JP2010166755A - 回転電機のブラシ装置および回転電機およびインサート成形金型装置 - Google Patents

回転電機のブラシ装置および回転電機およびインサート成形金型装置 Download PDF

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隆行 石関
Shuji Uehara
修二 上原
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Abstract

【課題】ブラシ装置の小型化を図り、併せて電気的短絡回避の信頼性を向上すること。
【解決手段】正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80とがブラシホルダ42の径方向に交差する部分を含み、交差部分においてブラシホルダ42の軸線方向に間隙を有して互いに非接触の配置とし、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80をブラシホルダ42にインサート成形する。更には、ブラシホルダ42に存在にする抜き去り貫通孔160、162や抜き去り有底孔150、154等によって正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80の放熱性を向上する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機のブラシ装置および回転電機およびインサート成形金型装置に関し、特に、ディスクコンミテータを用いた回転電機のブラシ装置および回転電機およびブラシ装置に組み込まれるブラシホルダのインサート成形に用いられる金型装置に関する。
電動モータの給電装置として、回転子の軸線方向端部に取り付けられて回転子と一体回転する扁平型のディスクコンミテータと、モータハウジング側に固定配置されてディスクコンミテータと摺接するブラシ部材を含むブラシ装置とによるものがある(例えば、特許文献1、2)。
上述のブラシ装置では、複数個の正極ブラシ部材と負極ブラシ部材とが、合成樹脂製のブラシホルダに、ブラシホルダの中心と同心の円周上に交互に配置され、正極ブラシ部材がブラシホルダに取り付けられた正極ターミナルプレートにリード線によって導電接続され、負極ブラシ部材がブラシホルダに取り付けられた負極ターミナルプレートにリード線によって導電接続されている。
正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレート、正極ブラシ部材のリード線と負極ブラシ部材のリード線とは、電気的に短絡しない配置である必要がある。このため、従来のブラシ装置では、ブラシホルダの外部で、正極ブラシ部材、負極ブラシ部材の配置円周より径方向外方の位置に、Cリング形やOリング形をした正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの全体を、軸線方向に互いに偏倚させて配置して両ターミナルプレート間の電気絶縁空間を確保している。そして、正極ブラシ部材、負極ブラシ部材の各々よりリード線を径方向外方へ延ばして、正極ブラシ部材と正極ターミナルプレート、負極ブラシ部材と負極ターミナルプレートの各々導電接続を行い、リード線の空中立体配置によって他極のターミナルプレートを跨いで電気的短絡を生じないようにしている。
特開2003−324908号公報 特開2004−304946号公報
上述した従来のブラシ装置では、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの全体をブラシホルダの軸線方向に互いに偏倚させて外部配置するため、ブラシ装置の軸線方向寸法が長くなり、ついては、電動モータの軸長がなり、電動モータの小型化を阻害する原因になる。また、従来のものでは、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの双方がブラシホルダの外部に配置されて両ターミナルプレート間の空隙によって電気絶縁を確保しているため、これらターミナルプレートの変形を考慮すると、電気的短絡回避の信頼性を十分に得ることが難しい。
また、上述した従来のブラシ装置では、リード線の空中立体配置によって電気的短絡を回避する構造であるため、リード線の変形等を考えると、電気的短絡回避の信頼性を十分に得ることが難しい。
これらのことに鑑みて、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートをブラシホルダにインサート成形し、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートとがブラシホルダ内部において立体交差するようにし、これに伴いリード線が他極のターミナルプレートを跨がなくてよいようにすることが考えられる。
このようなブラシホルダのインサート成形では、インサート成形時の金型キャビティ内の溶融樹脂の流動圧(流入圧)によってインサート部品である金型キャビティ内の正極ターミナルプレートや負極ターミナルプレートの配置位置が変動したり、こられターミナルプレートが変形したりすることがない構成の金型装置が必要になる。
インサート部品である正極ターミナルプレートや負極ターミナルプレートの配置位置が変動したり、これらターミナルプレートが変形したりすると、金型キャビティ内の溶融樹脂の流動路が適切に確保できなくなり、「ヒケ」と云われる樹脂充填不良による不良品が発生したり、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートとの接触に起因する電気的短絡による不良品が発生したりし、歩留まりの低下によって生産性を高めることが難しくなる。
本発明が解決しようとする課題は、ディスクコンミテータを用いた電動モータ等の回転電機のブラシ装置において、ブラシ装置の小型化と電気的短絡回避の信頼性向上を図ることができ、併せて、このことを達成するブラシ装置に組み込まれるブラシホルダのインサート成形を適切に生産性よく行えるようにすることである。
本発明による回転電機のブラシ装置は、一つの円周上に配置された複数個のブラシ保持部を有する合成樹脂製のブラシホルダと、前記複数個のブラシ保持部の各々に交互に配置された導電体製の正極ブラシ部材および負極ブラシ部材と、前記ブラシホルダに埋設され、外部に露呈した導通接続部を含む導電体製の正極ターミナルプレートおよび負極ターミナルプレートと、前記正極ブラシ部材と前記正極ターミナルプレートの前記導通接続部および前記負極ブラシ部材と前記負極ターミナルプレートの前記導通接続部とを各々導通接続する接続導体とを有し、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートとは、その一方が他方に対して前記ブラシホルダの径方向に交差する部分を含み、当該交差部分において前記ブラシホルダの軸線方向に間隙を有して互いの非接触の配置になっており、前記ブラシホルダは前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートをインサート部品としたインサート成形品であり、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々の両面を底面とするインサート部品の板厚方向の位置決め保持ピンの抜き去り有底孔が前記ブラシホルダにあり、前記ブラシホルダと前記正極ターミナルプレートと、前記ブラシホルダと前記負極ターミナルプレートとを各々個別に貫通するインサート部品の板面方向の位置決めを行う保持ピンの抜き去り貫通孔が前記ブラシホルダにあるブラシ装置である。
本発明による回転電機のブラシ装置は、好ましくは、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートは前記交差部分に至る腕部を有し、前記抜き去り有底孔は、前記腕部を底面としている。
本発明による回転電機のブラシ装置は、好ましくは、前記抜き去り貫通孔は、前記導通接続部を貫通する位置に設けられている。
本発明による回転電機のブラシ装置は、好ましくは、前記正極ブラシ部材と前記負極ブラシ部材を各々3個ずつ有する6極6ブラシ型の回転電機のためのブラシ装置である。
本発明による回転電機は、上述の発明によるブラシ装置を有する。
本発明によるインサート成形金型装置は、上述の発明による回転電機のブラシ装置の前記ブラシホルダのインサート成形する金型装置であって、互いに協働して前記ブラシホルダを成形するキャビティを画定する第1の金型と第2の金型と、前記第1の金型と前記第2の金型の何れか一方に取り付けられ、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々に貫通形成されたボルト貫通孔を通されてこれら正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートを串差し式に支持し、当該正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの板面方向の位置決めを行う保持ピンと、前記第1の金型と前記第2の金型に取り付けられ、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々の表裏面に当接して当該正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの板厚方向の位置決めを行う保持ピンとを有する。
本発明による回転電機のブラシ装置によれば、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートとが、ブラシホルダの径方向に交差する部分を含んで、当該交差部分においてブラシホルダの軸線方向に間隙を有する非接触状態の立体配置になっていて、ブラシホルダの内部に埋設されているので、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの全体をブラシホルダの軸線方向に互いに偏倚させてブラシホルダの外部に配置した場合に比して、ブラシ装置の軸線方向寸法を短縮できる。これにより、ブラシ装置を小型化できる。
しかも、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートとが非接触状態で立体交差しているから、リード線の空中立体配置によって電気的短絡を回避する構造を取る必要がなくなり、電気的短絡回避の信頼性が向上する。このことは、ブラシホルダが、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの双方をインサート部材として含むインサート成形品で構成されることにより、より顕著なものになる。
また、ブラシホルダに存在にする抜き去り貫通孔や抜き去り有底孔によって、正極ターミナルプレートや負極ターミナルプレートが外部に露呈する表面積が増え、正極ターミナルプレートや負極ターミナルプレートの放熱性が向上する。
本発明による回転電機のブラシ装置を電動モータに適用した一つの実施形態を示す半断面図。 図1の線II−IIに沿った拡大断面図。 本発明による回転電機のブラシ装置の要部の縦断面図。 本発明による回転電機のブラシ装置のブラシホルダの正面図。 本発明による回転電機のブラシ装置のブラシホルダの背面図。 本発明による回転電機のブラシ装置の正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートとの配置を示す正面図。 図5のVII矢視図。 本発明による回転電機のブラシ装置の正極ターミナルプレートの斜視図。 本発明による回転電機のブラシ装置の負極ターミナルプレートの斜視図。 本発明による金型装置の一つの実施形態を示す概略断面図である。
以下に、本発明による回転電機のブラシ装置を電動モータに適用した一つの実施形態を、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の始動用電動機Mの全体構成を示している。始動用電動機Mは、車両のエンジン(不図示)に固定されるモータハウジング(ハウジング)16と、モータハウジング16に回転自在に支持される回転子30とを有している。モータハウジング16は、複数の永久磁石18を備えた円筒形状のヨーク部材10と、ヨーク部材10の一方の開口周縁部10aに固定され、給電部Eとブラシ装置40とを有するリアブラケット14と、ヨーク部材10の他方の開口周縁部10bに固定されるフロントブラケット12とを有している。
回転子30は、ブラシ装置40を介して、給電部Eと電気的に接続されるコイル28を有しており、永久磁石18に対向して、モータハウジング16の内部に配されている。そのため、給電部Eからブラシ装置40を介して、コイル28に電流が供給されると、回転子30は励磁される。すなわち、コイル28に電流が供給されると、回転子30には周方向に力が発生し、回転子30が回転し、エンジンは駆動される。
回転子30は、回転子コア26と、ディスクコンミテータ32と、回転子コア26とディスクコンミテータ32とが圧入された回転子軸24とを有している。回転子軸24の一方の端部24aは、リアブラケット14に圧入されたオイルレスメタル22に挿入され、回転子軸24の他方の端部24bは、フロントブラケット12に圧入されたベアリング20に挿入される。
回転子軸24には、回転子コア26とディスクコンミテータ32とが圧入されており、回転子30は、モータハウジング16によって回転自在に支持される。回転子軸24の他方の端部24bには、ギヤ24cが形成されており、エンジンのギヤ(不図示)と噛合する。そのため、回転子30の回転に伴って、エンジンは駆動される。
回転子軸24に圧入される回転子コア26は、磁性材料からなる複数のコアプレートを積層形成したものであって、T字状のティース部27を有している。なお、第1の実施形態において、回転子コア26は、整流性を向上させるために、32個のティース部27を有している。ただし、整流性を向上させるためには、回転子コア26は、25個から35個のティース部27を有していれば良い。
積層形成された回転子コア26は、絶縁性を確保するためにコーティング材によって被覆されている。コーティング材によって被覆された回転子コア26のティース部27には、コイル28が巻装されており、コイル28は、コーティング材によって回転子コア26に固定される。そのため、コイル28同士が接触する恐れはなく、コイル28の絶縁性は確保される。なお、始動用電動機Mの整流性を向上させるために、コイル28は、短節巻で、回転子コア26のティース部27に巻装されている。
回転子軸24に圧入されるディスクコンミテータ32は、回転子30と一体に回転する。ディスクコンミテータ32は、複数の扇状の導電部36を有しており、円盤状に形成された絶縁性のベース部材34は、扇状に形成された導電部36を含んで、インサート成形されている。なお、ディスクコンミテータ32には、コイル28がヒュージングによって接続される。このため、ディスクコンミテータ32は、回転子コア26に巻装されたコイル28と電気的に接続される。
モータハウジング16は、円筒状に形成されたヨーク部材10と、ヨーク部材10の一方の開口周縁部10aとインロー嵌合するリアブラケット14と、ヨーク部材10の他方の開口周縁部10bとインロー嵌合するフロントブラケット12とを有している。始動用電動機Mは、リアブラケット14に形成された脚部14kを介して、ボルト(不図示)などによって、エンジンに固定される。
ヨーク部材10は、鉄などの磁性材によって円筒状に形成されており、ヨーク部材10には、複数の永久磁石18が磁極を交互にして配設されている。ヨーク部材10の一方の開口周縁部10aは、リアブラケット14とインロー嵌合し、ヨーク部材10の他方の開口周縁部10bは、フロントブラケット12とインロー嵌合する。そのため、ヨーク部材10の開口周縁部10a、10bは、肉薄に形成されている。
ヨーク部材10の他方の開口周縁部10bにインロー嵌合されたフロントブラケット12には、ボルト15が挿入される。ボルト15は、ヨーク部材10を介して、リアブラケット14に形成されたボルト孔122に螺入される。すなわち、ヨーク部材10と、リアブラケット14と、フロントブラケット12とは、ボルト15によって一体化され、始動用電動機Mを構成する。なお、ヨーク部材10の一方の開口周縁部10aとリアブラケット14の開口周縁部14aとの間には、ゴム製の角リング29が配されており、ヨーク部材10の他方の開口周縁部10bとフロントブラケット12の開口周縁部12aとの間には、ゴム製の角リング29が配されている。すなわち、角リング29によって、ヨーク部材10とリアブラケット14の間はシールされ、ヨーク部材10とフロントブラケット12との間は、シールされる。そのため、モータハウジング16の内部には、外部から水等が浸入することはない。
フロントブラケット12は、アルミダイキャストによって碗状に形成されており、ヨーク部材10の一方の開口周縁部10bとインロー嵌合する。そのため、フロントブラケット12の開口周縁部12aは、肉薄に形成されている。フロントブラケット12には、筒形状のボス部12bが形成されており、ボス部12bには、Oリング25が固定されている。そのため、エンジンに取り付けられた始動用電動機Mは、Oリング25によってシールされる。
フロントブラケット12には、ベアリング20とオイルシール21とが圧入されている。そのため、モータハウジング16の内部には、エンジンオイルが浸入することはない。また、フロントブラケット12に圧入されたベアリング20には、回転子30の回転子軸24の他方の端部24bが挿入される。そのため、回転子30は、フロントブラケット12によって回転自在に支持される。
リアブラケット14は、アルミダイキャストによって碗状に形成されており、ヨーク部材10の一方の開口周縁部10aとインロー嵌合する。そのため、リアブラケット14の開口周縁部14aは、肉薄に形成されている。なお、第1の実施形態において、リアブラケット14は、小型に形成されている。具体的には、リアブラケット14の外径は、60mmから68mmの範囲内に設定されている。
リアブラケット14は、回転子30と電気的に接続される給電部Eと、ブラシ装置40とを有している。給電部Eは、リアブラケット14に固定されたターミナルボルト100を有しており、ターミナルボルト100は、不図示の外部電源と接続される。ブラシ装置40は、ブラシホルダ42と、ブラシホルダ42上に形成された複数のブラシ収容部48とを有しており、ブラシ収容部48に収容された複数のブラシ部材50、56は、ディスクコンミテータ32の導電部36と摺接する。
給電部Eは、ターミナルボルト100を有している。ターミナルボルト100は、リアブラケット14の内側からブラシ装置40を介して、リアブラケット14に形成された貫通孔106に挿入される。貫通孔106に挿入されたターミナルボルト100には、リアブラケット14の外側からナット108が螺入される。したがって、ターミナルボルト100は、ナット108によってリアブラケット14に固定される。
リアブラケット14の中央には、円筒形状のボス部14bが突出形成されており、ボス部14bには、オイルレスメタル22が圧入されている。ボス部14bに圧入されたオイルレスメタル22には、回転子30の回転子軸24の一方の端部24aが挿入される。すなわち、回転子30は、リアブラケット14によって回転自在に支持される。
ブラシ装置40の詳細を、図2〜図9を参照して説明する。ブラシ装置40は、電気絶縁性のブラシホルダ42を含む。ブラシホルダ42は、後述する正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80の双方をインサート部材として含む合成樹脂によるインサート成形品である。
ブラシホルダ42は、リアブラケット14の回転子軸受ボス部14bの外周に嵌合する円筒部44と、円筒部44の軸端部より径方向外方に張り出したフランジ部46とを一体成形されている。フランジ部46はブラシホルダ42の中心軸線と直交する一つの仮想平面にあり、フランジ部46には、円筒部44の周りに、ブラシホルダ42の中心Cと同心の一つの円周A上に配置された複数個の、本実施形態では6個の四角筒状のブラシ保持部48が突出成形されている。
ここで、ブラシホルダ42の中心Cは、ディスクコンミテータ32の回転中心と同心であり、ブラシホルダ42の中心軸線とディスクコンミテータ32の中心軸線とは、同一軸線上にある。
6個のブラシ保持部48には、3個の正極ブラシ部材50、52、54と、3個の負極ブラシ部材56、58、60が、周方向で見て交互に配置されている。これにより、6極6ブラシ型の電動モータが構成される。
正極ブラシ部材50、52、54、負極ブラシ部材56、58、60は、同一形状のものであって、カーボン焼結材等により構成され、ブラシ保持部48に軸線方向に移動可能に収容されていて、ブラシ保持部48の底部に配置された圧縮コイルばね62(図3参照)によってディスクコンミテータ32の側に付勢され、各々先端面をもってディスクコンミテータ32の導電部36に摺接している。
正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80は、金属板のプレス成形品であり、ブラシホルダ42のフランジ部44にインサート成形され、フランジ部44の内部に埋設される。
正極ターミナルプレート70は、図6、図8によく示されているように、中央部70Aの両側に幅細帯状の腕部(脚片部)70B、70Cを有し、腕部70B、70Cの先端間が開いた、平面視(ブラシホルダ42の軸線方向の投影面)で、C形をしている。腕部70B、70Cの各々の先端部には略円形に拡張された導通接続部72、74が形成されている。導通接続部72、74の中心部より離れた位置には位置決め用の貫通小孔72A、74Aが貫通形成されている。正極ターミナルプレート70の中央部70Aは、腕部70B、70Cに比して大きい幅を有する面状になっており、外部接続用の正極ターミナルボルト100(図1、図2参照)を挿入されるボルト貫通孔76を貫通形成されている。
脚片部70B、70Cの各々の先端部寄りには、プレス折り曲げによって当該脚片部70B、70Cを各々板厚方向の段違い形状にする段差折曲部70D、70Eが形成されている。これにより、脚片部70B、70Cは、各々、段差折曲部70D、70Eを境にして、導通接続部72、74の側と中央部70Aの側とで板厚方向の高さ違いになっている。導通接続部72、74の側と中央部70Aの側とでは、導通接続部72、74の側が段差の高い側になっている。導通接続部72、74の側と中央部70Aの側との高さ違い寸法Hpは、負極ターミナルプレート80の板厚Tn(図7参照)より大きい値に設定されている。
負極ターミナルプレート80は、図6、図9によく示されているように、中央部80Aの両側に幅細帯状の腕部80B、80Cを有し、腕部80B、80Cの先端間が開いた、平面視(ブラシホルダ42の軸線方向の投影面)で、C形をしている。腕部80B、80Cの各々の先端部には略円形に拡張された導通接続部82、84が形成されている。導通接続部82、84の中心部より離れた位置には位置決め用の貫通小孔82A、84Aが貫通形成されている。中央部80Aは、腕部70B、70Cに比して大きい幅を有する面状になっていて、外部接続用の負極ターミナルボルト104(図2参照)を挿入されるボルト貫通孔86を貫通形成されている。
脚片部80B、80Cの各々の先端部寄りには、プレス折り曲げによって当該脚片部80B、80Cを各々板厚方向の段違い形状にする段差折曲部80D、80Eが形成されている。これにより、脚片部80B、80Cは、各々、段差折曲部80D、80Eを境にして、導通接続部82、84の側と中央部80Aの側とで板厚方向の高さ違いになっており、導通接続部82、84の側と中央部80Aの側とでは、導通接続部82、84の側が段差の高い側になっている。導通接続部82、84の側と中央部80Aの側との高さ違い寸法Hnは、正極ターミナルプレート70の板厚Tp(図7参照)より大きい値に設定されている。本実施形態では、更に、中央部80Aの両側にもプレス折り曲げによる段差折曲部80F、80Gがあり、中央部80Aが脚片部80B、80Cより板厚方向で見て高い位置にある。
腕部70B、70Cの高さ違い寸法Hpと腕部80B、80Cの高さ違い寸法Hnは互い等しい値に設定されている。
正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80は、前述の如く、双方ともブラシホルダ42の軸線方向投影面での形状がC形をしていて、図6によく示されているように、C形開口70F、80H側が互いに向かい合う相互配置になっている。そして、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80は、C形開口70F、80H側において、ブラシホルダ42の径方向の内外方に互いに交差する部分130、132を含み、当該交差部分130、132において、ブラシホルダ42の軸線方向に互いに間隙を有して非接触状態の立体配置になっている。
本実施形態では、負極ターミナルプレート80の脚片部80B、80Cの段差折曲部80D、80Eより導通接続部82、84の側、つまり段差の高い側が、正極ターミナルプレート70の脚片部70B、70Cの段差折曲部70D、70Eより中央部80Aの側、つまり段差の低い側の上方を、径方向外方から径方向内方に跨いでいる。この跨ぎにより、導通接続部82、84が脚片部70B、70Cより径方向内方に位置している。この跨ぎ部分が交差部分130、132であり、図7に示されているように、脚片部70B、70Cの段差の低い側と脚片部80B、80Cの段差の低い側とが同一高さ位置にあり、脚部70B、70Cの段差の高い側と脚片部80B、80Cの段差の高い側とが同一高さ位置にある前提で、Hn>Tp、Hp>Tnであることにより、交差部分130、132において、Hn−Tp、Hp−Tnの間隙を確保できる。
なお、図6に示されているように、負極ターミナルプレート80の腕部80B、80Cの段差折曲部80D、80Eの部分は、正極ターミナルプレート70の腕部70B、70Cの段差折曲部70D、70Eの部分との干渉を避けるために、径方向外方に張り出した形状になっている。
上述の構成により、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74と、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84は、ブラシホルダ42の中心軸線と直交する一つの仮想平面上、つまり同一平面上に配置され、しかも、正極側のものと負極側のものとが交互に並んで、6個のブラシ保持部48の円環状配置と同心の円周上に配置される。
ブラシホルダ42が、ブラシ保持部48の設置側において、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74と、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84に対応する部分は、円形に肉抜きされた開口部90、92、94、96になっている。これにより、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84は、各々、ブラシホルダ42の外部に露呈している。
ブラシホルダ42が、ブラシ保持部48の設置側において、正極ターミナルプレート70の中央部70Aと対応する部分は、正極ターミナルボルト100の頭部がなす5角形等の多角形の導通接続部102が嵌ることができる大きい開口部98になっており、正極ターミナルプレート70の中央部70A部分がブラシホルダ42の外部に露呈している。負極ターミナルプレート80の中央部80Aは、正極ターミナルプレート70の中央部70Aに対して回転中心Cを隔てた反対側にあり、中央部80A全体がブラシホルダ42の外部に露出している。
正極ブラシ部材50、52、54と負極ブラシ部材56、58、60は、各々、ピグテールと呼ばれる接続導体110、112、114、116、118、120の一端部を含む形態で焼結成形されており、正極ブラシ部材50、52、54、負極ブラシ部材56、58、60の各々に接続導体110、112、114、116、118、120が導通接続されている。
正極ブラシ部材50、54の接続導体110、114は、各々、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74の中央部分にスポット溶接等によって導電接続され、負極ブラシ部材56、60の接続導体116、120は、各々、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84の中央部分にスポット溶接等によって導電接続されている。また、正極ブラシ部材52の接続導体112は正極ターミナルプレート70のボルト貫通孔76に通された正極ターミナルボルト100の頭部による導通接続部102に、負極ブラシ部材58の接続導体118は外部露出した負極ターミナルプレート80の中央部80Aに、各々スポット溶接等によって導電接続されている。
正極ターミナルプレート70のボルト貫通孔76に通された正極ターミナルボルト100は、リアブラケット14のボルト通し孔106を貫通して外部に突出した部分にナット108を締め付けられることにより、ブラシホルダ42をリアブラケット14に固定している。また、負極ターミナルプレート80のボルト貫通孔86にはボルト104が通され、ボルト104は、リアブラケット14のねじ孔(図示省略)をねじ係合し、負極ターミナルプレート80をリアブラケット14にアース接続している。
上述の如く、本実施形態のブラシ装置40は、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80とが、ブラシホルダ42の径方向に交差する交差部分130、132を含んで、交差部分130、132においてブラシホルダ42の軸線方向に間隙を有する非接触状態の立体配置になっていて、合成樹脂製のブラシホルダ42の内部にインサート成形法によって埋設されているので、正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートの全体をブラシホルダ42の軸線方向に互いに偏倚させてブラシホルダの外部に配置した従来のものに比して、ブラシ装置40の軸線方向寸法を短縮できる。これにより、ブラシ装置40を小型化できる。
しかも、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80とが非接触状態で立体交差した状態で、ブラシホルダ42の内部にインサート成形法によって埋設されているから、リード線の空中立体配置によって電気的短絡を回避する構造を取る必要がなくなり、電気的短絡回避の信頼性が向上する。
正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80が、ブラシホルダ42にインサート成形されることにより、ブラシホルダ42に対する正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80の組み付け作業を省略でき、組み付け時に正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80に無理な組み付け荷重が作用することがなく、正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80に変形不良が生じることがない。
正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74と、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84が、同一平面上に配置され、しかも、6個のブラシ保持部48の円環状配置と同心の円周上に配置されるので、導通接続部72、74、82、84に対する接続導体110、114、116、120のスポット溶接等による接続作業時の位置出しが容易になり、接続作業性が向上する。
また、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74と、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84が、一つの円周上に配置されることにより、これらが径方向に互いに偏倚した位置にも設けられる場合に比して、ブラシ装置40の径方向寸法を短縮でき、これによっても、ブラシ装置を小型化できる。
つぎに、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80をインサート部材として含むブラシホルダ42をインサート成形するための金型装置の一つの実施形態を、図10を参照して説明する。
この金型装置は、射出成形用金型であり、射出成形機の固定盤に取り付けられる固定金型(第1の金型)200と、可動盤に取り付けられる可動金型(第2の金型)202とを有する。固定金型200と可動金型202は、型締め状態で、互いに協働してブラシホルダ42を成形するキャビティ204を画定する。
固定金型200には、射出成形機の溶融樹脂射出ノズルを接続されるスプールブッシュ(図示省略)が取り付けられ、図示していないランナ部やゲート部が形成されている。これにより、溶融樹脂射出ノズルよりの溶融樹脂は、固定金型200に形成されたゲート部よりキャビティ204内に充填される。
可動金型202には、正極ターミナルプレート70の板面方向の位置決めを行う保持ピン206と、負極ターミナルプレート80の板面方向の位置決めを行う保持ピン208とが固定装着されている。保持ピン206、208は、各々、インサート部品板面方向位置決め保持ピンである。
保持ピン206は、図10では一つしか示されていないが、実際には二つあり、各々、型開閉方向に平行に取り付けられ、正極ターミナルプレート70に形成された貫通小孔72A、74Aを通され、型締めにより、固定金型200に形成されたピン受け入れ孔210に進入し、先端側を固定金型200より支持される。これにより、保持ピン206は、キャビティ204を横切って延在して固定金型200と可動金型202とで両持ち支持され、正極ターミナルプレート70を串差し式に支持し、正極ターミナルプレート70のキャビティ204内における板面方向(図10で見て上下方向)の位置決めを行う。
保持ピン208も、図10では一つしか示されていないが、実際には二つあり、各々、型開閉方向に平行に取り付けられ、負極ターミナルプレート80に形成された貫通小孔82A、84Aを通され、型締めにより、固定金型200に形成されたピン受け入れ孔212に進入し、先端側を固定金型200より支持される。これにより、保持ピン208は、キャビティ204を横切って延在して固定金型200と可動金型202とで両持ち支持され、負極ターミナルプレート80を串差し式に支持し、正極ターミナルプレート70のキャビティ204内における板面方向(図10で見て上下方向)の位置決めを行う。
保持ピン206、208は、このようにして、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80の板面方向の位置決めを個々に行い、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80のキャビティ204内における板面方向の相対位置を決める。
固定金型200と可動金型202には、正極ターミナルプレート70の板厚方向の相対的な位置決めを行う保持ピン214と216が固定装着されている。保持ピン214と216は、インサート部品板厚方向位置決め保持ピンであり、図10では一組しか示されていなが、実際には二組あり、各組毎に同一位置に型開閉方向に平行に取り付けられ、先端面同士で相対向し、正極ターミナルプレート70の表裏面に当接して正極ターミナルプレート70を表裏面より挟むようにして、正極ターミナルプレート70のキャビティ204内における板厚方向の位置決めを行う。
固定金型200と可動金型202には、負極ターミナルプレート80の板厚方向の相対的な位置決めを行う保持ピン218と220が固定装着されている。保持ピン218と220は、インサート部品板厚方向位置決め保持ピンであり、図10では一組しか示されていなが、実際には二組あり、各組毎に同一位置に型開閉方向に平行に取り付けられ、先端面同士で相対向し、負極ターミナルプレート80の表裏面に当接して負極ターミナルプレート80を表裏面より挟むようにして、負極ターミナルプレート80のキャビティ204内における板厚方向の位置決めを行う。
これにより、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80のキャビティ204内における板厚方向の相対的な位置決めが行われ、インサート成形時の正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80との板厚方向の間隔、つまり電気絶縁間隔が設定される。
保持ピン214、216、218、220による正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80の位置決め保持位置(当接位置)は、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80の交差部分130、132に至る腕部70B、70C、80B、80C、好ましくは、可及的に交差部分130、132に近い部位に設定されている。
このことにより、特に、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80の交差部分130、132における板厚方向の間隔が高い強度をもって保たれることになり、インサート成形時のキャビティ204内の溶融樹脂の流動圧(流入圧)によってキャビティ204内の正極ターミナルプレート70、負極ターミナルプレート80の配置位置が変動したり、交差部分130、132のターミナルプレート70、80が変形したりすることが回避される。
この結果、キャビティ204内の溶融樹脂の流動路が適切に確保され、「ヒケ」と云われる樹脂充填不良による不良品が発生したり、正極ターミナルプレート70と負極ターミナルプレート80との接触に起因する電気的短絡による不良品が発生したりすることがなく、歩留まりよくブラシホルダ42を生産することができる。
ブラシホルダ42には、正極ターミナルプレート70の交差部分130、132に至る腕部70B、70Cの各々の両側に、腕部70B、70Cを底部とする保持ピン214、216による抜き去り有底孔150、152(図2、図4、図5参照)が形成されることになる。抜き去り有底孔150、152は、正極ターミナルプレート70が外部に露呈する表面積を増大するから、正極ターミナルプレート70の放熱性向上に寄与する。
また、ブラシホルダ42には、負極ターミナルプレート80の交差部分130、132に至る腕部80B、80Cの各々の両側に、腕部80B、80Cを底部とする保持ピン2184、220による抜き去り有底孔154、156(図2、図4、図5参照)が形成されることになる。抜き去り有底孔154、156は、負極ターミナルプレート80が外部に露呈する表面積を増大するから、負極ターミナルプレート80の放熱性向上に寄与する。
ブラシホルダ42には、正極ターミナルプレート70の導通接続部72、74の部分に、保持ピン206による抜き去り貫通孔158(図2、図4、図5参照)が形成されることになる。抜き去り貫通孔158は、正極ターミナルプレート70に形成されている貫通小孔72A、74Aを含んでブラシホルダ42と正極ターミナルプレート70を貫通する孔である。抜き去り貫通孔158は貫通小孔72A、74Aの内周面によって正極ターミナルプレート70が外部に露呈する表面積を増大するから、正極ターミナルプレート70の放熱性向上に寄与する。貫通小孔72A、74Aは、ディスクコンミテータ32との摺接によって温度上昇する正極ブラシ部材50、54の近傍にあるので、正極ブラシ部材50、54の熱を逃がす効果が大きい。
なお、貫通小孔72A、74Aは、接続導体110、112をスポット溶接される導通接続部72、74の中心部より離れた位置にあるから、接続導体110、112のスポット溶接を阻害することがない。
また、ブラシホルダ42には、負極ターミナルプレート80の導通接続部82、84の部分に、保持ピン208による抜き去り貫通孔160(図4、図5参照)が形成されることになる。抜き去り貫通孔160は、負極ターミナルプレート80に形成されている貫通小孔82A、84Aを含んでブラシホルダ42と負極ターミナルプレート80を貫通する孔である。抜き去り貫通孔160は貫通小孔82A、84Aの内周面によって負極ターミナルプレート80が外部に露呈する表面積を増大するから、負極ターミナルプレート80の放熱性向上に寄与する。貫通小孔82A、84Aは、ディスクコンミテータ32との摺接によって温度上昇する負極ブラシ部材56、60の近傍にあるので、負極ブラシ部材56、60の熱を逃がす効果が大きい。
なお、貫通小孔82A、84Aは、接続導体116、120をスポット溶接される導通接続部82、84の中心部より離れた位置にあるから、接続導体116、120のスポット溶接を阻害することがない。
ブラシホルダ42の導通接続部対応の開口部90、92、94、96は、固定金型200がキャビティ204を画定する壁部にある凸部(図示省略)により形成される。この場合、インサート成形時に、導通接続部72、74、導通接続部82、84の表面に樹脂が回らないようにするために、導通接続部72、74、導通接続部82、84を固定金型200の前記凸部に密着させることが好ましい。
このため、可動金型202がキャビティ204を画定する壁部に凸部(図示省略)を形成し、型締め時に前記凸部を導通接続部72、74、導通接続部82、84の裏面に押し当ることにより、導通接続部72、74、導通接続部82、84を固定金型200の前記凸部に密着させることが好ましい。これにより、図5に示されているように、ブラシホルダ42の裏面側にも、開口140、142、144、146が形成される。このことによっても、導通接続部72、74、導通接続部82、84の部分の放熱性が向上する。
このことは、正極ターミナルボルト100と導通接続される正極ターミナルプレート70の中央部70Aについても同じで、開口98を形成するための固定金型200の凸部(図示省略)に中央部70Aを密着させることが好ましい。このため、可動金型202がキャビティ204を画定する壁部に凸部(図示省略)を形成し、型締め時に前記凸部を中央部70Aの裏面に押し当ることにより、中央部70Aを固定金型200の前記凸部に密着させることが好ましい。これにより、図5に示されているように、ブラシホルダ42の裏面側に、開口148が形成される。
開口148は、ボルト貫通孔76と同心の円形のものであってよい。この場合、開口148の内径はボルト貫通孔76の内径より大きい。これにより、中央部70Aの裏面側から、ボルト貫通孔76を通って中央部70Aの表面側に樹脂が漏れ流れることが回避される。
更に、中央部70Aを固定金型200の凸部(図示省略)に密着させるために、中央部70Aの裏面より金型固定の押さえピン(図示省略)によって型締め時に中央部70Aを前記凸部に押し付けることが好ましい。
この場合には、図5に示されているように、ブラシホルダ42の裏面側に、ピン抜き孔170が形成されることになる。
本発明によるブラシ装置は、電動モータ用のブラシ装置に限られることなく、発電機の集電部のブラシ装置や、モータジェネレータの給電・集電部のブラシ装置としても適用することができる。
10 ヨーク部材
12 フロントブラケット
14 リアブラケット
16 モータケーシング
18 永久磁石
24 回転子軸
26 積層コア部
28 巻線部
30 回転子
32 ディスクコンミテータ
34 電気絶縁性ベース部材
36 導電部
38 回転子軸受ボス部
40 ブラシ装置
42 ブラシホルダ
44 円筒部
46 フランジ部
48 ブラシ保持部
50、52、54 正極ブラシ部材
56、58、60 負極ブラシ部材
62 圧縮コイルばね
70 正極ターミナルプレート
70A 中央部
70B、70C 腕部
70D、70E 段差折曲部
72、74 導通接続部
72A、74A 貫通小孔
76 ボルト貫通孔
80 負極ターミナルプレート
80A 中央部
80B、80C 腕部
70D、70E 段差折曲部
82、84 導通接続部
86 ボルト貫通孔
90、92、94、96、98 開口部
100 正極ターミナルボルト
102 導通接続部
104 負極ターミナルボルト
110、112、114、116、118、120 接続導体
130、132 交差部分
140、142、144、146、148 開口
150、152、154、156 抜き去り有底孔
160、162 抜き去り貫通孔
170 ピン抜き孔
200 固定金型
202 可動金型
204 キャビティ
206、208 保持ピン
210、212 ピン受け入れ孔
214、216、218、220 保持ピン

Claims (6)

  1. 一つの円周上に配置された複数個のブラシ保持部を有する合成樹脂製のブラシホルダと、
    前記複数個のブラシ保持部の各々に交互に配置された導電体製の正極ブラシ部材および負極ブラシ部材と、
    前記ブラシホルダに埋設され、外部に露呈した導通接続部を含む導電体製の正極ターミナルプレートおよび負極ターミナルプレートと、

    前記正極ブラシ部材と前記正極ターミナルプレートの前記導通接続部および前記負極ブラシ部材と前記負極ターミナルプレートの前記導通接続部とを各々導通接続する接続導体とを有し、
    前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートとは、その一方が他方に対して前記ブラシホルダの径方向に交差する部分を含み、当該交差部分において前記ブラシホルダの軸線方向に間隙を有して互いの非接触の配置になっており、
    前記ブラシホルダは前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートをインサート部品としたインサート成形品であり、
    前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々の両面を底面とするインサート部品の板厚方向の位置決め保持ピンの抜き去り有底孔が前記ブラシホルダにあり、
    前記ブラシホルダと前記正極ターミナルプレートと、前記ブラシホルダと前記負極ターミナルプレートとを各々個別に貫通するインサート部品の板面方向の位置決めを行う保持ピンの抜き去り貫通孔が前記ブラシホルダにある回転電機のブラシ装置。
  2. 前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートは前記交差部分に至る腕部を有し、前記抜き去り有底孔は、前記腕部を底面としている請求項1に記載の回転電機のブラシ装置。
  3. 前記抜き去り貫通孔は、前記導通接続部を貫通する位置に設けられている請求項1または2に記載の回転電機のブラシ装置。
  4. 前記正極ブラシ部材と前記負極ブラシ部材を各々3個ずつ有する6極6ブラシ型の回転電機のためのブラシ装置である請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機のブラシ装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のブラシ装置を有する回転電機。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機のブラシ装置の前記ブラシホルダのインサート成形する金型装置であって、
    互いに協働して前記ブラシホルダを成形するキャビティを画定する第1の金型と第2の金型と、
    前記第1の金型と前記第2の金型の何れか一方に取り付けられ、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々に貫通形成されたボルト貫通孔を通されてこれら正極ターミナルプレートと負極ターミナルプレートを串差し式に支持し、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの板面方向の位置決めを行う保持ピンと、
    前記第1の金型と前記第2の金型に取り付けられ、前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの各々の表裏面に個別に当接して前記正極ターミナルプレートと前記負極ターミナルプレートの板厚方向の相対的な位置決めを行う保持ピンと、
    を有するインサート成形金型装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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