JP2004126394A - 回折光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】角度特性を向上させた複層型回折光学素子を提供する。
【解決手段】互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素6と第2の回折素子要素7とが密着接合され、両回折素子要素6,7の接合面に所定形状の回折格子溝1が形成されている回折光学素子であり、回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを形成して入射光を遮光し、フレアーの発生を抑える。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素6と第2の回折素子要素7とが密着接合され、両回折素子要素6,7の接合面に所定形状の回折格子溝1が形成されている回折光学素子であり、回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを形成して入射光を遮光し、フレアーの発生を抑える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射した光に対して回折光束を生じさせる回折光学素子に関し、特に、広波長領域で使用可能な回折光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
回折光学素子は、微小間隔(約1mm)当り数百本程度の細かい等間隔のスリット状若しくは溝状の格子構造を備えて作られた光学素子であり、光が入射されると、スリットや溝のピッチ(間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、回折格子溝を同心円状に形成し、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。
【0003】
このような回折光学素子においては近年、複層型と呼ばれる回折光学素子が提案されてきている。このタイプの回折光学素子は、鋸歯波状に形成された面を持つ複数の回折素子要素を積み重ねてなるものであり、所望の広波長領域(例えば可視光領域でg線(435.8nm)からC線(656.3nm)まで)のほぼ全域で高い回折効率(90%以上)が保たれる、すなわち波長特性が良好であるという特徴を有している。
【0004】
一般に複層型回折光学素子の構造は、例えば図3(A)に示すように、同一の回折格子溝100で、ガラス60と樹脂70とが貼り合わされた密着複層型回折光学素子や、図3(B)に示すように、第1の回折格子溝110を有する第1の回折素子要素160と、第2の回折格子溝120を有する第2の回折素子要素170とから構成され、それぞれの回折格子溝110,120が極めて接近した距離で対向させて配置されており、例えば空気130を挟んで分離された状態で配置されている分離複層型回折光学素子がある。ここで、例えば分離複層型回折光学素子の場合、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1の回折素子要素160の第1の回折格子溝110の高さd110を所定の値に決定し、第2の回折素子要素170の第2の回折格子溝120の高さd120を所定の値に決定する。これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対しても、かなり高い回折効率を得ることができるようになる。なお、本明細書中で、回折効率とは、透過型の回折光学素子において、入射する光の強度I0と一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0×100%)とする。
【0005】
しかしながら、このような構成の複層型回折光学素子では、広波長領域で回折効率を高くすることができるが、図4(B)に示される一般に良く使用されている単層型回折光学素子に比べて、入射光の入射角度の変化に対する回折効率(以下、「角度特性」と呼ぶ)の低下の度合いが悪くなる場合があるという問題がある。単層型回折光学素子では回折格子溝のピッチが0.1mm程度で回折効率90%以下となる入射角は30度程度である。これに対して、複層型回折光学素子では、同様の回折格子溝のピッチ(0.1mm程度)で回折効率90%以下となる入射角は10度程度となってしまう。
【0006】
複層型回折光学素子の角度特性が単層型回折光学素子の角度特性より悪いのは、回折格子溝の壁の高さの違いによるものである。図4(B)に示す単層型回折光学素子の回折格子溝20の壁の高さd20は1μm程度であるのに対し、複層型回折光学素子の壁の高さは10μm程度以上になってしまう。特に、図4(A)に示す分離複層型回折光学素子の場合、回折格子溝10の壁の高さd10は20μm程度以上になる。
【0007】
このように、回折格子溝の壁の高さに違いがあると、図4に示すように同じ入射角度αで入射する入射光のうち、回折格子溝を所望の光路で進んでいく領域r,r′が変化することになる。図4(B)で示す単層型回折光学素子の前記領域r′に比べて、図4(A)で示す複層型回折光学素子の前記領域rは狭くなっており、このため角度特性が悪くなる。
【0008】
一方、このような入射光のうち、回折光学素子の壁(例えば、図4(A)に示す複層型回折光学素子の壁30)を透過する光束は、壁30の部分で所望外の光路を辿る不要光(以下、「フレアー」と呼ぶ。)となり、所定外の部分への到達光となってしまい、入射光の入射角度の増加にともないフレアーの発生率も増加するため、回折光学素子の性能を悪化させる。ここでフレアーは、壁30の状態によって、通常の反射光(全反射も含む)A又は、散乱光B等として発生する。このフレアーを発生する領域fLは、図4(B)に示すように、回折格子溝の壁の高さが低いと、このフレアーを発生する領域fL′も狭くなり、フレアーが発生しにくい。
【0009】
上述のような回折光学素子におけるフレアーを減少させる方法として、回折光学素子の入射面(または出射面)に回折格子溝の壁の部分に入射する(あるいは出射する)光を遮光する遮光手段を有するように構成するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−48906号公報(第3頁、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回折光学素子の入射面(又は出射面)に遮光手段を形成するような構成によると、回折格子溝の壁と正確に対応した入射面(または出射面)の位置に遮光手段を形成しなければならず、回折光学素子の製造が困難であるという課題があった。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、フレアーの発生を抑えた複層型回折光学素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る回折光学素子は、互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素と第2の回折素子要素とが密着接合され、これらの回折素子要素の接合面に所定形状の回折格子溝が形成されており、この回折格子溝の壁の部分に遮光手段(例えば、実施形態における遮光膜5a)を有するように構成される。
【0014】
なお、両回折素子要素の一方の材質がガラスモールド用のガラスであり、他方の材質が樹脂であるように構成されることが好ましい。
【0015】
また、両回折素子要素の一方のd線での屈折率をndGとし、アッベ数をνdGとしたとき、式1.55≦ndG≦1.70及び50≦νdG≦65を満足し、且つ、両回折素子要素の他方のd線での屈折率をndRとし、アッベ数をνdRとしたとき、式1.50≦ndR≦1.65及びνdR≦45を満足するように構成されることが好ましい。
【0016】
また、回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることが好ましい。
【0017】
また、回折格子溝の壁の高さが20μm以下であることが好ましい。
【0018】
あるいは、本発明に係る回折光学素子は、互いに異なる材質からなる所定形状の第1の回折格子溝が形成された第1の回折素子要素と、この第1の回折格子溝の高さと異なる高さを有する所定形状の第2の回折格子溝が形成された第2の回折素子要素とを有し、第1の回折格子溝が形成された面と第2の回折格子溝が形成された面とが互いに対向し且つ所定間隔を有するように配設されており、第1の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有し、第2の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有するように構成される。
【0019】
なお、第1の回折素子要素の材質と、第2の回折素子要素の材質が樹脂で構成されることが好ましい。
【0020】
また、第1の回折格子溝と第2の回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、上述のように回折格子溝の壁の部分に入射する光により発生するフレアーを減少させて回折光学素子の性能を向上させるものであり、この壁の部分に遮光処理(例えば遮光膜を形成)して、所望外の光路を辿るフレアーを抑えるように構成されたものである。まず、図1を用いてこの遮光処理について説明する。図1(A)は密着複層型回折光学素子の場合を示しており、互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素6と第2の回折素子要素7とが密着接合されて構成されている。これらの回折素子要素6,7のそれぞれの接合面に同一形状をした回折格子溝が形成されており、両回折素子要素6,7の一方の面の回折格子溝の山の部分と、他方の面の回折格子溝の谷の部分とが嵌合して、密着されており、その密着した部分に回折格子溝1が形成されている。この回折格子溝1は断面鋸歯波形状をしており、坂2と壁3で構成されている。そして、この回折格子溝1の壁3の部分でのフレアー発生を防ぐために、壁3に遮光膜5aを形成して入射光を遮光しているため、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えることができる。
【0022】
また、図1(B)は分離複層回折光学素子の場合を示しており、互いに異なる材質からなる、坂21と壁31から構成される鋸歯波形状の第1の回折格子溝11を有した第1の回折素子要素16と、坂22と第1の回折格子溝11の壁31の高さd11と異なる高さd12を有する壁32から構成される鋸歯波形状の第2の回折格子溝12を有した第2の回折素子要素17とから構成され、これらの回折格子溝11,12が互いに極めて近接した距離で対向して配置されている。この分離複層型回折光学素子でも、壁の部分で発生するフレアーを抑えるために、壁31,32に遮光膜51a,52aをそれぞれ形成して入射光を遮光しているため、入射光の入射角度に対するフレアーの発生率を抑えることができる。なお、上述の回折格子溝1,11,12はいずれも鋸歯波形状をしているが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0023】
次にこの遮光膜の形成方法について図2を用いて説明する。図2は密着複層型回折光学素子の回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを形成する工程を示している。なお、ここでは、遮光膜5aの形成について説明し、回折素子要素6,7の製造方法については省略する。まず、第1の回折素子要素6の回折格子溝1を構成する坂2の部分に酸化タングステン(WO3)等を材料とする剥離性の膜4を形成する。このとき、回折格子溝1を構成する壁3の部分にはこの剥離性の膜4は形成されず、回折格子溝1の坂2の部分のみに剥離性の膜4が形成されるように、膜形成条件を設定する(図2(A))。次に、この回折格子溝1の全面に黒色塗料5を塗布する(図2(B))。そして、剥離性の膜4をアルカリ等で溶解させることで、坂2の部分に塗布された黒色塗料5を剥離性の膜4とともに除去すると、回折格子溝1の壁3の部分に黒色塗料5が残り遮光膜5aが形成される(図2(C))。最後に、第2の回折格子要素7を組み合わせることにより回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを有した密着複層型回折光学素子を作ることができる(図2(D))。
【0024】
なお、この遮光膜5aは、筆や刷毛を用いて、回折格子溝1の壁3のみに黒色塗料を塗って遮光膜5aを形成しても同様の効果を得ることができる。また、分離複層型回折光学素子についても同様の方法で遮光膜を形成することができる。
【0025】
以上のように形成された複層型回折光学素子は、回折格子溝1,11,12のピッチpを50μm以上の緩いピッチとすることが好ましい。このようにすることで、回折格子溝の壁3,31,32が高くても、回折格子溝を所望の光路で進んでいく領域(例えば、密着複層型回折光学素子の場合、図4における領域r)が大きくなるため、入射光の入射角度に対する回折効率(角度特性)を向上させることが可能となる。なお、このピッチpを80μm以上にすると、さらに良い結果を得ることができる。
【0026】
また、本発明では、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子の形状を採る場合には、回折格子溝1の壁3の高さhを20μm以下にすることが好ましい。回折格子溝1の壁3の高さhが20μmより高くなると、回折格子溝1の壁2が高くなりすぎ上述の角度特性が悪化する。このとき、回折格子溝1の壁3の高さhが20μmより大きくなると、密着複層型回折光学素子の形状を採るよりも、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子の形状を採用した方が角度特性は良くなる。なお、上述の密着複層型回折光学素子の形状を採用する場合、回折格子溝1の壁3の高さhを18μm以下とすれば、さらに良い結果が得られる。
【0027】
また、本発明では、密着複層型回折光学素子の場合は、その回折素子要素6,7にガラスモールド用のガラス及び紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。これらの材質は型押し成型が可能であり、その結果、量産性が向上するという効果がある。同様に、分離複層型回折光学素子の場合は、両方の回折素子要素16,17を樹脂とすることが好ましい。この構成により、量産性が向上する。
【0028】
本発明の密着複層型回折光学素子において、より良い性能を得るための条件を式(1)〜(4)に示す。ここで、密着複層型回折光学素子を形成する2つの回折素子要素6,7のうち、一方の回折素子要素の材質のd線での屈折率をndGとし、アッベ数をνdGとしたとき、下の両式(1),(2)を満足し、且つ、他方の回折素子要素の材質のd線での屈折率をndRとし、アッベ数をνdRとしたとき、下の両式(3),(4)を満足することが好ましい。
【0029】
【数1】
1.55≦ndG≦1.70 … (1)
50≦νdG≦65 … (2)
1.50≦ndR≦1.65 … (3)
νdR≦45 … (4)
【0030】
以上の条件式において、特に、条件式(1)及び(3)は、良好な角度特性を得るためのものである。条件式(1)の下限を外れるか、条件式(3)の上限を外れると、回折格子溝1の壁3の高さhが非常に高くなってしまい、その結果、角度特性を悪くしてしまう。また、条件式(1)の上限を外れるか、条件式(3)の下限を外れると、互いに異なる物質が同一の回折格子溝1で接する密着複層型回折光学素子の形状を得ることが出来なくなる。
【0031】
条件式(2)及び(4)は、特に、全波長域で良好な回折効率を得るためのものであり、それぞれの条件範囲を外れると、全波長域で良好な回折効率を得ることができなくなる。
【0032】
ここで、条件式(1)の下限を1.57、上限を1.68、条件式(2)の下限を52、上限を63とする内の少なくとも一つに限定すると、さらに良い結果を得ることができる。また、条件式(3)の下限を1.52、上限を1.63、条件式(4)の下限を20、上限を43とする内の少なくとも一つに限定すると、さらに良い結果を得ることができる。
【0033】
【実施例】
これらの実施例を以下に示す。なお、第1および第2実施例は図1(A)に示すような密着複層型回折光学素子の場合であり、第3および第4実施例は図1(B)に示すような分離複層型回折光学素子の場合である。
【0034】
(第1実施例)
本実施例は、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子で構成した場合であり、ガラスモールド用のガラス(第1の回折素子要素6)を住田光学ガラス社製VC78(ndG=1.66910,νdG=55.4)とし、紫外線硬化樹脂(第2の回折素子要素7)をアデール社製HV16(ndR=1.5980,νdR=28.0)とし、回折格子溝1の高さhを8.0μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で、高い回折効率を得ることができた。
【0035】
(第2実施例)
本実施例は、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子で構成した場合であり、ガラスモールド用のガラス(第1の回折素子要素6)を住田光学ガラス社製P−SK50(ndG=1.59380,νdG=61.4)とし、紫外線硬化樹脂(第2の回折素子要素7)を紫外線硬化樹脂a(ndR=1.5499,νdR=41.6)とし、回折格子溝1の高さhを12.7μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。
【0036】
(第3実施例)
本実施例は、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子で構成した場合であり、第1の回折素子要素16を紫外線硬化樹脂b(nd=1.635,νd=22.8)とし、第2の回折素子要素17を紫外線硬化樹脂c(nd=1.524,νd=50.8)とし、回折格子溝11の高さd11を7.90μmとし、回折格子溝12の高さd12を10.71μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。なお、ndは各々の回折素子要素の屈折率であり、νdはアッベ数である。この定義は第4実施例でも同様である。
【0037】
(第4実施例)
本実施例は、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子で構成した場合であり、第1の回折素子要素16をPC(ポリカーボネート)(nd=1.5831,νd=30.2)とし、第2の回折素子要素17をPMMA(ポリメチルメタクリレート)(nd=1.4917,νd=57.4)とし、回折格子溝11の高さd11を3.34μmとし、回折格子溝12の高さd12を15.16μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る回折光学素子のように、回折格子溝の壁に遮光手段を有する(例えば遮光膜を形成する)ことで、フレアーの発生を抑え、回折光学素子の性能を向上させた複層型回折光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回折光学素子の一実施形態を示す複層型回折光学素子の模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子を示す模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る回折光学素子の遮光膜の形成方法を(A)から(D)の順で示す図である。
【図3】従来の回折光学素子の構成を示す模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子を示す模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子を示す模式断面図である。
【図4】回折光学素子の回折格子溝を所望の光路で進む領域を示す模式断面図であり、(A)は複層型回折光学素子の場合であり、(B)は単層型回折光学素子の場合である。
【符号の説明】
1 回折格子溝
2 坂
3 壁
5a 遮光膜
6 第1の回折素子要素
7 第2の回折素子要素
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射した光に対して回折光束を生じさせる回折光学素子に関し、特に、広波長領域で使用可能な回折光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
回折光学素子は、微小間隔(約1mm)当り数百本程度の細かい等間隔のスリット状若しくは溝状の格子構造を備えて作られた光学素子であり、光が入射されると、スリットや溝のピッチ(間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、回折格子溝を同心円状に形成し、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。
【0003】
このような回折光学素子においては近年、複層型と呼ばれる回折光学素子が提案されてきている。このタイプの回折光学素子は、鋸歯波状に形成された面を持つ複数の回折素子要素を積み重ねてなるものであり、所望の広波長領域(例えば可視光領域でg線(435.8nm)からC線(656.3nm)まで)のほぼ全域で高い回折効率(90%以上)が保たれる、すなわち波長特性が良好であるという特徴を有している。
【0004】
一般に複層型回折光学素子の構造は、例えば図3(A)に示すように、同一の回折格子溝100で、ガラス60と樹脂70とが貼り合わされた密着複層型回折光学素子や、図3(B)に示すように、第1の回折格子溝110を有する第1の回折素子要素160と、第2の回折格子溝120を有する第2の回折素子要素170とから構成され、それぞれの回折格子溝110,120が極めて接近した距離で対向させて配置されており、例えば空気130を挟んで分離された状態で配置されている分離複層型回折光学素子がある。ここで、例えば分離複層型回折光学素子の場合、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1の回折素子要素160の第1の回折格子溝110の高さd110を所定の値に決定し、第2の回折素子要素170の第2の回折格子溝120の高さd120を所定の値に決定する。これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対しても、かなり高い回折効率を得ることができるようになる。なお、本明細書中で、回折効率とは、透過型の回折光学素子において、入射する光の強度I0と一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0×100%)とする。
【0005】
しかしながら、このような構成の複層型回折光学素子では、広波長領域で回折効率を高くすることができるが、図4(B)に示される一般に良く使用されている単層型回折光学素子に比べて、入射光の入射角度の変化に対する回折効率(以下、「角度特性」と呼ぶ)の低下の度合いが悪くなる場合があるという問題がある。単層型回折光学素子では回折格子溝のピッチが0.1mm程度で回折効率90%以下となる入射角は30度程度である。これに対して、複層型回折光学素子では、同様の回折格子溝のピッチ(0.1mm程度)で回折効率90%以下となる入射角は10度程度となってしまう。
【0006】
複層型回折光学素子の角度特性が単層型回折光学素子の角度特性より悪いのは、回折格子溝の壁の高さの違いによるものである。図4(B)に示す単層型回折光学素子の回折格子溝20の壁の高さd20は1μm程度であるのに対し、複層型回折光学素子の壁の高さは10μm程度以上になってしまう。特に、図4(A)に示す分離複層型回折光学素子の場合、回折格子溝10の壁の高さd10は20μm程度以上になる。
【0007】
このように、回折格子溝の壁の高さに違いがあると、図4に示すように同じ入射角度αで入射する入射光のうち、回折格子溝を所望の光路で進んでいく領域r,r′が変化することになる。図4(B)で示す単層型回折光学素子の前記領域r′に比べて、図4(A)で示す複層型回折光学素子の前記領域rは狭くなっており、このため角度特性が悪くなる。
【0008】
一方、このような入射光のうち、回折光学素子の壁(例えば、図4(A)に示す複層型回折光学素子の壁30)を透過する光束は、壁30の部分で所望外の光路を辿る不要光(以下、「フレアー」と呼ぶ。)となり、所定外の部分への到達光となってしまい、入射光の入射角度の増加にともないフレアーの発生率も増加するため、回折光学素子の性能を悪化させる。ここでフレアーは、壁30の状態によって、通常の反射光(全反射も含む)A又は、散乱光B等として発生する。このフレアーを発生する領域fLは、図4(B)に示すように、回折格子溝の壁の高さが低いと、このフレアーを発生する領域fL′も狭くなり、フレアーが発生しにくい。
【0009】
上述のような回折光学素子におけるフレアーを減少させる方法として、回折光学素子の入射面(または出射面)に回折格子溝の壁の部分に入射する(あるいは出射する)光を遮光する遮光手段を有するように構成するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−48906号公報(第3頁、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回折光学素子の入射面(又は出射面)に遮光手段を形成するような構成によると、回折格子溝の壁と正確に対応した入射面(または出射面)の位置に遮光手段を形成しなければならず、回折光学素子の製造が困難であるという課題があった。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、フレアーの発生を抑えた複層型回折光学素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る回折光学素子は、互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素と第2の回折素子要素とが密着接合され、これらの回折素子要素の接合面に所定形状の回折格子溝が形成されており、この回折格子溝の壁の部分に遮光手段(例えば、実施形態における遮光膜5a)を有するように構成される。
【0014】
なお、両回折素子要素の一方の材質がガラスモールド用のガラスであり、他方の材質が樹脂であるように構成されることが好ましい。
【0015】
また、両回折素子要素の一方のd線での屈折率をndGとし、アッベ数をνdGとしたとき、式1.55≦ndG≦1.70及び50≦νdG≦65を満足し、且つ、両回折素子要素の他方のd線での屈折率をndRとし、アッベ数をνdRとしたとき、式1.50≦ndR≦1.65及びνdR≦45を満足するように構成されることが好ましい。
【0016】
また、回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることが好ましい。
【0017】
また、回折格子溝の壁の高さが20μm以下であることが好ましい。
【0018】
あるいは、本発明に係る回折光学素子は、互いに異なる材質からなる所定形状の第1の回折格子溝が形成された第1の回折素子要素と、この第1の回折格子溝の高さと異なる高さを有する所定形状の第2の回折格子溝が形成された第2の回折素子要素とを有し、第1の回折格子溝が形成された面と第2の回折格子溝が形成された面とが互いに対向し且つ所定間隔を有するように配設されており、第1の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有し、第2の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有するように構成される。
【0019】
なお、第1の回折素子要素の材質と、第2の回折素子要素の材質が樹脂で構成されることが好ましい。
【0020】
また、第1の回折格子溝と第2の回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、上述のように回折格子溝の壁の部分に入射する光により発生するフレアーを減少させて回折光学素子の性能を向上させるものであり、この壁の部分に遮光処理(例えば遮光膜を形成)して、所望外の光路を辿るフレアーを抑えるように構成されたものである。まず、図1を用いてこの遮光処理について説明する。図1(A)は密着複層型回折光学素子の場合を示しており、互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素6と第2の回折素子要素7とが密着接合されて構成されている。これらの回折素子要素6,7のそれぞれの接合面に同一形状をした回折格子溝が形成されており、両回折素子要素6,7の一方の面の回折格子溝の山の部分と、他方の面の回折格子溝の谷の部分とが嵌合して、密着されており、その密着した部分に回折格子溝1が形成されている。この回折格子溝1は断面鋸歯波形状をしており、坂2と壁3で構成されている。そして、この回折格子溝1の壁3の部分でのフレアー発生を防ぐために、壁3に遮光膜5aを形成して入射光を遮光しているため、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えることができる。
【0022】
また、図1(B)は分離複層回折光学素子の場合を示しており、互いに異なる材質からなる、坂21と壁31から構成される鋸歯波形状の第1の回折格子溝11を有した第1の回折素子要素16と、坂22と第1の回折格子溝11の壁31の高さd11と異なる高さd12を有する壁32から構成される鋸歯波形状の第2の回折格子溝12を有した第2の回折素子要素17とから構成され、これらの回折格子溝11,12が互いに極めて近接した距離で対向して配置されている。この分離複層型回折光学素子でも、壁の部分で発生するフレアーを抑えるために、壁31,32に遮光膜51a,52aをそれぞれ形成して入射光を遮光しているため、入射光の入射角度に対するフレアーの発生率を抑えることができる。なお、上述の回折格子溝1,11,12はいずれも鋸歯波形状をしているが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0023】
次にこの遮光膜の形成方法について図2を用いて説明する。図2は密着複層型回折光学素子の回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを形成する工程を示している。なお、ここでは、遮光膜5aの形成について説明し、回折素子要素6,7の製造方法については省略する。まず、第1の回折素子要素6の回折格子溝1を構成する坂2の部分に酸化タングステン(WO3)等を材料とする剥離性の膜4を形成する。このとき、回折格子溝1を構成する壁3の部分にはこの剥離性の膜4は形成されず、回折格子溝1の坂2の部分のみに剥離性の膜4が形成されるように、膜形成条件を設定する(図2(A))。次に、この回折格子溝1の全面に黒色塗料5を塗布する(図2(B))。そして、剥離性の膜4をアルカリ等で溶解させることで、坂2の部分に塗布された黒色塗料5を剥離性の膜4とともに除去すると、回折格子溝1の壁3の部分に黒色塗料5が残り遮光膜5aが形成される(図2(C))。最後に、第2の回折格子要素7を組み合わせることにより回折格子溝1の壁3に遮光膜5aを有した密着複層型回折光学素子を作ることができる(図2(D))。
【0024】
なお、この遮光膜5aは、筆や刷毛を用いて、回折格子溝1の壁3のみに黒色塗料を塗って遮光膜5aを形成しても同様の効果を得ることができる。また、分離複層型回折光学素子についても同様の方法で遮光膜を形成することができる。
【0025】
以上のように形成された複層型回折光学素子は、回折格子溝1,11,12のピッチpを50μm以上の緩いピッチとすることが好ましい。このようにすることで、回折格子溝の壁3,31,32が高くても、回折格子溝を所望の光路で進んでいく領域(例えば、密着複層型回折光学素子の場合、図4における領域r)が大きくなるため、入射光の入射角度に対する回折効率(角度特性)を向上させることが可能となる。なお、このピッチpを80μm以上にすると、さらに良い結果を得ることができる。
【0026】
また、本発明では、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子の形状を採る場合には、回折格子溝1の壁3の高さhを20μm以下にすることが好ましい。回折格子溝1の壁3の高さhが20μmより高くなると、回折格子溝1の壁2が高くなりすぎ上述の角度特性が悪化する。このとき、回折格子溝1の壁3の高さhが20μmより大きくなると、密着複層型回折光学素子の形状を採るよりも、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子の形状を採用した方が角度特性は良くなる。なお、上述の密着複層型回折光学素子の形状を採用する場合、回折格子溝1の壁3の高さhを18μm以下とすれば、さらに良い結果が得られる。
【0027】
また、本発明では、密着複層型回折光学素子の場合は、その回折素子要素6,7にガラスモールド用のガラス及び紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。これらの材質は型押し成型が可能であり、その結果、量産性が向上するという効果がある。同様に、分離複層型回折光学素子の場合は、両方の回折素子要素16,17を樹脂とすることが好ましい。この構成により、量産性が向上する。
【0028】
本発明の密着複層型回折光学素子において、より良い性能を得るための条件を式(1)〜(4)に示す。ここで、密着複層型回折光学素子を形成する2つの回折素子要素6,7のうち、一方の回折素子要素の材質のd線での屈折率をndGとし、アッベ数をνdGとしたとき、下の両式(1),(2)を満足し、且つ、他方の回折素子要素の材質のd線での屈折率をndRとし、アッベ数をνdRとしたとき、下の両式(3),(4)を満足することが好ましい。
【0029】
【数1】
1.55≦ndG≦1.70 … (1)
50≦νdG≦65 … (2)
1.50≦ndR≦1.65 … (3)
νdR≦45 … (4)
【0030】
以上の条件式において、特に、条件式(1)及び(3)は、良好な角度特性を得るためのものである。条件式(1)の下限を外れるか、条件式(3)の上限を外れると、回折格子溝1の壁3の高さhが非常に高くなってしまい、その結果、角度特性を悪くしてしまう。また、条件式(1)の上限を外れるか、条件式(3)の下限を外れると、互いに異なる物質が同一の回折格子溝1で接する密着複層型回折光学素子の形状を得ることが出来なくなる。
【0031】
条件式(2)及び(4)は、特に、全波長域で良好な回折効率を得るためのものであり、それぞれの条件範囲を外れると、全波長域で良好な回折効率を得ることができなくなる。
【0032】
ここで、条件式(1)の下限を1.57、上限を1.68、条件式(2)の下限を52、上限を63とする内の少なくとも一つに限定すると、さらに良い結果を得ることができる。また、条件式(3)の下限を1.52、上限を1.63、条件式(4)の下限を20、上限を43とする内の少なくとも一つに限定すると、さらに良い結果を得ることができる。
【0033】
【実施例】
これらの実施例を以下に示す。なお、第1および第2実施例は図1(A)に示すような密着複層型回折光学素子の場合であり、第3および第4実施例は図1(B)に示すような分離複層型回折光学素子の場合である。
【0034】
(第1実施例)
本実施例は、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子で構成した場合であり、ガラスモールド用のガラス(第1の回折素子要素6)を住田光学ガラス社製VC78(ndG=1.66910,νdG=55.4)とし、紫外線硬化樹脂(第2の回折素子要素7)をアデール社製HV16(ndR=1.5980,νdR=28.0)とし、回折格子溝1の高さhを8.0μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で、高い回折効率を得ることができた。
【0035】
(第2実施例)
本実施例は、図1(A)に示す密着複層型回折光学素子で構成した場合であり、ガラスモールド用のガラス(第1の回折素子要素6)を住田光学ガラス社製P−SK50(ndG=1.59380,νdG=61.4)とし、紫外線硬化樹脂(第2の回折素子要素7)を紫外線硬化樹脂a(ndR=1.5499,νdR=41.6)とし、回折格子溝1の高さhを12.7μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度の増加に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。
【0036】
(第3実施例)
本実施例は、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子で構成した場合であり、第1の回折素子要素16を紫外線硬化樹脂b(nd=1.635,νd=22.8)とし、第2の回折素子要素17を紫外線硬化樹脂c(nd=1.524,νd=50.8)とし、回折格子溝11の高さd11を7.90μmとし、回折格子溝12の高さd12を10.71μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。なお、ndは各々の回折素子要素の屈折率であり、νdはアッベ数である。この定義は第4実施例でも同様である。
【0037】
(第4実施例)
本実施例は、図1(B)に示す分離複層型回折光学素子で構成した場合であり、第1の回折素子要素16をPC(ポリカーボネート)(nd=1.5831,νd=30.2)とし、第2の回折素子要素17をPMMA(ポリメチルメタクリレート)(nd=1.4917,νd=57.4)とし、回折格子溝11の高さd11を3.34μmとし、回折格子溝12の高さd12を15.16μmとした。このように構成することで、入射光の入射角度に対するフレアー発生率の増加を抑えるとともに、g線からC線までの波長領域で高い回折効率を得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る回折光学素子のように、回折格子溝の壁に遮光手段を有する(例えば遮光膜を形成する)ことで、フレアーの発生を抑え、回折光学素子の性能を向上させた複層型回折光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回折光学素子の一実施形態を示す複層型回折光学素子の模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子を示す模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る回折光学素子の遮光膜の形成方法を(A)から(D)の順で示す図である。
【図3】従来の回折光学素子の構成を示す模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子を示す模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子を示す模式断面図である。
【図4】回折光学素子の回折格子溝を所望の光路で進む領域を示す模式断面図であり、(A)は複層型回折光学素子の場合であり、(B)は単層型回折光学素子の場合である。
【符号の説明】
1 回折格子溝
2 坂
3 壁
5a 遮光膜
6 第1の回折素子要素
7 第2の回折素子要素
Claims (8)
- 互いに異なる材質からなる第1の回折素子要素と第2の回折素子要素とが密着接合され、前記回折素子要素の接合面に所定形状の回折格子溝が形成されている回折光学素子であって、
前記回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有することを特徴とする回折光学素子。 - 前記両回折素子要素の一方の材質がガラスモールド用のガラスであり、前記両回折素子要素の他方の材質が樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
- 前記両回折素子要素の一方のd線での屈折率をndGとし、アッベ数をνdGとしたとき、両式
1.55≦ndG≦1.70
50≦νdG≦65
を満足し、且つ、前記両回折素子要素の他方のd線での屈折率をndRとし、アッベ数をνdRとしたとき、両式
1.50≦ndR≦1.65
νdR≦45
を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子。 - 前記回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回折光学素子。
- 前記回折格子溝の壁の高さが20μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回折光学素子。
- 互いに異なる材質からなる所定形状の第1の回折格子溝が形成された第1の回折素子要素と、前記第1の回折格子溝の高さと異なる高さを有する所定形状の第2の回折格子溝が形成された第2の回折素子要素とを有し、前記第1の回折格子溝が形成された面と前記第2の回折格子溝が形成された面とが互いに対向し且つ所定間隔を有して配設された回折光学素子であって、
前記第1の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有し、前記第2の回折格子溝の壁の部分に遮光手段を有することを特徴とする回折光学素子。 - 前記第1の回折光学素子要素の材質と前記第2の回折光学素子要素の材質がともに樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の回折光学素子。
- 前記第1の回折格子溝と前記第2の回折格子溝の最小ピッチが50μm以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の回折光学素子。
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