JP2004129783A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動送風機の上流側に配置されるサイクロン分離装置12を備える。この分離装置は、軸方向一端部に筒状の気流入口33を有し、かつ、軸方向他端部に気流出口35及び塵出口47を有した分離筒体31を備える。分離筒体の回りに塵出口47から出る塵を溜める塵溜め部48を設ける。気流入口33を通って導入された含塵空気を分離筒体31内で旋回させる旋回流形成手段として、360度以上捩られた螺旋翼41を分離筒体31に内蔵している。これにより、分離装置12が、旋回しつつ流れる気流の進行方向に気流を流出させながら、この気流中に含まれている塵を遠心分離する直進流式のサイクロン分離装置として機能するようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機の運転に伴って吸引される含塵空気を旋回させることにより塵を分離しながら掃除をするサイクロン分離装置を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサイクロン分離装置を備えた電気掃除機は、サイクロン分離装置と電動送風機とをそれらの軸方向が夫々上下方向となる姿勢で設けている。これにより、掃除機本体の前方に開放する吸塵口から水平方向に吸込まれる気流は、略90°方向変換されてサイクロン分離装置の有底円筒形集塵カップにその上方から下向きに供給される。この供給に伴いサイクロン分離装置の旋回流形成手段により集塵カップの内周面に沿って旋回する旋回流が作られる。この旋回流は、集塵カップの下部で反転してこのカップの径方向中央部を上昇し、集塵カップの上端開口を閉じているフィルターで覆われた気流出口を通って集塵カップ外に流出する。この後、流出した気流はダクトを介して電動送風機に吸込まれ、この送風機を通って掃除機本体外に排出される。
【0003】
こうした気流の流れにより、集塵カップ内で気流とこれに含まれる塵とを遠心力を利用して分離して、分離された塵を集塵カップ内に溜めるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−17626号公報(段落0033−0039、0050、0056、図1、図11、図12)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のサイクロン分離装置は、その集塵カップ内で作られて下向きに旋回する気流を反転上昇させるので、塵を遠心分離し易い一方で、圧力損失が大きい。このため、電動送風機の吸込み仕事率が良くないことに伴って、吸塵性能を向上させるには不利である。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、吸塵性能を向上することが可能な電気掃除機を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、電動送風機の上流側に配置されるサイクロン分離装置を備え、軸方向一端部に筒状の気流入口を有し、かつ、軸方向他端部に気流出口及び塵出口を有した前記分離装置の分離筒体の回りに塵出口から出る塵を溜める塵溜め部を設けるとともに、気流入口を通って導入された含塵空気を前記分離筒体内で旋回させる旋回流形成手段を分離筒体に内蔵し、この手段を、捩りダクト又は360度以上捩られた螺旋翼としたものである。
【0008】
本発明で、螺旋翼又は捩りダクトは気流入口を通って分離筒体内に流入された含塵空気に旋回運動を付与する旋回流形成手段として機能するものであり、螺旋翼は、掃除機本体の大きさとの兼ね合いで許される範囲で長くして、360度を超えて可能な限り多く捩った構成とするとよく、同様に捩りダクトも可能な限り多く捩った構成とするとよい。こうすることは気流中の塵に対する遠心分離をより確実にできる点で好ましい。本発明で、サイクロン分離装置の分離筒体内をこの筒体の軸方向に実質的に進行する流れは、掃除機本体に対して上下方向、又は水平方向、或いは斜め方向のいずれであってもよい。本発明で、分離筒体は、その内部を気流が旋回できる筒状であれば、円筒体でも角筒体でもよいが、特に軸方向と直交する断面において長軸と短軸との差が少ない楕円円筒体がよく、中でも前記断面真円の円筒体を用いることが好ましい。本発明で、気流出口は、分離筒体の出口側に開けた開口で形成できる他、上流側に向けて突設されて分離筒体の径方向中央部に位置する筒で形成してもよく、或は上流側に向けて突設されて分離筒体の径方向中央部に位置される例えば円錐状又は円錐台状のフィルター体で作ることも可能である。本発明で、塵出口は、塵溜め部に直接接続できる他、実質的に塵出口と見做し得る出口通路を介して間接的に塵溜め部に接続することも可能である。
【0009】
本発明において、分離筒体内にその軸方向一端部の気流入口から導入された含塵気流は、旋回翼又は捩りダクトで導かれることにより旋回されつつ分離筒体の軸方向に進行し、旋回翼又は捩りダクトの下流側に設けられている気流出口から流出される。これに伴う分離筒体内での気流の旋回運動により気流中の塵を遠心分離して、この分離された塵を塵出口から塵受け部に排出させることができる。この場合、分離筒体を通る気流は、遠心方向成分を有しているが、分離筒体の軸方向に沿う直進方向成分の方が大であるため、気流が反転する場合に比較して圧力損失が小さい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0011】
図1中符号1で示す電気掃除機が備える掃除機本体2は、移動用車輪3が取付けられているとともに図示しない排気部を有した後ケース4と、下面にキャスタ5が取付けられた前ケース6とを備えている。
【0012】
前ケース6は後ケース4に着脱可能に取付けられている。前ケース6は、後ケース4に接続された状態で後述する分離装置のフィルターボックスを上方から覆って配置されるボックスカバー部6aを有している。この前ケース6には例えば前方に指向する吸塵口7が設けられている。吸塵口7には、これを通って吸込まれる含塵空気を導く吸塵ホースなどの気流導入手段8が取外し可能に接続される。
【0013】
後ケース4には、電動送風機11がその吸気口(図示しない)を例えば前方に向けて内蔵されている。更に後ケース4には、直進流式のサイクロン分離装置(以下、分離装置と略称する。)12が、その一部例えば後部を後ケース4に収容するとともに前部を後ケース4の前方に突出させて支持されている。この発明で、直進流式サイクロン分離装置とは、後述するように旋回しつつ流れる含塵気流の進行方向に気流を流出させながら、この気流中に含まれている塵を遠心分離する機能を有するサイクロン分離装置を意味している。
【0014】
本実施形態において電動送風機11と分離装置12とは互いに連結されてユニット化されている。この連結により電動送風機11は分離装置12の中心軸線の延長線上に配置されている。この場合、電動送風機11の中心軸線と分離装置12の中心軸線とは、平行にずれていても、或いは斜めに交差する関係にあってもよいが、好ましい例として両軸線が略一致するように電動送風機11と分離装置12とは配置されている。
【0015】
図2(A)(B)に示すように分離装置12は、ベース21、フィルター26、分離筒体31、旋回流形成手段をなす螺旋翼41、塵出口47、塵溜め部48を備えている。
【0016】
ベース21は、台部22と、ファイルターボックス23と、送風機取付け部24とで作られている。台部22の内部空間は、閉空間をなす塵溜め部48として使用されている。ベース21の底板21aは着脱可能に設けられている。この底板21aは前ケース6を取外した状態でベース21に対して着脱される。この取外しによって塵溜め部48内の塵を夫々排出できるようになっている。
【0017】
フィルターボックス23は台部22に対して例えば上向きで直角に連なって設けられている。このボックス23の先端(上端)にはボックス蓋23aが取外し可能に取付けられている。このボックス蓋23aは前記ボックスカバー部6aで覆われる。
【0018】
図2に示すようにフィルターボックス23にはこのボックス23より一回り小さいフィルター26が収容されている。このフィルター26は、ボックスカバー部6aを開けた状態で、その洗浄などによる再生や交換のために出し入れできる。フィルター26は分離筒体31から電動送風機11に吸込まれるようとする気流に含まれる塵を捕捉するものである。このフィルター26は、単層でも多層でもよいとともに、塵の他に気流中の臭い成分を除去するなど他の機能を持っていてもよい。
【0019】
送風機取付け部24はフィルターボックス23の背面に設けられている。この取付け部24には図1に示すように電動送風機11が接続されている。電動送風機11はフィルターボックス23の背壁中央部に開けたテーパ状の通気孔23bを通して分離筒体31内の空気を吸引する。
【0020】
分離筒体31は、その軸方向一端側部分で作られるサイクロン上流部31a、及び分離筒体31の軸方向他端側部分で作られるサイクロン下流部31bを備えている。この分離筒体31は、台部22上でかつフィルターボックス23の上流側に位置してベース21に取付けられている。
【0021】
サイクロン上流部31aは、入口側端壁32を有し、この端壁32からサイクロン下流部31bに向かうに従い軸方向と直交する方向の断面積が次第に大きくなる円錐台状をなしている。このため、サイクロン上流部31aの風路断面積は下流側に向けて徐々に拡大している。入口側端壁32の外面には、分離筒体31の軸方向に延びる円筒状の気流入口33が例えば前向きに一体に突設されている。この気流入口33は分離筒体31の軸方向一端部に配置されていて、これには掃除機本体2の組立てに伴って前ケース6の吸塵口7が接続される。なお、本実施形態では、気流入口33の軸線と分離筒体31の軸線とは好ましい例として一致しているが、これらの軸線は、平行にずれていても、或いは斜めに交差する関係にあってもよい。
【0022】
サイクロン下流部31bは、径に変化がない円筒形状をなしているとともに、例えば円筒からなる気流出口35を有している。サイクロン下流部31bは、サイクロン上流部31aの下流側に連続して設けられていて、サイクロン上流部31aと同一軸線を共有している。このサイクロン下流部31bの下流側の端はフィルターボックス23に支持されている。気流出口35はサイクロン下流部31bの径方向中央部に同心的に配置されている。この気流出口35は、フィルターボックス23内と連通してこのボックス23に支持されることによって、螺旋翼41に向けて突出されている。これにより、気流出口35を通った気流がフィルターボックス23内に吸込まれるようになっている。気流出口35の軸線と分離筒体31の軸線とは好ましい例として一致しているが、これらの軸線は、平行にずれていても、或いは多少斜めに交差する関係にあってもよい。
【0023】
図2(A)(B)に示すように螺旋翼41は、中心軸42の周囲に、360°以上に捩られたスパイラル状をなす1枚の翼板43を設けるとともに、翼板43の小径側端部にガイド44を設けて形成されている。螺旋翼41は、サイクロン上流部31a内に挿入して、ガイド44を気流入口33の終端に連続させるとともに、翼板43をサイクロン上流部31aの内周面に接触させて取付けられている。この取付けにより、サイクロン上流部31a内には翼板43に沿った螺旋状の風路が形成される。ガイド44は、気流入口33を通った気流が翼板43の捩れ方向に沿って円滑に流れるように気流を導くものである。
【0024】
螺旋翼41の背面中央部には気流出口35の先端と対向する凸部45が一体に設けられている。この凸部45と気流出口35との間の間隙を通してサイクロン下流部31b内の空気が気流出口35に吸込まれるようになっている。図2に示すように凸部45は気流出口45の外径より大きい円形をなしており、その周部は好ましい例として丸みを帯びて形成されている。
【0025】
凸部45の径は、サイクロン下流部31b内に、この下流部31bの内周面寄りの塵寄せ領域Aと、気流出口35の外周面寄りのコア領域Bとの境界層(図2中二点鎖線参照)の起点となるものであり、以下のように設定されている。サイクロン下流部31bの内周半径がr1、気流出口35の外周半径がr2、これらの半径差がr3、凸部45の半径がr4である場合、r4=(r2)〜(r2+4・r3/5)の範囲で設定され、本実施形態では、r4=(r2+r3/5)となるように凸部45の径を設定してある。
【0026】
塵出口47は、サイクロン上流部31aと塵溜め部48とを連通している。詳しくは、図2(A)(B)に示すように塵出口47は、円筒状をなしているサイクロン下流部31bの下流側部位の周壁に半径方向に開口して設けられている。好ましい例として塵出口47は上下方向に延びており、その上端がサイクロン下流部31bに接続され、下端が塵溜め部48に接続されている。これにより、分離された塵をその重さなどを利用して塵溜め部48に導くことが可能である。
【0027】
前記構成の電気掃除機1は、その電動送風機11を運転することにより、図示しない吸込み口体及び気流ガイド手段8を通して被掃除面の塵を空気とともに吸込んで掃除できる。
【0028】
詳しくは、電動送風機11の吸気力によって吸塵口7から分離装置12の気流入口33に吸込まれた含塵気流は、スパイラル状の翼板43に沿ってサイクロン上流部31a内を旋回した後、翼板43の後側に連続しているサイクロン下流部31bの内周面に沿って旋回し、更に、このサイクロン下流部31b内の気流出口35を通って分離筒体31外に流出する。こうして流出した気流は、フィルターボックス23内を通過して電動送風機11に吸込まれ、この後電動送風機11から出て掃除機本体2外に排出される。
【0029】
以上のように気流入口33から流入してサイクロン上流部31a内で翼板43により旋回されつつ流れる気流は、サイクロン上流部31aでの進行方向に位置するサイクロン下流部31bを経て気流出口35から流出される。即ち、分離筒体31から電動送風機11に至る気流は実質的に直進的に流れる。
【0030】
このような直進流は、サイクロン上流部31a内では螺旋気流となっているが、そこでは分離筒体31の軸方向に沿う直進方向成分と翼板43の傾斜に沿った遠心方向成分とを有している。この場合、気流出口35に向けて直進しようとする気流を基に遠心方向成分が生じるので、直進方向成分の方が大である。このため、気流が反転する場合に比較して圧力損失が小さい。しかも、気流入口33が分離筒体31の軸方向に延びているので、この入口33からサイクロン上流部31aに気流が流入する際の圧力損失も小さい。
【0031】
サイクロン上流部31aに連続したサイクロン下流部31bは、径に変化がない、つまり、風路断面積が拡大しないので、サイクロン上流部31aから直進してサイクロン下流部31bの内周面に沿って旋回する含塵気流の旋回回数及び速度はサイクロン上流部31aに比較して増える。これにより、サイクロン上流部31aよりも強い遠心分離作用をサイクロン下流部31b内の塵に付与できるため、気流に含まれている塵を、サイクロン下流部31bの内周面に確実に寄せて気流から分離できる。こうして分離されてサイクロン下流部31bの内周面に沿って旋回する塵は、サイクロン下流部31bの塵出口47に到達した時点で、この塵出口47を落ち込むように通って塵受け部48に排出される。
【0032】
サイクロン下流部31bで塵が分離された気流は、サイクロン上流部31aでの気流の進行方向に沿って気流出口35を通って流出し、サイクロン下流部31bと電動送風機11との間に配置されているフィルターボックス23を経て電動送風機11に吸込まれる。この際、吸込み気流中に含まれている微細で極めて軽い塵などは、フィルターボックス23内のフィルター26により捕捉される。
【0033】
以上のように前記電気掃除機1は、掃除機本体2に搭載したサイクロン分離装置12で、旋回しつつ流れる含塵気流の進行方向に気流を流出させながら、この気流中に含まれている塵を遠心分離するとともに、分離された塵を塵溜め部48に移して溜めるので、既述のように圧力損失が少なく、それに応じて電動送風機11の吸込み仕事率を高めることができる。このため、吸塵性能を向上することが可能である。これに伴い高速の含塵気流を得て塵の分離性能を向上できるに伴い、分離されずにフィルター26で捕捉される塵の量が少なくなる。このため、このフィルター26のメンテナンス間隔を長くすることが可能であるとともに、フィルター26の目詰まりの程度をフィルターボックス23内の圧力の変化により検出することに基づき、ごみ詰まり表示を点灯又は点滅させる構成を採用している場合には、塵溜め部48内の塵が規定量に達する前に前記ごみ詰まりがなされることを抑制できる。
【0034】
更に、旋回翼41の背面中央部に凸部45を設けたので以下の点で優れている。つまり、旋回翼41による気流の旋回気流の旋回数は少ないにも拘らず、ある程度の長さをもった紐状の軽い塵、例えばひらひらした細長い紙ごみや、髪の毛、毛糸等は、サイクロン上流部31aの内周面に達するように遠心力で寄せられる。この紐状の軽い塵は、サイクロン上流部31aの内周面に沿ってサイクロン下流部31bの内周面に沿うように送られる。この場合、サイクロン下流部31b内では気流出口35内の負圧がもっとも大きいので、紐状をなす軽い塵の下流側に指向する端部が、サイクロン下流部31bの内周面に既に沿っている状態で、この塵の上流側の端部が旋回翼41から抜け出た瞬間に、この上流側の端部が気流出口35内に引き込まれようとすることがある。
【0035】
このような現象が起きても、前記上流側の端部は、凸部45の周部に当たって、それ以上サイクロン下流部31bの径方向中央部側に引き込まれることを防止されて、前記紐状をなす軽い塵全体を前記塵寄せ領域A内に保持できる。これにより、前記紐状をなす軽い塵が、旋回翼41を出た直後にその位置で滞留したり、気流出口35に吸込まれたりすることを抑制しつつ、サイクロン下流部31bの内周面に沿って旋回するように円滑に移動させることが可能となる。したがって、軽くひらひらした紙ごみ等紐状をなす軽い塵を確実に塵出口47に到達させて塵受け部48に排出させることができるので、前記紐状をなす軽い塵がフィルター26に吸付けられて、電動送風機11の吸込み性能を劣化させることを抑制し易い。
【0036】
図3及び図4に示す本発明の第2実施形態を説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成について説明する。
【0037】
第2実施形態では、旋回翼に代えて旋回流形成手段として捩りダクト51を用いている。捩りダクト51は気流出口35と略同径の円形パイプを捩って形成したもので、その一端開口51aを気流入口33に接続するとともに、他端開口51bをサイクロン上流部31aの内周面に斜めに対向させて、サイクロン上流部31aに内蔵されている。ここに、捩りダクト51の他端開口がサイクロン上流部31aの内周面に斜めに対向するとは、前記他端開口がサイクロン上流部31aの半径方向に沿ってこの上流部31aの内周面に直角に対向しないだけではなく、前記他端開口がサイクロン下流部31bに向いた姿勢となっていることを意味する。この捩りダクト51の風路断面積は各部略同じである方が望ましく、又、捩りダクト51の捩り角度は例えば略90度であるが、分離筒体31の軸方向長さ範囲内で許される限り多く捩るとよい。
【0038】
以上説明した構成以外は第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態でも、捩りダクト51によって分離筒体31内を流れる含塵気流を旋回させるので、旋回しつつ流れる含塵気流の進行方向に気流を流出させながら、この気流中に含まれている塵を遠心分離し、分離された塵を塵溜め部48に移して溜めることができる。これにより、圧力損失が少なくなって電動送風機11の吸込み仕事率を高めることができるので、吸塵性能の向上が可能である。しかも、捩りダクト51で含塵気流を旋回させるので、旋回翼に比較してより圧力損失を少なくできる点で優れている。
【0039】
本発明は、キャニスタ型以外の電気掃除機、例えば、ステック型、ハンディ型、アップライト型の電気掃除機にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、圧力損失を抑制して吸塵性能を向上できる電気掃除機を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気掃除機を一部切欠して示す側面図。
【図2】(A)は図1の電気掃除機が備えるサイクロン分離装置を示す断面図。
(B)は図2(A)のサイクロン分離装置を一部切欠して示す斜視図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電気掃除機を一部切欠して示す側面図。
【図4】(A)は図3の電気掃除機が備えるサイクロン分離装置を示す断面図。
(B)は図4(A)のサイクロン分離装置を一部切欠して示す斜視図。
【符号の説明】
1…電気掃除機
2…掃除機本体
7…吸塵口
11…電動送風機
12…サイクロン分離装置
26…フィルター
31…分離筒体
31a…サイクロン上流部
31b…サイクロン下流部
33…気流入口
35…気流出口
41…螺旋翼
45…凸部
47…塵出口
48…塵溜め部
51…捩りダクト
Claims (3)
- 吸塵口を有する掃除機本体に取付けられた電動送風機の上流側にサイクロン分離装置を配置し、
このサイクロン分離装置が、
軸方向一端部に前記吸塵口と連通する筒状の気流入口を有し、前記電動送風機側に配置される軸方向他端部に、この他端部の径方向中央部に位置する気流出口及び前記他端部の周壁に設けられた塵出口を有した分離筒体と、
360度以上捩られていて、前記気流出口の上流側で前記分離筒体に内蔵され前記気流入口を通って導入された含塵空気を前記分離筒体内で旋回させる螺旋翼と、
前記分離筒体の回りに設けられ前記塵出口を通った塵を溜める塵溜め部と、
を具備している電気掃除機。 - 前記気流出口が前記螺旋翼に向けて突出する筒状をなしており、前記気流出口の外径と同等以上の大きさの凸部が、前記螺旋翼の背面中央部に前記気流出口の先端と対向して設けられている請求項1に記載の電気掃除機。
- 吸塵口を有する掃除機本体に取付けられた電動送風機の上流側にサイクロン分離装置を配置し、
このサイクロン分離装置が、
軸方向一端部に前記吸塵口と連通する筒状の気流入口を有し、前記電動送風機側に配置される軸方向他端部に、この他端部の径方向中央部に位置する気流出口及び前記他端部の周壁に設けられた塵出口を有した分離筒体と、
一端を前記気流入口に接続するとともに他端の開口を前記分離筒体の内周面に斜めに対向させて前記分離筒体に内蔵され、前記気流入口を通って導入された含塵空気を前記分離筒体内で旋回させる捩りダクトと、
前記分離筒体の回りに設けられ前記塵出口を通った塵を溜める塵溜め部と、
を具備している電気掃除機。
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