JP4233369B2 - 動力取出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力取出装置、特に、エンジンからの動力をトランスミッションに伝達するメインドライブシャフトに連結されエンジンの動力の一部を取り出すことが可能な動力取出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
集塵車や農業機械等の特装車においては、走行用とは別に作業用動力が必要となるため、トランスミッションにおいてエンジンからの動力を走行用と作業用とに分配する必要が生じる。この際、エンジンからの動力を作業用として取り出す装置は、PTO(パワーテイクオフ)装置と呼ばれている。PTO装置は、一般に、ドグクラッチや油圧クラッチ等によって構成されており、オイルポンプ等の作業用の付属装置を駆動する。
【0003】
油圧クラッチ式のPTO装置は、主に、エンジンからの動力の一部が入力される入力部材としてのPTOギアと、PTOギアを回転自在に支持するクラッチシャフトと、PTOギアとクラッチシャフトとの間に設けられたクラッチ機構としての多板クラッチとから構成されている。クラッチシャフトは、ケーシングに軸受を介して支持されている。また、クラッチシャフトは、出力シャフトとして機能しており、付属装置に連結されている。多板クラッチは、外部の油圧回路から供給される作動油の油圧により作動するピストンと、ピストンによって押圧される複数のクラッチプレートとを有している。
【0004】
エンジン側からの動力を取り出して付属装置を駆動する場合には、外部の油圧回路からクラッチシャフト内の油路を介して作動油を多板クラッチに供給し、ピストンを作動させてクラッチプレートを押圧する。これにより、多板クラッチが接続状態となり、例えば、エンジン側からの動力がPTOギア及び多板クラッチを介してクラッチシャフトに伝達され、付属装置が駆動される。また、動力の取り出しを停止する場合には、多板クラッチへの油の供給を停止する。これにより、ピストンは、クラッチプレートを押圧しなくなり、多板クラッチが切断状態となる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第2554096号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなPTO装置においては、多板クラッチを使用しているため、エンジン起動直後等の低温時における作動油の粘性の増加により、クラッチプレート間のドラグトルクが大きくなる傾向にある。このため、クラッチを切断した状態においても、PTOギアからのトルクが伝達されて、出力シャフトとしてのクラッチシャフトが回転して付属装置が駆動されてしまう不都合(クラッチシャフトの連れ回り)が生じる。
【0007】
これを解決するために、クラッチプレートの摩擦面の面積を小さくしたり、摩擦材の食い付き性を調節してクラッチの切れを向上させる等の対応をしているが、これにより、クラッチプレートの摩擦材のサイズや材料が限定される等の設計上の制約が生じている。
【0008】
本発明の課題は、油圧クラッチ式の動力取出装置において、設計上の制約を極力少なくしつつ、クラッチシャフトの連れ回りを防ぐことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動力取出装置は、エンジンからの動力をトランスミッションに伝達するメインドライブシャフトに連結され、エンジンの動力の一部を取り出すことが可能な動力取出装置であって、ケーシングと、第1及び第2軸受と、クラッチシャフトと、平歯車と、クラッチ機構と、弾性部材とを備えている。第1及び第2軸受は、対向して配置されるとともにケーシングに支持され、少なくとも一方がテーパころ軸受からなる。クラッチシャフトは、第1及び第2軸受を介してケーシングに回転自在に支持されている。平歯車は、クラッチシャフトに相対回転可能に設けられ、メインドライブシャフトからの動力が入力される。クラッチ機構は、油圧により作動するピストンとピストンによって押圧される複数のクラッチプレートとを有し、平歯車とクラッチシャフトとの間で動力の断接を行う。弾性部材は、テーパころ軸受とケーシングとの間に配置され、テーパころ軸受をクラッチシャフト軸方向に付勢して、クラッチシャフトに回転抵抗を付与する。
【0010】
この動力取出装置では、第1及び第2軸受の少なくとも一方がテーパころ軸受からなり、その軸受とケーシングとの間に、弾性部材が配置されており、弾性部材のクラッチシャフト軸方向の付勢力に応じて、クラッチシャフトに対して回転抵抗を付与することができるようになっている。
【0011】
これにより、エンジン起動直後等の低温時における作動油の粘性の増加により、クラッチプレート間のドラグトルクが大きくなる場合であっても、弾性部材により付与される回転抵抗によってドラグトルクが相殺されて、クラッチを切断した状態におけるクラッチシャフトの連れ回りを防ぐことができる。
【0012】
また、この動力取出装置では、メインドライブシャフトからの動力が入力される部材が平歯車であるため、クラッチ連結時において、クラッチシャフトにスラスト力が発生しにくくなっている。これにより、テーパころ軸受からなる第1及び第2軸受とケーシングとの間に配置された弾性部材の軸方向の変位をほぼ一定に保つことができるようになり、クラッチシャフトに対して、ほぼ一定の回転抵抗を付与することができる。
【0013】
尚、弾性部材は、第1及び第2軸受の少なくとも一方とケーシングとの間に配置されていればよいため、第1軸受又は第2軸受のいずれか一方のみに配置された構成であってもよいし、第1軸受及び第2軸受の両方に配置された構成であってもよい。
【0014】
請求項2に記載の動力取出装置は、請求項1において、弾性部材は、コーンスプリングである。
【0015】
この動力取出装置では、弾性部材としてコーンスプリングを使用しているため、第1及び第2軸受とケーシングとの間の軸方向寸法を過度に大きくしてしまうことがない
【0016】
請求項3に記載の動力取出装置は、請求項1又は2において、クラッチシャフトに設けられたアイドラ歯車と、アイドラ歯車に噛み合う出力歯車を有する出力シャフトとをさらに備えている。
【0017】
この動力取出装置では、メインドライブシャフトからの動力をクラッチシャフトを介して出力シャフトに伝達することができるようになっている。このため、メインドライブシャフトからの動力を減速して出力シャフトに伝達する場合、メインドライブシャフトから平歯車にトルクが入力される際の減速比を小さく設定し、かつ、クラッチシャフトのアイドラ歯車と出力シャフトの出力歯車との減速比を大きく設定することによって、クラッチ接続時においては所定の減速比を得つつ、クラッチ切断時にはクラッチプレート間のドラグトルクを小さくすることが可能となる。
【0018】
これにより、弾性部材からテーパころ軸受からなる第1及び第2軸受の少なくとも一方に対して付与する付勢力を小さくすることができるため、種々の仕様の動力取出装置に対しても、テーパころ軸受と弾性部材とを用いたクラッチシャフトの連れ回りを防止する機能を採用することできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる動力取出装置としてのPTO装置について、図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
(1)PTO装置の構成
図1は、本発明にかかる第1実施形態の動力取出装置としてのPTO装置11を備えた動力伝達装置1を軸方向トランスミッション側から見た図である。図2は、PTO装置11のA−O−P−B断面図である。
【0021】
動力伝達装置1は、例えば、集塵車や農業機械等の特装車に使用されるものであり、トルクコンバータ(図示せず)やトランスミッション(図示せず)とともに、PTO装置11を備えている。PTO装置11は、本実施形態において、動力伝達装置1の側方に張り出すように配置されており、動力伝達装置1の側部の開口部1aにボルト等によって固定されている。ここで、動力伝達装置1の軸中心をQとする。
【0022】
PTO装置11は、油圧クラッチ式のクラッチ装置であり、ケーシング12を有している。ケーシング12内には、PTOシャフト13(クラッチシャフト)が配置されている。PTOシャフト13の一端は、ケーシング12の外部に突出しており、この軸端に出力フランジ14が固定されている。出力フランジ14には、オイルポンプ等の付属装置の入力シャフトが連結可能である。すなわち、本実施形態において、PTOシャフト13は、出力シャフトとして機能している。ここで、PTOシャフト13の中心軸線をO−Oとする。
【0023】
PTOシャフト13の軸方向中心部には、油を圧送するための作動用油路13aが形成されている。作動用油路13aは、後述のピストン22を作動させるための作動油室23に連通されている。
【0024】
ケーシング12内の軸方向両端部には、テーパころ軸受からなる第1軸受15及び第2軸受16が対向するように配置されている。各軸受15、16の外輪は、ケーシング12に嵌合している。そして、第2軸受16は、ケーシング12に対してすきま嵌めによって嵌合しており、PTOシャフト13の軸方向にスライド可能になっている。PTOシャフト13は、これらの軸受15、16を介して、ケーシング12に回転自在に支持されている。また、第2軸受16の外輪とケーシング12との間には、コーンスプリング51(弾性部材)が配置されている。
【0025】
コーンスプリング51は、図3に示すように、第2軸受16の外輪を軸線O−O方向に付勢することができるように配置されている。そして、第2軸受16は、コーンスプリング51の軸方向の付勢力によって、PTOシャフト13に対して、その外周側から軸中心に向かう力を付与することができるようになっている。つまり、PTOシャフト13に対して、コーンスプリング51の軸方向の付勢力に応じた回転抵抗を付与できるようになっている。
【0026】
さらに、PTOシャフト13の第1軸受15と第2軸受16との中間付近の位置には、第3軸受17が配置されている。第1軸受15の内輪と第3軸受17の内輪の軸方向間には、スペーサ18が配置されている。両軸受15、17の内輪は、スペーサ18を介して接触している。
【0027】
ケーシング12内には、PTOギア19が配置されている。PTOギア19は、第3軸受17を介して、PTOシャフト13に回転自在に支持されており、エンジン側の動力が入力されるアイドラシャフト25(後述)とともに回転するアイドラギア27(後述)と噛み合っている。ここで、PTOギア19及びアイドラギア27は、本実施形態において、平歯車からなる。また、PTOギア19は、ギア部19aと円筒状のスプライン部19bとを有している。スプライン部19bは、第2軸受16側に延びており、PTOシャフト13の外周面を所定の範囲で覆っている。スプライン部19bの外周部には、スプラインが形成されており、このスプラインに複数の摩擦材が貼り付けられたドライブプレート28(クラッチプレート)が軸方向に移動可能に噛み合っている。
【0028】
一方、PTOシャフト13において、第2軸受16によって支持された部分と近接した部分には、クラッチケース20が配置されている。クラッチケース20は、PTOシャフト13の外周部に一体的に固定されたボス部20aと、ボス部20aの外周部から第1軸受15側に延びる円筒状のスプライン部20bとを有している。スプライン部20bには、複数のドリブンプレート29(クラッチプレート)が軸方向に移動可能に噛み合っている。ドライブプレート28とドリブンプレート29とは交互に配置されており、多板クラッチ21を構成している。
【0029】
クラッチケース20内には、ピストン22が配置されている。ピストン22は、PTOシャフト13上を軸方向に移動可能に設けられている。また、ピストン22とクラッチケース20のボス部20aとの間には、外部の油圧回路(図示せず)から作動用油路13aを通って作動油が導入される作動油室23が形成されている。ピストン22と第3軸受17との間において、PTOシャフト13の外周側には、ピストン22を離反位置に押し戻すためのリターンスプリング24が装着されている。このリターンスプリング24の一端は第3軸受17の内輪に当接し、他端はピストン22に当接している。このように、ケーシング12内には、クラッチケース20と多板クラッチ21とピストン22とリターンスプリング24とからなるクラッチ機構が設けられている。
【0030】
さらに、ケーシング12内において、PTOシャフト13の上方の位置には、アイドラシャフト25が配置されている。アイドラシャフト25の両端は、ケーシング12に回転不能に固定されている。ここで、アイドラシャフト25の中心軸線をP−Pとする。
【0031】
アイドラシャフト25の軸方向中心部には、作動油を供給するための潤滑用油路25aが形成されている。潤滑用油路25aは、外部の油圧回路(図示せず)から供給された作動油をアイドラシャフト25の外周面に供給できるようになっている。
【0032】
また、アイドラシャフト25の軸周りには、ニードル軸受からなる第4軸受26が装着されている。そして、ケーシング12内には、アイドラギア27が配置されている。アイドラギア27は、第4軸受26を介して、アイドラシャフト25に回転自在に支持されている。アイドラギア27は、動力伝達装置1内のトランスミッションのメインドライブシャフトに設けられたギアから動力が入力される第1ギア部27aと、第1ギア部27aの図2中右側に一体に設けられた第2ギア部27bとを有している。第2ギア部27bは、PTOギア19のギア部19aと噛み合っており、多板クラッチ21の接続時には、メインドライブシャフトを介して入力されるエンジンからの動力をPTOシャフト13に伝達することが可能である。
【0033】
(2)PTO装置の動作
次に、図2を用いて、本実施形態のPTO装置11の動作について説明する。
【0034】
PTO装置11を作動させない場合は、アイドラギア27が動力伝達装置1のメインドライブシャフト側のギア(図示せず)によって回転駆動されている。一方、多板クラッチ21は、リターンスプリング24の付勢力によりピストン22が第2軸受16側に移動して切断状態になっている。具体的には、多板クラッチ21のドライブプレート28はアイドラギア27からのトルクがPTOギア19に伝達されることにより一体回転しているが、PTOシャフト13側のドリブンプレート29がピストン22によってドライブプレート28に押し付けられておらず、互いが摩擦係合していない状態になっている。これにより、アイドラギア27からのトルクは、PTOギア19から出力シャフトとしてのPTOシャフト13に伝達されず、出力フランジ14に連結された付属装置(図示せず)が駆動されないようになっている。
【0035】
ところで、エンジン起動直後等のように、ケーシング12内の作動油の温度が低く作動油の粘性が高い場合には、ドライブプレート28とドリブンプレート29との間のドラグトルクが大きくなるため、ドリブンプレート29がピストン22によってドライブプレート28に押し付けられていないにもかかわらず、ドライブプレート28の回転がドリブンプレート29に伝達されて、PTOシャフト13が連れ回りしやすい状態となる。
【0036】
しかし、本実施形態のPTO装置11では、テーパころ軸受からなる第2軸受16の外輪とケーシング12との間にコーンスプリング51が配置されており、コーンスプリング51の付勢力によって、PTOシャフト13に対して回転抵抗を付与している。このように、PTO装置11では、コーンスプリング51の付勢力によりPTOシャフト13に付与される回転抵抗によりドライブプレート28とドリブンプレート29との間に生じるドラグトルクが相殺されて、多板クラッチ21を切断した状態におけるPTOシャフト13の連れ回りを防いでいる。
【0037】
PTO装置11を作動させて動力を取り出す場合は、外部の油圧回路(図示せず)からPTOシャフト13の作動用油路13aに作動油を供給する。すると、作動油室23に作動油が供給されて、ピストン22がリターンスプリング24を第1軸受15側に押圧して、多板クラッチ21を摩擦係合させる。これにより、アイドラギア27からのトルクは、PTOシャフト13に伝達されて、出力フランジ14に連結された付属装置(図示せず)を駆動する。
【0038】
ここで、PTOギア19及びアイドラギア27は、平歯車からなるため、PTOシャフト13にスラスト力が発生しにくくなっている。これにより、コーンスプリング51の軸方向の変位をほぼ一定に保つことができるようになり、PTOシャフト13に対して、ほぼ一定の回転抵抗を付与することができる。
【0039】
(3)PTO装置の特徴
本実施形態のPTO装置11には、以下のような特徴がある。
【0040】
(i)本実施形態のPTO装置11では、テーパころ軸受からなる第2軸受16とケーシング12との間に、弾性部材としてのコーンスプリング51が配置されており、コーンスプリング51の付勢力によって、PTOシャフト13に対して回転抵抗を付与することができるようになっている。
【0041】
これにより、エンジン起動直後等の低温時における作動油の粘性の増加により、多板クラッチ21におけるドラグトルクが大きくなる場合であっても、コーンスプリング51により付与される回転抵抗によってドラグトルクが相殺されて、クラッチを切断した状態におけるPTOシャフト13の連れ回りを防ぐことができる。
【0042】
しかも、コーンスプリング51の付勢力は、PTO装置11の仕様によって異なるドラグトルクの大きさに容易に対応させることができるため、例えば、多板クラッチ21のドライブプレート28及びドリブンプレート29の摩擦材のサイズや材料が限定される等の設計上の制約を少なくすることができる。
【0043】
また、弾性部材としてコーンスプリング51を採用しているため、第2軸受16とケーシング12との間の軸方向寸法を過度に大きくしてしまうこともなく、コンパクトに組み込むことができる。
【0044】
(ii)本実施形態のPTO装置11では、メインドライブシャフトからの動力が入力されるPTOギア19が平歯車であるため、クラッチ連結時において、PTOシャフト13にスラスト力が発生しにくくなっている。これにより、コーンスプリング51の軸方向の変位をほぼ一定に保つことができるようになり、PTOシャフト13に対して、ほぼ一定の回転抵抗を付与することができる。
【0045】
(4)変形例
上記のPTO装置11では、第2軸受16のみに対応するように、コーンスプリング51を配置して、PTOシャフト13に回転抵抗を付与できるようにしているが、図4に示すように、第1軸受15に対応するようにコーンスプリング52を配置してもよい。この場合、第2軸受16に対応するコーンスプリング51を省略してもよいし、第1及び第2軸受15、16の両方にコーンスプリング51、52を配置してもよい。
【0046】
この場合においても、第2軸受16のみに対応するように、コーンスプリング51を配置した場合と同様な効果が得られる。
【0047】
[第2実施形態]
第1実施形態のPTO装置11では、PTOシャフト13が付属装置の入力シャフトを駆動する出力シャフトとしての機能も有しているが、図5に示す本実施形態のPTO装置111のように、PTOシャフトと出力シャフトとを別体にした構成であってもよい。図5は、本実施形態の動力取出装置としてのPTO装置111の図2に相当する断面図である。以下、本実施形態のPTO装置111について、第1実施形態のPTO装置11と異なる点を中心に説明する。
【0048】
PTO装置111は、第1実施形態のPTO装置11と同様に、動力伝達装置の側方に張り出すように配置されており、メインドライブシャフト(図示せず)からエンジンからの動力の一部が入力されるようになっている。
【0049】
PTO装置111のケーシング112内には、PTOシャフト113(クラッチシャフト)が配置されている。尚、PTOシャフト113は、第1実施形態のPTOシャフト13と異なり、出力シャフトの機能を有していない。ここで、PTOシャフト113の中心軸線をO’−O’とする。
【0050】
PTOシャフト113の軸方向中心部には、作動油を圧送するための作動用油路113aが形成されている。作動用油路113aは、後述のピストン122を作動させるための作動油室123に連通されている。
【0051】
ケーシング112内の軸方向両端部には、第1実施形態と同様に、テーパころ軸受からなる第1軸受115及び第2軸受116が対向するように配置されている。各軸受115、116の外輪は、ケーシング112に嵌合している。そして、第2軸受116は、ケーシング112に対してすきま嵌めによって嵌合しており、軸方向にスライド可能になっている。さらに、第2軸受116の外輪とケーシング112との間には、第1実施形態のコーンスプリング51と同様に、コーンスプリング151(弾性部材)が配置されている。コーンスプリング151は、第2軸受116の外輪を軸線O−O方向に付勢することができるように配置されている。PTOシャフト113の第1軸受115と第2軸受116との中間付近の位置には、第3軸受117(本実施形態では、2個)が配置されている。第1軸受115の内輪と第3軸受117の内輪の軸方向間には、アイドラギア113bが設けられており、出力シャフト131(後述)の出力ギア132に噛み合うようになっている。
【0052】
ケーシング112内には、PTOギア119が配置されている。PTOギア119は、第3軸受117を介して、PTOシャフト113に回転自在に支持されており、エンジン側の動力が入力されるアイドラシャフト125(後述)とともに回転するアイドラギア127(後述)と噛み合っている。また、PTOギア119は、ギア部119aと円筒状のスプライン部119bとを有している。スプライン部119bは、第2軸受116側に延びており、PTOシャフト113の外周面を所定の範囲で覆っている。スプライン部119bの外周部には、スプラインが形成されており、このスプラインに複数の摩擦材が貼り付けられたドライブプレート128(クラッチプレート)が軸方向に移動可能に噛み合っている。
【0053】
一方、PTOシャフト113において、第2軸受116によって支持された部分と近接した部分には、クラッチケース120が配置されている。クラッチケース120は、PTOシャフト113の外周部にスプライン嵌合されたボス部120aと、ボス部120aの外周部から第1軸受115側に延びる円筒状のスプライン部120bとを有している。スプライン部120bには、複数のドリブンプレート129(クラッチプレート)が軸方向に移動可能に噛み合っている。ドライブプレート128とドリブンプレート129とは交互に配置されており、多板クラッチ121を構成している。
【0054】
クラッチケース120内には、ピストン122が配置されている。ピストン122は、PTOシャフト113上を軸方向に移動可能に設けられている。また、ピストン122とクラッチケース120のボス部120aとの間には、外部の油圧回路(図示せず)から作動用油路113aを通って作動油が導入される作動油室123が形成されている。ピストン122と第3軸受117との間において、クラッチケース120のボス部120aの外周側には、ピストン122を離反位置に押し戻すためのリターンスプリング124が装着されている。このリターンスプリング124の一端はボス部120aを介して第3軸受117の内輪に当接し、他端はピストン122に当接している。このように、ケーシング112内には、クラッチケース120と多板クラッチ121とピストン122とリターンスプリング124とからなるクラッチ機構が設けられている。
【0055】
また、PTOシャフト113の図5中下側には、出力シャフト131が配置さている。出力シャフト131は、ケーシング112に軸受133、134を介して回転自在に支持されている。出力シャフト131の一端は、ケーシング112の外部に突出しており、この軸端にオイルポンプ等の付属装置の入力シャフトが連結可能になっている。ここで、出力シャフト131の中心軸線をR’−R’とする。
【0056】
さらに、ケーシング112内において、PTOシャフト113の図5中上側の位置には、アイドラシャフト125が配置されている。アイドラシャフト125の両端は、ケーシング112に回転不能に固定されている。ここで、アイドラシャフト125の中心軸線をP’−P’とする。アイドラシャフト125の軸周りには、第4軸受126が装着されている。そして、ケーシング112内には、アイドラギア127が配置されている。アイドラギア127は、第4軸受126を介して、アイドラシャフト125に回転自在に支持されている。アイドラギア127は、動力伝達装置1内のトランスミッションのメインドライブシャフトに設けられたギアから動力が入力される第1ギア部127aと、第1ギア部127aの図5中右側に一体に設けられた第2ギア部127bとを有している。第2ギア部127bは、PTOギア119のギア部119aと噛み合っており、多板クラッチ121の接続時には、メインドライブシャフトから入力されるエンジンからの動力をPTOシャフト13に伝達することが可能である。尚、PTOギア119、アイドラギア127、アイドラギア113b及び出力ギア132は、本実施形態において、全て平歯車からなる。
【0057】
本実施形態のPTO装置111は、PTOシャフト113が出力シャフトとしての機能を有しておらず、ギア113b、132を介して連結された出力シャフト131から付属装置に動力を伝達するように構成されている。このため、メインドライブシャフトからの動力を減速して出力シャフト131に伝達する場合、アイドラシャフト125の第2ギア部127bとPTOシャフト113のPTOギア119とのギア比を小さく設定し、かつ、PTOシャフト113のアイドラギア113bと出力シャフト131の出力ギア132とのギア比を大きく設定することによって、クラッチ接続時においては所定の減速比を得つつ、クラッチ切断時には多板クラッチ121において生じるドラグトルクを小さくすることが可能となる。
【0058】
これにより、コーンスプリングからテーパころ軸受に対して付与する付勢力を小さくすることができるため、種々の仕様のPTO装置に対して、テーパころ軸受とコーンスプリングとを用いたPTOシャフトの連れ回りを防止する機能を採用することができる。
【0059】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0060】
(1)第1実施形態では、第1及び第2軸受の両方をテーパころ軸受とし、かつ、第1及び第2軸受のいずれか一方又は両方に対応してコーンスプリングを配置しているが、これに限定されない。例えば、第1及び第2軸受の一方のみをテーパころ軸受とし、かつ、テーパころ軸受を採用した方の軸受に対応してコーンスプリングを配置する構成であってもよい。
【0061】
(2)第2実施形態においても、第1実施形態の変形例と同様に、第1軸受に対応するようにコーンスプリングを配置したり、第1及び第2軸受の両方に対応してコーンスプリングを配置する構成であってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、動力取出装置において、第1及び第2軸受の少なくとも一方がテーパころ軸受からなり、その軸受とケーシングとの間に、弾性部材が配置されており、弾性部材のクラッチシャフト軸方向の付勢力に応じて、クラッチシャフトに対して回転抵抗を付与することができるようになっているため、エンジン起動直後等の低温時における作動油の粘性の増加により、クラッチプレート間のドラグトルクが大きくなる場合であっても、弾性部材により付与される回転抵抗によってドラグトルクが相殺されて、クラッチを切断した状態におけるクラッチシャフトの連れ回りを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施形態の動力取出装置としてのPTO装置を備えた動力伝達装置を軸方向トランスミッション側から見た図。
【図2】 第1実施形態のPTO装置のA−O−P−B断面図。
【図3】 PTO装置の第2軸受付近を示す拡大図。
【図4】 第1実施形態のPTO装置の変形例であって、PTO装置の第1軸受付近を示す拡大図。
【図5】 第2実施形態のPTO装置を示す図であって、図2に相当する図。
【符号の説明】
11、111 PTO装置(動力取出装置)
12、112 ケーシング
13、113 PTOシャフト(クラッチシャフト)
113a アイドラギア(アイドラ歯車)
15、115 第1軸受
16、116 第2軸受
19、119 PTOギア
22、122 ピストン
28、128 ドライブプレート(クラッチプレート)
29、129 ドリブンプレート(クラッチプレート)
131 出力シャフト
132 出力ギア(出力歯車)
51、52、151 コーンスプリング(弾性部材)

Claims (3)

  1. エンジンからの動力をトランスミッションに伝達するメインドライブシャフトに連結され、前記エンジンの動力の一部を取り出すことが可能な動力取出装置であって、
    ケーシングと、
    対向して配置されるとともに前記ケーシングに支持され、少なくとも一方がテーパころ軸受からなる第1及び第2軸受と、
    前記第1及び第2軸受を介して前記ケーシングに回転自在に支持されたクラッチシャフトと、
    前記クラッチシャフトに相対回転可能に設けられ、前記メインドライブシャフトからの動力が入力される平歯車と、
    油圧により作動するピストンと前記ピストンによって押圧される複数のクラッチプレートとを有し、前記平歯車と前記クラッチシャフトとの間で動力の断接を行うクラッチ機構と、
    前記テーパころ軸受と前記ケーシングとの間に配置され、前記テーパころ軸受をクラッチシャフト軸方向に付勢して、前記クラッチシャフトに回転抵抗を付与する弾性部材と、
    を備えた動力取出装置。
  2. 前記弾性部材は、コーンスプリングである、請求項1に記載の動力取出装置。
  3. 前記クラッチシャフトに設けられたアイドラ歯車と、
    前記アイドラ歯車に噛み合う出力歯車を有する出力シャフトと、
    をさらに備えた、請求項1又は2に記載の動力取出装置。
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