JP2004130720A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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JP2004130720A
JP2004130720A JP2002298951A JP2002298951A JP2004130720A JP 2004130720 A JP2004130720 A JP 2004130720A JP 2002298951 A JP2002298951 A JP 2002298951A JP 2002298951 A JP2002298951 A JP 2002298951A JP 2004130720 A JP2004130720 A JP 2004130720A
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Yasushi Murayama
村山 泰
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Abstract

【課題】ベルト搬送装置を有するインクジェット記録装置におけるベルトクリーニング装置において、ベルトクリーニング性能、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を実現する。
【解決手段】搬送ベルト表面のインクを除去するためのベルトクリーニング手段に関し、クリーニング液体(水等)を吐出するためのクリーニング専用ヘッドを有する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体上にインク滴を吹き付けて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置のように、インク滴を飛ばすことにより画像記録を行う装置においては、記録ヘッドの性能を維持するために、通常の記録時以外にもインクを飛翔させることが必要である。
【0003】
これらのインクは、通常画像記録時においては、記録紙上に吐出され、また、非記録時には、記録紙上ではなく、キャップ上、あるいはインク受け等に吐出される。
【0004】
また、特に、記録紙搬送手段として、搬送ベルトを用いた記録装置においては、記録速度向上のために、搬送ベルト上に定期的にインクを吐出させることにより、記録ヘッドの性能が維持される装置も提案されている。
【0005】
これらの通常時(記録時・及び非記録時)とは別に、これら記録装置において考えておかなければならないことで、記録紙詰まり(以下ジャムという。)時の対応である。
【0006】
搬送ベルトを使用する記録装置においては、このジャム時における、ベルト上のインクの汚れに対して、そのクリーニング手段を備えることは、必須である。
【0007】
また、インクを定期的に搬送ベルト上に吐出する場合には、インクの付着したベルトを常に清浄な状態に保つためのクリーニング手段が重要な課題となる。
【0008】
図6は、搬送ベルトを有する記録装置の要部断面図である。
【0009】
本従来例は、ベルトクリーニング部材として、インク吸収体を備えたベルトクリーナを有する装置をあらわしている。
【0010】
1500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ1500において、1501は、インク吸収体である。インク吸収体1501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定接触圧力Pを保ちながら、接触される。
【0011】
インク吸収体1501は、インク吸収性の良好な、材料からなる。
【0012】
ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、インク吸収体1501との接触ニップ部へと移動される。接触ニップ部において、ベルト表面の付着インクはインク吸収体1501のインク吸収能力により吸収される。
【0013】
これにより、ベルト上に付着されたインクが清掃されるものである。
【0014】
インク吸収体側へと吸収・回収されたインクは、吸収体自身のインク保持能力によって、保持能力まで保持し続ける。
【0015】
また、クリーニング性能を向上させるために、これらに加え、板状の掻き取り部材、例えば、ブレード手段を複合的に用いることにより、クリーニング性を向上させたり、また、掻き取り性能を向上させるために、水や界面活性剤等を含むクリーニング液体をベルト上に塗布する事によりクリーニング性能が飛躍的に向上する装置等が提案されている。が、この装置においては、水分の補給量の不安定や、過剰な水分塗布によるクリーニング性の悪化、ベルト乾燥手段の必要性等の課題が新たに生じていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの手段を用いても、上記問題点すなわち、クリーニング性能の向上は、完全に払拭することは困難であり、この装置においては、水分の一定補給が困難であることによるクリーニング性能不安定や、過剰な水分塗布によるクリーニング性の悪化、ベルト乾燥手段の必要性等の課題が新たに生じ、結果的にベルト上のインクのクリーニング不良や、回収インクのこぼれ、ベルトの劣化、装置の大型化等を生じていた。
【0017】
特に、印字ヘッドの印字幅が広い装置や、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したいわゆるフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドにおいては、使用するインクも大量であり、回収インク(=クリーニングすべきインクの量)も多大になるため、クリーニング性能の向上が重要な課題となっている。
【0018】
また、フルラインタイプの記録ヘッドを用いた装置においては、記録速度の高速化並びにヘッド信頼性の向上のために、ベルト上への、定期的なインク吐出(以下予備吐出と言う)が行われるような装置も提案されている。
【0019】
このことは、ジャム(紙詰まり)時の大量のインクをクリーニングするためのクリーニング能力と同時に、上記ベルト上への予備吐出時すなわち、微量のインク吐出時のクリーニング能力を両立させるベルトクリーニング装置が必要となる。
【0020】
本発明は上述したような従来の技術が有する様々な問題点に鑑みてなされたものであって、装置本体や記録ヘッドへのダメージが減少され、ベルトクリーニング性能、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を実現することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、
搬送ベルトを有するインクジェット記録装置において、搬送ベルト表面のインクを除去するためのベルトクリーニング手段に関し、ブレード手段や、ウェッブ手段等のインク掻き取り手段との複合手段として、水または、クリーニング液体または、その組成中に染料または顔料等の色材を含まないインク(以下クリアインクと言う)を用いるクリーニング装置において、それら(水またはクリーニング液体またはクリアインク)のベルト表面上への塗布手段として、クリーニング専用のインクジェット記録ヘッド(以下、クリーニングヘッドと言う)を用いることにより、ジャム時における大量のインククリーニング時には、上記クリーニングヘッドからの液体の吐出を多く、また、ベルト予備吐出時のクリーニング時においては、クリーニングヘッドからの液体の吐出を少なくなるように制御する。
【0022】
また、ジャム時におけるベルトクリーニング時においては、そのときの記録画像の濃度または、インク打ち込み量の大小に応じて、クリーニングヘッドからの吐出量を制御する。
【0023】
これらの構成すなわち、クリーニングヘッドを用いることにより、上記問題点すなわち、クリーニングすべきインク量に応じた適切なベルトクリーニングが可能となり、水分を用いることによるクリーニング性能の向上が達成できることと同時に、水分を用いたクリーニング方式における水分量の不足によるクリーニング不良や、水分量過剰によるベルト・記録紙・装置へのダメージ発生を防止することができる。
【0024】
なお、さらに詳細に説明すれば、本発明は下記の構成によって前記課題を解決できた。
【0025】
(1)インクを吐出して記録を行うインクジェット記録手段を用いて記録領域に配される記録媒体に記録ヘッド手段により記録を行うインクジェット記録装置において、該記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段をクリーニングするための搬送手段クリーニング手段と、該搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【0026】
(2)前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体として水を用いることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0027】
(3)前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体として染料または顔料を含まないインク(クリアインク)を用いることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0028】
(4)前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体としてクリーニング専用液体を用いることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0029】
(5)前記クリーニング手段は、該搬送手段に対して、所望の位置に接触されたブレード手段と、該搬送手段に対して所望の位置に接触された、不織布等からなるウェッブ状の部材であるクリーニングウェッブであることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0030】
(6)前記記録媒体搬送手段のクリーニング手段であるブレード手段は、前記ウェッブ手段に対して、該搬送手段の搬送方向上流側に配置されることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0031】
(7)前記クリーニング手段のクリーニングブレード手段は、前記記録媒体搬送手段に対して接触・離脱機構を有することを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0032】
(8)前記クリーニング手段のクリーニングウェッブ手段は、前記記録媒体搬送手段に対して接触・離脱機構を有することを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0033】
(9)前記記録媒体搬送手段は、無端状のベルト手段を用いたベルト搬送装置であることを特徴とする前記(1)ないし(7)いずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0034】
(10)前記記録ヘッド手段は、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする前記(1)ないし(7)いずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0035】
(11)前記、記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段は、被記録媒体を静電吸着させて吸着搬送する搬送ベルトであることを特徴とする前記(1)ないし(10)いずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0036】
(12)前記、記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段は、被記録媒体を静電吸着させるために電極を配置した吸着力発生手段を有し、該吸着力発生手段の中央部を吸着力発生領域とし、移動方向側端部に給電される被給電部を設けた搬送ベルトであることを特徴とする前記(10)に記載のインクジェット記録装置。
【0037】
【発明の実施の形態】
【0038】
【実施例1】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0039】
図1は本発明の第1の実施例を説明するための画像記録装置の概略断面図である。図1を用いてまず本実施例の画像記録装置の概略について説明する。図において、301は原稿を読み取りそれを電気信号に変換するスキャナ部である。そこで変換された信号に基づいた信号がプリンタ部302の記録ヘッド部305にドライブ信号として与えられる。給紙部303に収容された被記録部材の一つとしての記録紙は、必要時一枚ずつベルト搬送部304へ向かって送り出される。記録紙は前記ベルト搬送部304を通過する際、記録ヘッド部305内に配置された各色の記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkにより画像記録がなされ、排紙部307を経てトレイ420へ送り出される。なお、306は回復キャップ部であり、前記記録ヘッド部305が常時印字可能な状態を維持させるための機能をもつ。
【0040】
本実施例1においてはその記録ヘッドとして、フルライン化された長尺ヘッドを用いている。
【0041】
図7はそのフルライン化された長尺記録ヘッドとインクの供給手段との構成を模式的に示す説明図である。1601はその記録ヘッド、1652は記録ヘッド1601内の共通液室、1653は記録液吐出面1654に配された液体吐出用の吐出口である。しかして本実施例の吐出口1653は、対象とされる被記録材の記録可能幅いっぱいにその数が配されており、その個々の吐出口1653に通じる不図示の液路に設けられた発熱素子を選択的に駆動させることによって記録液を吐出させ、ヘッド自体の移動走査なしに記録を実施することが可能である。1655は記録液を記録ヘッド1601に供給する記録液供給タンク、1656は供給タンク1655に記録液を補充するためのメインタンクであり、供給タンク1655から供給管1657により記録液を記録ヘッド1601の共通液室1652に供給し、また、記録液補充のときにはメインタンク1656から一方通行の補充整流弁1658を介して回復用ポンプ1659により供給タンク1655に記録液を補充可能である。また、1660は記録ヘッド1601の吐出機能回復のためになされる回復動作時に使用される一方通行の回復用整流弁、1661は回復整流弁1660が介装されている循環用管、更にまた、1662は先に述べた第1の供給管1657に介装されている電磁弁、1663は供給タンク用空気弁である。
【0042】
次に、本実施例の紙搬送について説明する。給紙ユニットより給送された記録紙8は吸着ローラ52によりベルト搬送体上に吸着され各記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkへと順次送られる。
【0043】
そして記録紙は、各々の記録ヘッド下を順次通過することにより各色画像が形成され、最終色を形成後、排出される。
【0044】
本実施例に用いられるベルト搬送体について説明を行う。
【0045】
ベルト搬送体は、駆動ローラ、従動ローラ1,2,3によって巻架されている。ベルト搬送体は、駆動ローラ軸に接続された不図示のモータによって、回転駆動され、これによりベルトが一定速度にて搬送される。また、ベルト材質は、ゴムベルト、フィルムベルト等が通常用いられている。
【0046】
ベルト搬送体上への記録紙の貼付けは、一般的なものとしては、静電気を発生させることにより、記録紙をベルト上に吸着させることにより記録紙の搬送を行う静電吸着方式や、ファン等によって負圧を発生させ、ベルト上の無数の孔からの吸引によってベルト上に記録紙を吸引させ搬送を行う、エア搬送方式等が用いられることが多い。本実施例においては、静電吸着方式を用いた装置により説明を行うが、無論、これに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0047】
ベルト搬送体への静電吸着のための給電は、本実施例においては、ローラ給電方式を用いている。
【0048】
給電ローラには、あらかじめ決められた電圧が印加され、これにより、ベルト表面を帯電させることにより、記録紙を吸着させる。
【0049】
ベルト搬送体の記録紙が分離されてから、次の記録紙が吸着されるまでの間、すなわち、図1において、搬送手段であるベルト装置下部分には、ベルト表面に付着した記録インクを清掃するためのベルトクリーナが配置されている。
【0050】
1CLは、ベルトクリーニング液を吐出するためのクリーニングヘッドである。
【0051】
クリーニングヘッドに用いられる記録ヘッドは、通常の画像形成用の記録ヘッドと共通のものが使用可能である。また、クリーニング用ということであるから、例えば、記録用ヘッドのように高精細な記録密度を要することがない。また、通常記録用のヘッドに要求されるような吐出性能も要しないため、例えば、記録に適さない量の不吐出ノズルがある記録ヘッドであっても、ある程度のクリーニング液が吐出できる記録ヘッドであれば、クリーニング用ヘッドとして転用使用可能である。
【0052】
図2は、本実施例のベルトクリーナ部の要部断面図である。1CLは、ベルトクリーニング液を吐出するためのクリーニングヘッドであり、本実施例においては、記録用ヘッド1C,1M,1Y,1Bkと同一のものを用い、記録ヘッド同様、搬送路上、最下流側に並置されている。
【0053】
500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード501が配置される。このブレードに対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。
【0054】
クリーニングヘッド1CLは、その構造は、通常の記録ヘッドと同等である。クリーニングヘッド1CLに用いられる吐出液体は、本実施例においては、水を用いている。その液体供給系、タンクまた、吐出に関する諸条件は、通常のインク吐出と同様の構成が可能である。また、クリーニングヘッドは、その目的が、ベルト上に水分を供給することであるから、記録ヘッドに比べて、吐出性能(不吐出ノズルの有無、着弾精度、画像密度等)は高く要求されないため、記録ヘッドとしては使用不可能な劣化ヘッドや、不良のあるヘッドを用いることが可能である。また、クリーニングヘッド専用に、安価な記録ヘッドを使用することも可能であることは言うまでもない。
【0055】
501は、ベルトクリーニングブレードである。ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pを保ちながら、接触される。
【0056】
ベルトクリーニングブレード501は、ウレタンゴム等のゴム系の材料からなる。
【0057】
503はベルトクリーニングウェッブ、506は、クリーニングウェッブローラである。ベルトクリーニングウェッブ503は、本実施例においては、図のように、ベルト表面に対して、ベルトクリーニングウェッブローラ506を介して、ベルト表面に対して、一定の接触圧力Pを保ちながら接触される。
【0058】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもつ。
【0059】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータは、ベルト表面に接触されたクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0060】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507により、ベルト搬送体の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動される。
【0061】
図3において、ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0062】
予備吐出または、ジャムによってベルト上に付着したインクは、各記録ヘッド部を経てクリーニングヘッド部を通過する。図中、iがインク、wが水である。これらのベルト上のインクがクリーニングヘッド部を通過する直前、または通過時、または通過後のタイミングで、クリーニングヘッド1CLは、水をベルト上に吐出を行うように制御される。そしてこれらのベルト上に付着したインクおよびクリーニング液体としての水は、ベルト駆動ローラ部を経て図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。
【0063】
このとき、ベルト上の記録インクは、クリーニング液としての水と混合されることにより、水の潤滑作用により、ベルト表面上に吸着されたインク成分を効率的に払拭することが可能となる。
【0064】
クリーニングヘッド1CLからの水の吐出量は、ベルト上に吐出されたインクの量により決定する。
【0065】
すなわち、ベルト上への予備吐出時には、通常、1ノズルあたり数発から数百発であるから、クリーニング液としての水の吐出量は、数百発程度がクリーニング性能向上に効果的である。
【0066】
また、ジャム時のように大量にインクがベルト上に打ち込まれた場合には、その画像の種類に応じて、吐出量を算出することにより、クリーニングヘッドの吐出量を決定する。
【0067】
ジャム時等インクが打ち込まれた位置が特定できる場合には、クリーニングヘッドによりベルト上に吐出するタイミングを制御することにより、インクが打ち込まれた部分だけ(搬送方向並びに記録紙の幅方向)に水分を吐出する事も可能となる。
【0068】
これらの値は、使用するインク、ベルトの材質、記録ヘッドの構成により最適な条件が決定されるべきであることは言うまでもない。
【0069】
ブレードエッジ部を通過した残留インクが発生した場合、この残留インクは、その搬送方向下流側に配置されたベルトクリーニングウェッブローラ506により押圧されるクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはクリーニングウェッブ503に接触し、ベルト表面に残留したインクは、不織布からなるクリーニングウェッブへと染み込み、補集、転写される。
【0070】
これと同時に、ベルト表面上に残る水分が、クリーニングウェッブにより捕集される。
【0071】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクおよび、水分は、ウェッブが、前記ウェッブ駆動モータにより適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、ウェッブは常にインクを吸着し、前記ブレードにより掻き取れなかった残留インクおよび水分を確実に捕集し、かつ、再びベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0072】
また、ウェッブ部通過後のベルト表面は、水分の残留がない。
【0073】
また、クリーニングウェッブは、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0074】
また、本実施例のように、ベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止することも可能である。
【0075】
クリーニングウェッブ503は、ベルトクリーナ部500より、着脱自在な構成となっている。これにより、ウェッブを使い切ったときには、クリーニングウェッブを交換することのみにより、ベルトクリーニング効果を再び取り戻すことが可能となる。
【0076】
クリーニングウェッブ503は、インク等の液体を払拭・吸収し保持する機能を有する。この場合、クリーニングウェッブの材質により、あるいは、吸収するインクの組成により、すなわちこれらの組み合わせによって、インク回収量=能力が決定される。
【0077】
次に、クリーニングウェッブの送り駆動シーケンスについて説明する。
【0078】
クリーニングウェッブ503は、前述したように、ウェッブ駆動モータ507により、その送り量を制御される。
【0079】
クリーニングウェッブ駆動モータ507は、クリーニングウェッブ駆動信号が入力された時に、駆動され、その回転により、クリーニングウェッブの巻き取り側のローラを回転させることにより、所定量のウェッブを巻き取り、ベルトとの接触面を新しい面にするためのモータである。
【0080】
ベルト上にインクが吐出された場合のクリーニングシーケンスの一例を示す。
【0081】
当然のことながら、装置の仕様、状況等により、クリーニングシーケンスは様々なパターンがあることはいうまでもない。
【0082】
この場合の、ベルト上へのインク吐出として想定されるのは、前述したように、ジャム時等の、非通常時の場合と、例えば、記録ヘッドの吐出安定化のためのインク吐出動作(以下、ベルト上予備吐出という)等が想定される。
【0083】
ベルト上にインクが吐出されたことは、ジャム時には、ジャムが発生したという信号により、また、ベルト上予備吐出は、予備吐出信号により容易に判断できる。
【0084】
クリーニングヘッド制御回路(不図示)は、これらの信号を検出するとまず、クリーニングヘッドに対して、その吐出タイミングと、吐出量(吐出発数)を算出し、ヘッド駆動信号を発する。これにより、クリーニングヘッドは、所定のタイミングで所定の駆動をされ、ベルト面上の所定位置にクリーニング液としての水を吐出する。
【0085】
吐出タイミングは、記録ヘッドによってベルト上に吐出されたインクが、クリーニングヘッド部を通過する直前、または、通過中、または直後に、クリーニング液としての水が吐出されるようなタイミングが算出される。
【0086】
吐出量は、予備吐出時は、各記録ヘッドから吐出された予備吐出量、通常は吐出発数により、決定される。
【0087】
クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、これらの信号を検出するとまず、クリーニングウェッブ駆動モータに対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブは、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。
【0088】
これらの動作により、ベルト上に吐出された付着インクの搬送方向上流側、あるいはインク上、あるいは搬送方向下流側にクリーニング液としての水が吐出され、まず、クリーニングブレード501によって、掻き取られる。このとき、クリーニング液として吐出された水の作用により、ベルト上に付着したインクが容易に払拭される構成となる。次に、インク付着部が、クリーニングウェッブニップ部を通過することにより、上述したように、新しい面となったウェッブにより、ベルト上の残留インクが、完全に、払拭されるとともに、ベルト表面上に残留した水分が吸収され、ベルトが清浄化され、次の画像形成に備える。
【0089】
ベルト上のインクを払拭した後、クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、再び、クリーニングウェッブ駆動モータに対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブは、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、さらに、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。以下、同様のシーケンスを繰り返すことにより、ベルト面を常に清浄化させておくことが可能となる。
【0090】
また、これらの動作とは別に、該クリーニングウェッブは、一定時間間隔、あるいは記録紙が一定枚数分搬送された時に、(時間、あるいは枚数)クリーニングウェッブ駆動モータにより一定時間の駆動を行い、随時新しい面をベルト表面に対して接触されるように構成されている。
【0091】
クリーニング液としての水を吐出するクリーニングヘッドからの吐出量および、吐出タイミングは、インクの組成、記録ヘッドの性能、ベルト材質等の構成により、最適な条件を選定する。
【0092】
本実施例においては、クリーニング液として、水を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、記録用インクの成分から、色材すなわち染料または顔料成分をのぞいたクリアインクであっても、インクの組成中に水分量が多いインクであれば、水と同様のクリーニング性能の向上効果が認められる。
【0093】
また、水の、長期保存による腐食防止のための防腐剤、クリーニング効果を向上させるための界面活性剤等の添加剤を混合する事も記録ヘッドに悪影響をもたらさない範囲において有効な手段であることは言うまでもない。
【0094】
クリーニングウェッブ503の送り量・全長は、これらのシーケンスに基づき決定される。すなわち、インクをどれだけ吸収するかにより決定されるものである。これは、装置の寿命や、クリーニングローラの交換時期をも決定するものである。
【0095】
なお、本実施例1に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0096】
【実施例2】
図4は、本実施例のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード501が配置される。このブレードに対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。
【0097】
1CLは、ベルトクリーニング液を吐出するためのクリーニングヘッドであり、本実施例においては、記録用ヘッド1C,1M,1Y,1Bkと同一のものを用い、上記、ベルトクリーニングユニット500の、搬送方向上流側、ベルト駆動ローラ部に対向して配置されている。
【0098】
クリーニングヘッド1CLは、その構造は、通常の記録ヘッドと同等である。クリーニングヘッド1CLに用いられる吐出液体は、本実施例においては、水を用いている。その液体供給系、タンクまた、吐出に関する諸条件は、通常のインク吐出と同様の構成が可能である。また、クリーニングヘッドは、その目的が、ベルト上に水分を供給することであるから、記録ヘッドに比べて高く吐出性能(不吐出ノズルの有無、着弾精度、画像密度等)は、要求されないため、記録ヘッドとしては使用不可能な劣化ヘッドや、不良のあるヘッドを用いることが可能である。また、クリーニングヘッド専用に、安価な記録ヘッドを使用することも可能であることは言うまでもない。
【0099】
501は、ベルトクリーニングブレードである。ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pを保ちながら、接触される。
【0100】
ベルトクリーニングブレード501は、ウレタンゴム等のゴム系の材料からなる。
【0101】
ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては、図5に示すように、ベルト表面に対して、接触・離脱動作が可能なように構成されている。
【0102】
図5(a)は、ベルトに対して接触された状態を示し、図5(b)は、ベルト表面に対して、離脱された状態を示す状態図である。
【0103】
508は、クリーニングブレード解除カム、509は、クリーニングブレード解除カム駆動モータである。
【0104】
クリーニングブレードは、通常時、画像形成時においては、ベルト表面への負荷低減、寿命UPのために、必要な時以外は、ベルト表面から離脱されている構成をとることが可能な構成となっている。
【0105】
503はベルトクリーニングウェッブ、506は、クリーニングウェッブローラである。ベルトクリーニングウェッブ503は、本実施例においては、図のように、ベルト表面に対して、ベルトクリーニングウェッブローラ506を介して、ベルト表面に対して、一定の接触圧力Pを保ちながら接触される。
【0106】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもつ。
【0107】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータは、ベルト表面に接触されたクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0108】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507により、ベルト搬送体の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動される。
【0109】
図5において、ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0110】
クリーニングブレード501は、前述したように、クリーニングブレード解除カム508、クリーニングブレード解除カム駆動モータ509により、ベルト表面へのブレードの接触・離脱動作を制御される。
【0111】
クリーニングブレード解除カム駆動モータ509は、クリーニングブレード駆動信号が入力された時に、駆動され、その回転によりカム508を所定量回転させ、クリーニングブレードのエッジ面をベルト表面へと接触させるためのモータである。
【0112】
ベルト上にインクが吐出された場合のクリーニングシーケンスの一例を示す。
【0113】
当然のことながら、装置の仕様、状況等により、クリーニングシーケンスは様々なパターンがあることはいうまでもない。
【0114】
この場合の、ベルト上へのインク吐出として想定されるのは、前述したように、ジャム時等の、非通常時の場合と、例えば、記録ヘッドの吐出安定化のためのインク吐出動作(以下、ベルト上予備吐出という)等が想定される。
【0115】
ベルト上にインクが吐出されたことは、ジャム時には、ジャムが発生したという信号により、また、ベルト上予備吐出は、予備吐出信号により容易に判断できる。
【0116】
クリーニングブレード接離制御回路(不図示)は、これらの信号を検出するとまず、クリーニングブレード駆動モータ509に対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングブレード接離カム508は、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、クリーニングブレードが、ベルト表面に対して、所望の接触状態となる。
【0117】
予備吐出または、ジャムによってベルト上に付着したインクは、各記録ヘッド部を経てクリーニングヘッド部を通過する。図中、iがインク、wが水である。これらのベルト上のインクがクリーニングヘッド部を通過する直前、または通過時、または通過後のタイミングで、クリーニングヘッド1CLは、水をベルト上に吐出を行うように制御される。そしてこれらのベルト上に付着したインクおよびクリーニング液体としての水は、ベルト駆動ローラ部を経て図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。
【0118】
このとき、ベルト上の記録インクは、クリーニング液としての水と混合されることにより、水の潤滑作用により、ベルト表面上に吸着されたインク成分を効率的に払拭することが可能となる。
【0119】
クリーニングヘッド1CLからの水の吐出量は、ベルト上に吐出されたインクの量により決定する。
【0120】
すなわち、ベルト上への予備吐出時には、通常、1ノズルあたり数発から数百発であるから、クリーニング液としての水の吐出量は、数百発程度がクリーニング性能向上に効果的である。
【0121】
また、ジャム時のように大量にインクがベルト上に打ち込まれた場合には、その画像の種類に応じて、吐出量を算出することにより、クリーニングヘッドの吐出量を決定する。
【0122】
ジャム時等インクが打ち込まれた位置が特定できる場合には、クリーニングヘッドによりベルト上に吐出するタイミングを制御することにより、インクが打ち込まれた部分だけ(搬送方向並びに記録紙の幅方向)に水分を吐出する事も可能となる。
【0123】
これらの値は、使用するインク、ベルトの材質、記録ヘッドの構成により最適な条件が決定されるべきであることは言うまでもない。
【0124】
ブレードエッジ部を通過した残留インクが発生した場合、この残留インクは、その搬送方向下流側に配置されたベルトクリーニングウェッブローラ506により押圧されるクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはクリーニングウェッブ503に接触し、ベルト表面に残留したインクは、不織布からなるクリーニングウェッブへと染み込み、補集、転写される。
【0125】
これと同時に、ベルト表面上に残る水分が、クリーニングウェッブにより捕集される。
【0126】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクおよび、水分は、ウェッブが、前記ウェッブ駆動モータにより適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、ウェッブは常にインクを吸着し、前記ブレードにより掻き取れなかった残留インクおよび水分を確実に捕集し、かつ、再びベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0127】
また、ウェッブ部通過後のベルト表面は、水分の残留がない。
【0128】
また、クリーニングウェッブは、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0129】
また、本実施例のように、ベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止することも可能である。
【0130】
クリーニング液としての水を吐出するクリーニングヘッドからの吐出量および、吐出タイミングは、インクの組成、記録ヘッドの性能、ベルト材質等の構成により、最適な条件を選定する。
【0131】
本実施例においては、クリーニング液として、水を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、記録用インクの成分から、色材すなわち染料または顔料成分をのぞいたクリアインクであっても、インクの組成中に水分量が多いインクであれば、水と同様のクリーニング性能の向上効果が認められる。
【0132】
また、水の、長期保存による腐食防止のための防腐剤、クリーニング効果を向上させるための界面活性剤等の添加剤を混合する事も記録ヘッドに悪影響をもたらさない範囲において有効な手段であることは言うまでもない。
【0133】
クリーニングウェッブの送り動作については、第1の実施例にて説明したと同様の動作を行う。
【0134】
なお、本実施例2に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0135】
【実施例3】
図8は、本実施例のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード501が配置される。このブレードに対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。
【0136】
1CLは、ベルトクリーニング液を吐出するためのクリーニングヘッドであり、本実施例においては、搬送方向と直交する方向に、スキャン可能な記録ヘッド(所謂シリアルヘッド)を用い、搬送路上最下流側に記録ヘッドと並置されている。
【0137】
ベルトクリーニングユニット500の、搬送方向上流側、ベルト駆動ローラ部に対向して配置されている。
【0138】
クリーニングヘッド1101CLは、モータ(不図示)の駆動によりレール1213上を往復動されるキャリッジ1214と一体的に構成されている。
【0139】
クリーニングヘッド1101CLはレール1213に沿って、図中奥方向に往動しながらクリーニング液としての水を吐出する。所定紙幅分の吐出を行うと再びクリーニングヘッド1101CLはレール1213に沿って図中手前方向に復動しホームポジションへ戻る。そして、このような動作を必要に応じて、繰り返しベルト上にクリーニング液の吐出を行う。
【0140】
クリーニングヘッド1101CLは、その構造は、通常のインク吐出用シリアル記録ヘッドと同等である。クリーニングヘッド1101CLに用いられる吐出液体は、本実施例においては、水を用いている。その液体供給系、タンクまた、吐出に関する諸条件は、通常のインク吐出と同様の構成が可能である。また、クリーニングヘッドは、その目的が、ベルト上に水分を供給することであるから、記録ヘッドに比べて、吐出性能(不吐出ノズルの有無、着弾精度、画像密度等)は高く要求されないため、記録ヘッドとしては使用不可能な劣化ヘッドや、不良のあるヘッドを用いることが可能である。また、クリーニングヘッド専用に、安価な記録ヘッドを使用することも可能であることは言うまでもない。
【0141】
501は、ベルトクリーニングブレードである。ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pを保ちながら、接触される。
【0142】
ベルトクリーニングブレード501は、ウレタンゴム等のゴム系の材料からなる。
【0143】
503はベルトクリーニングウェッブ、506は、クリーニングウェッブローラである。ベルトクリーニングウェッブ503は、本実施例においては、図のように、ベルト表面に対して、ベルトクリーニングウェッブローラ506を介して、ベルト表面に対して、一定の接触圧力Pを保ちながら接触される。
【0144】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもつ。
【0145】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータは、ベルト表面に接触されたクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0146】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507により、ベルト搬送体の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動される。
【0147】
図9において、ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0148】
予備吐出または、ジャムによってベルト上に付着したインクは、各記録ヘッド部を経てクリーニングヘッド部を通過する。図中、iがインク、wが水である。これらのベルト上のインクがクリーニングヘッド部を通過する直前、または通過時、または通過後のタイミングで、クリーニングヘッド1101CLは、上記モータの駆動により、搬送方向と直交方向に移動され、水をベルト上に吐出を行うように制御される。そしてこれらのベルト上に付着したインクおよびクリーニング液体としての水は、ベルト駆動ローラ部を経て図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。
【0149】
このとき、ベルト上の記録インクは、クリーニング液としての水と混合されることにより、水の潤滑作用により、ベルト表面上に吸着されたインク成分を効率的に払拭することが可能となる。
【0150】
クリーニングヘッド1101CLからの水の吐出量は、ベルト上に吐出されたインクの量により決定する。
【0151】
すなわち、ベルト上への予備吐出時には、通常、1ノズルあたり数発から数百発であるから、クリーニング液としての水の吐出量は、数百発程度がクリーニング性能向上に効果的である。
【0152】
また、ジャム時のように大量にインクがベルト上に打ち込まれた場合には、その画像の種類に応じて、吐出量を算出することにより、クリーニングヘッドの吐出量を決定する。
【0153】
ジャム時等インクが打ち込まれた位置が特定できる場合には、クリーニングヘッドによりベルト上に吐出するタイミングを制御することにより、インクが打ち込まれた部分だけ(搬送方向並びに記録紙の幅方向)に水分を吐出する事も可能となる。
【0154】
これらの値は、使用するインク、ベルトの材質、記録ヘッドの構成により最適な条件が決定されるべきであることは言うまでもない。
【0155】
ブレードエッジ部を通過した残留インクが発生した場合、この残留インクは、その搬送方向下流側に配置されたベルトクリーニングウェッブローラ506により押圧されるクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはクリーニングウェッブ503に接触し、ベルト表面に残留したインクは、不織布からなるクリーニングウェッブへと染み込み、補集、転写される。
【0156】
これと同時に、ベルト表面上に残る水分が、クリーニングウェッブにより捕集される。
【0157】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクおよび、水分は、ウェッブが、前記ウェッブ駆動モータにより適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、ウェッブは常にインクを吸着し、前記ブレードにより掻き取れなかった残留インクおよび水分を確実に捕集し、かつ、再びベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0158】
また、ウェッブ部通過後のベルト表面は、水分の残留がない。
【0159】
また、クリーニングウェッブは、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0160】
また、本実施例のように、ベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止することも可能である。
【0161】
クリーニング液としての水を吐出するクリーニングヘッドからの吐出量および、吐出タイミングは、インクの組成、記録ヘッドの性能、ベルト材質等の構成により、最適な条件を選定する。
【0162】
本実施例においては、クリーニング液として、水を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、記録用インクの成分から、色材すなわち染料または顔料成分をのぞいたクリアインクであっても、インクの組成中に水分量が多いインクであれば、水と同様のクリーニング性能の向上効果が認められる。
【0163】
また、水の、長期保存による腐食防止のための防腐剤、クリーニング効果を向上させるための界面活性剤等の添加剤を混合する事も記録ヘッドに悪影響をもたらさない範囲において有効な手段であることは言うまでもない。
【0164】
クリーニングウェッブの送り動作については、第1の実施例にて説明したと同様の動作を行う。
【0165】
なお、本実施例3に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0166】
【実施例4】
図10は、上記実施例1〜3に用いられた記録装置の記録紙搬送手段としての搬送ベルトとして適用できる、記録紙吸着方法として静電吸着方式を用いた、くし歯状電極を有する静電吸着ベルトの説明図である。
【0167】
図10に示すように搬送ベルト801の内部には記録紙を吸着する吸着手段800が設置されている。吸着手段は導電性の金属からなる電極板部材802、803より構成され、ベルト幅方向と平行に櫛歯状に複数設置されている。
【0168】
図11(a)に、このベルトの断面図を示す。吸着力発生領域においては電極板802,803がベース層800cと表面層800dとで挟まれた形で保護されている。ベース層800c及び表面層800dは約0.1mm〜0.2mm位の厚みのポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等の合成樹脂材料から形成されている。
【0169】
図11(b)に示すように電極板802,803のベルト幅方向端部を露出させ、給電部である端子802a、803aとしている。該端子802a、803aは搬送方向に電極板802,803の幅よりも広く形成することで、より給電しやすいように構成されている。これらの給電部802a、803aに対して、給電ブラシ(不図示)により所定の高電圧を発生する高圧電源(不図示)から、例えば約−10kV〜−0.5kV又は0.5kV〜10kVの電圧を印加させることにより、電極802と803の間に電位差を与え、記録紙を静電吸着するものである。
【0170】
この原理を簡単に説明すれば、電極板802、803に電圧が与えられると図11(a)に示すように電界が矢印の方向に発生し、電気力線が形成される。そして電極板802と電極板803との間の電位差によって搬送ベルト801の上方位置に吸着力が発生し、記録紙の記録面上には、電極板802、803に与えられた電圧と同極性の電荷(表面電位)が発生する。記録紙の吸着力としては電極板802と電極板803との間の導電金属が無い部分が最も低い領域となる。
【0171】
このような方式の搬送ベルトを用いることにより、上記実施例1〜3に示した記録装置に有効な搬送手段となる。
【0172】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0173】
1.該ベルトクリーニング手段は、水等のクリーニング液を吐出するクリーニングヘッドを有することにより、ベルト上にクリーニングに最適な量の水分吐出でき、効率的かつクリーニング性能の飛躍的な向上が可能となる。
【0174】
2.クリーニングヘッドに用いる記録ヘッドは、通常の記録ヘッドには使用不可能な不良ヘッドを転用使用する事が可能であるため、コストが低く抑えられる。
【0175】
3.クリーニングヘッドを用いることにより、ジャム時・予備吐出時等、ベルト上のインク付着量に応じて、クリーニング液の吐出量を可変とできるため、常に、最良のクリーニング条件とする事が可能となる。
【0176】
また、これらの構成により信頼性を向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の概略断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略説明図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略駆動説明図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の第2実施例のベルトクリーナ部の概略説明図である。
【図5】(a),(b) 本発明のインクジェット記録装置の第2実施例のベルトクリーナ部の概略駆動説明図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置の従来例のインクジェット記録装置の概略断面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置のフルラインヘッド供給手段の模式図である。
【図8】本発明のインクジェット記録装置の第3実施例のベルトクリーナ部の概略説明図である。
【図9】本発明のインクジェット記録装置の第3実施例のベルトクリーナ部の概略駆動説明図である。
【図10】本発明のインクジェット記録装置の第4実施例の搬送ベルト部の概略説明図である。
【図11】(a),(b)本発明のインクジェット記録装置の第4実施例の搬送ベルト部の概略断面図である。
【符号の説明】
1CL クリーニングヘッド
301 スキャナ部
302 プリンタ部
303 給紙部
304 ベルト搬送部
305 記録ヘッド部
306 回復キャップ部
307 排紙部
420 トレイ
500 ベルトクリーナ
501 クリーニングブレード
503 クリーニングウェッブ
506 クリーニングウェッブローラ
507 ベルトクリーニングウェッブ駆動モータ
508 クリーニングブレード解除カム
509 クリーニングブレード解除カム駆動モータ
800 吸着手段
801 搬送ベルト
802、803 電極板部材

Claims (12)

  1. インクを吐出して記録を行うインクジェット記録手段を用いて記録領域に配される記録媒体に記録ヘッド手段により記録を行うインクジェット記録装置において、該記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段をクリーニングするための搬送手段クリーニング手段と、該搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体として水を用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体として染料または顔料を含まないインク(クリアインク)を用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記搬送手段に対してクリーニング液体を吐出するための記録ヘッドは、吐出液体としてクリーニング専用液体を用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記クリーニング手段は、該搬送手段に対して、所望の位置に接触されたブレード手段と、該搬送手段に対して所望の位置に接触された、不織布等からなるウェッブ状の部材であるクリーニングウェッブであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録媒体搬送手段のクリーニング手段であるブレード手段は、前記ウェッブ手段に対して、該搬送手段の搬送方向上流側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記クリーニング手段のクリーニングブレード手段は、前記記録媒体搬送手段に対して接触・離脱機構を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記クリーニング手段のクリーニングウェッブ手段は、前記記録媒体搬送手段に対して接触・離脱機構を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録媒体搬送手段は、無端状のベルト手段を用いたベルト搬送装置であることを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッド手段は、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記、記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段は、被記録媒体を静電吸着させて吸着搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項1ないし10いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記、記録媒体を記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段は、被記録媒体を静電吸着させるために電極を配置した吸着力発生手段を有し、該吸着力発生手段の中央部を吸着力発生領域とし、移動方向側端部に給電される被給電部を設けた搬送ベルトであることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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