JP2004131813A - 鋼帯の連続処理炉におけるシール装置及びシール方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置において、表面疵の問題を発生させずに使用することが可能であり、高価なシールガスを使用する必要がなく、大規模な設備を必要としないシール装置及びシール方法を提供する。
【解決手段】炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納する貫通孔2が設けられ、貫通孔2内にシール壁本体1が上下動可能に設けられ、シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなり、貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接されてなり、貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を有し、シール壁本体1を上下動するための昇降装置9を有し、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間に僅かの隙間を形成するようにシール壁本体を配置することが可能であることを特徴とするシール装置及びシール方法。
【選択図】 図1
【解決手段】炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納する貫通孔2が設けられ、貫通孔2内にシール壁本体1が上下動可能に設けられ、シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなり、貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接されてなり、貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を有し、シール壁本体1を上下動するための昇降装置9を有し、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間に僅かの隙間を形成するようにシール壁本体を配置することが可能であることを特徴とするシール装置及びシール方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置及びシール方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼帯の加熱炉、または熱処理炉では、炉内の雰囲気を特定状態に維持して、熱処理炉を通過する鋼帯の外観性の向上、あるいは材質の改善等を図ることが行われている。熱処理を特定の炉内雰囲気で行い、材質の改善を図るものとして、例えばCGL焼鈍炉においては、熱処理炉がトンネル状の空間を形成する耐火物の炉壁からなる炉本体により構成されている。CGL焼鈍炉においては、鋼帯は無酸化直火炉(NOF)から還元炉(RF)の順に炉内をロールで支承されて連続的に通過する。NOFとRFとの間にスロート部を設け、NOFからRFへの燃焼ガスの混入を防止し、RFの還元能力の低下を防止すると共に、水素ガスの使用量を削減する必要がある。ここにおいて、スロート部の構造としてはスレッデングバーの通過に支障を与えないように配慮する必要がある。
【0003】
また、化学気相蒸着(以下CVDと称す)処理炉を備えた連続滲珪処理設備で高珪素鋼板を得ることが、特許文献1に記載されている。鋼帯は加熱炉−CVD処理炉−拡散処理炉の順に炉内をロールで支承されて連続的に通過する。このような熱処理設備では、加熱炉とCVD処理炉との間、及びCVD処理炉と拡散処理炉との間のシールを確実に行わなければならない。そのためのシール装置としては、CVD処理炉の熱処理温度が1100〜1200℃と高温であること、及び複数の雰囲気ガス毎に厳しいシール性が要求されることから、シール装置を柔軟性があるセラミックスファイバー製の昇降ダンパとし、この昇降ダンパを熱処理する鋼板の表面に接触させて、シール性の向上を図るようにしている。
【0004】
CVD処理炉においては、熱処理温度が1100〜1200℃と高温なため、特許文献1に記載の方法では、セラミックスファイバー製のシール用ダンパと鋼板表面との接触が軽微であっても、鋼板の表面に擦り疵が生じる。この擦り疵は製品の商品価値を低下させる原因の一つとなっている。
【0005】
特許文献2においては、硬質材の回転ダンパ及びロールと、前記回転ダンパの上方に接触して炉内をシールする昇降ダンパとを備え、回転ダンパとロールの軸間距離を固定し、回転ダンパとロールの半径の合計が回転ダンパとロールの軸間距離よりも小さくなる部分を回転ダンパに設けたシール装置が記載されている。これにより、硬質材のシール材から成るダンパを用い、鋼板などの帯状体との隙間を極めて微小なものとし、高シール性が得られる炉内シール装置を提供するとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−24038号公報
【特許文献2】
特開平7−268490号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のシール装置は、連続滲珪処理設備を対象としたものであり、シール性を重視してセラミックスファイバー製のシール材を鋼板の表面に接触させている。一方、CGL焼鈍炉においては、表面疵が問題となるメッキ鋼板を対象とするため、特許文献1に記載のような方法では鋼板の表面疵を防止することが困難である。
【0008】
特許文献1に記載のシール装置は、シール材はシールボックス部の内壁との間で間隔を形成しており、この隙間にシールガスを流すことにより、隙間を通してのシール漏れを防止している。しかし、シールガスとして使用するArガスは高価であり、シールガス消費がコストアップ要因となる。
【0009】
特許文献2に記載の回転ダンパやロールの回転によるシールは、炉内でシール体を回転させるために、スレッチングバー等を通過させるときには、あらかじめバーとシール体とのギャップを広くとる必要が生じ、回転半径が大きくなり、シール体が大規模になる。また、シール体の補修については、炉の側壁からシール体を引き抜く等の作業が生じ、設備のメンテナンスに手間がかかる等の課題がある。
【0010】
本発明は、CGL焼鈍炉のように表面疵が問題となる鋼帯を対象とする熱処理炉においても表面疵の問題を発生させずに使用することが可能であり、高価なシールガスを使用する必要がなく、回転ダンパやロールのような大規模な設備を必要としないシール装置及びシール方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置であって、炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納する貫通孔2が設けられ、貫通孔2内にシール壁本体1が上下動可能に設けられ、シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなり、貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接されてなり、貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を有し、シール壁本体1を上下動するための昇降装置9を有し、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間に僅かの隙間を形成するようにシール壁本体を配置することが可能であることを特徴とするシール装置。
(2)シール壁本体1は断熱性ファイバーを加圧積層したブロックよりなり、シール壁本体1はそれ自身の弾性力によって摺動板5に密接されてなることを特徴とする上記(1)に記載のシール装置。
(3)摺動板5は耐熱耐酸化性鋼板によって形成されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のシール装置。
(4)昇降装置9は、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室7の天井を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のシール装置。
(5)前記連続熱処理炉がCGL焼鈍炉であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のシール装置。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のシール装置を用いたシール方法であって、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間隔を、シール壁本体1を鋼帯Sに接触させない範囲でできるだけ鋼帯Sに近づけることを特徴とするシール方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
鋼帯の連続処理炉、例えばCGL焼鈍炉においては、熱処理炉がトンネル状の空間を形成する耐火物の炉壁からなる炉本体により構成されている。このCGL焼鈍炉のNOFとRFとの間をシールするシール装置を例にとって、図1〜図3に基づいて本発明のシール装置について説明する。
【0013】
CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、鋼帯Sの下面側には搬送用ロール21が設けられる。搬送用ロール21と炉本体の床部23との間には、図3に示すようにカオウール(商品名)等の断熱材16を配置し、鋼帯の下面側を経由してのNOFとRF間のガス流通を排除している。
【0014】
本発明のシール装置は、CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、図1に示すように鋼帯Sの上面側と炉本体天井部22との間のシールを行う。
【0015】
NOFとRFとの境界に設けた搬送用ロール21の直上には、炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納するための貫通孔2を配置する。シール壁本体1は、鋼帯Sの幅方向における寸法が炉本体の鋼帯通過部分を形成する空間の幅と同等あるいは若干大きめの寸法を有し、シール壁本体1の下面側の面が鋼帯表面に面する。貫通孔内にシール壁本体1が上下動可能に設けられる。シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなる。シール壁本体1は昇降装置9に接続され、昇降装置9の動作によって貫通孔内で上下動を行うことができる。
【0016】
貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接する。鋼板製の摺動板5を設けた結果として、貫通孔内でのシール壁本体1の上下動に際し、貫通孔2の壁とシール壁本体1との摺動を円滑に行うことが可能になり、断熱性ファイバーブロックで形成したシール壁本体1の破損やファイバー飛散を防止することが可能になる。また、シール壁本体1は摺動板5に密接しているので、シール壁本体1と摺動板5との間に隙間が形成されず、シール壁本体1と摺動板5との間を経由してのNOF〜RF間のガス漏洩を防止することができる。このような構成としているため、本発明のシール装置においてはシール壁本体1と摺動板5との間にシールドガスを供給することが不要となる。炉本体天井部22の耐火物が摺動板5によって被覆されるので、シール壁本体1が上下動しても炉本体天井部22の耐火物が劣化することがない。なお、摺動板5の配置位置は、貫通孔2の全周に配置すると好ましいが、シール壁本体1の長辺側と接する部分にのみ配置することとしても良い。
【0017】
貫通孔2の上部には上部蓋6が設けられ、これによって貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を形成する。シール壁本体1を上下動させる際には、シール壁本体1は貫通孔2と収納室7とで形成された空間内において上下に移動することが可能である。収納室7は大気雰囲気と遮断されているので、収納室7を経由して炉内にガスが浸入したとしても炉内の雰囲気に悪影響を与えることがない。
【0018】
上部蓋6を取り外すことにより、シール壁本体1を炉本体の天井部22から容易に抽出することが可能である。従って、シール壁本体1の補修あるいは取り替えを極めて容易に行うことができる。
【0019】
シール壁本体1は、断熱性ファイバーを加圧積層したブロックによって形成すると好ましい。断熱性ファイバーを加圧積層したブロックは、高温でも復元力があり、加熱収縮に対して隙間を生じさせない働きを持たせることが可能である。加圧によって30%以上の圧縮を加えることにより、良好な高温での復元力を得ることができる。また、支持金具13をブロック内に装着して一体化することにより、堅牢な構造とすることができ、剥離や脱落を防止することができる。シール壁本体1が高温でも復元力を有する結果として、シール壁本体1はそれ自身の弾性力によって摺動板5に密接し、シール壁本体1と摺動板5との間におけるガス漏洩を防止することができる。シール壁本体1の加圧積層方法としては、図2(a)(b)に示す方法、あるいは図2(c)(d)に示す方法を用いることができる。
【0020】
シール壁本体1の断熱性ファイバーブロックの中に図2(e)(f)に示すように支持金具13を埋め込んで一体成形している場合には、保持ロッド3あるいはシール壁吊り金具12を支持金具13と接続することによってシール壁本体1を保持することができる。
【0021】
摺動板5の材質としては、耐熱耐酸化性鋼板、好ましくはステンレス鋼板を用いると好ましい。これにより、熱処理炉内に配置する摺動板5の表面が酸化することがなく、密接しているシール壁本体1との間の摩擦力を常に低い値に保持することができる。
【0022】
シール壁本体1を上下動するための昇降装置9について、図1に基づいて説明する。
【0023】
昇降装置9は、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を有する機構とすると好ましい。
【0024】
保持ロッド3は収納室7の天井を構成する上部蓋6を貫通して収納室上方の昇降機構11に接続される。昇降機構11としては、シリンダー、ラック/ピニオン、スクリュー等の機構から選択することができ、昇降機構11の動力としては電動モーター、油圧、空気圧、手動等の中から選択することができる。昇降機構11の動作によっって保持ロッド3に接続されたシール壁本体1を上下動させることができる。
【0025】
保持ロッド3が貫通する収納室天井の上部蓋6の部分において、収納室内への大気浸入を防止する必要がある。保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分に窒素ガスでシールするシールボックス8を配置し、シールボックス内に窒素ガス供給管14を用いて窒素ガスを導入することによって、保持ロッド貫通部分における大気の浸入を防止してシール性を確保することができる。
【0026】
シール壁本体1は一般に鋼帯幅方向に長い形状を有する。このような形状のシール壁本体1を、鋼帯Sとの平行を保持しつつ上下動させるには、ガイドが必要である。本発明においては、例えば1個の昇降機構11と2本の保持ロッド3を用いてシール壁本体1を昇降させるような場合において、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を設けることにより、鋼帯Sとの平行を保持しつつシール壁本体1を上下動させることができる。ここでリニアガイドとは、スライドユニットとトラックレールから構成された直動案内機器を示し、スライドユニットにシール壁保持ロッドを固定し、シール壁の平行を保持したまま上下動を可能としたものである。
【0027】
炉本体に図示しないのぞき窓を設け、炉外から該のぞき窓を通してシール壁本体1と鋼帯Sとの間隔を目視できるようにしておく。熱処理炉の運転時には、のぞき窓から炉内ならびにシール壁本体1と鋼帯Sとの間の位置関係を目視で確認し、シール壁本体1が鋼帯Sに接触しない最小間隔を保持するようにシール壁本体1の位置を調整する。このような調整を行うことにより、シール壁本体1と鋼帯Sとの隙間を通してのNOF〜RF間のガスリークを最小限に抑えることができ、なおかつシール壁本体1と鋼帯Sとが接触していないので、鋼帯表面の疵発生を防止することができる。また、スレッチングバー通過時には、シール壁本体1を上昇させることによってスレッチングバーの通過スペースを形成することができる。
【0028】
本発明のシール装置は、NOFやRFで構成される横型のCGL焼鈍炉に用いると特に好ましい。NOFやRFで構成される横型のCGL焼鈍炉では、NOFとRF間のスロート部にシール装置がないと、NOF内で発生した燃焼ガスが鋼帯の通過によって生じる鋼板随伴ガスとしてRF内へ混入する。NOF内で発生した燃焼ガス中には水分が含まれるため、鋼帯を酸化させる作用がある水分がRF内へ侵入することになる。従って、NOF内の燃焼ガスがRF内に混入する比率が増すと、鋼帯の還元能力が低下しメッキの外観不具合の発生や鋼帯とメッキの密着性が悪くなるという問題が生じる。そのためNOFとRF間のスロート部にシール装置がない焼鈍炉においてこのような問題を回避するには、鋼帯の通板スピードを低下させてNOFからの燃焼ガスの混入量を低下させるか、鋼帯表面を還元するための水素ガスの導入量を増す必要があり、生産性の低下や水素ガスの使用量が多くなるという問題があった。本発明のシール装置をNOF、RFで構成される横型のCGL焼鈍炉に適用することで、RF内へのNOFからの侵入燃焼ガス量を低減させ、前述のような問題を解決して安定したメッキ鋼帯を製造することが可能となる。
【0029】
【実施例】
CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、図1に示すような本発明のシール装置を適用した。炉本体天井部22に設けた貫通孔2の全周にステンレス鋼板を用いた摺動板5を配設した。シール壁本体には、ブランケット状のセラミックファイバーを加圧積層して30%以上圧縮した断熱性ファイバーブロックを用いた。積層の方法は、図2(c)(d)に示す方法を用いた。
【0030】
昇降装置9には、図1に示すように、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、リニアガイド10を有する機構を採用した。昇降機構11にはラック/ピニオンを用い、昇降機構の駆動は手動によって行った。
【0031】
炉本体に図示しないのぞき窓を設け、熱処理炉の運転時にのぞき窓から炉内ならびにシール壁本体1と鋼帯Sとの間の位置関係を目視で確認し、シール壁本体1が鋼帯Sに接触しない最小間隔を保持するようにシール壁本体1の位置を調整した。シール壁本体1と鋼帯Sとの間隔は、30mm程度とすることができた。このような調整を行うことにより、シール壁本体1と鋼帯Sとの隙間を通してのNOF〜RF間のガスリークを最小限に抑えることができ、なおかつシール壁本体1と鋼帯Sとが接触していないので、鋼帯表面の疵発生を防止することができた。なお、スレッチングバー通過時には、シール壁本体1を上昇させることによってスレッチングバーの通過スペースを形成した。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、CGL焼鈍炉のように表面疵が問題となる鋼帯を対象とする熱処理炉においても表面疵の問題を発生させずに使用することが可能であり、高価なシールガスを使用する必要がなく、回転ダンパやロールのような大規模な設備を必要としないシールを行うことができる。また、本発明のシール装置により炉内導入還元水素ガスの使用量が約3%削減できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール装置を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。
【図2】本発明のシール壁本体を示す図であり、(a)(c)(e)は正面図、(b)(d)(F)はそれぞれの側面図である。
【図3】搬送用ロールと炉本体床部との間のシール状況を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シール壁本体
2 貫通孔
3 保持ロッド
5 摺動板
6 上部蓋
7 収納室
8 シールボックス
9 昇降装置
10 リニアガイド
11 昇降機構
12 シール壁吊り金具
13 支持金具
14 窒素ガス供給管
15 グランドシール
16 断熱材
21 搬送用ロール
22 炉本体天井部
23 炉本体床部
24 NOF
25 RF
S 鋼帯
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置及びシール方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼帯の加熱炉、または熱処理炉では、炉内の雰囲気を特定状態に維持して、熱処理炉を通過する鋼帯の外観性の向上、あるいは材質の改善等を図ることが行われている。熱処理を特定の炉内雰囲気で行い、材質の改善を図るものとして、例えばCGL焼鈍炉においては、熱処理炉がトンネル状の空間を形成する耐火物の炉壁からなる炉本体により構成されている。CGL焼鈍炉においては、鋼帯は無酸化直火炉(NOF)から還元炉(RF)の順に炉内をロールで支承されて連続的に通過する。NOFとRFとの間にスロート部を設け、NOFからRFへの燃焼ガスの混入を防止し、RFの還元能力の低下を防止すると共に、水素ガスの使用量を削減する必要がある。ここにおいて、スロート部の構造としてはスレッデングバーの通過に支障を与えないように配慮する必要がある。
【0003】
また、化学気相蒸着(以下CVDと称す)処理炉を備えた連続滲珪処理設備で高珪素鋼板を得ることが、特許文献1に記載されている。鋼帯は加熱炉−CVD処理炉−拡散処理炉の順に炉内をロールで支承されて連続的に通過する。このような熱処理設備では、加熱炉とCVD処理炉との間、及びCVD処理炉と拡散処理炉との間のシールを確実に行わなければならない。そのためのシール装置としては、CVD処理炉の熱処理温度が1100〜1200℃と高温であること、及び複数の雰囲気ガス毎に厳しいシール性が要求されることから、シール装置を柔軟性があるセラミックスファイバー製の昇降ダンパとし、この昇降ダンパを熱処理する鋼板の表面に接触させて、シール性の向上を図るようにしている。
【0004】
CVD処理炉においては、熱処理温度が1100〜1200℃と高温なため、特許文献1に記載の方法では、セラミックスファイバー製のシール用ダンパと鋼板表面との接触が軽微であっても、鋼板の表面に擦り疵が生じる。この擦り疵は製品の商品価値を低下させる原因の一つとなっている。
【0005】
特許文献2においては、硬質材の回転ダンパ及びロールと、前記回転ダンパの上方に接触して炉内をシールする昇降ダンパとを備え、回転ダンパとロールの軸間距離を固定し、回転ダンパとロールの半径の合計が回転ダンパとロールの軸間距離よりも小さくなる部分を回転ダンパに設けたシール装置が記載されている。これにより、硬質材のシール材から成るダンパを用い、鋼板などの帯状体との隙間を極めて微小なものとし、高シール性が得られる炉内シール装置を提供するとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−24038号公報
【特許文献2】
特開平7−268490号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のシール装置は、連続滲珪処理設備を対象としたものであり、シール性を重視してセラミックスファイバー製のシール材を鋼板の表面に接触させている。一方、CGL焼鈍炉においては、表面疵が問題となるメッキ鋼板を対象とするため、特許文献1に記載のような方法では鋼板の表面疵を防止することが困難である。
【0008】
特許文献1に記載のシール装置は、シール材はシールボックス部の内壁との間で間隔を形成しており、この隙間にシールガスを流すことにより、隙間を通してのシール漏れを防止している。しかし、シールガスとして使用するArガスは高価であり、シールガス消費がコストアップ要因となる。
【0009】
特許文献2に記載の回転ダンパやロールの回転によるシールは、炉内でシール体を回転させるために、スレッチングバー等を通過させるときには、あらかじめバーとシール体とのギャップを広くとる必要が生じ、回転半径が大きくなり、シール体が大規模になる。また、シール体の補修については、炉の側壁からシール体を引き抜く等の作業が生じ、設備のメンテナンスに手間がかかる等の課題がある。
【0010】
本発明は、CGL焼鈍炉のように表面疵が問題となる鋼帯を対象とする熱処理炉においても表面疵の問題を発生させずに使用することが可能であり、高価なシールガスを使用する必要がなく、回転ダンパやロールのような大規模な設備を必要としないシール装置及びシール方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置であって、炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納する貫通孔2が設けられ、貫通孔2内にシール壁本体1が上下動可能に設けられ、シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなり、貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接されてなり、貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を有し、シール壁本体1を上下動するための昇降装置9を有し、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間に僅かの隙間を形成するようにシール壁本体を配置することが可能であることを特徴とするシール装置。
(2)シール壁本体1は断熱性ファイバーを加圧積層したブロックよりなり、シール壁本体1はそれ自身の弾性力によって摺動板5に密接されてなることを特徴とする上記(1)に記載のシール装置。
(3)摺動板5は耐熱耐酸化性鋼板によって形成されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のシール装置。
(4)昇降装置9は、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室7の天井を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のシール装置。
(5)前記連続熱処理炉がCGL焼鈍炉であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のシール装置。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のシール装置を用いたシール方法であって、炉内を走行する鋼帯Sとシール壁本体1の鋼帯Sに面する面との間隔を、シール壁本体1を鋼帯Sに接触させない範囲でできるだけ鋼帯Sに近づけることを特徴とするシール方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
鋼帯の連続処理炉、例えばCGL焼鈍炉においては、熱処理炉がトンネル状の空間を形成する耐火物の炉壁からなる炉本体により構成されている。このCGL焼鈍炉のNOFとRFとの間をシールするシール装置を例にとって、図1〜図3に基づいて本発明のシール装置について説明する。
【0013】
CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、鋼帯Sの下面側には搬送用ロール21が設けられる。搬送用ロール21と炉本体の床部23との間には、図3に示すようにカオウール(商品名)等の断熱材16を配置し、鋼帯の下面側を経由してのNOFとRF間のガス流通を排除している。
【0014】
本発明のシール装置は、CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、図1に示すように鋼帯Sの上面側と炉本体天井部22との間のシールを行う。
【0015】
NOFとRFとの境界に設けた搬送用ロール21の直上には、炉本体の天井部22にシール壁本体1を収納するための貫通孔2を配置する。シール壁本体1は、鋼帯Sの幅方向における寸法が炉本体の鋼帯通過部分を形成する空間の幅と同等あるいは若干大きめの寸法を有し、シール壁本体1の下面側の面が鋼帯表面に面する。貫通孔内にシール壁本体1が上下動可能に設けられる。シール壁本体1は断熱性ファイバーブロックよりなる。シール壁本体1は昇降装置9に接続され、昇降装置9の動作によって貫通孔内で上下動を行うことができる。
【0016】
貫通孔2のシール壁本体1と接する部分には鋼板製の摺動板5が設けられ、シール壁本体1は摺動板5に密接する。鋼板製の摺動板5を設けた結果として、貫通孔内でのシール壁本体1の上下動に際し、貫通孔2の壁とシール壁本体1との摺動を円滑に行うことが可能になり、断熱性ファイバーブロックで形成したシール壁本体1の破損やファイバー飛散を防止することが可能になる。また、シール壁本体1は摺動板5に密接しているので、シール壁本体1と摺動板5との間に隙間が形成されず、シール壁本体1と摺動板5との間を経由してのNOF〜RF間のガス漏洩を防止することができる。このような構成としているため、本発明のシール装置においてはシール壁本体1と摺動板5との間にシールドガスを供給することが不要となる。炉本体天井部22の耐火物が摺動板5によって被覆されるので、シール壁本体1が上下動しても炉本体天井部22の耐火物が劣化することがない。なお、摺動板5の配置位置は、貫通孔2の全周に配置すると好ましいが、シール壁本体1の長辺側と接する部分にのみ配置することとしても良い。
【0017】
貫通孔2の上部には上部蓋6が設けられ、これによって貫通孔2の摺動板5で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室7を形成する。シール壁本体1を上下動させる際には、シール壁本体1は貫通孔2と収納室7とで形成された空間内において上下に移動することが可能である。収納室7は大気雰囲気と遮断されているので、収納室7を経由して炉内にガスが浸入したとしても炉内の雰囲気に悪影響を与えることがない。
【0018】
上部蓋6を取り外すことにより、シール壁本体1を炉本体の天井部22から容易に抽出することが可能である。従って、シール壁本体1の補修あるいは取り替えを極めて容易に行うことができる。
【0019】
シール壁本体1は、断熱性ファイバーを加圧積層したブロックによって形成すると好ましい。断熱性ファイバーを加圧積層したブロックは、高温でも復元力があり、加熱収縮に対して隙間を生じさせない働きを持たせることが可能である。加圧によって30%以上の圧縮を加えることにより、良好な高温での復元力を得ることができる。また、支持金具13をブロック内に装着して一体化することにより、堅牢な構造とすることができ、剥離や脱落を防止することができる。シール壁本体1が高温でも復元力を有する結果として、シール壁本体1はそれ自身の弾性力によって摺動板5に密接し、シール壁本体1と摺動板5との間におけるガス漏洩を防止することができる。シール壁本体1の加圧積層方法としては、図2(a)(b)に示す方法、あるいは図2(c)(d)に示す方法を用いることができる。
【0020】
シール壁本体1の断熱性ファイバーブロックの中に図2(e)(f)に示すように支持金具13を埋め込んで一体成形している場合には、保持ロッド3あるいはシール壁吊り金具12を支持金具13と接続することによってシール壁本体1を保持することができる。
【0021】
摺動板5の材質としては、耐熱耐酸化性鋼板、好ましくはステンレス鋼板を用いると好ましい。これにより、熱処理炉内に配置する摺動板5の表面が酸化することがなく、密接しているシール壁本体1との間の摩擦力を常に低い値に保持することができる。
【0022】
シール壁本体1を上下動するための昇降装置9について、図1に基づいて説明する。
【0023】
昇降装置9は、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を有する機構とすると好ましい。
【0024】
保持ロッド3は収納室7の天井を構成する上部蓋6を貫通して収納室上方の昇降機構11に接続される。昇降機構11としては、シリンダー、ラック/ピニオン、スクリュー等の機構から選択することができ、昇降機構11の動力としては電動モーター、油圧、空気圧、手動等の中から選択することができる。昇降機構11の動作によっって保持ロッド3に接続されたシール壁本体1を上下動させることができる。
【0025】
保持ロッド3が貫通する収納室天井の上部蓋6の部分において、収納室内への大気浸入を防止する必要がある。保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分に窒素ガスでシールするシールボックス8を配置し、シールボックス内に窒素ガス供給管14を用いて窒素ガスを導入することによって、保持ロッド貫通部分における大気の浸入を防止してシール性を確保することができる。
【0026】
シール壁本体1は一般に鋼帯幅方向に長い形状を有する。このような形状のシール壁本体1を、鋼帯Sとの平行を保持しつつ上下動させるには、ガイドが必要である。本発明においては、例えば1個の昇降機構11と2本の保持ロッド3を用いてシール壁本体1を昇降させるような場合において、保持ロッド3の軌跡を保持するリニアガイド10を設けることにより、鋼帯Sとの平行を保持しつつシール壁本体1を上下動させることができる。ここでリニアガイドとは、スライドユニットとトラックレールから構成された直動案内機器を示し、スライドユニットにシール壁保持ロッドを固定し、シール壁の平行を保持したまま上下動を可能としたものである。
【0027】
炉本体に図示しないのぞき窓を設け、炉外から該のぞき窓を通してシール壁本体1と鋼帯Sとの間隔を目視できるようにしておく。熱処理炉の運転時には、のぞき窓から炉内ならびにシール壁本体1と鋼帯Sとの間の位置関係を目視で確認し、シール壁本体1が鋼帯Sに接触しない最小間隔を保持するようにシール壁本体1の位置を調整する。このような調整を行うことにより、シール壁本体1と鋼帯Sとの隙間を通してのNOF〜RF間のガスリークを最小限に抑えることができ、なおかつシール壁本体1と鋼帯Sとが接触していないので、鋼帯表面の疵発生を防止することができる。また、スレッチングバー通過時には、シール壁本体1を上昇させることによってスレッチングバーの通過スペースを形成することができる。
【0028】
本発明のシール装置は、NOFやRFで構成される横型のCGL焼鈍炉に用いると特に好ましい。NOFやRFで構成される横型のCGL焼鈍炉では、NOFとRF間のスロート部にシール装置がないと、NOF内で発生した燃焼ガスが鋼帯の通過によって生じる鋼板随伴ガスとしてRF内へ混入する。NOF内で発生した燃焼ガス中には水分が含まれるため、鋼帯を酸化させる作用がある水分がRF内へ侵入することになる。従って、NOF内の燃焼ガスがRF内に混入する比率が増すと、鋼帯の還元能力が低下しメッキの外観不具合の発生や鋼帯とメッキの密着性が悪くなるという問題が生じる。そのためNOFとRF間のスロート部にシール装置がない焼鈍炉においてこのような問題を回避するには、鋼帯の通板スピードを低下させてNOFからの燃焼ガスの混入量を低下させるか、鋼帯表面を還元するための水素ガスの導入量を増す必要があり、生産性の低下や水素ガスの使用量が多くなるという問題があった。本発明のシール装置をNOF、RFで構成される横型のCGL焼鈍炉に適用することで、RF内へのNOFからの侵入燃焼ガス量を低減させ、前述のような問題を解決して安定したメッキ鋼帯を製造することが可能となる。
【0029】
【実施例】
CGL焼鈍炉のNOF24とRF25との境界において、図1に示すような本発明のシール装置を適用した。炉本体天井部22に設けた貫通孔2の全周にステンレス鋼板を用いた摺動板5を配設した。シール壁本体には、ブランケット状のセラミックファイバーを加圧積層して30%以上圧縮した断熱性ファイバーブロックを用いた。積層の方法は、図2(c)(d)に示す方法を用いた。
【0030】
昇降装置9には、図1に示すように、シール壁本体1を保持する保持ロッド3と、保持ロッド3が収納室天井の上部蓋6を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックス8と、保持ロッド3を昇降する昇降機構11と、リニアガイド10を有する機構を採用した。昇降機構11にはラック/ピニオンを用い、昇降機構の駆動は手動によって行った。
【0031】
炉本体に図示しないのぞき窓を設け、熱処理炉の運転時にのぞき窓から炉内ならびにシール壁本体1と鋼帯Sとの間の位置関係を目視で確認し、シール壁本体1が鋼帯Sに接触しない最小間隔を保持するようにシール壁本体1の位置を調整した。シール壁本体1と鋼帯Sとの間隔は、30mm程度とすることができた。このような調整を行うことにより、シール壁本体1と鋼帯Sとの隙間を通してのNOF〜RF間のガスリークを最小限に抑えることができ、なおかつシール壁本体1と鋼帯Sとが接触していないので、鋼帯表面の疵発生を防止することができた。なお、スレッチングバー通過時には、シール壁本体1を上昇させることによってスレッチングバーの通過スペースを形成した。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、CGL焼鈍炉のように表面疵が問題となる鋼帯を対象とする熱処理炉においても表面疵の問題を発生させずに使用することが可能であり、高価なシールガスを使用する必要がなく、回転ダンパやロールのような大規模な設備を必要としないシールを行うことができる。また、本発明のシール装置により炉内導入還元水素ガスの使用量が約3%削減できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール装置を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。
【図2】本発明のシール壁本体を示す図であり、(a)(c)(e)は正面図、(b)(d)(F)はそれぞれの側面図である。
【図3】搬送用ロールと炉本体床部との間のシール状況を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シール壁本体
2 貫通孔
3 保持ロッド
5 摺動板
6 上部蓋
7 収納室
8 シールボックス
9 昇降装置
10 リニアガイド
11 昇降機構
12 シール壁吊り金具
13 支持金具
14 窒素ガス供給管
15 グランドシール
16 断熱材
21 搬送用ロール
22 炉本体天井部
23 炉本体床部
24 NOF
25 RF
S 鋼帯
Claims (6)
- 鋼帯の連続処理炉における炉間のシール装置であって、炉本体の天井部にシール壁本体を収納する貫通孔が設けられ、該貫通孔内にシール壁本体が上下動可能に設けられ、シール壁本体は断熱性ファイバーブロックよりなり、前記貫通孔のシール壁本体と接する部分には鋼板製の摺動板が設けられ、シール壁本体は摺動板に密接されてなり、前記貫通孔の前記摺動板で囲まれた空間を大気雰囲気と遮断する収納室を有し、シール壁本体を上下動するための昇降装置を有し、炉内を走行する鋼帯とシール壁本体の該鋼帯に面する面との間に僅かの隙間を形成するようにシール壁本体を配置することが可能であることを特徴とするシール装置。
- 前記シール壁本体は断熱性ファイバーを加圧積層したブロックよりなり、シール壁本体はそれ自身の弾性力によって摺動板に密接されてなることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 前記摺動板は耐熱耐酸化性鋼板によって形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
- 前記昇降装置は、シール壁本体を保持する保持ロッドと、保持ロッドが前記収納室天井を貫通する部分を窒素ガスでシールするシールボックスと、保持ロッドを昇降する昇降機構と、保持ロッドの軌跡を保持するリニアガイドを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシール装置。
- 前記連続熱処理炉がCGL焼鈍炉であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシール装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のシール装置を用いたシール方法であって、炉内を走行する鋼帯とシール壁本体の該鋼帯に面する面との間隔を、シール壁本体を鋼帯に接触させない範囲でできるだけ鋼帯に近づけることを特徴とするシール方法。
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JP2002298494A JP2004131813A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 鋼帯の連続処理炉におけるシール装置及びシール方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104099453A (zh) * | 2014-07-30 | 2014-10-15 | 中冶南方(武汉)威仕工业炉有限公司 | 炉段气氛阻隔用密封挡板 |
CN110241293A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-09-17 | 江阴森豪金属科技有限公司 | 一种高磁感低铁损硅钢退火用罩式炉 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298494A patent/JP2004131813A/ja not_active Withdrawn
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CN104099453B (zh) * | 2014-07-30 | 2016-03-09 | 中冶南方(武汉)威仕工业炉有限公司 | 炉段气氛阻隔用密封挡板 |
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