JP2004131068A - スライド／チルトルーフのカバーのためのガイド機構 - Google Patents

Abstract

【課題】スライドルーフのカバーのためのガイド機構で、簡単な構造で、部品点数が少なく、かつ上昇位置でガイド機構およびカバ−の確実な位置決めを保証する。
【解決手段】スライドルーフのカバー１０のためのガイド機構が、カバーに連結された少なくとも１つの溝穴付きガイド１６を有する。ガイド１６は、上昇位置、初期位置および下降位置の間を移動するように適合されている。上昇位置にてカバー１０が水平移動しないようロックするために、溝穴付きガイド１６上に設けられた延長部７０が、車両に固定されたプロファイルドレール１４と、確実な嵌合により係合する。
【選択図】図１

Description

　本発明は、自動車のスライド／チルト（傾斜）ルーフのカバーのためのガイド機構に関する。このガイド機構は、カバーに少なくとも間接的に連結され、かつカバーを鉛直方向に移動させる少なくとも１つの溝穴付きガイドを含む。溝穴付きガイドは、上昇位置、初期位置、および下降位置の間を移動可能である。ガイド機構は、さらに、少なくとも１つのプロファイルドレールを含む。プロファイルドレールは、溝穴付きガイドをカバーと共にプロファイルドレールに沿って水平移動させる。

　このタイプのガイド機構は、例えば、ドイツ登録特許ＤＥ４４０５７４２Ｃ１号から知られる。溝穴付きガイドは前端を有するレバーであり、前端は、典型的に、プロファイルドレール内に収容されたガイドシューに旋回可能に受け入れられている。溝穴付きガイドは、直接または間接的にカバーに連結されている。ガイドトラックが溝穴付きガイドの側面の少なくとも一方に設けられて、スライドブロックをガイドトラックに沿ってスライド移動させる。このスライドブロックの移動が溝穴付きガイドを上下に回転移動させ、これによりカバーが上げ下げされる。上昇位置において、カバーおよび溝穴付きガイドは、車両の長手方向（移動方向）における水平移動に抵抗して、所定位置にロックされなければならない。これは、初期位置、すなわち、カバーがルーフのカットアウトを閉鎖するときの位置においてもあてはまる。先行技術においては、この目的のために、ばねが取り付けられたレバーが設けられており、レバーは、プロファイルドレールに設けられた局所凹部と係合する。レバーは、レールに取り付けられたベアリング部に着座され、ドレンガター（排水溝）がカバーの後端に設けられている。溝穴付きガイドはこのベアリング部に、中間レバーを介して永久的に連結されている。

　本発明は、スライド／チルトルーフのカバーのためのガイド機構であって、より簡単な構造を有し、必要な部品数がより少なく、かつ、上昇位置におけるガイド機構およびカバーの確実な位置決めを保証するガイド機構を提供する。

　本発明の目的は、本文の冒頭に記載したタイプのガイド機構において、溝穴付きガイドがその上昇位置においてプロファイルドレールと確実な嵌合により直接にロックされて、溝穴付きガイドの移動方向における水平移動を防止することにおいて達成される。本発明に従うガイド機構において、溝穴付きガイドはプロファイルドレール内に直接に係合し、かつレール内に確実にロックされ、それにより力伝達路が非常に短くし、また、累積許容差に対する感受性が小さくすることが達成される。さらに、部品を節約し（省き）、または幾つかの部品を、安定性を切り詰めて（低減するように）設計し、それによりガイド機構の重量を軽くすることも可能であろう。「確実な嵌合」とは、密接に嵌り合う係合を意味する。

　好ましくは、溝穴付きガイドは、初期位置においても、溝穴付きガイドの水平移動が防止されるようにプロファイルドレール内に直接にロックされる。

　しかし、本発明の好ましい実施形態に従えば、下降位置においては、溝穴付きガイドは、水平方向の移動を可能にするようにプロファイルドレールとのロック係合から外れる。

　溝穴付きガイドは、好ましくは、プロファイルドレール内に設けられた局所凹部とロック係合するための少なくとも１つの延長部を有する。この延長部は、例えば溝穴付きガイドと一体的に形成され得る。もちろん、反対に、溝穴付きガイドに設けられた凹部に差込み（掛け金）締結するための延長部をプロファイルドレールに設けることも可能であろう。

　好ましくは、上昇位置における、溝穴付きガイドとプロファイルドレールとの直接のロック係合が、溝穴付きガイドが後方に（車両の後部に向って）水平移動しないようにロックするための１つの配置を構成する。

　好ましい実施形態において、さらに、溝穴付きガイドがその前端領域にピボッットベアリングを有し、また、延長部が前端付近に設けられることが考えられる。

　プロファイルドレールは、上側カバーリングウェブを有するC字状の外形を有し得る。ウェブの少なくとも１つが、ウェブ内に設けられた局所凹部を有し、溝穴付きガイドはロック位置に達すると、この凹部に入る。局所凹部は、プロファイルドレール上にロッキングフックなどを設ける必要をなくし、複雑な成形プロセスも排除し、プロファイルドレールの製造を簡単にする。

　下降位置において、延長部は、プロファイルドレールに囲まれた空間に到達する。すなわち、延長部はプロファイルドレールの内部に配置され、そして、プロファイルドレールによる水平移動の後、延長部自体が鉛直方向の移動を防止される。延長部は、もし溝穴付きガイドが上下に移動すれば、プロファイルドレールに衝突することになるであろう。したがって、延長部は、上昇位置で、および、好ましくは初期位置でも水平移動を防止するロック配置をもたらすだけでなく、下降位置での鉛直方向の移動を防止するロックももたらす。

　カバーの後端領域には、通常、車両を横切る方向に延在するドレンガターが設けられている。ドレンガターは、カバーが移動されるときに同様にプロファイルドレールに沿って移動される。本発明の一実施形態に従えば、ドレンガターは、プロファイルドレールに沿って移動するように適合された後方ベアリング部に連結されているが、ドレンガターはベアリング部と一体的に連結されてもよい。上昇位置において、ベアリング部およびドレンガターは水平移動方向において溝穴付きガイドから完全に連結を外され、また、所定位置にてロックされるための独立の配置を有する。これは、先行技術では設けられていた、先行技術の溝穴付きガイドとドレンガターとの永久的な連結をもたらす中間レバーを完全に排除することを可能にする。これにより、必要な嵌合スペースが小さくなり、重量が軽くなり、部品数が少なくなる。

　一方、ベアリング部を有するドレンガターが、溝穴付きガイドおよびカバーと共に後方へ水平に移動することを保証するために、初期位置および下降位置にて溝穴付きガイドがベアリング部に、水平移動方向において確実に連結されるように係合することが好ましい。

　本発明のさらなる特徴および利点は以下の説明および以下の図面を参照することにより明らかになるであろう。

　図１は、車両の側方から見たスライド／チルトルーフのカバー１０のガイド機構を示す。ガイド機構はカバー１０を、異なる位置、すなわち、上昇位置、初期位置（閉鎖位置とも称する）、および、カバーがガイド機構全体と共に後方に移動されてルーフより下にもぐる下降位置に移動させるように働く。参照番号１１は、ルーフのカットアウトを画成するルーフ端部を示す。参照番号１２は、非常に概略的に図示されたカバーの後端を示す。

　ガイド機構は、カバー１０の両側部にて本質的に同一であるように設計されている。したがって、ガイド機構の片側のみを図１に示す。ガイド機構は、ルーフカットアウトの両側に位置するＣ字状に形成されたレール１４を含む。レール１４は、ルーフカットアウトの端部に堅固に固定されており、図面において、典型的には一体的に設けられるドレンチャネルを有さずに示される。単一成分のプラスチック材料からつくられた溝穴付きガイド１６の形態のレバーが、カバー１０に間接的または直接に連結され、また、反対側の端部では回転移動するように前方ガイドシュー１８に受けられる。溝穴付きガイド１６の回転軸は記号Ａで示される。溝穴付きガイド１６はその２つの側面の各々にガイドトラック２０を有するが、これらのガイドトラックは同一に設計されているため、これらの一方を示すだけで十分である。各ガイドトラックの内側を、後方ガイドシュー２４により移動されるように適合されたガイドブロック２２の形態のスライドブロックが進む。ガイドシュー２４は、ケーブル駆動機構を介して水平移動動作を行うように適合されている。前方ガイドシュー１８および後方ガイドシュー２４は、プロファイルドレール１４の内側を長手方向にスライド移動するように受け入れられている。溝穴付きガイド１６の後端２６は、ガイド１６に一体的に形成された下向きのノーズ２８を有する。ノーズ２８より下にて、ベアリング部３０がプロファイルドレール１４に、水平方向にスライド移動するように受けられており、ベアリング部３０はドレンガター３２を支持している。ベアリング部３０とドレンガター３２とは、独立した予備組立ユニットを構成している。ノーズ２８の真下に、ベアリング３０が、ノーズ２８の形状に適合された凹部３４を特徴的に有する。

　ベアリング部３０は、凹部３４より下に横方向の開口部を有し、この開口部は、ラッチングフック４４にＵ字状板ばね４２を介して連結された、成形されたピース４０を受け入れる。成形ピース４０、板ばね４２およびラッチングフック４４は、予備組立ユニット（図８）を構成する。このユニットは、成形ピース４０およびラッチングフック４４を板ばね４２上に射出成形することにより形成される。

　図１および７に見られるように、嵌め込まれた状態において、ラッチングフック４４はベアリング部３０から前方に突出している。

　上昇位置および初期位置において、予め画定された位置が、カバー１０、溝穴付きガイド１６、および、溝穴付きガイド１６に連結されたガイド機構の一部から成るユニットに必要であり、また、ドレンガター３２、および、ガター３２の両側のベアリング部３０から成るユニットにも必要である。水平方向の移動はいずれも防止される必要がある。

　上昇位置および初期位置において、プロファイルドレール１４の下側連結ウェブ５０は、ラッチングフック４４により係合されるための局所凹部５２を有し（図１および２を参照）、ラッチングフック４４は板ばね４２の力により下向きに付勢される。このようにして、ラッチングフック４４はドレンガター３２を水平方向にて所定位置に固定する。（図４も参照のこと）。

　カバー１０と、溝穴付きガイド１６およびガイドシュー１８，２４から成る他方のユニットは、溝穴付きガイド１６とプロファイルドレール１４との直接の確実なロッキング連結により水平方向にて所定位置に固定される。溝穴付きガイド１６は、実際に、ガイド１６の回転軸Ａの近くに、ガイドの側面に一体的に形成された横方向に突出する延長部７０を有する（図１〜３，５，６ａおよび６ｂを参照のこと）。延長部７０は、プロファイルドレール１４の上側ウェブ７４における関連する局所凹部７２内に突出する。延長部７０の位置および高さは、上昇位置および初期位置（図１および２）の両方において延長部７０が凹部７２内に突出するようになっており、溝穴付きガイド１６およびカバー１０を延長部７０と共に水平方向に移動させようとすればウェブ７４に衝突するであろう。一方、延長部７０は、下降位置ではウェブ７４より下にもぐるように配置されており、この位置では、プロファイルドレール１４により画成された空間内に完全に収められる（図３を参照のこと）。

　以下に、本発明に従うガイド機構の動作モードを説明する。初期位置において、延長部７０は凹部７２内に突出し（図２，６）、これにより、溝穴付きガイド１６がプロファイルドレール１４に沿って水平移動することが完全に防止される。ノーズ２８が、ノーズ２８と関連する凹部３４内に突出し、これにより、溝穴付きガイド１６により画成されたユニットが、ドレンガター３２により画成されたユニットに、移動方向において確実に連結される。ラッチングフック４４は凹部５２内に突出し（図４）、これにより、さらなるロック配置が初期位置にて設けられる。

　ここで、カバー１０を上昇させようとすると、ガイドシュー２４が前方に、好ましくはモータによる駆動により移動される。ガイドトラック２０内をトラック２０に沿ってスライドするスライドブロック２２が、溝穴付きガイド１６を上方に回転させる（図１）ように作用する。十分に上昇した位置ではノーズ２８が凹部３４から離脱しており、溝穴付きガイド１６およびカバー１０を含むユニットは、ドレンガター３２を含むユニットから機械的に完全に分離される。この位置において２つのユニットは、水平方向に移動しないように、それぞれ関連する延長部７０およびラッチングフック４４により、すなわち、これらの２つのユニットを所定位置にロックするための独自の装置によりロックされる。

　カバー１０が後方に移動される場合、カバー１０の後端１２はルーフ端部１１の高さよりも下にもぐる必要がある。それゆえ、ガイドシュー２４が後方に移動される（図３）。下降位置において、延長部７０は、先に既に論じたようにウェブ７４より下にもぐることになる（図３）。ガイドシュー２４はさらに後方に移動され、これにより、ガイドシュー２４上の、ラッチングフック４４に向って突出した楔状の延長部８０（図２および４参照）が、ラッチングフック４４上に設けられた側方のタペット８２と係合してタペット８２を解除位置へと上方に移動させる。こうして、互いに連結された２つのユニットは共に水平方向に移動されることができる。

図１は、本発明に従うガイド機構の上昇位置における長手方向の断面図である。 図２は、本発明に従うガイド機構の初期位置における長手方向の断面図である。 図３は、本発明に従うガイド機構の下降位置における長手方向の断面図である。 図４は、初期位置におけるガイド機構の後端の拡大詳細図である。 図５は、溝穴付きガイド、および、溝穴付きガイドの前端領域におけるプロファイルドレールの一部の上面図である。 図６ａおよび図６ｂは、それぞれ、図５の線Ａ‐Ａおよび線Ｂ‐Ｂに沿った断面図である。 図７は、ラッチングフックが取り付けられたドレンガターのマウンティングの斜視図である。 図８は、板ばねにラッチングフックおよび成形ピースが射出成形された完成体を示す。

Claims (10)

1. 　スライド／チルトルーフのカバー（１０）のためのガイド機構であって、
   　カバー（１０）に少なくとも間接的に連結され、かつカバー（１０）を鉛直方向に移動させる少なくとも１つの溝穴付きガイド（１６）であって、上昇位置、初期位置、および下降位置の間を移動可能である溝穴付きガイド（１６）と、
   　溝穴付きガイド（１６）をカバー（１０）と共に水平方向に移動させるための少なくとも１つのプロファイルドレール（１４）と、を含むガイド機構において、
   　溝穴付きガイド（１６）がその上昇位置において、プロファイルドレール（１４）と、溝穴付きガイド（１６）の水平移動が防止されるように確実な嵌合により直接にロックされることを特徴とするガイド機構。
2. 　溝穴付きガイド（１６）が、初期位置においても水平移動が防止されるようにプロファイルドレール（１４）と確実な嵌合により直接にロックされることを特徴とする請求項１に記載のガイド機構。
3. 　下降位置において、溝穴付きガイド（１６）がプロファイルドレール（１４）とのロック係合から移動されることを特徴とする請求項１または２に記載のガイド機構。
4. 　上昇位置における、溝穴付きガイド（１６）とプロファイルドレール（１４）との直接のロック係合が、溝穴付きガイド（１６）の後方への水平移動を防止するようロックするための単一の配置を構成することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のガイド機構。
5. 　溝穴付きガイド（１６）が、プロファイルドレール（１４）内に設けられた局所凹部（７２）とロック係合するための少なくとも１つの延長部（７０）を有することを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のガイド機構。
6. 　溝穴付きガイド（１６）が溝穴付きガイド（１６）の前端領域にピボットベアリングを有し、かつ、延長部（７０）が前端付近に設けられていることを特徴とする請求項５に記載のガイド機構。
7. 　プロファイルドレール（１４）が、上側カバーリングウェブ（７４）を有するC字状の外形を有し、少なくとも１つのウェブ（７４）が局所凹部（７２）を有することを特徴とする請求項５または６に記載のガイド機構。
8. 　下降位置において延長部（７０）が、プロファイルドレールにより画成された空間に入り、溝穴付きガイド（１６）の水平移動後、プロファイルドレールが延長部（７０）の鉛直方向の上昇移動を防止することを特徴とする請求項５〜７のいずれか一項に記載のガイド機構。
9. 　カバー（１０）の後端（１２）の領域に、車両を横切る方向に延在するドレンガター（３２）が設けられ、ドレンガター（３２）は、プロファイルドレール（１４）に沿って移動するように適合された後方ベアリング部（３０）に連結されており、後方ベアリング部はドレンガター（３２）と共に、上昇位置にて溝穴付きガイド（１６）から水平方向に完全に連結を外され、かつ、移動方向における所定位置にロックされるための独立した配置を有することを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載のガイド機構。
10. 　初期位置と下降位置において、溝穴付きガイド（１６）がベアリング部（３０）に係合し、かつベアリング部（３０）に水平方向において確実に連結されることを特徴とする請求項９に記載のガイド機構。

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