JP2004134230A - 多方向入力用電子部品 - Google Patents

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Masaki Sawada
澤田 昌樹
Tamotsu Yamamoto
山本 保
Hiroyasu Okada
岡田 裕康
Hiroto Inoue
井上 浩人
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Abstract

【課題】操作部の傾倒操作により入力する多方向入力用電子部品に関し、小型品であって、入力方向の分解能が高いものなどを提供することを目的とする。
【解決手段】弾性を有する絶縁フィルム11の円形領域部12に設けた、円形リング状で三ヶ所の導出部16A,16B,16Cを有する抵抗層16を弾性金属薄板からなるドーム状可動接点18で覆い、ドーム状可動接点18の上部に配設した操作体26上面の所望方向位置を押圧し、操作体26を傾倒させてドーム状可動接点18を抵抗層16に部分反転接触させると共に、更に強く押圧することにより円形領域部12を弾性変形させ、抵抗層16裏面の上部導体層20を対向する下部抵抗層21に接触させる構成の多方向入力用電子部品をすることにより、小型で入力方向の分解能が高いものを実現できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として携帯電話、カーナビゲーションシステム等の各種電子機器の入力操作用に使用され、操作部の傾倒操作により入力する多方向入力用電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチについて、図10〜図12を用いて説明する。
【0003】
図10は従来の多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチの正面断面図、図11は分解斜視図である。
【0004】
同図において、1は中心位置に弾性金属薄板製のドーム状可動接点2を収容した樹脂製の箱形ケースで、その内底面には、互いに導通した四つの外側固定接点3が端部に配設されてドーム状可動接点2の外周下端部が載り、これより内側でドーム状可動接点2の中心から等距離で等角度の位置に、それぞれ独立した複数個(四個)の内側固定接点4(4A〜4D)が配設されると共に、各固定接点と導通した出力端子(図示せず)が外方に導出され、箱形ケース1の上面の開口部はカバー5で覆われている。
【0005】
そして6は、軸部6Aとその下端に一体に形成されたフランジ部6Bからなる操作体で、軸部6Aがカバー5中央の貫通孔5Aから突出し、フランジ部6Bの外周が箱形ケース1の内壁1Aにより回転はしないが傾倒可能に嵌合支持されると共に、箱形ケース1内底面の四個の内側固定接点4(4A〜4D)にそれぞれ対応したフランジ部6B下面の四個の押圧部7(7A〜7D、但し7Dは図示せず)がドーム状可動接点2の上面に当接することにより、フランジ部6Bの上面がカバー5の裏面に押し付けられて、全体として垂直中立位置に保たれている。
【0006】
このように構成された多方向操作スイッチにおいて、図12の断面図に矢印で示すように、操作体6の軸部6Aに装着されたつまみ8上面の、所望の角度方向である左上面を下方に押すと、操作体6は、図10に示す垂直中立位置からフランジ部6B上面の右側を支点として傾倒し、下面の押圧部7Aがドーム状可動接点2を押して部分弾性反転させて、押圧部7Aと対応する内側固定接点4Aに接触させ、外側固定接点3と内側固定接点4Aの間を短絡してON状態とし、その電気信号をそれぞれの出力端子を通して外部へ発し、つまみ8に加える押し力を除くと、ドーム状可動接点2の弾性復元力によって操作体6は元の垂直中立位置に戻り、外側固定接点3と内側固定接点4Aの間もOFF状態に戻るものであった。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−125180号公報
【特許文献2】
特開2001−210191号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチにおいて、入力できる方向の数すなわち入力方向の分解能は、つまみ8を介して操作体6が傾倒した時にドーム状可動接点2が部分弾性反転して接触する内側固定接点4の数によって決まるものであるが、近年の小型化された電子機器に使用できる電子部品の大きさにおいて、この多方向操作スイッチの安定した動作をさせるには、内側固定接点4の数を多くすることは難しいという課題があった。
【0010】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、近年の小型化された電子機器に使用できる大きさであっても、その入力レベルを切り換えたり、より多くの方向に入力できると共に各入力レベルを切り換えることができる多方向入力用電子部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁基板面とスぺーサを介して所定の間隔をあけて対向し、スぺーサによる固定部分から内部側に亘る領域が所定径の円形領域部として機能する部分となる弾性を有する絶縁フィルムと、絶縁フィルムのスぺーサの上部に設けられた周辺接点と、この周辺接点上に外周下端部が載り、絶縁フィルムの円形領域部と同心状に絶縁フィルム上部に配設された弾性金属薄板製の円形のドーム状可動接点と、絶縁フィルムの円形領域部の中心とスぺーサの内周との中間部上面に配設された、円形領域部と同心状の円形リング状で所定の角度間隔の三ヶ所以上の位置に出力部が設けられた抵抗層、あるいは上記位置にリング状に配列された複数の接点と、絶縁フィルムの抵抗層あるいは複数の接点の裏面に設けられた上部導体層と、これと対向して絶縁基板面に設けられた下部導体層と、上面が押圧操作部で、下面の抵抗層あるいは複数の接点に対応した突出部がドーム状可動接点の上部に載ると共に、絶縁基板と結合された基体部により傾倒可能に支持された操作体からなる多方向入力用電子部品としたものである。
【0012】
この構成とすると、近年の小型化された電子機器に使用できる大きさであっても、操作体の所望の角度方向への傾倒操作により、ドーム状可動接点がクリック節度感と共に部分弾性反転して複数の接点の一つに接触し、所定方向に対する入力ができると共に、その角度方向位置において操作体を更に強く押圧操作し、上部導体層と対向する下部導体層を接触させて、入力レベルを切り換えることができる自己復帰式の多方向入力用電子部品を実現できるという作用効果を有する。
【0013】
また、複数の接点の代わりに抵抗層を用いた場合、上記同様に、操作体の所望の角度方向への傾倒操作により、ドーム状可動接点がクリック節度感と共に部分弾性反転して抵抗層の一点に接触し、抵抗層の三ヶ所以上の位置から導出された出力部に対する複数の通電条件下において得られる上記接触点における抵抗値データを取得し、所定の演算処理を行なうことによって、高い分解能で多くの方向に入力することができると共に、その角度方向位置において操作体を更に強く押圧操作し、上部導体層と対向する下部導体層を接触させて、入力レベルを切り換えることができる自己復帰式の多方向入力用電子部品を実現することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、上部導体層と下部導体層が対向する円形リング状導体層であるものであり、上部導体層と下部導体層が簡単な構成で容易に形成することができて、安定した接触特性を有するという作用効果を有する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、上部導体層が円形リング状導体層で、下部導体層が電気的に絶縁された二つの円形リング層からそれぞれ外方および内方に交互に突出した複数個ずつの櫛歯状導体層が上部導体層と同一径上で平行している円形櫛歯状導体層であるものであり、上部導体層が、下部導体層としての円形櫛歯状導体層の二つの櫛歯状導体層間を短絡するショートバーとしての役割となるため、絶縁フィルムに上部導体層の導出部を設ける必要がなくて、絶縁基板に二つの円形櫛歯状導体層からの導出部のみを設ければよくなり容易かつ安価なものにできるという作用効果を有する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、絶縁基板面の下部導体層の中央に配設した中央押圧スイッチを、操作体の中央に独立して配設された押ボタンで、絶縁フィルムの円形領域部の中央およびドーム状可動接点の中央に設けた丸孔を通して押圧操作するものであり、操作体を傾倒操作した角度方向による入力信号に加えて、押ボタンを押圧することにより別の信号を発することができる多方向入力用電子部品を実現できるという作用効果を有する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、絶縁基板が、多方向入力用電子部品を使用する電子機器の配線基板であるものであり、多方向入力用電子部品を使用する電子機器全体として、小型で安価に構成することができるという作用効果を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9を用いて説明する。
【0019】
なお、判り易くするために、各断面図における絶縁フィルム付近の厚さ寸法を拡大して表わしている。
【0020】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による多方向入力用電子部品の正面断面図、図2は分解斜視図である。
【0021】
同図において、11は弾性を有する絶縁フィルムで、絶縁基板13と所定の間隔をあけて対向するように、内径が円形に構成されている筒状のスぺーサ14を介して固定されている。
【0022】
そして、この絶縁フィルム11において、スぺーサ14による固定部分から内部側に亘る領域が、所定径の円形領域部12として機能する部分に構成されたものとなっている。
【0023】
この絶縁フィルム11の上面には、図3の絶縁フィルムの平面図に示すように、円形領域部12の外方であるスぺーサ14の上部に、周辺接点15が良導電性の塗料で印刷形成され、また、円形領域部12上の、周辺接点15の直径の約1/2に相当する位置に、一定幅の円形リング状で一様な比抵抗の抵抗層16が円形領域部12と同心状に印刷形成されている。
【0024】
なお、周辺接点15は円形リング状でなく、一部が欠如していてもよい。
【0025】
そして、周辺接点15から出力端子15Aが導出されると共に、抵抗層16に120°の角度間隔で設けられた三つの導出点16A,16B,16Cから出力端子17A,17B,17Cがそれぞれ導出されている。
【0026】
また、絶縁フィルム11の上部には、弾性金属薄板を椀状に絞り加工したドーム状可動接点18が、円形領域部12と同心状で外周下端部が周辺接点15上に載り、抵抗層16を所定の間隔をあけて覆うように載せられ、その周囲を可撓性を有する粘着フィルム19で位置決めされている。
【0027】
なお、このドーム状可動接点18および円形領域部12の中心には、抵抗層16の内周よりも少し小さい丸孔18Aおよび12Aが設けられている。
【0028】
一方、絶縁フィルム11の円形領域部12の下面には、抵抗層16の裏面に円形リング状の上部導体層20が、そしてこれと所定の間隔をあけて対向する絶縁基板13上には円形リング状の下部導体層21が、それぞれ良導電性の塗料で印刷形成され、それぞれの導体層から出力端子20Aおよび21A(図2に出力端子21Aのみを図示し、出力端子20Aは図示せず)が導出されている。
【0029】
なお、円形領域部12の丸孔12Aの周囲下部と絶縁基板13の間には、上部導体層20と下部導体層21が安定して所定の間隔を保つように、円形リング状の小スぺーサ13Aが配設されている。
【0030】
そして、絶縁基板13上の、円形領域部12の丸孔12A内の部分すなわち、小スぺーサ13Aの内側には、中央押圧スイッチが配設されている。
【0031】
この中央押圧スイッチ22は、中心接点23Aと外方接点23Bからなる固定接点23上に、弾性金属薄板を椀状に絞り加工した小ドーム形状の可動接点24を載せて、可撓性を有する粘着フィルム25で覆って位置決めした構成となっている。
【0032】
一方、26はこの多方向入力用電子部品を操作するための略円盤状の操作体で、絶縁基板13と結合された基体部29の上面孔29Aの段部29B下面に、その外周段部26Aが当接して、下方への動きによる傾倒が可能であるように支持されると共に、下面に設けられた、円形領域部12の抵抗層16の中心径にほぼ等しい径の円形突出部27がドーム状可動接点18の上部に同心状に載り、通常状態において、上面の押圧操作部28が基体部29の上面と平行になっている。
【0033】
そして、操作体26の中央孔26B内に下方へ独立して動くように配設された30は押ボタンで、下面の突部30Aがドーム状可動接点18および絶縁フィルム11の円形領域部12中心の丸孔18Aおよび12Aを通って、中央押圧スイッチ22の可動接点24の中央上部に当接しており、通常状態において上端の押圧面30Bが操作体26の押圧操作部28とほぼ同一高さとなっている。
【0034】
なお、本実施の形態による多方向入力用電子部品において、絶縁基板13は多方向入力用電子部品を使用する電子機器の配線基板の一部を使用しており、このようにすることによって、電子機器全体として小型で安価なものとなっている。
【0035】
本実施の形態による多方向入力用電子部品は以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0036】
まず、図1に示す通常状態では、周辺接点15の出力端子15A(図3参照)はオープン状態で、抵抗層16の三つの出力端子相互の間、すなわち出力端子17A−17B間、17B−17C間、17C−17A間はいずれも同じ抵抗値となっている。
【0037】
そして、図4の正面断面図に矢印で示すように、操作体26上面の押圧操作部28の所望の角度方向位置を押圧すると、操作体26は押された位置とは反対側の外周段部26Aと基体部29の上面孔29A周囲の段部29B下面との当接部を支点として傾倒し、下面に設けられた円形突出部27の押圧位置下方の部分がドーム状可動接点18を部分的に下方に押してクリック節度感と共に部分弾性反転させて、図3に例示したような、対向する絶縁フィルム11の円形領域部12上の抵抗層16上面の一つの接触点31で接触する。
【0038】
これによって、周辺接点15と抵抗層16上面の接触点31はドーム状可動接点18を介して短絡され、周辺接点15の出力端子15Aと抵抗層16の三つの出力端子17A,17B,17Cの間には、それぞれ接触点31の角度位置すなわち所望の操作方向に対応した抵抗値が導出され、この抵抗値に対し後述の手順により演算処理をして、操作体26を傾倒操作した方向の入力信号を発することができるものである。
【0039】
そして、この状態すなわちドーム状可動接点18が部分弾性反転して抵抗層16上面の接触点31に接触したままの状態で、押圧操作部28の所望の角度方向位置を押圧している力を更に強くすると、図5の正面断面図に示すように、今度は抵抗層16を形成した絶縁フィルム11の円形領域部12の接触点31付近が下方に部分的に弾性変形し、その下面の上部導体層20が対向する絶縁基板13上の下部導体層21に接触して、その信号がそれぞれの導体層の出力端子(図示せず)から導出される。
【0040】
すなわち、この上部導体層20と下部導体層21の出力端子からの出力によって、上記の周辺接点15の出力端子15Aと抵抗層16の出力端子17A,17B,17Cから導出される抵抗値による入力信号のレベルを、別のレベルに切り換えるようにできる。
【0041】
この後、操作体26の押圧操作部28に加えていた押し力を除くと、絶縁フィルム11が自身の弾性復元力により元の平面状に戻って、上部導体層20と下部導体層21が離れて両者の間が所定の間隔となり、また、ドーム状可動接点18も自身の弾性復元力により元のドーム形状に戻ることによって、抵抗層16上面の接触点31から離れると共に、操作体26は下面の円形突出部27を押し上げられて、外周段部26Aが基体部29の上面孔29Aの段部29B下面に当接し、上面の押圧操作部28が基体部29の上面と平行な図1の状態に戻る。
【0042】
なお、上記の説明において、絶縁フィルム11の円形領域部12の下面に設ける上部導体層20とこれに所定の間隔をあけて対向する絶縁基板13上に設ける下部導体層21は、いずれも円形リング状であるとした。
【0043】
このように、上部導体層20および下部導体層21を共に円形リング状にすれば、両導体層20,21は簡単な構成で容易に形成することができ、安定した接触特性を有するが、上部導体層20から出力端子への導出部を絶縁フィルム11の裏面に設けなければならない。
【0044】
しかし、図6の他の構成の下部導体層の平面図にハッチングで示すように、絶縁基板13上に設ける下部導体層32を、電気的に絶縁された二つの同心状の円形リング層33A,33Bからそれぞれ外方および内方に所定の角度間隔で交互に突出した複数個ずつの櫛歯状導体層34A,34Bが、円形リング状の上部導体層(図示せず)と同一径上で平行している円形櫛歯状導体層32A,32Bとしてもよい。
【0045】
この構成とすれば、上部導体層20は、下部導体層32としての円形櫛歯状導体層32A,32Bの二つの櫛歯状導体層34A,34B間を短絡するショートバーとしての役割となるため、絶縁フィルム13に上部導体層20の導出部を設ける必要がなく、絶縁基板13に二つの円形櫛歯状導体層32A,32Bからの導出部を設けるのみでよいので、導出部の構成が容易となって安価にすることができる。
【0046】
次に、操作体26の傾倒操作により出力端子15Aおよび17A,17B,17Cに導出された抵抗値に対し演算処理をして、傾倒操作した方向の入力信号を発する手順について、図7の概念図を用いて説明する。
【0047】
同図において、35は本実施の形態による多方向入力用電子部品(以下の説明において、電子部品35と表わす)で、36は電気回路部を示す。
【0048】
すなわち、16は前述の円形リング状で一様な比抵抗の抵抗層で、120°の角度間隔に設けられた三つの導出点16A,16B,16Cからそれぞれ出力端子17A,17B,17Cが導出されており、またドーム状可動接点18(外形を点線で示す)に接続した周辺接点15から導出された出力端子15Aも同様に電気回路部36に接続されている。
【0049】
そして、このような構成において、前述のように、電子部品35の操作体26(図7には示さず)上面の押圧操作部28の所望の押圧角度位置を押圧して、操作体26を所望の方向に傾倒操作し、ドーム状可動接点18を部分弾性反転させて抵抗層16の接触点31に接触させる。
【0050】
この状態において、まず、第一の通電条件として、端子17Aに電圧(例えば、5ボルト)を印加し、端子17Bをアース(0ボルト)に接続し、端子17Cはオープン状態として、電気回路部36において端子15Aに出力される電圧(電圧比)を読み取り、あらかじめ記憶されているデータと照合することによって、接触点31の位置は導出点16Aと16Bの間の導出点16C側とは逆側のP1点か、導出点16C側のP2点であるという第一のデータが得られる。
【0051】
次に、第二の測定条件として、端子17Aに電圧(例えば、5ボルト)を印加し、端子17Bはオープン状態として、端子17Cをアース(0ボルト)に接続し、電気回路36において端子15Aに出力される電圧(電圧比)を読み取り、あらかじめ記憶されているデータと照合することによって、接触点31の位置は導出点16Aと16Cの間の導出点16B側のP1点か、導出点16Bとは逆側のP3点であるという第二のデータが得られる。
【0052】
そして、電気回路36において第一のデータと第二のデータを比較して、一致するP1点の方向が傾倒操作した方向であると認識してその信号を発する。
【0053】
なお、これらのデータの取得および演算処理は高速で繰り返し行なわれる。
【0054】
このように、本実施の形態による多方向入力用電子部品36を使用すれば、操作体26の傾倒操作時に、複数の通電条件下において得られた複数のデータである抵抗層16の接触点31における電圧(電圧比)を演算処理して操作体26を傾倒操作した方向を認識するものであるから、高い分解能で認識して多くの方向の入力信号を発することができる。
【0055】
更に、前述のように、操作体26上面の押圧操作部28を押圧している力をより強くして、抵抗層16を形成した絶縁フィルム11の円形領域部12の接触点31付近を部分的に弾性変形させて下面の上部導体層20を対向する絶縁基板13上の下部導体層21に接触させることにより、それぞれの導体層の出力端子から導出される信号によって、上記の操作体26を傾倒操作した方向による各入力信号のレベルを別のレベルに切り換えることができるので、操作体26を傾倒操作した方向によって入力できる数を、さらに2倍にすることができる。
【0056】
なお、以上の説明では、抵抗層16の三つの出力端子17A,17B,17Cを導出する三ヶ所の導出点16A,16B,16Cを120°の等角度間隔で設けると説明したが、これは必ずしも等間隔である必要はなく、三ヶ所の導出点16A,16B,16Cの間にある程度の角度間隔があればよいものである。
【0057】
また、抵抗層16の導出点および出力端子の数を三つでなく四つ以上としても、同様の手順により演算処理することができる。
【0058】
そして、以上のように、操作体26上面の押圧操作部28の所定の角度方向位置を押圧して選択した所望の入力の決定・実行等のための別の信号を発するのが中央押圧スイッチ22である。
【0059】
すなわち、図1に示す通常状態において、操作体26の中央孔26B内に配設された押ボタン30の押圧面30Bを、図8の正面断面図に矢印で示すように、垂直下方に押圧すると、その下面の突部30Aが小ドーム形状の可動接点24の中央上部を下方に押して節度感と共に中央部分を弾性反転させ、図8に示すように、可動接点24の中央下面を中心接点23Aに接触させる。
【0060】
これにより、中央押圧スイッチ22の固定接点23の中心接点23Aと外方接点23Bが短絡されて、その信号は出力端子(図示せず)を介して、この多方向入力用電子部品を使用する電子機器の回路に伝達される。
【0061】
そして、押ボタン30に加える押圧力を除くと、可動接点24は自身の弾性復元力によって小ドーム形状に戻るとともに、押ボタン30を押し上げて元の図1の状態に復帰する。
【0062】
なお、この中央押圧スイッチ22は上記構成のものとせずに、単体で薄型スイッチに予め構成されたものを配してもよいし、また必ずしも多方向入力用電子部品内に一体に設ける必要はなく、上記多方向入力用電子部品とは別に押圧スイッチ等を設ける場合には、ドーム状可動接点18および絶縁フィルム11の円形領域部12中心の丸孔18Aと12Aおよび操作体26の中央孔26Bは不要である。
【0063】
なお、図9の他の構成の要部となる絶縁フィルム11と絶縁基板13の分解斜視図に示すように、絶縁フィルム11上の抵抗層16の代わりに、リング状に配列された複数の接点41を配したものとして構成してもよい。
【0064】
上記図9においては、絶縁フィルム11上に構成されている導電部分にハッチングを付すと共に、その他の部材や構成などは、上述の抵抗層16を配設したものと同じであるため図示およびその説明などは省略する。
【0065】
この構成であっても、操作体26を傾倒させてその接点41が配された角度位置で所定信号が得られ、その角度方向位置において操作体26を更に強く押圧操作し、上部導体層20と対向する下部導体層21を接触させて、入力レベルを切り換えることができるものにできる。
【0066】
つまり、この構成であっても、従来のものと比して配置してある接点41の総数の2倍の入力が可能となるものにできる。
【0067】
なお、このとき操作体26は、基体部29などの部材で回転しないように規制されて傾倒可能な構成とすると共に、ドーム状可動接点18上に載る突出部を各接点41の配列状態に合わせるように設け、押圧傾倒操作時に、接点41の配置位置に応じた位置に確実にドーム状可動接点18が部分的に弾性反転して当接できるように構成することが肝要である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、近年の小型化された電子機器に使用できる電子部品の大きさにおいて、操作体の押圧操作部を押圧して傾倒させることにより入力レベルを切り換えたり、より多くの方向に入力できると共に各入力レベルを切り換えることができる多方向入力用電子部品を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による多方向入力用電子部品の正面断面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同要部である絶縁フィルムの平面図
【図4】同押圧操作部を押圧して操作体を傾倒させた状態の正面断面図
【図5】同押圧操作部を更に強く押圧して操作体を傾倒させた状態の正面断面図
【図6】同他の構成の要部となる下部導体層の平面図
【図7】同操作体の傾倒時に出力される抵抗値を演算処理して、傾倒操作方向の入力信号を発する手順を説明する概念図
【図8】同押ボタンを押圧して中央押圧スイッチを動作させる場合の正面断面図
【図9】同他の構成の要部となる絶縁フィルムと絶縁基板の分解斜視図
【図10】従来の多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチの正面断面図
【図11】同分解斜視図
【図12】同操作体を傾倒させた状態の正面断面図
【符号の説明】
11 絶縁フィルム
12 円形領域部
12A,18A 丸孔
13 絶縁基板
13A 小スぺーサ
14 スぺーサ
15 周辺接点
15A,17A,17B,17C 出力端子
16 抵抗層
16A,16B,16C 導出点
18 ドーム状可動接点
19,25 粘着フィルム
20 上部導体層
21,32 下部導体層
22 中央押圧スイッチ
23 固定接点
23A 中心接点
23B 外方接点
24 可動接点
26 操作体
26A 外周段部
26B 中央孔
27 円形突出部
28 押圧操作部
29 基体部
29A 上面孔
29B 段部
30 押ボタン
30A 突部
30B 押圧面
31 接触点
32A,32B 円形櫛歯状導体層
33A,33B 円形リング層
34A,34B 櫛歯状導体層
35 多方向入力用電子部品
36 電気回路部
41 リング状に配列された複数の接点

Claims (5)

  1. 絶縁基板面とスぺーサを介して所定の間隔をあけて対向し、上記スぺーサによる固定部分から内部側に亘る領域が所定径の円形領域部として機能する部分となる弾性を有する絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの上記スぺーサの上部に設けられた周辺接点と、この周辺接点上に外周下端部が載り、上記絶縁フィルムの円形領域部と同心状に上記絶縁フィルム上部に配設された弾性金属薄板製の円形のドーム状可動接点と、上記絶縁フィルムの円形領域部の中心と上記スぺーサの内周との中間部上面に配設された、上記円形領域部と同心状の円形リング状で所定の角度間隔の三ヶ所以上の位置に出力部が設けられた抵抗層、あるいは上記位置にリング状に配列された複数の接点と、上記絶縁フィルムの上記抵抗層あるいは複数の接点の裏面に設けられた上部導体層と、この上部導体層と対向して上記絶縁基板面に設けられた下部導体層と、上面が押圧操作部で、下面の上記抵抗層あるいは複数の接点に対応した突出部が上記ドーム状可動接点の上部に載ると共に、上記絶縁基板と結合された基体部により傾倒可能に支持された操作体からなり、上記押圧操作部の所望の角度方向位置を押圧して上記操作体を傾倒させると、上記ドーム状可動接点が部分弾性反転して上記抵抗層あるいは複数の接点の一点に接触し、上記押圧操作部を更に強く押圧すると、上記絶縁フィルムの円形領域部が部分的に下方に弾性変形して、上記上部導体層と下部導体層が接触する多方向入力用電子部品。
  2. 上部導体層と下部導体層が対向する円形リング状導体層である請求項1記載の多方向入力用電子部品。
  3. 上部導体層が円形リング状導体層で、下部導体層が電気的に絶縁された二つの円形リング層からそれぞれ外方および内方に交互に突出した複数個ずつの櫛歯状導体層が上記上部導体層と同一径上で平行している円形櫛歯状導体層である請求項1記載の多方向入力用電子部品。
  4. 絶縁基板面の下部導体層の中央に配設した中央押圧スイッチを、操作体の中央に独立して配設された押ボタンで、絶縁フィルムの円形領域部の中央およびドーム状可動接点の中央に設けた丸孔を通して押圧操作する請求項1記載の多方向入力用電子部品。
  5. 絶縁基板が、多方向入力用電子部品を使用する電子機器の配線基板である請求項1記載の多方向入力用電子部品。
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