JP2004138178A - 流体供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】例えば、サックバック弁3にパイロット空気を供給する電空比例弁7は、電源スイッチS1をONにした後、CPU部21及びD/A変換部22から初期設定のサックバック量を指示する制御信号がアナログ出力部23に出力された時間T13よりも遅い時間T14(電源投入の時間T11から約2秒経過後)に、タイマリレースイッチT及びリレースイッチK1を介して、電源供給がされて起動される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空圧式パイロット弁と、この空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空圧式パイロット弁と、この空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置が種々提案されている。
例えば、半導体製造装置などのレジスト液等の薬液を供給する回路に使用される、空圧式パイロット弁としてのサックバック弁と、このサックバック弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とから構成されたサックバックシステム(流体供給システム)を制御する印加電圧制御装置(流体供給制御装置)では、セツトアツプ電圧を設定するセツトアツプ電圧設定装置と、サツクバツク電圧を設定するサツクバツク電圧設定装置と、オフセツト電圧を設定するオフセツト電圧設定装置と、シーケンサに接続されて印加電圧の上昇下降信号を入力するシグナル入力装置と、積分回路からなりサツクバツク電圧からセツトアツプ電圧へ上昇する勾配を発生させるセツトアツプ勾配発生回路と、サツクバツク電圧とセツトアツプ電圧の変化に応じてセツトアツプ勾配発生回路の基準電位を補正することによりセツトアツプ時間を一定に保つ第1の基準電位補正回路と、同じく積分回路からなりオフセツト電圧からサツクバツクで電圧へ下降する勾配を発生させるサツクバツク勾配発生回路と、オフセツト電圧とサツクバツク電圧の変化に応じてサツクバツク勾配発生回路の基準電位を補正することによりサツクバツク時間を一定に保つ第2の基準電位補正回路と、シグナル入力装置から入力した印加電圧の上昇下降信号によりセツトアツプ勾配発生回路とサツクバツク勾配発生回路の出力を選択して出力する出力選択回路とから構成され、サックバック電圧及びセットアップ電圧が変更されてもサックバック時間及びセットアップ時間が一定になるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、半導体製造装置においては、このような従来のサックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁と、この薬液供給弁のサックバック弁にパイロット空気を供給して薬液の吸い戻し量を制御する電空比例弁とから構成される種々の薬液供給システム(流体供給システム)が使用されている。
例えば、従来の薬液供給システムの一例を図11乃至図13に基づいて説明する。
図11に示すように、薬液供給弁1は、電空比例弁(E/V)などを介してパイロット空気を供給して薬液の供給量を調整すると共に、その供給を遮断する遮断弁(A/V)2と、電空比例弁(E/V)7(図12参照)を介してパイロット空気を供給してダイアフラム3Aを駆動して薬液を規定量のみノズル内に吸い戻すサックバック弁3とが一体に形成されている。また、遮断弁2には薬液の供給ノズル4が接続され、サックバック弁3には薬液の吐出ノズル5が接続されている。従って、遮断弁2を遮断すると共に、サックバック弁3のダイアフラム3Aを駆動してサックバック室3Bの容積を変化させることによって、吐出ノズル5の先端部に残留した雫状の薬液は、所定量だけ吐出ノズル5内へ吸い戻される。ここで、薬液供給システムは、薬液供給弁1、電空比例弁7、供給ノズル4、吐出ノズル5などから構成されている。
【0004】
また、図12に示すように、薬液供給弁1の遮断弁2とサックバック弁3の各電空比例弁(E/V)の駆動制御を行う流体供給制御装置としての制御部101は、CPU部102、D/A変換部103、アナログ出力部104、電空比例弁出力部105、入出力インターフェース106、及び、電源入力部107から構成されている。
また、電源入力部107は、電源スイッチS1を介して外部の直流電源(電圧DC24V)に接続されると共に、CPU部102に電圧DC5Vの電源を供給するDC/DC変換部102A、アナログ出力部104に電圧DC±12Vの電源を供給するDC/DC変換部104A、及び、電空比例弁出力部105を介してサックバック弁3の電空比例弁7等に接続されている。従って、電源スイッチS1をONにすることによって、CPU部102、アナログ出力部104、及び電空比例弁7等に所定電圧の電源が供給されて起動する。
【0005】
また、CPU部102には、不図示のCPU、EEPROMやRAMなどが設けられ、外部の入力スイッチS2をONすることにより所定電圧(例えば、電圧DC12V等)の入力信号が、入出力インターフェース106を介して入力されると共に、リレースイッチR1を駆動することにより外部に対してアラーム信号などが出力される。
また、D/A変換部103は、CPU部102から出力される所定ビット数(例えば、12ビット等)のデジタル信号に対応するアナログ信号の出力電圧をアナログ出力部104に出力する。そして、アナログ出力部104は、D/A変換部103から入力されたアナログ信号の出力電圧を所定電圧に増幅して電空比例弁出力部105を介して電空比例弁7などに駆動制御信号として出力し、電空比例弁7などのパイロット空気の供給が制御される。
【0006】
次に、このように構成される従来の薬液供給弁1の制御部101による駆動制御の一例を図13に基づいて説明する。
図13(A)に示すように、制御部101への入力信号が入力されていない場合、即ち、入力スイッチS2がOFFの場合には、図13(B)に示すように、CPU部102から遮断弁(A/V)2の電空比例弁(E/V)に対して遮断弁2が閉となる所定の出力信号(例えば、DC1Vの出力信号)が出力され、この遮断弁2は遮断されている。また同時に、図13(C)に示すように、CPU部102からサックバック弁3の電空比例弁7に対して、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき演算したデジタル信号がD/A変換部103に出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して所定電圧が印加され、ダイアフラム3Aが最も変位してサックバック室3Bの容積が最大容積(いわゆる設定されたサックバック量)となるサックバック状態(サックバックエンド)となって、規定量の薬液が吐出ノズル5に吸い戻されている。
【0007】
また、図13(A)に示すように、時間T101において、入力スイッチS2がONになって所定電圧が入出力インターフェース106を介して入力された場合には、図13(B)に示すように、CPU部102から遮断弁2の電空比例弁(E/V)に対して、時間T101から、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき随時演算したデジタル信号がD/A変換部103に順次出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して徐々に上昇する電圧が印加されるため、遮断弁2が徐々に開放し、時間T102以降は遮断弁2は最大に開放される。一方、図13(C)に示すように、CPU部102からサックバック弁3の電空比例弁(E/V)7に対して、時間T101から、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき随時演算したデジタル信号がD/A変換部103に順次出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して徐々に上昇する電圧が印加されるため、ダイアフラム3Aの変位が徐々に減少し(セットアップラン)、時間T102以降は所定の一定電圧が印加されるため、ダイアフラム3Aの変位は最小となって(セットアップエンド)、サックバック弁3のサックバック室3Bの容積は最小容積となる。
【0008】
そして、図13(A)に示すように、時間T103において、入力スイッチS2がOFFになった場合には、図13(B)に示すように、CPU部102から遮断弁2の電空比例弁(E/V)に対して、時間T103から、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき随時演算したデジタル信号がD/A変換部103に順次出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して徐々に低下する電圧が印加されるため、遮断弁2が徐々に閉じられ、時間T104以降は遮断弁2の電空比例弁(E/V)に対して遮断弁2が遮断される所定の一定電圧が印加されるため遮断弁2は遮断される。一方、図13(C)に示すように、CPU部102からサックバック弁3の電空比例弁(E/V)7に対して、時間T103から、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき随時演算したデジタル信号がD/A変換部103に順次出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して徐々に低下する電圧が印加されるため、ダイアフラム3Aの変位が徐々に増加し(サックバックラン)、時間T105以降は所定の一定電圧(いわゆるサックバック量)が印加されるため、ダイアフラム3Aの変位は最大となって(サックバックエンド)、サックバック弁3のサックバック室3Bの容積は最大容積(いわゆる設定されたサックバック量)となって、規定量の薬液が吐出ノズル5に吸い戻される。
これにより、遮断弁2を遮断した際に、吐出ノズル5の先端部に滞留した雫状の薬液は、規定量のみ吐出ノズル5内に吸い戻されるため、薬液の吐出停止直後に吐出ノズル5の先端に残留した雫状の薬液の垂れ落ちるのを防止することができる。
【0009】
【特許文献1】
特公平7−35863号公報(第3頁左欄第9行目〜同欄第28行目、第1図乃至第5図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の制御部101による薬液供給弁1の駆動制御では、図14に示すように以下の問題点がある。
先ず、図14(A)及び(B)に示すように、時間T111において、電源スイッチS1をONにすると、CPU部102及び電空比例弁(E/V)7などに所定電圧(電圧DC24V)が印加される。すなわち、CPU部102のCPUは、時間T111から各カウンタの初期化などのイニシャル処理を所定時間実行後、D/A変換部103などに対して出力するデジタル信号のデータ値などをEEPROMから読み込み、時間T113において、このEEPROMから読み込んだデータ値に基づくデジタル信号をD/A変換部103に出力する。また、遮断弁2やサックバック弁3の各電空比例弁7などは、時間T111において動作可能な状態になっている。
【0011】
一方、図14(C)に示すように、時間T111から時間T113までは、このD/A変換部102からは、時間T111から少し遅れる時間T112から時間T113まで通常駆動状態よりも低電圧の初期出力電圧(例えば、約DC1.0Vなど)がアナログ出力部104に出力され、アナログ出力部104からは、これに対応する制御信号が電空比例弁出力部105を介して電空比例弁7に出力される。これにより、サックバック弁3のダイアフラム3Aは、予め設定される最も変位する位置(サックバックエンド)よりも更に変位して、サックバック室3Bの容積が最大容積(いわゆる設定されたサックバック量)よりも大きくなっている。そして、時間T113において、CPU部102から電空比例弁7に対して、予めEEPROMに記憶される所定のデジタル信号がD/A変換部103に出力され、アナログ出力部104及び電空比例弁出力部105を介して所定電圧が印加され、サックバック弁3のダイアフラム3Aは、予め設定されるサックバック室3Bの容積が最大容積(いわゆる設定されたサックバック量)となるサックバック状態(サックバックエンド)となる。従って、時間T113において、ダイアフラム3Aは、予め設定される最大容積以上の変位から予め設定される最大容積の変位へ急激に変化するため、吐出ノズル5の先端部に滞留する薬液面が瞬間的に動き、その衝撃でこの先端部の薬液が垂れる虞があるという懸念がある。
【0012】
そこで、本発明は、上述の例のような問題点を解決するためになされたものであって、流体供給システムのパイロット空気圧を制御する電空比例弁の駆動開始を電源投入時から所定時間遅延させることにより、電源投入時における、パイロット空気圧の変動による空圧式パイロット弁の不安定な動作を無くして、周辺機器に悪影響を与えない流体供給制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る流体供給制御装置は、空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、前記電空比例弁への電源の供給を、前記電源投入から遅延させる電源供給遅延手段を有することを特徴とする。
【0014】
このような特徴を有する請求項1に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁には、電源供給遅延手段を介してこの流体供給制御装置への電源投入から遅延して電源供給がされる、即ち、流体供給システムの空圧式パイロット弁を駆動制御する電空比例弁の駆動開始が電源投入時から遅延させられるため、流体供給制御装置への電源投入時における、パイロット空気圧の変動による空圧式パイロット弁の不安定な動作を無くすることができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0015】
また、請求項2に係る流体供給制御装置は、請求項1に記載の流体供給制御装置において、前記電源供給遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する請求項2に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁は、電源供給遅延手段を介してこの流体供給制御装置への電源投入から所定時間だけ遅延して電源供給がされて起動される。これにより、流体供給制御装置への電源投入時における、不安定な制御信号の送出による空圧式パイロット弁の不安定な動作を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を更に防止することができる。
【0017】
また、請求項3に係る流体供給制御装置は、空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、該流体供給制御装置から前記電空比例弁への制御信号の送出を、前記電源投入から遅延させる制御信号遅延手段を有することを特徴とする。
【0018】
このような特徴を有する請求項3に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁は、制御信号遅延手段を介してこの流体供給制御装置への電源投入から遅延して制御信号が送出される、即ち、流体供給システムの空圧式パイロット弁を駆動制御する電空比例弁の駆動開始が電源投入時から遅延させられるため、流体供給制御装置への電源投入時における、パイロット空気圧の変動による空圧式パイロット弁の不安定な動作を無くすることができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0019】
また、請求項4に係る流体供給制御装置は、請求項3に記載の流体供給制御装置において、前記制御信号遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする。
【0020】
このような特徴を有する請求項4に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁は、制御信号遅延手段を介してこの流体供給制御装置への電源投入から所定時間だけ遅延して制御信号が送出される。これにより、流体供給制御装置への電源投入時における、不安定な制御信号の送出による空圧式パイロット弁の不安定な動作を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を更に防止することができる。
【0021】
また、請求項5に係る流体供給制御装置は、空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、前記電空比例弁は、該電空比例弁のパイロット室の圧力を大気に開放する常時開形の電磁弁を有し、前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、該流体供給制御装置は、前記電磁弁への通電を、前記電源投入から遅延させる通電遅延手段を有することを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する請求項5に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁は、流体供給制御装置への電源投入時に、常時開形の電磁弁によりパイロット室の圧力が大気に開放されているため、この電源投入時には空圧式パイロット弁のパイロット空気は供給されない。そして、通電遅延手段を介して流体供給制御装置への電源投入から遅延してこの電磁弁に通電されて、電空比例弁を介して空圧式パイロット弁にパイロット空気が供給されるため、流体供給制御装置への電源投入時における、パイロット空気圧の変動による空圧式パイロット弁の不安定な動作を無くすることができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0023】
更に、請求項6に係る流体供給制御装置は、請求項5に記載の流体供給制御装置において、前記通電遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする。
【0024】
このような特徴を有する請求項6に係る流体供給制御装置によれば、空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁は、通電遅延手段を介してこの流体供給制御装置への電源投入から所定時間だけ遅延してこの空圧式パイロット弁にパイロット空気の供給が可能となる。これにより、流体供給制御装置への電源投入時における、不安定な制御信号の送出による空圧式パイロット弁の不安定な動作を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を更に防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る流体供給制御装置について具体化した第1実施形態乃至第3実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
先ず、流体供給制御装置を具体化した第1実施形態に係る薬液供給制御装置について図1及び図2に基づき説明する。この薬液供給制御装置により制御される流体供給システムである薬液供給システムは、サックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁と、このサックバック弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とから構成されている。
尚、第1実施形態に係るサックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁と、このサックバック弁にパイロット空気を供給する電空比例弁との構成は、上記従来の薬液供給弁1と電空比例弁7とほぼ同じ構成であり、以下の説明において上記従来の薬液供給弁1などと同一符号は、該従来の薬液供給弁1などの構成と同一あるいは相当部分を示すものである(図11、図12参照)。また、第1実施形態に係る薬液供給システムは、上記従来の薬液供給システムと同様に、薬液供給弁1、電空比例弁7、供給ノズル4、吐出ノズル5などから構成されている。
【0026】
図1に示すように、薬液供給弁1の遮断弁2とサックバック弁3の各電空比例弁(E/V)の駆動制御を行う薬液供給制御装置10は、電源供給遅延手段としての遅延回路部11と、制御部12とから構成されている。尚、第1実施形態では、遅延回路部11と制御部12とはそれぞれ別基板上に構成されている。
また、遅延回路部11は、電源入力部13、この電源入力部に入力された電源電圧を制御部12に出力する電源出力部14、入出力インターフェース15、この入出力インターフェース15と制御部12とを電気的に接続する接続コネクタ部16、電空比例弁出力部17、この電空比例弁出力部17と制御部12とを電気的に接続する接続コネクタ部18から構成されている。
【0027】
また、この電源入力部13は、電源スイッチS1を介して外部の直流電源(電圧DC24V)に接続されている。また、電源入力部13と電源出力部14とを接続する一対の電源ラインL1、L2の間には、電源が供給されてから所定時間(第1実施形態では、約2秒である。)経過後にONとなるタイマリレースイッチTが接続されると共に、このタイマリレースイッチTを介して各リレースイッチK1、K2がこの電源ラインL1、L2の間に接続されている。これにより、電源スイッチS1がONになり電源が供給されると、所定時間経過後にタイマリレースイッチTがONになると共に、各リレースイッチK1、K2がONになる。
【0028】
また、この入出力インターフェース15には外部の入力スイッチS2をONすることにより所定電圧(例えば、電圧DC12Vなど)の入力信号が入力されると共に、この入力された所定電圧は、一対の接続線L3、L4を介して接続コネクタ部16に接続されている。また、入出力インターフェース15と接続コネクタ部16との間には、外部に対してアラーム信号などを出力するために、一対の接続線L5、L6が接続されると共に、この接続線L5の途中にはリレースイッチK2が接続されている。
【0029】
また、この電空比例弁出力部17と接続コネクタ部18との間には、サックバック弁(S/V)3にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)7に接続される制御信号線L8と、該電空比例弁7に接続される一対の電源ラインL9、L10とが接続されると共に、この電源ライン線L9の途中にはリレースイッチK1が接続されている。
【0030】
一方、制御部12は、CPU部21、D/A変換部22、アナログ出力部23、電空比例弁出力部24、入出力インターフェース25、及び、電源入力部26から構成されている。
また、電源入力部26は、遅延回路部11の電源出力部14に接続されている。また、この電源入力部26は、CPU部21に電圧DC5Vの電源を供給するDC/DC変換部21A、アナログ出力部23に電圧DC±12Vの電源を供給するDC/DC変換部23Aに接続されている。また、電源入力部26は、電空比例弁出力部24を介して接続コネクタ部18に接続され、遅延回路部11の各電源ラインL9、L10に接続されている。
従って、電源スイッチS1をONすることによって、CPU部21及びアナログ出力部23に所定電圧(電圧DC24V)の電源が供給されて起動されると共に、遅延回路部11の接続コネクタ部18に所定電圧(電圧DC24V)の電源が供給される。また、電源スイッチS1をONすることによって、所定時間経過後にタイマリレースイッチTがONになると共に、各リレースイッチK1、K2がONになり、遅延回路部11の接続線L5が接続されると共に、電源ラインL9が接続されて電空比例弁7等に所定電圧(電圧DC24V)の電源が供給されて起動する。
【0031】
また、CPU部21には、不図示のCPU、EEPROMやRAMなどが設けられている。また、CPU部21は、入出力インターフェース25及び接続コネクタ部16を介して、遅延回路部11の各接続線L3、L4に接続されると共に、リレースイッチR1、入出力インターフェース25及び接続コネクタ部16を介して、遅延回路部11の各接続線L5、L6に接続されている。
従って、外部の入力スイッチS2をONすることにより所定電圧(例えば、電圧DC12Vなど)の入力信号が、入出力インターフェース15、接続コネクタ部16、及び入出力インターフェース25を介してCPU部21に入力される。また、CPU部21は、リレースイッチR1を駆動することにより、入出力インターフェース25、接続コネクタ部16、及び入出力インターフェース15を介して、外部に対してアラーム信号などを出力できる。
【0032】
また、D/A変換部22は、CPU部21から出力される12ビットのデジタル信号に対応するアナログ信号の出力電圧をアナログ出力部23に出力する。そして、アナログ出力部23は、D/A変換部22から入力されたアナログ信号の出力電圧を所定電圧に増幅して、電空比例弁出力部24、接続コネクタ部18、制御信号線L8、及び電空比例弁出力部17を介して電空比例弁7などに駆動制御信号として出力し、電空比例弁7などのパイロット空気の供給が制御される。
【0033】
次に、このように構成される薬液供給制御装置10の起動時における、サックバック弁(S/V)3にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)7の駆動制御の一例を図2に基づいて説明する。
先ず、図2(A)に示すように、時間T11において、電源スイッチS1をONにすると、CPU部21のDC/DC変換部21A及びアナログ出力部23のDC/DC変換部23Aなどに所定電圧(電圧DC24V)が印加される。すなわち、CPU部21のCPUは、時間T11から各カウンタの初期化などのイニシャル処理を所定時間実行後、D/A変換部22などに対して出力するデジタル信号のデータ値などをEEPROMから読み込み、時間T13において、このEEPROMから読み込んだデータ値に基づくデジタル信号をD/A変換部22に出力する。
【0034】
また、図2(C)に示すように、時間T11から時間T13までは、このD/A変換部22からは、時間T11より少し遅れた時間T12から時間T13まで通常駆動状態よりも低電圧の初期出力電圧(例えば、約DC1Vなど)がアナログ出力部23に出力され、アナログ出力部23からは、これに対応する制御信号が電空比例弁出力部24、接続コネクタ部18、制御信号線L8、及び電空比例弁出力部17を介して電空比例弁7に出力される。即ち、アナログ出力部23から電空比例弁7に対して、サックバック弁3のダイアフラム3Aが予め設定される最も変位する位置(いわゆる設定されたサックバック量)よりも更に変位するパイロット空気を供給するように指示する制御信号が出力される。
そして、時間T13において、CPU部21からD/A変換部22に対して、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき演算したデジタル信号が出力され、アナログ出力部23、電空比例弁出力部24、接続コネクタ部18、制御信号線L8、及び電空比例弁出力部17を介して電空比例弁7に所定電圧が出力される。即ち、アナログ出力部23から電空比例弁7に対して、サックバック弁3のダイアフラム3Aが予め設定される最も変位する位置(いわゆる設定されたサックバック量)に変位するパイロット空気を供給するように指示する制御信号が出力される。
【0035】
一方、図2(B)に示すように、時間T11において、電源スイッチS1をONにすると、タイマリレースイッチTは、時間T13よりも遅い所定時間経過後(第1実施形態では、時間T11から約2秒経過後)の時間T14にONとなり、各リレースイッチK1、K2がONになる。これにより、遅延回路部11の電源ラインL9がリレースイッチK1を介して導通するため、電空比例弁7には、電空比例弁出力部24、接続コネクタ部18、各電源ラインL9、L10、及び電空比例弁出力部17を介して電源電圧DC24Vが供給されて起動する。
【0036】
従って、第1実施形態に係る薬液供給制御装置10によれば、サックバック弁3にパイロット空気を供給する電空比例弁7は、電源スイッチS1をONにした後、CPU部21及びD/A変換部22から初期設定のサックバック量を指示する制御信号がアナログ出力部23に出力された時間T13よりも遅い時間T14(電源投入の時間T11から約2秒経過後)に、タイマリレースイッチT及びリレースイッチK1を介して、電源供給がされて起動する。
これにより、薬液供給制御装置10への電源投入時における、電空比例弁7の起動をタイマリレースイッチT及びリレースイッチK1により電源投入時から約2秒間遅延させることにより、サックバック弁3の吸い戻し量の設定を初期設定のサックバック量に確実に設定することができ、電源投入時における、サックバック弁3の吸い戻し量の急激な変動を無くして、吐出ノズル5の先端部から薬液が垂れるのを確実に防止することができる。
【0037】
次に、第2実施形態に係る流体供給制御装置について図3乃至図5に基づき説明する。この第2実施形態に係る流体供給システムは、空圧式パイロット弁である遮断弁(A/V)と、この遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とから構成されている。
尚、第2実施形態に係る遮断弁とこの遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁との構成は、上記第1実施形態に係る遮断弁2とこの遮断弁2にパイロット空気を供給する電空比例弁とほぼ同じ構成である。
【0038】
図3に示すように、不図示の空圧式パイロット弁である遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)37の駆動制御を行う流体供給制御装置30は、外部の直流電源(電圧DC24V)に接続される電源スイッチS3と、制御部31とから構成されている。また、制御部31は、CPU部32、D/A変換部33、アナログ出力部34、電空比例弁出力部35、及び電源入力部36から構成されている。また、CPU部32には、後述のようにD/A変換部33への基準電源の供給を遅らせる遅延回路40(図4参照)が設けられている。
尚、制御部31には、上記従来の制御部101と同様に入出力インターフェース106、入力スイッチS2、リレースイッチR1などが設けられている(図12参照)。
また、電源入力部36は、電源スイッチS3を介して外部の直流電源(電圧DC24V)に接続されると共に、各電源ラインL21、L22及び電空比例弁出力部35を介して電空比例弁37に接続されている。また、各電源ラインL21、L22には、CPU部32に電圧DC5Vの電源を供給するDC/DC変換部32A、アナログ出力部34に電圧DC±12Vの電源を供給するDC/DC変換部34Aが接続されている。従って、電源スイッチS3をONにすることによって、CPU部32、アナログ出力部34、及び電空比例弁37等に所定電圧の電源が供給されて起動する。
【0039】
また、CPU部32には、不図示のCPU、EEPROMやRAMなどが設けられ、不図示の入力スイッチS2をONすることにより所定電圧(例えば、電圧DC12Vなど)の入力信号が、不図示の入出力インターフェース106を介して入力されると共に、不図示のリレースイッチR1を駆動することにより外部に対してアラーム信号などが出力される。
また、D/A変換部33は、CPU部32から出力される12ビットのデジタル信号に対応するアナログ信号の出力電圧をアナログ出力部34に出力する。そして、アナログ出力部34は、D/A変換部33から入力されたアナログ信号の出力電圧を所定電圧に増幅して制御信号線L23及び電空比例弁出力部35を介して電空比例弁37などに駆動制御信号として出力し、電空比例弁37などのパイロット空気の供給が制御される。
【0040】
また、図4に示すように、D/A変換部33への基準電源の供給を遅らせる制御信号遅延手段としての遅延回路40は、DC/DC変換部32Aの出力電源に接続される遅延素子41、この遅延素子41の出力部に接続されるNOT回路42、ホトカプラ43から構成されている。また、ホトカプラ43の発光ダイオードのカソードにNOT回路42の出力部が接続され、このホトカプラ43のホトトランジスタのエミッターに基準電源44が接続されている。従って、遅延素子41がLow信号(約DC0Vである。)を出力した場合は、NOT回路42及びホトカプラ43を介して、基準電源44に電源が供給されないため、D/A変換部33に基準電圧Vrefが供給されない、即ち、D/A変換部33から電空比例弁37に対して制御信号が出力されない。一方、遅延素子41がHigh信号(約DC5Vである。)を出力した場合は、NOT回路42及びホトカプラ43を介して、基準電源44に電源が供給されるため、D/A変換部33に基準電圧Vrefが供給される、即ち、D/A変換部33から電空比例弁37に対して制御信号が出力される。
ここで、遅延素子41は、起動後所定時間(第2実施形態では、少なくともCPU部32のCPUがEEPROMに保存される初期化データに基づいて初期化出力信号を出力するまでの時間である。)Low信号(約DC0Vである。)を出力後、High信号(約DC5V)を出力するように構成されている。
【0041】
次に、このように構成される流体供給制御装置30の起動時における、遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)37の駆動制御の一例を図5に基づいて説明する。
先ず、図5(A)及び(B)に示すように、時間T21において、電源スイッチS3をONにすると、CPU部32及び電空比例弁(E/V)37などに所定電圧(電圧DC24V)が印加される。
また、図5(C)に示すように、CPU部32のCPUは、時間T21から各カウンタの初期化などのイニシャル処理を所定時間実行後、D/A変換部33などに対して出力するデジタル信号のデータ値などをEEPROMから読み込み、時間T22において、このEEPROMから読み込んだデータ値に基づき演算したデジタル信号をD/A変換部33に出力する。
これにより、時間T22において、CPU部32からD/A変換部33に対して、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき演算したデジタル信号が出力される。即ち、CPU部32からD/A変換部33に対して、電空比例弁37を初期設定するように指示する制御信号が出力される。
【0042】
一方、図5(D)及び(E)に示すように、遅延素子41は、起動後所定時間(第2実施形態では、時間T22より少し遅れる時間T23である。)までLow信号(約DC0Vである。)を出力するため、NOT回路42の出力電圧は、時間T21から時間T22より少し遅れる時間T23までHigh信号(約DC5V)が出力される。また、基準電源44は、NOT回路42からHigh信号(約DC5V)が出力されている間は、ホトカプラ43を介して電源が供給されないため、D/A変換部33に対して基準電圧Vrefを出力しない。
このため、D/A変換部33は、時間T21から時間T23まで、アナログ信号の出力電圧をアナログ出力部34に出力しないため、時間T21から時間T23までの間、アナログ出力部34、制御信号線L23、及び電空比例弁出力部35を介して、電空比例弁37などに対して駆動制御信号が出力されず、遮断弁(A/V)は駆動されない。
【0043】
そして、時間T22より少し遅れる時間T23において、遅延素子41は、High信号(約DC5V)を出力するため、NOT回路42の出力電圧は、時間T23からLow信号(約DC0Vである。)を出力する。また、基準電源44は、NOT回路42からLow信号(約DC0Vである。)が出力されている間は、ホトカプラ43を介して電源が供給されるため、D/A変換部33に対して基準電圧Vrefを出力する。
これにより、時間T23以降、CPU部32からD/A変換部33に対して出力されている電空比例弁37を初期設定するように指示する12ビットの制御信号に対応するアナログ信号がアナログ出力部34に出力され、アナログ出力部34、制御信号線L23、及び電空比例弁出力部35を介して、この初期設定のデジタル信号に対応する初期設定の制御信号が電空比例弁37に出力される。即ち、時間T23以降、電空比例弁37に対して、初期設定のパイロット空気を供給をするように指示する制御信号が出力される。
【0044】
従って、第2実施形態に係る流体供給制御装置30によれば、時間T21に電源スイッチS3をONにして電源投入後、時間T22にCPU部32からD/A変換部33に対して、電空比例弁37を初期設定するように指示する12ビットの制御信号が出力される。一方、この12ビットの制御信号に対応してD/A変換部33から電空比例弁37に対して出力される初期設定のアナログ信号は、遅延回路40を介して時間T22から所定時間だけ遅延した時間T23にアナログ出力部34に送出される。
これにより、流体供給制御装置30への電源投入時における、D/A変換部33から電空比例弁37への駆動制御信号を遅延回路40により電源投入時から所定時間遅延させることによって、遮断弁の電空比例弁37に対する初期設定を確実に設定するまではパイロット空気圧を大気圧に保つことができ、電源投入時におけるパイロット空気圧の急激な変動による遮断弁(A/V)からの流体の漏れ等を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0045】
次に、第3実施形態に係る流体供給制御装置について図6乃至図8に基づき説明する。この第3実施形態に係る流体供給システムは、空圧式パイロット弁である遮断弁(A/V)と、この遮断弁にパイロット空気を供給する後述の電空比例弁とから構成されている。
尚、第3実施形態に係る遮断弁とこの遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁との構成は、上記第1実施形態に係る遮断弁2とこの遮断弁2にパイロット空気を供給する電空比例弁とほぼ同じ構成である。但し、この電空比例弁のパイロット室には、常時開形の電磁弁が設けられている点で第1実施形態の電空比例弁と異なっている。
【0046】
図6に示すように、不図示の遮断弁(A/V)にパイロット空気を供給する電空比例弁50のパイロット室51には、パイロット空気の流れる通路に常時開形の電磁弁52が接続されている。これにより、電磁弁52が通電されていない場合、即ち電磁弁52が励磁されていない場合には、給気口からのエアは電磁弁52より排気される、即ち、このパイロット室51の圧力は大気に開放され、遮断弁へのエアパイロットの圧力は0MPaにほぼ等しくなり、遮断弁は閉じられた状態である。一方、この電磁弁52が通電された場合は、電磁弁52が閉じられて所定圧力のパイロット空気がパイロット室から送出され、遮断弁はパイロット空気圧に従って開放される。
【0047】
また、図7に示すように、遮断弁の電空比例弁(E/V)50の駆動制御を行う流体供給制御装置60は、外部の直流電源(電圧DC24V)に接続される電源スイッチS4と、制御部61とから構成されている。また、制御部61は、CPU部62、バッファ回路68、D/A変換部63、アナログ出力部64、電空比例弁出力部65、入出力インターフェース66及び電源入力部67から構成されている。
また、電源入力部67は、電源スイッチS4を介して外部の直流電源(電圧DC24V)に接続されると共に、各電源ラインL25、L26及び電空比例弁出力部65を介して電空比例弁50に接続されている。また、各電源ラインL25、L26には、CPU部62に電圧DC5Vの電源を供給するDC/DC変換部62A、アナログ出力部64に電圧DC±12Vの電源を供給するDC/DC変換部64Aが接続されている。従って、電源スイッチS4をONにすることによって、CPU部62、アナログ出力部64、及び電空比例弁50等に所定電圧(電圧DC24V)の電源が供給されて起動する。
【0048】
また、CPU部62には、不図示のCPU、EEPROMやRAMなどが設けられ、外部の入力スイッチS5をONすることにより所定電圧(例えば、電圧DC12Vなど)の入力信号が、入出力インターフェース66を介して入力されると共に、リレースイッチR3を駆動することにより外部に対してアラーム信号などが出力される。
また、D/A変換部63は、CPU部62から出力される12ビットのデジタル信号に対応するアナログ信号の出力電圧をアナログ出力部64に出力する。そして、アナログ出力部64は、D/A変換部63から入力されたアナログ信号の出力電圧を所定電圧に増幅して制御信号線L27及び電空比例弁出力部65を介して電空比例弁50などに駆動制御信号として出力し、電空比例弁50などのパイロット空気の供給が制御される。
また、バッファ回路68は、CPU部62から出力される1ビットのデジタル信号に対応する出力電圧(例えば、1ビットのデジタル信号が「0」の時は、約DC0Vの出力電圧、1ビットのデジタル信号が「1」の時は、約DC5Vの出力電圧)をアナログ出力部64に出力する。そして、アナログ出力部64は、バッファ回路68から入力されたこの出力電圧を所定電圧に増幅して信号線L28及び電空比例弁出力部65を介して電磁弁52に通電し、電空比例弁50のパイロット室51の圧力が制御される。
【0049】
次に、このように構成される流体供給制御装置60の起動時における、遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)50の駆動制御の一例を図8に基づいて説明する。
先ず、図8(A)及び(B)に示すように、時間T31において、電源スイッチS4をONにすると、CPU部62のDC/DC変換部62A、アナログ出力部64のDC/DC変換部64A、及び電空比例弁(E/V)50などに、各電源ラインL25、L26、及び電空比例弁出力部65などを介して所定電圧(電圧DC24V)が印加される。即ち、CPU部62のCPUは、時間T31から各カウンタの初期化などのイニシャル処理を所定時間実行後、D/A変換部63やバッファ回路68などに対して出力するデジタル信号のデータ値などをEEPROMから読み込み、時間T32において、このEEPROMから読み込んだデータ値に基づくデジタル信号をD/A変換部63やバッファ回路68などに対して出力する。また、電空比例弁50及びD/A変換部63は、時間T31において起動されている。
【0050】
また、図8(C)に示すように、時間T31から時間T32までは、D/A変換部63からは、時間T31から時間T32まで通常駆動状態よりも低電圧の初期出力電圧(例えば、約DC1Vなど)がアナログ出力部64に出力され、アナログ出力部64からは、これに対応する制御信号が制御信号線L27及び電空比例弁出力部65を介して電空比例弁50に出力される。即ち、アナログ出力部64から電空比例弁50に対して、遮断弁にパイロット空気を供給するように指示する制御信号が出力され、給気弁が所定量開かれる。
そして、時間T32から所定時間経過した時間T33(時間T31から約2秒経過した時間T33)において、CPU部62からD/A変換部63に対して、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき演算されたデジタル信号が出力され、アナログ出力部63、制御信号線L27及び電空比例弁出力部65を介して電空比例弁50に所定電圧が出力される。即ち、アナログ出力部64から電空比例弁50に対して、初期設定圧力のパイロット空気を供給するように指示する制御信号が出力される。
【0051】
一方、図8(D)に示すように、時間T31から時間T32までは、CPU部62からバッファ回路68にデジタル信号が出力されないため、このバッファ回路68からアナログ出力部64に対しては、時間T31から時間T32まで出力電圧が出力されず、電磁弁52は通電されていない。即ち、電空比例弁50のパイロット室51の圧力は、常時開形の電磁弁52を介して大気に開放されている。
そして、時間T32から時間T31より約2秒経過した時間T33までは、CPU部62からバッファ回路68に対して、予めEEPROMに記憶される「0」のデジタル信号、即ち電圧DC0Vが出力されるため、アナログ出力部63、信号線L28及び電空比例弁出力部65を介して電磁弁52には通電されない。即ち、電空比例弁50のパイロット室51の圧力は、常時開形の電磁弁52を介して大気に開放されている。
【0052】
続いて、時間T31より約2秒経過した時間T33において、CPU部62からバッファ回路68に対して、予めEEPROMに記憶される「1」のデジタル信号、即ち約電圧DC5Vが出力されるため、アナログ出力部63、信号線L28及び電空比例弁出力部65を介して電磁弁52が通電される。即ち、常時開形の電磁弁52は通電されて閉じられるため、電空比例弁50のパイロット室51の圧力は所定圧力に復帰する。これにより、時間T33以降、電空比例弁50を介して、所定圧力のパイロット空気が遮断弁に供給される。
ここで、CPU部62、バッファ回路68、アナログ出力部64、信号線L28、及び電空比例弁出力部65は、通電遅延手段を構成する。
【0053】
従って、第3実施形態に係る流体供給制御装置60によれば、遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁50は、流体供給制御装置60への電源投入時に、時間T31から時間T32まで、常時開形の電磁弁52により電空比例弁50のパイロット室の圧力が大気に開放されているため、この電源投入時(時間T31から時間T32までの時間)にはパイロット空気が遮断弁に供給されない。また、時間T32以降は、CPU部62からD/A変換部63に12ビットの所定のデジタル信号が出力されるが、時間T32から時間T33までは、CPU部62からバッファ回路68に「0」のデジタル信号が出力されて、電磁弁52は通電されず、電空比例弁50のパイロット室の圧力が大気に開放されているため、時間T32から時間T33までの時間にはパイロット空気が遮断弁に供給されない。一方、時間T33(時間T31から約2秒経過)以降においては、CPU部62からバッファ回路68に「1」のデジタル信号が出力されて、電磁弁52は通電され、所定圧力のパイロット空気が電空比例弁50を介して遮断弁に供給される。
これにより、流体供給制御装置60への電源投入時における、電空比例弁50のパイロット室51の圧力を大気に開放している常時開形の電磁弁52を電源投入時から約2秒後に通電制御することにより、この電空比例弁50から所定圧力のパイロット空気圧が遮断弁に供給されるため、電源投入時におけるパイロット空気圧の急激な変動による遮断弁(A/V)からの流体の漏れ等を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0054】
尚、本発明は、前記第1実施形態乃至第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)前記第1実施形態では、薬液供給制御装置10の電源投入から、約2秒後に電空比例弁7からパイロット空気の送出が開始されるように設定しているが、薬液供給制御装置10の電源投入から、少なくとも各D/A変換部22がCPU部21から、サックバック弁3のダイアフラム3Aが予め設定される最も変位する位置(いわゆる設定されたサックバック量)に変位するパイロット空気を供給するように制御する12ビットのデジタル信号を受信して、それに対応するアナログ信号をアナログ出力部23に送出後に、電空比例弁7からパイロット空気の送出が開始されるように設定してもよい。また、薬液供給制御装置10の電源投入から、約2秒経過後の任意の時間に、電空比例弁7からパイロット空気の送出が開始されるように設定してもよい。これにより、薬液供給制御装置10への電源投入時における、サックバック弁3のダイアフラム3Aの吸い戻し量の急激な変動を無くして、吐出ノズル5の先端部から薬液が垂れるのを確実に防止することができる。
【0055】
(B)前記第2実施形態では、遅延素子41により基準電源44の起動時間を遅らせたが、遅延素子41に替えてCPU部32のCPUから直接NOT回路42に1ビットのデジタル信号を送出する構成にして、CPU部32の起動後、CPUからNOT回路42に「0」のデジタル信号を送出し、所定時間経過後(例えば、CPU部32起動から約2秒経過後)に「1」のデジタル信号を送出するようにしてもよい。これにより、遅延素子41を削減することができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0056】
(C)前記第2実施形態では、遅延回路40によりCPU部32の起動後所定時間経過した後にD/A変換部33へ基準電圧Vrefを供給するように構成したが、図9に示すように、DC/DC変換部32AとCPU部32及びD/A変換部33との間に上記遅延素子41に替えてリセットIC46が配設された遅延回路40を設け、この遅延回路40によりCPU部32へのリセット信号の供給及びD/A変換部33への基準電圧Vrefの供給を電源投入後、所定時間(例えば、約0.5秒)遅延させるように構成してもよい。
次に、このように構成される流体供給制御装置の起動時における、遮断弁にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)の駆動制御の一例を図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記第2実施形態に係る流体供給制御装置30と同一符号は、該第2実施形態に係る流体供給制御装置30などの構成と同一あるいは相当部分を示すものである(図3乃至図5参照)。
先ず、図10(A)及び(B)に示すように、時間T41において、電源スイッチS3をONにすると、CPU部32及び電空比例弁(E/V)37、D/A変換部33などに所定電圧(電圧DC24V又はDC5V)が印加される。
また、図10(C)に示すように、CPU部32のCPUは、時間T41から所定時間(例えば、約0.5秒)遅延した時間T42に、各カウンタの初期化などのイニシャル処理を開始後、D/A変換部33などに対して出力するデジタル信号のデータ値などをEEPROMから読み込み、時間T43において、このEEPROMから読み込んだデータ値に基づき演算したデジタル信号をD/A変換部33に出力する。
これにより、時間T43において、CPU部32からD/A変換部33に対して、予めEEPROMに保存されたデータ値に基づき演算したデジタル信号が出力される。即ち、CPU部32からD/A変換部33に対して、電空比例弁37を初期設定するように指示する制御信号が出力される。
【0057】
一方、図10(D)及び(E)に示すように、リセットIC46は、起動後所定時間経過した時間T42までLow信号(約DC0Vである。)を出力するため、基準電源44は、ホトカプラ43を介して電源が供給されないため、D/A変換部33に対して基準電圧Vrefを出力しない。
このため、D/A変換部33は、時間T41から時間T42まで、アナログ信号の出力電圧をアナログ出力部34に出力しないため、時間T41から時間T42までの間、アナログ出力部34、制御信号線L23、及び電空比例弁出力部35を介して、電空比例弁37などに対して駆動制御信号が出力されず、遮断弁(A/V)は駆動されない。即ち、図10(E)の時間T41から時間T42まで破線で示すような不定出力が電空比例弁37などに対して出力されず、遮断弁(A/V)は駆動されない。
【0058】
そして、時間T42において、リセットIC46は、High信号(約DC5V)を出力するため、基準電源44は、NOT回路42からLow信号(約DC0Vである。)が出力されている間は、ホトカプラ43を介して電源が供給されるため、D/A変換部33に対して基準電圧Vrefを出力する。一方、CPU部32は、時間T42から時間T43まで、D/A変換部33に制御信号としてイニシャル処理での初期出力(約DC0V)の指示をするため、この時間T42から時間T43までの間、アナログ出力部34、制御信号線L23、及び電空比例弁出力部35を介して、電空比例弁37などに対して駆動制御信号が出力されず、遮断弁(A/V)は駆動されない。
【0059】
続いて、時間T43以降、CPU部32からD/A変換部33に対して電空比例弁37を初期設定するように指示する12ビットの制御信号が出力される。そして、D/A変換部33からこの12ビットの制御信号に対応するアナログ信号がアナログ出力部34に出力され、アナログ出力部34、制御信号線L23、及び電空比例弁出力部35を介して、この初期設定のデジタル信号に対応する初期設定の制御信号が電空比例弁37に出力される。即ち、時間T43以降、電空比例弁37に対して、初期設定圧力のパイロット空気を供給をするように指示する制御信号が出力される。
これにより、流体供給制御装置への電源投入時において、CPU部32の起動とD/A変換部33から電空比例弁37への駆動制御信号の出力とが、遅延回路40により電源投入時から所定時間遅延させることによって、電空比例弁37に対する初期設定を確実に設定することができるため、電源投入時におけるパイロット空気圧の急激な変動による遮断弁(A/V)からの流体の漏れ等を確実に防止することができ、周辺機器への悪影響を防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明に係る流体供給制御装置では、流体供給システムのパイロット空気圧を制御する電空比例弁の駆動開始を電源投入時から所定時間遅延させることにより、電源投入時における、パイロット空気圧の変動による空圧式パイロット弁の不安定な動作を無くして、周辺機器に悪影響を防止することができる流体供給制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る薬液供給制御装置の一例を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る薬液供給制御装置の起動時における駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は薬液供給制御装置への電源入力及びCPU部の駆動状態を示すタイムチャート、(B)はサックバック弁の電空比例弁(E/V)への電源入力を示すタイムチャート、(C)はD/A変換部の出力信号及びサックバック弁のダイアフラムの駆動状態を模式的に示すタイムチャートである。
【図3】第2実施形態に係る流体供給制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態に係る流体供給制御装置のD/A変換部への基準電源の供給を遅らせる遅延回路を示す概略回路図である。
【図5】第2実施形態に係る流体供給制御装置の起動時における駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は流体供給制御装置への電源入力を示すタイムチャート、(B)は遮断弁(A/V)にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)への電源入力を示すタイムチャート、(C)はCPU部の駆動状態を示すタイムチャート、(D)はD/A変換部への基準電源の供給を遅らせる遅延回路を構成するNOT回路の出力信号を示すタイムチャート、(E)は基準電源の出力電圧Vrefを示すタイムチャートである。
【図6】第3実施形態に係る流体供給システムを構成する電空比例弁(E/V)のパイロット室の概略空気圧回路図である。
【図7】第3実施形態に係る流体供給制御装置の一例を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る流体供給制御装置の起動時における駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は流体供給制御装置への電源入力及びCPU部の駆動状態を示すタイムチャート、(B)は遮断弁の電空比例弁(E/V)への電源入力を示すタイムチャート、(C)はD/A変換部の出力信号を示すタイムチャート、(D)は電磁弁への通電状態を示すタイムチャートである。
【図9】他の実施形態に係る流体供給制御装置のCPU部及びD/A変換部への電圧DC5V及び基準電源の供給を電源投入時から所定時間遅らせる遅延回路の構成を示す概略回路図である。
【図10】他の実施形態に係る流体供給制御装置の起動時における駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は流体供給制御装置への電源入力を示すタイムチャート、(B)は遮断弁(A/V)にパイロット空気を供給する電空比例弁(E/V)への電源入力を示すタイムチャート、(C)はCPU部の駆動状態を示すタイムチャート、(D)は基準電源の出力電圧Vrefを示すタイムチャート、(E)はD/A変換部の出力信号を示すタイムチャートである。
【図11】従来の薬液供給システムに使用されるサックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁の一例を模式的に示す要部側断面図である。
【図12】従来の薬液供給システムに使用されるサックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁の電空比例弁を制御する制御部の一例を示すブロック図である。
【図13】従来の薬液供給システムに使用されるサックバック弁と遮断弁とが一体に形成される薬液供給弁の制御部による駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は制御部への入力信号を示すタイムチャート、(B)は遮断弁の電空比例弁への出力信号及び遮断弁の動作状態を示すタイムチャート、(C)はサックバック弁の電空比例弁への出力信号及びサックバック弁のダイアフラムの駆動状態を模式的に示すタイムチャートである。
【図14】従来の薬液供給システムの起動時における制御部による薬液供給弁の駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は制御部への電源入力及びCPU部の駆動状態を示すタイムチャート、(B)はサックバック弁の電空比例弁(E/V)への電源入力を示すタイムチャート、(C)はD/A変換部の出力信号及びサックバック弁のダイアフラムの駆動状態を模式的に示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 薬液供給弁
2 遮断弁(A/V)
3 サックバック弁(S/V)
3A ダイアフラム
3B サックバック室
4 供給ノズル
5 吐出ノズル
7 電空比例弁(E/V)
10、37、50 薬液供給制御装置
11 遅延回路部
12、31、61、101 制御部
21、32、62、102 CPU部
22、33、63、103 D/A変換部
23、34、64、104 アナログ出力部
30、60 流体供給制御装置
40 遅延回路
51 パイロット室
52 電磁弁
68 バッファ回路
K1、K2 リレースイッチ
S1、S3、S4 電源スイッチ
S2、S5 入力スイッチ
T タイマリレースイッチ
Claims (6)
- 空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、
前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、前記電空比例弁への電源の供給を、前記電源投入から遅延させる電源供給遅延手段を有することを特徴とする流体供給制御装置。 - 請求項1に記載する流体供給制御装置において、
前記電源供給遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする流体供給制御装置。 - 空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、
前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、該流体供給制御装置から前記電空比例弁への制御信号の送出を、前記電源投入から遅延させる制御信号遅延手段を有することを特徴とする流体供給制御装置。 - 請求項3に記載する流体供給制御装置において、
前記制御信号遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする流体供給制御装置。 - 空圧式パイロット弁と、前記空圧式パイロット弁にパイロット空気を供給する電空比例弁とを有する流体供給システムを制御する流体供給制御装置において、
前記電空比例弁は、該電空比例弁のパイロット室の圧力を大気に開放する常時開形の電磁弁を有し、
前記流体供給制御装置へ電源が投入されたときに、該流体供給制御装置は、前記電磁弁への通電を、前記電源投入から遅延させる通電遅延手段を有することを特徴とする流体供給制御装置。 - 請求項5に記載する流体供給制御装置において、
前記通電遅延手段が遅延させる時間が、所定時間であることを特徴とする流体供給制御装置。
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