JP2004136992A - ホイール式クレーン - Google Patents

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Koichi Shimomura
下村 耕一
Katsuya Maruyama
丸山 克哉
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Abstract

【課題】上部旋回体の後端旋回半径が小さく、かつコンパクトに構成することを可能ならしめるようにしたホイール式クレーンを提供する。
【解決手段】下部走行体2の上に、上部旋回体4が搭載されてなるホイール式クレーン1において、前記上部旋回体4に、先端側が前下がりに、かつ基端側の起伏支点が前記上部旋回体4の後端とほぼ一致するように、多段伸縮ブーム5を起伏自在に配設し、前記上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の右側の広い側に運転室10を配設し、この運転室10の後方位置にエンジン11を配設し、前記多段伸縮ブーム5の左側に、第1機器類12、燃料タンク13、作動油タンク14を配設すると共に、前記多段伸縮ブーム5の基端側の背面に第1ウインチ8と、第2ウインチ9を配設する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイール式クレーンに関し、より詳しくは、上部旋回体の後端旋回半径を小さく、かつ走行姿勢をコンパクトに構成することを可能ならしめるようにしたホイール式クレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホイール式クレーンは、狭所侵入性が優れ、かつ工事現場内における狭所作業性が優れていることが好ましい。つまり、ホイール式クレーンは、車幅や全長、全高、旋回作業半径を求められるクレーン性能(ブーム揚程/定格総荷重等)や走行性能(最高車速/エンジン出力)を満足しながら、如何にコンパクトに構成するかがその商品力を高めることになる。従来のホイール式クレーンの場合には、一般に、下部走行体にエンジンを搭載するように構成されていたため、エンジンの搭載部分がキャリヤフレームよりも上方に突出していた。そのために、その突出部分を避け得るように、上部旋回体を構成しなければならないから、ホイール式クレーンの全高の抑制に限界があった。また、全高が高いということは、ホイール式クレーンの車体重心を高くすることにつながり、国土交通省が定める車体転倒角度(30°)をクリアするのに不利となり、車幅の抑制にも限界があった。
【0003】
ところで、エンジンを上部旋回体に搭載することにより車高を低くして車体重心を低くし得るようにしたコンパクトなクレーン車(ホイール式クレーン)が知られている。この従来例に係るクレーン車は、油圧走行式であって、ステアリング動作可能な車輪を備えた車体フレームの上に、ターンテーブル(上部旋回体に相当する)が搭載されている。そして、このターンテーブルに、伸縮自在、かつ起伏自在なクレーンブーム(多段伸縮ブームに相当する)、油圧液移送用ポンプを含むモータ手段(ディーゼルエンジン)、および運転台(運転室に相当する)が搭載されている。
【0004】
より詳しくは、前記車体フレームの高さは、車輪の中心高さより実質的に低く設定され、前記車輪は、この車輪のハブ領域内に配設された油圧車輪駆動部によって駆動されるように構成されている。前記モータ手段は、前記ターンテーブル内における前記車体フレームの後半部の領域内に配設されており、前記運転台はターンテーブルの前記モータ手段の前側に固定されている。また、前記クレーンブームは、前記車体フレームの前端部に載置可能になっており、そしてクレーンブームの基本ブームの長さは、前記車体フレームの全長にほぼ相当する長さに設定されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、エンジンを上部旋回体に搭載し、エンジンの駆動力を機械的に伝達して走行するようにした移動式クレーン(ホイール式クレーン)もある。この移動式クレーンの場合には、エンジン、トルクコンバータ、トランスミッション等は上部旋回体の運転室の後部に搭載することにより効果的に重量配分を行っている。
これにより、移動式クレーンを軽量化すると共に、その車幅を狭くするようにしている。なお、この移動式クレーンの場合、走行姿勢においては、多段伸縮ブームは水平になるように設定されている(例えば、特許文献2参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平7−137984号公報(第2−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−348186号公報(第3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されているクレーン車は、車高が低く、そして低重心であるから優れている。しかしながら、クレーン車の車幅、全長、旋回作業半径の抑制の観点からすると、不十分である。即ち、多段伸縮ブームの起伏支点よりも後方にカウンターウェイトが配設されているので、後端旋回半径が大きくなってしまう。また、クレーン車の揚程を決定する多段伸縮ブームの段数、および長さを同一とした場合には、多段伸縮ブームの起伏支点を極力後方にした方が、走行姿勢時における多段伸縮ブームの前方への突出長さを抑制する上において好ましい。従って、極力、多段伸縮ブームの起伏支点位置を後方にし、起伏支点位置より後方が短い方が好ましいにもかかわらず、そのように配慮されていない。
さらに、クレーン車の車体重心の左右のバランスが転倒角度を遵守するうえにおいて重要であるが、車体重心の左右バランスに対する配慮も不十分である。
【0008】
また、上記特許文献2に記載されている移動式クレーンも、エンジンが上部旋回体に搭載されているが、多段伸縮ブームが上位で水平配設されているため車体重心が高くなっている。しかしながら、この移動式クレーンの場合には、後部車軸に設けられてなる差動ギヤにエンジンの駆動力を機械的に伝達する構成を主目的としている関係上、上記特許文献1に記載されたクレーン車と同様の問題を内包している。
【0009】
従って、本発明の目的は、上部旋回体の後端旋回半径を小さく、かつコンパクトに構成することを可能ならしめるようにしたホイール式クレーンを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、下部走行体の上に、上部旋回体が搭載されてなるホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体に、先端側が前下がりに、かつ基端側の起伏支点が前記上部旋回体の後端とほぼ一致するように、多段伸縮ブームを起伏自在に配設し、前記上部旋回体の多段伸縮ブームの1側の前部に運転室を配設し、この運転室の後方位置にエンジンを配設し、前記多段伸縮ブームの他側に、作動油タンクおよび/または燃料タンクを配設すると共に、前記多段伸縮ブームの背面にウインチを配設したところにある。
【0011】
本発明の請求項2に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、下部走行体の上に上部旋回体が搭載されてなるホイール式クレーンにおいて、下部走行体の上に、上部旋回体が搭載されてなるホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体に、先端側が前下がりに、かつ基端側の起伏支点が前記上部旋回体の後端とほぼ一致するように、多段伸縮ブームを起伏自在に配設し、前記上部旋回体の多段伸縮ブームの1側の前部に運転室を配設し、この運転室の後方位置にエンジンを配設し、前記多段伸縮ブームの他側に、ウインチ、作動油タンクおよび/または燃料タンクを配設したところにある。
【0012】
本発明の請求項1または2に係るホイール式クレーンによると、エンジンが上部旋回体に搭載されていて、下部走行体のエンジン搭載部分の突出部がなくなるため、元々ホイール式クレーンの車高、車体重心を低くすることができる。
これに加えて、上部旋回体の多段伸縮ブームの1側に運転室が、またこの運転室の後部にエンジンが配設されると共に、請求項1では多段伸縮ブームの他側に、作動油タンクおよび/または燃料タンクが配設され、また請求項2では多段伸縮ブームの他側に、ウインチ、作動油タンクおよび/または燃料タンクが配設されている。従って、ホイール式クレーンの左右方向のバランスが改善され、車体幅を狭くすることができると共に、上部旋回体の後端旋回半径を小さくし得て、しかもカウンターウェイトを必要としないのでホイール式クレーンの車体重量を軽量化することができる。さらに、多段伸縮ブームの基端側の起伏支点が上部旋回体の後端とほぼ一致するように構成されているため、上部旋回体の後端旋回半径が小さいにもかかわらず、多段伸縮ブームの長さが短くなるのを抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項3に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーンにおいて、前記多段伸縮ブームの少なくとも左右一方側に第1機器類を配設し、この第1機器類と接続された第2機器類を前記上部旋回体の多段伸縮ブームの腹面側に配設したところにある。
上記請求項3に係るホイール式クレーンによると、上部旋回体の後部側の重量が重くなるためカウンターウェイト効果を発揮し、上部旋回体の後端旋回半径をより小さくすることができると共に、車体重心も低く抑えることができる。
【0014】
本発明の請求項4に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体の前記多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、圧油を給排する作動油供給手段を配設したところにある。
【0015】
本発明の請求項5に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体の前記多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、エンジンに燃料を供給する燃料供給手段を配設したところにある。
【0016】
上記請求項4または5に係るホイール式クレーンによると、前下がりの多段伸縮ブームの基端付近の下方に形成されるスペースに作動油供給手段、燃料供給手段が配設されているから、ブームの多段伸縮ブームの重心を低く抑えながら多段伸縮ブームの基端付近の下方に形成されるスペースが有効的に活用され、デッドスペースになるようなことがない。
【0017】
本発明の請求項6に係るホイール式クレーンが採用した手段の特徴とするところは、請求項3に記載のホイール式クレーンにおいて、前記機器類は、作動油タンクまたは燃料タンクであり、これらのうちの何れかの一部を前記多段伸縮ブームの下方になる位置に配設したところにある。
上記請求項6に係るホイール式クレーンによると、上部旋回体の多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、作動油タンクまたは燃料タンクであり、これらのうちの何れかの一部が配設されている。従って、上部旋回体の後部側の重量が重くなるため、上部旋回体の後端旋回半径をより小さくすることができる。また、作動油タンクを配設した場合は、占有スペースが大きい油圧ポンプへの作動油供給手段(配管)の配設も容易となる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態1に係るホイールクレーンを、添付図面を参照しながら説明する。図1は走行姿勢を示すホイール式クレーンの平面図、図2は走行姿勢を示すホイール式クレーンの左側側面図、図3は走行姿勢を示すホイール式クレーンの右側側面図、図4(a)はホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図、図4(b)はホイール式クレーンの上部旋回体を後部側から見た、第2機器類を省略した概念図である。
【0019】
図1乃至図3に示す符号1は、本発明の実施の形態1に係るホイール式クレーンである。このホイール式クレーン1は、タイヤ走行式の下部走行体2を備えており、この下部走行体2の上に、旋回ベアリング3を介して旋回される上部旋回体4が搭載されている。また、この上部旋回体4の上の、幅方向の中心よりも左側方向にシフトした中心を挟む位置には、側面視略直角三角形状をした一対の旋回フレーム4aが突設されている。
【0020】
前記旋回フレーム4aの前記上部旋回体4の後端部のほぼ上方に位置する頂部付近には、ブーム起伏支点となるブームフットピン5aが支持されており、このブームフットピン5aによって多段伸縮ブーム5の基端部が支持されている。
この多段伸縮ブーム5は、前記旋回フレーム4aに設けられたブーム起伏シリンダフットピン6aに枢着されてなるブーム起伏シリンダ6により、前下がり状態から所定の起伏角度の間で起伏されるように構成されている。そして、この多段伸縮ブーム5の長手方向の中程よりも先端側の左側側面には、張り出し折り畳み自在なジブ7が格納されると共に、前記多段伸縮ブーム5の基端部付近の背面に、この多段伸縮ブーム5の基端側から順に、第1ウインチ(主巻ウインチ)8、第2ウインチ(補巻ウインチ)9が配設されている。
【0021】
前記上部旋回体4の前記多段伸縮ブーム5の前記ジブ7の反対側の1側(車体の右側)の前側に運転室10が搭載されると共に、この運転室10の後方位置には、後部側に第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、第3油圧ポンプとからなるポンプ装置Pを備えたエンジン11が搭載されている。また、前記上部旋回体4の前記多段伸縮ブーム5の前記ジブ7側の他側(車体の左側)で、かつ前記エンジン11(ラジェータ、ポンプ装置を含む)の全長に渡る範囲には、前側から順に、油圧バルブと圧縮機等の第1機器類12、燃料タンク13、作動油タンク14が搭載されている。そして、前記エンジン11に設けられてなる図示しない燃料ポンプには前記燃料タンク13から燃料供給手段である燃料供給ホース13aが連通している。また、前記ポンプ装置Pには、前記作動油タンク14から作動油供給手段である作動油サクションホース14aが直接連通している。
【0022】
これら燃料供給ホース13a、および作動油サクションホース14aは、図1からよく理解されるように、何れも前記多段伸縮ブーム5の長手方向の中程よりも基端部側の下方に形成されてなるスペース内に配設されている。さらに、前記上部旋回体4のブームフットピン5aの下方位置には、ホースリール、第3ウインチ、または油圧バルブのうちの何れかの第2機器類15が搭載されている。
つまり、前記多段伸縮ブーム5の長手方向の中程よりも基端部側の下方位置のスペースを有効活用するように配慮されている。
【0023】
以下、本実施の形態1に係るホイール式クレーン1の作用態様を説明する。
即ち、本実施の形態1に係るホイール式クレーン1によれば、上記のとおり、エンジン11が上部旋回体4に搭載されていて、下部走行体2のエンジン搭載部分の上方への突出部がなくなるため、元々ホイール式クレーンの車高、車体重心が低くなっている。これに加えて、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の1側の広い側に運転室10が、またこの運転室10の後方位置にエンジン11が配設されると共に、他側に第1機器類12、燃料タンク13、作動油タンク14が配設されている。さらに、多段伸縮ブーム5の基端部側の背面に第1ウインチ8、第2ウインチ9が配設されると共に、上部旋回体4の後端部に第2機器類15が配設されている。
【0024】
この実施の形態1の場合、大重量の多段伸縮ブーム5が上部旋回体4の図示しない旋回中心よりも左側にシフトしおり、多段伸縮ブーム5の左右の1側が幅広となっている。しかしながら、第1機器類12と、燃料タンク13と、作動油タンク14との重量よりも運転室10とエンジン11の方が大重量であるため、特許文献1や2に記載されているものに比較して、ホイール式クレーン1の左右方向のバランスが優れており、車体幅を狭くすることができる。また、上部旋回体4の後部側に重量物が配設されていて、カウンターウェイトを装着する必要がないため、上部旋回体4の後端旋回半径を小さくし得て、しかもホイール式クレーン1の車体重量を軽量化することができる。そして、多段伸縮ブーム5の基端側のブームフットピン5aが上部旋回体4の後端とほぼ一致する位置に配設されているため、上部旋回体4の後端旋回半径が小さいにもかかわらず、多段伸縮ブーム5の長さが短くなるのを抑制することができる。
【0025】
さらに、本実施の形態1に係るホイール式クレーン1では、前記上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の基端付近の下方位置に、燃料供給ホース13a、作動油サクションホース14aが配設されると共に、ブームフットピン5aの下方位置に第2機器類として15が配設されている。そのため、前下がりの多段伸縮ブーム5の基端付近の下方に形成されるスペースが有効的に活用され、車体重心を低く抑えると共に、デッドスペースとなるようなことがない。
【0026】
なお、一般的に運転室10は、オペレータの居住空間確保のため、ある程度の幅(例えば、1m程)が必要である。さらに、エンジン11もその出力の確保に所定の幅(例えば、1m程)が必要となるため、占有幅が大きい。従って、車幅を狭くするためには、これら運転室10、エンジン11を同一側に配設することが好ましい。そのため、上記実施の形態1では、車幅を最大限狭く構成するべく、多段伸縮ブーム5をオフセットさせている。しかし、このオフセット量は、多段伸縮ブーム5の重量重心と、左右両側に配設される運転室10、エンジン11、作動油タンク14、燃料タンク13、ウインチ8,9等の機器類の重量重心とを考慮し、左右バランスから車体重心がほぼ中央になるように決定される。
よって、ホイール式クレーン1の車幅を広くしたり、幅が狭い多段伸縮ブームを使用することによりオフセットしない構成にすることができる。
【0027】
また、上部旋回体4において、多段伸縮ブーム5を前下がりに傾斜させたことにより生じる基端部付近に生じるスペース内に、大径の作動油サクションホース14aが配設されているが、図1乃至4においては、その必要サイズを模式的に示すため、円形断面の1本の配管のように示したものである。実際は、エンジン11に取付けられた複数の油圧ポンプ毎に接続された複数本の作動油サクションホースが束ねられて通されるものである。このように、上部旋回体4にエンジン11が配設された本願のホイール式クレーン1においては、多段伸縮ブーム5の左右空間が遮断されているために、走行駆動用の大量の圧油を発生させる大型の油圧ポンプと、この油圧ポンプへの作動油の給排を行うための大径の作動油サクションホースを多段伸縮ブーム5およびブーム起伏シリンダ6と干渉しないように配設している。
【0028】
また、特許文献1に記載されているホイール式クレーンでは、上部旋回体の後端旋回半径を小さくする思想がなく、多段伸縮ブームの後部を迂回するように作動油サクションホースが配設されていると推測される。よって、本実施の形態1によれば、特許文献1に記載されているホイール式クレーンより、後端旋回半径を小さくすることができる。なお、作動油供給手段の断面形状は円形に限らず、矩形やスペースの隙間形状に合わせた形状にしてもよい。また、大径の作動油サクションホースを複数本に分け、それぞれを別経路で作動油タンクと接続してもよく、油圧ポンプおよび作動油タンクとの接続個所では、複数本を直列に並べて配管の径による高低差を小さくすることが好ましい。このように、構成することにより、エアの噛込み防止のため、作動油タンク内の油面がポンプより高い位置に確保できるよう、油圧ポンプの位置を最大限低い位置に設定する構成を採り易くなる。
【0029】
本発明の実施の形態2に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図5(a)と、ホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図の図5(b)とを参照しながら説明する。なお、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0030】
即ち、本実施の形態2に係るホイール式クレーンが、上記実施の形態1に係るホイール式クレーンと相違するところは、図5(a),(b)と、図1および図4(a),(b)との比較において良く理解されるように、上記実施の形態1では、作動油タンク14から作動油サクションホース14aが直接ポンプ装置Pに連通していたのに対して、本実施の形態2では、作動油タンク14から作動油サクションホース14a、サブ作動油タンク14′を介してポンプ装置Pに連通している。そして、多段伸縮ブーム5の左側に第1機器類12として、油圧バルブユニットが設けられており、この油圧バルブと配管により接続される第2機器類15として、多段伸縮ブーム5内に圧油を供給するホースリールが配設されている。なお、サブ作動油タンク14′には、サブ作動油タンク14′の上面より垂直に突出し、ポンプ装置Pよりも上方位置に油溜まり空間を備えた図示しないエア抜きパイプが設けられている。このエア抜きパイプは、透過性の耐熱樹脂で構成され、油面ゲージとして機能するようになっており、上部旋回体4の右側エンジンガードのみを開口することにより、エンジン11およびポンプ装置P等のパワープラントと同時に作動油の油面を確認し得るように配慮されている。
【0031】
つまり、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、サブ作動油タンク14′の有無だけであって、これ以外は全く同構成になるものである。
従って、本実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。このように、ポンプ装置Pの下方にサブ作動油タンク14′を配設することにより、その分タンク容量を増大させることが可能になると共に、差動油サクションホース14aの長さが短くなる分の配管による圧力損失を低減することができるので、ポンプ吸込圧力を低く設定することができる。
【0032】
本発明の実施の形態3に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図6を参照しながら説明する。なお、本実施の形態3が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0033】
即ち、本実施の形態3に係るホイール式クレーンでは、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に、前側から順に、燃料タンク13、作動油タンク14、第1ウインチ8、第2ウインチ9が配設されている。そして、多段伸縮ブーム5の基端側付近の下方に形成されたスペース内に燃料供給ホース13a,作動油サクションホース14aが配設されると共に、この作動油サクションホース14aの後方位置に第1機器類(油圧バルブユニットおよびホースリール)12が配設されている。
【0034】
本実施の形態3に係るホイール式クレーンによれば、上記実施の形態1のように、第1ウインチ8、第2ウインチ9が多段伸縮ブーム5の背面に配設されておらず、これら第1ウインチ8、第2ウインチ9が上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に配設されている。従って、ホイール式クレーンの車体重心が上記実施の形態1よりも低くなるから、ホイール式クレーンの安定性に関しては、上記実施の形態1よりも有利になる。一方、上部旋回体4の左側の前端部が、上記実施の形態1の場合よりも前方に突出する。これにより、運転室10からの左側方の死角が多くなり、左側方の視界性が低下する。また、多段伸縮ブーム5の運転室10の反対側側面に沿わせて格納されるジブを配置する空間が少なくなるので、その分ジブを短くしたり、より多段のジブにしたりする必要がある。
【0035】
本発明の実施の形態4に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図7(a)と、ホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図の図7(b)とを参照しながら説明する。なお、本実施の形態4が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0036】
即ち、本実施の形態4に係るホイール式クレーンでは、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に、前側から順に、燃料タンク13、第2ウインチ9、後述する構成になる作動油タンク14が配設されている。そして、多段伸縮ブーム5の基端側付近の下方に形成されたスペース内に燃料供給ホース13aが配設され、前記作動油タンク14の前側位置に第1機器類12が配設されると共に、多段伸縮ブーム5の背面に第1ウインチ9が配設されている。前記作動油タンク14は、図7(b)に示すように、後面視L字状に形成されており、多段伸縮ブーム5の他側から基端側の下方をとおり、多段伸縮ブーム5の1側のポンプ装置Pの下方位置まで伸びている。
【0037】
本実施の形態4に係るホイール式クレーンによれば、上記実施の形態1のように、第2ウインチ9が多段伸縮ブーム5の背面に配設されておらず、この第ウインチ9が上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に配設されている。そして、上部旋回体4の最後部に配設された作動油タンク14の一部が多段伸縮ブーム5の下方をとおり、多段伸縮ブーム5の1側のポンプ装置Pの下方まで伸びている。従って、ホイール式クレーンの車体重心が上記実施の形態1よりも低くなるから、上記実施の形態2,3と同様に、ホイール式クレーンの安定性に関して、上記実施の形態1よりも有利になる。さらに、上部旋回体4の最後部に配設された作動油タンク14の一部が位置していて後部重量が重くなるからカウンターウェイト効果が得られ、上部旋回体4の後端旋回半径の縮小に寄与することができると共に、車体重心を低く抑えることができる。
【0038】
本発明の実施の形態5に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図8(a)と、ホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図の図8(b)とを参照しながら説明する。なお、本実施の形態5が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0039】
即ち、本実施の形態5に係るホイール式クレーンでは、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に、前側から順に、燃料タンク13、第2ウインチ9、第1ウインチ8、後述する構成になる作動油タンク14が配設されている。そして、多段伸縮ブーム5の基端側付近の下方に形成されたスペース内に燃料供給ホース13aが配設されると共に、前記作動油タンク14の前側に第1機器類12が配設されている。前記作動油タンク14は、図8(b)に示すように、後面視L字状に形成されており、多段伸縮ブーム5の他側から基端側の下方をとおり、多段伸縮ブーム5の1側のポンプ装置Pの下方位置まで伸びている。つまり、この作動油タンク14は、図7(b)と図8(b)との比較において良く理解されるように、上記実施の形態4の作動油タンクと同構成になるものである。
【0040】
本実施の形態5に係るホイール式クレーンによれば、上記実施の形態1のように、第1ウインチ8、第2ウインチ9が多段伸縮ブーム5の背面に配設されておらず、これら第1ウインチ8、第ウインチ9が上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に配設されている。そして、上部旋回体4の最後部に配設された作動油タンク14の一部が多段伸縮ブーム5の下方をとおり、多段伸縮ブーム5の1側のポンプ装置Pの下方まで伸びている。従って、ホイール式クレーンの車体重心が上記実施の形態1よりも低くなるから、上記実施の形態2乃至4と同様に、ホイール式クレーンの安定性に関しては、上記実施の形態1よりも有利になる。
さらに、上部旋回体4の最後部に配設された作動油タンク14の一部が位置していて、後部重量が重くなるからカウンターウェイト効果が得られ、上記実施の形態4と同様に、上部旋回体4の後端旋回半径の縮小に寄与することができ、車体重心を低くすることができる。また、上記実施の形態4の場合に比較して、第ウインチ9の空間分、運転室10と他方側の前端部が長くなるものの、作動油タンク14を上部旋回体4の後端左右にわたる構成の作動油タンク14の前後方向の寸法を小さくした分、上記実施の形態3(図6)に比較して、運転室10の反対側の前方突出量を小さくすることができる。
【0041】
本発明の実施の形態6に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図9を参照しながら説明する。なお、本実施の形態6が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0042】
即ち、本実施の形態6に係るホイール式クレーンでは、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の1側の広い側に、ラジェータを後側、出力軸側のポンプ装置P側を前側にしたエンジン11が配設されている。このエンジン11の前後方向の向きは、エンジンの形式、仕様等の相違によるシリアルNoプレートの取付け位置、エンジンオイル点検等のメンテナンス性のために、上記実施の形態1乃至5と逆であって、ポンプ装置Pが前側になっている。そして、上部旋回体4の多段伸縮ブームの他側に、前側から順に、第1機器類12、作動油タンク14、燃料タンク13が配設されている。また、多段伸縮ブーム5の背面には、第1ウインチ8、第2ウインチ9が配設され、多段伸縮ブーム5の基端側付近の下方に形成されたスペース内に、作動油サクションホース14a、燃料供給ホース13aが配設されると共に、ブームフットピン5aの下方位置に第2機器類15が配設されている。
【0043】
本実施の形態6に係るホイール式クレーンによれば、エンジン11の前後方向の向きが上記実施の形態1と逆であるため、作動油タンク14、燃料タンク13の配設位置が相違するものの、それぞれの機器類は上記実施の形態1と同様の位置に配設されているから、上記実施の形態1と同様の効果がある。また、ラジェータを後側にしたことにより、運転室10の後方に位置する実施の形態1乃至5に比較して冷却効率を向上させることが容易であると共に、運転室内騒音も低減することができる。
【0044】
本発明の実施の形態7に係るホイール式クレーンを、ホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図の図10を参照しながら説明する。なお、本実施の形態7が上記実施の形態1と相違するところは、各機器類の配設位置の相違にあるから、同一のものに同一符号を付して説明する。
【0045】
即ち、本実施の形態7に係るホイール式クレーンでは、上記実施の形態1と同様の向きにエンジン11が配設され、このエンジン11の後端側のポンプ装置Pの外側に第1機器類12としてバルブユニットが配設されている。また、上部旋回体4の多段伸縮ブーム5の他側に、前側から順に、燃料タンク13、作動油タンク14、および第2ウインチ9が配設されている。そして、多段伸縮ブーム5の基端側付近の下方に形成されたスペース内に、燃料供給ホース13a、作動油サクションホース14aが配設され、これらホースの後方に第2機器類12としてホースリールが配設されると共に、この後方位置に第1ウインチ8が配設されている。なお、前記ホースリール、第1ウインチ8、および第2ウインチ9には、前記ポンプ装置Pからバルブユニットを連通するよう油圧配管が接続され、多段伸縮ブーム5の伸縮作動を制御できるように構成されている。
【0046】
本実施の形態7に係るホイール式クレーンによれば、上記実施の形態3、および5と同様に、多段伸縮ブーム5の背面に、第1ウインチ8、第2ウインチ9が配設されていないので、ホイール式クレーンの車体重心の低下に寄与することができる。また、上部旋回体4の後部側に大重量物である第1ウインチ8、第2ウインチ9が配設されているため、上記各実施の形態より、より安定したカウンターウェイト効果が得られる。また、運転室10の後方側のポンプ装置P、第1機器類12、第2機器類15および第1ウインチ8、第2ウインチ9等の油圧機器類を比較的近い位置に集中して配設しているので、油圧配管や配線等がし易く、またメインテナンス性をよくすることができる。
【0047】
なお、上記実施の形態1乃至7では、作動油供給手段である作動油サクションホースや、L字型の作動油タンク、および燃料供給手段である燃料供給ホースを、多段伸縮ブームを前下がりに傾斜配設したことにより形成される旋回フレームの後部のスペースに配設した。しかしながら、この構成に限らず、旋回フレームの、多段伸縮ブーム、およびブーム起伏シリンダと干渉しない位置において、左右両側に開口部を設けて、その中をそれぞれの供給手段を通すように構成してもよい。さらに、上記実施の形態1乃至7で述べた比較的大きめな径が必要なホースリールは、多段伸縮ブームの背面に配設してもよく、この場合には多段伸縮ブームの基端部をより低くすることができ、上部旋回体の重心をより低く抑えることができる。
【0048】
また、上記実施の形態1乃至7では、作動油タンクとポンプ装置とを上下方向に作動油サクションホースで接続するようにしたが、作動油へのエアの噛込みを防止すべく、ポンプ装置を最大限下位の位置に配設して、側方から作動油サクションホースを接続してもよい。また、上記実施の形態1乃至7では、燃料供給手段と作動油供給手段とが、できるだけ交差しないよう、ポンプ装置側に作動油タンクを配設し、エンジン側に燃料タンクを配設したが、燃料供給手段と作動油供給手段を交差させれば、これらの配設順位を逆にして、燃料タンクを上部旋回体の後端部に配設することができる。第1ウインチを主巻きウインチとし、第2ウインチを補巻きウインチとしたが、これらもタンクと同様に、前後、左右、または多段伸縮ブームの背面、側方の順番は何れでもよい。第1機器類や第2機器類としては、上記実施の形態1乃至7で示したバルブユニット、ホースリールの他、ホイール式クレーンの駆動に必要なバッテリや、コンプレッサ、コントローラ等、上部旋回体に配設される油圧、空圧機器と電気制御機器を適宜配設してもよい。また、エンジンは、電動式としてもよく、燃料タンクの代わりにバッテリを配設してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1または2に係るホイール式クレーンによれば、ホイール式クレーンの左右方向のバランスが改善され、車体幅を狭くすることができると共に、上部旋回体の後端旋回半径を小さくし得て、しかもカウンターウェイトを必要としないのでホイール式クレーンの車体重量を軽量化することができる。さらに、多段伸縮ブームの基端側の起伏支点が上部旋回体の後端とほぼ一致するように構成されているため、上部旋回体の後端旋回半径が小さいにもかかわらず、多段伸縮ブームの長さが短くなるのを抑制することができる。
これにより、エンジンが上部旋回体に配設されたホイール式クレーンにおいても、クレーン作業時の最小後端旋回半径を小さくすることができるので、特許文献に記載されているホイール式クレーンと同等のクレーン作業性を確保することができる。しかも、上部旋回体の重量バランスがほぼ左右均等となるよう配置する構成が可能となり、走行姿勢をコンパクトな構成とすることができる。
【0050】
上記請求項3に係るホイール式クレーンによれば、上部旋回体の後部側の重量が重くなるためカウンターウェイト効果を発揮し、上部旋回体の後端旋回半径をより小さくすることができると共に、車体重心も低く抑えることができる。
【0051】
本発明の請求項4または5に係るホイール式クレーンによると、前下がりの多段伸縮ブームの基端付近の下方に形成されるスペース内に作動油供給手段、燃料供給手段が配設されているから、多段伸縮ブームの基端付近の下方に形成されるスペースが有効的に活用され、デッドスペースになるようなことがない。
【0052】
本発明の請求項6に係るホイール式クレーンによれば、上部旋回体の多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、作動油タンクまたは燃料タンクであり、これらのうちの何れかの一部が配設されている。従って、上部旋回体の後部側の重量が重くなるため、上部旋回体の後端旋回半径をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るホイール式クレーンの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るホイール式クレーンの左側側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るホイール式クレーンの右側側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係り、図4(a)はホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図、図4(b)はホイール式クレーンの上部旋回体を後部側から見た、第2機器類を省略した概念図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係り、図5(a)はホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図、図5(b)はホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係り、図7(a)はホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図、図7(b)はホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係り、図8(a)はホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図、図8(b)はホイール式クレーンの上部旋回体を後ろ側から見た概念図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係るホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図である。
【図10】本発明の実施の形態7に係るホイール式クレーンの上部旋回体を下側から見た概念図である。
【符号の説明】
1…ホイール式クレーン
2…下部走行体
3…旋回ベアリング
4…上部旋回体、4a…旋回フレーム
5…多段伸縮ブーム、5a…ブームフットピン
6…ブーム起伏シリンダ、6a…起伏シリンダフットピン
7…ジブ
8…第1ウインチ
9…第2ウインチ
10…運転室
11…エンジン
12…第1機器類
13…燃料タンク。13a…燃料供給ホース
14…作動油タンク、14′…サブ作動油タンク、14a…作動油サクションホース
15…第2機器類
P…ポンプ装置

Claims (6)

  1. 下部走行体の上に、上部旋回体が搭載されてなるホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体に、先端側が前下がりに、かつ基端側の起伏支点が前記上部旋回体の後端とほぼ一致するように、多段伸縮ブームを起伏自在に配設し、前記上部旋回体の多段伸縮ブームの1側の前部に運転室を配設し、この運転室の後方位置にエンジンを配設し、前記多段伸縮ブームの他側に、作動油タンクおよび/または燃料タンクを配設すると共に、前記多段伸縮ブームの背面にウインチを配設したことを特徴とするホイール式クレーン。
  2. 下部走行体の上に、上部旋回体が搭載されてなるホイール式クレーンにおいて、前記上部旋回体に、先端側が前下がりに、かつ基端側の起伏支点が前記上部旋回体の後端とほぼ一致するように、多段伸縮ブームを起伏自在に配設し、前記上部旋回体の多段伸縮ブームの1側の前部に運転室を配設し、この運転室の後方位置にエンジンを配設し、前記多段伸縮ブームの他側に、ウインチ、作動油タンクおよび/または燃料タンクを配設したことを特徴とするホイール式クレーン。
  3. 前記多段伸縮ブームの少なくとも左右一方側に第1機器類を配設し、この第1機器類と接続された第2機器類を前記上部旋回体の多段伸縮ブームの腹面側に配設したことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーン。
  4. 前記上部旋回体の前記多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、圧油を給排する作動油供給手段を配設したことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーン。
  5. 前記上部旋回体の前記多段伸縮ブームの基端付近の下方位置に、エンジンに燃料を供給する燃料供給手段を配設したことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載のホイール式クレーン。
  6. 前記機器類は、作動油タンクまたは燃料タンクであり、これらのうちの何れかの一部を前記多段伸縮ブームの下方になる位置に配設したことを特徴とする請求項3に記載のホイール式クレーン。
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