JP3923789B2 - 多方向入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作部材の傾倒操作により傾倒方向に対応した検出信号を発生する多方向入力装置の構造に係わり、特に、操作部材のプッシュ操作によっても検出信号を発生することができる多方向入力装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
多方向入力装置は、携帯電話などのファンクション選択用として、あるいはアナログ式の前方位検出デバイスなどとしておもに使用されている。この従来の多方向入力装置の構造としては、一般的に、タブレットシートを使用した構造のものが知られている。
【0003】
このタブレットシートを使用した多方向入力装置の構造は、対向する2枚のシートの接触面に、それぞれ均一な抵抗体層を印刷などの手段で形成し、このそれぞれのシート間をドットスペーサで離間させたタブレットシートと、このタブレットシート上に配設され、縦横(上下左右)方向に傾倒動作可能な操作つまみ部を有する操作部材とから構成されている。
【0004】
この多方向入力装置を動作させる場合には、操作部材の操作つまみ部を所望の方向に傾倒させることにより、操作部材の下側に設けられた押圧作動部がタブレットシートの任意の位置を押圧することとなる。この押圧により、タブレットシートの2枚のシート間の任意の位置の抵抗体層同士が接触されることとなり、この押圧位置での電位をタブレットシートに形成された方位検出用の電極部を介して読み取ることにより、XY座標位置を算出するものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の多方向入力装置の構造においては、操作つまみ部の傾倒方向の検出しか行えないため、例えば、携帯電話などのファンクション選択においては、メニュー選択を操作つまみ部の傾倒によって行い、これに連続して選択した機能を確定させたい場合には、対応できないという問題があった。
【0006】
これに対応するために、タブレットシートの下面に押圧スイッチを配置することも考えられるが、方位検出用のスイッチ部と押圧用のスイッチ部との配線を共通にすることができず、組み立て作業が煩雑になるのに加えて装置の薄型化が図れないという問題があった。
【0007】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、傾倒方向の検出に加えて押圧方向の検出も可能であると共に、配線が簡略化できて装置の小型化が図れる多方向入力装置の構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、対向する面に導電部が形成された一対の導電シート間を絶縁スペーサによって離間させ、前記導電シートの内、少なくとも一方の導電シートの導電部に抵抗体層とこれに接続する方位検出用の電極部を形成したセンサーシートと、このセンサーシート上に傾倒可能に配設され、傾倒することにより対向する前記導電シート間を導通させる操作部材と、前記センサーシートの中央に設けられた、前記操作部材が押圧された時にセンター位置を検出する押圧スイッチ手段とを備え、前記押圧スイッチ手段は、前記センサーシートの中央に、前記導電部の一部が削除された非導電領域からなる空隙部を形成し、この空隙部に、前記操作部材が押圧された時に接触する押圧スイッチ用の接点部を形成する構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、第2の手段として、前記押圧スイッチ手段は、前記センサーシートと、このセンサーシートの中央に形成されるドーム状の膨出部を有する反転ばねとからなり、前記反転ばねは、その膨出部の頂部が、前記センサーシート上に傾倒可能に配設される前記操作部材のセンター位置に対応する位置に形成するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、第3の手段として、前記操作部材には、傾倒及び押圧操作用の操作つまみ部と、前記センサーシート上を押圧する押圧作動部が設けられ、前記操作つまみ部と前記押圧作動部との間に、前記操作部材が押圧された時のクリック感を発生させるクリックばねを内設したことを特徴とする。
【0012】
また、第4の手段として、前記押圧スイッチ用の接点部は、前記センサーシートの一方の導電シートに印刷形成された固定接点と、この固定接点と対向して配設され、押圧時に反転可能な膨出部を有する金属製の可動接点とから構成したことを特徴とする。
【0013】
また、第5の手段として、前記センサーシートの他方の導電シートに形成された前記空隙部に貫通孔を形成し、この貫通孔を介して、前記可動接点の膨出部を前記操作部材の押圧作動部で直接押圧可能としたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図12に示す。図1は多方向入力装置の縦断面図、図2はセンサーシートの導通状態を示す動作説明図、図3は上部導電シートの平面図、図4は下部導電シートの底面図、図5は上部導電シートの変形例の平面図、図6は下部導電シートの変形例の底面図、図7はセンサーシートに可動接点を配設した状態の部分説明図、図8は信号処理回路を示すブロック図、図9乃至12は他の実施例を示し、図9はセンサーシートと反転ばねを示す部分説明図、図10は上部導電シートの平面図、図11は下部導電シートの底面図、図12は信号処理回路を示すブロック図である。
【0016】
図1乃至図6は本発明の第1の実施例を示すもので、図において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材で上面が開口された箱状に形成されている。このハウジング1の開口内には有底状の収納部1aが設けられており、この収納部1aの内底部には、ポリイミドやPETなどの絶縁性の樹脂シートなどからなるセンサーシート2が配設されている。
【0017】
前記センサーシート2は、対向する面に導電部が形成された一対の上部導電シート3、及び下部導電シート4から形成されており、それぞれの間には、同じく絶縁性の樹脂シートなどからなる絶縁スペーサ5が介在され、お互いが離間されたものとなっている。
【0018】
前記上部導電シート3は、図3に示すように、略円形の基板部3aと、この基板部3aの一端から延出された長尺状の接続部3bとから形成されている。前記基板部3aの底面側には、導電性のカーボン層などを印刷することにより、中央の一部が削除されてドーナツ状に形成された上部電極層3cが、基板部3aのほぼ全面にわたって設けられている。また、前記上部電極層3cの中央の空隙部には、同じく導電性のカーボン層などを印刷することにより、押釦スイッチ用の固定接点3dが形成されている。この固定接点3dは、中央の空隙部により前記上部電極層とは離間されて非導通状態となっている。
【0019】
また、前記接続部3bには、前記上部電極層3cから引き出されるリード部3eが形成されており、このリード部3eと対向する前記接続部3bの表面側には、前記固定接点3dから引き出されるリード部3fがそれぞれ形成されている。
【0020】
前記下部導電シート4は、図4に示すように、同じく略円形の基板部4aと、この基板部4aの一端から延出された長尺状の接続部4bとから形成されている。前記基板部4aの上面側には、導電性のカーボン層などを印刷することにより、中央の一部が削除されてドーナツ状に形成された下部抵抗体層4cが、基板部4aのほぼ全面にわたって設けられている。また、前記下部抵抗体層4cの中央の空隙部には、同じく導電性のカーボン層などを印刷することにより、押釦スイッチ用の固定接点4dが形成されている。この固定接点4dは、中央の空隙部により前記下部抵抗体層4cとは離間されて非導通状態となっている。
【0021】
また、前記下部抵抗体層4cには、外縁部の左、上、右、下方向の四角部に方位検出用の電極部4e、4f、4g、4hがそれぞれ接続されて形成されている。また、前記接続部4bには、前記電極部4e、4f、4g、4hから引き出されるリード部4i、4j、4k、4lが形成されており、さらには、前記固定接点4dから引き出されるリード部4mがそれぞれ形成されている。
【0022】
図5及び図6は、前記上部導電シート3、及び前記下部導電シート4の変形例を示しており、この場合、前記基板部3a、4aの形状は略円形ではなく、矩形状に形成されており、これに伴って、前記上部電極層3c、及び前記下部抵抗体層4cの形状も矩形状に形成されている。そして、前記下部抵抗体層4cに接続される方位検出用の前記電極部4e、4f、4g、4hの位置は、外縁部の対角線上の四角部に形成されるものとなっている。
【0023】
前記センサーシート2の上面には、前記ハウジング1の収納部1aに傾倒可能に収納された操作部材6が配設されている。この操作部材6は、シリコンゴムや可撓性を有するエラストマー樹脂などの絶縁材で形成されており、前記ハウジング1の収納部1aに係止される基部6aと、この基部6aから屈曲されて変形可能に形成された弾性腕部6bと、この弾性腕部6bの中央に形成された操作突部6c、及び前記センサーシート2上を押圧する押圧作動部6dとが設けられており、また、前記操作突部6cの上部には指などで操作するための操作つまみ部6eが形成されている。
【0024】
前記操作部材6は、前記操作つまみ部6eの傾倒操作に加えて、センター位置でのプッシュ(押圧)操作も可能となっており、前記操作つまみ部6eと前記押圧作動部6dとの間には、前記操作部材6が押圧された時にクリック感を発生させるために、ドーム状をした膨出部を有する金属板からなるクリックばね7が内設されたものとなっている。
【0025】
前記操作部材6に、前記クリックばね7を内設することにより、押圧操作時のクリック感が得られることから、操作性が向上されるものとなる。また、前記クリックばね7を前記操作部材6内に内設したので、装置の厚み方向の大きさを小さくすることができるものとなっている。
【0026】
図2は、前記操作部材6が押圧操作された状態を示している。この場合、前記押圧作動部6dが前記センサーシート2の上面を押圧することにより、前記上部導電シート3が下方に撓んで、前記上部導電シート3のセンター位置に形成された、押圧スイッチ用の接点部である前記固定接点3dと、前記下部導電シート4のセンター位置に形成された、押釦スイッチ用の接点部である前記固定接点4dとが接触して導通することとなり、前記リード3fと4mを通して信号が出力されることで押圧操作の検出が可能となっている。
【0027】
このように上記構成においては、前記センサーシート2の面内に、押圧スイッチ用の接点部として、前記固定接点3d、及び4dを対向して配設したので、配線を共通にすることができるため、組み立て作業が容易となり装置の薄型化が図れるものとなっている。
【0028】
図7は、前記センサーシート2の第2の実施例を示すもので、この場合、前記センサーシート2に形成された押釦スイッチ用の接点部の構成が一部相違している。すなわち、本実施例においては、前記上部導電シート3のセンター位置に形成された前記固定接点3dの代わりに、押圧時に反転可能な膨出部を有する金属製の可動接点8が設けられた構成となっている。
【0029】
このように、スイッチ用の接点部である前記上部導電シート3の固定接点3dを、反転可能な金属製の前記可動接点8で形成することにより、押圧時のクリック用のばねと押圧スイッチ用の可動接点とを兼用させることができるため、前記操作部材6に前記クリックばね7を内設する必要が無くなり、部品点数の削減が図れると共に、組み立ての簡易化が図れることから、安価対応が可能となっている。
【0030】
また、図示はしないが、前記センサーシート2の、前記上部導電シート3の中央に形成された前記空隙部に貫通孔を形成するようにして、この貫通孔を介して、前記可動接点8の膨出部を、前記操作部材6の押圧作動部6dで直接押圧可能な構成とすることにより、前記可動接点8が、例え小径に形成された場合においても、膨出部の頂部を前記押圧操作部6dで直接押圧操作でき、確実な接触が得られるため、装置の小形化、薄型化が図れるものとなる。
【0031】
次に、図8を用いて前記操作部材6の傾倒操作位置(方位)の検出について説明する。
前記センサーシート2は、前記下部導電シート4の下部抵抗体層4cに設けられた方位検出用の、左右の電極部4e、4g間、及び上下の電極部4f、4h間に電圧を加えると、電流が抵抗を通る距離によって電圧が変化する(オウムの法則)ので、各電極部間を結ぶ直線と直交する方向に等電位線が形成されることとなる。この等電位線は直線の中央に行くに従って間隔が広がり、左右(あるいは上下)に行くに従って徐々に起き上がっており、上下(あるいは左右)対称となっている。
【0032】
この下部抵抗体層4cのある位置(図にP1で示す)に前記上部導電シート3の上部電極層3cが接触されると、その接触点での左右の電極部4e、4g間の第1の電圧と、上下の電極部4f、4h間の第2の電圧とが上部電極層3cを介して読み出されるものとなる。この場合、下部抵抗体層4cのある位置での第1、第2の電圧の組み合わせは一通りしかないため、両電圧を検出することによりP1の位置を判定することができる。
【0033】
尚、この両電圧と位置との関係のデータを制御回路(CPU)に入力しておくことで全方位の検出が可能となる。
【0034】
図8に示す信号処理回路は、直流を交互に流すことによりどの信号かを判別できるようにしている。図で、前記操作部材6によって押圧操作される上部電極層3cと、上部電極層3cが導通される下部抵抗体層4cと、下部抵抗体層4cの周縁部に配設された各電極部4e、4f、4g、4hと、左右の電極部4e、4g間、上下の電極部4f、4h間に交互に直流電圧を加える電圧出力部50と、左右の電極部4e、4g間の第1の電圧と、上下の電極部4f、4h間の第2の電圧を上部電極層3cを介して読み取る検知手段(A/D変換部)51と、電圧出力部50の電圧印加に同期させて、検知手段(A/D変換部)51のデータを判定して上部電極層3cが下部抵抗体層4cと導通した位置を判定する判定手段(CPU部)52とを設けてある。
【0035】
尚、本例では、電圧出力部50で交互に直流電圧を加えるため、スイッチング素子が必要であるが、この動作はCPU部52によって行うようにしている。
【0036】
図9乃至図11は、前記センサーシート2の参考例を示すもので、この場合、前記センサーシート2に形成される押釦スイッチ用の接点部の構成が相違している。すなわち、本参考例においては、上部導電シート13と、下部導電シート14に形成される導電部は、全て抵抗体層から形成されており、押釦スイッチ用の接点部は別途設けるのではなく、上下の抵抗体層が接点部を兼用する構成となっている。尚、図1乃至図7で説明した同一部品については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
上部導電シート13は、図10に示すように、略円形の基板部13aと、この基板部13aの一端から延出された長尺状の接続部13bとから形成されている。前記基板部13aの底面側には、導電性のカーボン層などを印刷することにより、上部抵抗体層13cが基板部13aのほぼ全面にわたって設けられている。
【0038】
また、前記上部抵抗体層13cには、外縁部の左右方向の2角部に方位検出用の電極部13d、13eがそれぞれ接続されて形成されている。また、前記接続部13bには、前記電極部13d、13eから引き出されるリード部13f、13gがそれぞれ形成されている。
【0039】
下部導電シート14は、図11に示すように、同じく略円形の基板部14aと、この基板部14aの一端から延出された長尺状の接続部14bとから形成されている。前記基板部14aの上面側には、導電性のカーボン層などを印刷することにより、下部抵抗体層14cが基板部14aのほぼ全面にわたって設けられている。
【0040】
前記下部抵抗体層14cには、外縁部の上下方向の2角部に方位検出用の電極部14d、14eがそれぞれ接続されて形成されている。また、前記接続部14bには、前記電極部14d、14eから引き出されるリード部14f、14gがそれぞれ形成されている。
【0041】
前記センサーシート2の上面中央には、ドーム状の膨出部を有する反転ばね15が配設されており、この反転ばね15を介して、前記センサーシート2の上面に前記ハウジング1の収納部1aに収納された前記操作部材6が配設されている。この場合、前記反転ばね15は、その膨出部の頂部が、前記センサーシート2上に傾倒可能に配設される前記操作部材6のセンター位置に対応する位置に形成されるものとなっている。
【0042】
前記操作部材6が押圧操作された場合、前記操作部材6の押圧作動部6dが、前記反転ばね15のドーム状の膨出部の頂部を押圧することとなる。そして、前記反転ばね15が反転することにより反転したドーム状の膨出部の頂部によって前記センサーシート2の上面中央が押圧される。この押圧により前記上部導電シート13が下方に撓んで、前記上部導電シート13の上部抵抗体層13cのセンター部と、前記下部導電シート14の下部抵抗体層14cのセンター部とが接触して導通することとなり、この時の電位を読み出すことにより押圧操作の検出が可能となっている。
【0043】
この場合、押圧操作は、前記センサーシート2の前記ドーム状の反転ばね15の内周縁によって囲まれた内側(膨出部の頂部の対向位置)が押圧されることとなるため、この時の電位を検出して、所定の座標範囲内の位置であることを判定手段(CPU)で判定するようにすればよい。
【0044】
上記参考例の構成によれば、前記操作部材6の傾倒時には、前記操作部材6の押圧作動部6dが前記反転ばね15のドーム状の膨出部のセンター位置から外れることとなり、ドーム状の膨出部の周縁よりも内側が押圧しにくいものとなる。また、センタープッシュ時には、前記操作部材6の押圧作動部6dが前記反転ばね15のドーム状の膨出部のセンター位置に位置することから、ドーム状の膨出部が反転して膨出部の頂部が前記センサーシート2のセンター位置を押圧することとなる。
【0045】
このため、前記操作部材6の傾倒操作時に誤ってセンター入力されることがなく、確実に選択入力することができる。また、センター入力時に前記反転ばねが反転することによりクリック感が得られるため、操作性が向上するものとなっている。
【0046】
次に、図12を用いて前記操作部材6の傾倒操作位置(方位)の検出について説明する。
前記センサーシート2は、前記上部導電シート13の上部抵抗体層13cに設けられた方位検出用の、左右の電極部13d、13e間に電圧を加えると、電流が抵抗を通る距離によって電圧が変化する(オウムの法則)ので、電極部間を結ぶ直線と直交する方向に等電位線が形成されることとなる。この等電位線は直線の中央に行くに従って間隔が広がり、左右に行くに従って徐々に起き上がっており、上下対称となっている。また、前記下部導電シート14の下部抵抗体層14cに設けられた方位検出用の、上下の電極部14d、14e間に電圧を加えると、電流が抵抗を通る距離によって電圧が変化する(オウムの法則)ので、電極部間を結ぶ直線と直交する方向に等電位線が形成されることとなる。この等電位線は直線の中央に行くに従って間隔が広がり、上下に行くに従って徐々に起き上がっており、左右対称となっている。
【0047】
前記下部抵抗体層14cのある位置(図にP2で示す)に前記上部抵抗体層13cが接触されると、その接触点での上部抵抗体層13cの左右の電極部13d、13e間の第1の電圧と、下部抵抗体層14cの上下の電極部14d、14e間の第2の電圧とがそれぞれ読み出されるものとなる。この場合、上部部抵抗体層13cのある位置での第1の電圧と、下部部抵抗体層14cのある位置での第2の電圧との組み合わせは一通りしかないため、両電圧を検出することによりP2の位置を判定することができる。
【0048】
尚、この両電圧と位置との関係のデータを制御回路(CPU)に入力しておくことで全方位の検出が可能となる。
【0049】
図12に示す信号処理回路は、直流を交互に流すことによりどの信号かを判別できるようにしている。図で、前記操作部材6によって押圧操作される上部抵抗体層13cと、上部抵抗体層13cと導通される下部抵抗体層14cと、上部抵抗体層13c、及び下部抵抗体層14cの周縁部に配設された各電極部13d、13e、14d、14eと、上部抵抗体層13cの左右の電極部13d、13e間、下部抵抗体層14cの上下の電極部14d、14e間に交互に直流電圧を加える電圧出力部60と、上部抵抗体層13cの左右の電極部13d、13e間の第1の電圧と、下部抵抗体層14cの上下の電極部14d、14e間の第2の電圧をそれぞれ読み取る検知手段(A/D変換部)61と、電圧出力部60の電圧印加に同期させて、検知手段(A/D変換部)61のデータを判定して上部抵抗体層13cが下部抵抗体層14cと導通した位置を判定する判定手段(CPU部)62とを設けてある。
【0050】
尚、同じく本例では、電圧出力部60で交互に直流電圧を加えるため、スイッチング素子が必要であるが、この動作はCPU部62によって行うようにしている。
【0051】
本参考例においては、前記センサーシート2の構成を、対向する前記上部導電シート13、及び下部導電シート14の2枚の接触面に、均一な前記上部抵抗体層13c、及び下部抵抗体層14cを形成して、両者間を絶縁スペーサで隔離させた全面抵抗体層からなるシートで構成するようにしたので、前記操作部材6を操作させたときには、傾倒方向のある位置(押圧位置)での電位を、2枚の抵抗体シートのそれぞれの接触位置から読み取ることができるため、押圧位置をより確実に読み取ることができ、XY座標の算出が容易に行えるものとなっている。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多方向入力装置の構造は、対向する面に導電部が形成された一対の導電シート間を絶縁スペーサによって離間させ、導電シートの内、少なくとも一方の導電シートの導電部に抵抗体層とこれに接続する方位検出用の電極部を形成したセンサーシートと、このセンサーシート上に傾倒可能に配設され、傾倒することにより対向する導電シート間を導通させる操作部材とを備え、センサーシートの中央に、操作部材が押圧された時にセンター位置を検出する押圧スイッチ手段を形成したことから、傾倒方向の検出に加えて押圧方向の検出も可能であるため、メニュー選択により選択した機能の確定を容易におこなうことができる。
【0053】
また、押圧スイッチ手段は、センサーシートと、このセンサーシートの中央に形成されるドーム状の膨出部を有する反転ばねとからなり、反転ばねは、その膨出部の頂部が、センサーシート上に傾倒可能に配設される操作部材のセンター位置に対応する位置に形成するようにしたことから、操作部材の傾倒時にはドーム状の膨出部の周縁よりも内側が押圧しにくくなり、センタープッシュ時にはドーム状の膨出部が反転して膨出部の頂部がセンサーシートのセンター位置を押圧することとなるため、傾倒操作時に誤ってセンター入力されることがなく、確実に選択入力することができる。また、センター入力時にクリック感が得られるため、操作性が向上する。
【0054】
また、押圧スイッチ手段は、センサーシートの中央に、導電部の一部が削除された非導電領域からなる空隙部を形成し、この空隙部に、操作部材が押圧された時に接触する押圧スイッチ用の接点部を形成する構成としたことから、センサーシートの面内に押圧スイッチ用の接点部を配設したので、配線を共通にすることができるため、組み立て作業が容易となり装置の薄型化が図れる。
【0055】
また、操作部材には、傾倒及び押圧操作用の操作つまみ部と、センサーシート上を押圧する押圧作動部が設けられ、操作つまみ部と押圧作動部との間に、操作部材が押圧された時のクリック感を発生させるクリックばねを内設したことから、押圧操作時のクリック感が得られることにより操作性が向上される。また、クリックばねを操作部材内に内設したので、装置の厚み方向の大きさを小さくすることができる。
【0056】
また、押圧スイッチ用の接点部は、センサーシートの一方の導電シートに印刷形成された固定接点と、この固定接点と対向して配設され、押圧時に反転可能な膨出部を有する金属製の可動接点とから構成したことから、押圧時のクリック用のばねと押圧スイッチ用の可動接点とを兼用させることができるため、部品点数の削減と組み立ての簡易化が図れ、安価対応が可能となる。
【0057】
また、センサーシートの他方の導電シートに形成された空隙部に貫通孔を形成し、この貫通孔を介して、可動接点の膨出部を操作部材の押圧作動部で直接押圧可能としたことから、小径の可動接点を用いた場合においても膨出部の頂部を確実に押圧操作できるため、装置の小形化、薄型化が図れる。
【0058】
また、センサーシートを、対向する2枚の接触面に均一な抵抗体層を形成して、両者間をドットスペーサで隔離させた全面抵抗体層からなるタブレットシートで構成したことから、傾倒方向の押圧位置での電位をより確実に読み取ることができ、XY座標の算出が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である多方向入力装置を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の同じくセンサーシートの導通状態を示す動作説明図である。
【図3】 本発明の同じく上部導電シートを示す平面図である。
【図4】 本発明の同じく下部導電シートを示す底面図である。
【図5】 本発明の上部導電シートの変形例を示す平面図である。
【図6】 本発明の下部導電シートの変形例を示す底面図である。
【図7】 本発明のセンサーシートに可動接点を配設した状態を示す部分説明図である。
【図8】 本発明の信号処理回路を示すブロック図である。
【図9】 本発明の参考例であるセンサーシートと反転ばねを示す部分説明図である。
【図10】 本発明の参考例である上部導電シートを示す平面図である。
【図11】 本発明の参考例である下部導電シートを示す底面図である。
【図12】 本発明の参考例である信号処理回路を示すブロック図である。
Claims (5)
- 対向する面に導電部が形成された一対の導電シート間を絶縁スペーサによって離間させ、前記導電シートの内、少なくとも一方の導電シートの導電部に抵抗体層とこれに接続する方位検出用の電極部を形成したセンサーシートと、このセンサーシート上に傾倒可能に配設され、傾倒することにより対向する前記導電シート間を導通させる操作部材と、前記センサーシートの中央に設けられた、前記操作部材が押圧された時にセンター位置を検出する押圧スイッチ手段とを備え、前記押圧スイッチ手段は、前記センサーシートの中央に、前記導電部の一部が削除された非導電領域からなる空隙部を形成し、この空隙部に、前記操作部材が押圧された時に接触する押圧スイッチ用の接点部を形成する構成としたことを特徴とする多方向入力装置。
- 前記押圧スイッチ手段は、前記センサーシートと、このセンサーシートの中央に形成されるドーム状の膨出部を有する反転ばねとからなり、前記反転ばねは、その膨出部の頂部が、前記センサーシート上に傾倒可能に配設される前記操作部材のセンター位置に対応する位置に形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
- 前記操作部材には、傾倒及び押圧操作用の操作つまみ部と、前記センサーシート上を押圧する押圧作動部が設けられ、前記操作つまみ部と前記押圧作動部との間に、前記操作部材が押圧された時のクリック感を発生させるクリックばねを内設したことを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
- 前記押圧スイッチ用の接点部は、前記センサーシートの一方の導電シートに印刷形成された固定接点と、この固定接点と対向して配設され、押圧時に反転可能な膨出部を有する金属製の可動接点とから構成したことを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
- 前記センサーシートの他方の導電シートに形成された前記空隙部に貫通孔を形成し、この貫通孔を介して、前記可動接点の膨出部を前記操作部材の押圧作動部で直接押圧可能としたことを特徴とする請求項4記載の多方向入力装置。
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