JP2004138033A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い排気ガス温領域に亘って高いNO 浄化率を得る。
【解決手段】担体上にNO 吸収剤を担持せず、貴金属を担持したNO 浄化触媒12と、担体上にNO 吸収剤および貴金属を担持したNO 吸蔵触媒11とを機関排気通路内に直列に配置する。排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒12によって浄化されているときにはNO 浄化触媒12の貴金属の表面全体が酸素被毒を受ける前に排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒11によって浄化されているときにはNO 吸蔵触媒11のNO 吸蔵能力が飽和する前に排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに排気ガス中に含まれるNO を浄化するための触媒として、アルミナからなる担体の表面上にアルカリ金属或いはアルカリ土類からなるNO 吸収剤の層を形成し、更に白金のような貴金属触媒を担体表面上に担持した触媒が公知である(例えば特許文献1参照)。この触媒では、排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNO は白金により酸化されて硝酸塩の形でNO 吸収剤内に吸収される。次いで排気ガスの空燃比が短時間リッチにされるとこの間にNO 吸収剤に吸収されていたNO が放出されると共に還元され、次いで再び排気ガスの空燃比がリーンに戻されるとNO 吸収剤へのNO の吸収作用が開始される。
【0003】
一方、排気ガス中にはSO も含まれており、NO 吸収剤にはNO に加えてSO も吸収される。この場合SO は硫酸塩の形で吸収される。ところがこの硫酸塩は硝酸塩に比べて分解しずらく、排気ガスの空燃比を単にリッチにしただけでは分解しない。従ってNO 吸収剤内にはSO の吸収量が次第に増大し、それに伴なってNO を吸収しえなくなる。従ってこのようなNO 吸収剤を用いた場合には時折SO を放出させる必要がある。ところで硫酸塩は触媒の温度が600℃以上になると分解しやすくなり、このとき排気ガスの空燃比をリッチにするとNO 吸収剤からSO が放出される。従ってこのようなNO 吸収剤を用いた場合においてNO 吸収剤からSO を放出させるときには触媒の温度が600℃以上に維持されかつ排気ガスの空燃比がリッチに維持される。
【0004】
さて、このようなNO 吸収剤の層を設けるとNO に加えて必ずSO も吸収されるのでSO が吸収されるのを阻止するためにはこのようなNO 吸収剤の層を設けないようにすればよいことになる。そこでアルミナからなる担体上に白金のみを担持するようにした触媒が提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2にはアルミナからなる担体上に白金のみを担持した場合でも空燃比がリーンのときに触媒にNO が捕獲され、空燃比を交互にリーンとリッチに切換えればNO を浄化しうることが記載されている。
【0005】
また、リーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するNO を浄化しうる触媒として、ゼオライト上に遷移金属或いは貴金属を担持したリーンNO 触媒が知られている。このリーンNO 触媒は排気ガス中のHCとNO を吸収してNO を還元する機能を有するが酸素が吸着するとNO の浄化性能が著しく低下する。そこでこの吸着酸素を離脱させるためにリーンNO 触媒に流入する排気ガスの空燃比を周期的にリッチにするようにした内燃機関が公知である(特許文献3参照)。このリーンNO 触媒はリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときであってもNO を還元することができるという特徴を有するが、排気ガス中にNO 還元用のHCを供給する必要があり、耐熱性が低く、50パーセント以下の浄化率しか得られないという欠点を有している。
【0006】
【特許文献1】
特許第2600492号公報
【特許文献2】
特開平11−285624号公報
【特許文献3】
特許第3154110号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述したようにアルミナからなる担体の表面上にNO 吸収剤の層を形成すると排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中に含まれるNO がNO 吸収剤に吸収され、斯くしてNO が大気中に放出するのを抑制することができる。しかしながらNO 吸収剤によるNO の吸収作用はNO 吸収剤の温度が或る程度以上高くならないと良好に行われず、NO 吸収剤の温度がほぼ250℃よりも低くなるにつれてNO 吸収剤のNO 吸収能力は次第に低下する。
【0008】
一方、本発明者等は担体上にNO 吸収剤の層を形成した触媒の研究を進める一方で、担体上にNO 吸収剤の層を有していない触媒についても研究を進めてきた。その結果、担体上にNO 吸収剤の層を有しない触媒、例えばアルミナからなる担体上に白金のみを担持した触媒では、リーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに空燃比を一時的にリッチにすると触媒温度が250℃以下の低温のときに90パーセント以上のNO 浄化率が得られることが判明したのである。従ってこの触媒とNO 吸収剤を担持した触媒とを組合せて用いると触媒の温度が250℃以下の低温領域から触媒の温度が250℃以上の高温領域まで広い温度領域に亘ってNO を浄化することができる。
【0009】
そこで本願発明者等は、アルミナからなる担体上に白金のみを担持した触媒を用いると低温時に高いNO 浄化率を得ることができる理由について種々の角度から検討し、その結果、次のような結論に達した。即ち、概略的に言うと白金は本来的に低温での活性を有しており、排気ガス中に含まれるNO は白金の表面上において直接分解され、或いは選択的に還元される。また、アルミナからなる担体の表面には塩基点が存在し、白金の表面上で酸化されたNO がNO の形で担体表面上に吸着し、或いは硝酸イオンNO の形で担体表面上の塩基点上に保持される。NO の浄化が行われる際にはこれら種々の作用が同時に行われており、その結果90パーセント以上の高い浄化率が得られる。
【0010】
ところで、アルミナからなる担体上に白金のみを担持した触媒をリーン空燃比の排気ガスにさらしておくとNO 浄化率が次第に低下していく。これは白金の表面が酸素原子により覆われ、即ち白金の表面が酸素被毒を受け、それによって一方では白金表面でのNO 直接分解やNO の選択還元が生じにくくなったことに基因している。事実、このとき空燃比を一時的にリッチにすると白金表面を覆っている酸素原子がHCやCOの酸化のために消費され、即ち白金表面の酸素被毒が解消され、次いで空燃比がリーンに戻されると再びNO の直接分解やNO の選択還元が良好に行われる。
【0011】
一方、白金表面が酸素原子によって覆われるとNO は白金表面上において酸化されやすくなり、従って担体上に吸着され、或いは保持されるNO の量は増大する。それにもかかわらずNO 浄化率が低下するということは、NO の浄化作用に対してはNO の直接分解或いはNO の選択還元が支配的であることになる。従ってアルミナからなる担体上に白金のみを担持した場合には白金の表面全体が酸素被毒を生じないようにすることが最重要課題であり、従って白金の表面全体が酸素被毒を受ける前に排気ガスの空燃比を一時的にリーンからリッチに切換えることが必要となる。
【0012】
なお、排気ガスの空燃比をリーンからリッチに一時的に切換えると担体上に吸着しているNO 或いは担体上に保持されている硝酸イオンNO はHCおよびCOによって還元される。即ち、白金表面の酸素被毒を解消すべく排気ガスの空燃比を一時的にリーンからリッチに切換えると担体上に吸着され或いは保持されているNO は除去され、従って空燃比がリッチからリーンに戻されると再びNO の吸着作用或いは硝酸イオンNO の保持作用が開始される。
【0013】
上述したようにアルミナからなる担体上に白金のみを担持した場合にNO の高い浄化率を確保するには白金の表面全体が酸素被毒を生じないようにすることが必要である。しかしながら特許文献2および3のいずれもこのことに関して何ら示唆していない。即ち、特許文献2は、NO が浄化されるのは全てNO の吸着作用に基因しているとの前提に立って検討した結果を示しており、白金の酸素被毒がNO の浄化率を支配することに気付いていない。従って当然のことながら特許文献2は250℃以下の低温でもって高い浄化率を得られることについては何ら示唆していない。
【0014】
また、引用文献3はゼオライトからなるリーンNO 触媒を対象としており、このリーンNO 触媒への酸素の吸着がNO 浄化率に影響を与えることを開示しているものの、白金表面の酸素被毒がNO 浄化率を支配することについては何ら示唆していない。このゼオライトには塩基点が存在しないためにアルミナを用いたときとはNO の浄化の仕方が異なっているばかりでなく50パーセント以上のNO 浄化率を得ることは困難であり、従って特許文献3は250℃以下で90パーセント以上の高い浄化率を得られることを示唆する文献とはなり得ない。
【0015】
本発明は、白金表面、即ち貴金属表面の酸素被毒がNO の浄化率を支配することをつきとめ、これに基づいて高いNO 浄化率を確保するようにした内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、1番目の発明では、リーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するNO を排気通路内において浄化するようにした内燃機関の排気浄化装置において、表面上に塩基点の存在する担体を用いると共に担体表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤の層を形成することなく貴金属触媒を分散して担持させたNO 浄化触媒と、担体表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤の層を形成すると共に貴金属触媒を分散して担持させたNO 吸蔵触媒とを機関排気通路内に直列に配置し、排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒によって浄化されているときにはNO 浄化触媒の担体表面上に担持された貴金属触媒の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒によって浄化されているときにはNO 吸蔵触媒のNO 吸蔵能力が飽和する前にNO 吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる。
【0017】
2番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあるときに排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒によって浄化され、NO 吸蔵触媒の温度が第1の温度領域よりも高温側の第2の温度領域にあるときに排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒によって浄化される。
【0018】
3番目の発明では2番目の発明において、NO 浄化触媒の温度およびNO 吸蔵触媒の温度を代表する代表温度が予め定められた設定温度よりも低いときにはNO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあると判断されると共にこの代表温度が予め定められた設定温度よりも高いときにはNO 吸蔵触媒の温度が第2の温度領域にあると判断され、NO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあると判断されたときにはNO 浄化触媒の担体表面上に担持された貴金属触媒の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、NO 吸蔵触媒の温度が第2の温度領域にあると判断されたときにはNO 吸蔵触媒のNO 吸蔵能力が飽和する前にNO 吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる。
【0019】
4番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒の担体がアルミナからなり、NO 浄化触媒に担持された貴金属触媒が白金からなる。
【0020】
5番目の発明では4番目の発明において、NO 浄化触媒の担体の内部にアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類を含有せしめ、それによって触媒担体表面上の塩基点の数を増大するか又は塩基点における塩基性を強めるようにしている。
【0021】
6番目の発明では1番目の発明において、NO 吸蔵触媒の担体表面上に担持されたNO 吸収剤がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類からなる。
【0022】
7番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒を継続的に解消するために排気ガスの空燃比がリーンからリッチに繰返し切換えられ、このときのリーン時間に対するリッチ時間の割合は、排気浄化触媒の温度が200℃から250℃のときにNO 浄化率が90パーセント以上となる割合に設定されている。
【0023】
8番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量を算出するための手段を具備し、算出された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0024】
9番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量を推定するための手段を具備し、推定された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0025】
10番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒から流出する排気ガス中のNO 濃度を検出するためのNO 濃度センサを具備し、NO 濃度センサにより検出されたNO 濃度が設定値を越えたときにNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量が許容値を越えたと判断される。
【0026】
11番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたか否かを判断する手段を具備し、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたと判断されたときに排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換えられる。
【0027】
12番目の発明では11番目の発明において、NO 浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサを具備し、NO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられた後、NO 浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比がリッチになったときにNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたと判断される。
【0028】
13番目の発明では1番目の発明において、排気ガス中に含まれるNO およびSO はNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒により酸化された後にNO 浄化触媒の担体上に保持される。
【0029】
14番目の発明では13番目の発明において、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒を解消すべくNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられたときにNO 浄化触媒の担体上に保持されているNO がNO 浄化触媒の担体上から放出され還元される。
【0030】
15番目の発明では13番目の発明において、NO 浄化触媒の担体表面の塩基性の強さを、NO 浄化触媒の担体表面上にSO が硫酸イオンの形で保持される強さに設定している。
【0031】
16番目の発明では15番目の発明において、NO 浄化触媒の担体表面上に保持されたSO をNO 浄化触媒の担体表面上から放出させる際にはNO 浄化触媒の温度がSO 放出温度まで上昇せしめられた後、NO 浄化触媒の温度をSO 放出温度に維持しつつ排気ガスの空燃比がリッチとされ、SO 放出温度がほぼ500℃〜550℃である。
【0032】
17番目の発明では1番目の発明において、排気ガス中に含まれるNO およびSO はリーン空燃比のもとで、NO 吸蔵触媒の担体表面上に担持されたNO 吸収剤に吸収される。
【0033】
18番目の発明では17番目の発明において、NO 吸収剤に吸収されたNO 吸収量を算出するための手段を具備し、算出されたNO 吸収量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0034】
19番目の発明では17番目の発明において、NO 吸収剤に吸収されたNO 吸収量を推定するための手段を具備し、推定されたNO 吸収量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0035】
20番目の発明では17番目の発明において、NO 吸蔵触媒から流出する排気ガス中のNO 濃度を検出するためのNO 濃度センサを具備し、NO 濃度センサにより検出されたNO 濃度が設定値を越えたときにNO 吸収剤のNO 吸収量が許容値を越えたと判断される。
【0036】
21番目の発明では17番目の発明において、NO 吸蔵触媒のNO 吸収剤に吸収されたSO をNO 吸収剤から放出させる際にはNO 吸蔵触媒の温度がSO 放出温度まで上昇せしめられた後、NO 吸蔵触媒の温度をSO 放出温度に維持しつつ排気ガスの空燃比がリッチとされ、SO 放出温度がほぼ600℃以上である。
【0037】
22番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒とNO 吸蔵触媒の配列順序が触媒の塩基性の強さに応じて決定され、塩基性の強い方の触媒が塩基性の弱い方の触媒よりも上流側に配置される。
【0038】
23番目の発明では22番目の発明において、NO 吸蔵触媒がNO 浄化触媒の上流側に配置される。
【0039】
24番目の発明では23番目の発明において、NO 吸蔵触媒の上流側に酸性質の触媒を配置している。
【0040】
25番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒の上流にNO 吸蔵触媒を配置している。
【0041】
26番目の発明では25番目の発明において、NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる。
【0042】
27番目の発明では1番目の発明において、NO 浄化触媒の下流にNO 吸蔵触媒を配置している。
【0043】
28番目の発明では27番目の発明において、NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる。
【0044】
29番目の発明では1番目の発明において、NO 吸蔵触媒の上流および下流に夫々NO 浄化触媒を配置している。
【0045】
30番目の発明では29番目の発明において、NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる。
【0046】
31番目の発明では1番目の発明において、機関排気通路内に還元剤を供給することによって排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
【0047】
32番目の発明では1番目の発明において、機関が、再循環排気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、再循環排気ガス量を更に増大すると煤がほとんど発生しなくなる機関からなり、再循環排気ガス量を煤の発生量がピークとなる量よりも増大した状態で燃焼室内における空燃比をリッチにすることにより排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
【0048】
33番目の発明では1番目の発明において、機関が、再循環排気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、再循環排気ガス量を更に増大すると煤がほとんど発生しなくなる機関からなり、排気浄化触媒の温度を上昇すべきときには再循環排気ガス量を煤の発生量がピークとなる量よりも増大させる。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用することもできる。
【0050】
図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドを夫々示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口はエアクリーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁9が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置10が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置10内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結され、排気タービン7bの出口はNO 吸蔵触媒11の入口に連結される。また、NO 吸蔵触媒11の出口はNO 浄化触媒12に連結される。排気マニホルド5の集合部出口には排気マニホルド5内を流れる排気ガス中に例えば炭化水素からなる還元剤を供給するための還元剤供給弁13が配置される。
【0051】
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路14を介して互いに連結され、EGR通路14内には電子制御式EGR制御弁15が配置される。また、EGR通路14周りにはEGR通路14内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置16が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置16内に導びかれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管17を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール18に連結される。このコモンレール18内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ19から燃料が供給され、コモンレール18内に供給された燃料は各燃料供給管17を介して燃料噴射弁3に供給される。
【0052】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。NO 吸蔵触媒11にはNO 吸蔵触媒11の温度を検出するための温度センサ20が取付けられ、NO 浄化触媒12にはNO 浄化触媒12の温度を検出するための温度センサ21が取付けられ、NO 吸蔵触媒11の出口とNO 浄化触媒12の入口を連結する排気管23内にはこれら触媒11,12内を流れる排気ガス温を検出するための温度センサ22が配置される。これら温度センサ20,21,22の出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。なお、実際にはこれら温度センサ20,21,22のうちの少くとも一つが取付けられる。
【0053】
また、NO 浄化触媒12の出口に連結された排気管24内には必要に応じて各種のセンサ25が配置される。アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁9駆動用ステップモータ、EGR制御弁15、および燃料ポンプ19に接続される。
【0054】
図1に示すNO 吸蔵触媒11はモノリス触媒からなり、このNO 吸蔵触媒11の基体上には例えばアルミナからなる触媒担体が担持されている。図2はこの触媒担体45の表面部分の断面を図解的に示している。図2に示されるように触媒担体45の表面上には貴金属触媒46が分散して担持されており、更に触媒担体45の表面上にはNO 吸収剤47の層が形成されている。
【0055】
本発明による実施例では貴金属触媒46として白金が用いられており、NO 吸収剤47を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つが用いられている。
【0056】
機関吸気通路、燃焼室2およびNO 吸蔵触媒11上流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比と称するとNO 吸収剤47は排気ガスの空燃比がリーンのときにはNO を吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNO を放出するNO の吸放出作用を行う。なお、NO 吸蔵触媒11上流の排気通路内に燃料(炭化水素)或いは空気が供給されない場合には排気ガスの空燃比は燃焼室2内に供給される混合気の空燃比に一致し、従ってこの場合にはNO 吸収剤47は燃焼室2内に供給される混合気の空燃比がリーンのときにはNO を吸収し、燃焼室2内に供給される混合気中の酸素濃度が低下すると吸収したNO を放出することになる。
【0057】
即ち、NO 吸収剤47を構成する成分としてバリウムBaを用いた場合を例にとって説明すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき、即ち排気ガス中の酸素濃度が高いときには排気ガス中に含まれるNOは図2に示されるように白金Pt46上において酸化されてNO となり、次いでNO 吸収剤47内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO の形でNO 吸収剤47内に拡散する。このようにしてNO がNO 吸収剤47内に吸収される。排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Pt46の表面でNO が生成され、NO 吸収剤47のNO 吸収能力が飽和しない限りNO がNO 吸収剤47内に吸収されて硝酸イオンNO が生成される。
【0058】
これに対し、燃焼室2内における空燃比をリッチ或いは理論空燃比にすることによって、又は還元剤供給弁13から還元剤を供給することによって排気ガスの空燃比をリッチ或いは理論空燃比にすると排気ガス中の酸化濃度が低下するために反応が逆方向(NO →NO )に進み、斯くしてNO 吸収剤47内の硝酸イオンNO がNO の形でNO 吸収剤47から放出される。次いで放出されたNO は排気ガス中に含まれる未燃HC,COによって還元される。
【0059】
このように排気ガスの空燃比がリーンであるとき、即ちリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときには排気ガス中のNO がNO 吸収剤47内に吸収される。しかしながらリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われるとその間にNO 吸収剤47のNO 吸収能力が飽和してしまい、斯くしてNO 吸収剤47によりNO を吸収できなくなってしまう。そこで本発明による実施例では図3に示されるようにNO 吸収剤47の吸収能力が飽和する前に還元剤供給弁13から還元剤を供給することによって排気ガスの空燃比を一時的にリッチにし、それによってNO 吸収剤47からNO を放出させるようにしている。
【0060】
ところで白金Pt46は本来的に低温での活性を有している。しかしながらNO 吸収剤47の塩基性はかなり強く、そのために白金Pt46の低温での活性、即ち酸化性が弱められてしまう。その結果、NO 吸蔵触媒11の温度TCが低下するとNOの酸化作用が弱まり、図6の実線Aで示されるようにNO 吸蔵触媒11の温度TCが低下するとNO 浄化率が低下する。本発明による実施例では図6からわかるようにNO 吸蔵触媒11の温度TCがほぼ250℃よりも低くなるとNO 浄化率は急速に低下する。
【0061】
一方、排気ガス中にはSO も含まれており、このSO は白金Pt46において酸化されてSO となる。次いでこのSO はNO 吸収剤47内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO 2− の形でNO 吸収剤47内に拡散し、安定した硫酸塩BaSO を生成する。しかしながらNO 吸収剤47が強い塩基性を有するためにこの硫酸塩BaSO は安定していて分解しづらく、排気ガスの空燃比を単にリッチにしただけでは硫酸塩BaSO は分解されずにそのまま残る。従ってNO 吸収剤47内には時間が経過するにつれて硫酸塩BaSO が増大することになり、斯くして時間が経過するにつれてNO 吸収剤47が吸収しうるNO 量が低下することになる。
【0062】
ところが、NO 吸蔵触媒11の温度を600℃以上まで上昇させた状態で排気ガスの空燃比をリッチにするとNO 吸収剤47からSO が放出される。従って本発明による実施例ではNO 吸収剤47に吸収されているSO 量が増大したときにはNO 吸蔵触媒11の温度を600℃以上まで上昇させて排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
【0063】
一方、図1に示すNO 浄化触媒12もモノリス触媒からなり、このNO 浄化触媒12の基体上には触媒担体が担持されている。図4はこの触媒担体50の表面部分の断面を図解的に示している。図4に示されるように触媒担体50の表面上には貴金属触媒51が分散して担持されている。本発明では触媒担体50として担体50の表面上に塩基性を示す塩基点の存在する担体が用いられており、本発明による実施例では触媒担体50としてアルミナが用いられている。また、本発明による実施例では貴金属触媒51として白金が用いられている。
【0064】
このように本発明による実施例ではアルミナからなる触媒担体50の表面上には白金Pt51のみが担持されており、アルカリ金属やアルカリ土類からなるNO を吸収しうるNO 吸収剤の層が形成されていない。このようにアルミナからなる触媒担体50の表面上に白金Pt51のみを担持したNO 浄化触媒12について検討した結果、このNO 浄化触媒12ではリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに空燃比を一時的にリッチにするとNO 浄化触媒12の温度がほぼ250℃以下の低温のときに90パーセント以上のNO 浄化率が得られることが判明したのである。
【0065】
その理由について種々の角度から検討した結果、NO 浄化触媒12は塩基性が弱いために白金Ptの酸化性が強く、その結果NO の浄化が行われる際には、白金Pt51の表面におけるNO の直接分解作用或いはNO の選択還元作用や、触媒担体50上へのNO の吸着作用或いは触媒担体50上におけるNO の保持作用が同時並列的に生じており、これら作用が同時並列的に生じることによって90パーセント以上の高いNO 浄化率が得られるとの結論に達したのである。
【0066】
即ち、前述したように白金Pt51は本来的に低温での活性を有しており、NO の浄化が行われる際に生じている第1の作用は、排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中のNO が白金Pt51の表面においてNとOとに解離された状態で白金Pt51の表面上に吸着され、解離されたNがN となって白金Pt51の表面から脱離する作用、即ちNO の直接分解作用である。この直接分解作用によって一部のNO の浄化作用が行われている。
【0067】
NO の浄化が行われる際に生じている第2の作用は、排気ガスの空燃比がリーンのときに白金Pt51の表面上に吸着したNOが排気ガス中のHC又は触媒担体50上に吸着しているHCによって選択的に還元される作用である。このNO 選択還元作用によって一部のNO の浄化作用が行われている。
【0068】
一方、排気ガス中のNO 、即ちNOは白金Pt51の表面で酸化されてNO となり、更に酸化されると硝酸イオンNO となる。NO の浄化が行われる際に生じている第3の作用はNO が触媒担体50上に吸着する作用である。この吸着作用によって一部のNO の浄化作用が行われる。また、アルミナからなる触媒担体50の表面上には塩基点が存在し、NO の浄化が行われる際に生じている第4の作用は硝酸イオンNO が触媒担体50の表面上の塩基点において保持される作用である。この保持作用によって一部のNO の浄化作用が行われる。
【0069】
このようにNO の浄化が行われる際にはこれら種々の作用が同時に行われており、その結果90パーセント以上の高い浄化率が得られることになる。
【0070】
ところで、アルミナからなる触媒担体50上に白金Pt51のみを担持した排気浄化触媒12をリーン空燃比の排気ガスにさらしておくとNO 浄化率が次第に低下していく。これは白金Pt51の表面が酸素原子により覆われ、即ち白金pt51の表面が酸素被毒を受け、それによって一方では白金Pt51の表面におけるNO の直接分解やNO の選択還元が生じにくくなったことに基因している。即ち、白金Pt51の表面が酸素原子で覆われると排気ガス中のNOが白金Pt51の表面に吸着できなくなるためにNO の直接分解は生じにくくなり、白金Pt51の表面が酸素原子で覆われるとNOが白金Pt51の表面に吸着できなくなるためにNO の選択還元が生じにくくなる。
【0071】
ところがこのとき空燃比を一時的にリッチにすると白金Pt51の表面を覆っている酸素原子がHCやCOの酸化のために消費され、即ち白金Pt51の表面の酸素被毒が解消され、従って空燃比がリーンに戻されると再びNO の直接分解やNO の選択還元が良好に行われるようになる。
【0072】
ところで白金Pt51の表面が酸素原子によって覆われるとNO は白金Pt51の表面上において酸化されやすくなり、従って触媒担体50上に吸着され、或いは保持されるNO の量は増大する。それにもかかわらずNO 浄化率が低下するということは、NO の浄化作用に対してはNO の直接分解或いはNO の選択還元が支配的であることになる。従ってアルミナからなる触媒担体50上に白金Pt51のみを担持した場合には白金Pt51の表面全体が酸素被毒を生じないようにすることが最重要課題であり、従って白金Pt51の表面全体が酸素被毒を受ける前に排気ガスの空燃比を一時的にリーンからリッチに切換えることが必要となる。
【0073】
次にこのことについて実験結果を参照しつつ説明する。
【0074】
図5は還元剤供給弁13から還元剤をt2時間の時間間隔をおいてt1時間だけ噴射し、それによってNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比がt2時間だけリーンに維持された後t1時間だけリッチにされる場合を示している。
【0075】
図6の実線Bは、アルミナからなる触媒担体50上に白金Pt51のみを担持したNO 浄化触媒12において白金Pt51の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチに図5に示すt1時間だけ一時的に切換えるようにしたときのNO 浄化触媒12の温度TC(℃)とNO 浄化率(%)との関係を示している。なお、図6の実線Bはアルミナからなる触媒担体50のコーティング量が150(g)であり、白金Pt51の担持量が3(g)の場合を示している。
【0076】
図6からNO 浄化触媒12の温度TCがほぼ250℃以下の低温で90パーセント以上のほぼ100パーセントに近いNO 浄化率が得られることがわかる。なお、NO 浄化触媒12の温度TCが200℃以下になるとNO 浄化率は若干低下するがNO 浄化触媒12の温度TCが150℃まで低下してもNO 浄化率は80パーセント以上であり、依然として高いことがわかる。また、NO 浄化触媒12の温度TCが250℃よりも高くなるとNO 浄化率は徐々に低下する。即ち、NO 浄化触媒12の温度TCが高くなるとNOが白金Pt51の表面上に吸着しずらくなり、その結果NO の直接分解作用が生じずらくなるばかりでなくNO の選択還元作用も生じずらくなるためにNO 浄化率は徐々に低下する。
【0077】
なお、白金Pt51の担持量が3(g)を越えていくら増やしてもNO 浄化率はほとんど増大しないが白金Pt51の担持量は3(g)よりも少くするとNO 浄化率が低下する。
【0078】
また、図6の実線Bは図5において排気ガスの空燃比がリーンであるリーン期間t2を60秒とし、排気ガスの空燃比がリッチとされるリッチ時間t1を3秒とした場合を示している。この場合、リッチ時間t1として3秒あれば白金Pt51の表面の酸素被毒を完全に解消することができるので酸素被毒を解消するという点からみるとリッチ時間t1を3秒以上にしても意味がない。これに対し、リッチ時間t1を3秒より短くするとNO 浄化率は次第に低下する。
【0079】
また、貴金属触媒51としては白金に加えてロジウムを用いることもできる。この場合には、図6においてNO 浄化率が90パーセント以上になる温度TC(℃)の領域が高温側に広がり、高温側におけるNO 浄化率が高くなる。
【0080】
このように貴金属触媒51の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチに一時的に切換えると90パーセント以上のNO 浄化率を得ることができる。なお、このように排気ガスの空燃比をリーンからリッチに一時的に切換えると触媒担体50上に吸着しているNO 或いは触媒担体50上に保持されている硝酸イオンNO はHCおよびCOによって還元される。即ち、貴金属触媒51の表面の酸素被毒を解消すべく排気ガスの空燃比を一時的にリーンからリッチに切換えると触媒担体50上に吸着され或いは保持されているNO は除去され、従って空燃比がリッチからリーンに戻されると再びNO の吸着作用或いは硝酸イオンNO の保持作用が開始される。
【0081】
前述したようにアルミナからなる触媒担体50上に白金Pt51のみを担持した場合には、NO の浄化率に対してNO の直接分解およびNO の選択還元が支配的となる。しかしながら触媒担体50へのNO の吸着作用および触媒担体50上における硝酸イオンNO の保持作用もNO の浄化に寄与している。ところで従来より排気ガス中にNO が存在すればいかなる触媒であっても多かれ少なかれNO が触媒に吸着することが知られている。本願発明による実施例では前述したように排気ガス中のNOは白金Pt51において酸化されてNO が生成され、斯くしてNO がNO 浄化触媒12上に吸着されることになる。
【0082】
これに対して硝酸イオンNO はいかなる触媒であっても保持されるわけではなく、硝酸イオンNO を触媒上に保持させるには触媒の表面が塩基性を呈することが必要となる。本願発明による実施例では前述したように触媒担体50がアルミナからなるために触媒担体50の表面上に塩基性を有する塩基点が存在し、斯くして硝酸イオンNO は触媒担体50の表面に存在する塩基点において保持されることになる。
【0083】
ところでアルミナからなる触媒担体50の表面に存在する塩基点の塩基性はそれほど強くなく、従って硝酸イオンNO に対する保持力もさほど強くない。従ってNO 浄化触媒12の温度TCが上昇するとNO 浄化触媒12に保持されているNO はNO 浄化触媒12から脱離せしめられる。図6に示されるようにNO 浄化触媒12の温度TCが上昇するにつれてNO 浄化率が次第に低下するのはこのようなNO の脱離作用が存在しているからでもある。
【0084】
一方、触媒担体50の表面上の塩基点の塩基性が高くなるほど硝酸イオンNO の形で保持されるNO 量が増大する。従ってNO 浄化触媒12上に保持されるNO 量を増大させるには塩基点の数を増大するか、或いは塩基点の塩基性を高くすればよいことになる。この場合、図4において符号52で示されるようにアルミナからなる触媒担体50の内部に、カリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCs、ルビジウムRbのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCa、ストロンチウムSrのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つを添加すれば塩基点の数を増大させることができるか、或いは塩基点の塩基性を高めることができる。この場合、これらランタンLaやバリウムBa等の添加物52は構造安定化のためにアルミナの結晶構造の一部を構成するように触媒担体50の内部に添加することもできるし、アルミナと添加物52とで塩を形成するように触媒担体50の内部に添加することもできる。なお、当然のことながらランタンLaやバリウムBa等の添加物52の量を増大すれば排気ガスの空燃比がリーンのときにNO 浄化触媒12に保持されるNO 量は増大する。
【0085】
一方、このように塩基点の塩基性を高めると硝酸イオンNO に対する保持力が強くなる。従って硝酸イオンNO はNO 浄化触媒12の温度TCが上昇しても離脱しずらくなり、従って塩基点の塩基性を高めると図6において高温側におけるNO 浄化率が高くなる。
【0086】
ところで前述したように排気ガス中にはSO も含まれており、このSO は白金Pt51において酸化されてSO となる。次いでこのSO は白金Pt51上において更に酸化されて硫酸イオンSO 2− となる。触媒が塩基性を有すると硫酸イオンSO 2− は触媒上に保持され、しかもこの硫酸イオンSO 2− は硝酸イオンNO に比べて触媒上に保持されやすい。従って硝酸イオンNO が触媒上に保持されれば硫酸イオンSO 2− も必ず触媒上に保持される。本発明による実施例では硝酸イオンNO が触媒担体50上に保持され、従って本発明による実施例では硫酸イオンSO 2− も触媒担体50上に保持されることになる。
【0087】
一方、前述したように触媒担体上にアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなるNO 吸収剤の層を形成するとSO はNO 吸収剤の層内で硫酸塩を形成する。ところがこの硫酸塩は分解しずらく、触媒の温度を600℃以上に上昇させた状態で排気ガスの空燃比をリッチにしないとSO を触媒から放出させることができない。
【0088】
しかしながら本願発明の実施例において、NO 浄化触媒12の触媒担体50の表面上に存在する塩基点の塩基性はNO 吸収剤の塩基性に比べて極めて低く、従ってSO は触媒担体50の表面上の塩基点において硫酸塩の形ではなく、硫酸イオンSO 2− の形で保持される。しかもこの場合、硫酸イオンSO 2− に対する保持力はかなり小さい。
【0089】
このように硫酸イオンSO 2− に対する保持力が小さいと硫酸イオンSO 2− は低い温度で分解し、離脱するようになる。事実、本発明による実施例ではNO 浄化触媒12の温度TCをほぼ500℃まで上昇させ、排気ガスの空燃比をリッチにすればNO 浄化触媒12に保持されたSO をNO 浄化触媒12から放出させることができる。
【0090】
なお、NO 浄化触媒12の触媒担体50としてはアルミナばかりでなく、触媒担体表面に塩基点が存在する担体であれば従来より知られている種々の担体を用いることができる。
【0091】
以上の説明からわかるように、本発明では表面上に塩基点の存在する担体50を用いると共に担体50の表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤の層を形成することなく貴金属触媒51を分散して担持させたNO 浄化触媒12と、担体45の表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤47の層を形成すると共に貴金属触媒46を分散して担持させたNO 吸蔵触媒11とが機関排気通路内に直列に配置され、排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒12によって浄化されているときにはNO 浄化触媒12の担体50の表面上に担持された貴金属触媒51の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒11によって浄化されているときにはNO 吸蔵触媒11のNO 吸蔵能力が飽和する前にNO 吸蔵触媒11に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる。
【0092】
なお、この場合、図6からわかるようにNO 浄化触媒12の温度が設定温度Tsよりも低い第1の温度領域にあるときには排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒12によって浄化され、NO 吸蔵触媒11の温度が第1の温度領域よりも高温側の、即ち設定温度Tsよりも高い第2の温度領域にあるときには排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒11によって浄化される。図6に示す例ではこの設定温度Tsはほぼ250℃である。
【0093】
また、図6における触媒の温度TCとしては、NO 浄化触媒12の温度およびNO 吸蔵触媒11の温度を代表する代表温度が用いられ、この代表温度TCとしては温度センサ20により検出されたNO 吸蔵触媒11の温度、或いは温度センサ21により検出されたNO 浄化触媒12の温度、或いは温度センサ22により検出された排気ガス温が用いられる。この場合、代表温度TCが予め定められた設定温度Ts、例えば250℃よりも低いときにはNO 浄化触媒12の温度が第1の温度領域にあると判断され、代表温度TCが予め定められた設定温度Ts、例えば250℃よりも高いときにはNO 吸蔵触媒11の温度が第2の温度領域にあると判断される。
【0094】
次にNO およびSO の処理について具体的な実施例に基づいて説明する。
【0095】
まず初めに、NO 浄化触媒12において主にNO が浄化されているときにNO 浄化触媒12の貴金属触媒、例えば白金Pt51の酸素被毒量を算出し、算出された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比をリーンからリッチに切換え、それによって白金Pt51の酸素被毒を解消するようにした第1実施例について説明する。
【0096】
図7(A)に示されるように単位時間当りの白金Pt51の酸素被毒量Wは排気ガス中の酸素濃度に比例する。また、図7(B)に示されるように単位時間当りの白金Pt51の酸素被毒量WはNO 浄化触媒12の温度が高くなるほど増大する。ここで排気ガス中の酸素濃度およびNO 浄化触媒12の温度は機関の運転状態から定まり、即ちこれらは燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数であり、従って単位時間当りの白金Pt51の酸素被毒量Wは燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数となる。第1実施例では燃料噴射量Qと機関回転数Nに応じた単位時間当りの白金Pt51の酸素被毒量Wが予め実験により求められており、この酸素被毒量Wが燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数として図7(C)に示すようにマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0097】
図18はNO およびSO の放出制御のタイムチャートを示している。図8に示されるように酸素被毒量Wの積算値ΣWが許容値WXを越える毎に還元剤供給弁13から還元剤が供給され、NO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比A/Fがリーンからリッチに一時的に切換えられる。このとき白金Pt51の酸素被毒は解消され、触媒担体50上に吸着又は保持されているNO が触媒担体50から放出され、還元される。
【0098】
一方、NO 浄化触媒12上に保持されているSO 量の積算値ΣSOX1も算出されており、このSO 量の積算値ΣSOX1が許容値SX1を越えるとNO 浄化触媒12からのSO 放出作用が行われる。即ち、まず初めにNO 浄化触媒12の温度TCがSO 放出温度TX1に達するまで上昇せしめられる。このSO 放出温度TX1は触媒担体51に添加剤52が添加されていないときにはほぼ500℃であり、触媒担体51に添加剤52が添加されているときには添加剤52の添加量に応じたほぼ500℃から550℃の間の温度である。
【0099】
NO 浄化触媒12の温度TCがSO 放出温度TX1に達するとNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられ、NO 浄化触媒12からのSO の放出が開始される。SO が放出されている間、NO 浄化触媒12の温度TCはSO 放出温度TX1以上に保持され、排気ガスの空燃比はリッチに維持される。次いでSO 放出作用が完了するとNO 浄化触媒12の昇温作用は停止され、排気ガスの空燃比がリーンに戻される。
【0100】
上述したようにNO 浄化触媒12からSO を放出すべきときにはNO 浄化触媒12の温度がNO 放出温度TX1に達するまで上昇せしめられる。次にこのようにNO 浄化触媒12の温度TCを上昇させる方法について図9を参照しつつ説明する。
【0101】
NO 浄化触媒12の温度TCを上昇させるのに有効な方法の一つは燃料噴射時期を圧縮上死点以降まで遅角させる方法である。即ち、通常主燃料Q は図9において、(I)に示されるように圧縮上死点付近で噴射される。この場合、図9の(II)に示されるように主燃料Q の噴射時期が遅角されると後燃え期間が長くなり、斯くして排気ガス温が上昇する。排気ガス温が高くなるとそれに伴ってNO 浄化触媒12の温度TCが上昇する。
【0102】
また、NO 浄化触媒12の温度TCを上昇させるために図9の(III )に示されるように主燃料Q に加え、吸気上死点付近において補助燃料Q を噴射することもできる。このように補助燃料Q を追加的に噴射すると補助燃料Q 分だけ燃焼せしめられる燃料が増えるために排気ガス温が上昇し、斯くしてNO 浄化触媒12の温度TCが上昇する。
【0103】
一方、このように吸気上死点付近において補助燃料Q を噴射すると圧縮行程中に圧縮熱によってこの補助燃料Q からアルデヒド、ケトン、パーオキサイド、一酸化炭素等の中間生成物が生成され、これら中間生成物によって主燃料Q の反応が加速される。従ってこの場合には図9の(III )に示されるように主燃料Q の噴射時期を大巾に遅らせても失火を生ずることなく良好な燃焼が得られる。即ち、このように主燃料Q の噴射時期を大巾に遅らせることができるので排気ガス温はかなり高くなり、斯くしてNO 浄化触媒12の温度TCをすみやかに上昇させることができる。
【0104】
また、NO 浄化触媒12の温度TCを上昇させるために図9の(IV)に示されるように主燃料Q に加え、膨張行程中又は排気行程中に補助燃料Q を噴射することもできる。即ち、この場合、大部分の補助燃料Q は燃焼することなく未燃HCの形で排気通路内に排出される。この未燃HCはNO 浄化触媒12上において過剰酸素により酸化され、このとき発生する酸化反応熱によってNO 浄化触媒12の温度TCが上昇せしめられる。
【0105】
また、この第1実施例では、NO 吸蔵触媒11において主にNO の浄化が行われているときにNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤47に吸収された吸収NO 量を算出し、算出された吸収NO 量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比をリーンからリッチに切換え、それによってNO 吸収剤47からNO が放出せしめられる。
【0106】
単位時間当りに機関から排出されるNO 量は燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数であり、従って単位時間当りにNO 吸収剤47に吸収されるNO 吸収量NOXAは燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数となる。この実施例では燃料噴射量Qと機関回転数Nに応じた単位時間当りのNO 吸収量NOXAが予め実験により求められており、このNO 吸収量NOXAが燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数として図10(A)に示すようにマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0107】
一方、図10(B)はNO 吸収剤47へのNO 吸収率KNとNO 吸蔵触媒11の温度TCとの関係を示している。このNO 吸収率KNはNO 吸蔵触媒11の温度TCに対して図6の実線Aで示されるNO 吸収率と同様な傾向を有しており、NO 吸収剤45への実際のNO 吸収量はNOXAとKNとの積で表わされる。
【0108】
図11はNO およびSO の放出制御のタイムチャートを示している。図11に示されるようにNO 吸収量NOXA・KNの積算値ΣNOXが許容値NXを越える毎に還元剤供給弁13から還元剤が供給され、NO 吸蔵触媒11に流入する排気ガスの空燃比A/Fがリーンからリッチに一時的に切換えられる。このときNO がNO 吸収剤47から放出され、還元される。
【0109】
一方、NO 吸収剤47に吸収されているSO 量の積算値ΣSOX2も算出されており、このSO 量の積算値ΣSOX2が許容値SX2を越えるとNO 吸収剤47からのSO 放出作用が行われる。即ち、まず初めに図9の(II)〜(IV)に示す方法によってNO 吸蔵触媒11の温度TCがSO 放出温度TX2に達するまで上昇せしめられる。このSO 放出温度TX2は600℃以上である。
【0110】
NO 吸蔵触媒11の温度TCがSO 放出温度TX2に達するとNO 吸蔵触媒11に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられ、NO 吸収剤47からのSO の放出が開始される。SO が放出されている間、NO 吸蔵触媒11の温度TCはSO 放出温度TX2以上に保持され、排気ガスの空燃比はリッチに維持される。次いでSO 放出作用が完了するとNO 吸蔵触媒11の昇温作用は停止され、排気ガスの空燃比がリーンに戻される。
【0111】
なお、図11に示すt と図8に示すt とは同一時間を表わしており、従ってNO 吸収剤47からNO を放出させるときのリッチの間隔およびNO 吸収剤45からSO を放出させるときのリッチ時間はNO 浄化触媒12における酸素被毒解消のためのリッチの間隔およびSO 放出のためのリッチ時間に比べて夫々かなり長くなる。
【0112】
図12は還元剤供給弁13からの還元剤の供給制御ルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
【0113】
図12を参照するとまず初めにステップ100において、NO 吸蔵触媒11およびNO 浄化触媒12の温度を代表する代表温度TCが設定温度Ts、例えば250℃よりも低いか否かが判別される。TC<Tsのときにはステップ101に進んで図7(C)に示されるマップから単位時間当りの酸素被毒量Wが算出される。次いでステップ102では酸素被毒量WをΣWに加算することによって酸素被毒量の積算値ΣWが算出される。次いでステップ103では酸素被毒量の積算値ΣWが許容値WXを越えたか否か、即ち白金51の表面全体が酸素被毒を受ける少し前であるか否かが判別される。ΣW≦WXのときにはステップ105にジャンプする。これに対してΣW>WXのときにはステップ104に進んで被毒解消処理が行われ、次いでステップ105に進む。
【0114】
ステップ105では燃料噴射量Qに定数k1を乗算した値k1・QがΣSOX1に加算される。燃料中には一定量のイオウが含まれており、従って単位時間当りにNO 浄化触媒12に保持されるSO 量はk1・Qで表わすことができる。従ってk1・QにΣSOX1を加算することによって得られるΣSOX1はNO 浄化触媒12上に保持されたSO 量の積算値を表わしている。次いでステップ106ではSO 量の積算値ΣSOX1が許容値SX1を越えたか否かが判別される。ΣSOX1≦SX1のときには処理サイクルを完了し、ΣSOX1>SX1になるとステップ107に進んでSO 放出処理Iが行われる。
【0115】
一方、ステップ100においてTC≧Tsであると判別されたときにはステップ108に進んで図10(A)に示されるマップから単位時間当りのNO 吸収量NOXAと、図10(B)に示されるNO 吸収率KNが算出される。次いでステップ109では実際のNO 吸収量KN・NOXAをΣNOXに加算することによってNO 吸収量の積算値ΣNOXが算出される。次いでステップ109ではNO 吸収量の積算値ΣNOXが許容値NXを越えたか否かが判別される。ΣNOX≦NXのときにはステップ112にジャンプする。これに対してΣNOX>NXのときにはステップ111に進んでNO 放出処理が行われ、次いでステップ112に進む。
【0116】
ステップ112では燃料噴射量Qに定数k2を乗算した値k2・QがΣSOX2に加算される。前述したように燃料中には一定量のイオウが含まれており、従って単位時間当りにNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤45に吸収されるSO 量はk2・Qで表わすことができる。従ってk2・QにΣSOX2を加算することによって得られるΣSOX2はNO 吸収剤47内に吸収されたSO 量の積算値を表わしている。次いでステップ113ではSO 量の積算値ΣSOX2が許容値SX2を越えたか否かが判別される。ΣSOX2≦SX2のときには処理サイクルを完了し、ΣSOX2>SX2になるとステップ114に進んでSO 放出処理IIが行われる。
【0117】
図13は図12のステップ104で実行される被毒解消処理ルーチンを示している。
【0118】
図13を参照すると、まず初めにステップ120において排気ガスの空燃比を例えば13程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ121では還元剤の供給時間が算出される。この還元剤の供給時間は通常10秒以下である。次いでステップ122では還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ123ではステップ121において算出された還元剤の供給時間が経過したか否かが判別される。還元剤の供給時間が経過していないときには再びステップ123に戻る。このとき還元剤の供給が続行され、排気ガスの空燃比が13程度のリッチ空燃比に維持される。これに対し、還元剤の供給時間が経過したとき、即ち白金51の酸素被毒が解消されたときにはステップ124に進んで還元剤の供給が停止され、次いでステップ125に進んでΣWがクリアされる。次いで図12のステップ105に進む。
【0119】
図14は図12のステップ107で実行されるSO 放出処理Iの処理ルーチンを示している。
【0120】
図14を参照すると、まず初めにステップ130においてNO 浄化触媒12の昇温制御が行われる。即ち、燃料噴射弁3からの燃料噴射パターンが図9の(II)から(IV)に示すいずれかの噴射パターンに変更される。燃料噴射パターンが図9の(II)から(IV)に示すいずれかの噴射パターンに変更されると排気ガス温が上昇し、斯くしてNO 浄化触媒12の温度が上昇する。次いでステップ131に進み、NO 浄化触媒12の温度を代表する代表温度TCがSO 放出温度TX1以上になったか否かが判別される。TC<TX1のときには再びステップ131に戻る。これに対してTC≧TX1になるとステップ132に進んで排気ガスの空燃比を例えば14程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ133では還元剤の供給時間が算出される。この還元剤の供給時間は数分程度である。次いでステップ134では還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ135ではステップ133において算出された還元剤の供給時間が経過したか否かが判別される。還元剤の供給時間が経過していないときにはステップ135に戻る。このとき還元剤の供給が続行され、排気ガスの空燃比が14程度のリッチ空燃比に維持される。これに対し、還元剤の供給時間が経過したとき、即ちNO 浄化触媒12に保持されているSO の放出が完了したときにはステップ136に進んで還元剤の供給が停止される。次いでステップ137ではNO 浄化触媒12の昇温作用が停止され、次いでステップ138に進んでΣSOX1およびΣWがクリアされる。
【0121】
図15は図12のステップ111で実行されるNO 放出処理ルーチンを示している。
【0122】
図15を参照すると、まず初めにステップ140において排気ガスの空燃比を例えば13程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ141では還元剤の供給時間が算出される。この還元剤の供給時間は通常10秒以下である。次いでステップ142では還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ143ではステップ141において算出された還元剤の供給時間が経過したか否かが判別される。還元剤の供給時間が経過していないときにはステップ143に戻る。このとき還元剤の供給が続行され、排気ガスの空燃比が13程度のリッチ空燃比に維持される。これに対し、還元剤の供給時間が経過したとき、即ちNO 吸収剤47からのNO 放出作用が完了したときにはステップ144に進んで還元剤の供給が停止され、次いでステップ145に進んでΣNOXがクリアされる。次いで図12のステップ112に進む。
【0123】
図16は図12のステップ114において実行されるSO 放出処理IIの処理ルーチンを示している。
【0124】
図16を参照すると、まず初めにステップ150においてNO 吸蔵触媒11の昇温制御が行われる。即ち、燃料噴射弁3からの燃料噴射パターンが図9の(II)から(IV)に示すいずれかの噴射パターンに変更される。燃料噴射パターンが図9の(II)から(IV)に示すいずれかの噴射パターンに変更されると排気ガス温が上昇し、斯くしてNO 吸蔵触媒11の温度が上昇する。次いでステップ151に進み、NO 吸蔵触媒11の温度を代表する代表温度TCがSO 放出温度TX2以上になったか否かが判別される。TC<TX2のときにはステップ151に戻る。これに対してTC≧TX2になるとステップ152に進んで排気ガスの空燃比を例えば14程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ153では還元剤の供給時間が算出される。この還元剤の供給時間は10分前後である。次いでステップ154では還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ155ではステップ153において算出された還元剤の供給時間が経過したか否かが判別される。還元剤の供給時間が経過していないときにはステップ155に戻る。このとき還元剤の供給が続行され、排気ガスの空燃比が14程度のリッチ空燃比に維持される。これに対し、還元剤の供給時間が経過したとき、即ちNO 吸収剤47に吸収されているSO の放出が完了したときにはステップ156に進んで還元剤の供給が停止される。次いでステップ157ではNO 吸蔵触媒11の昇温作用が停止され、次いでステップ158に進んでΣSOX2およびΣNOXがクリアされる。
【0125】
図17および図18に第2実施例を示す。この第2実施例では排気管24内に配置されたセンサ25として、排気ガス中のNO 濃度を検出することのできるNO 濃度センサが用いられる。このNO 濃度センサ25は図17(B)に示されるようにNO 濃度に比例した出力電圧Vを発生する。
【0126】
NO 浄化触媒12では白金Pt51の酸素被毒が進むとNO の浄化率が次第に低下し、その結果排気ガス中のNO 濃度が次第に増大する。従って貴金属触媒、例えば白金Pt51の酸素被毒量は排気ガス中のNO 濃度から推定することができる。この第2実施例では排気ガス中のNO 濃度から推定された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたとき、即ち図17(A)に示されるようにNO 濃度センサ25の出力電圧Vが設定値VX1を超えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0127】
また、NO 吸蔵触媒11ではNO 吸収剤47のNO 吸収量が飽和に近づくとNO の浄化率が次第に低下し、その結果排気ガス中のNO 濃度が次第に増大する。従ってNO 吸収剤47の吸収NO 量は排気ガス中のNO 濃度から推定することができる。この第2実施例では排気ガス中のNO 濃度から推定された吸収NO 量が予め定められた許容値を越えたとき、即ちNO 濃度センサ25の出力電圧Vが設定値VX2を超えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる。
【0128】
図18はこの第2実施例における還元剤供給弁13からの還元剤の供給制御ルルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
【0129】
図18を参照するとまず初めにステップ200において、NO 吸蔵触媒11およびNO 浄化触媒12の温度を代表する代表温度TCが設定温度Ts、例えば250℃よりも低いか否かが判別される。TC<Tsのときにはステップ201に進んでNO 濃度センサ25の出力電圧Vが設定値VX1を越えたか否かが判別される。V≦VX1のときにはステップ203にジャンプする。これに対してV>VX1になるとステップ202に進んで図13に示す被毒解消処理ルーチンが実行される。次いでステップ203に進む。
【0130】
ステップ203では燃料噴射量Qに定数k1を乗算した値k1・QがΣSOX1に加算される。前述したように燃料中には一定量のイオウが含まれており、従って単位時間当りにNO 浄化触媒12に保持されるSO 量はk1・Qで表わすことができる。従ってk1・QにΣSOX1を加算することによって得られるΣSOX1はNO 浄化触媒12上に保持されたSO 量の積算値を表わしている。次いでステップ204ではSO 量の積算値ΣSOX1が許容値SX1を越えたか否かが判別される。ΣSOX1≦SX1のときには処理サイクルを完了し、ΣSOX1>SX1になるとステップ205に進んで図14に示すSO 放出処理Iが行われる。
【0131】
一方、ステップ200においてTC≧Tsであると判別されたときにはステップ206に進んでNO 濃度センサ25の出力電圧Vが設定値VX2を越えたか否かが判別される。V≦VX2のときにはステップ208にジャンプする。これに対してV>VX2になるとステップ207に進んで図15に示すNO 放出処理が実行される。次いでステップ208に進む。
【0132】
ステップ208では燃料噴射量Qに定数k2を乗算した値k2・QがΣSOX2に加算される。前述したように燃料中には一定量のイオウが含まれており、従って単位時間当りにNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤47に吸収されるSO 量はk2・Qで表わすことができる。従ってk2・QにΣSOX2を加算することによって得られるΣSOX2はNO 吸収剤47内に吸収されたSO 量の積算値を表わしている。次いでステップ209ではSO 量の積算値ΣSOX2が許容値SX2を越えたか否かが判別される。ΣSOX2≦SX2のときには処理サイクルを完了し、ΣSOX2>SX2になるとステップ210に進んで図16に示すSO 放出処理IIが行われる。
【0133】
図19から図21に第3実施例を示す。この第3実施例ではNO 浄化触媒12における貴金属触媒、例えば白金Pt51の酸素被毒を解消するために排気ガスの空燃比がリッチにされたときに白金Pt51の酸素被毒が解消されたか否かを判断し、白金Pt51の酸素被毒が解消されたと判断されたときに排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換えられる。
【0134】
具体的に言うとこの第3実施例では排気管24内に配置されたセンサ25として排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサが用いられる。図19に示されるようにNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inがリーンからリッチに切換えられると、即ち還元剤供給弁13から還元剤が供給されると還元剤、即ち炭化水素は白金Pt51上の酸素によって酸化され、白金Pt51上に酸素が存在する間、NO 浄化触媒12から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outはほぼ理論空燃比に維持される。次いで白金Pt51上の酸素がなくなると炭化水素はNO 浄化触媒12を通り抜けるのでNO 浄化触媒12から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outはリッチになる。従ってNO 浄化触媒12に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inがリーンからリッチに切換えられた後、NO 浄化触媒12から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outがリッチになったときに白金Pt51の酸素被毒が解消されたと判断することができる。
【0135】
また、この第3実施例ではNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤47からNO を放出するために排気ガスの空燃比がリッチにされたときにNO 吸収剤47からのNO の放出作用が完了したか否かを判断し、NO 吸収剤47からのNO の放出作用が完了したと判断されたときに排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換えられる。
【0136】
具体的に言うとこの場合でも図19に示されるようにNO 吸蔵触媒11に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inがリーンからリッチに切換えられると、即ち還元剤供給弁13から還元剤が供給されると還元剤、即ち炭化水素はNO 吸収剤47から放出されるNO を還元するために使用され、NO 吸収剤47からNO が放出され続けている間、NO 吸蔵触媒11から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outはほぼ理論空燃比或いはややリーンに維持される。次いでNO 吸収剤47からNO が放出しなくなると炭化水素はNO 吸蔵触媒11を通り抜けるのでNO 吸蔵触媒11から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outはリッチになる。従ってNO 吸蔵触媒11に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inがリーンからリッチに切換えられた後、NO 吸蔵触媒11から流出する排気ガスの空燃比(A/F)outがリッチになったときにNO 吸収剤47からのNO 放出作用が完了したと判断することができる。
【0137】
この第3実施例における還元剤の供給制御は図12に示すルーチンを用いて行われる。ただし、図12のステップ104における被毒解消処理は図20に示すルーチンが使用され、図12のステップ111におけるNO 放出処理は図21に示すルーチンが使用される。
【0138】
図20に示される被毒解消処理ルーチンを参照すると、まず初めにステップ300において排気ガスの空燃比を例えば13程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ301に進んで還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ302では空燃比センサ25により検出された排気ガスの空燃比(A/F)outがリッチになったか否かが判別される。空燃比(A/F)outがリッチでないときにはステップ302に戻る。これに対して空燃比(A/F)outがリッチになると、即ち白金51の酸素被毒が解消されるとステップ303に進んで還元剤の供給が停止され、次いでステップ304に進んでΣWがクリアされる。次いで図12のステップ104に進む。
【0139】
一方、図21に示されるNO 放出処理ルーチンを参照すると、まず初めにステップ310において排気ガスの空燃比を例えば13程度のリッチ空燃比とするのに必要な還元剤の供給量が算出される。次いでステップ311に進んで還元剤供給弁13からの還元剤の供給が開始される。次いでステップ312では空燃比センサ25により検出された排気ガスの空燃比(A/F)outがリッチになったか否かが判別される。空燃比(A/F)outがリッチでないときにはステップ312に戻る。これに対して空燃比(A/F)outがリッチになると、即ちNO 吸収剤47からのNO の放出作用が完了するとステップ313に進んで還元剤の供給が停止され、次いでステップ314に進んでΣNOXがクリアされる。次いで図12のステップ112に進む。
【0140】
図22および図23は本発明を別の角度から捉えた第4実施例を示している。
【0141】
図22に示されるようにこの実施例でも図1に示される実施例と同様に機関排気通路の上流側にNO 吸蔵触媒11が配置されており、機間排気通路の下流側にNO 浄化触媒12が配置されている。ただし、この第4実施例ではNO 吸蔵触媒11の上流側に酸化触媒のような酸性質の触媒26が配置されている。また、図22には、NO 吸蔵触媒11又はNO 浄化触媒12からSO を放出させるべく昇温制御を行ったときの排気ガス温の変化と、各触媒26,11,12の塩基性の強さ、即ち塩基性度が示されている。
【0142】
前述したようにNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤47の塩基性はかなり強く、NO 浄化触媒12の塩基性は弱い。云い換えると、NO 吸蔵触媒11の塩基性度はNO 浄化触媒12の塩基性度に比べてかなり高い。この場合、前述したように触媒の塩基性度が高くなるとそれに伴なってSO の保持力が強くなり、SO の保持力が強くなると触媒の温度を上昇させてもSO が容易に放出しなくなる。即ち、図23に示されるようにSO の放出温度は触媒の塩基性度が高くなるにつれて高くなる。
【0143】
一方、SO を放出すべく昇温制御を行ったときの排気ガス温は上流側に位置する触媒の方が下流側に位置する触媒よりも高くなる。従ってSO を放出させるという観点からみるとNO 放出温度の高い触媒、即ち塩基性度の高い触媒を上流側に配置することが好ましい。即ち、SO を放出させるという観点からみると、昇温制御時に触媒床温の高くなる触媒ほど塩基性度を高くすることが好ましいと言える。図1および図22に示される実施例ではこのような観点からみるとNO 浄化触媒12とNO 吸蔵触媒11の配列順序が触媒の塩基性の強さに応じて決定されており、塩基性の強い方の触媒、即ちNO 吸蔵触媒11が塩基性の弱い方の触媒、即ちNO 浄化触媒12よりも上流側に配置されている。
【0144】
なお、排気ガスの昇温作用は排気ガス中の未燃HCの酸化反応熱によるものが最も強力である。従って図22に示す実施例ではそのためにNO 吸蔵触媒11の上流側に酸性質の触媒26が配置されている。
【0145】
次に図1および図22に示されるNO 吸蔵触媒11がパティキュレートフィルタからなる場合について説明する。
【0146】
図24(A)および(B)にこのパティキュレートフィルタ11の構造を示す。なお、図24(A)はパティキュレートフィルタ11の正面図を示しており、図24(B)はパティキュレートフィルタ11の側面断面図を示している。図24(A)および(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ11はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路60,61を具備する。これら排気流通路は下流端が栓62により閉塞された排気ガス流入通路60と、上流端が栓63により閉塞された排気ガス流出通路61とにより構成される。なお、図24(A)においてハッチングを付した部分は栓63を示している。従って排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は薄肉の隔壁64を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は各排気ガス流入通路60が4つの排気ガス流出通路61によって包囲され、各排気ガス流出通路61が4つの排気ガス流入通路60によって包囲されるように配置される。
【0147】
パティキュレートフィルタ11は例えばコージライトのような多孔質材料から形成されており、従って排気ガス流入通路60内に流入した排気ガスは図24(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁64内を通って隣接する排気ガス流出通路61内に流出する。
【0148】
このようにNO 吸蔵触媒をパティキュレートフィルタから構成した場合には、各排気ガス流入通路60および各排気ガス流出通路61の周壁面、即ち各隔壁64の両側表面上および隔壁64内の細孔内壁面上にはアルミナからなる触媒担体の層が形成されており、図2に示される如くこの触媒担体45上には貴金属触媒46とNO 吸収剤47とが担持されている。なお、この場合も貴金属触媒として白金Ptが用いられている。このようにNO 吸蔵触媒をパティキュレートフィルタから構成した場合でも排気ガスの空燃比がリーンのときにNO 吸収剤47にNO およびSO が吸収され、従ってこの場合には第1実施例に示すNO 吸蔵触媒11に対するNO およびSO 放出制御と同様のNO およびSO 放出制御が行われる。
【0149】
また、NO 吸蔵触媒をパティキュレートフィルタから構成した場合には、排気ガス中に含まれるパティキュレートがパティキュレートフィルタ11内に捕獲され、捕獲されたパティキュレートは排気ガス熱によって順次燃焼せしめられる。もし多量のパティキュレートがパティキュレートフィルタ11上に推積した場合には噴射パターンが図9の噴射パターン(II)から(IV)のいずれかに切換えられ、或いは還元剤供給弁13から還元剤が供給され、それによって排気ガス温が上昇せしめられて推積したパティキュレートが着火燃焼せしめられる。
【0150】
図25から図28にNO 吸蔵触媒11とNO 浄化触媒12の種々の配列例を示す。
【0151】
図25に示す例ではNO 浄化触媒12がNO 吸蔵触媒11の上流側に配置される。この場合には排気ガス温が低いときであってもNO 浄化触媒12によってNO を浄化することが可能となる。また、排気ガスがリーンのときにはNO 浄化触媒12において排気ガス中に含まれるNOの一部はNO に変換され、このNO は容易にNO 吸蔵触媒11に吸蔵される。一方、排気ガスの空燃比をリッチにするために還元剤供給弁13から還元剤が供給されたとき、この還元剤はNO 浄化触媒12において低分子量の炭化水素に改質される。従ってNO 吸蔵触媒11のNO 吸収剤47から放出されたNO を良好に還元することができる。
【0152】
一方、図25に示す例においてNO 吸蔵触媒11をパティキュレートフィルタから構成することもできる。この場合にはNO 浄化触媒12において生成されたNO によってパティキュレートフィルタ11上に堆積したパティキュレートの酸化が促進される(NO +C→CO +N )。
【0153】
図26に示す例ではNO 吸蔵触媒11の上流および下流に夫々NO 浄化触媒12が配置されている。この場合、NO 吸蔵触媒11をパティキュレートフィルタから構成することができる。
【0154】
図27に示す例ではNO 吸蔵触媒11の下流にNO 浄化触媒12が配置され、NO 吸蔵触媒11の上流にモノリス触媒70が配置される。このモノリス触媒70の上流側半分がNO 浄化触媒12からなり、下流側半分がNO 吸蔵触媒11からなる。この例においてもNO 吸蔵触媒11をパティキュレートフィルタから構成することができる。
【0155】
図28に示す例では機関排気通路内にモノリス触媒71が配置される。このモノリス触媒71の中央部はNO 吸蔵触媒11からなり、上流部および下流部はNO 浄化触媒12からなる。この例においてもNO 吸蔵触媒11をパティキュレートフィルタから構成することができる。
【0156】
次にNO 吸蔵触媒11およびNO 浄化触媒12を昇温し、排気ガスの空燃比をリッチにするのに適した低温燃焼方法について説明する。
【0157】
図1等に示される圧縮着火式内燃機関ではEGR率(EGRガス量/(EGRガス量+吸入空気量))を増大していくとスモークの発生量が次第に増大してピークに達し、更にEGR率を高めていくと今度はスモークの発生量が急激に低下する。このことについてEGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とスモークとの関係を示す図29を参照しつつ説明する。なお、図29において曲線AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ90℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線CはEGRガスを強制的に冷却していない場合を示している。
【0158】
図29の曲線Aで示されるようにEGRガスを強力に冷却した場合にはEGR率が50パーセントよりも少し低いところでスモークの発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にすればスモークがほとんど発生しなくなる。一方、図29の曲線Bで示されるようにEGRガスを少し冷却した場合にはEGR率が50パーセントよりも少し高いところでスモークの発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ65パーセント以上にすればスモークがほとんど発生しなくなる。また、図29の曲線Cで示されるようにEGRガスを強制的に冷却していない場合にはEGR率が55パーセントの付近でスモークの発生量がピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ70パーセント以上にすればスモークがほとんど発生しなくなる。
【0159】
このようにEGRガス率を55パーセント以上にするとスモークが発生しなくなるのは、EGRガスの吸熱作用によって燃焼時における燃料および周囲のガス温がさほど高くならず、即ち低温燃焼が行われ、その結果炭化水素が煤まで成長しないからである。
【0160】
この低温燃焼は、空燃比にかかわらずにスモークの発生を抑制しつつNO の発生量を低減することができるという特徴を有する。即ち、空燃比がリッチにされると燃料が過剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くしてスモークが発生することがない。また、このときNO も極めて少量しか発生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量の煤が生成されるが低温燃焼下では燃焼温度が低い温度に抑制されているためにスモークは全く発生せず、NO も極めて少量しか発生しない。
【0161】
一方、この低温燃焼を行うと燃料およびその周囲のガス温は低くなるが排気ガス温は上昇する。このことについて図30(A),(B)を参照しつつ説明する。
【0162】
図30(A)の実線は低温燃焼が行われたときの燃焼室2内の平均ガス温Tgとクランク角との関係を示しており、図30(A)の破線は通常の燃焼が行われたときの燃焼室2内の平均ガス温Tgとクランク角との関係を示している。また、図30(B)の実線は低温燃焼が行われたときの燃料およびその周囲のガス温Tfとクランク角との関係を示しており、図30(B)の破線は通常の燃焼が行われたときの燃料およびその周囲のガス温Tfとクランク角との関係を示している。
【0163】
低温燃焼が行われているときには通常の燃焼が行われているときに比べてEGRガス量が多く、従って図30(A)に示されるように圧縮上死点前は、即ち圧縮工程中は実線で示す低温燃焼時における平均ガス温Tgのほうが破線で示す通常の燃焼時における平均ガス温Tgよりも高くなっている。なお、このとき図30(B)に示されるように燃料およびその周囲のガス温Tfは平均ガス温Tgとほぼ同じ温度になっている。
【0164】
次いで圧縮上死点付近において燃焼が開始されるがこの場合、低温燃焼が行われているときには図30(B)の実線で示されるようにEGRガスの吸熱作用により燃料およびその周囲のガス温Tfはさほど高くならない。これに対して通常の燃焼が行われている場合には燃料周りに多量の酸素が存在するために図30(B)の破線で示されるように燃料およびその周囲のガス温Tfは極めて高くなる。このように通常の燃焼が行われた場合には燃料およびその周囲のガス温Tfは低温燃焼が行われている場合に比べてかなり高くなるが大部分を占めるそれ以外のガスの温度は低温燃焼が行われている場合に比べて通常の燃焼が行われている場合の方が低くなっており、従って図30(A)に示されるように圧縮上死点付近における燃焼室2内の平均ガス温Tgは低温燃焼が行われている場合の方が通常の燃焼が行われている場合に比べて高くなる。その結果、図30(A)に示されるように燃焼が完了した後の燃焼室2内の既燃ガス温は低温燃焼が行われた場合の方が通常の燃焼が行われた場合に比べて高くなり、斯くして低温燃焼を行うと排気ガス温が高くなる。
【0165】
ところで機関の要求トルクTQが高くなると、即ち燃料噴射量が多くなると燃焼時における燃料および周囲のガス温が高くなるために低温燃焼を行うのが困難となる。即ち、低温燃焼を行いうるのは燃焼による発熱量が比較的少ない機関中低負荷運転時に限られる。図31において領域Iは煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室2の不活性ガス量が多い第1の燃焼、即ち低温燃焼を行わせることのできる運転領域を示しており、領域IIは煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃焼室2内の不活性ガス量が少ない第2の燃焼、即ち通常の燃焼しか行わせることのできない運転領域を示している。
【0166】
図32は運転領域Iにおいて低温燃焼を行う場合の目標空燃比A/Fを示しており、図33は運転領域Iにおいて低温燃焼を行う場合の要求トルクTQに応じたスロットル弁9の開度、EGR制御弁15の開度、EGR率、空燃比、噴射開始時期θS、噴射完了時期θE、噴射量を示している。なお、図33には運転領域IIにおいて行われる通常の燃焼時におけるスロットル弁9の開度等も合わせて示している。
【0167】
図32および図33から運転領域Iにおいて低温燃焼が行われているときにはEGR率が55パーセント以上とされ、空燃比A/Fが15.5から18程度のリーン空燃比とされることがわかる。なお、前述したように運転領域Iにおいて低温燃焼が行われているときには空燃比をリッチにしてもスモークはほとんど発生しない。
【0168】
このように低温燃焼が行われているときにはほとんどスモークを発生させることなく空燃比をリッチにすることができる。従って酸素被毒の解消或いはSO の放出のために排気ガスの空燃比をリッチにすべきときには低温燃焼を行い、低温燃焼のもとで空燃比をリッチにすることもできる。
【0169】
また、上述したように低温燃焼を行うと排気ガス温が上昇する。従ってSO の放出のため或いは推積したパティキュレートを着火燃焼させるために排気ガス温を上昇すべきときに低温燃焼を行わせることもできる。
【0170】
【発明の効果】
高いNO 浄化率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮着火式内燃機関の全体図である。
【図2】NO 吸蔵触媒の担体表面部分の断面を図解的に示す図である。
【図3】還元剤供給による排気ガスの空燃比の変化を示す図である。
【図4】NO 浄化触媒の担体表面部分の断面を図解的に示す図である。
【図5】還元剤供給による排気ガスの空燃比の変化を示す図である。
【図6】NO 浄化率を示す図である。
【図7】単位時間当りの酸素被毒量を示す図である。
【図8】NO およびSO 放出制御のタイムチャートを示す図である。
【図9】燃料の種々の噴射パターンを示す図である。
【図10】単位時間当りのNO 吸収量を説明するための図である。
【図11】NO およびSO 放出制御のタイムチャートを示す図である。
【図12】還元剤の供給を制御するためのフローチャートである。
【図13】被毒解消処理を行うためのフローチャートである。
【図14】SO 放出処理Iを行うためのフローチャートである。
【図15】NO 放出処理を行うためのフローチャートである。
【図16】SO 放出処理IIを行うためのフローチャートである。
【図17】排気ガスの空燃比制御を説明するための図である。
【図18】還元剤の供給制御を行うためのフローチャートである。
【図19】排気ガスの空燃比の変化を示す図である。
【図20】被毒解消処理を行うためのフローチャートである。
【図21】NO 放出処理を行うためのフローチャートである。
【図22】NO 放出時の排気ガス温と触媒塩基性度を示す図である。
【図23】SO 放出温度と触媒塩基性度との関係を示す図である。
【図24】パティキュレートフィルタを示す図である。
【図25】圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す全体図である。
【図26】圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。
【図27】圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。
【図28】圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。
【図29】スモークの発生量を示す図である。
【図30】燃焼室内のガス温等を示す図である。
【図31】運転領域I,IIを示す図である。
【図32】空燃比A/Fを示す図である。
【図33】スロットル弁開度等の変化を示す図である。
【符号の説明】
3…燃料噴射弁
4…吸気マニホルド
5…排気マニホルド
7…排気ターボチャージャ
11…NO 吸蔵触媒
12…NO 浄化触媒
13…還元剤供給弁

Claims (33)

  1. リーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するNO を排気通路内において浄化するようにした内燃機関の排気浄化装置において、表面上に塩基点の存在する担体を用いると共に担体表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤の層を形成することなく貴金属触媒を分散して担持させたNO 浄化触媒と、担体表面上に、リーン空燃比のもとでNO を吸収しうるNO 吸収剤の層を形成すると共に貴金属触媒を分散して担持させたNO 吸蔵触媒とを機関排気通路内に直列に配置し、排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒によって浄化されているときにはNO 浄化触媒の担体表面上に担持された貴金属触媒の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒によって浄化されているときにはNO 吸蔵触媒のNO 吸蔵能力が飽和する前にNO 吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる内燃機関の排気浄化装置。
  2. NO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあるときに排気ガス中のNO が主にNO 浄化触媒によって浄化され、NO 吸蔵触媒の温度が該第1の温度領域よりも高温側の第2の温度領域にあるときに排気ガス中のNO が主にNO 吸蔵触媒によって浄化される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. NO 浄化触媒の温度およびNO 吸蔵触媒の温度を代表する代表温度が予め定められた設定温度よりも低いときにはNO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあると判断されると共に該代表温度が予め定められた設定温度よりも高いときにはNO 吸蔵触媒の温度が第2の温度領域にあると判断され、NO 浄化触媒の温度が第1の温度領域にあると判断されたときにはNO 浄化触媒の担体表面上に担持された貴金属触媒の表面全体が酸素被毒を受ける前にNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられ、NO 吸蔵触媒の温度が第2の温度領域にあると判断されたときにはNO 吸蔵触媒のNO 吸蔵能力が飽和する前にNO 吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられる請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. NO 浄化触媒の担体がアルミナからなり、NO 浄化触媒に担持された貴金属触媒が白金からなる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. NO 浄化触媒の担体の内部にアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類を含有せしめ、それによって触媒担体表面上の塩基点の数を増大するか又は塩基点における塩基性を強めるようにした請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. NO 吸蔵触媒の担体表面上に担持されたNO 吸収剤がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類からなる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒を継続的に解消するために排気ガスの空燃比がリーンからリッチに繰返し切換えられ、このときのリーン時間に対するリッチ時間の割合は、排気浄化触媒の温度が200℃から250℃のときにNO 浄化率が90パーセント以上となる割合に設定されている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量を算出するための手段を具備し、算出された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量を推定するための手段を具備し、推定された酸素被毒量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. NO 浄化触媒から流出する排気ガス中のNO 濃度を検出するためのNO 濃度センサを具備し、NO 濃度センサにより検出されたNO 濃度が設定値を越えたときにNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒量が許容値を越えたと判断される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたか否かを判断する手段を具備し、NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたと判断されたときに排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換えられる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. NO 浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサを具備し、NO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられた後、NO 浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比がリッチになったときにNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒が解消されたと判断される請求項11に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  13. 排気ガス中に含まれるNO およびSO はNO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒により酸化された後にNO 浄化触媒の担体上に保持される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  14. NO 浄化触媒上に担持された貴金属触媒の酸素被毒を解消すべくNO 浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに一時的に切換えられたときにNO 浄化触媒の担体上に保持されているNO がNO 浄化触媒の担体上から放出され還元される請求項13に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  15. NO 浄化触媒の担体表面の塩基性の強さを、NO 浄化触媒の担体表面上にSO が硫酸イオンの形で保持される強さに設定した請求項13に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  16. NO 浄化触媒の担体表面上に保持されたSO をNO 浄化触媒の担体表面上から放出させる際にはNO 浄化触媒の温度がSO 放出温度まで上昇せしめられた後、NO 浄化触媒の温度をSO 放出温度に維持しつつ排気ガスの空燃比がリッチとされ、該SO 放出温度がほぼ500℃〜550℃である請求項15に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  17. 排気ガス中に含まれるNO およびSO はリーン空燃比のもとで、NO 吸蔵触媒の担体表面上に担持されたNO 吸収剤に吸収される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  18. NO 吸収剤に吸収されたNO 吸収量を算出するための手段を具備し、算出されたNO 吸収量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる請求項17に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  19. NO 吸収剤に吸収されたNO 吸収量を推定するための手段を具備し、推定されたNO 吸収量が予め定められた許容値を越えたときに排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられる請求項17に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  20. NO 吸蔵触媒から流出する排気ガス中のNO 濃度を検出するためのNO 濃度センサを具備し、NO 濃度センサにより検出されたNO 濃度が設定値を越えたときにNO 吸収剤のNO 吸収量が許容値を越えたと判断される請求項17に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  21. NO 吸蔵触媒のNO 吸収剤に吸収されたSO をNO 吸収剤から放出させる際にはNO 吸蔵触媒の温度がSO 放出温度まで上昇せしめられた後、NO 吸蔵触媒の温度をSO 放出温度に維持しつつ排気ガスの空燃比がリッチとされ、該SO 放出温度がほぼ600℃以上である請求項17に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  22. NO 浄化触媒とNO 吸蔵触媒の配列順序が触媒の塩基性の強さに応じて決定され、塩基性の強い方の触媒が塩基性の弱い方の触媒よりも上流側に配置される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  23. NO 吸蔵触媒がNO 浄化触媒の上流側に配置される請求項22に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  24. NO 吸蔵触媒の上流側に酸性質の触媒を配置した請求項23に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  25. NO 浄化触媒の上流にNO 吸蔵触媒を配置した請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  26. NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる請求項25に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  27. NO 浄化触媒の下流にNO 吸蔵触媒を配置した請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  28. NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる請求項27に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  29. NO 吸蔵触媒の上流および下流に夫々NO 浄化触媒を配置した請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  30. NO 吸蔵触媒がパティキュレートフィルタからなる請求項29に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  31. 機関排気通路内に還元剤を供給することによって排気ガスの空燃比をリッチにするようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  32. 機関が、再循環排気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、再循環排気ガス量を更に増大すると煤がほとんど発生しなくなる機関からなり、再循環排気ガス量を煤の発生量がピークとなる量よりも増大した状態で燃焼室内における空燃比をリッチにすることにより排気ガスの空燃比をリッチにするようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  33. 機関が、再循環排気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、再循環排気ガス量を更に増大すると煤がほとんど発生しなくなる機関からなり、排気浄化触媒の温度を上昇すべきときには再循環排気ガス量を煤の発生量がピークとなる量よりも増大させる請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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