JP2003226913A - 連続式熱処理炉の搬送装置 - Google Patents

連続式熱処理炉の搬送装置

Info

Publication number
JP2003226913A
JP2003226913A JP2002029385A JP2002029385A JP2003226913A JP 2003226913 A JP2003226913 A JP 2003226913A JP 2002029385 A JP2002029385 A JP 2002029385A JP 2002029385 A JP2002029385 A JP 2002029385A JP 2003226913 A JP2003226913 A JP 2003226913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat treatment
treatment furnace
furnace
continuous heat
transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002029385A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenro Yamamoto
賢朗 山元
Atsushi Nakatsuka
篤 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2002029385A priority Critical patent/JP2003226913A/ja
Publication of JP2003226913A publication Critical patent/JP2003226913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rollers For Roller Conveyors For Transfer (AREA)
  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Tunnel Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理条件の影響を受けることなく搬送ローラ
を潤滑性高く軸支することができるとともに、炉内の昇
温に必要な熱的エネルギの消費を抑制することができる
連続式熱処理炉の搬送装置を提供すること。 【解決手段】 処理室46を炉内に画成する断熱ケーシ
ング45の外側に、搬送ローラ40の各端部を回転可能
に支持する軸受部50,50を配置するとともに、これ
ら軸受部50,50を二硫化タングステンを分散分布さ
せた固体潤滑剤で構成する。これにより、処理室46の
内容積を従来よりも小さくして、炉内昇温に伴う熱的エ
ネルギの消費を抑制することができるとともに、中低温
域および真空中または不活性ガス雰囲気中において、搬
送ローラ40を潤滑性高く支持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続式熱処理炉の
搬送装置に関し、更に詳しくは、真空中または不活性ガ
ス雰囲気中で被処理物を熱処理するための連続式熱処理
炉に用いられるローラハース式の搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、連続式熱処理炉における被処理
物の搬送系として、従来より、炉床に配置される複数本
の搬送ローラを用いるものがある。搬送ローラは、被処
理物の搬送方向に直交して延在する軸状を呈し、被処理
物の搬送方向に複数本並列的に配置され、それぞれ同期
して回転駆動される。
【0003】搬送ローラとしては、被処理物を搬送する
のに十分な機械的強度と、被処理物の高温処理に耐え得
る耐熱性とが要求され、かかる要求を満足する材料によ
り構成される必要がある。そこで、特開2001−28
9566号公報に記載されているように、搬送ローラの
軸部材を中実状の炭素系複合材料(炭素マトリクスに炭
素繊維を混入した材料)で構成したものがある。
【0004】図3および図4に、その従来の熱処理炉の
概要構成を示す。図3および図4は、それぞれ従来の熱
処理炉の内部の構成を示しており、図3は搬送方向正面
からみた断面図、図4は搬送ローラの直上方からみた平
面図である。
【0005】二重構造の炉壁30の内部には、炉内の熱
的損失を抑えるために台部34を介して断熱ケーシング
31が設けられ、この断熱ケーシング31にて画成され
る処理室23を被処理物が搬送される。断熱ケーシング
31の底部には支持部33,33を介して一対のガイド
レール28,28が取り付けられ、これらガイドレール
28,28の間に複数本の搬送ローラ20がその軸方向
を搬送方向と直交させて並列し、炉床を構成している。
【0006】各搬送ローラ20の駆動は、図示せずとも
炉外に配置される駆動源により行われ、搬送ローラ20
の一端に固定される駆動部連絡部32を介して同一方向
に同期して回転駆動される。その他、炉内に不活性ガス
等の雰囲気ガスを導入するための導入手段や加熱源とな
るヒータ、炉内を排気するための真空排気手段が設置さ
れるが、その図示は省略している。
【0007】搬送ローラ20は、主として、一対のガイ
ドレール28,28に設けられた軸受部26,26に支
持される軸部材21で構成されている。軸部材21は、
炭素マトリクス中に炭素繊維を混入させた炭素系複合材
料(いわゆる高強度カーボン)でなり、炭素繊維の長手
方向が当該軸部材21の軸方向に並ぶように構成されて
いる。
【0008】また、軸受部26,26は黒鉛あるいは炭
素系複合材料が主要構成材料とされる。黒鉛あるいは炭
素系複合材料で構成される軸受部26,26は、例えば
1000℃を越す高温域においては摩擦係数が低く、摺
動抵抗を小さくして搬送ローラ20を軸支することがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、黒鉛あ
るいは炭素系複合材料で構成される軸受部26,26
は、例えば500℃〜600℃の中温域においては摩擦
係数が大きく、潤滑性良く搬送ローラ20を軸支するこ
とができないという問題がある。また、黒鉛あるいは炭
素系複合材料で構成される軸受部26,26は、酸素雰
囲気またはアンモニア雰囲気では潤滑性は良いが、真空
中やアルゴン、ヘリウムあるいは窒素等の不活性ガス雰
囲気では、逆に、潤滑性が悪くなるという問題がある。
【0010】また、上述した従来の構成では、軸受部2
6,26が処理室23内に配置されているので処理室内
容積が大きく、これにより、炉内を昇温させるのに多大
な熱エネルギを必要とするという問題がある。
【0011】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、処理
条件の影響を受けることなく搬送ローラを潤滑性高く軸
支することができるとともに、炉内の昇温に必要な熱的
エネルギの消費を抑制することができる連続式熱処理炉
の搬送装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
あたり、本発明の連続式熱処理炉の搬送装置は、処理室
内において被処理物を搬送するための搬送系が、複数本
の搬送ローラを備えてなる熱処理炉の搬送装置におい
て、前記処理室を炉内に画成する断熱性ケーシングと、
前記断熱性ケーシングの外側に配置され、前記搬送ロー
ラの各端部を回転可能に支持する軸受部とを有し、前記
軸受部が二硫化タングステンを分散分布させた固体潤滑
剤でなることを特徴とする。
【0013】本発明に係る連続式熱処理炉の搬送装置
は、炉内において処理室を画成する断熱ケーシングの外
側に、各搬送ローラの各端部を回転可能に支持する軸受
部が配置されているので、処理室内容積を従来よりも小
さくすることができ、これにより、炉内昇温に必要な熱
的エネルギを従来よりも大幅に抑制して、熱処理炉の省
エネ化を図ることができる。
【0014】また、本発明では、軸受部は二硫化タング
ステンを分散分布させた固体潤滑剤で構成されている。
二硫化タングステン(WS2)は、固体潤滑剤として知
られ、接触する相手材(搬送ローラ)に対し、固体皮膜
を形成し潤滑する。WS2の摩擦係数は0.04〜であ
り、真空または不活性ガス雰囲気にて1000℃以上ま
で安定である。このWS2を含有した軸受を有すること
により、処理条件の影響を受けることなく搬送ローラを
潤滑性高く支持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。以下の各実施の形態で
は、被処理物に対して所定の熱処理(焼入、焼戻、焼
鈍、焼結等)を施すためのローラハース式熱処理炉に対
して、本発明を適用した例について説明する。
【0016】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態として、高温域(例えば2000℃)用
連続式熱処理炉の内部の構成を示している。本実施の形
態の熱処理炉は、炭素系複合材料製の搬送トレイの搬送
用に対応している。
【0017】搬送ローラ40は、被処理物の搬送方向
(紙面垂直方向)と直交する方向へ延在する軸部材41
と、軸部材41の周囲に一体的に設けられ搬送トレイ4
3の下面両縁部を支持する一対のリング部材42,42
とから構成されている。
【0018】軸部材41は、炭素マトリクス中に炭素繊
維をその長手方向が当該軸部材41の軸方向に並ぶよう
に混入した高強度、高耐熱性の中実状炭素系複合材料、
あるいは、炭素鋼鋼材で構成されている。軸部材41を
炭素鋼鋼材で構成する場合は、中実状や中空状あるいは
内部に冷却水の循環通路が形成されていてもよい。
【0019】リング部材42,42は金属材料で構成さ
れ、適用される処理温度に応じて材料が選定される。例
えば、500℃〜650℃までの温度雰囲気であれば一
般の炭素鋼が用いられ、1300℃前後の温度であれば
ステンレス系耐熱鋼、それ以上の温度であれば、Mo等
の高融点金属材料が選定される。
【0020】搬送ローラ40は、図1において紙面垂直
方向に複数本配置され、それぞれ同一方向に同期回転駆
動されることによって、被処理物44を収容あるいは載
置した搬送トレイ43を搬送するように構成されてい
る。
【0021】搬送トレイ43は、炭素マトリクス中に炭
素繊維を混入した高強度、高耐熱性の炭素系複合材料で
構成されている。搬送トレイ43は、浅皿状、格子状等
のいずれの形態のものも適用可能である。
【0022】炉内には、断面略ロの字形状の断熱ケーシ
ング45(図では、両側壁部のみ示す)が配置されるこ
とにより、処理室46が画成されている。搬送トレイ4
3は、搬送ローラ40により処理室46内を搬送され
る。処理室46の内部には、処理室46を所定温度に加
熱するための例えば電熱式ヒータ等からなる加熱手段4
7が配置されている。
【0023】搬送ローラ40は、断熱ケーシング45の
貫通孔45a,45aおよび炉壁を構成する水冷ジャケ
ット構造の気密性チャンバ48の孔48a,48aをそ
れぞれ貫通している。そして、搬送ローラ40の各端部
にはそれぞれ金属製スリーブ55,55が一体的に設け
られ、チャンバ48の外側に支持部材49,49を介し
て設けられた軸受部50,50に対してそれぞれ回転可
能に支持されている。ここで、スリーブ55,55は、
軸受部50,50との接触による軸部材41の摩耗を防
止する。
【0024】本実施の形態の軸受部50は、タングステ
ン合金(Fe,Ni,B)をベースに二硫化タングステ
ン(WS2)(含むCu,Co)を分散分布させた自己
潤滑性焼結材でなる球面軸受で構成されている。二硫化
タングステンは固体潤滑剤として知られ、低〜中温域の
耐荷重性が変化せず一定の摩擦係数(0.04〜)が保
たれるとともに、真空・不活性ガス雰囲気にて1000
℃以上まで安定した性質を有している。
【0025】断熱ケーシング45と軸受部50,50と
の間には、チャンバ48の貫通孔48a,48aを内面
側から覆うようにカーボン等からなる断熱性の遮蔽部材
53,53が、それぞれ搬送ローラ40の周囲に一体的
に設けられている。これにより、軸受部50,50が直
接、処理室46の熱に晒されないようにしている。
【0026】また、断熱ケーシング45の貫通孔45
a,45aには、搬送ローラ40と一体的な断熱性支持
部材57,57が回転可能に支持されている。これによ
り、処理室46の密閉性を高めている。
【0027】なお、搬送ローラ40の一方(図1におい
て左方)側の端部には、駆動力伝達用チェーン51と噛
合するスプロケット54が取り付けられている。また、
そのほかに、処理室46内に不活性ガス等の雰囲気ガス
を導入するための導入手段や、処理室46内を排気する
ための真空排気手段が設置されているが、その図示は省
略している。
【0028】次に、以上のように構成される本実施の形
態の作用について説明する。
【0029】本発明に係る連続式熱処理炉においては、
炉内を真空雰囲気または、常圧あるいは減圧下における
不活性ガス雰囲気として、金属材料に対する所定の熱処
理や粉末金属の圧縮成形体に対する加熱処理(焼結)等
が行われる。このような被処理物は、搬送トレイ43に
収容あるいは載置された形態で搬送ローラ40により搬
送され、その搬送途上において所定の熱処理が行われ
る。
【0030】本実施の形態では、炉内において処理室4
6を画成する断熱ケーシング45の外側に軸受部50,
50がそれぞれ配置されているので、処理室46の内容
積を従来よりも小さくすることができ、これにより、炉
内昇温に必要な熱的エネルギを従来よりも大幅に抑制し
て、熱処理炉の省エネ化を図ることができる。また、炉
内昇温時間の短縮を図ることができる。
【0031】一方、搬送トレイ43は、駆動力伝達用チ
ェーン51によって所定方向へ同期回転駆動される搬送
ローラ40上を搬送される。このとき、搬送トレイ43
は、搬送ローラ40の一対のリング部材42,42によ
り支持される。
【0032】搬送ローラ40の各端部はそれぞれ軸受部
50,50により軸支されている。軸受部50,50は
二硫化タングステンを構成材料としており、搬送ローラ
40の各端部(スリーブ55,55)に対して固体皮膜
を形成し潤滑する。このように、軸受自体が固体潤滑剤
を含有したソリッド材であるため、若干のマトリクス脱
落を伴いながらも、常に新生面が生じることにより摺動
面間において随時潤滑剤の供給が可能となる。
【0033】したがって、本実施の形態によれば、処理
条件の影響を受けることなく搬送ローラを潤滑性高く支
持することができる。
【0034】また、本実施の形態では、処理室46と軸
受部50,50との間には、水冷ジャケット構造の炉壁
48、遮蔽部材53および断熱性支持部材57が設けら
れているので、処理室40と軸受部50,50との間を
ほぼ熱的に絶縁することができる。これにより、処理室
46の温度が高温(例えば2000℃)であっても、軸
受部50,50の周辺温度を中低温域に維持でき、搬送
ローラ40に対する高い潤滑性を確保することができ
る。
【0035】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0036】図2は、本発明の第2の実施の形態とし
て、中温域(例えば600℃前後)用連続式熱処理炉の
内部の構成を示している。本実施の形態の熱処理炉は、
金属製の搬送トレイの搬送用に対応している。
【0037】搬送ローラ60は、被処理物の搬送方向
(紙面垂直方向)と直交する方向へ延在する軸部材61
と、軸部材61の周囲に一体的に設けられ搬送トレイ6
3の下面両端部を支持する一対のリング部材62,62
とから構成されている。
【0038】軸部材61は、炭素マトリクス中に炭素繊
維を混入した高強度、高耐熱性の中実状炭素系複合材
料、あるいは、炭素鋼鋼材で構成されている。軸部材6
1を炭素鋼鋼材で構成する場合は、中実状や中空状ある
いは内部に冷却水の循環通路が形成されていてもよい。
【0039】リング部材62,62は金属材料で構成さ
れ、適用される処理温度に応じて材料が選定される。例
えば、500℃〜650℃までの温度雰囲気であれば一
般の炭素鋼が用いられ、1300℃前後の温度であれば
ステンレス系耐熱鋼、それ以上の温度であれば、Mo等
の高融点金属材料が選定される。
【0040】搬送ローラ60は、図2において紙面垂直
方向に複数本配置され、それぞれ同一方向に同期回転駆
動されることによって、被処理物64を収容あるいは載
置した搬送トレイ63を搬送するように構成されてい
る。搬送トレイ63は、金属材料(例えばステンレス
鋼)で構成されている。搬送トレイ63は、浅皿状、格
子状等のいずれの形態のものも適用可能である。
【0041】炉内には、断面略ロの字形状の断熱ケーシ
ング65(図では、両側壁部のみ示す)が配置されるこ
とにより、処理室66が画成されている。搬送トレイ6
3は、搬送ローラ60により処理室66内を搬送され
る。処理室66の内部には、処理室66を所定温度に加
熱するための例えば電熱式ヒータ等からなる加熱手段6
7が配置されている。
【0042】搬送ローラ60の各端部は、断熱ケーシン
グ65の貫通孔65a,65aを貫通している。そし
て、搬送ローラ40の各端部は、チャンバ68の外側に
支持部材69,69を介して設けられた軸受部70,7
0に対してそれぞれ回転可能に支持されている。
【0043】本実施の形態の軸受部70は、第1の実施
の形態の軸受部50と同様、タングステン合金(Fe,
Ni,B)をベースに二硫化タングステン(WS2
(含むCu,Co)を分散分布させた自己潤滑性焼結材
でなる球面軸受で構成されている。二硫化タングステン
は固体潤滑剤として知られ、低〜中温域の耐荷重性が変
化せず一定の摩擦係数(0.04〜)が保たれるととも
に、真空・不活性ガス雰囲気にて1000℃以上まで安
定した性質を有している。
【0044】また、断熱ケーシング65の貫通孔65
a,65aは、搬送ローラ60と一体的なカーボン等か
らなる断熱性の遮蔽部材72,73により覆われてい
る。これにより、軸受部50,50が直接、処理室66
の熱に晒されないようにしている。また、処理室66の
密閉性を向上させている。
【0045】なお、搬送ローラ60の一方(図2におい
て右方)側の端部には、駆動力伝達用チェーン71と噛
合するスプロケット74が取り付けられている。また、
そのほかに、処理室66内に不活性ガス等の雰囲気ガス
を導入するための導入手段や、処理室66内を排気する
ための真空排気手段が設置されているが、その図示は省
略している。
【0046】以上のように構成される本実施の形態によ
れば、炉内において処理室66を画成する断熱ケーシン
グ65の外側に軸受部70,70がそれぞれ配置されて
いるので、処理室66の内容積を従来よりも小さくする
ことができ、これにより、炉内昇温に必要な熱的エネル
ギを従来よりも大幅に抑制して、熱処理炉の省エネ化を
図ることができる。また、炉内昇温時間の短縮を図るこ
とができる。
【0047】また、軸受部70,70として二硫化タン
グステンを分散分布させた固体潤滑剤を適用しているの
で、処理室66の温度および処理室66の雰囲気の影響
を受けることなく、搬送ローラ60を潤滑性高く支持す
ることができる。
【0048】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0049】例えば以上の実施の形態では、連続式熱処
理炉として、被処理物に対して所定の熱処理(焼入、焼
戻、焼鈍、焼結等)を施すための熱処理炉に対して本発
明を適用した例について説明したが、これ以外に、例え
ば水素熱処理炉の搬送装置にも本発明は適用可能であ
る。
【0050】水素熱処理炉は、例えば、希土類永久磁石
材料の精製に好適に適用される熱処理炉で、水素処理
室、脱水素室としての加熱室および冷却室とから構成さ
れる。永久磁石材料のインゴットまたはその粉体は搬送
トレイに収容された状態で水素処理室に搬入され、所定
温度(500℃以下)にて被処理物の水素吸蔵処理が行
われる。その後、加熱室において減圧下、所定温度(5
00〜650℃)にて脱水素処理が行われる。この脱水
素処理の過程で被処理物を自己崩壊させ、永久磁石材料
の微粉末を得る。最後に、冷却室において被処理物の冷
却処理を行い、炉外へ搬出する。
【0051】本発明の搬送装置は、上述した構成の水素
熱処理炉における加熱室の搬送系に適用することができ
る。本発明によれば、軸受部が処理室外部に配置されて
いるために、軸受部の周辺温度は200〜300℃であ
る。また、水素分圧は5%程度であり、かつ、軸受部が
ポーラスな材料であることから、軸受部の構成材料であ
る二硫化タングステンの水素脆性による影響は、極めて
小さいことが確認されている。したがって、本例におい
ても上述の各実施の形態と同様な効果を得ることができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の連続式熱処
理炉の搬送装置によれば、炉内において処理室を画成す
る断熱ケーシングの外側に、各搬送ローラの各端部を回
転可能に支持する軸受部が配置されているので、処理室
内容積を従来よりも小さくすることができ、これによ
り、炉内昇温に必要な熱的エネルギを従来よりも大幅に
抑制して、熱処理炉の省エネ化を図ることができる。
【0053】また、本発明によれば、軸受部が二硫化タ
ングステンを分散分布させた固体潤滑剤で構成されてい
るので、処理条件の影響を受けることなく、搬送ローラ
を潤滑性高く支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による連続式熱処理
炉の搬送装置の構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による連続式熱処理
炉の搬送装置の構成を示す側断面図である。
【図3】従来の熱処理炉の要部断面図である。
【図4】図3における要部平面図である。
【符号の説明】
40 搬送ローラ 41 軸部材 42 リング部材 43 搬送トレイ 44 被処理物 45 断熱ケーシング 45a 貫通孔 46 処理室 48 炉壁(気密性チャンバ) 50 軸受部 52 遮蔽部材 53 遮蔽部材 60 搬送ローラ 61 軸部材 62 リング部材 63 搬送トレイ 64 被処理物 65 断熱ケーシング 66 処理室 70 軸受部 72 遮蔽部材 73 遮蔽部材
フロントページの続き Fターム(参考) 3F033 GA06 GB08 GC07 GE04 4K034 AA11 CA06 EA12 EB04 EB06 EB07 EB08 EC08 4K050 AA02 CC02 CC07 CG05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続式熱処理炉の処理室内において被処
    理物を搬送するための搬送系が、複数本の搬送ローラを
    備えてなる連続式熱処理炉の搬送装置において、 前記処理室を炉内に画成する断熱性ケーシングと、前記
    断熱性ケーシングの外側に配置され、前記搬送ローラの
    各端部を回転可能に支持する軸受部とを有し、前記軸受
    部が二硫化タングステンを分散分布させた固体潤滑剤で
    なることを特徴とする連続式熱処理炉の搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送ローラが、前記被処理物の搬送
    方向と直交する方向へ延在する軸部材と、前記被処理物
    を収容する搬送トレイの下面を支持し前記軸部材と一体
    的なリング部材とを有し、前記軸部材が、炭素系複合材
    料でなることを特徴とする請求項1に記載の連続式熱処
    理炉の搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送ローラが、前記被処理物の搬送
    方向と直交する方向へ延在する軸部材と、前記被処理物
    を収容する搬送トレイの下面を支持し前記軸部材と一体
    的なリング部材とを有し、前記軸部材が、金属材料でな
    ることを特徴とする請求項1に記載の連続式熱処理炉の
    搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記断熱性ケーシングと前記軸受部との
    間には、前記搬送ローラが貫通する貫通孔が形成された
    水冷構造の炉壁が配置されることを特徴とする請求項1
    に記載の連続式熱処理炉の搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記搬送ローラには、前記貫通孔を覆う
    断熱性遮蔽部材が設けられることを特徴とする請求項4
    に記載の連続式熱処理炉の搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記搬送ローラには、当該搬送ローラが
    貫通する前記断熱ケーシングの貫通孔を塞ぐ断熱性遮蔽
    部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の連
    続式熱処理炉の搬送装置。
JP2002029385A 2002-02-06 2002-02-06 連続式熱処理炉の搬送装置 Pending JP2003226913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029385A JP2003226913A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 連続式熱処理炉の搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029385A JP2003226913A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 連続式熱処理炉の搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003226913A true JP2003226913A (ja) 2003-08-15

Family

ID=27750128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002029385A Pending JP2003226913A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 連続式熱処理炉の搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003226913A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7918274B2 (en) 2006-02-08 2011-04-05 Thomas John Oliver Thornton Downhole tools
CN103743232A (zh) * 2014-01-14 2014-04-23 湖南顶立科技有限公司 连续式碳化设备及其物料输送装置
CN108709421A (zh) * 2018-05-25 2018-10-26 东南大学 一种高温辊道窑辊子装置
JP2020193369A (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 株式会社アルバック 搬送室
JP2023108354A (ja) * 2022-01-25 2023-08-04 中外炉工業株式会社 ワークの搬送装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7918274B2 (en) 2006-02-08 2011-04-05 Thomas John Oliver Thornton Downhole tools
CN103743232A (zh) * 2014-01-14 2014-04-23 湖南顶立科技有限公司 连续式碳化设备及其物料输送装置
CN108709421A (zh) * 2018-05-25 2018-10-26 东南大学 一种高温辊道窑辊子装置
JP2020193369A (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 株式会社アルバック 搬送室
JP7244362B2 (ja) 2019-05-28 2023-03-22 株式会社アルバック 搬送室
JP2023108354A (ja) * 2022-01-25 2023-08-04 中外炉工業株式会社 ワークの搬送装置
JP7331165B2 (ja) 2022-01-25 2023-08-22 中外炉工業株式会社 ワークの搬送装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110603417B (zh) 一种真空脱脂烧结炉及其使用方法
Wang et al. Very fast formation of superconducting MgB2/Fe wires with high Jc
KR101771632B1 (ko) 이차 전지용 극판의 자동연속 건조장치
US8465598B2 (en) Vacuum carburization processing method and vacuum carburization processing apparatus
JP2008105044A (ja) アルミニウム製品のろう付け用連続炉
CN101676414A (zh) 连续式热处理炉
JP2003226913A (ja) 連続式熱処理炉の搬送装置
JP6078000B2 (ja) 冷却装置
WO2023036251A1 (zh) 一种获得弥散分布的细小碳化物的真空渗碳方法
Kitaguchi et al. High temperature performance of MgB2 powder-in-tube composite tapes
MY137381A (en) Method for heat-treating ceramics and tunnel furnace therefor, method and apparatus for manufacturing ceramic electronic components and carriers for use in heat-treating ceramic electronic components
ES2153935T3 (es) Procedimiento y dispositivo para fabricar piezas sinterizadas.
JPS5930401A (ja) 連続鋳造設備における走行切断装置後の調質保熱設備
WO2013047761A1 (ja) 内燃機関用カムシャフトの製造方法
Vattur Sundaram et al. Vacuum sintering of chromium alloyed powder metallurgy steels
Yuan et al. Overpressure processing of Ag-sheathed (Bi, Pb) 2Sr2Ca2Cu3Ox tapes
US5958843A (en) Oxygen annealing process for bulk superconductors
JP2001289566A (ja) 搬送ローラ及びこれを備えた水素熱処理炉
Fu et al. Mechanical properties and bending strain effect on Cu–Ni sheathed MgB2 superconducting tape
CN107586998A (zh) 一种耐高温钛合金板及其退火方法
JPS61190004A (ja) 金属粉末の還元焼鈍炉
MY111112A (en) Improvements to cooled cyclinders for handling siderurgical products
JP2002256411A (ja) 浸炭方法
Cheglov et al. Improvement in technology for heat treatment of hot-rolled products of high-alloy electrical isotropic steel
JPH11211350A (ja) 加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040730

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060725

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070727

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080108