末器TUの定格流量の合計流量値に見合う吐出流量とになる熱媒循環能力を出し得る回転速度にて循環ポンプ4が作動するので、運転状態とする複数の端末器TUの全てを、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、運転状態とする複数の端末器TUの全てを定格運転させることが可能となる。
【0035】
以下、本発明の第2ないし第5の各実施形態を説明するが、各実施形態においては、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0036】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、図1に示すように、熱源機CHは第1実施形態と同様に構成してあるが、制御部5の制御構成のうちポンプ回転速度制御が第1実施形態と異なるので、以下、ポンプ回転速度制御について説明する。
【0037】
第1実施形態と同様に、入力部21は、複数の循環部TU夫々について端末器TUの定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗とを入力するように構成し、制御部5は、入力部21にて複数の循環部TU夫々について入力される端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗を、端末器TUに対応付けた状態で記憶部23に記憶させるように構成してある。
又、第1実施形態と同様に、記憶部23には、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数としての回転速度との関係を定めた制御変数情報を記憶させてある。
【0038】
ポンプ回転速度制御として、制御部5は、第1実施形態における制御に加えて、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときは、第1実施形態と同様に求めた運転用制御変数、即ち、運転用回転速度を補正するための回転速度補正制御を実行するように構成してある。
回転速度補正制御として、制御部5は、以下のように制御動作する。
即ち、制御部5は、運転状態とする複数の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗の逆数の比にて定格流量の前記合計流量値を比例配分して、循環部L毎の熱媒の循環流量(以下、推測循環流量と称する場合がある)を求めると共に、循環部L毎に、求めた推測循環流量と入力部21にて入力された端末器TUの定格流量との差を求め、且つ、求めた差に基づいて運転用回転速度を補正する。
【0039】
回転速度補正制御について説明を加える。
運転状態とするものとしてn台の端末器TUが指令され、それらn台の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗をそれぞれp1,p2,…,pnとし、又、n台の端末器TUの定格流量をそれぞれv1,v2,…,vnとし、それらの合計流量値をVとする。又、n台の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗の逆数はそれぞれ1/p1,1/p2,…,1/pnとなり、それらをそれぞれA1,A2,…,Anとする。
すると、循環部L毎の熱媒の推測循環流量q1,q2,…,qnは、以下の数式にて求められる。
【0040】
【数1】
q1=V×{A1÷(A1+A2+…+An)}
q2=V×{A2÷(A1+A2+…+An)}
……………
qn=V×{An÷(A1+A2+…+An)}
【0041】
そして、循環部L毎に、上述のように求めた推測循環流量と入力部21にて入力された端末器TUの定格流量とを比較して、推測循環流量が定格流量よりも少なくなる循環部Lの全てについて、推測循環流量と定格流量との差、例えば、v1−q1、vn−qnを求め、そのように求めた推測循環流量と定格流量との差のうち最大のものに基づいて、推測循環流量と定格流量との差が大きくなるほど回転速度を大きくなるように補正すべく予め定めた補正条件にて、運転用制御変数に基づいて求めた運転用回転速度を補正する。前記補正条件としては、例えば、補正係数を、推測循環流量と定格流量との差が大きくなるほど大きくなるように設定しておいて、運転用制御変数に基づいて求めた運転用回転速度に前記補正条件を乗ずる条件として定める。
【0042】
従って、運転状態とするものとして指令された複数の端末器TUにおいて、循環部Lの定格流量時通流抵抗のバラツキが大きくて、定格流量時通流抵抗の大きい循環部Lに対して配分されて循環される温水の循環量が少なくなる場合でも、定格流量時通流抵抗の大きい循環部Lに対しても、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、運転状態とする複数の端末器TUの全てを定格運転させることが可能となる。
【0043】
〔第3実施形態〕
第3実施形態は、図1に示すように、熱源機CHは第1実施形態と同様に構成してあるが、制御部5の制御構成のうちポンプ回転速度制御が第1実施形態と異なるので、以下、ポンプ回転速度制御について説明する。
第1実施形態と同様に、入力部21は、複数の循環部TU夫々について端末器TUの定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗とを入力するように構成し、制御部5は、入力部21にて複数の循環部TU夫々について入力される端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗を、端末器TUに対応付けた状態で記憶部23に記憶させるように構成してある。
但し、記憶部23には、制御変数情報として、第1実施形態における制御変数情報とは異なり、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数、具体的には回転速度との関係を定めた制御変数情報を記憶させてある。
【0044】
記憶部23に記憶させる制御変数情報であるところの、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係について説明を加える。
循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係は、熱供給システムに搭載する循環ポンプ4のポンプ特性として定まるものであり、そのポンプ特性は、循環ポンプ4の機種毎に、予め実験により計測されて定められ、例えば、図4に示すように、循環ポンプ4の回転速度毎に、循環ポンプ4の吐出圧力と吐出流量との関係として定められる。
そして、そのように定められた図4に示す如き関係を例えばマップデータとして、記憶部23に記憶させる。
【0045】
即ち、第3実施形態においては、弟1実施形態と同様に、制御部5は、操作パネル10からの指令情報に基づいて運転状態とする端末器TUに対応して入力部21にて入力された端末器TUにおける温水の定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗とに基づいて、運転状態とする端末器TUに対応する循環部Lを循環する温水の循環流量が定格流量になるように循環ポンプ4の作動を制御するように構成してあるが、具体的に、循環ポンプ4の作動を制御するために、循環ポンプ4の運転用回転速度を定めるために用いる制御変数情報が、第1実施形態と異なる。
つまり、制御変数情報は、第1実施形態では、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報であったが、第3実施形態では、上述のように、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報である。
【0046】
つまり、第3実施形態においては、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)及び記憶部23の記憶情報(具体的には、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報)に基づいて、運転状態とするものとして指令された端末器TUを運転状態として運転するときの循環ポンプ作動用の運転用回転速度を求めて、その求めた運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させるように構成してある。
【0047】
説明を加えると、運転状態とするものとして1台の端末器TUが指令されたときは、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)に基づいて、運転状態とする端末器TUの定格流量と運転状態とする端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗を求め、続いて、記憶部23に記憶されている制御変数情報から、循環ポンプ4の吐出流量が前述のように求めた端末器TUの定格流量に等しく、且つ、循環ポンプ4の吐出圧力が前述のように求めた循環部Lの定格流量時通流抵抗に等しいときの回転速度を運転用回転速度として求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして指令された端末器TUは、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、定格運転させることが可能となる。
【0048】
又、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときは、制御部5は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に端末器TUに対応付けて記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗)に基づいて、運転状態とする複数の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗のうちの最大の定格流量時通流抵抗と、運転状態とする複数の端末器TUの定格流量の合計流量値とを求め、続いて、記憶部23に記憶されている制御変数情報に基づいて、循環ポンプ4の吐出流量が前述のように求めた定格流量の合計流量値に等しく、且つ、循環ポンプ4の吐出圧力が前述のように求めた循環部Lの最大の定格流量時通流抵抗に等しいときの回転速度を運転用回転速度として求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときには、それら複数の端末器TUに対応する循環部Lの定格流量時通流抵抗うちの最大の定格流量時通流抵抗に見合う吐出圧力と、それら複数の端末器TUの定格流量の合計流量値に見合う吐出流量とになる熱媒循環能力を出し得る回転速度にて循環ポンプ4が作動するので、運転状態とする複数の端末器TUの全てを、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、運転状態とする複数の端末器TUの全てを定格運転させることが可能となる。
【0049】
〔第4実施形態〕
第4実施形態においては、図2に示すように、熱源機CHに対して、端末器TUとして1台の端末器TUを接続した点で第1実施形態と異なり、又、制御部5の制御構成のうちポンプ回転速度制御が第1実施形態と異なる。
【0050】
第4実施形態においては、弟1実施形態において設けた供給ヘッダ7及び戻りヘッダ8を省略して、循環路3の往路部分3g及び復路部分3bに端末器接続路部分3cを直接に接続してある。
【0051】
入力部21は、端末器TUの定格流量と、端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗とを入力するように構成してある。入力部21に入力する端末器TUの定格流量、端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御部5は、入力部21に入力される端末器TUの定格流量を記憶部23に記憶させ、又、端末器TUの定格流量時通流抵抗と循環路3の定格流量時通流抵抗とを加えたものを、循環部Lの定格流量時通流抵抗として記憶部23に記憶させる。
又、その記憶部23には、第1実施形態と同様に、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数としての回転速度との関係を定めた制御変数情報を記憶させてある。
【0052】
ポンプ回転速度制御について説明を加える。
第4実施形態においては、制御部5は、入力部21にて入力された端末器TUの定格流量と端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗とに基づいて、循環路3を循環する温水の循環流量が端末器TUの定格流量になるように循環ポンプ4の作動を制御するように構成してある。
【0053】
具体的には、制御部4は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に記憶されている端末器TUの定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗)及び記憶部23の記憶情報(具体的には、循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報)に基づいて、循環ポンプ4を作動させるための運転用制御変数としての運転用回転速度を求めて、その求めた運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させるように構成してある。
【0054】
つまり、制御部5は、入力部21の入力情報、即ち、記憶部23に記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗に基づいて、記憶部23に記憶されている制御変数情報から、循環部Lの温水の循環流量が端末器TUの定格流量であり、且つ、循環部Lの通流抵抗が循環部Lの定格流量時通流抵抗であるときの回転速度を運転用回転速度として求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして指令された端末器TUは、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、定格運転させることが可能となる。
【0055】
〔第5実施形態〕
第5実施形態においては、図2に示すように、熱源機CHに対して、端末器TUとして1台の端末器TUを接続した点で第1実施形態と異なり、又、制御部5の制御構成のうちポンプ回転速度制御が第1実施形態と異なる。
【0056】
第5実施形態においては、第4実施形態と同様に、弟1実施形態において設けた供給ヘッダ7及び戻りヘッダ8を省略して、循環路3の往路部分3g及び復路部分3bに端末器接続路部分3cを直接に接続してある。
【0057】
入力部21は、第4実施形態と同様に、端末器TUの定格流量と、端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗とを入力するように構成してある。入力部21に入力する端末器TUの定格流量、端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御部5は、入力部21に入力される端末器TUの定格流量を記憶部23に記憶させ、又、端末器TUの定格流量時通流抵抗と循環路3の定格流量時通流抵抗とを加えたものを、循環部Lの定格流量時通流抵抗として記憶部23に記憶させる。
又、その記憶部23には、第3実施形態と同様に、制御変数情報として、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報を記憶させてある。
【0058】
ポンプ回転速度制御について説明を加える。
第5実施形態においては、制御部5は、入力部21にて入力された端末器TUの定格流量と端末器TUの定格流量時通流抵抗及び循環路3の定格流量時通流抵抗とに基づいて、循環路3を循環する温水の循環流量が端末器TUの定格流量になるように循環ポンプ4の作動を制御するように構成してある。
【0059】
具体的には、制御部4は、入力部21の入力情報(具体的には、記憶部23に記憶されている端末器TUの定格流量と循環部Lの定格流量時通流抵抗)及び記憶部23の記憶情報(具体的には、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の回転速度との関係を定めた制御変数情報)に基づいて、循環ポンプ4を作動させるための運転用制御変数としての運転用回転速度を求めて、その求めた運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させるように構成してある。
【0060】
つまり、制御部5は、入力部21の入力情報、即ち、記憶部23に記憶されている端末器TUの定格流量及び循環部Lの定格流量時通流抵抗に基づいて、記憶部23に記憶されている制御変数情報から、循環ポンプ4の吐出流量が端末器TUの定格流量に等しく、且つ、循環ポンプ4の吐出圧力が循環部Lの定格流量時通流抵抗に等しいときの回転速度を運転用回転速度として求め、その運転用回転速度にて循環ポンプ4を作動させる。
従って、運転状態とするものとして指令された端末器TUは、温水の循環流量が定格流量になるように温水を循環させて運転させることが可能となり、もって、定格運転させることが可能となる。
【0061】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態においては、入力手段を手動操作式の入力部21にて構成して、端末器TUにおける熱媒の定格流量とその定格流量での端末器TU及び循環路3の通流抵抗とを、又は、複数の循環部L夫々について端末器TUにおける熱媒の定格流量とその定格流量での循環部Lの通流抵抗とを人為的に入力するように構成する場合について例示した。
これに代えて、例えば、熱供給システムを設置対象場所に設置した状態で、循環部の循環流量が端末器の定格流量になるように循環ポンプを作動させて、そのときの通流抵抗を定格流量時通流抵抗として取得する試運転制御を実行する試運転制御部を設けて、その試運転制御部にて入力手段に構成するようにしても良い。
あるいは、外部のデータベースを通じて入力するように構成したり、熱源機CHがインターネットに接続される場合は、ネットワークを通じて入力するように構成したりすることができる。
【0062】
(ロ) 循環部Lの温水の循環流量と循環部Lの通流抵抗と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報において、循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数の具体例としては、上記の第1、第2及び第4の各実施形態において例示したように回転速度を用いる場合に限定されるものではなく、例えば、循環ポンプ4に供給する電力を用いても良い。
又、循環ポンプ4の吐出圧力と循環ポンプ4の吐出流量と循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報において、循環ポンプ4の熱媒循環能力を変更するための制御変数の具体例としては、上記の第3及び第5の各実施形態において例示したように回転速度を用いる場合に限定されるものではなく、例えば、循環ポンプ4に供給する電力を用いても良い。
【0063】
(ハ) 上記の第3実施形態において、第2実施形態において説明したのと同様に、運転状態とするものとして複数の端末器TUが指令されたときは、求めた運転用回転速度を補正するための回転速度補正制御を実行するように構成しても良い。
【0064】
(ニ) 上記の第1ないし第3の各実施形態において、循環路3にて、複数の端末器TUを加熱手段Hに対して並列接続する場合について例示したが、循環路3にて、複数の端末器TUを加熱手段Hに対して直列接続するように構成しても良い。この場合は、各端末器TUに対して、端末器TUを迂回させて熱媒を通流させる迂回路を設けて、各端末器TUに対する熱媒の供給を断続するように構成することになる。
複数の端末器TUを加熱手段Hに対して直列接続する場合に、前記迂回路を設けずに、複数の端末器TUを同時に運転状態とするように構成する場合には、入力部21にて入力する端末器TUの定格流量時通流抵抗としては、複数の端末器TU夫々の定格流量時通流抵抗を加えたものを入力することになる。
【0065】
(ホ) 循環路3を構成する配管として樹脂管を用いる場合、配管の曲がり部分は、通常、折れ曲がりを防止するために曲げ半径を大きくすることから、曲がり部分の通流抵抗は他の部分に比べてほとんど大きくならないので、循環路3の定格流量時通流抵抗を循環路3の設計条件に応じて求める場合、通常は、配管の曲がり部分を考慮する必要が無い。
尚、循環路3を構成する配管として銅管を用いる場合、配管の曲がり部分はエルボ部材を使用するので、循環路3の定格流量時通流抵抗を求める際には、エルボ部材の定格流量時通流抵抗を加えることになる。
【0066】
(ヘ) 循環ポンプ4としては、上記の実施形態において例示した如き直流電動モータ4mを備えたものに限定されるものではなく、回転速度を変更調節可能なように構成したものであれば、交流電動モータを備えたものでも使用可能である。
【0067】
(ト) 熱媒としては、上記の実施形態において例示した水に限定されるものではなく、凝固点降下剤を含有させた不凍液等種々のものを使用可能である。
又、加熱手段Hとしては、上記の実施形態において例示した如きガス燃料を燃料とするバーナ2を熱源とするものに限定されるものではなく、例えば、石油を燃料とするバーナや電気ヒータを熱源とするものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1ないし第3の各実施形態にかかる熱供給システムの構成を示すブロック図
【図2】第4及び第5の各実施形態にかかる熱供給システムの構成を示すブロック図
【図3】循環部の温水の循環流量と循環部の通流抵抗と循環ポンプの回転速度との関係を定めた制御変数情報を示す図
【図4】循環ポンプの吐出圧力と循環ポンプの吐出流量と循環ポンプの回転速度との関係を定めた制御変数情報を示す図
【図5】1mの配管における流量と通流抵抗との関係を示す図
【図6】開閉弁における流量と通流抵抗との関係を示す図
【符号の説明】
3  循環路
4  循環ポンプ
5  制御手段
6  断続手段
10 指令手段
21 入力手段
23 記憶手段
CH 熱源機
H  加熱手段
L  循環部
TU 端末器

Claims (8)

  1. 加熱手段にて加熱された熱媒を、端末器が接続された循環路を通して循環ポンプにて循環させるように構成された熱源機と、
    その熱源機の運転を制御する制御手段とが設けられた熱供給システムであって、
    前記端末器における熱媒の定格流量と、その定格流量での前記端末器及び前記循環路の通流抵抗とを入力する入力手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記入力手段にて入力された前記端末器における熱媒の定格流量と前記端末器及び前記循環路の通流抵抗とに基づいて、前記循環路を循環する熱媒の循環流量が前記定格流量になるように前記循環ポンプの作動を制御するように構成されている熱供給システム。
  2. 前記端末器及び前記循環路からなる循環部の熱媒の循環流量と前記循環部の通流抵抗と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記循環ポンプを作動させるための運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている請求項1記載の熱供給システム。
  3. 前記循環ポンプの吐出圧力と前記循環ポンプの吐出流量と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記循環ポンプを作動させるための運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている請求項1記載の熱供給システム。
  4. 加熱手段にて加熱された熱媒を、端末器が接続された循環路を通して循環ポンプにて循環させるように構成された熱源機と、
    その熱源機の運転を制御する制御手段とが設けられた熱供給システムであって、
    前記端末器が複数設けられると共に、前記循環路が前記複数の端末器を前記加熱手段に対して並列接続するように構成されて、各端末器及び各端末器に対応する循環路からなる循環部が、前記加熱手段に対して並列接続される状態で複数設けられ、
    前記複数の循環部夫々について前記端末器における熱媒の定格流量とその定格流量での前記循環部の通流抵抗とを入力する入力手段が設けられ、
    前記複数の端末器のうち、前記循環路を通して熱媒を循環させて運転状態とするものを選択して指令する指令手段と、
    各端末器への熱媒の循環を断続する断続手段とが設けられ、
    前記制御手段が、前記指令手段の指令情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された端末器のみを前記運転状態とするように前記断続手段の作動を制御し、且つ、前記運転状態とする端末器に対応して前記入力手段にて入力された前記端末器における熱媒の定格流量と前記循環部の通流抵抗とに基づいて、前記運転状態とする前記端末器に対応する前記循環部を循環する熱媒の循環流量が前記定格流量になるように前記循環ポンプの作動を制御するように構成されている熱供給システム。
  5. 前記循環部の熱媒の循環流量と前記循環部の通流抵抗と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された前記端末器を運転状態として運転するときの前記循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている請求項4記載の熱供給システム。
  6. 前記循環ポンプの吐出圧力と前記循環ポンプの吐出流量と前記循環ポンプの熱媒循環能力を変更するための制御変数との関係を定めた制御変数情報を記憶する記憶手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記入力手段の入力情報及び前記記憶手段の記憶情報に基づいて、前記運転状態とするものとして指令された前記端末器を運転状態として運転するときの前記循環ポンプ作動用の運転用制御変数を求めて、その求めた運転用制御変数にて前記循環ポンプを作動させるように構成されている請求項4記載の熱供給システム。
  7. 前記制御手段が、前記運転状態とするものとして複数の端末器が指令されたときは、前記入力手段の入力情報に基づいて、前記運転状態とする複数の端末器に対応する前記循環部の通流抵抗のうちの最大の通流抵抗と、前記運転状態とする複数の端末器における熱媒の定格流量の合計流量値とを求め、且つ、求めた最大通流抵抗及び合計流量値と前記記憶手段に記憶されている前記制御変数情報とに基づいて、前記運転用制御変数を求めるように構成されている請求項5又は6記載の熱供給システム。
  8. 前記制御手段が、前記運転状態とする複数の端末器に対応する前記循環部の通流抵抗の逆数の比にて前記合計流量値を比例配分して、前記循環部毎の熱媒の循環流量を求めると共に、前記循環部毎に、求めた循環流量と前記入力手段にて入力された定格流量との差を求め、且つ、求めた差に基づいて前記運転用制御変数を補正するように構成されている請求項7記載の熱供給システム。
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