JP2014039378A - ワイパモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転速度の切替えをモータの出力効率の低下を抑制しつつ簡易な構成で実現する。
【解決手段】ワイパモータ10では、第1ブラシ100,102は第1ワイヤ128によって電気的に接続されており、第2ブラシ104,106は第2ワイヤ130によって電気的に接続されている。そして、モータ本体12の回転速度が回路基板44によってPWM制御される。これにより、ワイパモータ10がPWM制御によって制御される際には、常に一対の第1ブラシ100,102と一対の第2ブラシ104,106とが使用されるため、ワイパモータ10の駆動時に使用されないブラシをなくすことができる。このため、誘起電圧(逆起電圧)によって発生するモータの出力効率の低下を抑制できる。さらに、均圧線が必要ないため、アーマチャコイルにおける巻線工程や接続工程が複雑化されることが抑制され、アーマチャを簡易な構成にすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイパモータに関する。
下記特許文献1には、自動車用ワイパ装置に用いられる所謂4極のワイパモータが開示されている。このワイパモータは、ワイパを高速で作動させる高速モード及びワイパを低速で作動させる低速モードに対応させるために、高速用ブラシ、低速用ブラシ、及び低速と高速とに共通して使用される共通ブラシを有している。しかも、界磁磁極が2極から4極となることでブラシの個数が3個から6個に倍増してしまうが、これを防止するために、電機子(アーマチャ)の対向する等電位となるべきコイル間の整流子片同士を均圧線によって結線してブラシの個数増加を防止するようにしている。
特開2006−353019号公報 特表平10−503640号公報
ところが、このワイパモータではブラシ数の増加を防止できるものの、電機子(アーマチャ)に均圧線を用いているため、電機子(アーマチャ)のロータ巻線に加えて均圧線をも複数の整流子片に接続しながら電機子に取廻さなければならず、巻線工程や接続工程が複雑となってしまう。さらに、このワイパモータでは、ワイパの動作速度、すなわちワイパモータの回転速度を切替えるために、高速用ブラシ又は低速用ブラシへの給電を切替えている。このため、例えば低速用ブラシと共通ブラシとが対で給電されて低速モードで作動されている際には、高速用ブラシも整流子に摺接されているため、高速用ブラシを介して隣接する整流子片同士が短絡される状態と短絡されない状態とが交互に発生する。このように、電流が供給されるブラシを切替えて、ワイパモータの回転速度を切替える構造にすると、誘起電圧(逆起電圧)の発生によってモータの出力効率が低下するという問題がある(上記特許文献2参照)。
本発明は、上記事実を考慮し、回転速度の切替えをモータの出力効率の低下を抑制しつつ簡易な構成で実現できるワイパモータを提供することを目的とする。
請求項1に記載されたワイパモータは、筒状に形成されたハウジングの内周面に固定されかつ極性が前記ハウジングの周方向に交互に異なる4極の永久磁石で構成された界磁部と、ワイパ装置のアームと直接または間接的に駆動連結されると共に前記ハウジングに回転自在に支持され、回転速度がPWM制御によって駆動制御される回転軸と、前記回転軸に固定されるとともに前記回転軸の周方向に互いに絶縁された状態で配置された複数の整流子片を有する整流子と、前記回転軸の軸線回りに等角度間隔で形成された複数のスロットを有するアーマチャコアと、前記アーマチャコアの所定スロット毎に跨って重ね巻きにて巻装された導線が前記整流子片に順次電気的に結線された巻線と、を含んで構成されたアーマチャと、前記界磁部の一方の磁極を構成する前記永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて前記整流子に摺接する一対の第1ブラシと、前記界磁部の他方の磁極を構成する前記永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて前記整流子に摺接する一対の第2ブラシと、絶縁材料で構成されると共に、前記第1ブラシ及び前記第2ブラシを前記回転軸の軸心へ向けて移動可能に保持するブラシホルダが固定されたベースプレートと、前記ベースプレートに配設され、対となる前記第1ブラシ同士を接続する第1接続部材と、前記ベースプレートに配設され、対となる前記第2ブラシ同士を接続する第2接続部材と、を備えている。
請求項1に記載のワイパモータによれば、ハウジングの内周面に固定された4極の永久磁石によって界磁部が構成されており、界磁部では、永久磁石の極性がハウジングの周方向に交互に異なるように各永久磁石が配置されている。
また、ワイパモータは、アーマチャを備えており、アーマチャは、ハウジングに回転自在に支持された回転軸と、回転軸に固定され複数の整流子片を有する整流子と、複数のスロットを有するアーマチャコアと、アーマチャコアの所定スロット毎に跨って重巻きされた導線で構成された巻線と、を含んで構成されている。
ここで、一対の第1ブラシは、界磁部の一方の磁極を構成する永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて、整流子に摺接されている。また、一対の第2ブラシは、界磁部の他方の磁極を構成する永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて、整流子に摺接されている。さらに、対となる第1ブラシ同士が第1接続部材によって接続されており、対となる第2ブラシ同士が第2接続部材によって接続されている。そして、PWM制御によって回転速度が制御される回転軸に駆動連結されたワイパ装置のアームが作動する。
これにより、ワイパモータの回転軸の回転速度がPWM制御によって制御される際には、常に一対の第1ブラシと一対の第2ブラシとが使用される。このため、ワイパモータの駆動時に使用されないブラシをなくすことができる。すなわち、従来技術のような給電されるブラシを切替える構造を用いることなく、ワイパモータの回転速度を切替えることができる。このため、使用されていないブラシ(所謂休眠ブラシ)を介して生じる誘起電圧(逆起電圧)がモータの出力効率を低下させてしまうことを防止できる。
しかも、従来技術のような構造で界磁磁極が4極でアーマチャの巻線を重ね巻きとした場合には、ブラシの個数が倍増すると共に、使用されないブラシ数も増えるため、誘起電圧(逆起電圧)を発生させる巻線(コイル)も増える。したがって、モータの出力効率の低下が顕著になる。これに対して本発明では、上述したように、給電されるブラシを切替える構造を用いていないため、界磁磁極が4極でアーマチャの巻線を重ね巻きとした場合でも、休眠ブラシを介して生じる誘起電圧(逆起電圧)がモータの出力効率を低下させてしまうことを防止できる。
さらに、上述したように、対となる第1ブラシ同士が第1接続部材によって接続されており、対となる第2ブラシ同士が第2接続部材によって接続されている。これにより、従来技術で使用されている均圧線が必要ない。したがって、巻線の巻線工程や接続工程が複雑化されることが抑制され、アーマチャを簡易な構成にすることができる。
さらに、従来技術のように仮に均圧線を用いてブラシ数を削減すると、1つのブラシから巻線に電流が供給される。これに対して、本発明は、2つのブラシから巻線に電流が供給される。このため、本発明では、巻線に電流を供給する際のブラシの単位面積あたりの電流(電流密度)を従来技術に比べて小さくできる。これにより、第1ブラシ及び第2ブラシの磨耗を抑制できる。換言すると、第1ブラシ及び第2ブラシにおける整流子との接触面積を小さくできる。したがって、第1ブラシ及び第2ブラシを小型化でき、ベースプレートにおける第1ブラシ及び第2ブラシの設置スペースをも小さくできる。
請求項2に記載のワイパモータは、請求項1に記載のワイパモータにおいて、一対の前記第1ブラシは機械角で180度対向して配置されると共に、一対の前記第2ブラシは前記第1ブラシに対して前記ハウジングの周方向に機械角で90度ずれて配置され、一対の前記第1ブラシ及び一対の前記第2ブラシの各々は、同一形状に形成されている。
請求項2に記載のワイパモータによれば、第1ブラシ及び第2ブラシの各々がハウジングの周方向に機械角で90度毎に交互に配置される。すなわち、一対の第1ブラシ及び一対の第2ブラシが回転軸の軸線を中心にして互いに対向して配置される。このため、一対の第1ブラシ及び一対の第2ブラシが回転軸を押圧することによって回転軸に作用する押圧力が相殺される。したがって、回転軸に偏った力が作用することを抑制できる。
請求項3に記載のワイパモータは、請求項1又は請求項2に記載のワイパモータにおいて、前記ベースプレートは、前記第1接続部材と前記第2接続部材とを電気的に絶縁させた状態で保持する保持部を有しており、前記第2接続部材の一部が、前記ベースプレートの板厚方向から見て前記第1接続部材の一部と交差されている。
請求項3に記載のワイパモータによれば、ベースプレートは保持部を有しており、第1接続部材と第2接続部材とが、電気的に絶縁された状態で保持部に保持されている。しかも、ベースプレートの板厚方向から見て第2接続部材の一部が第1接続部材の一部と交差されている。
これにより、ベースプレートにおける第1接続部材及び第2接続部材を取り廻すためのベースプレートの径方向のスペースを小さくできる。すなわち、仮に第1接続部材と第2接続部材とを交差させないように配置させた場合には、これら各接続部材を、互いに干渉しないようにベースプレートの径方向に離間させつつ迂回して取り廻す必要がある。このため、ベースプレートの径方向のスペースが必要になる。これに対して、第2接続部材の一部を第1接続部材の一部とベースプレート内において立体的に交差させることで、これら各接続部材を離間させつつ迂回配置させることができ、第1接続部材と第2接続部材との間の電気的絶縁状態を維持できる。したがって、上記の場合に比して、ベースプレートの径方向におけるスペースを小さくできる。
請求項4に記載のワイパモータは、請求項3に記載のワイパモータにおいて、前記保持部は、前記第1接続部材を収容する第1溝部と、前記第2接続部材を収容する第2溝部と、前記ベースプレートの板厚方向から見て前記第1溝部と前記第2溝部とが交差する交差部と、を含んで構成され、前記交差部において前記第1溝部と前記第2溝部とが前記ベースプレートの板厚方向に離間されている。
請求項4に記載のワイパモータによれば、ベースプレートに第1溝部及び第2溝部が形成されており、第1溝部内に第1接続部材が収容されると共に、第2溝部内に第2接続部材が収容されている。これにより、第1接続部材及び第2接続部材がベースプレート内に電気絶縁状態で収容されるため、これら各接続部材のベースプレートからの突出が抑制される。したがって、ベースプレート上の空間を広く確保でき、電気部品のベースプレート上への配置自由度を大きくできる。
さらに、第1溝部と第2溝部とが交差部においてベースプレートの板厚方向に離間されているため、第2接続部材の一部を第1接続部材の一部と交差部において立体的に交差させることができる。これにより、第1接続部材と第2接続部材との間の電気絶縁状態を簡易な構成で維持できる。
請求項5に記載のワイパモータは、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のワイパモータにおいて、一対の前記第1ブラシ及び一対の前記第2ブラシの少なくとも一方の整流子側の端部には段差部が形成されて、前記ベースプレートの板厚方向から見て当該段差部が形成されたブラシにおける整流子側の幅寸法が整流子とは反対側の幅寸法よりも狭く設定されている。
請求項5に記載のワイパモータによれば、一対の第1ブラシ及び一対の第2ブラシの少なくとも一方の整流子側の端部には、段差部が形成されている。そして、ベースプレートの板厚方向から見て、当該段差部が形成されたブラシにおける整流子側の幅寸法が、整流子とは反対側の幅寸法よりも狭く設定されている。このため、ブラシにおける整流子側の幅寸法を極力狭く設定することで、ブラシが、隣接する整流子片同士に跨って短絡する時間を短くできる。これにより、一時的に導線に駆動電流が流れずに無効となる無効時間を短くすることができる。
請求項6記載のワイパモータは、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のワイパモータにおいて、前記ワイパ装置のアームが反転する位置において、一対の前記第1ブラシと一対の前記第2ブラシとに供給される電流の極性が切替えられて前記回転軸が正回転及び逆回転される。
請求項6記載のワイパモータによれば、一対の第1ブラシと一対の第2ブラシとに供給される電流の極性が切替えられて、回転軸が正回転及び逆回転される。このため、回転軸が正回転及び逆回転されるいずれの場合においても(回転軸の回転方向が切替る場合においても)、常に一対の第1ブラシと一対の第2ブラシが使用される。これにより、この場合においても、誘起電圧(逆起電圧)によって発生するモータの出力効率の低下を抑制できる。
さらに、このような構成にすることで、ワイパモータを安価にできる。すなわち、仮に従来技術のように給電されるブラシを切替えるワイパモータでは、高速用ブラシを低速用ブラシに対して回転方向にずらして配置させる必要がある。このため、このワイパモータを正回転及び逆回転させる場合には、低速用ブラシに対して回転方向の両方向側にそれぞれ高速用ブラシを配置して、回転方向が切替る度に回転方向側にずれた高速用ブラシに電流を供給するように制御する必要がある。これにより、駆動回路が複雑で高価なものとなる。これに対して本発明では、単に第1ブラシ及び第2ブラシの極性を切替えることで、ワイパモータが正逆回転されるため、駆動回路の複雑化を抑制できる。これにより、ワイパモータを安価にできる。
請求項7に記載のワイパモータは、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のワイパモータにおいて、前記回転軸の回転をPWM制御によって駆動制御する駆動回路を含む回路基板を有し、前記ハウジングには、前記回転軸の回転を減速して前記アームに伝達させる減速機構を有する減速部が固定され、前記減速部は、前記減速機構を収容する減速機構収容部と、前記回路基板が収容される回路収容部と、を含んで構成されている。
請求項7に記載のワイパモータによれば、ワイパモータのハウジングに減速部が固定されて、減速部内に回路基板と減速機構とが収容されている。また、ハウジング内に収容された回転軸やアーマチャ等で構成されたモータ本体と回路基板とを一体的に構成できる。これにより、モータ本体と回路基板との電気的接続を効果的に行うことができる。すなわち、例えば、モータ本体と回路基板との間を接続すると共に比較的大きな電流が流れる給電線の長さを短くできる。
本発明の実施の形態に係るワイパモータに用いられるブラシホルダ装置を示す正面図である。 図1に示されるブラシホルダ装置の斜視図である。 図1に示されるブラシホルダ装置を図1の3−3線位置で破断した斜視図である。 (A)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の4A−4A線位置で破断した斜視図であり、(B)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の4B−4B線位置で破断した斜視図である。 (A)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の5A−5A線位置で破断した斜視図であり、(B)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の5B−5B線位置で破断した斜視図である。 (A)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の6A−6A線位置で破断した斜視図であり、(B)は、図1に示されるブラシホルダ装置を図1の6B−6B線位置で破断した斜視図である。 図1に示されるブラシホルダ装置の要部を示す断面図(図2の7−7線断面図)である。 図1に示されるブラシホルダ装置が適用されたワイパモータの平面図である。 図8に示されるモータを一部破断した断面図(図8の9−9線断面図)である。 図9に示されるモータハウジングの内側を示す正面図である。 図9に示されるアーマチャコイルの巻線形態を説明するための概略図である。 図8に示されるワイパモータが適用されたワイパ装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係るワイパモータ10について説明して、次いでワイパモータ10に用いられるブラシホルダ装置30について説明する。さらにその後に、ワイパモータ10が適用されたワイパ装置140について説明する。
(ワイパモータ10について)
図8には、ワイパモータ10が平面図にて示されており、図9には、ワイパモータ10が一部破断した断面図にて示されている。これらの図に示されるように、ワイパモータ10は、モータ本体12と減速部32とを含んで構成されている。
モータ本体12は、略有底円筒状の「ハウジング」としてのモータハウジング14を備えている。図10に示されるように、このモータハウジング14の内側には、界磁部15が設けられており、界磁部15は2対の永久磁石16によって構成されている。この2対の永久磁石16は、モータハウジング14の内周面に固定されており、永久磁石16はモータハウジング14の周方向に沿って交互に磁極が異なるように等間隔(90°毎)に配置(対向する1対の永久磁石同士が同磁極であって、隣接する1対の永久磁石同士とは異なる磁極となるよう配置)されている。すなわち、モータ本体12は、4極のモータとして構成されている。さらに、モータハウジング14の軸方向から見て各永久磁石16の中心点が永久磁石16の磁束分布の磁気的中心点17を成している。
図9に示されるように、モータハウジング14内には、永久磁石16の内側において、アーマチャ18が収容されており、アーマチャ18は、回転軸20と、アーマチャコア24と、アーマチャコイル26と、整流子28と、を含んで構成されている。回転軸20は、略丸棒状に形成されて、モータハウジング14と同軸上に配置されている。そして、回転軸20の軸方向一端部(図9の矢印A方向側端部)が、略円筒状の軸受22を介してモータハウジング14の底部に回転自在に支持されている。回転軸20の軸方向他端部(図9の矢印B方向側端部)は、後述するギヤハウジング34内に配置されると共に、ギヤハウジング34に回転自在に支持されている。また、回転軸20の軸方向他端側の部分には、減速機構37の一部を構成するウォーム部20Aが一体に形成されており、ウォーム部20Aの外周にウォームギヤ(図示省略)が形成されている。
アーマチャコア24は、回転軸20に固定されると共に、モータハウジング14内に配置されている。このアーマチャコア24は、複数のティースを有する板状の鉄心板を複数枚積層して形成されている。このアーマチャコア24は等角度間隔で複数のスロット(本例の場合18スロット)を有し、このアーマチャコア24の所定スロット毎に順次導線が重巻にて施されて「巻線」としてのアーマチャコイル26が形成される。
さらに、アーマチャコア24の軸受22とは反対側(図9の矢印B方向側)の回転軸20には、外周面に同心状に配置された複数の整流子片29(本例ではスロット数と同じ18個)を有する整流子28が圧入によって固定されている。整流子28の各整流子片29は、隣接する整流子片29同士が電気絶縁されて固定されており、アーマチャコイル26の所定スロット毎に巻回された対応する導線が、順次各整流子片29に電気的に接続されている。
具体的には、図11に示されるように、例えば、15番の整流子片29に接続された導線が、4番ティースと5番ティースとの間のスロットと、8番ティースと9番ティースとの間のスロットと、の間に巻き回されて、16番の整流子片29に接続されている。なお、アーマチャ18には等電位となる整流子片29同士を接続する均圧線は施されていない。
図9に示されるように、モータハウジング14の開口部には、後述するギヤハウジング34に一体に形成されたホルダ収容部36が固定されている。ホルダ収容部36は、回転軸20の軸方向一方側(図9の矢印A方向側)が開放された略有底円筒状を成して、モータハウジング14の開口部を閉塞している。また、ホルダ収容部36の底壁には、挿通孔36Aが形成されており、挿通孔36A内に回転軸20が挿通されている。そして、ホルダ収容部36内には、略環状を成したブラシホルダ装置30が収容支持されている。ブラシホルダ装置30は、整流子28に対して回転軸20の径方向外側に配置されており、ブラシホルダ装置30の一対の第1ブラシ100,102(図1参照)及び一対の第2ブラシ104,106(図1参照)が、後述するトーションスプリング82の付勢力によってそれぞれ整流子28に摺接可能に当接されている。
一方、減速部32は、アルミニウム(又はアルミニウム合金)で製作された「減速機構収容部」としてのギヤハウジング34を備えている。ギヤハウジング34は、一部開口された略直方体箱状に形成されて、モータハウジング14よりも回転軸20の軸方向他方側(図9の矢印B方向側)に配置されている。このギヤハウジング34内には、前述した回転軸20のウォーム部20Aが配置されている。また、ギヤハウジング34内には、ウォーム部の側方において、減速機構37を構成する略円盤状のウォームホイール38(図8参照)が収容されており、ウォームホイール38は、モータ本体12の回転軸20に対して直交する方向(図9の矢印C方向)を軸方向にして、ギヤハウジング34に回転可能に支持されている。そして、ウォームホイール38の外周部が回転軸20のウォーム部20Aと噛合されている。このウォームホイール38の軸心部には、略円柱状の出力軸40が設けられており、出力軸40はウォームホイール38からウォームホイール38の軸方向一方側(図8の矢印C方向側)へ突出されて、後述するワイパ装置140のピボット軸144にリンク機構150を介して駆動連結されている。
また、ウォームホイール38には、センサマグネット(図示省略)が取付けられており、このセンサマグネットの磁極変化を磁気抵抗素子(図示省略)によって検出することで、ウォームホイール38の回転位置が検出されるようになっている。
さらに、ギヤハウジング34の開口側には、絶縁性を有する樹脂材料で製作された「回路収容部」としてのカバープレート42が設けられている。カバープレート42は、ギヤハウジング34側へ開口された略直方体箱状に形成されて、ギヤハウジング34の開口部を閉塞している。このカバープレート42内には、制御部を構成する回路基板44が収容されている。この回路基板44は、モータ本体12の回転を駆動制御する駆動回路(図示省略)を含んで構成されると共に、モータ本体12、具体的には一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106に接続された各モータ端子としての第1及び第2ターミナル64,66(図1参照)、及び外部コネクタが接続されるコネクタ46(図8参照)に、電気的に接続されている。また、回路基板44は、モータ本体12をPWM制御(パルス幅変調制御)によって回転速度制御するためのPWM制御回路(図示省略)を備えている。さらに、回路基板44には、前述したセンサマグネットの磁極変化を検出するための磁気抵抗素子(図示省略)が設けられている。
そして、回路基板44には、上記外部コネクタからコネクタ46を介してモータ本体12の駆動電流及びセンサ信号や指令信号等の電気信号が供給され、その電気信号に応じたモータ本体12の駆動制御が回路基板44の駆動回路及びPWM制御回路で行われる。すなわち、磁気抵抗素子からの検出信号に基づいて、後述するワイパ装置140のワイパブレード148の下反転位置及び上反転位置を検出して、モータ本体12の回転速度や回転方向の駆動制御が行われると共に、モータ本体12の起動・停止制御などの駆動制御が行われるようになっている。
(ブラシホルダ装置30について)
図1には、ブラシホルダ装置30が回転軸20の軸方向一方側(図9の矢印A方向側)から見た正面図にて示されており、図2には、ブラシホルダ装置30が斜視図にて示されている。
これらの図に示されるように、ブラシホルダ装置30は、ベースプレート50と、4個のブラシホルダ88と、一対の第1ブラシ100,102と、一対の第2ブラシ104,106と、第1接続部材としての第1ワイヤ128(図1参照)と、第2接続部材としての第2ワイヤ130(図1参照)と、を含んで構成されている。また、図1及び図3に示されるように、ベースプレート50には、保持部120が形成されており、保持部120内に第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130が保持されている。なお、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130は、可撓性及びある程度の剛性(形状安定性)を有する線状のリードワイヤにて構成されている。以下、それぞれの構成について説明する。
ベースプレート50は、絶縁材料(樹脂)により製作されている。図1に示されるように、このベースプレート50は、軸心に貫通孔54を有する略円環板状のベース部52を有している。ベース部52は回転軸20と同軸上に配置されて、貫通孔54内に前述した整流子28(図9参照)が配置されている。
ベース部52の外周部には、後述するゴムブッシュ84,86を組付けるための一対の組付溝56,58(広義には、「組付部」として把握される要素である)が形成されており(図1参照)、組付溝56,58は、ベース部52の板厚方向一方側(図2の矢印A方向側)から見てベース部52の径方向外側へ開放された略逆C字形状に形成されている。
この組付溝56,58内には、それぞれ略円筒状のゴムブッシュ84,86が取付けられており、ゴムブッシュ84,86は、ベース部52の板厚方向を軸方向にして配置されている。このゴムブッシュ84,86の外周部には、軸方向両端部において、それぞれ一対のフランジ部84A,86Aが一体に形成されており、フランジ部84A,86Aは、略円環状に形成されて、ゴムブッシュ84,86の径方向外側へ突出されている。そして、ベース部52がフランジ部84A,86Aに狭持されており、これにより、ゴムブッシュ84,86がベース部52にフローティング支持状態で組付けられている。また、ゴムブッシュ84,86内にはネジ(図示省略)が挿入されており、当該ネジによってベース部52(ブラシホルダ装置30)がギヤハウジング34のホルダ収容部36に収容固定されている。これにより、ブラシホルダ装置30が第2ハウジングとしてのギヤハウジング34に固定されている。
ベース部52には、貫通孔54に対して組付溝56,58とは反対側の位置において、モータ本体12の電気ノイズを抑制するための一対のチョークコイル(図示省略)を収容する一対のコイル収容部60A,60Bが形成されている。また、図2に示されるように、ベース部52には、このコイル収容部60A,60Bの位置において、一対のターミナル取付部62が一体に形成されており、ターミナル取付部62は、ベース部52からベース部52の板厚方向他方側(図2の矢印B方向)へ突出されている。このターミナル取付部62には、それぞれモータ本体12のモータ端子としての第1ターミナル64及び第2ターミナル66が組付けられており、第1ターミナル64及び第2ターミナル66は、それぞれ回路基板44に電気的に接続されている。
また、ベース部52には、コイル収容部60Aの側方において、第1接続金具68が設けられており、第1接続金具68はチョークコイルを介して第1ターミナル64と電気的に接続されている。さらに、ベース部52には、コイル収容部60Bの側方において、第2接続金具70が設けられており、第2接続金具70はチョークコイルを介して第2ターミナル66と電気的に接続されている。
また、ベース部52には、後述するトーションスプリング82を支持するための支持軸72が後述する各ブラシホルダ88に近接して4箇所形成されている。支持軸72は、略円柱状に形成されて、ベース部52からベース部52の板厚方向一方側へ突出されている。
また、ベース部52の外周部には、各支持軸72に対してベース部52の径方向外側の位置において、係止片74がそれぞれ形成されている。係止片74は、略板状に形成されて、ベース部52からベース部52の板厚方向一方側へ突出されると共に、ベース部52の板厚方向から見て、支持軸72の外周に沿って湾曲されている。この係止片74の先端部には、突起部74Aが一体に形成されており、突起部74Aは係止片74からベース部52の周方向一方側(図1及び図2の矢印E方向)へ突出されている。
さらに、図3に示されるように、ベース部52の内周部には、各支持軸72に対してベース部52の径方向内側の位置において、ガイド柱76がそれぞれ形成されている。ガイド柱76は、断面略五角形状に形成されてベース部52からベース部52の板厚方向一方側(ブラシ配置側)へ突出されている。
図7に示されるように、ガイド柱76は対向面76Aを有している。対向面76Aは、ベース部52の周方向に対して直交する方向に沿って配置されると共に、後述するブラシホルダ88の第1側壁88Aと平行にかつ対向して配置されている。また、ガイド柱76は傾斜面76Bを有している。傾斜面76Bは、対向面76Aの回転軸20の径方向外側に配置されると共に、回転軸20の径方向外側へ向かうに従い第1側壁88Aから離間される方向へ傾斜して配置されている。
そして、図2に示されるように、ベース部52の各支持軸72には、トーションスプリング82がそれぞれ支持されている。各トーションスプリング82の一端部は、係止片74の突起部74Aとベース部52との間に配置されて係止片74に係止されており、各トーションスプリング82の他端部は、後述する第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106に係止されている。
ブラシホルダ88は、導電性を有する板金により製作されて、側壁が一部開放された略矩形筒状に形成されている。このブラシホルダ88は、長手方向をベース部52の径方向にしてベース部52の一側面(図2の矢印A方向側の面)上に配置されている。また、ブラシホルダ88は、支持軸72に対してベース部52の周方向一方側(図1において矢印E方向側)に配置されると共に、ベース部52の周方向に等角度間隔(90°毎)に配置されている。さらに、各ブラシホルダ88は、ベース部52の板厚方向から見て、それぞれに保持される各ブラシ100〜106の幅方向中心線が永久磁石16の磁気的中心点17(図10参照)上に配置されている。
図3に示すように、ブラシホルダ88の底壁には、その長手方向両端部において、一対の固定爪90(広義には、「被固定部」として把握される要素である)が一体に形成されている。この固定爪90は、ブラシホルダ88の底壁からベース部52側へ延びると共に、ベース部52の他側面(図2の矢印B方向側の面)において互いに対向する方向へ屈曲されている。そして、ベース部52が一対の固定爪90に狭持されており、これにより、ブラシホルダ88がベース部52に固定されている。
ブラシホルダ88の側壁88A(ベース部52の周方向一方側に配置された側壁)には、略中央部において、非干渉孔92(図2の紙面右側に配置されたブラシホルダ88参照)が貫通形成されている。この非干渉孔92は、ブラシホルダ88の長手方向(回転軸20の径方向)に沿って長孔状に形成されている。また、ブラシホルダ88の側壁88B(側壁88Aと対向する側壁)には、非干渉溝94が形成されている。この非干渉溝94は、ブラシホルダ88の長手方向(回転軸20の径方向)に沿って形成されると共に、ブラシホルダ88の長手方向一方側(ベース部52の径方向外側)へ開放されている。さらに、ブラシホルダ88の上壁(ブラシホルダ88の底壁と対向する壁)には、挿通溝96が形成されている。この挿通溝96は、ブラシホルダ88の長手方向(回転軸20の径方向)に沿って形成されると共に、ブラシホルダ88の長手方向一方側へ開放されている。
さらに、ブラシホルダ88の貫通孔54側の開口部には、切欠部98が形成されている。切欠部98は、ブラシホルダ88の底壁における幅方向中間部から側壁88Bの高さ方向(ベース部52の板厚方向)中間部へ亘って延びると共に、貫通孔54側へ開放されている。そして、切欠部98内にガイド柱76が配置されている。
図1及び図2に示されるように、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106は、略直方体状に形成されて、ブラシホルダ88内に収容されており、対となる第1ブラシ100,102同士及び対となる第2ブラシ104,106同士が、ベース部52の径方向に互いに対向して(機械角度で180度の位置に)配置されている。また、一対の第1ブラシ100,102は、ベース部52の板厚方向一方側から見て界磁部15における一方の磁極を構成する永久磁石16の磁気的中心点17上にそれぞれ配置されており、一対の第2ブラシ104,106は、界磁部15における他方の磁極を構成する永久磁石の磁気的中心点17上にそれぞれ配置されている。さらに、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106は、ブラシホルダ88の長手方向にスライド可能にブラシホルダ88内に挿入されている。
次に、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の形状について説明する。ここで、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106は、それぞれ同形状に構成されているため、図7に示される第2ブラシ104について説明して、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ106の説明については省略する。
第2ブラシ104におけるブラシホルダ88の第1側壁88Aと対向する側面は、第1側壁88Aと平行に配置されている。一方、第2ブラシ104におけるブラシホルダ88の第2側壁88Bと対向する側面には、段差部104Aが形成されている。段差部104Aは、整流子28との接触側端部から回転軸20の径方向に所定長さに亘って形成されている。つまり、ベース部52の板厚方向から見て、第2ブラシ104の長手方向他端部(ベース部52の径方向内側端部)の幅寸法が、第2ブラシ104の長手方向一端部(ベース部52の径方向外側端部)の幅寸法に比して小さく設定されている。しかも、第2ブラシ104の段差部104A(整流子28との周方向における摺接幅寸法)は、整流子片29の周方向幅寸法よりも小さい幅寸法に設定されている。さらに、第2ブラシ104の長手方向一端部(ベース部52の径方向外側端部)の幅寸法は、第1側壁88Aとガイド柱76の対向面76Aとの間の寸法に比して、僅かに小さく設定されている。また、本実施形態では段差部104Aの長手方向断面の断面積は一様に形成されている。
そして、図1に示されるように、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の長手方向一端部には、前述したトーションスプリング82の他端部が係止されており、トーションスプリング82によって第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106がベース部52の径方向内側へ付勢されている。これにより、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の長手方向他端部が、ブラシホルダ88からベース部52の貫通孔54側へ突出されて、前述した整流子28と当接されている。さらに、この状態では、トーションスプリング82の他端部がブラシホルダ88の非干渉溝94内及び非干渉孔92内に配置されて、両者の干渉が抑制されるように構成されている。なお、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106が、整流子28(回転軸20)を押圧する力は、同一に設定されている。
また、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の長手方向一端部には、それぞれ導電性及び可撓性を有する丸棒状の撚り線からなるピッグテール108の一端部が埋設されている。各ピッグテール108は、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106からベース部52の板厚方向一方側へ延びて、ブラシホルダ88の挿通溝96内を移動可能に挿通されている。また、ピッグテール108は、長手方向中間部において湾曲されて、ベース部52の板厚方向他方側へ折り返されている。
そして、第1ブラシ100に設けられたピッグテール108の他端部は、後述する第1ワイヤ128及びチョークコイル(図示省略)と第1接続金具68で共にカシメられて結合されている。また、第1ブラシ102に設けられたピッグテール108の他端部は、後述する第1ワイヤ128と第3接続金具110で共にカシメられて結合されている。
また、第2ブラシ104に設けられたピッグテール108の他端部は、後述する第2ワイヤ130及びチョークコイル(図示省略)と第2接続金具70で共にカシメられて結合されている。さらに、第2ブラシ106に設けられたピッグテール108の他端部は、後述する第2ワイヤ130と第4接続金具112で共にカシメられて結合されている。
次に、保持部120、第1ワイヤ128、及び第2ワイヤ130について説明する。図1及び図3に示されるように、保持部120は、第1溝部122と、第2溝部124と、を含んで構成されている。この第1溝部122及び第2溝部124は、ベース部52に形成されると共に、ベース部52の板厚方向一方側(ブラシホルダ88の配置側)へ開放されている。そして、第1溝部122の溝幅は、後述する第1ワイヤ128の線径に比して僅かに大きく設定されており、第2溝部124の溝幅は、後述する第2ワイヤ130の線径に比して僅かに大きく設定されている。
図1に示されるように、第1溝部122は、ベース部52の板厚方向一方側から見て、コイル収容部60Aの側方からベース部52の周方向一方側(図1の矢印E方向側)へ延びて、第1ブラシ102用のブラシホルダ88とゴムブッシュ86との間まで延設されている。具体的には、第1溝部122の基端部が、コイル収容部60Aの側方に配置されており、第1溝部122は、この基端部から第2ブラシ106用のブラシホルダ88へ向けて延びると共に、当該ブラシホルダ88の長手方向中間位置で当該ブラシホルダ88の下側(ベース部52の板厚方向他方側)を通過している。そして、第2ブラシ106用のブラシホルダ88の下側を通過した第1溝部122は、第1ブラシ102用のブラシホルダ88へ向けてさらに延びて、組付溝56と貫通孔54との間を通過すると共に、第1ブラシ102用のブラシホルダ88の長手方向中間位置で当該ブラシホルダ88の下側を通過して、当該ブラシホルダ88とゴムブッシュ86との間まで延びている。
そして、この第1溝部122内に第1ワイヤ128が収容されている。この第1ワイヤ128は、導電性及び可撓性を有する略丸棒状の線材を屈曲して形成されて、第1溝部122の延設方向に沿って延びている。これにより、第1ワイヤ128の一部は、第2ブラシ106用のブラシホルダ88の下側(該ブラシホルダ88とベース部52との間)に配置されており、第1ワイヤ128の他の一部は、第1ブラシ102用のブラシホルダ88の下側(当該ブラシホルダ88とベース部52との間)に配置されている。
そして、第1ワイヤ128の長手方向一端部は、ベース部52の板厚方向一方側へ屈曲されて、第1ブラシ102に設けられたピッグテール108と第3接続金具110で共にカシメられて結合されている。一方、第1ワイヤ128の長手方向他端部は、ベース部52の板厚方向一方側へ屈曲されて、第1ブラシ100に設けられたピッグテール108及びチョークコイル(図示省略)と第1接続金具68で共にカシメられて結合されている。これにより、対となる第1ブラシ100,102が第1ワイヤ128によって電気的に接続されている。
一方、第2溝部124は、ベース部52の板厚方向一方側から見て、コイル収容部60Bの側方からベース部52の周方向他方側(図1の矢印F方向側)へ延びて、ゴムブッシュ84と第2ブラシ106用のブラシホルダ88との間まで延設されている。具体的には、第2溝部124の基端部が、コイル収容部60Bの側方に配置されており、第2溝部124は、この基端部から第2ブラシ104用のブラシホルダ88へ向けて延びて、当該ブラシホルダ88の長手方向中間位置で当該ブラシホルダ88の下側(ベース部52の板厚方向他方側)を通過している。そして、第2ブラシ104用のブラシホルダ88の下側を通過した第2溝部124は、第1ブラシ102用のブラシホルダ88へ向けてさらに延びて、組付溝58と貫通孔54との間を通過すると共に、第1ブラシ102用のブラシホルダ88の下側を第1溝部122よりもベース部52の径方向内側の位置で通過している。さらに、第1ブラシ102用のブラシホルダ88の下側を通過した第2溝部124は、第2ブラシ106用のブラシホルダ88へ向けてさらに延びて、組付溝56と貫通孔54との間で第1溝部122と交差されると共に、ゴムブッシュ84と第2ブラシ106用のブラシホルダ88との間まで延びている。
そして、この第2溝部124内に第2ワイヤ130が収容されている。この第2ワイヤ130は、導電性及び可撓性を有する略丸棒状の線材を屈曲して形成されて、第2溝部124の延設方向に沿って延びている。これにより、第2ワイヤ130の一部は、第2ブラシ104用のブラシホルダ88の下側(当該ブラシホルダ88とベース部52との間)に配置されており、第2ワイヤ130の他の一部は、第1ブラシ102用のブラシホルダ88の下側(当該ブラシホルダ88とベース部52との間)に配置されている。
そして、第2ワイヤ130の長手方向一端部は、ベース部52の板厚方向一方側へ屈曲されて、第2ブラシ104に設けられたピッグテール108及びチョークコイル(図示省略)と第2接続金具70で共にカシメられて結合されている。一方、第2ワイヤ130の長手方向他端部は、ベース部52の板厚方向一方側へ屈曲されて、第2ブラシ106に設けられたピッグテール108と第4接続金具112で共にカシメられて結合されている。これにより、対となる第2ブラシ104,106が第2ワイヤ130によって電気的に接続されている。
ここで、ベース部52の板厚方向一方側から見て、保持部120における第1溝部122と第2溝部124とが交差する部分が交差部126とされており(図4(B)参照)、この交差部126の位置で、第2ワイヤ130の一部が第1ワイヤ128の一部と交差されている。そして、この交差部126では、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130とはベース部52の板厚方向に互いに離間して配置されている。すなわち、交差部126では、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130とが、互いに接触することなく電気的に絶縁された状態で保持されている。
これについて、図4(A)〜図6(B)を用いて説明する。図4(A)には、図1における4A−4A線位置でのベース部52の断面が示されており、図4(B)〜図6(B)では、図4(A)の状態から破断位置をベース部52の周方向一方側へ徐々にずらした際のベース部52の断面が示されている。
図4(A)に示されるように、交差部126よりもベース部52の周方向他方側の位置では、第2溝部124が、第1溝部122に対してベース部52の径方向外側に配置されると共に、第1溝部122の上側(ベース部52の板厚方向一方側)に配置されている。つまり、この位置では、第2溝部124と第1溝部122とが別々の溝として独立して形成されている。さらに、第2溝部124は、ゴムブッシュ84のフランジ部84Aの下側に配置されている。すなわち、第2ワイヤ130がフランジ部84Aの下側を通過して、第2ワイヤ130の第2溝部124からの抜け出しがゴムブッシュ84よって抑制されるようになっている。
そして、図4(B)に示されるように、交差部126の位置では、第2溝部124と第1溝部122とが、ベース部52の板厚方向に連通されている。ただし、この交差部126の位置では、第2ワイヤ130が第1ワイヤ128の上側に配置されて、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130とはベース部52の板厚方向で互いに離間した電気絶縁状態で配置されている。
さらに、図5(A)に示されるように、交差部126よりもベース部52の周方向一方側の位置では、第2溝部124は、第1溝部122に対してベース部52の径方向内側に配置されると共に、第1溝部122の上側に配置されている。つまり、この位置では、第2溝部124と第1溝部122とがベース部52の板厚方向と径方向の両方向に離間した別々の溝として独立して形成されている。このように、第1溝部122及び第2溝部124は、交差部126における溝深さの異なる部位からそれぞれベース部52の周方向一方側及び他方側へ延びている。
さらに、図5(B)〜図6(B)に示されるように、第1溝部122が第1ブラシ102用のブラシホルダ88に接近するのに従って、第1溝部122の溝深さが徐々に浅くされて、当該ブラシホルダ88の下側では、第1ワイヤ128が第1溝部122と当該ブラシホルダ88の底壁とによって狭持された状態で保持されている。一方、第2溝部124が第1ブラシ102用のブラシホルダ88に接近するのに従って、第2溝部124の溝深さが徐々に深くされて、当該ブラシホルダ88の下側では、第2ワイヤ130が当該ブラシホルダ88の底壁と離間した状態にされている。つまり、ブラシホルダ88の下側を通過する第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130が、同電極とされる(より具体的には、そのブラシホルダ88で保持されたブラシのピッグテールに結線された場合には)ブラシホルダ88とは当接されてかつ異電極とされるブラシホルダ88とは離間されるように、第1溝部122及び第2溝部124の溝深さが設定されている。
したがって、第2溝部124の溝深さは、第2ブラシ104用のブラシホルダ88の下側では、第2ワイヤ130と当該ブラシホルダ88とを当接させる深さに設定されている。一方、第1溝部122の溝深さは、第2ブラシ106用のブラシホルダ88の下側では、第1ワイヤ128と当該ブラシホルダ88とを離間させる深さに設定されている。
さらに、図3に示されるように、第2溝部124は、ゴムブッシュ86のフランジ部86Aの下側に配置されている。すなわち、第2ワイヤ130がフランジ部86Aの下側を通過して、第2ワイヤ130の第2溝部124からの抜け出しがゴムブッシュ86よっても抑制されるようになっている。
また、図4(B)に示されるように、第1溝部122には、交差部126の位置において、制限部としてのフック部132が一体に形成されている。フック部132は、断面略台形状に形成されると共に、第1ワイヤ128の上側の位置において第1溝部122の一方の側壁から他方の側壁に向けて突出されている。これにより、第1ワイヤ128の上側への移動がフック部132によって制限されて、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130との接触が防止されている。なお、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130は絶縁皮膜で被覆された線材であり、結線部位においてはその皮膜を除去して電気的に接続されている。
(ワイパ装置140の全体について)
図12に示されるように、ワイパ装置140はフレーム142を備えており、フレーム142は、略長尺板状に形成されて、車両に固定されている。このフレーム142の長手方向一端部には、ワイパモータ10が固定されている。また、フレーム142の長手方向他端側の部分には、ピボット軸144がピボットホルダ(図示省略)を介して回転可能に支持されている。
ピボット軸144には、「アーム」としてのワイパアーム146の一端部が一体回転可能に連結されており、ワイパアーム146の他端部には、ワイパブレード148が連結されている。これにより、ピボット軸144が所定角度範囲で往復回転されることで、ワイパアーム146(ワイパブレード148)が、下反転位置(図12の矢印Dに示される位置)と上反転位置(図12の矢印Eに示される位置)との間で反転動作されるようになっている。
また、ワイパ装置140は、ワイパモータ10の駆動力をピボット軸144に伝達させる「連結機構」としてのリンク機構150を備えている。リンク機構150は、所謂4節リンク機構として構成されると共に、クランクアーム152と、リンクロッド154と、ピボットレバー156と、を含んで構成されている。そして、クランクアーム152の一端部がワイパモータ10の出力軸40に一体回転可能に固定されており、ピボットレバー156の一端部がピボット軸144に一体回転可能に固定されている。さらに、リンクロッド154の両端部が、それぞれボールジョイント(図示省略)によってクランクアーム152の他端部及びピボットレバー156の他端部に回転可能に取付けられている。
これにより、ワイパブレード148が、ワイパアーム146、リンク機構150を介して、ワイパモータ10の出力軸40に連結されており、出力軸40が回転されることで、ワイパモータ10の駆動力がピボット軸144へ伝達される。そして、ワイパモータ10の出力軸40を正回転及び逆回転させることで、ワイパ装置140が下反転位置と上反転位置との間で反転動作されるようになっている。
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成されたワイパモータ10では、ブラシホルダ装置30における一対の第1ブラシ100,102が、回転軸20の軸方向一方側から見て、界磁部15の一方の磁極を構成する永久磁石16の磁気的中心点17上にそれぞれ配設されており、一対の第2ブラシ104,106は、界磁部15の他方の磁極を構成する永久磁石16の磁気的中心点17上にそれぞれ配設されている。また、対となる第1ブラシ100,102は第1ワイヤ128によって電気的に接続されて、対となる第2ブラシ104,106は第2ワイヤ130によって電気的に接続されており、通電時では、対となる第1ブラシ100,102と対となる第2ブラシ104,106とは、異なる極性となる。さらに、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106は、整流子28の表面に摺接されている。
また、モータ本体12(回転軸20)には、ワイパ装置140のワイパブレード148が減速機構37、リンク機構150、及びワイパアーム146を介して連結されており、モータ本体12が駆動されると、ワイパアーム146(ワイパブレード148)が搖動される。そして、モータ本体12(回転軸20)の回転速度が回路基板44のPWM制御回路によってPWM制御されて、ワイパアーム146の動作速度が制御される。
具体的には、コネクタ46、回路基板44、及びモータ端子としての第1ターミナル64及び第2ターミナル66を介してそれぞれ第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106に駆動電流が供給されてモータ本体12が回転駆動する。そして、モータ本体12の回転駆動は、回路基板44に設けられた磁気抵抗素子の検出信号に基づいた出力軸40の回転信号や外部コネクタが接続されるコネクタ46を介して回路基板44の駆動回路に入力された車速信号などのセンサ信号や指令信号等の電気信号に応じて制御され、モータ本体12の回転速度や回転方向、起動・停止などの駆動制御が行われる。また、この出力軸40の回転信号に基づいて、ワイパアーム146(ワイパブレード148)の下反転位置及び上反転位置が検出される。そして、ワイパアーム146(ワイパブレード148)の下反転位置及び上反転位置において、対となる第1ブラシ100,102と対となる第2ブラシ104,106との極性を切換え制御して、モータ本体12の回転軸20の回転方向(即ち出力軸40の回転方向)を正回転及び逆回転させる。これにより、ワイパ装置140の反転動作がされる。
以上説明したように、回転軸20の回転速度がPWM制御によって制御される際には、常に一対の第1ブラシ100,102と一対の第2ブラシ104,106とが使用される。このため、ワイパモータ10の駆動時に使用されないブラシをなくすことができる。すなわち、従来技術のような給電されるブラシを切替える構造を用いることなく、ワイパモータ10の回転速度を切替えることができる。このため、使用されていないブラシ(所謂休眠ブラシ)を介して生じる誘起電圧(逆起電圧)がモータの出力効率を低下させてしまうことを防止できる。
しかも、従来技術において界磁磁極が4極でアーマチャの巻線を重ね巻きとした場合には、ブラシの個数が倍増して使用されないブラシ数も増えるため、誘起電圧(逆起電圧)を発生させる巻線(コイル)も増える。このため、従来技術では、モータの出力効率の低下が顕著になる。これに対して、本発明では、上述したように、給電されるブラシを切替える構造を用いていないため、界磁磁極が4極でアーマチャの巻線を重ね巻きとした場合でも、休眠ブラシを介して生じる誘起電圧(逆起電圧)がモータの出力効率を低下させてしまうことを防止できる。
さらに、上述したように、対となる第1ブラシ100,102同士が第1ワイヤ128によって接続されており、対となる第2ブラシ104,106同士が第2ワイヤ130によって接続されている。これにより、従来技術で使用されている均圧線が必要ない。したがって、アーマチャコイル26における巻線工程や接続工程が複雑化されることが抑制され、アーマチャ18を簡易な構成にすることができる。
特に、仮に均圧線を用いる場合には、均圧線は等電位となるコイル間を接続するため、アーマチャのスロット数(整流子の数)が多くなればなるほど、アーマチャの構造が複雑になる。これに対して、本発明では、上述したように、対となる第1ブラシ100,102同士が第1ワイヤ128によって接続されており、対となる第2ブラシ104,106同士が第2ワイヤ130によって接続されているため、スロット数(整流子の数)が多くなってもアーマチャの構造が複雑化されることが防止される。
さらに、従来技術のように仮に均圧線を用いてブラシ数を削減すると、1つのブラシから巻線(コイル)に(より詳しくは、1つの正極ブラシから1つの負極ブラシに)電流が供給される。これに対して、本発明は、2つのブラシからアーマチャコイル26に(より詳しくは、2つの正極ブラシから2つの負極ブラシに)電流が供給される。このため、本発明では、アーマチャコイル26に電流を供給する際におけるブラシの単位面積あたりの電流(電流密度)を従来技術に比べて小さくできる。これにより、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の磨耗を抑制できる。換言すると、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106における整流子28との接触面積を小さくできる。したがって、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106を小型化でき、ベースプレート50における第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の設置スペースも小さくできる。
また、一対の第1ブラシ100,102が機械角で180度対向して配置されており、一対の第2ブラシ104,106が第1ブラシ100,102に対してモータハウジング14の周方向に機械角で90度ずれて配置されている。そして、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の各々は、同一形状に形成されている。これにより、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106が回転軸20の軸線を中心にして互いに対向して配置される。このため、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106が回転軸20を押圧することで回転軸20に作用する押圧力が相殺される。したがって、回転軸20に偏った力が作用することを抑制できる。
さらに、ベースプレート50は保持部120を有しており、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130が、電気的に絶縁された状態で保持部120(第1溝部122と、第2溝部124)に保持されている。しかも、ベースプレート50の板厚方向から見て第2ワイヤ130の一部が第1ワイヤ128の一部と交差されている。
これにより、ベースプレート50における第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130を取り廻すためのベースプレート50の径方向のスペースを小さくできる。すなわち、仮に第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130を交差させないように配置させた場合には、これら第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130を、互いに干渉しないようにベースプレート50の径方向に離間させつつ迂回して取り廻す必要がある。このため、ベースプレート50の径方向のスペースが必要になる。これに対して、第2ワイヤ130の一部を第1ワイヤ128の一部とベースプレート50内において立体的に交差させることで、第1ワイヤ128、第2ワイヤ130を離間させつつ迂回配置させることができ、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130との間の電気的絶縁状態を維持できる。したがって、上記の場合に比して、ベースプレートの径方向におけるスペースを小さくできる。
また、ベースプレート50に第1溝部122及び第2溝部124が形成されており、第1溝部122内に第1ワイヤ128が収容されると共に、第2溝部124内に第2ワイヤ130が収容されている。これにより、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130がベースプレート50内に電気絶縁状態で収容されるため、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130のベースプレート50からの突出が抑制される。したがって、ベースプレート50上の空間を広く確保でき、電気部品のベースプレート50上への配置自由度を大きくできる。
さらに、第1溝部122と第2溝部124とが交差部126においてベースプレート50の板厚方向に離間されている。このため、第2ワイヤ130の一部を第1ワイヤ128の一部と交差部126において立体的に交差させることができる。これにより、第1ワイヤ128と第2ワイヤ130との間の電気絶縁状態を簡易な構成で維持できる。
また、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106端部には、それぞれ段差部100A〜106Aが形成されている。そして、ベースプレート50の板厚方向から見て、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106における整流子28側の幅寸法が、整流子とは反対側の幅寸法よりも狭く設定されている。これにより、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106における整流子28側の幅寸法を極力狭く設定することで、第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106が隣接する整流子片29同士に跨って短絡する時間を短くできる。これにより、一時的に導線(アーマチャコイル26)に駆動電流が流れずに無効となる無効時間を短くすることができる。
さらに、上述したように、ワイパモータ10では、一対の第1ブラシ100,102と一対の第2ブラシ104,106とに供給される電流の極性が切替えられて、回転軸20が正回転及び逆回転される。このため、回転軸20が正回転及び逆回転されるいずれの場合においても、常に一対の第1ブラシ100,102と一致の第2ブラシ104,106が使用される。これにより、上述したように、誘起電圧(逆起電圧)によって発生するモータの出力効率の低下を抑制できる。
さらに、このように構成することで、ワイパモータ10を安価にできる。すなわち、従来技術のような給電されるブラシを切替えるワイパモータでは、高速用ブラシを低速用ブラシに対して回転方向にずらして配置させる必要がある。このため、このワイパモータを正回転及び逆回転させる場合には、低速用ブラシに対して回転方向の両方向側にそれぞれ高速用ブラシを配置して、回転方向が切替る度に回転方向側にずれた高速用ブラシに電流を供給するように制御する必要がある。これにより、駆動回路が複雑で高価なものとなる。これに対して本発明では、単に第1ブラシ100,102及び第2ブラシ104,106の極性を切替えることで、ワイパモータ10が正逆回転されるため、駆動回路の複雑加を抑制できる。これにより、ワイパモータ10を安価にできる。
また、ワイパモータ10のモータハウジング14にギヤハウジング34及びカバープレート42が固定されて、カバープレート42内に回路基板44が収容されている。これにより、モータ本体12と回路基板44とを一体的に構成できるため、モータ本体12と回路基板44との電気的接続を効果的に行うことができる。すなわち、例えば、モータ本体12と回路基板44とを接続する第1ターミナル64及び第2ターミナル66の長さを短くできる。
なお、本実施の形態では、第1ワイヤ128が第1溝部122に収容されており、第2ワイヤ130が第2溝部124に収容されている。これに替えて、例えば、インサート成形によって、第1ワイヤ128及び第2ワイヤ130をベース部52内に一体に形成してもよい。
また、本実施の形態では、第1溝部122にフック部132が1箇所設けられているが、フック部132を複数設けてもよい。
さらに、本実施の形態では、交差部126において、第2ワイヤ130の下側(ベース部52の板厚方向他方側)に第1ワイヤ128が配置されている。これに替えて、交差部126において、第1ワイヤ128の下側に第2ワイヤ130を配置するように、第1溝部122及び第2溝部124を形成してもよい。この場合には、フック部132を第2溝部124内に形成することで、第2ワイヤ130におけるベース部52の板厚方向一方側への移動がフック部132によって制限できる。これにより、第2ワイヤ130と第1ワイヤ128との接触をフック部132によって効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、第2ワイヤ130と第2ブラシ104用のブラシホルダ88とが当接されており、第1ワイヤ128と第1ブラシ102用のブラシホルダ88とが当接されている。これに替えて、第2ワイヤ130と第2ブラシ104用のブラシホルダ88とを離間させると共に、第1ワイヤ128と第1ブラシ102用のブラシホルダ88とを離間させるように、第1溝部122と第2溝部124との溝深さを設定してもよい。
さらに、本実施の形態では、ベースプレート50が樹脂材料にて形成されているためブラシの直接の接触を避けて熱変形を防止する(ブラシのスムーズな移動を妨げない)ようにした好ましい構成としてブラシホルダ88を矩形筒形状に形成したが、充分な耐熱性を有する樹脂材料等にてベースプレート50が形成されていればブラシホルダ88の底壁を省略して、ブラシホルダ88を長手方向から見てベース部52側へ開放された略逆U字形状に形成してもよい。
また、本実施の形態では、ワイパモータ10がモータ本体12と減速部32とを含んで構成されている。これに替えて、ワイパモータ10から減速部32を省略して、モータハウジング14の開口部に固定されて閉塞するエンドプレートを別途設けて、このエンドプレートにブラシホルダ装置30を固定するようにしてもよい。すなわち、減速部32を備えていないワイパモータ10にブラシホルダ装置30を用いてもよい。
さらに、本実施の形態では、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106に段差部100A〜106Aがそれぞれ形成されている。これに替えて、一対の第1ブラシ100,102及び一対の第2ブラシ104,106のいずれか一方に段差部を形成してもよい。
また、本実施の形態では、ワイパモータ10が、一対の第1ブラシ100,102と一対の第2ブラシ104,106とに供給される電流の極性が切替えられて、アーマチャ24が正回転及び逆回転されるモータ本体12とした。これに替えて、一対の第1ブラシ100,102を正極ブラシとし一対の第2ブラシ104,106を負極ブラシとして供給される電流を固定して、アーマチャ24を一方向連続回転するモータ本体を用いたワイパモータとしても良い。この場合、ワイパアーム146及びワイパブレード148を往復揺動させるため、すなわち、ピボット軸144を往復回動させるために、出力軸40とピボット軸144とはリンク機構150を介して駆動連結する必要がある。また、回転軸20の回転速度は、PWM制御により正極ブラシに供給される電流を制御することで本実施の形態と同様に行うことができる。
また、本実施の形態では、ワイパモータ10におけるギヤハウジング34の開口部を閉塞するカバープレート42は、絶縁性を有する樹脂材料で製作されたものとしたが、これに限定されず、ラジオノイズをシールドすべくアルミニウム等の金属材料からなるカバープレートとすることもできる。
10・・・ワイパモータ、14・・・モータハウジング(ハウジング)、15・・・界磁部、16・・・永久磁石、17・・・磁気的中心点、18・・・アーマチャ、20・・・回転軸、24・・・アーマチャコア、26・・・アーマチャコイル(巻線)、28・・・整流子、29・・・整流子片、32・・・減速部、34・・・ギヤハウジング(減速機構収容部)、37・・・減速機構、42・・・カバープレート(回路収容部)、44・・・回路基板、50・・・ベースプレート、88・・・ブラシホルダ、100,102・・・第1ブラシ、100A〜106A・・・段差部、104,106・・・第2ブラシ、120・・・保持部、122・・・第1溝部、124・・・第2溝部、126・・・交差部、128・・・第1ワイヤ(第1接続部材)、130・・・第2ワイヤ(第2接続部材)、140・・・ワイパ装置、146・・・ワイパアーム(アーム)

Claims (7)

  1. 筒状に形成されたハウジングの内周面に固定されかつ極性が前記ハウジングの周方向に交互に異なる4極の永久磁石で構成された界磁部と、
    ワイパ装置のアームと直接または間接的に駆動連結されると共に前記ハウジングに回転自在に支持され、回転速度がPWM制御によって駆動制御される回転軸と、前記回転軸に固定されるとともに前記回転軸の周方向に互いに絶縁された状態で配置された複数の整流子片を有する整流子と、前記回転軸の軸線回りに等角度間隔で形成された複数のスロットを有するアーマチャコアと、前記アーマチャコアの所定スロット毎に跨って重ね巻きにて巻装された導線が前記整流子片に順次電気的に結線された巻線と、を含んで構成されたアーマチャと、
    前記界磁部の一方の磁極を構成する前記永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて前記整流子に摺接する一対の第1ブラシと、
    前記界磁部の他方の磁極を構成する前記永久磁石の磁気的中心点にそれぞれ配設されて前記整流子に摺接する一対の第2ブラシと、
    絶縁材料で構成されると共に、前記第1ブラシ及び前記第2ブラシを前記回転軸の軸心へ向けて移動可能に保持するブラシホルダが固定されたベースプレートと、
    前記ベースプレートに配設され、対となる前記第1ブラシ同士を接続する第1接続部材と、
    前記ベースプレートに配設され、対となる前記第2ブラシ同士を接続する第2接続部材と、
    を備えたワイパモータ。
  2. 一対の前記第1ブラシは機械角で180度対向して配置されると共に、一対の前記第2ブラシは前記第1ブラシに対して前記ハウジングの周方向に機械角で90度ずれて配置され、
    一対の前記第1ブラシ及び一対の前記第2ブラシの各々は、同一形状に形成された請求項1に記載のワイパモータ。
  3. 前記ベースプレートは、前記第1接続部材と前記第2接続部材とを電気的に絶縁させた状態で保持する保持部を有しており、
    前記第2接続部材の一部が、前記ベースプレートの板厚方向から見て前記第1接続部材の一部と交差された請求項1又は請求項2に記載のワイパモータ。
  4. 前記保持部は、
    前記第1接続部材を収容する第1溝部と、
    前記第2接続部材を収容する第2溝部と、
    前記ベースプレートの板厚方向から見て前記第1溝部と前記第2溝部とが交差する交差部と、
    を含んで構成され、
    前記交差部において前記第1溝部と前記第2溝部とが前記ベースプレートの板厚方向に離間された請求項3に記載のワイパモータ。
  5. 一対の前記第1ブラシ及び一対の前記第2ブラシの少なくとも一方の整流子側の端部には段差部が形成されて、前記ベースプレートの板厚方向から見て当該段差部が形成されたブラシにおける整流子側の幅寸法が整流子とは反対側の幅寸法よりも狭く設定された請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のワイパモータ。
  6. 前記ワイパ装置のアームが反転する位置において、一対の前記第1ブラシと一対の前記第2ブラシとに供給される電流の極性が切替えられて前記回転軸が正回転及び逆回転される請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のワイパモータ。
  7. 前記回転軸の回転をPWM制御によって駆動制御する駆動回路を含む回路基板を有し、
    前記ハウジングには、前記回転軸の回転を減速して前記アームに伝達させる減速機構を有する減速部が固定され、
    前記減速部は、前記減速機構を収容する減速機構収容部と、前記回路基板が収容される回路収容部と、を含んで構成された請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のワイパモータ。
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