JP2004138116A - クラッチ装置及びそれを備えた動力伝達装置 - Google Patents

クラッチ装置及びそれを備えた動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑用及びクラッチ作動用の油圧回路の構成を簡単にする。
【解決手段】PTO装置11は、ケーシング12と、アイドラシャフト25と、シャフト25に装着されたニードル軸受からなる第4軸受26と、シャフト25に回転自在に支持されたアイドラギア27と、PTOシャフト13と、多板クラッチ21とを備えている。シャフト25は外周面に油を供給する潤滑用油路25aを有しており、シャフト13は多板クラッチ21に油を供給する作動用油路13aを有している。ケーシング12は、外部から油が供給される入口油路41と、油路41と油路25aとを接続させる潤滑用接続油路44と、油路41と油路13aとを接続させる作動用接続油路43とを有している。油路44には油路25aへ供給する油を減圧する減圧機構46が設けられ、油路43には油路41と油路13aとを接続/遮断させる開閉機構45が設けられている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ装置及びそれを備えた動力伝達装置、特に、油圧式クラッチを有するクラッチ装置及びそれを備えた動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
集塵車や農業機械等の特装車においては、走行用とは別に作業用動力が必要となり、トランスミッションにおいてエンジンからの動力を走行用と作業用とに分配する必要が生じる。この際、エンジンからの動力を作業用として取り出す装置は、PTO(パワーテイクオフ)装置と呼ばれている。PTO装置は、一般に、ドグクラッチや油圧クラッチ等によって構成されており、オイルポンプ等の作業用の付属装置を駆動する。
【0003】
油圧クラッチ式のPTO装置は、主に、エンジンからの動力の一部が入力されるアイドラギアと、アイドラギアを軸受を介して回転自在に支持するアイドラシャフトと、アイドラギアに噛み合うPTOギアと、PTOギアを回転自在に支持する出力シャフトと、PTOギアと出力シャフトとの間に設けられた多板クラッチとから構成されたクラッチ装置である。アイドラシャフトは、ケーシングに固定されている。出力シャフトは、ケーシングに軸受を介して支持されている。また、出力シャフトは、付属装置に連結されている。多板クラッチは、出力シャフト内に設けられた作動用油路を通じて圧送される油により作動するピストンと、ピストンによって押圧される複数のクラッチプレートとを有している。クラッチ作動用の油は、ケーシングに設けられた入口油路を介してPTO装置の外部から供給されるようになっている。
【0004】
エンジン側からの動力を取り出して付属装置を駆動する場合には、出力シャフト内の作動用油路を介してクラッチ作動用の油を多板クラッチに供給し、ピストンを作動させてクラッチプレートを押圧する。これにより、多板クラッチが接続状態となり、例えば、エンジン側からの動力がアイドラギアに入力され、アイドラギアからPTOギア及び多板クラッチを介して出力シャフトに伝達され、付属装置が駆動される。また、動力の取り出しを停止する場合には、多板クラッチへの油の供給を停止する。これにより、ピストンは、クラッチプレートを押圧しなくなり、多板クラッチが切断状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなPTO装置において、アイドラギアをアイドラシャフトに回転自在に支持するための軸受としてニードル軸受を使用することがあり、このような場合には、ニードル軸受を潤滑する必要がある。このため、多板クラッチの作動用油路と別に、アイドラシャフトに潤滑用油路を設けて、PTO装置の外部から潤滑用の油を供給するようにしなければならない。
【0006】
しかし、このような多板クラッチの作動用及びニードル軸受の潤滑用の2系統の油圧回路を有するPTO装置の構成では、装置周辺の油圧回路の構成が複雑になってしまう。
本発明の課題は、潤滑用及びクラッチ作動用の油圧回路の構成を簡単にすることが可能な油圧式クラッチを有するクラッチ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のクラッチ装置は、ケーシングと、固定シャフトと、ニードル軸受と、入力歯車と、出力シャフトと、油圧クラッチとを備えている。固定シャフトは、ケーシングに固定され、外周面に潤滑用の油を供給する第1油路を有している。ニードル軸受は、固定シャフトの軸周りに装着されている。入力歯車は、ニードル軸受を介して、固定シャフトに回転自在に支持されている。出力シャフトは、ケーシングに回転自在に支持され、油を供給する第2油路を有している。油圧クラッチは、第2油路を通じて圧送される油により、入力歯車と出力シャフトとの間で動力の断接を行う。ケーシングは、外部から油が供給される入口油路と、入口油路と第1油路とを接続させる第1接続油路と、入口油路と第2油路とを接続させる第2接続油路とを有している。第1接続油路には、入口油路から第1油路へ供給する油を減圧する減圧機構が設けられている。第2接続油路には、油圧クラッチの断接動作に応じて入口油路と第2油路とを接続/遮断させる開閉機構が設けられている。
【0008】
このクラッチ装置では、外部から油がケーシングの入口油路に供給されると、入口油路に接続された第1接続油路及び第2接続油路に分岐される。
そして、第2接続油路に流れ込んだ油は、第2接続油路に設けられた開閉機構を介して、第2油路に流れ込み、油圧クラッチに供給される。ここで、開閉機構は、油圧クラッチの断接動作に応じて入口油路と第2油路とを接続/遮断する。例えば、油圧クラッチの接続を行う場合には、開閉機構を動作させて入口油路と第2油路とを接続して油を油圧クラッチに供給し、油圧クラッチを接続する。これにより、入力歯車及び油圧クラッチを介して、入力歯車と出力シャフトとが接続されて、入力歯車の動力が出力シャフトに伝達される。また、油圧クラッチの切断を行う場合には、開閉機構を動作させて入口油路と第2油路との間の油の流れを遮断して油圧クラッチへの油の供給を停止し、油圧クラッチを切断する。これにより、入力歯車と出力シャフトとが切断されて、入力歯車の動力が出力シャフトに伝達されなくなる。
【0009】
第1接続油路に流れ込んだ油は、第1接続油路に設けられた減圧機構を介して、第1油路に流れ込み、ニードル軸受に供給される。ここで、減圧機構は、入口油路から供給される油を減圧して第1油路に供給している。このため、入口油路に供給される油が油圧クラッチの作動に適した油圧であっても、潤滑に適した圧力まで減圧して第1油路に油を供給することができる。また、外部の油圧回路における油圧変動や開閉機構の動作による油圧変動等が生じる場合でも、安定的に第1油路に油を供給し、ニードル軸受の潤滑を行うことができる。
【0010】
このように、このクラッチ装置では、外部の油圧回路との接続部を入口油路のみとするとともに、装置内でクラッチ作動用の第2油路に供給するための第2接続油路と潤滑用の第1油路に供給するための第1接続油路とに分岐しているため、外部の油圧回路の構成を簡単にすることができる。また、このクラッチ装置では、第1接続油路には減圧機構が設けられ、かつ、第2接続油路には開閉機構が設けられているため、油圧クラッチの動作に関係なく、ニードル軸受の潤滑を安定的に行うことが可能である。
【0011】
請求項2に記載のクラッチ装置は、請求項1において、減圧機構は、オリフィスである。
このクラッチ装置では、減圧機構がオリフィスであるため、油路構造が簡単になる。
請求項3に記載のクラッチ装置は、請求項1又は2において、開閉機構は、電磁弁である。
【0012】
このクラッチ装置では、開閉機構が電磁弁であるため、第2油路への油の供給/遮断を確実に行うことができる。
請求項4に記載のクラッチ装置は、請求項1〜3のいずれかにおいて、ケーシングは、固定シャフトを固定するケーシング本体と、入口油路を有しケーシング本体に嵌合されるケーシング蓋とを有している。そして、第1接続油路は、ケーシング蓋に設けられ入口油路に接続された蓋側油路と、ケーシング本体に設けられ第1油路に接続される本体側油路と、ケーシング蓋がケーシング本体に嵌合された部分に設けられ蓋側油路と本体側油路とを接続させる油溝とを有している。
【0013】
このクラッチ装置では、ケーシング蓋側の蓋側油路と、ケーシング本体側の本体側油路とに分割された第1接続油路がケーシング蓋とケーシング本体との嵌合部分に設けられた油溝によって接続されているため、蓋側油路と本体側油路との位置合わせを行う必要がなくなる。これにより、クラッチ装置の油路構造が簡単になる。
【0014】
請求項5に記載のクラッチ装置は、請求項4において、油溝は、ケーシング蓋とケーシング本体との嵌合部分の全周に設けられている。
このクラッチ装置では、油溝がケーシング蓋とケーシング本体との嵌合部分の全周に設けられているため、蓋側油路と本体側油路との接続位置を任意に設定できる。
【0015】
請求項6に記載の動力伝達装置は、エンジンからの動力を出力側に伝達する動力伝達装置であって、請求項1〜5のいずれかに記載のクラッチ装置と、エンジンからの動力が伝達されるトランスミッションとを備えている。クラッチ装置は、トランスミッションから入力歯車にエンジンの動力の一部が伝達されて、出力シャフトから取り出すことが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のクラッチ装置の一実施形態であるPTO装置について、図面に基づいて説明する。
(1)PTO装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるPTO装置11を備えた動力伝達装置1を軸方向トランスミッション側から見た図である。図2は、PTO装置11のA−O−P−B断面図である。図3は、PTO装置11を軸方向エンジン側から見た図である。
【0017】
動力伝達装置1は、例えば、集塵車や農業機械等の特装車に使用されるものであり、トルクコンバータ(図示せず)やトランスミッション(図示せず)とともに、PTO装置11を備えている。PTO装置11は、本実施形態において、動力伝達装置1の側方に張り出すように配置されており、動力伝達装置1の側部の開口部1aにボルト等によって固定されている。ここで、動力伝達装置1の軸中心をQとする。
【0018】
PTO装置11は、油圧クラッチ式のクラッチ装置であり、ケーシング12を有している。ケーシング12内には、PTOシャフト13(出力シャフト)が配置されている。PTOシャフト13の一端は、ケーシング12の外部に突出しており、この軸端に出力フランジ14が固定されている。出力フランジ14には、オイルポンプ等の付属装置の入力シャフトが連結可能である。ここで、PTOシャフト13の中心軸線をO−Oとする。
【0019】
PTOシャフト13の軸方向中心部には、油を圧送するための作動用油路13a(第2油路)が形成されている。作動用油路13aは、後述のピストン22を作動させるための作動油室23に連通されている。
また、ケーシング12内の軸方向両端部には、例えば、テーパ軸受等の第1軸受15及び第2軸受16が対向して設けられている。各軸受15、16の外輪は、ケーシング12に嵌合している。PTOシャフト13は、これらの軸受15、16を介して、ケーシング12に回転自在に支持されている。PTOシャフト13の第1軸受15と第2軸受16との中間付近の位置には、第3軸受17が配置されている。第1軸受15の内輪と第3軸受17の内輪の軸方向間には、スペーサ18が配置されている。両軸受15、17の内輪は、スペーサ18を介して、接触している。
【0020】
ケーシング12内には、PTOギア19が配置されている。PTOギア19は、第3軸受17を介して、PTOシャフト13に回転自在に支持されており、エンジン側の動力が入力されるアイドラシャフト25(後述)とともに回転するアイドラギア27(後述)と噛み合っている。また、PTOギア19は、ギア部19aと円筒状のスプライン部19bとを有している。スプライン部19bは、第2軸受16側に延びており、PTOシャフト13の外周面を所定の範囲で覆っている。スプライン部19bの外周部には、スプラインが形成されており、このスプラインに複数の摩擦材が貼り付けられたドライブプレート28が軸方向に移動可能に噛み合っている。一方、PTOシャフト13において、第2軸受16によって支持された部分と近接した部分には、クラッチケース20が配置されている。クラッチケース20は、PTOシャフト13の外周部に一体的に固定されたボス部20aと、ボス部20aの外周部から第1軸受15側に延びる円筒状のスプライン部20bとを有している。スプライン部20bには、複数のドリブンプレート29が軸方向に移動可能に噛み合っている。ドライブプレート28とドリブンプレート29とは交互に配置されており、多板クラッチ21(油圧クラッチ)を構成している。
【0021】
クラッチケース20内には、ピストン22が配置されている。ピストン22は、PTOシャフト13上を軸方向に移動可能に設けられている。また、ピストン22とクラッチケース20のボス部20aとの間には、外部の油圧回路(図示せず)から作動用油路13aを通って作動油が導入される作動油室23が形成されている。ピストン22と第3軸受17との間において、PTOシャフト13の外周側には、ピストン22を離反位置に押し戻すためのリターンスプリング24が装着されている。このリターンスプリング24の一端は第3軸受17の内輪に当接し、他端はピストン22に当接している。
【0022】
さらに、ケーシング12内において、PTOシャフト13の上方の位置には、アイドラシャフト25(固定シャフト)が配置されている。アイドラシャフト25の両端は、ケーシング12に回転不能に固定されている。ここで、PTOシャフト13の中心軸線をP−Pとする。
アイドラシャフト25の軸方向中心部には、油を供給するための潤滑用油路25a(第1油路)が形成されている。潤滑用油路25aは、アイドラシャフト25の外周面に油を供給できるようになっている。
【0023】
また、アイドラシャフト25の軸周りには、ニードル軸受からなる第4軸受26が装着されている。そして、ケーシング12内には、アイドラギア27(入力歯車)が配置されている。アイドラギア27は、第4軸受26を介して、アイドラシャフト25に回転自在に支持されている。アイドラギア27は、動力伝達装置1内のトランスミッションの入力シャフト等に噛み合うギアから動力が入力される第1ギア部27aと、第1ギア部27aの図2中右側に一体に設けられた第2ギア部27bとを有している。第2ギア部27bは、PTOギア19のギア部19aと噛み合っており、多板クラッチ21の接続時には、動力伝達装置1から入力される動力をPTOシャフト13に伝達することが可能である。
【0024】
次に、作動用油路13a及び潤滑用油路25aに油を供給するための油路構造について、詳述する。ここで、図4は、第1ケーシング蓋32に形成された油路構造を模式的に示す斜視図である。
まず、ケーシング12について詳述する。ケーシング12は、アイドラシャフト25を固定するケーシング本体31と、PTOシャフト13の一端を第1軸受15を介して支持する第1ケーシング蓋32と、PTOシャフト13の他端を第2軸受16を介して支持する第2ケーシング蓋33とから主に構成されている。ケーシング本体31は、動力伝達装置1の開口部1aに固定されるボルト等により固定されるフランジ部31aと、アイドラシャフト25を固定するシャフト固定部31bと、PTOシャフト13やPTOギア19等を覆う筒状部31cとを有している。第1ケーシング蓋32は、ケーシング本体31の筒状部31cの図2中左側の端部にインロー(嵌合)されて、固定されている。第2ケーシング蓋33は、ケーシング本体31の筒状部31cの図2中右側の端部にインロー(嵌合)されて、固定されている。これにより、PTOシャフト13は、ケーシング12に支持されている。
【0025】
次に、作動用油路13a及び潤滑用油路25aに油を供給するための油路構造について詳述する。作動用油路13a及び潤滑用油路25aに油を供給するための油路は、ケーシング本体31及び第1ケーシング蓋32に設けられている。
第1ケーシング蓋32内には、外部の油圧回路から油が供給される入口油路41が設けられている。入口油路41は、第1ケーシング蓋32の図2中左側の端部に設けられた入口ノズル42を介して外部の油圧回路に接続されている。このように、外部の油圧回路からPTO装置11へ供給される油の供給口は、入口油路41のみになっている。そして、入口油路41は、第1ケーシング蓋32内で、作動用接続油路43(第2接続油路)と潤滑用接続油路44(第1接続油路)とに分岐されている。
【0026】
作動用接続油路43は、PTOシャフト13の第1ケーシング蓋32側端部まで延びる油路であり、PTOシャフト13の作動用油路13aに連通している。第1ケーシング蓋32には、開閉機構45が設けられている。開閉機構45は、本実施形態において、電磁弁であり、電磁コイル部45aと弁体45bとから主に構成されている。弁体45bには、油路が形成されており、作動用接続油路43の一部を構成している。この弁体45bは、開閉機構45の作動により、上下方向に移動可能であるため、弁体45bの油路の移動によって作動用接続油路43が入口油路41と作動用油路13aとを接続/遮断させることが可能である。
【0027】
潤滑用接続油路44は、ケーシング本体31のシャフト固定部31bのアイドラシャフト25の外周面まで延びる油路であり、アイドラシャフト25の潤滑用油路25aに連通している。潤滑用接続油路44には、潤滑用油路25aに供給する油を減圧するための減圧機構46が設けられている。減圧機構46は、本実施形態において、オリフィスであり、第1ケーシング蓋32側に設けられている。
【0028】
また、潤滑用接続油路44は、第1ケーシング蓋32及びケーシング本体31に渡って設けられており、第1ケーシング蓋32に設けられ入口油路41に接続された蓋側油路44aと、ケーシング本体31に設けられ潤滑用油路25aに接続された本体側油路44bとに分けられている。すなわち、第1ケーシング蓋32とケーシング本体31との間において油路の接続部分が存在している。そして、この蓋側油路44aと本体側油路44bとの接続部分は、第1ケーシング蓋32とケーシング本体31との図2中左側の端部にインローされた部分に設けられた油溝32aである。油溝32aは、本実施形態において、第1ケーシング蓋32のケーシング本体31との嵌合部分の全周に設けられている。このような油溝32aによって、蓋側油路44aと本体側油路44bとが接続されて、潤滑用接続油路44が構成されている。
【0029】
(2)PTO装置の動作
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態のPTO装置11の動作について説明する。
PTO装置11を作動させない場合は、アイドラギア27が動力伝達装置1のトランスミッション側のギアによって回転駆動されている。一方、多板クラッチ21は、リターンスプリング24の付勢力によりピストン22が第2軸受16側に移動して切断状態になっている。これにより、アイドラシギア27からのトルクは、PTOシャフト13に伝達されないようになっている。このときの作動用油路13a及び潤滑用油路25aへの油の供給は、以下のようになっている。
【0030】
入口油路41には、図示しない外部の油圧回路から油が圧送・供給されている。そして、開閉機構45は、弁体45bの油路が作動用接続油路43内に油が流れない位置に移動して、作動用油路13aに油が流れないようになっている。これにより、作動油室23に油が供給されず、多板クラッチ21が切断された状態となる。また、潤滑用油路25aには、潤滑用接続油路44(具体的には、蓋側油路44a、油溝32a及び本体側油路44b)を介して、入口油路41から油が供給されて、第4軸受26が潤滑される(図3の矢印C参照)。ここで、潤滑用接続油路44には、減圧機構46が設けられているため、入口油路41から潤滑用油路25aに供給される油を減圧している。このように、PTO装置11を作動させない場合においても、潤滑用油路25aには、油が供給されている。
【0031】
PTO装置11を作動させて動力を取り出す場合は、開閉機構45の弁体45bの油路を作動用接続油路43内に油が流れる位置に移動させて、作動用油路13aに油を供給する。すると、作動油室23に油が供給されて、ピストン22がリターンスプリング24を第1軸受15側に押圧して、多板クラッチ21を接続する。これにより、アイドラギア27からのトルクは、PTOシャフト13に伝達されて、出力フランジ14に連結された付属装置を駆動する。この場合においても、潤滑用油路25aには、潤滑用接続油路44を介して、油が供給されている。
【0032】
(3)PTO装置の特徴
本実施形態のPTO装置11には、以下のような特徴がある。
▲1▼PTO装置11では、外部の油圧回路との接続部を入口油路41のみとするとともに、装置内で多板クラッチ21作動用の作動用油路13aに供給するための作動用接続油路43と第4軸受26潤滑用の潤滑用油路25aに供給するための潤滑用接続油路44とに分岐しているため、外部の油圧回路の構成を簡単にすることができる。また、このPTO装置11では、潤滑用接続油路44にはオリフィスからなる減圧機構46が設けられ、かつ、作動用接続油路43には電磁弁からなる開閉機構45(具体的には、弁体45bの油路)が設けられているため、多板クラッチ21側の動作に関係なく、第4軸受26の潤滑を安定的に行うことが可能である。
【0033】
▲2▼PTO装置11では、潤滑用接続油路44を構成する第1ケーシング蓋32側の蓋側油路44aとケーシング本体31側の本体側油路44bとが、第1ケーシング蓋32がケーシング本体31にインローされた部分に設けられた油溝32aによって接続されているため、第1ケーシング蓋32をケーシング本体31にインローさせる際の蓋側油路44aと本体側油路44bとの位置合わせを行う必要がなくなる。これにより、PTO装置11の油路構造が簡単になる。
【0034】
また、油溝32aは、第1ケーシング蓋32がケーシング本体31にインローされた部分に形成されているため、油漏れが生じにくくなっている。
さらに、油溝32aがケーシング蓋32がケーシング本体31にインローされた部分の全周に設けられているため、蓋側油路44aと本体側油路44bとの接続位置を任意に設定できる。これにより、各シャフト13、25の相対位置を変更する等の設計変更を行う場合にも、油路構造の変更が容易である。
【0035】
▲3▼上記のようなトルクコンバータを備えた動力伝達装置1においては、PTO装置11のアイドラギア27の軸受としてニードル軸受からなる第4軸受26を使用するとともに、外部の油圧回路との接続も入口油路だけにすることができるため、PTO装置11をコンパクトにすることができ、かつ、動力伝達装置1におけるPTO装置11周辺の油圧回路の構成を簡単にできる。これにより、PTO装置11の動力伝達装置1の側方への張り出しを小さくできる。
【0036】
(4)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
▲1▼前記実施形態においては、開閉機構は電磁弁であったが、これに限定されない。
【0037】
▲2▼前記実施形態においては、減圧機構は第1ケーシング蓋に設けられているが、これに限定されず、潤滑用接続油路に設けられていればよい。
▲3▼前記実施形態においては、油溝は第1ケーシング蓋に設けられているが、これに限定されず、ケーシング本体に設けたり、第1ケーシング蓋及びケーシング本体の両方に設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、クラッチ装置において、外部の油圧回路との接続部を入口油路のみにするとともに、装置内でクラッチ作動用の第2油路に供給するための第2接続油路と潤滑用の第1油路に供給するための第1接続油路とに分岐しているため、外部の油圧回路の構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるPTO装置を備えた動力伝達装置を軸方向トランスミッション側から見た図。
【図2】PTO装置のA−O−P−B断面図。
【図3】PTO装置を軸方向エンジン側から見た図。
【図4】PTO装置のケーシング蓋に形成された油路構造を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
11  PTO装置(クラッチ装置)
12  ケーシング
13  PTOシャフト(出力シャフト)
21  多板クラッチ(油圧クラッチ)
25  アイドラシャフト(固定シャフト)
25a 潤滑用油路(第1油路)
26  第4軸受(ニードル軸受)
27  アイドラギア(入力歯車)
31  ケーシング本体
32  第1ケーシング蓋
32a 油溝
41  入口油路
43  作動用接続油路(第2接続油路)
44  潤滑用接続油路(第1接続油路)
44a 蓋側油路
44b 本体側油路
45  開閉機構
46  減圧機構

Claims (6)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングに固定され、外周面に潤滑用の油を供給する第1油路を有する固定シャフトと、
    前記固定シャフトの軸周りに装着されたニードル軸受と、
    前記ニードル軸受を介して、前記固定シャフトに回転自在に支持された入力歯車と、
    前記ケーシングに回転自在に支持され、油を供給する第2油路を有する出力シャフトと、
    前記第2油路を通じて圧送される油により、前記入力歯車と前記出力シャフトとの間で動力の断接を行う油圧クラッチとを備え、
    前記ケーシングは、外部から油が供給される入口油路と、前記入口油路と前記第1油路とを接続させる第1接続油路と、前記入口油路と前記第2油路とを接続させる第2接続油路とを有しており、
    前記第1接続油路には、前記入口油路から前記第1油路へ供給する油を減圧する減圧機構が設けられており、
    前記第2接続油路には、前記油圧クラッチの断接動作に応じて前記入口油路と前記第2油路とを接続/遮断させる開閉機構が設けられている、
    クラッチ装置。
  2. 前記減圧機構は、オリフィスである、請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記開閉機構は、電磁弁である、請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記ケーシングは、前記固定シャフトを固定するケーシング本体と、前記入口油路を有し前記ケーシング本体に嵌合されるケーシング蓋とを有しており、
    前記第1接続油路は、前記ケーシング蓋に設けられ前記入口油路に接続された蓋側油路と、前記ケーシング本体に設けられ前記第1油路に接続される本体側油路と、前記ケーシング蓋が前記ケーシング本体に嵌合された部分に設けられ前記蓋側油路と本体側油路とを接続させる油溝とを有している、
    請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチ装置。
  5. 前記油溝は、前記ケーシング蓋と前記ケーシング本体との嵌合部分の全周に設けられている、請求項4に記載のクラッチ装置。
  6. エンジンからの動力を出力側に伝達する動力伝達装置であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載のクラッチ装置と、
    前記エンジンからの動力が伝達されるトランスミッションとを備え、
    前記クラッチ装置は、前記トランスミッションから前記入力歯車に前記エンジンの動力の一部が伝達されて、前記出力シャフトから取り出すことが可能である、
    動力伝達装置。
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