JP2004133269A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磨耗レートが低いドラム(EB)に対して、終始にわたり安定したクリーニング性を確保する。
【解決手段】クリーニング手段として、廃トナーをクリーニングブレードに再塗布する構成とし、予め廃トナーの代わりにクリーニングに有利となる初期剤を仕込ませておく。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真システムを用いて画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に感光ドラムの表面上に残留する残留トナーを、清掃する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、複写機、プリンタ,ファクシミリのように画像を紙等の記録媒体に記録する画像形成装置では、画像を記録媒体に記録するシステムとして、電子写真システムが採用されている。電子写真システムは、表面に感光物質が塗布された感光ドラムを像担持体とする。まず、感光ドラムの表面が一様に帯電された後に、感光ドラムの表面にレーザ光が照射され、照射された部分と照射されなかった部分との間に電位差が与えられる。
【0003】
次に、現像剤に含まれる帯電したトナーが感光ドラムの表面に付着することによって、感光ドラムの表面上にトナー像が形成される。その後、そのトナー像が記録媒体に転写され、記録媒体上に画像が形成される。
【0004】
最近では、出力機器の高画質化、低ランニングコスト化等の要求が強まり、上記電子写真システムで用いられる像担持体である感光ドラムとしては、高分解能の必要性から、より感光層膜厚の薄いものが使用され、また、その上で、低ランニングコスト化のために、感光ドラム自身の寿命を長くする必要性から、感光体表面の電気、機械的強度や対磨耗性向上が図られている。
【0005】
また、このような電子写真システムにおけるクリーニングとしては、感光ドラムの表面がトナー像形成用に何度も繰り返し使用されるため、記録媒体へのトナー像の転写後に、記録媒体に転写されずに感光ドラムの表面に残る残留トナーを充分に除去することが必要となる。
【0006】
残留トナーを除去する方法としては、従来から幾多の提案がなされているが、弾性材料からなるカウンターブレードであるクリーニングブレードを感光ドラムの表面に当接して、残留トナーをかき落とす方法が、低コストであり、電子写真システム全体を簡単でコンパクトな構成にでき、トナー除去効率も優れているので、広く実用化されている。クリーニングブレードの材料としては、高硬度でしかも弾性に富み、耐摩耗性や、機械的強度や、耐油性や、耐オゾン性などに卓越しているウレタンゴムが一般的に用いられている。
【0007】
クリーニングブレードの物性や像担持体への当接のしかたは、転写残トナーの像担持体への付着度合いによるクリーニングのしやすさや像担持体の表面性等にも大きく左右される。またトナー形状、粒径、材質などの物性によってもクリーニング性は大きく影響を受けるため、それに適したブレードを選択し、像担持体に対して適正な角度、当接荷重に設定する必要がある。実際のクリーニングブレードの選定や設定では、試行錯誤を繰り返して最適条件を見出しているのが現状である。
【0008】
一方実際の動作環境、特に温湿度の変動により、クリーニング性や像担持体の表層の磨耗具合は異なるため、耐久寿命を通してクリーニングブレードだけでクリーニングすることが難しい。このためクリーニング補助部材を設けることを提案されている。例えば、磁性現像剤をマグネットローラに捕集し、磁性現像剤を像担持体上に摺擦する構成を提案している特開平2−91675号公報や、多孔質弾性ローラを像担持体に摺擦する構成を提案している特開昭60−107076号公報などがある。
【0009】
また、高画質化のためには、トナーの小型化が不可欠であるため、トナーの小型化が顕著になってきている。トナーの粒径が小さくなるにつれて、トナーと感光ドラムの表面との比表面積が大きくなるために、単位重量当たりでのトナーの感光ドラム表面への付着力が大きくなり、感光ドラムの表面のクリーニング性が悪化する。
【0010】
そして、近年では、従来の粉砕法で生成される粉砕トナーに代わって、重合法で生成される重合トナーが、採用されてきている。重合トナーは、粉砕トナーよりも転写効率が良く、前述の転写された画像の定着時に離型材が不要であるという利点がある。さらに、重合トナーは粉砕トナーに比べ、真球度が高い。トナーの真球度が上がれば、感光ドラムの表面状態が同じで、クリーニングブレードの当接圧を粉砕トナーの場合と同じ当接圧とした場合には、クリーニングブレードからのトナーのすり抜けが多くなる。
【0011】
一般的には、重合トナーを用いた画像形成装置では、クリーニングブレードの当接圧を上げ、トナーのすり抜けを防止している。また、前述したように、クリーニング補助部材を増設して、予めトナーをかきとることで、クリーニングブレードの負荷を軽減させている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例で説明したように、最近では、高画質化、低ランニングコスト化の要求を満たす画像形成装置には、以下のような課題があった。
【0013】
粒径の小さなトナーや重合トナーに代表されるような真球度の高いトナーが使用されるため、感光ドラムとの付着力が増大し、クリーニングブレードの当接圧を上げなければならなくなった。
【0014】
他方、高強度、対磨耗性の高い高耐久感光ドラムが使用されようになったため、特に感光層の表面磨耗量がテーバー磨耗試験器で2mg以下という対磨耗性の非常に高い感光ドラムを使用する場合、感光ドラム表面が削れてリフレシュし難くなり、帯電等での電気的ダメージや、放電生成物の付着等による表面劣化、クリーニングブレード等との摺擦による機械的ダメージ等が長期的に蓄積し、感光ドラム表面の滑り性(特に対クリーニングブレード)が低下しクリーニングブレードのビビリや鳴き、捲れ等が発生し易くなってくるので、クリーニングブレードの当接圧を上げることが出来なくなってきている、という相反した状況になってきた。
【0015】
また、従来例であるように、クリーニング補助部材を採用することにより、クリーニングブレードへの負荷を減らすことができるので、有効な手段であったが、各々、以下のような課題を有していた。
【0016】
磁性現像剤をマグネットローラに捕集し、磁性トナーを像担持体上に摺擦する構成は、磁力により保持している磁性トナーで摺擦するため、摺擦力が十分ではなく、また、カラートナーは非磁性トナーであるので、この構成では転写残として感光ドラム表面に付着している非磁性トナーを十分にかきとり、回収することが出来ない。
【0017】
その他の方法として、多孔質弾性ローラを像担持体に摺擦する構成がある。この方法では、摺擦力は十分に発揮されるが、感光ドラム表面からかきとり、自身に付着したトナーさらに他の手段でかきとらないと、いつまでもローラに連れまわって、感光ドラムとローラ間で摺擦を繰り返されて、融着を起こしてしまう。また逆に、十分にローラ表面からのかきとりが成されたとすると、転写残トナーが少ない場合、感光ドラム表面に対してローラ表面が直接接触、摺擦されて感光ドラム表面が傷ついてしまうことがあった。
【0018】
またクリーニング性は画像印字比率に対してもそれぞれの問題点を持ち、例えば画像印字比率が低い場合はクリーニングブレードのビビリ、捲れが生じ、逆に画像印字比率が高い場合はすり抜け現象を起こし易い。
【0019】
本発明は上記問題を解決するものであって、高耐久(高強度、高対磨耗性)像担持体を用いて、小径で球形度の高いトナーを用いて成される、クリーニング性にとても厳しい状況下でも様々な印字モードで終始安定的にクリーニングでき、従来のクリーニング補助部材の欠点を克服して、高寿命、高画質、低ランニングコストの画像形成装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明の下記の構成を特徴とする画像形成装置により達成される。
【0021】
(1)少なくとも、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段を有する画像形成装置において、像担持体の表面層が少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合あるいは架橋し硬化させたものであり、該クリーニング手段が少なくともクリーニング部材と、クリーニング部材に対して像担持体回転方向上流側にあるクリーニング補助部材と、廃トナー溜めとを有し、クリーニング補助部材は廃トナー溜めに溜まった廃トナーを像担持体上に塗布する機能を有し、廃トナー溜めとクリーニング補助部材の少なくとも一つに予め初期クリーニング補助剤を補充しておくことを特徴とする画像形成装置。
【0022】
(2)前記初期クリーニング補助剤はトナーに対し、一次粒径10〜100nmの微粒子を5〜20重量部混合、外添したものであることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0023】
(3)前記初期クリーニング補助剤中の微粒子は、現像剤中に含まれる外添剤であることを特徴とする(2)記載の画像形成装置。
【0024】
(4)前記微粒子は疎水化処理された酸化チタンであることを特徴とする(3)記載の画像形成装置。
【0025】
(5)前記微粒子は疎水化処理されたシリカであることを特徴とする(3)記載の画像形成装置。
【0026】
(6)前記、像担持体の表面層が分子内に連鎖重合性官能基をもつ化合物を含有していることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0027】
(7)前記、像担持体の表面層に含有している分子内に連鎖重合性官能基を持つ化合物が正孔輸送化合物であることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0028】
(8)前記、像担持体の表面層の不飽和重合性官能基をもつ化合物を重合あるいは架橋させる硬化に際し、照射する放射線が電子線であることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0029】
(9)前記クリーニング補助部材は、付着したトナーをかきとるスクレーパ部材を有することを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0030】
(10)前記クリーニング部材は、弾性を有して像担持体に接触するゴムブレードであることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0031】
(11)前記クリーニング補助部材は、その織度を0.2から3.5Texのブラシ繊維を有するファーブラシであることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0032】
(12)前記クリーニング補助部材は、その表面セル構造が0.1μmから100μmのスポンジローラであることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0033】
(13)前記トナーは、形状係数SF1が100〜150、形状係数SF−2が100〜140であることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0034】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
本発明に係るクリーニング装置及び画像形成装置の実施例1について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0035】
[全体構成]
図1に示す画像形成装置1は電子写真方式のカラー複写機であって、図示しないコンピュータ等から送られた画像信号に従って記録媒体Sに画像を形成するものである。画像形成装置1の像担持体2はOPC等の感光材料をアルミニウムなどのシリンダ状の基体の外周面に塗布して形成している。
【0036】
像担持体2は200mm/secの周速度で回転駆動しつつ、接触帯電手段としての帯電手段3によって暗部電位VDとして約−600Vに一様帯電される。次にこれにレーザ発振器4が画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービーム5を走査露光し、像担持体2上に明部電位VLとして約−200Vの静電潜像が形成される。
【0037】
このように形成された静電潜像は、回転現像装置6によって現像剤であるトナーにより現像、可視化される。この回転現像装置6は第一色目のトナーとしてイエロートナーが内包された第一の現像装置6y、第二色目のトナーとしてマゼンタトナーが内包された第二の現像装置6m、第三色目のトナーとしてシアントナーが内包された第三の現像装置6c、第四色目のトナーとしてブラックトナーが内包された第四の現像装置6kを一体化した構成となっている。
【0038】
まず前記第一の静電潜像は、第一色目のトナーとしてイエロートナーが内包された第一の現像装置6yによって現像、可視像化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、二成分現像法、FEED現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。本実施形態においては非磁性トナーによるニ成分現像法を用いている。
【0039】
可視像化された第一色目のトナー像は、回転駆動される第二の像担持体としての中間転写体7と対向する第一の転写部位7aにおいて、中間転写体7の表面に静電転写(一次転写)される。中間転写体7は導電弾性層と離型性を有する表層とから形成され、搬送可能な最大記録媒体の長さよりも若干長い周長を有し、前記像担持体2に対して所定の押圧力を以って圧接されつつ、像担持体2の周速度と略等速の周速度を以って像担持体2の回転方向に対して逆方向(即ち接触部位では同方向)に回転駆動される。
【0040】
中間転写体7がシリンダー部に高圧電源7cによって、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されることにより、中間転写体7表面にトナー像が一次転写される。一次転写が終了した像担持体2表面に残留したトナーは、後述するクリーニング装置8によって除去される。続いて前記工程を各色について繰り返し、中間転写体7上に四色のトナー像を転写、重畳する。
【0041】
カセット9には記録媒体Sが積載されており、ピックアップローラ10によって一枚ずつに分離給送され、レジストローラ対11によって斜行を矯正された後に、転写部位7bに到達する。そこで中間転写体7表面に対して離間状態にあった転写ベルト12が所定の押圧力を以って中間転写体7表面に圧接、回転駆動される。転写ベルト12はバイアスローラ12a、テンションローラ12bによって張架されており、バイアスローラ12aには高圧電源12cによってトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されている。
【0042】
これにより第二の転写部位7bに所定のタイミングで搬送されてきた記録媒体表面に中間転写体7上のトナー像が一括転写(二次転写)され、その後定着手段14に送られて熱と圧力を加えられることにより画像を定着した後に、排出ローラ対15によって機外に排出される。二次転写が終了した中間転写体7の表面に残留したトナーは、所定のタイミングで中間転写体7表面に当接状態となる中間転写体クリーニング装置13により除去される。
【0043】
[像担持体]
本発明における像担持体である感光体について以下に説明する(以下、像担持体を感光体、もしくは感光ドラムと称す。)。
【0044】
本発明に使用される感光体は少なくても表面層が重合或いは架橋し、硬化させた化合物を含有している電子写真感光体であり、その硬化手段は熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線を用いることが出来る。従って本発明における表面層を形成する手は、表面層用の重合或いは架橋し硬化させることが出来る化合物を融解、含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング等により塗工し、これを前記した硬化手段により硬化するという手順となる。感光体を効率よく大量生産するには含浸コーティング法が最良であり本発明においても浸漬塗布法は可能である。
【0045】
発明の感光体の構成は外径約62mmの導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する層構成の単層型、或いは電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層を、この順に、又は逆の順に積層した構成の積層型の何れかである。更に、前記感光層上に表面保護層を形成することも可能である。本発明は、少なくても感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線により重合或いは架橋し硬化させることが出来る化合物を含有していればよい。但し、感光体としての特性、特に残留電位など電気的特性及び耐久性の点より電荷発生層/電荷輸送層を、この順に積層した機能分離型の感光体構成、又は、この構成で積層された感光層上に表面保護層を形成した構成が好ましい。
【0046】
本発明において、表面層の重合或いは架橋させる化合物の硬化法は、感光体特性の劣化無く残留電位の上昇が起こらず、十分な硬度を示すことが出来る点で、放射線を用いることが好適である。
【0047】
この際、使用する放射線とは電子線及びガンマ線である。電子線を照射する場合、加速器としてスキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びらミーナ型等の何れの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、本発明の感光体における電気特性、及び耐久性能を発現する上で、その照射条件は、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また照射線量は好ましくは10KGyから1000KGyの範囲、より好ましくは30KGyから500KGyの範囲である。加速電圧が上記を越えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上記範囲より少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすいので注意が必要である。
【0048】
重合或いは架橋し硬化させることの出来る表面層用化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、硬化後に達成される硬度の高さの点から、分子内に不飽和重合性官能基を持つものが好ましく、さらにその中でもアクリル基、メタクリル基、及びスチレン基をもつ化合物が特に好ましい。
【0049】
本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しより、モノマーとオリゴマ−に大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しが無く、比較的分子量の小さいものを示し、オリゴマ−とは不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマー又はオリゴマ−の末端のみに不飽和重合性官能基を有するマクロノマーも本発明の表層用の硬化性化合物として使用可能である。
【0050】
また本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要な電荷輸送機能を満足するために、前記化合物が電荷輸送化合物であると更に好ましい。中でも、正孔輸送機能をもった不飽和重合性化合物であることが更に好ましい。
【0051】
次に本発明による電子写真感光体の感光層について説明する。
【0052】
電子写真感光体の支持体としては導電性を有するものであれば良く、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に形成したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、又はプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0053】
本発明においては、導電性支持体の上にはバリアー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることが出来る。
【0054】
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が使用可能である。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
【0055】
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合は電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリピウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、ε、及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
【0056】
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどの手段で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが望ましく、特に0.1〜2μmの範囲内であることが好ましい。
【0057】
結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0058】
本発明における前記不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、前述した電荷発生層上に、電荷輸送層として、若しくは電荷発生層上に電荷輸送層と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に、表面保護層として用いることも出来る。
【0059】
表面保護層として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物等を適当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂な中から選択できる)と共に溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することが出来る。
【0060】
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全重量を100とした場合に電荷輸送物質の重量が30〜100が望ましく、好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送層の量がそれ以下であると電荷輸送能が低下し、感度低下、及び残留電位の上昇などの問題点が生ずる。この場合にも感光層の厚みは5〜30μmの範囲であり、この時の感光層の膜厚とは電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層各々の膜厚を合計したものである。
【0061】
何れの場合も表面層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合/硬化反応させるのが一般的であるが、前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に再度溶剤中に分散或いは溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、及びスピンコーティング等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
【0062】
本発明における表面保護層中には導電性粒子を混入させてもよい。
【0063】
導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス及び銀等、またこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着した物などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることも出来る。2種以上を組み合わせる場合には、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
【0064】
本発明に用いられる導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以下であることが望ましい。
【0065】
また、本発明においては上述したような導電性粒子の中でも透明性等の点で金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0066】
前記表面保護層中の導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つであり、保護層の抵抗は1010〜1015Ω・cmの範囲であることが好ましい。
【0067】
本発明における表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することが出来る。
【0068】
フッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種或いは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒径は適宜選択することが出来、特に制限されるものではない。
【0069】
前記表面層中のフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層全重量に対して5〜70重量%が好ましく、より好ましくは、10〜60重量%である。フッ素原子含有樹脂粒子の割合が70重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易く、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が5重量%より少ない表面層の表面の離型性、表面層の対磨耗性や対傷性が充分ではなくなることがある。
【0070】
本発明においては、分散性、結着性及び対候性を更に向上させる目的で、前記表面層中にラジカル補足剤や酸化防止剤等の添加物を加えても良い。
【0071】
本発明に用いる表面保護層の膜厚は0.2〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの範囲である。
【0072】
また本実施形に用いられる像担持体である感光体表面の磨耗量はテーバー磨耗試験器では2mg以下であるが、6mg以下であれば、十分に効果が得られる。テーバー磨耗試験の試験方法は、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber安田製作所製)の試料台にサンプルを装着し、2個の表面にラッピングテープ(富士フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)の各々荷重500grをかけ、1000回転後のサンプルの重量減少を精密天秤にて測定する方法である。
【0073】
[帯電]
本実施例における帯電手段たる可撓性の接触帯電部材としての帯電ローラ3は芯金上にゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成することにより作成される。
【0074】
中抵抗層は、樹脂(本実施例ではウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラ状に形成した。その後、表面を研磨した。
【0075】
ここで、接触帯電部材である帯電ローラ3は電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには10〜10Ωの抵抗が望ましく、本実施例では10Ωを用いている。
【0076】
帯電ローラ3の硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部aを確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から60度が好ましい範囲であり、本実施例では50度を使用した。
【0077】
帯電ローラ3の材質としては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0078】
帯電ローラ3は被帯電体としての感光体1に対して弾性に抗して2kgの押圧力で圧接させて配設し、本実施例では幅数mmの帯電部を形成させてある。
【0079】
帯電ローラ3の抵抗値は以下のように測定した。プリンタの感光体1をアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後に、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ3の芯金21間に100Vの電圧をかけ、その時に流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ3の抵抗値を求めた。
【0080】
このようにして求めた本例で使用の帯電ローラ3の抵抗値は5×10Ωであった。本抵抗測定は温度25℃、湿度60%の環境下で行なった。上述の帯電ローラは感光体の回転に伴って、従動で回転する。帯電ローラには、帯電用高圧電源から周波数1.15kHz、総電流1750μAの定電流制御され、重畳されるDCバイアスによって感光体電位が決定される。
【0081】
[現像剤]
本実施形態の画像形成装置に用いられる現像剤は、重合法により生成される非磁性の重合トナーと、樹脂磁性キャリアとの混合物である2成分現像剤である。現像剤のT/D比は8%であり、樹脂磁性キャリアとしては、1キロエルステッドの磁気中の磁化量が100emu/cmであり、且つ個数平均粒径が40μmであって、更に比抵抗が1013Ω・cmのものが使用される。
【0082】
一般に、重合トナーは、粉砕トナーと比較して球形度合が高い。トナー粒子の形状の球形度合は、下記の式(1)から算出される形状係数SF−1とSF−2を用いて表される。トナーの形状係数SF−1及びSF−2は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用いてトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をニレコ社製画像解析装置(Luzex3)によって解析し、下記の式(1)より算出される。
【0083】
【数1】
Figure 2004133269
【0084】
(AREA:トナー投影面積、MXLNG:絶対最大長、PERI:周長)
トナーの形状係数のうち、SF−1は球形度合を示し、SF−1が100である場合には、トナーは真球であり、SF−1が100〜140である場合には、トナーは略球形である。SF−1が140よりも大きい場合には、トナーは略球形から徐々に不定形になる。
【0085】
また、形状係数SF−2は、トナー粒子表面の凹凸度合を示し、SF−2が100〜120の場合には、トナーの表面が円滑であることを示し、SF−2が120よりも大きい場合には、トナーの表面の凹凸が顕著になる。本実施形態の画像形成装置において用いられる重合トナーとしては、平均粒径が6μm以上10μm以下であり、形状係数SF−1が100〜140であり、SF−2が100〜120である略球形トナーが、高転写効率を維持するためには好ましい。
【0086】
本実施形態に用いているトナーは重合法によって製造され、環境変動に対する被帯電性能安定化や流動性の向上のためにシリカや酸化チタンなどを外添している。
【0087】
なお、本実施例においては転写性の良好な球形トナーとして重合法によるものを記載したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば従来の機械的な粉砕分級法にて作成したものに熱的、若しくは機械的な後処理を施して丸くしたトナーを用いることでもよい。
【0088】
本実施形態の画像形成装置で用いられる重合トナーは、従来の不定形な粉砕トナーと比較して、球形度合が高く、大きさにばらつきがないので、自己潤滑性が高い。そのため、トナーがクリーニングブレード20の当接部からすり抜けやすい状態となり、クリーニング不良を起こしやすくなっている。また、重合トナーは自己潤滑性が高いため、トナー間のせん断強さが小さくなり、粉砕トナーに比べて、感光ドラム9の表面の形状が、クリーニングブレード20のクリーニング性に大きな影響を与える。
【0089】
[クリーニング装置]
次に、本実施例に係る特徴的なクリーニング装置8について図2を用いて説明する。クリーニング装置8は板金8fに支持されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード8a、トナー捕集シート8b、廃トナー回収容器8c、クリーニング補助部材であるクリーニングブラシ8d、スクレーパ部材であるブラシスクレーパ8e、隔壁8k、トナー溜り8j等から構成されている。隔壁8kはブラシスクレーパ8eのほぼ直下に設置されている。
【0090】
次に、感光体上の残存したトナーの挙動について説明する。
【0091】
一次転写が終了した感光体2の表面に残留するトナーは、クリーニング装置8を構成するクリーニングブレード8a及びクリーニングブラシ8dによって感光体2から除去され、クリーニングブレード8aから除去されたトナーはそのまま落下して、クリーニングブラシ8dに降りかかり、クリーニングブラシ8dの回転に従って移動し、ブラシスクレーパ8eによってクリーニングブラシ8dから剥ぎ取られ、剥ぎ取られたトナーは落下して、隔壁8kによって、図中矢印にあるように一部は実線矢印のようにトナー溜め8jへ、他の残りは破線矢印のように、回収容器8cに格納される。
【0092】
また、クリーニングブラシ8dによって感光体2からかきとられたトナーも自身の回転に従って、ブラシスクレーパ8eによってかきとられ、一部はトナー溜め8jへ、他の残りは回収容器8cに格納される。
【0093】
クリーニングブラシ8dは、ブラススクレーパ8eによって、その表面に付着したトナーを一度かき落とし、再び、トナー溜り8jに溜まっているトナーをすくいあげてその表面に担持し、再び、感光体2の表面を摺擦して、感光体2上の転写残トナーをそのブラシで拡散、かきとりし、また、同時に、トナー溜まり8jですくい上げたトナーを感光体2に再塗布して、クリーニングブレード8aにトナーを供給する。
【0094】
このように、感光体表面でかきとったトナーを一度ブラシスクレーパ8eによってクリーニングブラシ8dから剥ぎ取り、再びブラシのすくい上げでブラシ繊維にトナーを保持して、感光体へ供給するため、ブラシ連れ回りによる感光体と連続的な摺擦が無くなり、像担持体やトナー、ブラシへのダメージを無くすることが出来る。
【0095】
画像比率が大きく転写残トナーが多い場合や、紙詰まり等で転写されずにそのまま、現像されたトナーがクリーナにきた場合は、ブラシによるかきとり作用が働き、感光体上のトナーを多くかきとり、クリーニングブラシ8dの表面に付着した余分なトナーはブラシスクレーパ8eによってかきおとされ、一部はトナー溜め8jへ、他の多くのトナーは回収容器に8cに回収される。このように感光体上に多くのトナーが残存することが継続すると、トナー溜め8jに供給されるトナーが多くなるが、隔壁8kの高さを0.5〜5mm、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1.5〜2.0mmにすることで、トナー溜めに溜まるトナーの上面が隔壁8kを超えると、自動的に溢れて、回収容器8cに回収される。
【0096】
但し、この隔壁8kの高さは、図からも分かるように、トナー捕集シート8bを固定しているクリーニング装置8cの下あごの高さやトナーのブラシによう消費量等により、適宜最適化されるべきである。
【0097】
また、画像比率が少ない場合には、クリーニングブラシ8dがトナー溜まり8jの中の廃トナーをすくい上げて、ブラシ繊維で保持し、像担持体に接触することにより、感光体へ保持した廃トナーを供給することにより、クリーニングブレード8aと感光体2の接触部に廃トナーを供給することにより、感光体とクリーニングブレード8aとの滑り性を維持させ、ブレード鳴きや、捲れ等を防止する。
【0098】
上記の、クリーニングブラシ8dによる感光体2への廃トナー塗布量としては、ベタ白画像から、未転写ベタ黒画像までのドラム上トナー量を変化させて検討したところ、0.05mg/mm〜0.3mg/mmが適当であり、好ましくは0.1mg/mm〜0.2mg/mmが良好である。
【0099】
ここでクリーニングブラシ8dは、導電性の繊維を基布に植え付け、それをφ6の芯金8h上に巻き付けてφ16のブラシ状に構成したものであり、芯金8hは接地されている。本実施形態では導電性繊維として、太さ0.7Texのナイロンの導電糸を用い、繊維密度が93本/mmとなるようにW織りで基布に植え込んだものをシート状に形成し、芯金8hとの導通を確保するようにして螺旋状に巻き付けている。
【0100】
上記ブラシの条件としては、素材としてはナイロンの他、レーヨンやポリエステル、アクリル等など様々な素材で適用でき、また織度としては、0.2から3.5Texが良好で、繊維密度としては、15.5から310本/mm、好ましくは46.5から155本/mmが良好である。
【0101】
このクリーニングブラシ8dは感光体2の回転方向においてクリーニングブレード8aの上流側に配設され、像担持体2に対する侵入量α=1mm(図3参照)で当接し、回転可能に配設されており、感光体2と逆方向回転である矢印B方向に60rpmの速度で回転駆動されている(即ち感光体2とクリーニングブラシ8dとは、接触部位において相互に同方向に移動している)。
【0102】
この接触部位では、一次転写後の像担持体2上の転写残トナーを掻き取る、若しくは転写残トナーの像担持体2との付着力を弱め、後述のクリーニングブレード8aでのクリーニングを容易にし、更には、画像比率が少なく、転写残トナーが殆どない場合にも、上記のように、クリーニング補助ブラシ8dの作用で、廃トナーがクリーニングブレード8aに適切な量送られるため、ブレード鳴きや捲れ等が抑止される。本実施例では感光体2とクリーニングブラシ8dとが、接触部位において相互に同方向に移動するようにしたが、廃トナーの塗布量が満足できるものであれば逆方向に移動するようにしても良い。
【0103】
またクリーニングブラシ8dは上記クリーニング動作を繰り返し行うとブラシ繊維が目詰まりを起こしてトナーロール化し、クリーニング性能が低下してしまう。これを防止するためにブラシ繊維に溜まったトナーを掻き落とす部材であるブラシスクレーパ8eを設けている。本実施形態においては、ブラシスクレーパ8eとして可撓性を有する厚さ0.1mmのPETシートを板金8gに貼り付け、その自由長を2mmとし、クリーニングブラシ8dに対する侵入量β=1.0mm(図4参照)に設定している。
【0104】
侵入量βの設定値としては、先に述べた廃トナー塗布量を満足させるようにしておく必要がある。
【0105】
侵入量βを小さくしすぎるとトナーの掻き落とし不足による、ブラシ繊維の目詰まりが発生し、ブラシがトナーロール化してしまう。また侵入量βを大きく設定し、スクレープ作用が強すぎると、感光体への塗布量が十分に確保できなくなることもある。さらにスクレーパシートの材質、厚みや自由長にもよるが、耐久により捲れが発生する場合もある。本実施形態の構成においてはβを2.5mm以上に設定すると捲れることがわかっている。更にスクレーパを硬い材質で構成すると、例えば1〜2mm厚の板金の場合には逆にブラシの方の毛倒れが起こり、ブラシの外径が小さくなりやすく、本来のブラシの機能が果たせなくなるという問題が発生する。
【0106】
したがってこれらのことを考慮してスクレーパの選定や設定を決める必要がある。
【0107】
スクレーパシートとしては、ある程度撓む性質を有するものであればよく、耐久性を重視して高摺動性を有する高密度ポリエチレンシートなどを用いることもできる。また、材質としてそれ自体離型性のあるものをシート状に形成したものや表面に離型製の高いシリコーンコートを施したシートなどを用いることで、特にクリーニングブラシ8dを高速回転で使用した際に発生することがあるシートへのトナー固着も防止できる。
【0108】
一方、クリーニングブレード8aは板金8fの先端部に一体的に保持されたポリウレタンゴムからなり、図6に示すように感光体2に対して所定の侵入量δ、設定角θの条件で当接されている。本実施例では試行錯誤を繰り返して最適条件を見出した結果、ゴム硬度としては50〜85°(JISA)が好ましく、更には60〜80°(JISA)が好ましく、本実施例では70°(JISA)の物を用い、θ=22°、δ=1.0の設定で、感光体2への当接圧が約40g/cmとなっている。
【0109】
次にクリーニング装置に予め補充しておく初期剤について説明する。初期剤を仕込む目的は初期のクリーニング性を成り立たせるためである。初期は廃トナーがクリーニングブラシ8dに十分保持されていないため、ドラム上への廃トナーの塗布量が満足に成しえない状況となる。さらに厳しい状況で説明すると、クリーニング装置が全くの初期状態(クリーニングブラシ8dからの塗布無し)からベタ白に近い画像比率のチャートを大量にプリントした場合、クリーニングブレード8aのビビリが発生し最終的には捲れてしまう状況となる。この現象は本実施例で用いているような磨耗レートが小さい感光ドラムでは、前述した理由により表面滑り性が低下し顕著に現れる。
【0110】
ビビリ、捲れに対するメカニズムは次のように説明できる。図6は感光ドラムとクリーニングブレードの当接部を示したものである。通常、ブレード当接部感光体移動方向上流側に外添剤による阻止層が形成され、その上流にトナー減速層が形成されクリーニングが成り立っている。ブレード当接部では外添剤等の微粒子がスペーサー粒子として介在し、滑り性を維持している。
【0111】
逆に当接部に介在するものがなければ感光ドラムとゴム部材であるクリーニングブレードの密着性が増し、ビビリ、捲れが発生する。転写残の供給が極端に少なくなるようなベタ白連続通紙等の場合、阻止層が枯渇し、ビビリ、捲れが発生し易い状況と成る。本発明の感光体には当てはまらないが、磨耗レートが高い感光ドラムを用いる場合は、感光ドラム表面に発生する削れ粉がスペーサー粒子の働きをし、滑り性を維持することができる。逆に本発明に用いるような磨耗レートが小さい感光体は削れ粉による滑り性付与が期待できないため、阻止層を維持するように積極的に外添剤或いはトナーをクリーニングブレードに供給してやらなければならない。そのために本実施例では先に説明したようにクリーニングブラシ8dにより廃トナーを感光体上に塗布をする構成としている。
【0112】
実施例1ではクリーニング装置に補充する初期剤を以下のように設定した。
【0113】
<実施例1.初期剤>
現像で用いる重合トナーと同じトナーに対し各粒子を各量外添した。
【0114】
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…10重量部
シリカ1、シリカ2、酸化チタンはそれぞれ疎水化処理されたものを用いている。この初期剤を予め廃トナー溜まり8jに補充しておき、初期から最適な塗布が出来る状態にしておく。また初期剤を廃トナー溜まり8jに補充せずに、クリーニングブラシに予め保持させて塗布する構成としても良いし、廃トナー溜まりとクリーニングブラシに合わせて初期剤を保持させておいてもよい。
【0115】
現像剤の外添比率は以下の通りである。
【0116】
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…0.9重量部
すなわち実施例1の初期剤は現像剤の外添比率に対して酸化チタンを増量したものである。
【0117】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、連続プリントによる20000枚の耐久試験で、クリーニング性及びその他の不具合などを調べる実験を行った。耐久は2500枚/日で、8日間実施した。また定期的にビビリ、捲れに厳しいベタ白連続プリント、すり抜けに厳しいベタ黒連続プリント等を交えてクリーニング性を評価した。
【0118】
その結果、上記本実施形態の構成においては、耐久を通してクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合は一度も発生せず、良質な画像形成を行うことができた。また10000枚耐久時点で廃トナー溜まり8jにあるトナーの成分を分析したところ、トナーに対して、
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…3重量部
の量が存在していることが分かった。本実施例の現像剤を用いた場合の転写残トナーの成分は、ほぼ現像剤中の外添比率と同等で、
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…0.9重量部
であることが分かっている。すなわち耐久が進むにつれ、酸化チタン量が0.9重量部に近づいていることが分かる。
【0119】
また耐久後にクリーニングブラシ8dによる感光体2への塗布量を測定したところ、ほぼ、初期に設定した値を維持していた。更に転写残トナーのクリーニング時のクリーニングブラシ通過前後におけるクリーニング性能を確認したところ、ほぼ初期の状態を維持しており、これらのことより、転写残トナーの確実な除去を行うことができた。
【0120】
(実施例2)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を以下のように設定した。
【0121】
<実施例2.初期剤>
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…5重量部
その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0122】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、連続プリントによる20000枚の耐久試験で、クリーニング性及びその他の不具合などを調べる実験を行った。耐久は2500枚/日で、8日間実施した。また定期的にビビリ、捲れに厳しいベタ白連続プリント、すり抜けに厳しいベタ黒連続プリント等を交えてクリーニング性を評価した。
【0123】
その結果、本実施例の構成においては、耐久を通してクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合は一度も発生せず、良質な画像形成を行うことができた。また10000枚耐久時点で廃トナー溜まり8jにあるトナーの成分を分析したところ、トナーに対して、
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…1.5重量部
の量が存在していることが分かった。
【0124】
また耐久後にクリーニングブラシ8dによる感光体2への塗布量を測定したところ、ほぼ、初期に設定した値を維持していた。更に転写残トナーのクリーニング時のクリーニングブラシ通過前後におけるクリーニング性能を確認したところ、ほぼ初期の状態を維持しており、これらのことより、転写残トナーの確実な除去を行うことができた。
【0125】
(実施例3)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を以下のように設定した。
【0126】
<実施例3.初期剤>
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…19重量部
その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0127】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、連続プリントによる20000枚の耐久試験で、クリーニング性及びその他の不具合などを調べる実験を行った。耐久は2500枚/日で、8日間実施した。また定期的にビビリ、捲れに厳しいベタ白連続プリント、すり抜けに厳しいベタ黒連続プリント等を交えてクリーニング性を評価した。
【0128】
その結果、本実施例の構成においては、耐久を通してクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合は一度も発生せず、良質な画像形成を行うことができた。また10000枚耐久時点で廃トナー溜まり8jにあるトナーの成分を分析したところ、トナーに対して、
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…5重量部
の量が存在していることが分かった。
【0129】
また耐久後にクリーニングブラシ8dによる感光体2への塗布量を測定したところ、ほぼ、初期に設定した値を維持していた。更に転写残トナーのクリーニング時のクリーニングブラシ通過前後におけるクリーニング性能を確認したところ、ほぼ初期の状態を維持しており、これらのことより、転写残トナーの確実な除去を行うことができた。
【0130】
(比較例1)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を以下のように設定した。
【0131】
<比較例1.初期剤>
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…0.9重量部
すなわち現像剤トナーそのものを補充した。その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0132】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60 %)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、実施例1、2、3と同様に連続プリントによる耐久試験を行った。
【0133】
その結果、本例の構成においては、高温高湿環境下で1000枚程度の耐久でクリーニングブレードのビビリが発生し始め、それに起因してすり抜けが発生した。
【0134】
(比較例2)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を以下のように設定した。
【0135】
<比較例2.初期剤>
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…4重量部
その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0136】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、実施例1、2、3と同様に連続プリントによる耐久試験を行った。
【0137】
その結果、本例の構成においては、高温高湿環境下で5000枚程度の耐久でクリーニングブレードのビビリが発生し始め、それに起因してすり抜けが発生した。
【0138】
(比較例3)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を以下のように設定した。
【0139】
<比較例3.初期剤>
シリカ1…0.5重量部
シリカ2…0.3重量部
酸化チタン…20重量部
その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0140】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、実施例1、2、3と同様に連続プリントによる耐久試験を行った。
【0141】
その結果、本例の構成においては、常温低湿環境下で100枚程度の耐久でクリーニングブレードからのすり抜けが発生した。また感光体上の外添剤融着も確認された。
【0142】
(比較例4)
本実施例ではクリーニング装置に予め補充しておく初期剤を無しとした。
【0143】
その他の適応される画像形成装置の詳細は、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0144】
以上の条件で、常温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、実施例1、2、3と同様に連続プリントによる耐久試験を行った。
【0145】
その結果、本例の構成においては、高温高湿環境下で100枚程度の耐久でクリーニングブレードの捲れが発生した。
【0146】
以下表1に実施例1,2,3、比較例1,2,3、4の結果をまとめた。
【0147】
【表1】
Figure 2004133269
【0148】
*現像剤トナーの外添量は、シリカ1:0.5、シリカ2:0.3、酸化チタン:0.9(それぞれトナーに対する重量部)
*一次粒径は、シリカ1=14nm、シリカ2=25nm、酸化チタン=40nm
本発明のように磨耗レートが小さい感光体でクリーニングを成り立たせるには、初期剤として転写残トナーの成分比率に比べ、多量外添したものが必要であることが分かる。トータルの初期剤外添量としてはトナーに対して5〜20重量部とすると良好なクリーニング性が得られた。ここで実施例1、2、3での20000枚耐久後のトナー溜まり8jに存在する廃トナーの成分比率を調べるといずれもほぼ転写残トナーの比率と同等であった。つまり本例の場合、シリカ1:0.5、シリカ2:0.3、酸化チタン:0.9であった。
【0149】
一方、比較例1では転写残トナーの比率と同等の外添比率の初期剤でクリーニングが成り立っていない。この違いは初期と耐久後の感光体表面粗さに起因していると考えられる。初期の感光体表面は荒れてなく、クリーニングブレードと感光体表面の密着性は非常に高いものとなる。さらに本発明の実施形態で用いる感光体の磨耗レートが小さいことから、帯電により付着した放電生成物が取り除かれないため、その表面滑り性は非常に悪い。
【0150】
この状態でクリーニングを成り立たせるには、積極的に粒径の小さなスペーサー粒子をクリーニングブレードに送り込まなければならない。逆に耐久後の感光体表面は多少荒れてきて帯電による表面劣化は進むものの、10000枚耐久後、転写残と同等の外添比率となる20000枚耐久後でもクリーニングが成り立っていることから、初期状態の感光体に比べそれほど積極的にスペーサー粒子を送る必要はないことが分かる。実施例2、比較例2から耐久を通してクリーニングを成り立たせるのに必要なトータルの外添量の下限としてはトナーに対して5重量部必要であることが分かった。
【0151】
一方、実施例3、比較例3からトータルの外添量の上限としてはトナーに対して20重量部であることが分かった。これは外添量を多くしすぎるとスペーサー粒子としてクリーニングブレードを抜ける成分が多くなりすぎ、それに誘発されてトナーまでもがすり抜けてしまうためである。また外添量を多くしすぎると外添剤起因の融着も発生し、好ましくない。実際、比較例3では外添剤融着が発生した。
【0152】
クリーニングブレードにスペーサー粒子が到達できるかどうかは確率の問題で、基本的に粒径の小さなものはその流動性からクリーニングブレードに達しやすいが、全て到達できるわけではない。そのため、初期はなるべくスペーサー粒子がクリーニングブレード近傍に安定して存在できるように本発明のようなクリーニング初期剤が必要となるわけである。
【0153】
表1(実施例1〜3、比較例1〜4)ではスペーサー粒子として現像剤中に含まれている外添剤を用いているが現像剤中に無い樹脂粒子等を用いても良い。ただ現像剤と同じ外添剤を用いることによりクリーニング初期剤と転写残トナー(廃トナー)が馴染みやすくなだらかに外添比率が移り変わるという利点がある。
【0154】
また新たなスペーサー粒子としての外添剤を用意しなくても良いことから、製造上でも有利となる。表1の結果はいずれも酸化チタン量を変化させたものに対する結果であるが、シリカの量を増やしたものでも良い。粒径としては10〜100nmのものが好ましい。粒径が10nm以下であるとクリーニングブレードをすり抜ける成分が多くなりすぎ、安定した阻止層の形成が出来なくなる。この時10nm以下のスペーサー粒子の通過を規制しようとしてクリーニングブレードの感光体に対する当接圧を上げると、クリーニングブレードの劣化が促進され、クリーニングシステムとしての満足な寿命が得られなくなる。
【0155】
逆にスペーサー粒子の粒径を100nm以上とすると、すり抜ける成分が少なくなり、ビビリが発生しやすい状況となる。この時100nm以上のスペーサー粒子を通過させようとしてクリーニングブレードの感光体に対する当接圧を下げると、せき止めるべきトナーまでもがすり抜けてしまう。本発明の実施形態で用いた球形重合トナーの場合は、粉砕トナーに比べ、トナー自体がすり抜け易いためより厳しい方向となる。
【0156】
[実施例4]
本実施例では、適応される画像形成装置の詳細はほぼ、実施例1と同じなので、詳細は省略する。
【0157】
本実施例では、実施例1で使用していたブラシをスポンジローラに置き換えた場合である。
【0158】
スポンジローラ8dとしては、発泡ポリウレタン、発泡シリコン、発泡EPDM等のスポンジローラを用いている。例えば発泡ポリウレタンは、ポリイソシアネートプレポリマーとポリエーテル系ポリオールとを主体とした主原料と、シリコーンをアルキルベンゼン溶媒に溶かした整泡剤である低粘性混合液等を配合して調整溶液を作り、これを反応成形してウレタンゴムスポンジ体であるローラ本体成形し、このローラにシャフトを装着して製作されるものである。
【0159】
スポンジローラの外径は15.4mmであり、その硬度は30°(アスカーC)である。ローラ硬度としては10〜50°(アスカーC)が好ましく、10°以下では摺擦力不足で転写残トナーの掻き取り不足となり、50°以上では、感光体に対して傷をつけてしまうからであり、より好ましくは20°〜40°である。
【0160】
また、スポンジローラ表面のセルの大きさは、感光体表面の転写残トナーのかきとりや、廃トナー塗布に影響し、好ましくはセルの直径が0.1〜100μmが好適であり、0.1μm以下ではかきとりや塗布能力が不足し、逆に100μm以上では、トナーが目詰まりを起こしやすくなるためであり、更に好ましくは1〜10μmが好適である。
【0161】
感光体へは、侵入量αは0.7mmで、線圧60gr/cmで当接しており、感光体2の回転方向においてクリーニングブレード8aの上流側に、回転可能に配設されており、感光体2と逆方向回転である矢印B方向に60rpmの速度で回転駆動されている(即ち像担持体2とクリーニングブラシ8dとは、接触部位において相互に同方向に移動している)。
【0162】
また、スクレーパ8eとしては、スポンジローラ8sに対して侵入量βは0.3mmに設定されている。
【0163】
クリーニング初期剤に関しては、実施例1、2、3で用いたものをそれぞれ評価した。
【0164】
以上のような構成で、本実施例の効果を確認するために、低温低湿(23℃/5%)、常温常湿(23℃/60%)、高温高湿(30℃/80%)の各環境下において、連続プリントによる20000枚の耐久試験で、クリーニング性及びその他の不具合などを調べる実験を行った。耐久は2500/日で、8日間実施した。
【0165】
その結果、上記本実施形態の構成においては、耐久を通してクリーニング不良やブレードの鳴きや捲れなどの不具合は一度も発生せず、感光体2の寿命を通して良質な画像形成を行うことができた。
【0166】
これは廃トナーやクリーニング初期剤を感光体表面に適切量塗布できる構成であれば、クリーニング補助部材としてブラシのみならずスポンジローラ、あるいはその他の部材も使用可能であることを意味している。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、クリーニングの厳しい高硬度感光体と重合球形トナーを使用する上に於いて、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段を有する画像形成装置において、像担持体の表面層が少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合あるいは架橋し硬化させたものであり、該クリーニング手段が少なくともクリーニング部材と、クリーニング部材に対して像担持体回転方向上流側にあるクリーニング補助部材と、廃トナー溜めとを有し、クリーニング補助部材は廃トナー溜めに溜まった廃トナーを像担持体上に塗布する機能を有し、廃トナー溜めとクリーニング補助部材の少なくとも一つに予め初期クリーニング補助剤を補充しておく構成をとることにより、長期にわたりクリーニング不良やブレードの鳴き、捲れなどの発生しない安定したクリーニングを行える効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略構成断面図
【図2】本発明に好適な実施例1のクリーナ装置の概略構成断面図
【図3】クリーニングブラシを説明する部分拡大図
【図4】クリーニングブレードを説明する部分拡大図
【図5】感光体ークリーニングブレード当接部分拡大図
【符号の説明】
1   …画像形成装置
2   …感光体
3   …帯電手段
4   …レーザ発振器
5   …レーザービーム
6   …回転現像装置
7   …中間転写体
7a  …転写部位
7b  …転写部位
7c  …高圧電源
8   …クリーニング装置
8a  …クリーニングブレード
8b  …トナー捕集シート
8c  …廃トナー回収容器
8d  …クリーニングブラシ(スポンジローラ)
8e  …ブラシスクレーパ
8f  …板金
8g  …板金
8h  …芯金
8j  …トナー溜まり
8k  …隔壁
9   …カセット
10   …ピックアップローラ
11   …レジストローラ対
12   …転写ベルト
12a  …バイアスローラ
12b  …テンションローラ
12c  …高圧電源
13   …中間転写体クリーニング装置
901  …基体
902  …光導電層
903  …表面保護層
904  …下部電荷注入阻止層
905  …上部電荷注入阻止層
906  …下部光導電層
907  …上部光導電層

Claims (13)

  1. 少なくとも、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段を有する画像形成装置において、像担持体の表面層が少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合あるいは架橋し硬化させたものであり、該クリーニング手段が少なくともクリーニング部材と、クリーニング部材に対して像担持体回転方向上流側にあるクリーニング補助部材と、廃トナー溜めとを有し、クリーニング補助部材は廃トナー溜めに溜まった廃トナーを像担持体上に塗布する機能を有し、廃トナー溜めとクリーニング補助部材の少なくとも一つに予め初期クリーニング補助剤を補充しておくことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記初期クリーニング補助剤はトナーに対し、一次粒径10〜100nmの微粒子を5〜20重量部混合、外添したものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記初期クリーニング補助剤中の微粒子は、現像剤中に含まれる外添剤であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記微粒子は疎水化処理された酸化チタンであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記微粒子は疎水化処理されたシリカであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  6. 前記、像担持体の表面層が分子内に連鎖重合性官能基をもつ化合物を含有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記、像担持体の表面層に含有している分子内に連鎖重合性官能基を持つ化合物が正孔輸送化合物であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 前記、像担持体の表面層の不飽和重合性官能基をもつ化合物を重合あるいは架橋させる硬化に際し、照射する放射線が電子線であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記クリーニング補助部材は、付着したトナーをかきとるスクレーパ部材を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  10. 前記クリーニング部材は、弾性を有して像担持体に接触するゴムブレードであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  11. 前記クリーニング補助部材は、その織度を0.2から3.5Texのブラシ繊維を有するファーブラシであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  12. 前記クリーニング補助部材は、その表面セル構造が0.1μmから100μmのスポンジローラであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  13. 前記トナーは、形状係数SF1が100〜150、形状係数SF−2が100〜140であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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