JP2004137192A - アルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン並びにこれらの製造方法 - Google Patents

アルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Noriyuki Taki
滝 敬之
Toshiya Saito
斉藤 俊哉
Satoshi Asano
浅野 聡
Takahiro Suzuki
鈴木 隆裕
Kenji Kobayashi
小林 健司
Kazutoshi Takatsuna
高綱 和敏
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

【課題】新規なアルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン、並びにこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(I)及び(II)で示されるアルコキシオクタノン
【化1】
Figure 2004137192

(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)、及び下記式(III)及び(IV)で示されるアルコキシオクテノン
【化2】
Figure 2004137192

(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)、並びこれらの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン、並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エーテルケトン化合物は、一分子内にアルコキシ基とカルボニル基という二つの異なる極性基を持つ化合物である。このため、種々の化合物及びポリマーに対して高い溶解性、溶解力を持つ高性能の溶剤として期待される。エーテルケトン化合物には、飽和化合物であるアルコキシアルカノンと不飽和化合物であるアルコキシアルケノンがある。アルコキシアルカノンは上記のような高性能の溶剤として期待される。一方、アルコキシアルケノンは溶剤以外に、アルコキシアルカノンの原料(中間体)、医薬品中間体、ポリマー原料などとしても有用である。
【0003】
しかし、アルコキシ基とカルボニル基を同一分子内に有するこれらの化合物は、アルコキシ基とカルボニル基の置換位置が近いと分解反応が容易に生ずるという欠点がある。従って、主骨格の炭素数が4個又は5個の場合には、化学的に安定な化合物を作ることが難しい。例えば、主骨格の炭素数が4個であり、アルコキシ基がカルボニル基に対してα位又はβ位に置換しているものは、空気中に室温で一週間ほど放置しておくだけで、10%程度分解してしまう。アルコキシ基の置換位置がカルボニル基に対してγ位にあるものは、α位又はβ位のものに比較すると分解性は多少低下するが、いまだ十分に安定な化合物とは言えない。
【0004】
アルコキシアルケノンの場合には、アルコキシ基とカルボニル基の位置関係に加えて、カルボニル基と炭素・炭素二重結合の位置関係も重要となる。カルボニル基と炭素・炭素二重結合が共役な位置にある、いわゆるα,β−不飽和ケトンは反応性が高く、安定な化合物とは言えない。このことから、アルコキシ基とカルボニル基及び炭素・炭素二重結合を有する場合には、主骨格が炭素数6〜7個であっても安定な化合物は限られ、これらの条件をクリアーしたアルコキシアルケノンを選択的に製造することは難しい。
【0005】
主骨格の炭素数が8個である飽和なエーテルケトン化合物、即ち、アルコキシオクタノンとしては、1−メトキシ−2−オクタノン、3−メトキシ−2−オクタノン、4−メトキシ−2−オクタノン、5−メトキシ−2−オクタノン、1−メトキシ−3−オクタノン、8−エトキシ−3−オクタノン、3−メトキシ−4−オクタノン、5−メトキシ−4−オクタノン、7−メトキシ−4−オクタノン、8−エトキシ−4−オクタノンが知られている。
【0006】
しかし、これらの化合物のうち、1−メトキシ−2−オクタノン、3−メトキシ−2−オクタノン、4−メトキシ−2−オクタノン、1−メトキシ−3−オクタノン、3−メトキシ−4−オクタノン、5−メトキシ−4−オクタノンは、アルコキシ基がカルボニル基のα位やβ位に位置するので分解し易く不安定である。
【0007】
5−メトキシ−2−オクタノン及び7−メトキシ−4−オクタノンはアルコキシ基がカルボニル基に対してγ位にある。加えて、前者は原料となるフラン化合物の合成が容易ではなく、後者はβ−クロロケトンという特殊な原料と光還元という極めて特殊な合成方法の組み合わせでなければ製造できない。
【0008】
8−エトキシ−3−オクタノン及び8−エトキシ−4−オクタノンについては、アルコキシ基がカルボニル基に対してδ位又はε位にある故、該化合物は安定であると考えられる。しかし、原料の8−エトキシ−3−オクチンの合成が容易ではない。
【0009】
一方、不飽和なエーテルケトン化合物であるアルコキシオクテノンについては、3−メトキシオクタン−2,7−ジオンの製造に関する報告中に、その中間体として、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オンが記載されている。しかし、これらの化合物の製法は明確に記載されておらず、反応条件等の記載も全くない。また、アルコキシオクタノン及びその製造については何ら記載されていない(例えば、非特許文献1及び2参照)。
【0010】
このように現状では、安定なアルコキシアルカノン及びアルコキシアルケノンを容易に合成することは非常に難しく、新たなアルコキシアルカノン及びアルコキシアルケノン並びにこれらの製造方法が期待されている。
【0011】
【非特許文献1】
J.TSUJIら著「REGIOSELECTIVE OXIDATION OF INTERNAL OLEFINS BEARINGNEIGHBORING OXYGEN FUNCTIONS BY MEANS OF PALLADIUM CATALYSTS.PREPARATION OF β‐ALKOXY OR ACETOXY KETONES FROM ALLYL AND HOMOALLYL ETHERS OR ESTERS」、Tetrahedron Letters,第23巻、第26号、第2679〜2682頁、1982年
【非特許文献2】
J.TSUJI著「Synthetic Application of the Palladium‐Catalyzed Oxidation of Olefins to Ketones」、Synthesis、第5号、第369〜384頁、1984年
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規なアルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン、並びにこれらの製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、空気中、室温で安定に存在し得るエーテルケトンを見出すこと、またその化合物を比較的簡単な原料を用いて製造することを目的とし、鋭意検討を行った。
【0014】
その結果、飽和なエーテルケトン化合物として、主骨格の炭素数が8個で、かつアルコキシ基がカルボニル基に対してδ位以上離れた位置関係にある特定のアルコキシアルカノン、並びに不飽和なエーテルケトン化合物として、アルコキシ基がカルボニル基に対してδ位以上離れた位置関係にあり、更にカルボニル基と炭素・炭素二重結合が共役の関係にない特定のアルコキシアルケノンを見出した。また、併せて、これらの化合物を比較的容易に製造する方法を見出し、本発明に到達した。
【0015】
即ち、本発明は、
(1)下記式(I)及び(II)で示されるアルコキシオクタノン
【化5】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
である。
【0016】
好ましい態様として、
(2)Rが、水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基である上記(1)記載のアルコキシオクタノン、
(3)Rが、水素又はメチル基である上記(1)記載のアルコキシオクタノン、
(4)Rが、炭素数1〜8個の炭化水素基である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノン、
(5)Rが、炭素数1〜8個の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素基である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノン
が挙げられる。
【0017】
本発明はまた、
(6)下記式(III)及び(IV)で示されるアルコキシオクテノン
【化6】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
である。
【0018】
好ましい態様として、
(7)各式中、全てのRが、水素であるとき、Rが、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、全てのRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rが、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、及び一方のRが水素であり、他方のRが炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基である上記(6)記載のアルコキシオクテノン、
(8)Rが、水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基である上記(6)又は(7)記載のアルコキシオクテノン、
(9)Rが、水素又はメチル基である上記(6)又は(7)記載のアルコキシオクテノン、
(10)Rが、炭素数1〜8個の炭化水素基である上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載のアルコキシオクテノン、
(11)Rが、炭素数1〜8個の脂肪族若しくは脂環族飽和炭化水素基である上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載のアルコキシオクテノン
が挙げられる。
【0019】
上記の式(I)及び(II)で示される本発明のアルコキシオクタノンは、下記の方法により製造することができる。
【0020】
即ち、本発明の方法は、
(12)下記式(III)及び/又は(IV)で示されるアルコキシオクテノン
【化7】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
を水素化することにより、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノンを製造する方法
である。
【0021】
好ましい態様として、
(13)水素化が、遷移金属元素を含む触媒の存在下に行われる上記(12)記載の方法、
(14)水素化が、周期表の第6族から第12族の金属元素を含む触媒の存在下に行われる上記(12)記載の方法、
(15)水素化が、白金族元素を含む触媒の存在下に行われる上記(12)記載の方法、
(16)水素化が、Pd又はPtを含む触媒の存在下に行われる上記(12)記載の方法、
(17)触媒が、担体に担持されたものである上記(12)〜(16)のいずれか一つに記載の方法、
(18)担体が、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土、チタニア、ジルコニア及び粘土鉱物から成る群から選ばれる上記(17)記載の方法、
(19)上記の水素化が、−50〜150℃の温度で実施される上記(12)〜(18)のいずれか一つに記載の方法、
(20)上記の水素化が、0〜60℃の温度で実施される上記(12)〜(18)のいずれか一つに記載の方法、
(21)上記の水素化が、0〜35℃の温度で実施される上記(12)〜(18)のいずれか一つに記載の方法、
(22)上記の水素化が、0.01〜10MPaの圧力で実施される上記(12)〜(21)のいずれか一つに記載の方法、
(23)上記の水素化が、0.05〜5MPaの圧力で実施される上記(12)〜(21)のいずれか一つに記載の方法、
(24)上記の水素化が、0.05〜0.5MPaの圧力で実施される上記(12)〜(21)のいずれか一つに記載の方法
を挙げることができる。
【0022】
上記の式(III)及び(IV)で示される本発明のアルコキシオクテノンは、下記の方法により製造することができる。
【0023】
即ち、本発明の方法は、
(25)下記式(V)及び/又は(VI)で示されるアルコキシオクタジエン
【化8】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
を酸化することにより、上記(6)〜(11)のいずれか一つに記載のアルコキシオクテノンを製造する方法
である。
【0024】
好ましい態様として、
(26)各式中、全てのRが、水素であるとき、Rが、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、全てのRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rが、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、及び一方のRが水素であり、他方のRが炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基である上記(25)記載の方法、
(27)酸化が、酸化剤を使用して、上記アルコキシオクタジエンの一方の二重結合を直接酸化することにより実施される上記(25)又は(26)記載の方法、
(28)酸化剤が、過マンガン酸塩、クロム酸及びその関連化合物、酸素酸塩、金属酸化物、過酸化物、硝酸及びその関連化合物、並びにオゾン、酸素及び酸素含有ガスより成る群から選ばれるものである上記(27)記載の方法、
(29)酸化が、水及び/又はアルコール並びに酸化触媒を使用して、上記アルコキシオクタジエンの一方の二重結合を直接酸化することにより実施される上記(25)又は(26)記載の方法、
(30)酸化触媒が、遷移金属元素を含むものである上記(29)記載の方法、
(31)酸化触媒が、周期表の第6族から第12族の金属元素を含むものである上記(29)記載の方法、
(32)酸化触媒が、白金族元素を含むものである上記(29)記載の方法、
(33)酸化触媒が、Pd又はPtを含むものである上記(29)記載の方法、
(34)上記の酸化が、−50〜200℃の温度で実施される上記(25)〜(33)のいずれか一つに記載の方法、
(35)上記の酸化が、0〜150℃の温度で実施される上記(25)〜(33)のいずれか一つに記載の方法、
(36)上記の酸化が、0〜100℃の温度で実施される上記(25)〜(33)のいずれか一つに記載の方法、
(37)上記の酸化が、0.01〜10MPaの圧力で実施される上記(25)〜(36)のいずれか一つに記載の方法、
(38)上記の酸化が、0.05〜5MPaの圧力で実施される上記(25)〜(36)のいずれか一つに記載の方法、
(39)上記の酸化が、0.1〜1MPaの圧力で実施される上記(25)〜(36)のいずれか一つに記載の方法、
(40)上記のアルコキシオクタジエンの酸化に使用されることにより還元された酸化触媒が、ベンゾキノン及び/又はその誘導体を使用して再酸化される上記(29)〜(39)のいずれか一つに記載の方法、
(41)上記のアルコキシオクタジエンの酸化に使用されることにより還元された酸化触媒が、アルカリ金属の塩化物の存在下にベンゾキノン及び/又はその誘導体を使用して再酸化される上記(29)〜(39)のいずれか一つに記載の方法、
(42)上記のアルコキシオクタジエンの酸化に使用されることにより還元された酸化触媒が、アルキルアンモニウム塩化物の存在下にベンゾキノン及び/又はその誘導体を使用して再酸化される上記(29)〜(39)のいずれか一つに記載の方法、
(43)上記の再酸化に使用された後のベンゾキノン及び/又はその誘導体が、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸と酸素又は酸素含有ガスを使用して再酸化される上記(40)記載の方法、
(44)上記のアルコキシオクタジエンの酸化に使用されることにより還元された酸化触媒が、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物を使用して再酸化される上記(29)〜(39)のいずれか一つに記載の方法、
(45)上記の再酸化に使用された後の塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物が、酸素又は酸素含有ガスの存在下で再酸化される上記(44)記載の方法、
(46)上記のアルコキシオクタジエンの酸化に使用されることにより還元された酸化触媒が、ヘテロポリ酸、鉄フタロシアニン、コバルトサロフェン又はこれらの混合物を使用して再酸化される上記(29)〜(39)のいずれか一つに記載の方法、
(47)上記の再酸化に使用された後のヘテロポリ酸、鉄フタロシアニン、コバルトサロフェン又はこれらの混合物が、酸素又は酸素含有ガスの存在下で再酸化される上記(46)記載の方法、
(48)酸化が、過酸化水素の存在下に白金族元素を使用して、上記アルコキシオクタジエンの一方の二重結合を直接酸化することにより実施される上記(25)又は(26)記載の方法、
(49)白金族元素が、Pdである上記(48)記載の方法、
(50)酸化が、Rh化合物、Cu化合物及び酸素又は酸素含有ガスの存在下に、上記アルコキシオクタジエンの一方の二重結合を直接酸化することにより実施される上記(25)又は(26)記載の方法、
(51)酸化が、上記アルコキシオクタジエンから下記式(VII)及び/又は(VIII)で示されるアルコキシオクテノール
【化9】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
を得た後、これを脱水素することにより実施される上記(25)又は(26)記載の方法、
(52)アルコキシオクテノールが、触媒の存在下に上記アルコキシオクタジエンを水和することにより得られる上記(51)記載の方法、
(53)触媒が、酸である上記(52)記載の方法、
(54)触媒が、硫酸である上記(52)記載の方法、
(55)触媒が、遷移金属化合物である上記(52)記載の方法、
(56)アルコキシオクテノールが、水銀化合物と水の組み合わせ又は水素化ホウ素化合物と過酸化水素の組み合わせと、上記アルコキシオクタジエンを反応させることにより得られる上記(51)記載の方法、
(57)アルコキシオクテノールが、上記アルコキシオクタジエンのエポキシ化又はハロゲン化を経て得られる上記(51)記載の方法
を挙げることができる。
【0025】
また、本発明の方法として、
(58)下記式(IX)で示される共役ジエン
【化10】
Figure 2004137192
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示す。)

下記式(X)で示されるアルコール
【化11】
Figure 2004137192
(式中、R10は、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
とのテロメリゼーションにより、
下記式(V)及び(VI)で示されるアルコキシオクタジエン
【化12】
Figure 2004137192
(各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
を製造する方法
を挙げることができる。
【0026】
好ましい態様として、
(59)上記テロメリゼーションに使用する共役ジエンの全分子のRが、水素であるとき、使用するアルコールの全分子のR10が、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、該共役ジエンの全て又は一部の分子のRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、該アルコールの全分子のR10は、炭素数1〜10個の炭化水素基である上記(58)記載の方法、
(60)アルコキシオクタジエンの全てのRが、水素であるとき、Rが、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、全てのRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rが、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、及び一方のRが水素であり、他方のRが炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基である上記(58)又は(59)記載の方法、
(61)テロメリゼーションが、遷移金属元素を含む触媒の存在下に実施される上記(58)〜(60)のいずれか一つに記載の方法、
(62)テロメリゼーションが、白金族元素を含む触媒の存在下に実施される上記(58)〜(60)のいずれか一つに記載の方法、
(63)テロメリゼーションが、Pd又はPtを含む触媒の存在下に実施される上記(58)〜(60)のいずれか一つに記載の方法、
(64)テロメリゼーションが、−50〜200℃の温度で実施される上記(58)〜(63)のいずれか一つに記載の方法、
(65)テロメリゼーションが、0〜150℃の温度で実施される上記(58)〜(63)のいずれか一つに記載の方法、
(66)テロメリゼーションが、30〜100℃の温度で実施される上記(58)〜(63)のいずれか一つに記載の方法、
(67)テロメリゼーションが、0.01〜15MPaの圧力で実施される上記(58)〜(66)のいずれか一つに記載の方法、
(68)テロメリゼーションが、0.1〜10MPaの圧力で実施される上記(58)〜(66)のいずれか一つに記載の方法、
(69)テロメリゼーションが、0.1〜1MPaの圧力で実施される上記(58)〜(66)のいずれか一つに記載の方法
を挙げることができる。
【0027】
また、本発明の好ましい態様として、
(70)上記(58)〜(69)のいずれか一つに記載の方法により、アルコキシオクタジエンを製造し、次いで、得たアルコキシオクタジエンから、上記(25)〜(57)のいずれか一つに記載の方法により、上記(6)〜(11)のいずれか一つに記載のアルコキシオクテノンを製造する方法、
(71)上記(70)記載の方法により製造したアルコキシオクテノンから、上記(12)〜(24)のいずれか一つに記載の方法により、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノンを製造する方法、
(72)上記(25)〜(57)のいずれか一つに記載の方法により、アルコキシオクテノンを製造し、次いで、得たアルコキシオクテノンから、上記(12)〜(24)のいずれか一つに記載の方法により、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノンを製造する方法、
(73)上記(58)〜(69)のいずれか一つに記載の方法により、アルコキシオクタジエンを製造し、次いで、得たアルコキシオクタジエンから、上記(72)記載の方法により、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアルコキシオクタノンを製造する方法
を挙げることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明のアルコキシオクタノンは、下記式(I)及び(II)で示される。
【0029】
【化13】
Figure 2004137192
【0030】
上記の各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、好ましくは水素、炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基、又はフェニル基を示し、より好ましくは水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基を示し、更に好ましくは水素又はメチル基を示す。Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜8個の炭化水素基を示し、より好ましくは炭素数1〜8個の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素基を示し、特に好ましくはメチル基、エチル基を示す。また、Rは、炭素数6〜8個のアリール、アルカリール又はアラルキル基であってもよい。
【0031】
本発明のアルコキシオクテノンは、下記式(III)及び(IV)で示される。
【0032】
【化14】
Figure 2004137192
【0033】
上記の各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、好ましくは水素、炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基、又はフェニル基を示し、より好ましくは水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基を示し、更に好ましくは水素又はメチル基を示す。Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜8個の炭化水素基を示し、より好ましくは炭素数1〜8個の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素基を示し、特に好ましくはメチル基、エチル基を示す。また、Rは、炭素数6〜8個のアリール、アルカリール又はアラルキル基であってもよい。上記の各式中、全てのRが、水素であるとき、Rが好ましくは、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、全てのRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rが好ましくは、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、及び一方のRが水素であり、他方のRが炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rは好ましくは、炭素数1〜10個の炭化水素基である。
【0034】
上記の式(I)及び式(II)で示されるアルコキシオクタノンは、夫々、上記の式(III)及び式(IV)で示されるアルコキシオクテノンを水素化することにより製造することができる。
【0035】
アルコキシオクテノンを水素化する一つの方法として、遷移金属元素、好ましくは周期表の第6族から第12族の金属元素、例えば、Pd、Pt、Ni、Rh、Co、Fe、Cu、Ir、Ru、Os、Ag、Cr、Re、Zn等の金属、より好ましくは、白金族元素、即ち、Pd、Pt、Rh、Ir、Ru、Os、更に好ましくはPd、Ptを含む触媒を使用し、水素雰囲気下で水素化する方法が挙げられる。上記金属元素は、単独で使用してもよく又は組み合わせて使用してもよい。これらの触媒として用いる金属は、例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土、チタニア、ジルコニア、粘土鉱物等の担体に担持されて使用することもできる。また、上記の触媒は、Pt黒、Pd黒等の微粉末若しくは蒸着膜、又はラネー触媒のような骨格金属等の金属単体としても使用し得る。
【0036】
別法として、金属酸化物、例えば、PtO、Re、PdO、CuO、ZnO、Cr等を触媒として使用する方法が挙げられる。また、触媒として、金属錯体、例えば、RhCl(PPh、RhH(CO)(PPh、RuHCl(PPh、[Co(CN)3−、PtCl(PPh−SnCl、RuCl、Cr(CO)(ArH)等を使用し、水素雰囲気下で水素化することもできる(上記において、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示す)。これらの金属酸化物及び金属錯体は、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、エチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、水等の溶媒を使用して均一に分散し、液相において使用することができる。また、これらの金属酸化物及び金属錯体は、上記の担体に担持されて使用することもできる。
【0037】
上記のいずれの方法においても、触媒使用量は、反応基質であるアルコキシオクテノンに対して、上限が好ましくは20モル%、より好ましくは10モル%であり、下限が好ましくは0.001モル%、より好ましくは0.01モル%である。担持触媒とする際の触媒担持量は、触媒及び担体の合計量に対して、上限が好ましくは50重量%、より好ましくは20重量%であり、下限が好ましくは0.01重量%、より好ましくは1重量%である。水素化温度は、上限が好ましくは150℃、より好ましくは60℃、更に好ましくは35℃であり、下限が好ましくは−50℃、より好ましくは0℃である。水素化の際の圧力は、上限が好ましくは10MPa、より好ましくは5MPa、更に好ましくは0.5MPaであり、下限が好ましくは0.01MPa、より好ましくは0.05MPaである。水素化の時間は、上限が好ましくは20時間、より好ましくは10時間であり、下限が好ましくは30秒間、より好ましくは1分間である。上記の各方法は、バッチ式又は連続式のいずれにおいても実施することができる。
【0038】
上記の式(III)及び(IV)で示されるアルコキシオクテノンは、夫々、下記の式(V)及び式(VI)で示されるアルコキシオクタジエンを酸化することにより製造することができる。
【0039】
【化15】
Figure 2004137192
【0040】
上記の各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、好ましくは水素、炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基、又はフェニル基を示し、より好ましくは水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基を示し、更に好ましくは水素又はメチル基を示す。Rは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜8個の炭化水素基を示し、より好ましくは炭素数1〜8個の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素基を示し、特に好ましくはメチル基、エチル基を示す。また、Rは、炭素数6〜8個のアリール、アルカリール又はアラルキル基であってもよい。上記の各式中、全てのRが、水素であるとき、Rが好ましくは、炭素数2〜10個の炭化水素基であり、全てのRが、炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rが好ましくは、炭素数1〜10個の炭化水素基であり、及び一方のRが水素であり、他方のRが炭素数1〜6個の炭化水素基であるとき、Rは好ましくは、炭素数1〜10個の炭化水素基である。
【0041】
アルコキシオクタジエンを酸化してアルコキシオクテノンを得る方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、アルコキシオクタジエンの一方の二重結合を直接酸化してケトン化合物にする直接酸化法、及びアルコール、エポキシ化物、ハロゲン化物等を経て、これを脱水素、分解等する間接酸化法が挙げられる。
【0042】
直接酸化法の一つとして、水及び/又はアルコール並びに酸化触媒を使用する方法が挙げられる。該方法における触媒として、遷移金属元素、好ましくは周期表の第6族から第12族の金属元素、例えば、Pd、Pt、Ni、Rh、Co、Fe、Cu、Ir、Ru、Os、Ag、Cr、Mn、Zn等の金属、より好ましくは、白金族元素、即ち、Pd、Pt、Rh、Ir、Ru、Os、更に好ましくはPd、Ptを含む触媒を使用することができる。上記金属元素は、単独で使用してもよく又は組み合わせて使用してもよい。触媒使用量は、反応基質であるアルコキシオクタジエンに対して、上限が好ましくは20モル%、より好ましくは10モル%であり、下限が好ましくは0.001モル%、より好ましくは0.01モル%である。これらの触媒として用いる金属は、例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土、チタニア、ジルコニア、粘土鉱物等の担体に担持されて使用することもできる。触媒担持量は、触媒及び担体の合計量に対して、上限が好ましくは50重量%、より好ましくは20重量%であり、下限が好ましくは0.01重量%、より好ましくは1重量%である。
【0043】
アルコキシオクタジエンを酸化する他の直接酸化法として、水及び/又はアルコール並びに白金族元素、好ましくはPd触媒と過酸化水素の組み合わせを使用する方法が挙げられる。該方法として、例えば、Journal of Organic Chemistry,第45号、第5387頁(1980年)に開示されている方法を使用することができる。該方法においては、例えば、酢酸、t−ブチルアルコール等を溶媒として使用することができる。
【0044】
上記方法において、反応温度は、上限が好ましくは200℃、より好ましくは150℃、更に好ましくは100℃であり、下限が好ましくは−50℃、より好ましくは0℃である。反応圧力は、上限が好ましくは10MPa、より好ましくは5MPa、更に好ましくは1MPaであり、下限が好ましくは0.01MPa、より好ましくは0.05MPa、更に好ましくは0.1MPaである。また、反応時間は、上限が好ましくは20時間、より好ましくは10時間であり、下限が好ましくは30秒間、より好ましくは1分間である。
【0045】
該直接酸化法としては、水及び/又はアルコールの存在下、好ましくはPd触媒を使用する、いわゆるワッカー型酸化を使用することができる。該ワッカー型酸化において、好ましくは、Pd触媒とベンゾキノン及び/又はその誘導体の組み合わせ、アルカリ金属の塩化物の存在下におけるPd触媒とベンゾキノン及び/又はその誘導体の組み合わせ、アルキルアンモニウム塩化物の存在下におけるPd触媒とベンゾキノン及び/又はその誘導体の組み合わせ、あるいはPd触媒と塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物の組み合わせ等が使用される。また、Pd触媒とヘテロポリ酸、鉄フタロシアニン、コバルトサロフェン又はこれらの混合物の組合せも使用できる。上記のようにPd触媒と種々の化合物とを組み合わせて、アルコキシオクタジエンの酸化に使用することにより還元されたPd触媒中の0価のPdを効率的に再酸化して2価とし、該Pd触媒をアルコキシオクタジエンの酸化に再び使用せしめることができる。一方、Pd触媒の再酸化に使用されたベンゾキノン及び/又はその誘導体は、還元されてヒドロキノン及び/又はその誘導体になる。この還元されたベンゾキノン及び/又はその誘導体は、好ましくはヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸と酸素又は酸素含有ガスを使用して再酸化されて、Pd触媒の再酸化に再び使用され得る。また、Pd触媒の再酸化に使用された塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物は、還元されて夫々、金属銅、塩化第一銅、金属鉄、塩化第一鉄又はこれらの混合物になる。この還元された塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物は、好ましくは酸素又は酸素含有ガスの存在下で再酸化されて、Pd触媒の再酸化に再び使用され得る。Pd触媒の再酸化に使用することにより還元されたヘテロポリ酸、鉄フタロシアニン、コバルトサロフェン又はこれらの混合物も、好ましくは酸素又は酸素含有ガスの存在下で再酸化されて、Pd触媒の再酸化に再び使用される。上記のアルカリ金属の塩化物及びアルキルアンモニウム塩化物は、Pd触媒による酸化還元サイクルを促進する働きを有する。
【0046】
ワッカー型酸化に使用し得るPd触媒としては、PdCl、PdBr、PdI、Pd(CHCOO)、PdSO、Pd(NO、PdO、PdCl(CHCN)、PdCl(CCN)、Pd(acetylacetonate)、Pd(CN)、PdCl(cyclooctadiene)、(CPdCl)、NaPdCl、LiPdCl、KPdCl、CaPdCl、MgPdCl、(NHPdCl、[N(CHPdCl、[N(CPdCl、[N(CPdCl等が挙げられる。
【0047】
ワッカー型酸化は、従来から使用されている公知の反応器を使用して実施することができ、バッチ式又は連続式のいずれでもよく、気相、液相又はスラリー系において実施することができる。また、固定床触媒を使用した液相又は気相流通系においても実施することができる。ワッカー型酸化を液相において実施するに際しては、好ましくは溶媒を使用することもできる。該溶媒として、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジメチルアセトアミド、γ‐ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、水等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で又は混合して使用することができる。
【0048】
ワッカー型酸化において、触媒使用量は、反応基質であるアルコキシオクタジエンに対して、上限が好ましくは20モル%、より好ましくは10モル%であり、下限が好ましくは0.001モル%、より好ましくは0.01モル%である。また、アルコキシオクタジエンの酸化に使用することにより還元された0価のPdを2価のPdに再酸化するために使用される再酸化剤、例えば、ベンゾキノン及び/又はその誘導体、あるいは塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄又はこれらの混合物の使用量は、反応基質であるアルコキシオクタジエンに対して、上限が好ましくは1,000モル%、より好ましくは500モル%であり、下限が好ましくは0.01モル%、より好ましくは1モル%である。ワッカー型酸化において、反応温度は、上限が好ましくは200℃、より好ましくは150℃、更に好ましくは100℃であり、下限が好ましくは−50℃、より好ましくは0℃である。圧力は、上限が好ましくは10MPa、より好ましくは5MPa、更に好ましくは1MPaであり、下限が好ましくは0.01MPa、より好ましくは0.05MPa、更に好ましくは0.1MPaである。また、反応時間は、上限が好ましくは20時間、より好ましくは10時間であり、下限が好ましくは30秒間、より好ましくは1分間である
【0049】
別法として、アルコキシオクタジエンを、Rh触媒とCu触媒及び酸素を組み合わせることにより酸化する方法が挙げられる。該方法として、例えば、Journalof American Chemical Society,第100号、第5437頁(1978年)に開示されている方法を使用することができる。該方法においては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール等を溶媒として使用することができる。
【0050】
また、直接酸化法として、酸化剤を使用してアルコキシオクタジエンを酸化する方法が挙げられる。酸化剤として、好ましくは過マンガン酸塩;クロム酸及びその関連化合物、例えば、クロム酸、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、クロム酸カリウム、次亜塩素酸クロム等;酸素酸塩;金属酸化物;過酸化物;硝酸及びその関連化合物、例えば、硝酸銅、硝酸鉛、硝酸銀、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、酸化窒素等;並びにオゾン、酸素及び酸素含有ガス等が挙げられる。
【0051】
一方、間接酸化法としては、好ましくはアルコールを経由する方法、即ち、式(V)及び/又は(VI)で示されるアルコキシオクタジエンから、式(VII)及び/又は(VIII)で示されるアルコキシオクテノール(式(VII)及び(VIII)中、R及びRは、夫々、R及びRと同義である。)を経由して、式(III)及び/又は(IV)で示されるアルコキシオクテノンを製造する方法を使用することができる。ここで、アルコキシオクタジエンからのアルコキシオクテノールの製造は、アルコキシオクタジエンの炭素・炭素二重結合への水酸基の導入である。一般的な方法としては水和が挙げられる。例えば、酸触媒、好ましくはイオン交換樹脂、ゼオライトを使用して水と反応させる直接水和、水銀化合物、例えば、水銀の酢酸塩、硝酸塩、塩化物等と水の組み合わせを使用したオキシ水銀化法、水素化ホウ素化合物と塩基性過酸化水素の組み合わせを使用したハイドロボーレーション、あるいは硫酸、リン酸等の酸触媒又は遷移金属触媒を使用した間接水和、又は過酸を使用して一旦エポキシ化合物にした後開環する方法、あるいはハロゲン化水素と反応させ一旦ハロゲン化物とした後、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基触媒の存在下加水分解する方法等が挙げられる。また、水和以外の方法としては、例えば、特開平1−279850号公報に開示されているように、触媒としてコバルトのような遷移金属化合物の錯体を使用してオレフィン類に水酸基を導入する方法を挙げることができる。得られたアルコキシオクテノールからアルコキシオクテノンを製造する方法としては、例えば、触媒としてZnO等を使用したアルコールの脱水素、アルコールの自動酸化等が挙げられる。
【0052】
本発明のアルコキシオクタジエンを製造する方法は公知である。好ましくは、式(IX)で示される共役ジエン
【化16】
Figure 2004137192
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示す。)

式(X)で示されるアルコール
【化17】
Figure 2004137192
(式中、R10は、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)とのテロメリゼーションにより、式(V)及び(VI)で示されるアルコキシオクタジエンを製造する方法を挙げることができる。上記テロメリゼーションは公知であり、好ましくは遷移金属元素、より好ましくは、白金族元素、即ち、Pd、Pt、Rh、Ir、Ru、Os、更に好ましくはPd、Ptを含む触媒の存在下に実施することができる。上記金属元素は、単独で使用してもよく又は組み合わせて使用してもよい。例えば、特公昭47−20205号公報、Bulletin of the Chemical Society of Japan、第41号、第254頁(1968年)、Bulletin of the ChemicalSociety of France、第652頁(1974年)に記載されている方法を使用することができる。例えば、Pd化合物とホスフィン系化合物等から成る触媒系を使用して、水酸基含有炭化水素、好ましくはアルコールと、ジエン、好ましくは共役ジエンとを反応させることにより製造され得る。ここで、共役ジエンとアルコールのモル比(共役ジエン:アルコール)は、好ましくは1:0.5〜1:100、より好ましくは1:1〜1:10である。
【0053】
Pd化合物としては、例えば、PdCl、PdBr、PdI、Pd(CHCOO)、PdSO、Pd(NO、PdO、PdCl(NH、PdCl(PPh、Pd(CHCOO)(PPh、PdCl(CHCN)、PdCl(CCN)、Pd(acetylacetonate)、Pd(CN)、PdCl(cyclooctadiene)、(CPdCl)、NaPdCl、LiPdCl、KPdCl、CaPdCl、MgPdCl、(NHPdCl、[N(CHPdCl、[N(CPdCl、[N(CPdCl、Pd(PPh、Pd(dibenzylideneacetonate)等が挙げられる(上記において、Phはフェニル基を示し、Arはアリール基を示す)。該Pd化合物は、反応媒体(共役ジエンとアルコール)1リットル中にPdとして、上限が好ましくは0.1モル、より好ましくは0.05モルであり、下限が好ましくは0.001モル、より好ましくは0.005モルで使用される。
【0054】
また、上記のPd化合物と共に使用されるホスフィン系化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−シクロヘキシルホスフィン、ジフェニルモノエチルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等が挙げられる。これらのホスフィン系化合物は、Pd化合物に対して、好ましくは0.1〜10倍モル、より好ましくは0.5〜5倍モルで使用される。
【0055】
式(IX)で示される共役ジエンにおいて、Rは、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、好ましくは水素、炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基、又はフェニル基を示し、より好ましくは水素又は炭素数1〜6個の脂肪族若しくは脂環式飽和炭化水素基を示し、更に好ましくは水素又はメチル基を示す。該共役ジエンとして、好ましくはブタジエン又はイソプレンが挙げられる。
【0056】
式(X)で示されるアルコールにおいて、R10は、炭素数1〜10個の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜8個の炭化水素基を示し、より好ましくは炭素数1〜8個の脂肪族又は脂環式飽和炭化水素基を示し、特に好ましくはメチル基、エチル基を示す。また、R10は、炭素数6〜8個のアリール、アルカリール又はアラルキル基であってもよい。上記のアルコールとして、好ましくはメチルアルコール又はエチルアルコールが挙げられる。
【0057】
該反応に際して、任意的に溶媒を使用することもできる。溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジメチルアセトアミド、γ‐ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等を使用することができる。
【0058】
ブタジエンとアルコールとの反応は、例えば、反応器にアルコールを入れ、これにPd化合物を所定濃度となるように加え、更にホスフィン系化合物を所定の量で添加した後、ブタジエンを仕込み、攪拌しつつ所定の反応温度及び圧力に保持することにより実施される。反応温度は、上限が好ましくは200℃、より好ましくは150℃、更に好ましくは100℃であり、下限が好ましくは−50℃、より好ましくは0℃、更に好ましくは30℃である。また、反応圧力は、上限が好ましくは15MPa、より好ましくは10MPa、更に好ましくは1MPaであり、下限が好ましくは0.01MPa、より好ましくは0.1MPaである。反応終了後、反応混合物から未反応ブタジエン及びアルコール、溶媒等を回収し、更に蒸留して各反応性生物を得ることができる。
【0059】
本発明のアルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノンは、一分子内に二つの異なる極性基を有する。このため、種々の化合物やポリマーに対して高い溶解度、溶解能を持った溶剤、溶媒、溶質として期待される。例えば、作業溶剤(工程溶剤、塗料、インキ、接着剤等)、希釈溶剤、加工・成形溶剤、反応溶媒、洗浄溶剤、溶解貯蔵用溶剤、分離・精製用溶剤、分析溶剤(クロマトグラフィー等)として、塗料工業、印刷インキ工業、プラスチック工業、接着剤工業、繊維工業、ゴム工業、石油及び石油化学工業、電子・電気工業、食品工業、農業等向けの用途に幅広く使用できる。特に塗料分野においては、溶剤系塗料における塗料樹脂を溶解又は分散させるための塗料用溶剤、及び水系塗料用に使われる有機溶剤としての用途がある。水系塗料においては、塗膜の形成を容易にすると共に形成された塗膜を強固にする造膜助剤として、又は塗料の沸点調整剤としての用途がある。また、塗料樹脂と水の両方に高い親和性を有することから、エマルション型水系塗料におけるエマルションの安定性、水溶性樹脂系塗料における塗料樹脂の均一性や電着塗装における析出のコントロール性を付与することができる。更に、水系塗料の表面張力を低下させることから被塗布物への塗装性及び仕上り感、作業性の改良等、様々な効果がある。また、接着剤分野においても塗料と類似の造膜助剤としての用途もある。特に該アルコキシオクテノンは、上記の用途の他に、対応するアルコキシオクタノンの原料、薬品等の合成中間体、ポリマーの原料等としても有用である。
【0060】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0061】
【実施例】
【0062】
【実施例1】
メトキシオクテノンの製造
1,3−ブタジエン75グラム及びメタノール89グラム、並びに触媒としての酢酸パラジウム0.208グラム及びトリフェニルホスフィン0.48グラムを、内部を予め窒素置換した内容積500ミリリットルのオートクレーブに仕込んだ。次いで、内容物を、攪拌しつつ75℃に昇温して、該温度で3時間反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、反応開始直後に約0.3MPaであった。該圧力は、反応の進行と共にブタジエンが消費されて徐々に低下し、3時間後には大気圧になった。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0063】
該液に含まれる各成分を、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−14A)を使用して分析した。その結果、ブタジエンはほぼ完全に消費されており、主生成物として、1−メトキシ−2,7−オクタジエン65グラム及び3−メトキシ−1,7−オクタジエン7.2グラムが得られたことが分かった。また、該反応後の液には過剰のメタノールのほか、副生成物として、ブタジエンの二量体及び三量体が含まれていた。
【0064】
次いで、該液を蒸留して精製し、1−メトキシ−2,7−オクタジエン94重量%及び3−メトキシ−1,7−オクタジエン6重量%から成る液を回収した。
【0065】
上記のようにして得た1−メトキシ−2,7−オクタジエンの40.3グラム及び3−メトキシ−1,7−オクタジエンの2.4グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム及びベンゾキノン40.0グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比95:5)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0066】
回収した液に含まれる各成分をガスクロマトグフィー(島津製作所製、GC−14A)を使用して分析した。その結果、1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が97%であり、かつ3−メトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が98%であった。一方、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が46%であり、かつ6−メトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が17%であった。
【0067】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン18.6グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.1グラムから成る液を回収した。
【0068】
上記において得られた二つの化合物が、夫々、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オンであることを決定するため、13C NMR測定(日本電子株式会社製、GSX400)を実施した。該測定においては、溶媒として重水素化クロロホルムを使用し、試料溶液の濃度を5体積%とした。測定の結果、一の化合物では、24.8ppm(1AC)、207.1ppm(2AC)、43.4ppm(3AC)、23.6ppm(4AC)、32.8ppm(5AC)、129.8ppm(6AC)、128.5ppm(7AC)、72.4ppm(8AC)、54.0ppm(9AC)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−メトキシ−6−オクテン−2−オンであることが分かった。また、他の化合物では、24.8ppm(1BC)、206.8ppm(2BC)、43.4ppm(3BC)、18.9ppm(4BC)、31.5ppm(5BC)、80.7ppm(6BC)、158.0ppm(7BC)、81.0ppm(8BC)、55.2ppm(9BC)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が6−メトキシ−7−オクテン−2−オンであることが分かった。ここで、上記カッコ内の数字及び記号は、下記式に示した各物質について便宜的に示した炭素番号に相当し、また、下記式中、各炭素に結合する水素原子は省略している(以下の実施例における炭素のケミカルシフト及び化学式の表示はこれに準ずる。)。
【0069】
【化18】
Figure 2004137192
【0070】
【実施例2】
メトキシオクタノンの製造
上記で製造した8−メトキシ−6−オクテン−2−オン18.6グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.1グラム、並びに触媒としての酸化白金0.30グラムを、溶媒としてのジエチルエーテル400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの丸底フラスコに仕込んだ。次いで、フラスコ内に水素ガスを120ミリリットル/分で連続的に吹き込み管を通してバブリングしつつ、25℃、大気圧にて1.5時間反応を継続した。反応後、回収した液をろ過して酸化白金を除去した。得た液を蒸留して精製し、純度99%の8−メトキシ−2−オクタノン15.9グラムと純度85%の6−メトキシ−2−オクタノン0.4グラムを回収した。
【0071】
上記において得られた二つの化合物が、夫々、8−メトキシ−2−オクタノン及び6−メトキシ−2−オクタノンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、一の化合物では、28.6ppm(1AC)、206.8ppm(2AC)、42.4ppm(3AC)、22.8ppm(4AC)、28.1ppm(5AC)、25.1ppm(6AC)、28.6ppm(7AC)、71.7ppm(8AC)、57.3ppm(9AC)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−メトキシ−2−オクタノンであることが分かった。また、他の化合物では、28.6ppm(1BC)、206.8ppm(2BC)、42.6ppm(3BC)、18.8ppm(4BC)、31.5ppm(5BC)、80.7ppm(6BC)、24.8ppm(7BC)、8.3ppm(8BC)、55.2ppm(9BC)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が6−メトキシ−2−オクタノンであることが分かった。
【0072】
【化19】
Figure 2004137192
【0073】
【実施例3】
メトキシオクテノンの製造
実施例1と同一に実施して得た1−メトキシ−2,7−オクタジエン40.3グラム及び3−メトキシ−1,7−オクタジエン2.4グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム、ベンゾキノン40.0グラム及び塩化ナトリウム5.35グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比98:2)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0074】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が99%であり、かつ3−メトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が99%であった。一方、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が71%であり、かつ6−メトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が72%であった。
【0075】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン28.4グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.6グラムから成る液を回収した。
【0076】
【実施例4】
メトキシオクタノンの製造
上記で製造した8−メトキシ−6−オクテン−2−オン28.4グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.6グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−メトキシ−2−オクタノン23.9グラムと純度89%の6−メトキシ−2−オクタノン0.7グラムを回収した。
【0077】
【実施例5】
メトキシオクテノンの製造
実施例1と同一に実施して得た1−メトキシ−2,7−オクタジエン40.3グラム及び3−メトキシ−1,7−オクタジエン2.4グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム、ベンゾキノン40.0グラム及びテトラエチルアンモニウム塩化物11.9グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比98:2)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0078】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が99%であり、かつ3−メトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が99%であった。一方、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が75%であり、かつ6−メトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が75%であった。
【0079】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン30.0グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン2.0グラムから成る液を回収した。
【0080】
【実施例6】
メトキシオクタノンの製造
上記で製造した8−メトキシ−6−オクテン−2−オン30.0グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン2.0グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−メトキシ−2−オクタノン25.2グラムと純度88%の6−メトキシ−2−オクタノン1.1グラムを回収した。
【0081】
【実施例7】
メトキシオクテノンの製造
実施例1と同一に実施して得た1−メトキシ−2,7−オクタジエン40.3グラム及び3−メトキシ−1,7−オクタジエン2.4グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム、塩化第一銅3.47グラム及び塩化第二銅8.74グラム、溶媒としてのエタノール/水(体積比97:3)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、系内を酸素雰囲気にし、内容物を攪拌しつつ大気圧下に60℃に加熱した。該加熱を開始時から5時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0082】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が96%であり、かつ3−メトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が97%であった。一方、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が65%であり、かつ6−メトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が66%であった。
【0083】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−メトキシ−6−オクテン−2−オン28.8グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.6グラムから成る液を回収した。
【0084】
【実施例8】
メトキシオクタノンの製造
上記で製造した8−メトキシ−6−オクテン−2−オン28.8グラム及び6−メトキシ−7−オクテン−2−オン1.6グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−メトキシ−2−オクタノン24.2グラムと純度88%の6−メトキシ−2−オクタノン0.7グラムを回収した。
【0085】
【実施例9】
エトキシオクテノンの製造
1,3−ブタジエン75グラム及びエタノール128グラム、並びに触媒としての酢酸パラジウム0.208グラム及びトリフェニルホスフィン0.48グラムを内容積500ミリリットルのオートクレーブに仕込んだ。次いで、実施例1と同一に実施して、1−エトキシ−2,7−オクタジエン71グラム及び3−エトキシ−1,7−オクタジエン7.8グラムを得た。
【0086】
次いで、該液を蒸留して精製し、1−エトキシ−2,7−オクタジエン94重量%及び3−エトキシ−1,7−オクタジエン6重量%から成る液を回収した。
【0087】
上記のようにして得た1−エトキシ−2,7−オクタジエン44.4グラム及び3−エトキシ−1,7−オクタジエン2.6グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム及びベンゾキノン40.0グラムを、溶媒としてのエタノール/水(体積比95:5)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してエタノールを還流せしめた(73℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0088】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−エトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が98%であり、かつ3−エトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が99%であった。一方、8−エトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が45%であり、かつ6−エトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が17%であった。
【0089】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−エトキシ−6−オクテン−2−オン20.4グラムを回収した。
【0090】
上記において得られた化合物が、8−エトキシ−6−オクテン−2−オンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.2ppm(C)、211.7ppm(C)、43.5ppm(C)、23.2ppm(C)、31.2ppm(C)、130.7ppm(C)、122.7ppm(C)、72.5ppm(C)、64.4ppm(C)、14.5ppm(10C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−エトキシ−6−オクテン−2−オンであることが分かった。
【0091】
【化20】
Figure 2004137192
【0092】
【実施例10】
エトキシオクタノンの製造
上記で製造した8−エトキシ−6−オクテン−2−オン20.4グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−エトキシ−2−オクタノン17.2グラムを回収した。
【0093】
上記において得られた化合物が、8−エトキシ−2−オクタノンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.3ppm(C)、211.9ppm(C)、43.9ppm(C)、23.7ppm(C)、30.2ppm(C)、28.2ppm(C)、30.7ppm(C)、71.9ppm(C)、64.5ppm(C)、14.5ppm(10C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−エトキシ−2−オクタノンであることが分かった。
【0094】
【化21】
Figure 2004137192
【0095】
【実施例11】
シクロヘキサノキシオクテノンの製造
1,3−ブタジエン75グラム及びシクロヘキサノール278グラムを内容積1.5リットルのオートクレーブに仕込んだ以外は、実施例1と同一に実施して1−シクロヘキソキシ−2,7−オクタジエン94.0グラム及び3−シクロヘキソキシ−1,7−オクタジエン10.4グラムを得た。
【0096】
上記のようにして得た1−シクロヘキソキシ−2,7−オクタジエン60.0グラム及び3−シクロヘキソキシ−1,7−オクタジエン3.5グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム及びベンゾキノン40.0グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比95:5)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0097】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−シクロヘキソキシ−2,7−オクタジエンの転化率が97%であり、かつ3−シクロヘキソキシ−1,7−オクタジエンの転化率が97%であった。一方、8−シクロヘキソキシ−6−オクテン−2−オン選択率が45%であり、かつ6−シクロヘキソキシ−7−オクテン−2−オン選択率が17%であった。
【0098】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−シクロヘキソキシ−6−オクテン−2−オン26.9グラムを回収した。
【0099】
上記において得られた化合物が、8−シクロヘキソキシ−6−オクテン−2−オンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.5ppm(C)、209.2ppm(C)、43.5ppm(C)、23.3ppm(C)、30.1ppm(C)、130.5ppm(C)、122.4ppm(C)、71.5ppm(C)、78.5ppm(C)、32.1ppm(10C)、24.7ppm(11C)、32.1ppm(12C)、24.7ppm(13C)、26.6ppm(14C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−シクロヘキソキシ−6−オクテン−2−オンであることが分かった。
【0100】
【化22】
Figure 2004137192
【0101】
【実施例12】
シクロヘキサノキシオクタノンの製造
上記で製造した8−シクロヘキソキシ−6−オクテン−2−オン26.9グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−シクロヘキソキシ−2−オクタノン15.1グラムを回収した。
【0102】
上記において得られた化合物が、8−シクロヘキソキシ−2−オクタノンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、30.1ppm(C)、210.3ppm(C)、47.3ppm(C)、24.1ppm(C)、30.5ppm(C)、28.0ppm(C)、30.9ppm(C)、71.1ppm(C)、78.6ppm(C)、32.3ppm(10C)、24.3ppm(11C)、32.3ppm(12C)、24.3ppm(13C)、26.7ppm(14C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−シクロヘキソキシ−2−オクタノンであることが分かった。
【0103】
【化23】
Figure 2004137192
【0104】
【実施例13】
n−オクタノキシオクテノンの製造
1,3−ブタジエン75グラム及びn−オクタノール361グラムを内容積1.5リットルのオートクレーブに仕込んだ以外は、実施例1と同一に実施して1−(n−オクトキシ)−2,7−オクタジエン108グラム及び3−(n−オクトキシ)−1,7−オクタジエン12.0グラムを得た。
【0105】
上記のようにして得た1−(n−オクトキシ)−2,7−オクタジエン68.5グラム及び3−(n−オクトキシ)−1,7−オクタジエン4.0グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム及びベンゾキノン40.0グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比95:5)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0106】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、1−(n−オクトキシ)−2,7−オクタジエンの転化率が97%であり、かつ3−(n−オクトキシ)−1,7−オクタジエンの転化率が98%であった。一方、8−(n−オクトキシ)−6−オクテン−2−オン選択率が45%であり、かつ6−(n−オクトキシ)−7−オクテン−2−オン選択率が17%であった。
【0107】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、8−(n−オクトキシ)−6−オクテン−2−オン32.3グラムを回収した。
【0108】
上記において得られた化合物が、8−(n−オクトキシ)−6−オクテン−2−オンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、30.3ppm(C)、211.1ppm(C)、43.8ppm(C)、23.3ppm(C)、28.3ppm(C)、129.3ppm(C)、131.7ppm(C)、70.2ppm(C)、71.8ppm(C)、30.9ppm(10C)、27.9ppm(11C)、28.8ppm(12C)、29.1ppm(13C)、33.0ppm(14C)、22.6ppm(15C)、13.1ppm(16C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−(n−オクトキシ)−6−オクテン−2−オンであることが分かった。
【0109】
【化24】
Figure 2004137192
【0110】
【実施例14】
n−オクタノキシオクタノンの製造
上記で製造した8−(n−オクトキシ)−6−オクテン−2−オン32.3グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の8−(n−オクトキシ)−2−オクタノン16.3グラムを回収した。
【0111】
上記において得られた化合物が、8−(n−オクトキシ)−2−オクタノンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.1ppm(C)、208.9ppm(C)、44.1ppm(C)、23.4ppm(C)、28.1ppm(C)、28.3ppm(C)、30.1ppm(C)、70.8ppm(C)、71.9ppm(C)、30.3ppm(10C)、28.9ppm(11C)、29.7ppm(12C)、29.1ppm(13C)、33.1ppm(14C)、22.6ppm(15C)、13.1ppm(16C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が8−(n−オクトキシ)−2−オクタノンであることが分かった。
【0112】
【化25】
Figure 2004137192
【0113】
【実施例15】
ジメチルメトキシオクテノンの製造
イソプレン95グラム及びメタノール89グラムを使用した以外は、実施例1と同一に実施して2,6−ジメチル−1−メトキシ−2,7−オクタジエン78.2グラム及び2,6−ジメチル−3−メトキシ−1,7−オクタジエン8.5グラムを得た。
【0114】
上記のようにして得た2,6−ジメチル−1−メトキシ−2,7−オクタジエン49.0グラム及び2,6−ジメチル−3−メトキシ−1,7−オクタジエン2.9グラムと、触媒としての塩化パラジウム1.4グラム及びベンゾキノン40.0グラムを、溶媒としてのメタノール/水(体積比95:5)400ミリリットルと一緒に、内容積1リットルの、還流冷却器付き丸底フラスコに仕込んだ。次いで、内容物を攪拌しつつ大気圧下に加熱してメタノールを還流せしめた(65℃)。該還流を、開始時から3時間継続した。その後、攪拌を継続したまま、室温まで降温して反応後の液を回収した。
【0115】
回収した液について、実施例1と同一にガスクロマトグフィーにより各成分を分析した。その結果、2,6−ジメチル−1−メトキシ−2,7−オクタジエンの転化率が97%であり、かつ2,6−ジメチル−3−メトキシ−1,7−オクタジエンの転化率が99%であった。一方、3,7−ジメチル−8−メトキシ−6−オクテン−2−オン選択率が48%であり、かつ3,7−ジメチル−6−メトキシ−7−オクテン−2−オン選択率が17%であった。
【0116】
次いで、上記の回収した液を蒸留して精製し、3,7−ジメチル−8−メトキシ−6−オクテン−2−オン22.5グラムを回収した。
【0117】
上記において得られた化合物が、3,7−ジメチル−8−メトキシ−6−オクテン−2−オンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.1ppm(C)、215.8ppm(C)、46.5ppm(C)、33.3ppm(C)、25.2ppm(C)、122.5ppm(C)、133.3ppm(C)、80.5ppm(C)、59.2ppm(C)、14.5ppm(10C)、18.8ppm(11C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が3,7−ジメチル−8−メトキシ−6−オクテン−2−オンであることが分かった。
【0118】
【化26】
Figure 2004137192
【0119】
【実施例16】
ジメチルメトキシオクタノンの製造
上記で製造した3,7−ジメチル−8−メトキシ−6−オクテン−2−オン22.5グラムを実施例2と同一の条件で反応せしめ、純度99%の3,7−ジメチル−8−メトキシ−2−オクタノン15.3グラムを回収した。
【0120】
上記において得られた化合物が、3,7−ジメチル−8−メトキシ−2−オクタノンであることを決定するため、実施例1と同一にして13C NMR測定を実施した。その結果、29.3ppm(C)、215.9ppm(C)、46.7ppm(C)、33.7ppm(C)、24.8ppm(C)、35.4ppm(C)、36.0ppm(C)、80.1ppm(C)、58.5ppm(C)、14.9ppm(10C)、18.1ppm(11C)に各炭素のケミカルシフトが観察され、該化合物が3,7−ジメチル−8−メトキシ−2−オクタノンであることが分かった。
【0121】
【化27】
Figure 2004137192
【0122】
【実施例17】
メトキシオクタノンの安定性試験
8−メトキシ−2−オクタノンと3−メトキシ−2−ブタノンの夫々2グラムを100ミリリットルの三角フラスコに採取し、空気中に20℃で35日間保存した。各物質の純度を経時的に測定した。結果を表1に示す。
【0123】
【表1】
Figure 2004137192
【0124】
8−メトキシ−2−オクタノンは、3−メトキシ−2−ブタノンに比較して著しく良好な安定性を示した。
【0125】
【発明の効果】
本発明は、新規なアルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノン、並びにこれらの製造方法を提供するものである。該アルコキシオクタノン及びアルコキシオクテノンは、一分子内にアルコキシ基とカルボニル基という二つの異なる極性基を有することから、種々の化合物及びポリマーに対して高い溶解性、溶解力を有する。加えて、従来のエーテルケトン化合物に比較して、空気中で著しく安定である。

Claims (4)

  1. 下記式(I)及び(II)で示されるアルコキシオクタノン
    Figure 2004137192
    (各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)。
  2. 下記式(III)及び(IV)で示されるアルコキシオクテノン
    Figure 2004137192
    (各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)。
  3. 下記式(III)及び/又は(IV)で示されるアルコキシオクテノン
    Figure 2004137192
    (各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
    を水素化することにより、請求項1記載のアルコキシオクタノンを製造する方法。
  4. 下記式(V)及び/又は(VI)で示されるアルコキシオクタジエン
    Figure 2004137192
    (各式中、Rは、夫々独立して、水素又は炭素数1〜6個の炭化水素基を示し、かつRは、炭素数1〜10個の炭化水素基を示す。)
    を酸化することにより、請求項2記載のアルコキシオクテノンを製造する方法。
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