JP2004129398A - 電動パワーステアリング装置の電動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の電動モータは、ハーネス引出口が例えば右ハンドル用の1だけであることから左ハンドル用に適用した場合にモータハーネスの取り回しが複雑になると共に、長尺になり振動によるストレスを受けやすい。
【解決手段】内周面に複数の永久磁石が固定されたモータハウジング15と、該モータハウジングの内部に回転自在に設けられたモータ軸と、モータ軸の外周に固定されて、外周面が前記永久磁石と対向配置されたアーマチュアコイルと、アーマチュアコイルにハーネス43,44を介して電流を供給するブラシとを備えている。前記モータハウジングの端部下部のほぼ対称位置に、前記ハーネスを引き出すハーネス引出口51,52を2つ形成し、車室内でのステアリングホイールの左右の配設位置に応じて、前記いずれか一方のハーネス引出口を開口するようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】内周面に複数の永久磁石が固定されたモータハウジング15と、該モータハウジングの内部に回転自在に設けられたモータ軸と、モータ軸の外周に固定されて、外周面が前記永久磁石と対向配置されたアーマチュアコイルと、アーマチュアコイルにハーネス43,44を介して電流を供給するブラシとを備えている。前記モータハウジングの端部下部のほぼ対称位置に、前記ハーネスを引き出すハーネス引出口51,52を2つ形成し、車室内でのステアリングホイールの左右の配設位置に応じて、前記いずれか一方のハーネス引出口を開口するようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータの改良、特にモータハウジングなどの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータとしては仕様や大きさなどに応じて様々な構造のものが提供されており、その1つとして以下の特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すると、この電動モータは、ブラシタイプのDCモータであって、円筒状のヨークとして機能するモータハウジングの内部に、モータ軸やアーマチュアコイルなどの各構成部品が収容されていると共に、モータハウジングの端部には前記アーマチュアコイルに電流を供給するハーネスのコネクタを接続する1つのハーネス引出口がほぼ重力方向と反対の上向きに形成されている。
【0004】
そして、前記バッテリの駆動電流がハーネスからブラシ及びコミュテータを介してアーマチュアコイルに供給されて励磁されることにより、モータハウジング内周面に設けられたN、S極の永久磁石の磁力を介して前記モータ軸が回転し、この回転力によってウォーム歯車(減速機構)を介して出力軸側に操舵アシスト力を伝達するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−334615号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動パワーステアリング装置の電動モータにあっては、前記コネクタ接続口が1つだけであることから、例えばステアリングホイールが左側に配置された、いわゆる左ハンドル仕様の車両の電動パワーステアリング装置に適用した場合には、右ハンドル仕様の場合とは逆に、ステアリングシャフトの右側に配置されることになるから、ハーネスの取り回しが複雑になってしまうばかりか、該ハーネス自体が比較的長くなってしまう。
【0007】
この結果、レイアウトの自由度が制約されるばかりか、電動パワーステアリング装置の組付作業が煩雑になり、該作業能率の低下を招くと共に、長尺なハーネスが車両の振動に影響されてストレスを発生するおそれがある。
【0008】
本発明は、前記従来の電動パワーステアリング装置の電動モータの技術的課題に鑑みて案出したもので、左右いずれかに配置されたステアリングホイールに対応可能としつつハーネスの取り回しを単純化できる電動モータを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、とりわけ、モータハウジングの端部下部のほぼ対称位置に、ハーネスを引き出すハーネス引出口を2つ形成し、車室内でのステアリングホイールの左右の配設位置に応じて、前記いずれか一方のハーネス引出口を開口することを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、ステアリングホイールが例えば国内仕様のように、いわゆる右ハンドルの場合には、前記モータハウジングのハーネス引出口をステアリングシャフトの左側に効率良く配置して、一方のハーネス引出口を用いてハーネスを引き出すことにより、ハーネスの長さを最短にすることができ、該ハーネスの取り回しを単純化することが可能になる。一方、ステアリングホイールが例えば外国仕様のように、いわゆる左ハンドルの場合には、同じモータハウジングを用いて、今度はハーネス引出口をステアリングシャフトの右側に効率良く配置して、他方のハーネス引出口を用いてコネクタを接続する。これによって、ハーネスの長さを同じく最短にすることができ、該ハーネスの取り回しを単純化することが可能になる。
【0011】
したがって、本発明では、1つのモータハウジングを共用化できることから、別個に製造する場合に比較して、製造作業能率の向上が図れると共に、ハーネスの短尺化によって車両の振動からの影響が受けにくくなり、ハーネスのストレスの発生を防止することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記一方側のハーネス引出口を基準として、他方側のハーネス引出口にコネクタを接続した場合には、前記ハーネスの+電極と−電極が反対となるように配線して前記モータ軸の回転方向を一方側のハーネス引出口にコネクタを取り付け場合と反対となるように設定したことを特徴としている。
【0013】
この発明は、請求項1に記載した発明を前提として、前記構成を採用したことにより、モータハウジングをステアリングホイールの左右の配設位置に応じて左右に配置した場合に、モータ軸の回転方向が互いに逆回転させることができる。したがって、モータハウジング内の永久磁石の配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明にあっては、前記永久磁石は、前記モータハウジングの内周面の円周方向に沿ってN極とS極を交互に配置すると共に、前記同一の極をモータハウジングの直径方向線上に対向配置したことを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、請求項2の発明と同様に、モータ軸の回転方向を右ハンドル側と左ハンドル側では互いに反対方向に回転させることができる。
【0016】
したがって、モータハウジング内の永久磁石の配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動パワーステアリング装置の電動モータの実施形態を図面に基づいて説明するが、この実施形態では、ステアリングホイールの配設位置が車両前方方向に向かって右側にある場合(右ハンドル)と、左側にある場合(左ハンドル)とを図面上で分けて説明する。
【0018】
図1は電動モータMの縦断面図、図2は電動モータである電動モータMが適用された電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSの縦断面、図3及び図4は右ハンドルに適用した電動モータMの配置とその永久磁石の配置状態を示し、図5及び図6は左ハンドルに適用した場合の電動モータMの配置と永久磁石の配置状態を示している。
【0019】
すなわち、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出するトルクセンサTSからの信号に基づいて、図外のコントロールユニットに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動によるステアリングホイールの操舵力のアシスト制御が行われる。
【0020】
前記トルクセンサTSは、図2に示すように構成され、図中1はハウジング、2は入力軸、3は出力軸、4はトーションバー、5は被包囲部材、6はトルク検出側包囲部材、7は温度補償側包囲部材、8はトルク検出用コイル、9は温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0021】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、減速ギヤGが主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。また、前記中央ハウジング120の端部には、図5に示すようにほぼ円筒状のモータハウジング15が設けられている。
【0022】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部121aを挿入すると共に、フランジ部121bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0023】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0024】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0025】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aにスプライン結合されている。
【0026】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールが連結されていて、このステアリングホイールの操舵力が、入力軸2とトーションバー4および出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪に伝達されるようになっている。
【0027】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。
【0028】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0029】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0030】
前記スペーサ10は、非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるものである。
【0031】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部を中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部の内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部が形成されている。そして、前記小径円筒部が前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部を当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0032】
そして、前記小径円筒部の外周面には、スペーサ10の軸方向突部が係合する切欠部が形成されている。なお、この切欠部に軸方向突部が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11aとが周方向において一致するようになっている。
【0033】
前記固定フランジ部と上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0034】
前記トルク検出側包囲部材6は、導通性のある非磁性金属材であるアルミ合金材によって一体に形成され、内周側円筒部60を、該包囲部材6より線膨張係数の低い鉄系金属材によって形成された前記入力軸2の外周にかしめることにより、入力軸2に対して組み付け固定がなされている。
【0035】
すなわち、入力軸2は、下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に図外の周方向溝が形成されていると共に、最大外径部2cの軸方向に複数の図外の軸方向溝がそれぞれ形成されている。前記周方向溝は、最大外径部2cの長手方向のほぼ中央位置に一条形成されている一方、前記軸方向溝は、最大外径部2cの円周方向の120度の角度位置に3つ形成されている。また、この3つの軸方向溝は、その深さが周方向溝よりも深く設定されており、両溝の交差部位に凹部2dが形成されている。
【0036】
一方、トルク検出側包囲部材6は、ほぼ円盤状を呈し、その内周側に円筒部60を有しており、該内周側円筒部60が前記入力軸2の最大外径部2cの外周面に被嵌状態で嵌合していると共に、ポンチ等のかしめ具で前記両溝の交差部位に対応する位置、つまり凹部2dとその回りの周方向溝の一部内に打ち込むことによって、凹部2fに食い込み状態で嵌合固定することにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定されている。
【0037】
そして、前記電動モータMは、前述のように、右ハンドル仕様のものに適用されたもので、図1に示すように、ブラシタイプのDCモータである。すなわち、前記モータハウジング15は、前端部のフランジ部15a及びフロントブラケット23を介して2本のボルト21によって前記中央ハウジング120に固定されていると共に、円筒状のヨーク22と、該ヨーク22の一端開口に取り付けられたフロントブラケット23などによって構成され、ヨーク22の内周には、図4に示すように、円周方向に沿って複数の永久磁石24a〜24dが固定されていると共に、中央軸方向にはモータ軸25がヨーク22の他端部22aとフロントブラケット23の中心部分に設けられたベアリング26、27によって回転自在に支持されている。
【0038】
前記各永久磁石24a〜24dは、図4に示すように、ヨーク22の内周面に円周方向に沿ってそれぞれN極とS極が交互に4つ配置されて、各2つのN極とS極がヨーク22の直径方向線上に対向した位置に配置、つまり2つのN極の磁石24a、24cを直径方向で対向配置すると共に、その間に配置された2つのS極の磁石24b、24dを直径方向で対向配置している。
【0039】
前記モータ軸25は、永久磁石24の内周側に対向した位置に該モータ軸25に回転力を発生させるアーマチュアコイル28がロータ29を介して固定されていると共に、前記フロントブラケット23から前方へ突出した先端部25aにウォームシャフト14が同軸上に連結されている。このウォームシャフト14は、先端部が図外のベアリングによって回転自在に支持されていると共に、図2に示すように、外周に形成されたウォーム歯14aが前記前記ウォームホイール13の歯部13aに噛み合っている。
【0040】
また、前記アーマチュアコイル28には、モータ軸25と一体に回転すると共に、同時にアーマチュアコイル28に通電するコミュテータ40が接続されている。このコミュテータ40に対する通電は、モータハウジング15に固定されたブラシホルダ41によって保持されてコミュテータ40と電気的な接触を保持する4つのブラシ42a〜42dとコミュテータ方向に付勢力を与える図外のブラシスプリングとによって行われる。前記各ブラシ42a〜42dは、図4に示すように円周方向の90度位置に+電極と−電極となるように各永久磁石24a〜24d間に交互に配置されている。
【0041】
さらに、モータハウジング15の前端部には、図1及び図3に示すように、2本のモータハーネス43、44の先端部を導入し、前記各ブラシ42a〜42dに接続する右ハンドル用と左ハンドル用の2つの第1、第2ハーネス引出口51,52が設けられている。具体的に説明すれば、前記両ハーネス引出口51,52は、3つのビス30によって結合された前記ヨークフランジ部15aとフロントブラケット23との間に設けられ、モータハウジング15の前端部の下部に、前記1つのビス30を中心とした左右対称位置に傾斜状に形成されていると共に、モータハウジング15が中央ハウジング120に取り付けられた状態では使用側の第1ハーネス引出口51が前方下方向へ傾斜状に配置されるようになっている。また、各ハーネス引出口51,52の内部には、グロメット50が配置され、前記モータハーネス43、44がそれぞれ貫通している。
【0042】
なお、図3中、前記下側の一方のモータハーネス43を+電極とし、上側の他方のモータハーネス44を−電極にそれぞれ設定してある。
【0043】
さらに、前記第1ハーネス引出口51は、前記1つのS極側の永久磁石24b側に配置されて、一方のモータハーネス43の端部が永久磁石24a側に、他方のモータハーネス44の端部が永久磁石24b側にそれぞれ接続されている。
【0044】
一方、この電動モータMを、図5に示すように、右ハンドル仕様に適用した場合は、モータハウジング15が中央ハウジング120に取り付けられた状態では使用側の第2ハーネス引出口52がステアリングシャフト(入力軸2)の右側に位置されていると共に、前方下方向へ傾斜状に配置されるようになっている。
【0045】
また、前記永久磁石24a〜24dは、図6に示すように、N極とS極の配置構成を全く変更することなく、2つのN極の磁石24a、24cが直径方向で対向配置されていると共に、その間に配置された2つのS極の磁石24b、24dも直径方向で対向配置されている。
【0046】
そして、前記第2ハーネス引出口52は、前記1つのN極側の永久磁石24a側に配置され、また、図5及び図6に示すように、前記グロメット50より延長された上側のモータハーネス43が+電極になっていると共に、下側のモータハーネス44が−電極に設定されている。
【0047】
したがって、この実施形態によれば、ステアリングホイールが前述のように右ハンドルの場合と左ハンドルの場合のいずれの場合においても、同じモータハウジング15を用いて各ハーネス引出口51,52をステアリングホイールの左側あるいは右側に効率良く配置して、いずれか一方側のハーネス引出口からハーネスを引き出すようにしたため、図4及び図5に示すように、各モータハーネス43,44の長さを最短にすることができ、該モータハーネス43,44の取り回しを単純化することが可能になる。
【0048】
このように、右ハンドルの場合と左ハンドルの場合でも、1つのモータハウジング15を共用化できることから、別個に製造する場合に比較して、製造作業能率の向上が図れると共に、各モータハーネス43,44の短尺化によって車両の振動からの影響が受けにくくなり、モータハーネス43,44のストレスの発生を防止することが可能になる。
【0049】
また、右ハンドル側のハーネス引出口51を基準として、左ハンドル側のハーネス引出口52にハーネスを引き出した場合には、前記モータハーネス43,44の+電極と−電極が反対となるように配線して前記モータ軸25の回転方向を一方側のハーネス引出口51からハーネスを引き出した場合と反対となるように設定したため、モータハウジング15をステアリングホイールの左右の配設位置に応じて左右に配置した場合に、モータ軸25の回転方向を互いに逆回転させることができる。したがって、モータハウジング15内の永久磁石24a〜24dの配置を変更することなく、ステアリングホイールの手動による操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0050】
また、前記永久磁石24a〜24dは、前記モータハウジング15の内周面の円周方向に沿ってN極とS極を交互に配置すると共に、前記同一の極をモータハウジング15の直径方向線上に対向配置したため、モータ軸25の回転方向を右ハンドル側と左ハンドル側では互いに反対方向に回転させることができる。
【0051】
したがって、モータハウジング15内の永久磁石24a〜24dの配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0052】
本発明は、前記実施形態の構造に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態ではモータハーネスをグロメット内部に貫通させて、ブラシに直接接続したが、ハーネス引出口をコネクタ接続する構造とし、前記コネクタの端子からブラシへと接続する構造としてもよい。
【0053】
また、前記実施形態におけるブラシは、コミュテータ40の円周方向の90°位置に半径方向に対向して+電極と−電極を各2個ずつ配置したが、各電極1個の配置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電動モータの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態の電動モータが適用される電動パワーステアリング装置の一部を示す縦断面図である。
【図3】本実施形態に電動モータが右ハンドル仕様の電動パワーステアリング装置に適用された状態を示す側面図である。
【図4】同右ハンドルに適用された電動モータの概略を示す横断面図である。
【図5】本実施形態に電動モータが左ハンドル仕様の電動パワーステアリング装置に適用された状態を示す側面図である。
【図6】同左ハンドルに適用された電動モータの概略を示す横断面図である。
【符号の説明】
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸
3…出力軸
8…トルク検出用コイル
9…温度補償用コイル
15…モータハウジング
24a〜24d…永久磁石
25…モータ軸
28…アーマチュアコイル
42a〜42d…ブラシ
43・44…モータハーネス
50…グロメット
51…右ハンドル用ハーネス引出口
52…左ハンドル用ハーネス引出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータの改良、特にモータハウジングなどの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータとしては仕様や大きさなどに応じて様々な構造のものが提供されており、その1つとして以下の特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すると、この電動モータは、ブラシタイプのDCモータであって、円筒状のヨークとして機能するモータハウジングの内部に、モータ軸やアーマチュアコイルなどの各構成部品が収容されていると共に、モータハウジングの端部には前記アーマチュアコイルに電流を供給するハーネスのコネクタを接続する1つのハーネス引出口がほぼ重力方向と反対の上向きに形成されている。
【0004】
そして、前記バッテリの駆動電流がハーネスからブラシ及びコミュテータを介してアーマチュアコイルに供給されて励磁されることにより、モータハウジング内周面に設けられたN、S極の永久磁石の磁力を介して前記モータ軸が回転し、この回転力によってウォーム歯車(減速機構)を介して出力軸側に操舵アシスト力を伝達するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−334615号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動パワーステアリング装置の電動モータにあっては、前記コネクタ接続口が1つだけであることから、例えばステアリングホイールが左側に配置された、いわゆる左ハンドル仕様の車両の電動パワーステアリング装置に適用した場合には、右ハンドル仕様の場合とは逆に、ステアリングシャフトの右側に配置されることになるから、ハーネスの取り回しが複雑になってしまうばかりか、該ハーネス自体が比較的長くなってしまう。
【0007】
この結果、レイアウトの自由度が制約されるばかりか、電動パワーステアリング装置の組付作業が煩雑になり、該作業能率の低下を招くと共に、長尺なハーネスが車両の振動に影響されてストレスを発生するおそれがある。
【0008】
本発明は、前記従来の電動パワーステアリング装置の電動モータの技術的課題に鑑みて案出したもので、左右いずれかに配置されたステアリングホイールに対応可能としつつハーネスの取り回しを単純化できる電動モータを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、とりわけ、モータハウジングの端部下部のほぼ対称位置に、ハーネスを引き出すハーネス引出口を2つ形成し、車室内でのステアリングホイールの左右の配設位置に応じて、前記いずれか一方のハーネス引出口を開口することを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、ステアリングホイールが例えば国内仕様のように、いわゆる右ハンドルの場合には、前記モータハウジングのハーネス引出口をステアリングシャフトの左側に効率良く配置して、一方のハーネス引出口を用いてハーネスを引き出すことにより、ハーネスの長さを最短にすることができ、該ハーネスの取り回しを単純化することが可能になる。一方、ステアリングホイールが例えば外国仕様のように、いわゆる左ハンドルの場合には、同じモータハウジングを用いて、今度はハーネス引出口をステアリングシャフトの右側に効率良く配置して、他方のハーネス引出口を用いてコネクタを接続する。これによって、ハーネスの長さを同じく最短にすることができ、該ハーネスの取り回しを単純化することが可能になる。
【0011】
したがって、本発明では、1つのモータハウジングを共用化できることから、別個に製造する場合に比較して、製造作業能率の向上が図れると共に、ハーネスの短尺化によって車両の振動からの影響が受けにくくなり、ハーネスのストレスの発生を防止することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記一方側のハーネス引出口を基準として、他方側のハーネス引出口にコネクタを接続した場合には、前記ハーネスの+電極と−電極が反対となるように配線して前記モータ軸の回転方向を一方側のハーネス引出口にコネクタを取り付け場合と反対となるように設定したことを特徴としている。
【0013】
この発明は、請求項1に記載した発明を前提として、前記構成を採用したことにより、モータハウジングをステアリングホイールの左右の配設位置に応じて左右に配置した場合に、モータ軸の回転方向が互いに逆回転させることができる。したがって、モータハウジング内の永久磁石の配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明にあっては、前記永久磁石は、前記モータハウジングの内周面の円周方向に沿ってN極とS極を交互に配置すると共に、前記同一の極をモータハウジングの直径方向線上に対向配置したことを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、請求項2の発明と同様に、モータ軸の回転方向を右ハンドル側と左ハンドル側では互いに反対方向に回転させることができる。
【0016】
したがって、モータハウジング内の永久磁石の配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動パワーステアリング装置の電動モータの実施形態を図面に基づいて説明するが、この実施形態では、ステアリングホイールの配設位置が車両前方方向に向かって右側にある場合(右ハンドル)と、左側にある場合(左ハンドル)とを図面上で分けて説明する。
【0018】
図1は電動モータMの縦断面図、図2は電動モータである電動モータMが適用された電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSの縦断面、図3及び図4は右ハンドルに適用した電動モータMの配置とその永久磁石の配置状態を示し、図5及び図6は左ハンドルに適用した場合の電動モータMの配置と永久磁石の配置状態を示している。
【0019】
すなわち、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出するトルクセンサTSからの信号に基づいて、図外のコントロールユニットに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動によるステアリングホイールの操舵力のアシスト制御が行われる。
【0020】
前記トルクセンサTSは、図2に示すように構成され、図中1はハウジング、2は入力軸、3は出力軸、4はトーションバー、5は被包囲部材、6はトルク検出側包囲部材、7は温度補償側包囲部材、8はトルク検出用コイル、9は温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0021】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、減速ギヤGが主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。また、前記中央ハウジング120の端部には、図5に示すようにほぼ円筒状のモータハウジング15が設けられている。
【0022】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部121aを挿入すると共に、フランジ部121bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0023】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0024】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0025】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aにスプライン結合されている。
【0026】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールが連結されていて、このステアリングホイールの操舵力が、入力軸2とトーションバー4および出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪に伝達されるようになっている。
【0027】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。
【0028】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0029】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0030】
前記スペーサ10は、非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるものである。
【0031】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部を中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部の内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部が形成されている。そして、前記小径円筒部が前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部を当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0032】
そして、前記小径円筒部の外周面には、スペーサ10の軸方向突部が係合する切欠部が形成されている。なお、この切欠部に軸方向突部が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11aとが周方向において一致するようになっている。
【0033】
前記固定フランジ部と上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0034】
前記トルク検出側包囲部材6は、導通性のある非磁性金属材であるアルミ合金材によって一体に形成され、内周側円筒部60を、該包囲部材6より線膨張係数の低い鉄系金属材によって形成された前記入力軸2の外周にかしめることにより、入力軸2に対して組み付け固定がなされている。
【0035】
すなわち、入力軸2は、下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に図外の周方向溝が形成されていると共に、最大外径部2cの軸方向に複数の図外の軸方向溝がそれぞれ形成されている。前記周方向溝は、最大外径部2cの長手方向のほぼ中央位置に一条形成されている一方、前記軸方向溝は、最大外径部2cの円周方向の120度の角度位置に3つ形成されている。また、この3つの軸方向溝は、その深さが周方向溝よりも深く設定されており、両溝の交差部位に凹部2dが形成されている。
【0036】
一方、トルク検出側包囲部材6は、ほぼ円盤状を呈し、その内周側に円筒部60を有しており、該内周側円筒部60が前記入力軸2の最大外径部2cの外周面に被嵌状態で嵌合していると共に、ポンチ等のかしめ具で前記両溝の交差部位に対応する位置、つまり凹部2dとその回りの周方向溝の一部内に打ち込むことによって、凹部2fに食い込み状態で嵌合固定することにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定されている。
【0037】
そして、前記電動モータMは、前述のように、右ハンドル仕様のものに適用されたもので、図1に示すように、ブラシタイプのDCモータである。すなわち、前記モータハウジング15は、前端部のフランジ部15a及びフロントブラケット23を介して2本のボルト21によって前記中央ハウジング120に固定されていると共に、円筒状のヨーク22と、該ヨーク22の一端開口に取り付けられたフロントブラケット23などによって構成され、ヨーク22の内周には、図4に示すように、円周方向に沿って複数の永久磁石24a〜24dが固定されていると共に、中央軸方向にはモータ軸25がヨーク22の他端部22aとフロントブラケット23の中心部分に設けられたベアリング26、27によって回転自在に支持されている。
【0038】
前記各永久磁石24a〜24dは、図4に示すように、ヨーク22の内周面に円周方向に沿ってそれぞれN極とS極が交互に4つ配置されて、各2つのN極とS極がヨーク22の直径方向線上に対向した位置に配置、つまり2つのN極の磁石24a、24cを直径方向で対向配置すると共に、その間に配置された2つのS極の磁石24b、24dを直径方向で対向配置している。
【0039】
前記モータ軸25は、永久磁石24の内周側に対向した位置に該モータ軸25に回転力を発生させるアーマチュアコイル28がロータ29を介して固定されていると共に、前記フロントブラケット23から前方へ突出した先端部25aにウォームシャフト14が同軸上に連結されている。このウォームシャフト14は、先端部が図外のベアリングによって回転自在に支持されていると共に、図2に示すように、外周に形成されたウォーム歯14aが前記前記ウォームホイール13の歯部13aに噛み合っている。
【0040】
また、前記アーマチュアコイル28には、モータ軸25と一体に回転すると共に、同時にアーマチュアコイル28に通電するコミュテータ40が接続されている。このコミュテータ40に対する通電は、モータハウジング15に固定されたブラシホルダ41によって保持されてコミュテータ40と電気的な接触を保持する4つのブラシ42a〜42dとコミュテータ方向に付勢力を与える図外のブラシスプリングとによって行われる。前記各ブラシ42a〜42dは、図4に示すように円周方向の90度位置に+電極と−電極となるように各永久磁石24a〜24d間に交互に配置されている。
【0041】
さらに、モータハウジング15の前端部には、図1及び図3に示すように、2本のモータハーネス43、44の先端部を導入し、前記各ブラシ42a〜42dに接続する右ハンドル用と左ハンドル用の2つの第1、第2ハーネス引出口51,52が設けられている。具体的に説明すれば、前記両ハーネス引出口51,52は、3つのビス30によって結合された前記ヨークフランジ部15aとフロントブラケット23との間に設けられ、モータハウジング15の前端部の下部に、前記1つのビス30を中心とした左右対称位置に傾斜状に形成されていると共に、モータハウジング15が中央ハウジング120に取り付けられた状態では使用側の第1ハーネス引出口51が前方下方向へ傾斜状に配置されるようになっている。また、各ハーネス引出口51,52の内部には、グロメット50が配置され、前記モータハーネス43、44がそれぞれ貫通している。
【0042】
なお、図3中、前記下側の一方のモータハーネス43を+電極とし、上側の他方のモータハーネス44を−電極にそれぞれ設定してある。
【0043】
さらに、前記第1ハーネス引出口51は、前記1つのS極側の永久磁石24b側に配置されて、一方のモータハーネス43の端部が永久磁石24a側に、他方のモータハーネス44の端部が永久磁石24b側にそれぞれ接続されている。
【0044】
一方、この電動モータMを、図5に示すように、右ハンドル仕様に適用した場合は、モータハウジング15が中央ハウジング120に取り付けられた状態では使用側の第2ハーネス引出口52がステアリングシャフト(入力軸2)の右側に位置されていると共に、前方下方向へ傾斜状に配置されるようになっている。
【0045】
また、前記永久磁石24a〜24dは、図6に示すように、N極とS極の配置構成を全く変更することなく、2つのN極の磁石24a、24cが直径方向で対向配置されていると共に、その間に配置された2つのS極の磁石24b、24dも直径方向で対向配置されている。
【0046】
そして、前記第2ハーネス引出口52は、前記1つのN極側の永久磁石24a側に配置され、また、図5及び図6に示すように、前記グロメット50より延長された上側のモータハーネス43が+電極になっていると共に、下側のモータハーネス44が−電極に設定されている。
【0047】
したがって、この実施形態によれば、ステアリングホイールが前述のように右ハンドルの場合と左ハンドルの場合のいずれの場合においても、同じモータハウジング15を用いて各ハーネス引出口51,52をステアリングホイールの左側あるいは右側に効率良く配置して、いずれか一方側のハーネス引出口からハーネスを引き出すようにしたため、図4及び図5に示すように、各モータハーネス43,44の長さを最短にすることができ、該モータハーネス43,44の取り回しを単純化することが可能になる。
【0048】
このように、右ハンドルの場合と左ハンドルの場合でも、1つのモータハウジング15を共用化できることから、別個に製造する場合に比較して、製造作業能率の向上が図れると共に、各モータハーネス43,44の短尺化によって車両の振動からの影響が受けにくくなり、モータハーネス43,44のストレスの発生を防止することが可能になる。
【0049】
また、右ハンドル側のハーネス引出口51を基準として、左ハンドル側のハーネス引出口52にハーネスを引き出した場合には、前記モータハーネス43,44の+電極と−電極が反対となるように配線して前記モータ軸25の回転方向を一方側のハーネス引出口51からハーネスを引き出した場合と反対となるように設定したため、モータハウジング15をステアリングホイールの左右の配設位置に応じて左右に配置した場合に、モータ軸25の回転方向を互いに逆回転させることができる。したがって、モータハウジング15内の永久磁石24a〜24dの配置を変更することなく、ステアリングホイールの手動による操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0050】
また、前記永久磁石24a〜24dは、前記モータハウジング15の内周面の円周方向に沿ってN極とS極を交互に配置すると共に、前記同一の極をモータハウジング15の直径方向線上に対向配置したため、モータ軸25の回転方向を右ハンドル側と左ハンドル側では互いに反対方向に回転させることができる。
【0051】
したがって、モータハウジング15内の永久磁石24a〜24dの配置を変更することなく、ステアリングホイールの操作方向と整合したアシストトルクを得ることができる。
【0052】
本発明は、前記実施形態の構造に限定されるものではなく、例えば、前記実施形態ではモータハーネスをグロメット内部に貫通させて、ブラシに直接接続したが、ハーネス引出口をコネクタ接続する構造とし、前記コネクタの端子からブラシへと接続する構造としてもよい。
【0053】
また、前記実施形態におけるブラシは、コミュテータ40の円周方向の90°位置に半径方向に対向して+電極と−電極を各2個ずつ配置したが、各電極1個の配置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電動モータの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態の電動モータが適用される電動パワーステアリング装置の一部を示す縦断面図である。
【図3】本実施形態に電動モータが右ハンドル仕様の電動パワーステアリング装置に適用された状態を示す側面図である。
【図4】同右ハンドルに適用された電動モータの概略を示す横断面図である。
【図5】本実施形態に電動モータが左ハンドル仕様の電動パワーステアリング装置に適用された状態を示す側面図である。
【図6】同左ハンドルに適用された電動モータの概略を示す横断面図である。
【符号の説明】
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸
3…出力軸
8…トルク検出用コイル
9…温度補償用コイル
15…モータハウジング
24a〜24d…永久磁石
25…モータ軸
28…アーマチュアコイル
42a〜42d…ブラシ
43・44…モータハーネス
50…グロメット
51…右ハンドル用ハーネス引出口
52…左ハンドル用ハーネス引出口
Claims (3)
- 内周面に複数の永久磁石が固定されたモータハウジングと、
該モータハウジングの内部に回転自在に設けられたモータ軸と、
該モータ軸の外周に固定されて、外周面が前記永久磁石と対向配置されたアーマチュアコイルと、
前記アーマチュアコイルにハーネスを介して電流を供給するブラシとを備えた電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、
前記モータハウジングの端部下部のほぼ対称位置に、前記ハーネスを引き出すハーネス引出口を2つ形成し、車室内でのステアリングホイールの左右の配設位置に応じて、前記いずれか一方のハーネス引出口を開口することを特徴とする電動パワーステアリング装置の電動モータ。 - 前記一方側のハーネス引出口を基準として、他方側のハーネス引出口にコネクタを接続した場合には、前記ハーネスの+電極と−電極が反対となるように配線して前記モータ軸の回転方向を一方側のハーネス引出口にコネクタを取り付け場合と反対となるように設定したことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の電動モータ。
- 前記永久磁石は、前記モータハウジングの内周面の円周方向に沿ってN極とS極を交互に配置すると共に、前記同一の極をモータハウジングの直径方向線上に対向配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の電動モータ。
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- 2002-10-03 JP JP2002290691A patent/JP2004129398A/ja active Pending
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