JP2004132573A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】快適性や経済性に応じた好みの運転で目標室内温度及び目標室内湿度に近づけることが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】圧縮機3と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6と、室内熱交換器7とを順次接続した冷媒循環回路を備える。室内熱交換器7を、第1熱交換器12と第2熱交換器13とに分割し、この第1熱交換器12と第2熱交換器13との間に室内膨張弁15を介設する。第1・第2熱交換器12、13を蒸発器として機能させる冷房運転と、第1熱交換器12を凝縮器として機能させると共に第2熱交換器13を蒸発器として機能させる除湿運転とを可能とする。室内熱交換器7にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持した状態での吹出空気の風量調整を可能とした。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮機3と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6と、室内熱交換器7とを順次接続した冷媒循環回路を備える。室内熱交換器7を、第1熱交換器12と第2熱交換器13とに分割し、この第1熱交換器12と第2熱交換器13との間に室内膨張弁15を介設する。第1・第2熱交換器12、13を蒸発器として機能させる冷房運転と、第1熱交換器12を凝縮器として機能させると共に第2熱交換器13を蒸発器として機能させる除湿運転とを可能とする。室内熱交換器7にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持した状態での吹出空気の風量調整を可能とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に関し、特に冷房除湿運転が可能な空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷房運転と除湿運転とが可能な空気調和機としては、図4に示すものがある(例えば、特許文献1)。この空気調和機は室外機51と室内機52とを備える。室外機51は、圧縮機53と、室外熱交換器54と、室外膨張弁55とを有し、室内機52は室内熱交換器56を有する。また、室内熱交換器56は、第1熱交換器57と第2熱交換器58とに分割形成され、この第1熱交換器57と第2熱交換器58との間に室内膨張弁59が介設されている。
【0003】
そして、冷房運転は、室外膨張弁55を調整開度とすると共に、室内膨張弁59を全開状態として、圧縮機53を駆動させる。これにより、圧縮機53から吐出された冷媒は、室外熱交換器54を通過した後、室外膨張弁55で減圧膨張して、第1熱交換器57及び第2熱交換器58を順次通過し、圧縮機53に返流される。この際、室外熱交換器54が凝縮器として機能すると共に、第1熱交換器57及び第2熱交換器58が蒸発器として機能し、室内から吸収した熱量を室外へ放出して室内冷房が行われる。
【0004】
また、除湿運転(再熱除湿運転)は、室外膨張弁55を全開又はそれに近い状態とすると共に、室内膨張弁59を適度に絞った状態として、圧縮機53を駆動させる。これによって、圧縮機53から吐出された冷媒は、室外熱交換器54、室外膨張弁55、第1熱交換器57、室内膨張弁59、第2熱交換器58へと流れる。この際、冷媒の凝縮が第1熱交換器57で生じた後、第2熱交換器58で蒸発して圧縮機53に返流される。これにより、第2熱交換器58を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後、この湿調された空気が第1熱交換器57を通過して加熱されて温調されて、室内に吹出されることになる。このため、空気吹出温度が空気吸込温度とほぼ同等となる再熱除湿運転を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−121352号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記図4に示すような空気調和機では、室内目標温度及び室内目標湿度を決定(設定)すれば、その調和された空気の室内への吹出温度は一意的に決められていた。そのため、ユーザは吹出温度を調整することができず、冷たい空気に当りたい場合、又は逆に冷たい空気に当りたくない場合等においてそれらに対応する運転ができなかった。また、意図した省エネ運転もできなかった。すなわち、従来のこの種の空気調和機では、快適性や経済性に応じたユーザの好みの運転ができなかった。
【0007】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、快適性や経済性に応じた好みの運転で室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることが可能な空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の空気調和機は、吹出空気の顕熱比を一定に維持した状態でのこの吹出空気の風量調整を可能としたことを特徴としている。
【0009】
請求項1の空気調和機では、吹出空気の顕熱比を一定に維持するので、吹出温度が変化しても、室内ファンの風量を調節することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。例えば、冷房除湿運転時において、吹出温度を高くした場合には、吹出空気の風量を大きくし、吹出温度を低くした場合には、吹出空気の風量を小さくすることができる。これによって、吹出温度が相違しても、同一の室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。なお、この空気調和機では、暖房加湿を行うことも可能である。
【0010】
請求項2の空気調和機は、室内熱交換器7を、第1熱交換器12と第2熱交換器13とに分割すると共に、この第1熱交換器12と第2熱交換器13との間に室内膨張弁15を介設し、圧縮機3からの冷媒が、第1熱交換器12、室内膨張弁15、第2熱交換器13へと循環する冷媒循環回路を設けたことを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の空気調和機では、室内膨張弁15を調整することによって、第1熱交換器12を凝縮機として機能させると共に、第2熱交換器13を蒸発機として機能させることができる。これによって、室内空気は第2熱交換器13を通過することによって冷却されて除湿され、さらに、第1熱交換器12を通過することによって加熱されて温調されることになる。すなわち、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。そして、室内熱交換器7にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。なお、この空気調和機では、吸込空気を調和する際には、湿調した空気と、温調した空気とを混合するものであっても、湿調した空気をその後温調するものであってもよい。
【0012】
請求項3の空気調和機は、上記第2熱交換器13を通過して湿調された空気がその後上記第1熱交換器12を通過して温調されることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の空気調和機では、第2熱交換器13を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後、この湿調された空気が第1熱交換器12を通過して加熱されて温調されて、室内に吹出されることになる。これにより、目標とする温度と湿度の空気を安定して吹出すことができる。
【0014】
請求項4の空気調和機は、上記冷房除湿運転において、吹出空気の温度を吸込温度に近い温度とすることを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の空気調和機では、吹出空気の温度を吸込温度に近い温度とすることができるので、冷風による不快感を防止でき、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。
【0016】
請求項5の空気調和機は、上記冷房除湿運転において、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することを特徴としている。
【0017】
上記請求項5の空気調和機では、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することができ、経済的な運転が可能であって、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の空気調和機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの空気調和機の簡略図を示す。この空気調和機は、室外機1と室内機2とを備え、室外機1側には、圧縮機3と、四路切換弁4と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6等が配置され、室内機2側には、室内熱交換器7が配置される。すなわち、圧縮機3と、四路切換弁4と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6、室内熱交換器7等で冷媒循環回路が形成される。
【0019】
具体的には、圧縮機3の吐出管8が四路切換弁4の一方の1次ポートに接続され、圧縮機3の吸入管9が四路切換弁4の他方の1次ポートに接続され、四路切換弁4の一方の2次ポートが冷媒配管10を介して室外熱交換器5に接続され、室外熱交換器5が冷媒配管11を介して室外膨張弁6に接続される。また、室内熱交換器7は、第1熱交換器12と、第2熱交換器13とに分割形成され、この第1熱交換器12と第2熱交換器13とを連結する冷媒配管14に室内膨張弁(電動膨張弁)15が介設されている。そして、室外膨張弁6と第1熱交換器12とが冷媒配管16にて接続され、第2熱交換器13と四路切換弁4の他方の2次ポートとが冷媒配管17にて接続されている。また、室外熱交換器5には室外ファン18が付設され、室内熱交換器7には室内ファン19が付設されている。
【0020】
そして、この空気調和機の制御部としては、室内の温度を検出する温度検出器20と、室内の湿度を検出する湿度検出器21と、第1熱交換器12の温度を検出する温度検出器22と、第2熱交換器13の温度を検出する温度検出器23と、第2熱交換器13の通過温度を検出する温度検出器24と、吹出温度(室内ファン19の駆動によって、第2熱交換器13及び第1熱交換器12を通過して、室内へ吹出される吹出空気温度)を検出する温度検出器25と、室内目標温度や室内目標湿度等を設定する設定手段26と、上記各検出器からのデータ等が入力される制御手段27等を備える。そして、制御手段27に入力される各種のデータに基づいて、圧縮機3の運転周波数、室外膨張弁6の開度、室内膨張弁の開度等が制御される。なお、各温度検出器20・・としては、例えば温度検出サーミスタ等を使用することができ、湿度検出器としては、乾湿球式、毛髪式、水晶振動子式、高分子系センサー、金属酸化物系センサー等の種々のセンサーを使用することができる。また。制御手段27及び設定手段26等は、マイクロコンピュータ等にて構成することができる
【0021】
このように構成された空気調和機において、通常の冷房運転を行う場合、室外膨張弁6を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁15を全開状態とし、さらには、四路切換弁4を図1の実線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器5を通過した後、室外膨張弁6で減圧膨張して、第1熱交換器12及び第2熱交換器13を順次通過し、圧縮機3に返流される。この際、室外熱交換器5が凝縮器として機能すると共に、第1熱交換器12及び第2熱交換器13が蒸発器として機能し、室内から吸収した熱量を室外へ放出して室内冷房が行われる。
【0022】
また、除湿運転は、室外膨張弁6を全開状態又はこれに近い状態とすると共に、室内膨張弁15を所定の開度に絞り、圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器5及び第1熱交換器12を通過した後、室内膨張弁15で減圧膨張して、第2熱交換器13を通過して圧縮機3に返流される。この際、室外熱交換器5及び第1熱交換器12が凝縮器として機能すると共に、第2熱交換器13が蒸発器として機能する。従って、第2熱交換器13を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後この湿調された空気が第1熱交換器12を通過して加熱されて温調され、室内に吹出されることになる。このため、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。
【0023】
そして、暖房運転は、室外膨張弁6を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁15を全開状態とし、さらには、四路切換弁4を図1の破線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、第2熱交換器13及び第1熱交換器12を順次通過した後、室外膨張弁6で減圧膨張して、室外熱交換器5を通過して圧縮機3に返流される。この際、第1熱交換器12及び第2熱交換器13が凝縮器として機能すると共に、室外熱交換器5が蒸発器として機能し、室内へ加熱された(暖められた)空気が吹出される。
【0024】
次に、上記再熱除湿運転モードを利用した冷房除湿運転を図2の空気線図を使用して説明する。室内空気(RA)は最初に蒸発器として機能する第2熱交換器13(温度Tfe1)に接触して、M1の状態となる。次に再熱器として機能している第1熱交換器12(温度Tfr1)に接触して、SA1の状態となって室内へ吹出される。この際、室内空気(吸込空気)として、例えば、温度が27℃で、湿度が50%で、絶対湿度(x)が0.011kg/kgであり、上記Tfe1、Tfr1、M1、SA1等は次の表1のようになる。
【0025】
【表1】
【0026】
そして、この表1に示す状態(再熱器である第1熱交換器12の凝縮温度が高い場合)から第1熱交換器(再熱器)12の圧力が低下してこの第1熱交換器12の温度がTfr2に低下した場合には、蒸発器として機能している第2熱交換器13の圧力を低下させることによって、この第2熱交換器(蒸発器)13の温度をTfe1まで低下させ、M2の状態を経由して吹出空気を等SHF線上の点のSA2に持ってくるようにしている。この再熱器圧力が低下した状態(再熱器である第1熱交換器12の凝縮温度が低い場合)の各Tfe2、Tfr2、M2、SA2等は次の表2のようになる。なお、表1と表2において、蒸発器フィン温度とは第2熱交換器13の温度であり、再熱器フィン温度とは第1熱交換器12の温度である。
【0027】
【表2】
【0028】
ここで、SHFとは顕熱比であり、次の数1にて求めることができる。なお、この場合、等SHFを0.5としているが、もちろんこれに限るものではない。
【0029】
【数1】
【0030】
上記の場合、吹出空気はSA1の状態からSA2の状態に移動したことになり、ΔT(吸込空気と吹出空気との温度差)、Δx(吸込空気と吹出空気との絶対湿度差)は、それぞれ3倍になっている。すなわち、SA1の状態では、ΔTが2(℃)であり、Δxが0.001(kg/kg)であるのに対し、SA2の状態では、ΔTが6(℃)であり、Δxが0.003(kg/kg)であり、6(℃)÷2(℃)=3となり、0.003(kg/kg)÷0.001(kg/kg)=3となる。このため、SA2の状態において、室内ファン19の風量をSA1の状態の室内ファン19の風量の1/3とすれば、再熱器凝縮温度が低下して吹出温度が低下しても、表1の状態と同一の室内目標温度及び室内目標湿度にすることができる。
【0031】
すなわち、SA1の状態では、吹出温度が25℃であり、吸込空気の温度に近接し、また、絶対湿度が0.010(kg/kg)であり、吸込空気の絶対湿度に近接しているので、室内ファン19の風量を大として、このSA1の状態の空気を吹出させている。これに対して、SA2の状態では、吹出温度が21℃であり、吸込空気の温度よりもかなり低く、また絶対湿度が0.008(kg/kg)であり、吸込空気の絶対湿度よりもかなり低いので、室内ファン19の風量を小とすることによって、このSA2の状態の空気を吹出させて、SA1の状態の空気を吹出した場合と同様の室内目標温度及び室内目標湿度とすることができる。
【0032】
次に図3のフローチャート図を使用して、再熱除湿運転モードを利用した冷房除湿運転の制御を説明する。まず、設定手段26にて、室内目標温度と室内目標湿度と室内機吹出温度とを設定し、これらを制御手段27に入力する(ステップS1)。この場合、この設定値はユーザ等が任意に設定(決定)することができ、固定式又は非固定式のリモコン等のボタンを操作することによって、その設定値を指定することができる。次にステップS2へ移行して、現在の室内温度(吸込空気温度)を上記温度検出器20にて検出すると共に、現在の室内湿度を上記湿度検出器21にて検出する。次にステップS3へ移行して、吹出空気のSHFと風量とを計算する。次にステップS4へ移行して、その吹出風量が風量上限値以下か否かを判断する。ここで、風量上限値とは、予め設定された吹出風量の上限値であり、任意に設定することができる。
【0033】
そして、ステップS4で風量上限値以下でなければ、つまり風量上限値を越えていれば、ステップS5へ移行して、吹出温度を吹出風量が上限値となる温度に変更する。また、ステップS4で風量上限値以下であれば、ステップS6へ移行して、その吹出風量が風量下限値以上か否かを判断する。ここで、風量下限値とは、予め設定された吹出風量の下限値であり、任意に設定することができる。ステップS6で風量下限値以上でなければ、つまり風量上限値未満であれば、ステップS7へ移行して、吹出温度を吹出風量が下限値となる温度に変更する。ステップS6で風量下限値以上であれば、ステップS8へ移行する。また、ステップS5及びステップS7からはステップS8へ移行する。
【0034】
ステップS8では、現在の室内温湿度(室内の温度及び湿度)、目標室内温湿度(室内の温度及び湿度)、SHF、吹出温度値を元に、制御手段27のメモリーに格納された数表から、室外機ファン(室外ファン)18の風量、圧縮機周波数(圧縮機3の周波数)、室外機膨張弁(室外膨張弁)6の開度、室内機膨張弁(室内膨張弁)15の開度を決定する。その後は、ステップS2へ戻る。これによって、現在の状態から室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。すなわち、吹出空気の顕熱比が一定となるように、室外ファン18の風量、圧縮機3の周波数、室外膨張弁6の開度、室内膨張弁15の開度を調整し、吹出温度に応じた吹出風量にすることよって、室内を、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけるものである。
【0035】
したがって、例えば、吹出空気が低温で乾いた空気であれば、吹出風量を小さくすることによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけ、逆に、吹出空気が比較的高温であまり乾いていない空気であれば、吹出風量を大きくすることによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけるものである。
【0036】
このため、室内温湿度を室内目標温湿度に近づける冷房除湿運転において、吹出空気の温度を吸込温度に近づけることができる運転が可能である。これによって、吹出空気に直接当る位置にいる吹出口近傍のユーザは、吹出空気が当ったとしても、低温ではないので、快適に過ごすことができる。逆に、入浴後等において、冷たい風に当りたい場合には、吹出温度を低くして、冷たい風に当るようにすることも可能である。
【0037】
さらに、室内温湿度を室内目標温湿度に近づける冷房除湿運転において、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することも可能である。すなわち、吹出空気の顕熱比を一定に維持する際に、この空気調和機の駆動に使用する消費電力を全体として最小となるように、圧縮機3の周波数、内外ファン18、19の回転数等を制御するものである。このようにすれば、ランニングコストの低減を図った運転で快適空間を形成することができる。
【0038】
このため、ユーザの希望により、吹出温度を変更したり、吹出風量を変更したりすることができ、快適性又は経済性を得ることができる。すなわち、ユーザが快適性を優先させたい場合には、上記したように吹出空気の温度を吸込温度に近づけることができる運転等を行って、快適性を優先させ、ユーザが経済性を優先させたい場合には、消費電力を小とする運転を行って、経済性を優先させることができる。このように、上記空気調和機では、ユーザの好む運転が可能となり、しかも、最終的には、室内目標温度及び室内目標湿度に近づいており、快適空間を形成することができる。
【0039】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、SHFとしては、室内目標温度及び室内目標湿度等に応じて任意に設定することができ、また、吹出温度としても、吹出空気の風量を調整することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができるものであればよい。さらに、室内熱交換器7にて吸込空気を調和する際には、上記実施の形態では、湿調した空気をその後温調するものであったが、湿調した空気と、温調した空気とを混合するものであってもよい。なお、上記実施の形態では、冷房運転と、暖房運転と、再熱除湿運転とを行うものとしていたが、暖房加湿を行うことも可能であり、さらには、四路切換弁4等を省略することによって、暖房運転ができないものであっても、室外熱交換器5及び室外膨張弁6を有しないものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の空気調和機によれば、吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内ファンの風量を調節することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。例えば、冷房除湿運転時において、吹出温度を高くした場合には、吹出空気の風量を大きくし、吹出温度を低くした場合には、吹出空気の風量を小さくすることができる。これによって、吹出温度が相違しても、同一の室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。従って、室内目標温度及び室内目標湿度に近づける際に、ユーザの希望により、吹出温度を変更したり、吹出風量を変更したりすることができ、快適性又は経済性を得ることができる。すなわち、ユーザが快適性を優先させたい場合には、快適性を優先させ、ユーザが経済性を優先させたい場合には、経済性を優先させることができ、ユーザの好む運転が可能となる。
【0041】
請求項2の空気調和機によれば、室内空気は第2熱交換器を通過することによって冷却されて除湿され、さらに、第1熱交換器を通過することによって加熱されて温調されることになる。すなわち、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。そして、室内熱交換器にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。
【0042】
請求項3の空気調和機によれば、目標とする温度と湿度の空気を安定して吹出すことができる。これにより、室内目標温度及び室内目標湿度に近づける運転の信頼性が向上する。
【0043】
請求項4の空気調和機によれば、冷風による不快感を防止でき、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。これにより、ユーザは不快感を抱くことなく快適に過ごすことができる。
【0044】
請求項5の空気調和機によれば、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することができ、経済的な運転が可能であって、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。これにより、ランニングコストの低減を図った運転で快適空間を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機の実施の形態を示す簡略図である。
【図2】空気線図である。
【図3】上記空気調和機の運転時の制御を示すフローチャート図である。
【図4】従来の空気調和機の簡略図である。
【符号の説明】
3 圧縮機
7 室内熱交換器
12 第1熱交換器
13 第2熱交換器
15 室内膨張弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に関し、特に冷房除湿運転が可能な空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷房運転と除湿運転とが可能な空気調和機としては、図4に示すものがある(例えば、特許文献1)。この空気調和機は室外機51と室内機52とを備える。室外機51は、圧縮機53と、室外熱交換器54と、室外膨張弁55とを有し、室内機52は室内熱交換器56を有する。また、室内熱交換器56は、第1熱交換器57と第2熱交換器58とに分割形成され、この第1熱交換器57と第2熱交換器58との間に室内膨張弁59が介設されている。
【0003】
そして、冷房運転は、室外膨張弁55を調整開度とすると共に、室内膨張弁59を全開状態として、圧縮機53を駆動させる。これにより、圧縮機53から吐出された冷媒は、室外熱交換器54を通過した後、室外膨張弁55で減圧膨張して、第1熱交換器57及び第2熱交換器58を順次通過し、圧縮機53に返流される。この際、室外熱交換器54が凝縮器として機能すると共に、第1熱交換器57及び第2熱交換器58が蒸発器として機能し、室内から吸収した熱量を室外へ放出して室内冷房が行われる。
【0004】
また、除湿運転(再熱除湿運転)は、室外膨張弁55を全開又はそれに近い状態とすると共に、室内膨張弁59を適度に絞った状態として、圧縮機53を駆動させる。これによって、圧縮機53から吐出された冷媒は、室外熱交換器54、室外膨張弁55、第1熱交換器57、室内膨張弁59、第2熱交換器58へと流れる。この際、冷媒の凝縮が第1熱交換器57で生じた後、第2熱交換器58で蒸発して圧縮機53に返流される。これにより、第2熱交換器58を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後、この湿調された空気が第1熱交換器57を通過して加熱されて温調されて、室内に吹出されることになる。このため、空気吹出温度が空気吸込温度とほぼ同等となる再熱除湿運転を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−121352号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記図4に示すような空気調和機では、室内目標温度及び室内目標湿度を決定(設定)すれば、その調和された空気の室内への吹出温度は一意的に決められていた。そのため、ユーザは吹出温度を調整することができず、冷たい空気に当りたい場合、又は逆に冷たい空気に当りたくない場合等においてそれらに対応する運転ができなかった。また、意図した省エネ運転もできなかった。すなわち、従来のこの種の空気調和機では、快適性や経済性に応じたユーザの好みの運転ができなかった。
【0007】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、快適性や経済性に応じた好みの運転で室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることが可能な空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の空気調和機は、吹出空気の顕熱比を一定に維持した状態でのこの吹出空気の風量調整を可能としたことを特徴としている。
【0009】
請求項1の空気調和機では、吹出空気の顕熱比を一定に維持するので、吹出温度が変化しても、室内ファンの風量を調節することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。例えば、冷房除湿運転時において、吹出温度を高くした場合には、吹出空気の風量を大きくし、吹出温度を低くした場合には、吹出空気の風量を小さくすることができる。これによって、吹出温度が相違しても、同一の室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。なお、この空気調和機では、暖房加湿を行うことも可能である。
【0010】
請求項2の空気調和機は、室内熱交換器7を、第1熱交換器12と第2熱交換器13とに分割すると共に、この第1熱交換器12と第2熱交換器13との間に室内膨張弁15を介設し、圧縮機3からの冷媒が、第1熱交換器12、室内膨張弁15、第2熱交換器13へと循環する冷媒循環回路を設けたことを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の空気調和機では、室内膨張弁15を調整することによって、第1熱交換器12を凝縮機として機能させると共に、第2熱交換器13を蒸発機として機能させることができる。これによって、室内空気は第2熱交換器13を通過することによって冷却されて除湿され、さらに、第1熱交換器12を通過することによって加熱されて温調されることになる。すなわち、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。そして、室内熱交換器7にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。なお、この空気調和機では、吸込空気を調和する際には、湿調した空気と、温調した空気とを混合するものであっても、湿調した空気をその後温調するものであってもよい。
【0012】
請求項3の空気調和機は、上記第2熱交換器13を通過して湿調された空気がその後上記第1熱交換器12を通過して温調されることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の空気調和機では、第2熱交換器13を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後、この湿調された空気が第1熱交換器12を通過して加熱されて温調されて、室内に吹出されることになる。これにより、目標とする温度と湿度の空気を安定して吹出すことができる。
【0014】
請求項4の空気調和機は、上記冷房除湿運転において、吹出空気の温度を吸込温度に近い温度とすることを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の空気調和機では、吹出空気の温度を吸込温度に近い温度とすることができるので、冷風による不快感を防止でき、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。
【0016】
請求項5の空気調和機は、上記冷房除湿運転において、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することを特徴としている。
【0017】
上記請求項5の空気調和機では、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することができ、経済的な運転が可能であって、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の空気調和機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの空気調和機の簡略図を示す。この空気調和機は、室外機1と室内機2とを備え、室外機1側には、圧縮機3と、四路切換弁4と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6等が配置され、室内機2側には、室内熱交換器7が配置される。すなわち、圧縮機3と、四路切換弁4と、室外熱交換器5と、室外膨張弁6、室内熱交換器7等で冷媒循環回路が形成される。
【0019】
具体的には、圧縮機3の吐出管8が四路切換弁4の一方の1次ポートに接続され、圧縮機3の吸入管9が四路切換弁4の他方の1次ポートに接続され、四路切換弁4の一方の2次ポートが冷媒配管10を介して室外熱交換器5に接続され、室外熱交換器5が冷媒配管11を介して室外膨張弁6に接続される。また、室内熱交換器7は、第1熱交換器12と、第2熱交換器13とに分割形成され、この第1熱交換器12と第2熱交換器13とを連結する冷媒配管14に室内膨張弁(電動膨張弁)15が介設されている。そして、室外膨張弁6と第1熱交換器12とが冷媒配管16にて接続され、第2熱交換器13と四路切換弁4の他方の2次ポートとが冷媒配管17にて接続されている。また、室外熱交換器5には室外ファン18が付設され、室内熱交換器7には室内ファン19が付設されている。
【0020】
そして、この空気調和機の制御部としては、室内の温度を検出する温度検出器20と、室内の湿度を検出する湿度検出器21と、第1熱交換器12の温度を検出する温度検出器22と、第2熱交換器13の温度を検出する温度検出器23と、第2熱交換器13の通過温度を検出する温度検出器24と、吹出温度(室内ファン19の駆動によって、第2熱交換器13及び第1熱交換器12を通過して、室内へ吹出される吹出空気温度)を検出する温度検出器25と、室内目標温度や室内目標湿度等を設定する設定手段26と、上記各検出器からのデータ等が入力される制御手段27等を備える。そして、制御手段27に入力される各種のデータに基づいて、圧縮機3の運転周波数、室外膨張弁6の開度、室内膨張弁の開度等が制御される。なお、各温度検出器20・・としては、例えば温度検出サーミスタ等を使用することができ、湿度検出器としては、乾湿球式、毛髪式、水晶振動子式、高分子系センサー、金属酸化物系センサー等の種々のセンサーを使用することができる。また。制御手段27及び設定手段26等は、マイクロコンピュータ等にて構成することができる
【0021】
このように構成された空気調和機において、通常の冷房運転を行う場合、室外膨張弁6を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁15を全開状態とし、さらには、四路切換弁4を図1の実線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器5を通過した後、室外膨張弁6で減圧膨張して、第1熱交換器12及び第2熱交換器13を順次通過し、圧縮機3に返流される。この際、室外熱交換器5が凝縮器として機能すると共に、第1熱交換器12及び第2熱交換器13が蒸発器として機能し、室内から吸収した熱量を室外へ放出して室内冷房が行われる。
【0022】
また、除湿運転は、室外膨張弁6を全開状態又はこれに近い状態とすると共に、室内膨張弁15を所定の開度に絞り、圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、室外熱交換器5及び第1熱交換器12を通過した後、室内膨張弁15で減圧膨張して、第2熱交換器13を通過して圧縮機3に返流される。この際、室外熱交換器5及び第1熱交換器12が凝縮器として機能すると共に、第2熱交換器13が蒸発器として機能する。従って、第2熱交換器13を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後この湿調された空気が第1熱交換器12を通過して加熱されて温調され、室内に吹出されることになる。このため、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。
【0023】
そして、暖房運転は、室外膨張弁6を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁15を全開状態とし、さらには、四路切換弁4を図1の破線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機3を駆動させる。これにより、圧縮機3から吐出された冷媒は、第2熱交換器13及び第1熱交換器12を順次通過した後、室外膨張弁6で減圧膨張して、室外熱交換器5を通過して圧縮機3に返流される。この際、第1熱交換器12及び第2熱交換器13が凝縮器として機能すると共に、室外熱交換器5が蒸発器として機能し、室内へ加熱された(暖められた)空気が吹出される。
【0024】
次に、上記再熱除湿運転モードを利用した冷房除湿運転を図2の空気線図を使用して説明する。室内空気(RA)は最初に蒸発器として機能する第2熱交換器13(温度Tfe1)に接触して、M1の状態となる。次に再熱器として機能している第1熱交換器12(温度Tfr1)に接触して、SA1の状態となって室内へ吹出される。この際、室内空気(吸込空気)として、例えば、温度が27℃で、湿度が50%で、絶対湿度(x)が0.011kg/kgであり、上記Tfe1、Tfr1、M1、SA1等は次の表1のようになる。
【0025】
【表1】
【0026】
そして、この表1に示す状態(再熱器である第1熱交換器12の凝縮温度が高い場合)から第1熱交換器(再熱器)12の圧力が低下してこの第1熱交換器12の温度がTfr2に低下した場合には、蒸発器として機能している第2熱交換器13の圧力を低下させることによって、この第2熱交換器(蒸発器)13の温度をTfe1まで低下させ、M2の状態を経由して吹出空気を等SHF線上の点のSA2に持ってくるようにしている。この再熱器圧力が低下した状態(再熱器である第1熱交換器12の凝縮温度が低い場合)の各Tfe2、Tfr2、M2、SA2等は次の表2のようになる。なお、表1と表2において、蒸発器フィン温度とは第2熱交換器13の温度であり、再熱器フィン温度とは第1熱交換器12の温度である。
【0027】
【表2】
【0028】
ここで、SHFとは顕熱比であり、次の数1にて求めることができる。なお、この場合、等SHFを0.5としているが、もちろんこれに限るものではない。
【0029】
【数1】
【0030】
上記の場合、吹出空気はSA1の状態からSA2の状態に移動したことになり、ΔT(吸込空気と吹出空気との温度差)、Δx(吸込空気と吹出空気との絶対湿度差)は、それぞれ3倍になっている。すなわち、SA1の状態では、ΔTが2(℃)であり、Δxが0.001(kg/kg)であるのに対し、SA2の状態では、ΔTが6(℃)であり、Δxが0.003(kg/kg)であり、6(℃)÷2(℃)=3となり、0.003(kg/kg)÷0.001(kg/kg)=3となる。このため、SA2の状態において、室内ファン19の風量をSA1の状態の室内ファン19の風量の1/3とすれば、再熱器凝縮温度が低下して吹出温度が低下しても、表1の状態と同一の室内目標温度及び室内目標湿度にすることができる。
【0031】
すなわち、SA1の状態では、吹出温度が25℃であり、吸込空気の温度に近接し、また、絶対湿度が0.010(kg/kg)であり、吸込空気の絶対湿度に近接しているので、室内ファン19の風量を大として、このSA1の状態の空気を吹出させている。これに対して、SA2の状態では、吹出温度が21℃であり、吸込空気の温度よりもかなり低く、また絶対湿度が0.008(kg/kg)であり、吸込空気の絶対湿度よりもかなり低いので、室内ファン19の風量を小とすることによって、このSA2の状態の空気を吹出させて、SA1の状態の空気を吹出した場合と同様の室内目標温度及び室内目標湿度とすることができる。
【0032】
次に図3のフローチャート図を使用して、再熱除湿運転モードを利用した冷房除湿運転の制御を説明する。まず、設定手段26にて、室内目標温度と室内目標湿度と室内機吹出温度とを設定し、これらを制御手段27に入力する(ステップS1)。この場合、この設定値はユーザ等が任意に設定(決定)することができ、固定式又は非固定式のリモコン等のボタンを操作することによって、その設定値を指定することができる。次にステップS2へ移行して、現在の室内温度(吸込空気温度)を上記温度検出器20にて検出すると共に、現在の室内湿度を上記湿度検出器21にて検出する。次にステップS3へ移行して、吹出空気のSHFと風量とを計算する。次にステップS4へ移行して、その吹出風量が風量上限値以下か否かを判断する。ここで、風量上限値とは、予め設定された吹出風量の上限値であり、任意に設定することができる。
【0033】
そして、ステップS4で風量上限値以下でなければ、つまり風量上限値を越えていれば、ステップS5へ移行して、吹出温度を吹出風量が上限値となる温度に変更する。また、ステップS4で風量上限値以下であれば、ステップS6へ移行して、その吹出風量が風量下限値以上か否かを判断する。ここで、風量下限値とは、予め設定された吹出風量の下限値であり、任意に設定することができる。ステップS6で風量下限値以上でなければ、つまり風量上限値未満であれば、ステップS7へ移行して、吹出温度を吹出風量が下限値となる温度に変更する。ステップS6で風量下限値以上であれば、ステップS8へ移行する。また、ステップS5及びステップS7からはステップS8へ移行する。
【0034】
ステップS8では、現在の室内温湿度(室内の温度及び湿度)、目標室内温湿度(室内の温度及び湿度)、SHF、吹出温度値を元に、制御手段27のメモリーに格納された数表から、室外機ファン(室外ファン)18の風量、圧縮機周波数(圧縮機3の周波数)、室外機膨張弁(室外膨張弁)6の開度、室内機膨張弁(室内膨張弁)15の開度を決定する。その後は、ステップS2へ戻る。これによって、現在の状態から室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。すなわち、吹出空気の顕熱比が一定となるように、室外ファン18の風量、圧縮機3の周波数、室外膨張弁6の開度、室内膨張弁15の開度を調整し、吹出温度に応じた吹出風量にすることよって、室内を、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけるものである。
【0035】
したがって、例えば、吹出空気が低温で乾いた空気であれば、吹出風量を小さくすることによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけ、逆に、吹出空気が比較的高温であまり乾いていない空気であれば、吹出風量を大きくすることによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけるものである。
【0036】
このため、室内温湿度を室内目標温湿度に近づける冷房除湿運転において、吹出空気の温度を吸込温度に近づけることができる運転が可能である。これによって、吹出空気に直接当る位置にいる吹出口近傍のユーザは、吹出空気が当ったとしても、低温ではないので、快適に過ごすことができる。逆に、入浴後等において、冷たい風に当りたい場合には、吹出温度を低くして、冷たい風に当るようにすることも可能である。
【0037】
さらに、室内温湿度を室内目標温湿度に近づける冷房除湿運転において、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することも可能である。すなわち、吹出空気の顕熱比を一定に維持する際に、この空気調和機の駆動に使用する消費電力を全体として最小となるように、圧縮機3の周波数、内外ファン18、19の回転数等を制御するものである。このようにすれば、ランニングコストの低減を図った運転で快適空間を形成することができる。
【0038】
このため、ユーザの希望により、吹出温度を変更したり、吹出風量を変更したりすることができ、快適性又は経済性を得ることができる。すなわち、ユーザが快適性を優先させたい場合には、上記したように吹出空気の温度を吸込温度に近づけることができる運転等を行って、快適性を優先させ、ユーザが経済性を優先させたい場合には、消費電力を小とする運転を行って、経済性を優先させることができる。このように、上記空気調和機では、ユーザの好む運転が可能となり、しかも、最終的には、室内目標温度及び室内目標湿度に近づいており、快適空間を形成することができる。
【0039】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、SHFとしては、室内目標温度及び室内目標湿度等に応じて任意に設定することができ、また、吹出温度としても、吹出空気の風量を調整することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができるものであればよい。さらに、室内熱交換器7にて吸込空気を調和する際には、上記実施の形態では、湿調した空気をその後温調するものであったが、湿調した空気と、温調した空気とを混合するものであってもよい。なお、上記実施の形態では、冷房運転と、暖房運転と、再熱除湿運転とを行うものとしていたが、暖房加湿を行うことも可能であり、さらには、四路切換弁4等を省略することによって、暖房運転ができないものであっても、室外熱交換器5及び室外膨張弁6を有しないものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の空気調和機によれば、吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内ファンの風量を調節することによって、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。例えば、冷房除湿運転時において、吹出温度を高くした場合には、吹出空気の風量を大きくし、吹出温度を低くした場合には、吹出空気の風量を小さくすることができる。これによって、吹出温度が相違しても、同一の室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。従って、室内目標温度及び室内目標湿度に近づける際に、ユーザの希望により、吹出温度を変更したり、吹出風量を変更したりすることができ、快適性又は経済性を得ることができる。すなわち、ユーザが快適性を優先させたい場合には、快適性を優先させ、ユーザが経済性を優先させたい場合には、経済性を優先させることができ、ユーザの好む運転が可能となる。
【0041】
請求項2の空気調和機によれば、室内空気は第2熱交換器を通過することによって冷却されて除湿され、さらに、第1熱交換器を通過することによって加熱されて温調されることになる。すなわち、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。そして、室内熱交換器にて調和された吹出空気の顕熱比を一定に維持することで、吹出温度が変化しても、室内目標温度及び室内目標湿度に近づけることができる。
【0042】
請求項3の空気調和機によれば、目標とする温度と湿度の空気を安定して吹出すことができる。これにより、室内目標温度及び室内目標湿度に近づける運転の信頼性が向上する。
【0043】
請求項4の空気調和機によれば、冷風による不快感を防止でき、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。これにより、ユーザは不快感を抱くことなく快適に過ごすことができる。
【0044】
請求項5の空気調和機によれば、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することができ、経済的な運転が可能であって、しかも、室内温湿度を室内目標温湿度に近づけることができる。これにより、ランニングコストの低減を図った運転で快適空間を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機の実施の形態を示す簡略図である。
【図2】空気線図である。
【図3】上記空気調和機の運転時の制御を示すフローチャート図である。
【図4】従来の空気調和機の簡略図である。
【符号の説明】
3 圧縮機
7 室内熱交換器
12 第1熱交換器
13 第2熱交換器
15 室内膨張弁
Claims (5)
- 吹出空気の顕熱比を一定に維持した状態でのこの吹出空気の風量調整を可能としたことを特徴とする空気調和機。
- 室内熱交換器(7)を、第1熱交換器(12)と第2熱交換器(13)とに分割すると共に、この第1熱交換器(12)と第2熱交換器(13)との間に室内膨張弁(15)を介設し、圧縮機(3)からの冷媒が、第1熱交換器(12)、室内膨張弁(15)、第2熱交換器(13)へと循環する冷媒循環回路を設けたことを特徴とする請求項1の空気調和機。
- 上記第2熱交換器(13)を通過して湿調された空気が、その後上記第1熱交換器(12)を通過して温調されることを特徴とする請求項2の空気調和機。
- 上記冷房除湿運転において、吹出空気の温度を吸込温度に近い温度とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの空気調和機。
- 上記冷房除湿運転において、小消費電力となるように、吹出空気の温度を制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のずれかの空気調和機。
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