JP2004128718A - 画像データの圧縮装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】濃淡画像の階調を再現するために、オンオフ制御可能な単位としてのドットを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記ドットを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、複数の前記網点中心座標の間に白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、前記網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、前記網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記ドットの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記ドットを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする画像形成方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、濃淡画像の処理に係り、特に、面積階調処理を実行する装置及び方法に関する。面積階調処理とは、多値のデータを濃度に応じた面積のドットパターンに変換する処理であり、ディザ処理やスクリーン処理と呼ばれる場合もある。本発明は、例えば、多値をサポートするカラー画像形成装置及び方法に好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタルカメラなどカラー画像が流通する機会が多くなり、それに伴って、これを印刷するカラープリンタの需要が益々高まっている。かかる装置では、画像の濃淡を再現するのに、一般に、インクやトナーの記録紙上の面積を制御して、ある面積で平均の濃度が中間レベルの濃度になる疑似中間調処理を行う。
【0003】
かかる擬似中間調処理は、特開平5−75865号公報、特開平8−23452号公報、特開平8−139926号公報、特開平9−107473号公報、特開平8−9158号公報、特開2000−295473号公報、特開2000−326562号公報、特開2001−111829号公報、特開2001−218053号公報などにより、各種の方法が既に提案されている。
【0004】
面積階調処理のうちディザ処理は、ディザマトリックスと呼ばれる閾値マトリックスを使用して、入力画像のデータが閾値より大きいかどうかで入力画像データを着色又は白色のドットに変換する中間調処理の一つである。ディザマトリックスにはBayerディザ、ドット集中型ディザ等、幾つかの種類が存在する。
【0005】
ドット集中型ディザなどのドット集中型は、複数のドットを集中的に記録して集合ドットを形成し、入力画像の濃度に応じてドットの大きさが徐々に変化する処理である。ドット集中型は、ドットが集中しているために解像度は劣るが、階調性が良いという長所を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のディザ処理においては、設計者が経験により、マニュアルで網点を生成していた。このため、ある濃淡データに対してどのような大きさ及び形状のドットを与えるかに関し、設計に時間がかかり、また、生成された網点パターンの品質は設計者の経験によって個人差が生じ、これを利用する画像形成装置の画質は必ずしも所望のものではなかった。
【0007】
これに対して、本発明者らは、特開2000−295473号において、集合ドットの中心からずれた位置に設定された仮想中心を中心として階調に応じた距離に含まれるドットを選択し、円又は楕円に近づくようにドットを生成する方法を提案した。かかる方法によると、ドット数が少ない状態でも、階調性が滑らかで安定性の高いドット発生を実現し、その結果、画質の良い疑似中間調画像を生成することができる。しかしながら、この方法は、計算量が多く設計に時間がかかり、また、ダーク部のドットの形状が乱れるという問題があった。このため、ドットを埋める順番付けの規則を改良する需要が存在した。
【0008】
そこで、設計時間の短縮化を可能にすると共に多値データを良好に再現可能な画像形成装置及び方法を提供することを本発明の例示的な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての画像形成方法は、濃淡画像の階調を再現するために、オンオフ制御可能な単位としてのドットを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記ドットを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、複数の前記網点中心座標の間に白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、前記網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、前記網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記ドットの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記ドットを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする。かかる方法は、網点消滅点中心座標を利用して、網点中心座標のみを使用した場合に比べて計算量を半分にすることができると共に、着色ドットと白ドットを円形にして階調性を高めることができる。
【0010】
本発明の別の側面としての画像形成方法は、濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、複数の前記網点中心座標の間に白色ドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記セルの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記セルを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする。かかる方法も網点消滅点中心座標を使用するので上述の方法と同様の作用を奏することができる。
【0011】
前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各ドットの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数とすると、前記決定ステップは、(x−x0)×(x−x0)/a2+(y−y0)×(y−y0)/b2の式によって計算される値が小さい順に前記ドット又はセルの埋め順を生成してもよい。これにより、かかる方法は楕円形状の網点にも対応することができる。
【0012】
前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各ドット又はセルの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数、tを楕円の傾きを示す係数とすると、前記決定ステップは、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記ドットの埋め順を生成すること、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記ドットの総数から逆順に前記ドットの埋め順を生成すること、を交互に行ってもよい。これにより、かかる方法は角度付き楕円形状の網点にも対応することができる。
【0013】
aとbの値を前記ドット又はセルの面積割合に応じて変化させることによって作成した網点形状を得るステップを更に有してもよい。これにより、ダーク部とハイライト部の安定性を高めることができる。同様に、aとbの値を変化させることによって、ハイライト部分は円形状であり、ダーク部分は反転円形状であり、中間調部分は楕円形状又は線形状の網点あるいはドット形状を実現してもよい。
【0014】
本発明の別の側面としての画像形成方法は、濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で一方向から前記セルが埋まるように、前記セルの位置を置き換えるステップ、又は、前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で前記セルが埋まる開始点が前記ドットの端に一致するように、前記セルの位置をシフトさせるステップとを有することを特徴とする。かかる方法によれば、階調再現性を維持したままPWMで処理可能なようにドットを加工することができる。
【0015】
本発明の更に別の側面としての画像形成方法は、濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、前記PWMの出力時に発生する最小パルス値をテーブル又はデータとして格納するステップと、前記最小パルス値未満のパルス値に対応するセル数は発生せず、前記最小パルス値以上のパルス値が発生した場合に対応するセル数とそれまで未発生であったセル数の合計だけ前記セルを埋めるステップとを有することを特徴とする。かかる方法によれば、ハイライト部の再現性が不安定な領域を減らして階調再現の安定化を図ることができる。
【0016】
上述の画像形成方法を実行するためのプログラムも本発明の一側面を構成する。上述のいずれか一項記載の画像形成方法を実行する画像形成装置も本発明の一側面を構成する。
【0017】
本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例において明らかになるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態のスクリーン処理を示すブロック図である。スクリーンの設計において、網点を作る際に使用するスクリーンの1インチあたりの線の数を表すスクリーン線数、網点の並びが垂線となす角度を表すスクリーン角度、網点の形状、集合ドットの中心からのオフセット、ドット内分割数、マトリックスサイズ等の設計パラメータを元に、設計ツールで設計する。設計ツールは、まず、埋め順ファイルを生成する。
【0019】
「埋め順ファイル」とは、記録濃度の増加に従って、ドットあるいはセルを増やしていく順番を記述したファイルである。以下、図2乃至図4を参照して埋め順ファイルを説明する。
【0020】
図2(a)は、網点中心座標、仮想中心及びドットの関係を示す模式図である。集合ドットは、このようにマトリックス状に配置された複数のドットを有する。網点中心座標とは、集合ドットの中心を表す座標である。図2(b)は、本実施形態の円形ドットの模式図である。図2(b)に示すように、本実施形態は、黒などの着色集合ドットD11〜D15、白集合ドットD21〜D24の中心c1〜c9からオフセットL0だけずれた位置に論理半径設定時の中心c51〜c59を設定している。論理半径設定時の中心c51〜c59を中心として濃度、面積率に応じた論理半径rを設定し、論理半径rに中心が含まれるドットdを着色又は白とする。
【0021】
図3は、図2に示す集合ドットの着色を説明するための図である。図3(a)は仮想中心からの論理半径rとドットとの関係を説明するための模式図、図3(b)は着色順序を示す模式図、図3(c)は論理半径rに対する着色ドットの個数を示すグラフである。
【0022】
図3(b)に示すように面積率に応じた論理半径rを設定する際の中心c1〜c9を集合ドットD11〜D15の中心から距離L0だけオフセットさせた中心位置c51〜c59に設定する。中心位置c51〜c59から論理半径r1の円内に中心が含まれるドットは、図3(a)に示すように、ドットd1〜d9となる。中心位置c51〜c59から論理半径r2の円内に中心が含まれるドットは、図3(b)に示すように、ドットd1〜d13となる。中心位置c51〜c59から論理半径r3の円内に中心が含まれるドットは、図3(a)に示すようにドットd1〜d20となる。論理半径rに応じたドットの個数を求めると、図3(c)に示すように、半径rに対して滑らかに増加する特性を持つ。即ち、中心位置c51〜c59を集合ドットの中心位置d1〜d9にオフセットをかけた位置とすることにより中心位置c51〜c59からの距離が同一になるドットがなくなるので、半径rに応じてドットを順次増加させることが可能となる。よって、形状が半径rに応じて大きく歪むことなく、集合ドットを大きくすることができる。なお、オフセットL0の持たせ方により集合ドットの形状がかわる。
【0023】
本実施形態は、集合ドットの中心からずれた位置に設定された仮想中心を中心として階調に応じた距離に含まれるドットを選択することにより、即ち、仮想中心からの距離が短い順にドットを形成することにより、階調を再現している。仮想中心から同じ距離に複数のドットの中心が位置することがなくなるので、集合ドットの中心からの距離を階調に応じて増加させた場合にドットを1ドットずつ増加させることができるため、階調表現を滑らかにできる。また、本実施形態は、仮想中心を集合ドットの中心からの距離に応じて着色されるドットの形状が円に近似するように位置を設定し階調を安定して再現している。後述するように、ドットの形状は楕円に近づいてもよい。
【0024】
図4(a)に、網点の形状の例を示す模式図を示す。図4に示す集合ドットの形状は単なる一例でオフセットL0によって変化する。設計ツールでは、網点中心座標他のパラメータに従って、埋め順ファイルを作り、これが最終的には網点の線数、角度、形状を示すものとなる。また、図4(b)に、図4(a)に示す網点の重心の移動の様子を示すグラフである。
【0025】
また、図18に、図4に対比される従来の渦巻き型ティザの網点形状の例を示す。ここで、図18(a)は、図4(a)と対比される渦巻き型の網点の形状の例を示す模式図である。図18(b)は、図4(b)と対比される、図18(a)に示す網点の重心の移動の様子を示すグラフである。階調が変化した場合の集合ドットの重心位置の変動は、図4(b)及び図18(b)から理解されるように、図18に示す渦巻き型が大きく、図4に示す形状が小さい。このため、図4に示す本実施形態の方法は、網点としての座標位置の安定性に優れ、ノイズやざらつきが減少する。
【0026】
図19に、図4及び図18に示す網点の階調特性を比較したグラフを示す。四角いマーカーが図18に示す網点の階調特性であり、丸いマーカーが図4に示す網点の階調特性である。各マーカーにおいて濃いものはレーザーパワーが大きいものを示している。図19から、図18に示す網点は入力レベル6から7にかけれて階調の段差が大きい。図18に示す網点よりも図4に示す網点の方が、階調の段差が小さく、階調特性が滑らかである。
【0027】
図1に戻り、本実施形態では、この設計ツールにおいて、網点中心座標と網点消滅点中心座標を用いてドット又はセルの埋め順を作成する。更に、ドット又はセルの数に応じて形状を変える処理を更に追加してもよい。埋め順ファイルに、更に、PWM(パルス幅変調)制御が可能になるように、ドットの位置を調整する処理(「ドット位置調整処理」)やセルの位置を置き換える処理(「セル位置置き換え処理」)を施してもよい。その結果、補正後の埋め順ファイルを得る。その後、装置の特性の違いを吸収し、望む階調再現特性を得るため、リニアパターン処理、印刷、測定を行い、補正後の閾値パターンあるいは補正後パターンを作成する。このパターンをPWMスクリーン処理部で利用して、多値画像の濃度データをPWMデータに変換して記録を行う。
【0028】
図5は、円形の網点形状の場合のドットを埋める順番を決定する方法を説明する模式図である。なお、図5では「黒」集合ドットとしているが、YMCKの任意の色に拡張することができることはいうまでもない。このことは、図7にも当てはまる。
【0029】
図7は、45度のスクリーン角度を有する複数網点の円形ドットを再現するた場合の模式図である。黒集合ドットの中心からの距離に応じて、ドットを埋めて行くことで、円形のドット形状を再現する。また、ドット形状の安定性のため、白く抜ける場合にも円形に抜くようにしている。指定する濃度又は明度が低く、中間状態で50%に満たない場合は、白く抜く集合ドットの中央からの距離と、黒くする集合ドットの中央からの距離を比較して、黒集合ドットの中心からの距離が近いものを順に黒いドットに変換していく。面積率が50%近辺のドットは、黒集合ドットからの距離が近い方だけを黒色に着色するため、四角い集合ドット形状に徐々に変化していく。面積率がちょうど50%は四角い集合ドット形状となる。
図5は、網点中心と、白色ドットがマトリックス状に配置された白集合ドットの中心としての網点消滅点中心が各1個の場合の例を示しているが、図7に示すように、全体の領域内部に、複数個の網点中心及び網点消滅点中心を有するマトリックスも形成することもできる。この場合、ドット数も大量になり、網点中心及び網点消滅点中心も数が多くなるため、手作業では時間がかかり、非効率的である。本実施形態のようにコンピュータを利用して演算を行うことで、比較的短時間に処理することができる。このとき、網点消滅点中心を利用することで、ハイライトの網点の形状と、ダーク部分の網点の形状を同じにすることができ、円形になるようにする。円形の方が、プリンタの特性の変動、ばらつきに対して、もっとも影響が少なくでき、有利だからである。網点消滅点中心を用いると、用いなかった場合に比較して計算量を減らすことができる。網点消滅点を使わないと、網点中心から遠いドットの数は大幅に増え、比較演算の数が大きく増えるためである。図1及び図5に示すように、網点消滅点を利用すると、網点中心と網点消滅点中心の両者の半分の領域まで演算すれば、全ドットの埋め順を決定できる。このため、比較するドット数が減少するため、演算量が減らすことができる。特に、図7に示すように、白抜き計算時に多くの網点を持つマトリックスにおいて、計算量を減らすことができるために、設計計算が高速になり、設計を容易にする。
【0030】
図6は、ドットを埋める順番を決定する方法を説明するためのフローチャートである。まず、パラメータから計算領域を設定する(ステップ1002)。次いで、網点中心座標を入力されたパラメータを元に設定する(ステップ1004)。次に、白く抜くドットがマトリックス状に配置された白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定する(ステップ1006)。続いて、領域内の全ドット数をカウントし(ステップ1008)、パラメータで指示される計算領域内の全ドットに対して、座標を算出する(ステップ1010)。次に、全ドットに関して、網点中心座標及び網点消滅点中心座標とドットの中心との距離(もしくは両者の座標を関数に入れて求まる値)を算出する(ステップ1012)。次に、網点中心座標と網点消滅点中心座標から近いドットに対して順番に埋め順を決定する。即ち、図示しないカウンタを0に設定して(ステップ1014)、網点中心座標に対しては0番から始めて順に増える方向に(ステップ1016)、網点消滅点中心座標に対しては、全ドットの数から1引いた数から始めて減る方向に順番をつけていく(ステップ1018)。これを全ドットに順番をつけるまで繰り返して順番を入れる(ステップ1020、1022)。全ドットが終了し、ファイルに書き出すと、それで埋め順ファイルは完成する。
【0031】
上述したように、本実施形態は、図8に示すように、楕円形状のドット形状にも適用可能である。ここで、図8は、ドット形状が楕円形で非直交格子のスクリーンの場合の例を示した模式図である。かかる場合にも、本設計ツールは計算処理時間を短縮することができる。網点中心座標及び網点消滅点中心座標からの距離を使用する代わりに、楕円の場合には以下の数式1を、角度つき楕円の場合には以下の数式2を使用する。
【0032】
【数1】
【0033】
【数2】
【0034】
図17に、網点形状を1対1(円形状)(図17(a))、1対1.7(楕円)(図17(b))、1対2(楕円)(図17(c))、1対10(長楕円)(図17(d))に設定し場合の例を示す。楕円1.7は、ハイライト部分では、5個の網点中心の部分が大きくなってから斜めに成長する。一方、楕円1対10では、多くの10個の小ドットが徐々に大きくなる。ハイライト部分においては、多くの小ドットが発生していると、それだけ不安定な領域が増えるため、ノイズが増加し、ざらざらした画像の再現になる。このように、楕円1.7あるいは楕円2程度までの、小ドットを多く生じさせない方式の方が安定で有利である。この場合でも、中間調部分の領域は楕円形状が1対10のライン形状に近い形状になる。このライン形状は、プロセス的に安定性に優れると共に、4色のスクリーン間の干渉を少なくできるため、各色のドットの位置の変動に対して、安定性に優れるメリットがある。このように、適当な楕円形状は、ハイライトおよびダーク部の安定性を確保しながら、中間調部ではラインスクリーン形状にすることができる。他の色との干渉は、ハイライトやダーク部ではほとんど目立たなくなるため、適当な比の楕円形状はカラープリンタに適用するスクリーンとして有利である。
【0035】
図9及び図10は、数式1及び2におけるa及びbの値と網点の形状との関係を示す、網点の形状を積極的に変化させる場合の例を示す模式図である。図9(a)及び図10(a)は、網点個数又は網点面積に対する定数a及びbの変化を示している。図9(b)に示すように、図9は、最初は円形状で途中から楕円形状に変化する例を示している。一方、図10(b)に示すように、図10は、円形状から楕円形状に変化した後で円形状に更に変化する例を示している。図1、図9及び図10に示すように、ドット又はセル数に応じて形状を変える処理を行うことにより、ハイライト及びダーク部の安定性の確保を高めることができ、階調の再現を安定化することができる。
【0036】
図11は今まで述べてきた処理をPWMディザ処理に適用した場合の模式図である。ここでは、図11(a)に示すように、1ドットをPWMで制御可能な単位(「セル」と呼ぶ。)に分割して考える。図11(b)は、入力濃度データに依存して各ドット内のセルが増加する様子を示している。この場合、計算領域としてのマトリックス全体にセルを敷きつめたとして、セルに対して埋め順を決定するように処理することによってPWM時も対応可能である。例えば、600dpiを16分割可能なPWM処理の場合、9600dpi×600dpiの1単位を1セルとして扱う。かかる処理により、従来のドット単位よりもきめ細かい面積及び形状の制御を行うことができ、階調再現性を向上させることができる。
【0037】
但し、順番ファイルそのままでは、PWM制御で実現できないパターンが発生することがある。PWM処理時は各セルを独立してONOFF制御できない(真の9600dpi×600dpiとは異なる)ためである。例えば、図12に示すように、ドットの内部の適当なセルから、ONにしたい場合が発生する。ここで、図12は、設計した当初のセルを埋める順番を示す模式図である。そこで、図13に示すように、セルとドットの切れ目を一旦分離して、セルの増え方とドットの切れ目とが合った形に合わせ直すPMWドット位置調整処理を加える。全体のセルが埋まった後に、セルの増え方を確認してドットの端と合うようににセル全体をシフトする。その結果、PWMで実現可能な形に変換することができる。ここで、図13は、PWM制御が可能になるように、ドットの位置を調整する処理(即ち、図1に示す「PMW向けドット位置調整処理」)を行って左右に位置補正したPMW形状を示しており、ドットの中途半端な埋め方をドット位置をセル単位で移動することによってPMWで実現可能な形に整形している。
【0038】
図14は、ドットの両端のセルがONになり、真ん中がOFFになる場合を示す、設計した当初のセルを埋める順番を示す模式図である。中間調部分からダーク部分ではセルがどんどん埋まるため、埋め順ファイルの中には、このようなパターンも発生する。このままではPMW処理を実現できないため、図15に示すように、セルの置き換え処理を行う。この場合、セルの数を変えないように、あるいは、再現される画像部の大きさを変えないように、ONセルとOFFセルの位置を取り替える形で処理を加える。ここで、図15は、PWM制御が可能になるように、セルの位置を置き換える処理(即ち、図1に示す「PMW向けセル位置置き換え処理」)を行ってセルを左右に位置補正したPWM形状を示しており、ドットの両端から埋まる埋め方をセルを移動することでPWMで実現可能な形に整形している。本来、セルの位置を置換することは望ましいことではないが、両端から埋まる場合は、中間調以上の暗い部分のため、網点の重心位置の変動は少ない。このため、目にとって、大きな劣化は発生しない。こうして、階調を保ったまま、PWM制御可能な形に変換することができる。
【0039】
図16は、PMW向けセル位置置き換え処理を行ってセルを左右に位置補正したPWM形状を示す別の例を示す。ハイライトのドット発生のところでは置き換えは避けるべきであるが、上あるいは下に隣接したONドットあるいはセルがある場合、図12のような中途半端な埋まり方になる場合がある。そこで、図14と同様に、セルを入れ換えて、滑らかな階調の再現をPWMで実現することができる。
【0040】
また、図示していないが、セルの数が少ない場合にはONしているにも係わらず、トナーが付着しない場合がある。この場合、トナーが付着する量になるまで、ONにせず、トナーが付着する以上のセル数になってから同時に複数セルをONする処理を行ってもよい。この場合、トナーが付着するセル数についてのテーブルを備え、そのテーブルを参照して、まとめて複数のセルに対して埋め順の値を入れることにする。かかる処理により、ハイライト部分の再現性が不安定な領域を減らすことができ、より確実な階調再現を実現することができるメリットがある。
【0041】
以下、図20及び図21を参照して、カラー画像形成装置10について説明する。ここで、図20は、カラー画像形成装置10の概略側面断面図である。カラー画像形成装置10は、カラーレーザープリンタとして具体化され、プリンタコントロールユニット100と、4つの画像形成ユニット200a乃至200dと、用紙引き込み部と、用紙搬送部と、定着器330と、スタッカ350とを有する。カラー画像形成装置10は、YMCKの4色を使用しており、黒(K)が画像形成ユニット200a、青(C)が画像形成ユニット200b、赤(M)が画像形成ユニット200c、黄(Y)が画像形成ユニット200dにそれぞれ割り当てられている。なお、特に断らない限り、参照番号200は参照番号200aなどを総括するものとする。もちろん、本発明はこれらに更に数色加わっても適用可能である。また、カラー画像形成装置10は片面印刷と両面印刷の両方に適用できることはいうまでもない。
【0042】
用紙引き込み部は、複数枚の印刷用紙Pを収納する用紙カセット312から最上位の用紙Pを取り出して装置内部の用紙搬送部へ供給する。用紙引き込み部は、用紙カセット312と、ピックアップローラ314とを有する。用紙カセット312は複数枚の用紙Pを収納する。ピックアップローラ314は、用紙カセット312にセットされている用紙Pの最上位の用紙Pに当接してこれを1枚ずつ繰り出す。
【0043】
用紙搬送部は、用紙引き込み部から用紙Pを受け取って、これを用紙搬送路345に沿って装置上部のスタッカ350まで搬送する。用紙搬送部320は、紙送りローラ322と、中間転写ベルト324と、中間転写ベルト324を回転させるローラ326とを有する。用紙Pは紙送りローラ322によって中間転写ベルト324に搬送される。その後、用紙Pには、中間転写ベルト上に形成されたトナー像が転写ローラ240によって転写され、トナー像の形成された用紙Pは、定着器330を経てスタッカ350に排出される。
【0044】
画像形成ユニット200は中間転写ベルト324上に、各色のトナー像を重ね合わせて形成(転写)する機能を有する。画像形成ユニット200は、静電ドラム210と、図示しない前帯電器と、露光装置としてのレーザ光学系225と、図示しない現像装置230を有する。また、転写ローラ240が用紙搬送路上に設けられている。
【0045】
なお、ここでは、YMCK4色毎に静電ドラムを持つ構成(タンデム方式)であるが、静電ドラムを1つ搭載する構成(1ドラム方式)に対しても本発明は適用可能である。
【0046】
静電ドラム210は回転が可能なドラム状導体支持体上に感光性誘電体層を有し、像保持部材として使用される。静電ドラム210は、例えば、表面に機能分離型有機感光体を塗布したアルミニウム製ドラムから構成され、所定の周速度で回転する。図示しない前帯電器は、例えば、スコロトロン帯電器から構成され、静電ドラム210の表面に一定の電荷量を与える。レーザ光学系225は静電ドラム210を一様に帯電し、ビデオ信号に応じてレーザ光を発射し、静電ドラム210上に静電潜像を形成する。レーザ光学系225は、当業界で周知のいかなる露光方式(例えば、機械走査方式や固定走査方式)も採用することができる。
【0047】
現像装置は、静電ドラム210に形成された潜像をトナー像として可視化する。現像装置230は、典型的に、図示しない現像ローラ、供給ローラ、及び、トナーカートリッジを有する。本実施形態では、現像剤にYMCKの4色のトナーを使用する。現像剤は一成分、二成分(即ち、キャリアを含む)とを問わず、磁性、非磁性を問わない。トナーカートリッジはトナーを貯蔵し、供給ローラにトナーを供給する。供給ローラは現像ローラに当接してトナーを現像ローラに供給する。現像ローラは静電ドラム210に接触又は非接触に配置され、静電気力を利用して静電ドラム210にトナーを供給する。この結果、静電ドラム210上にトナー像が形成される。現像ローラ上に残留した未使用トナーは、供給ローラによって回収され、トナーカートリッジ内へと戻される。
【0048】
転写ローラ240は、静電的にトナーを吸着するような電界を発生させ、転写電流を利用して中間転写ベルト324上に吸着しているトナー像を用紙Pに転写する。ベルトクリーナ250は転写後にベルト324を洗浄する。
【0049】
定着器330は用紙Pにトナー像(トナー重層)を永久的に固着させる機能を有する。転写後のトナーは用紙Pに弱い力で付着しているだけであるから簡単に剥がれ落ちる。そこで、定着器330が、加圧及び加熱によりトナーを融溶して用紙Pに浸透させる。定着器330は、一対の定着ローラ332を有する。一対の定着ローラ332は、互いに平行かつ接触するように配置され、それらの間にはニップが形成される。定着ローラ332は、例えば、フッ素系ゴムやシリコンゴム等から構成される。定着ローラ332は熱源としてハロゲンランプ等を内蔵し、また、その表面温度を検出するために図示されていないサーミスタが設置されている。更に、一対の定着ローラ332の間には、高圧が付加されるようになっている。これにより、用紙P上に転写したトナーは高温、高圧によって定着される。
【0050】
図21は、カラー画像形成装置10の制御系のブロック図である。制御系は、プリンタコントローラ100を有する。
【0051】
プリンタコントローラユニット(以下、単に「コントローラ」という。)100は、カラー画像形成装置10の裏面等に設けられたプリンタケーブル12などを介してコンピュータ、LAN等のネットワークその他の外部装置(以下、単に「ホスト」という。)1に接続されている。ホスト1が典型的なパーソナルコンピュータにより構成される場合、ホスト1は、ウィンドウズなどのOSによって構築され、各種アプリケーションとプリンタドライバをサポートする。
【0052】
コントローラ100は、コントローラボードとして具体化され、ホスト1から送信されるデータをビデオデータに変換し、エンジン190に出力する。ビデオデータを生成するに当たり、コントローラ100は、ホスト1からのコマンド解析処理、描画処理、色変換処理、図1乃至図17を参照して上述したディザ処理、PWM処理を行う。コマンド解析処理ではコントローラ100は、処理の分析、割り当て、内部言語への変換を行う。描画処理では、コントローラ100は、画像の座標変換、図形描画などを行う。
【0053】
色変換処理では、コントローラ100は、RGBから印刷に用いる色であるYMCKへの変換を行う。具体的には、色変換処理は、A/D変換やシェーディング補正などを行う入力処理(Input Processing)によりRGBをCMYに変換し、画素単位のYMCデータからエッジや網点を検出などする領域分離処理(Segmentation)、CMYの3色の比率から黒(K)の生成量を決定する黒生成(BG:Black Generation)、トナーの分光特性における他色との重なりを除去して色の濁りを抑える色補正処理(Color Correction)を含む。
【0054】
上述したディザ処理(スクリーン処理又は面積階調処理と呼ばれる場合もある。)では、コントローラ100は、YMCK各色毎に多値のデータを濃度に応じた面積のドットパターンに変換する。
【0055】
PWM処理では、指定のPWM信号を実際のパルスに変換する。これらの処理の結果、コントローラ100は、ホスト10から送られるYMCKの印刷パターン情報を、例えば、ビットマップ形式のラスタ信号(又はビデオ信号)に展開してメカ制御回路部180に送出する。このようなラスタライズ後の最終のラスタ信号又はビデオ信号を本出願ではYMCKフレームデータと呼ぶ。
【0056】
以下、カラー画像形成装置10の動作について説明する。プリンタコントローラ100はホスト10からの印刷命令を受信すると、コマンド解析処理、描画処理、色変換処理、上述のディザ処理、PWM処理、圧縮処理を行ってビデオ信号をプリンタエンジン190に送信する。図1及び図6などに示す上述のディザ処理は、プリンタコントローラ100の図示しないメモリにファームウェアとして格納される。
【0057】
印刷命令により用紙カセット312に載置された一又は複数枚の用紙Pの最上位の用紙Pがピックアップローラ314によって繰り出され、用紙ガイド316によって搬送路345に案内される。図20に示すプロセスでは、ドラム210上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト324上に転写され、中間転写ベルト324上で重ね合わされたトナー像が転写ローラ240によって用紙上に一括転写される。その後、トナー重層は定着器330によって用紙Pに定着される。定着された用紙Pはスタッカ350に排出される。本実施形態のカラー画像形成装置10によれば、上述したディザ処理を使用して、ノイズやざらつきの少ない、階調再現に優れた濃淡画像を形成することができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。例えば、カラー画像形成装置10はカラープリンタに限定されず、印刷機能を有するその他の装置、例えば、コピー機、ファックス機を含む。
【0059】
本実施形態によれば、ダークの網点形状をハイライトの網点形状と同じ形状にすることができる。また、ドットの埋める順番をつける場合に、従来の半分のループ回数(ループの中での計算は2倍)で済む。更に、従来では中間以上の領域で、候補の数が多くなるのに対し、中間までの計算で済ますことができるため、処理時間が短くできる。特に複数の網点を含む大きいマトリックスで設計する場合には処理時間の短縮化を図れる。
【0060】
また、本実施形態によれば、網点の形状に対してより一般的で、計算機で生成可能な網点を生成することができる。形状パラメータを選択することで、円形から楕円形状、ライン形状の形状まで設計することができる。円形状でハイライトおよびダークの部分を形成することによって安定性にも優れる。このため、良好なハイライト、ダークの粒状性を実現できる。ライン形状とすることで、スクリーンの角度の選択肢を増やすことができる。
【0061】
本出願は更に以下の事項を開示する。
【0062】
(付記1) 濃淡画像の階調を再現するために、オンオフ制御可能な単位としてのドットを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記ドットを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、複数の前記網点中心座標の間に白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記ドットの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記ドットを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする方法。(1)
(付記2) 前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各ドットの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数とすると、前記決定ステップは、(x−x0)×(x−x0)/a2+(y−y0)×(y−y0)/b2の式によって計算される値が小さい順に前記ドットの埋め順を生成することを特徴とする付記1記載の方法。
【0063】
(付記3) 前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各ドットの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数、tを楕円の傾きを示す係数とすると、前記決定ステップは、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記ドットの埋め順を生成すること、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記ドットの総数から逆順に前記ドットの埋め順を生成すること、を交互に行うことを特徴とする付記1記載の方法。
【0064】
(付記4) aとbの値を前記ドットの面積割合に応じて変化させることによって作成した網点形状を得るステップを更に有することを特徴とする付記3記載の方法。
【0065】
(付記5) aとbの値を変化させることによって、ハイライト部分は円形状であり、ダーク部分は反転円形状であり、中間調部分は楕円形状又は線形状の網点あるいはドット形状を実現することを特徴とするPWM制御方式を利用した付記4記載の方法。
【0066】
(付記6) 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、複数の前記網点中心座標の間に白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記セルの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記セルを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする方法。(2)
(付記7) 前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各セルの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数とすると、前記決定ステップは、(x−x0)2/a2+(y−y0)2/b2の式によって計算される値が小さい順に前記セルの埋め順を生成することを特徴とする付記6記載の方法。
【0067】
(付記8) 前記網点中心座標又は前記網点消滅点座標を(x0,y0)とし、各セルの中心座標を(x、y)とし、a及びbを任意の実数、tを楕円の傾きを示す係数とすると、前記決定ステップは、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記ドットの埋め順を生成すること、(x×cos(t)−y×sin(t)−x0)2/a2+(x×sin(t)+y×cos(t)−y0)2/b2の値が小さい順に前記セルの総数から逆順に前記セルの埋め順を生成すること、を交互に行うことを特徴とする付記6記載の方法。
【0068】
(付記9) aとbの値を前記セルの面積割合に応じて変化させることによって作成した網点形状を得るステップを更に有することを特徴とする付記8記載の方法。
【0069】
(付記10) aとbの値を変化させることによって、ハイライト部分は円形状であり、ダーク部分は反転円形状であり、中間調部分は楕円形状又は線形状の網点あるいはドット形状を実現することを特徴とするPWM制御方式を利用した付記9記載の方法。
【0070】
(付記11) 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で一方向から前記セルが埋まるように、前記セルの位置を置き換えるステップとを有することを特徴とする方法。(3)
(付記12) 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で前記セルが埋まる開始点が前記ドットの端に一致するように、前記セルの位置をシフトさせるステップとを有することを特徴とする方法。(4)
(付記13) 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、前記PWMの出力時に発生する最小パルス値をテーブル又はデータとして格納するステップと、前記最小パルス値未満のパルス値に対応するセル数は発生せず、前記最小パルス値以上のパルス値が発生した場合に対応するセル数とそれまで未発生であったセル数の合計だけ前記セルを埋めるステップとを有することを特徴とする方法。(5)
(付記14) 付記1乃至13のうちいずれか一項記載の画像形成方法を実行するためのプログラム。
【0071】
(付記15) 付記1乃至13のうちいずれか一項記載の画像形成方法を実行する画像形成装置。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、設計時間の短縮化を可能にすると共に多値データを良好に再現可能な画像形成装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施形態のスクリーン処理を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、網点中心座標、仮想中心及びドットの関係を示す模式図であり、図2(b)は、本実施形態の円形ドットの模式図である。
【図3】集合ドットの着色を説明するための図である。
【図4】図4(a)は網点の形状の例を示す模式図である。図4(b)は図4(a)に示す網点の重心の移動の様子を示すグラフである。
【図5】円形の網点形状の場合のドットを埋める順番を決定する方法を説明する模式図である。
【図6】ドットを埋める順番を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】複数の網点の円形ドットを埋める順番を決定する方法を説明する模式図である。
【図8】ドット形状が楕円形で非直交格子のスクリーンの場合の例を示す模式図である。
【図9】網点の形状を積極的に変化させる例を示す模式図である。
【図10】網点の形状を積極的に変化させる別の例を示す模式図である。
【図11】本実施形態のパルス幅変調を利用したディザ処理を示す模式図である。
【図12】設計した当初のセルを埋める順番を示す模式図である。
【図13】パルス幅変調制御が可能になるように、ドットの位置を調整する処理を説明するための模式図である。
【図14】別の設計した当初のセルを埋める順番を示す模式図である。
【図15】パルス幅変調制御が可能になるように、セルの位置を置き換える処理を説明するための模式図である。
【図16】パルス幅変調制御が可能になるように、セルの位置を置き換える別の処理を説明するための模式図である。
【図17a】網点形状が1対1の場合のドットを埋める順番を決定する一例を示す模式図である。
【図17b】網点形状が1対1.7の場合のドットを埋める順番を決定する一例を示す模式図である。
【図17c】網点形状が1対2の場合のドットを埋める順番を決定する一例を示す模式図である。
【図17d】網点形状が1対10の場合のドットを埋める順番を決定する一例を示す模式図である。
【図18】図18(a)は、図4(a)と対比される渦巻き型の網点の形状の例を示す模式図である。図18(b)は、図4(b)と対比される、図18(a)に示す網点の重心の移動の様子を示すグラフである。
【図19】図4及び図18に示す網点の階調特性を比較したグラフである。
【図20】カラー画像形成装置の概略側面断面図である。
【図21】図20に示すカラー画像装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ホスト
10 カラー画像形成装置
100 プリンタコントローラユニット
190 エンジン
200a−d 画像形成ユニット
Claims (5)
- 濃淡画像の階調を再現するために、オンオフ制御可能な単位としてのドットを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記ドットを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、
前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、
複数の前記網点中心座標の間に、白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、
前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、前記網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、前記網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記ドットの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記ドットを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする方法。 - 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、
前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、
複数の前記網点中心座標の間に、白抜きドットの集合である白集合ドットの中心を表す網点消滅点中心座標を設定するステップと、
前記網点中心座標と各ドットの中心座標を利用して計算された第1の計算値と、前記網点消滅点中心座標と各ドットの中心座標とを利用して計算された第2の計算値とを使用して、計算された値が小さい順に、網点中心座標からの値が小さい場合は1から順に、網点消滅点中心座標との値が小さい場合には、計算領域全体の前記セルの総数から逆順に、前記マトリックスにおいて前記セルを埋める順番を決定するステップとを有することを特徴とする方法。 - 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋めることで網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、
前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、
前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、
前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で一方向から前記セルが埋まるように、前記セルの位置を置き換えるステップとを有することを特徴とする方法。 - 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、
前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、
前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、
前記パルス幅変調において、複数の前記セルを有するドット内で前記セルが埋まる開始点が前記ドットの端に一致するように、前記セルの位置をシフトさせるステップとを有することを特徴とする方法。 - 濃淡画像の階調を再現するために、パルス幅変調によるオンオフ制御可能な単位としてのセルを埋める網点の面積を制御するスクリーン処理に使用され、前記セルを埋める順番を規定するマトリックスを作成する画像形成方法であって、
前記網点の中心を表す網点中心座標を設定するステップと、
前記網点中心座標と各セルの中心座標とを用いて計算した値に基づいてセルを埋める順番を生成するステップと、
前記PWMの出力時に発生する最小パルス値をテーブル又はデータとして格納するステップと、
前記最小パルス値未満のパルス値に対応するセル数は発生せず、前記最小パルス値以上のパルス値が発生した場合に対応するセル数とそれまで未発生であったセル数の合計だけ前記セルを埋めるステップとを有することを特徴とする方法。
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