JP2004125857A - 複屈折板および光学ローパスフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般的な方法で研磨をし、目視で区別可能に例えば45°と各々所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成できるようにする。
【解決手段】光学ローパスフィルタを構成する3枚の水晶片を、5つのオリエンテーションフラットを備えた略円形の水晶片100から構成するようにしたものである。水晶片100は、オリフラ101、オリフラ102、オリフラ103、オリフラ104、オリフラ105を各々同一の長さで備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】光学ローパスフィルタを構成する3枚の水晶片を、5つのオリエンテーションフラットを備えた略円形の水晶片100から構成するようにしたものである。水晶片100は、オリフラ101、オリフラ102、オリフラ103、オリフラ104、オリフラ105を各々同一の長さで備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶などの複屈折板を用いた複屈折板および光学ローパスフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
色フィルタアレイを用いて3色(RGB)信号を得る単板式のカラー撮像素子では、色フィルタアレイのピッチ相当の高い空間周波数成分の信号が入ってくると、モアレと呼ばれる偽色信号が発生する。偽色信号が発生すると、撮影したカラー画像は著しく劣化する。また、CCD撮像素子やCMOS撮像素子などの固体撮像素子では、光電変換を行う各画素がディスクリートな形で分離しているため、明暗の周期が各画素のピッチの1/2以下の高い空間周波数成分が入ってくると、高周波成分の折り返し像が低周波成分として出力される偽解像信号が発生し、撮影した像の解像度を低下させる要因となっている。
【0003】
以上のような撮像素子における問題を避けるために、光学ローパスフィルタが用いられ、高い空間周波数成分を抑えることにより像を故意にぼかすようにしている。光学ローパスフィルタとしては、水晶などの複屈折を有する結晶板(平行平板)が主に用いられている。複屈折を有する結晶板を用いる光学ローパスフィルタは、光像の異常光を常光から画素間の距離に対応する距離だけずらして結像させることで光像をぼかし、上記問題の発生原因となる高周波成分をカットするようにしている。
【0004】
このような複屈折板を用いた光学ローパスフィルタでは、一般に、1枚の複屈折板で2点分離が実現でき、2枚の複屈折板で4点分離が実現でき、3枚の複屈折板7点〜8点分離が実現でき、分離の数が多いほど光像をぼかす効果が大きくなる。例えば、光像をぼかすより大きな効果を得ようとする場合、切断角度45°,分離方向45°の水晶板と、切断角度45°,分離方向0°の水晶板と、切断角度45°,分離方向−45°の水晶板とを、入射光が通過する光路上に配置して組み合わせ、8点分離の光学ローパスフィルタとすればよい。なお、切断角度は、結晶板の光学軸と、結晶板の入射面とのなす角度を示すものである。
【0005】
ところで、上述したように、分離方向が各々45°異なる3枚の水晶板を組み合わせる場合、同じ水晶板を45°ずつ回転させて組み合わせればよい。ここで、正8角形の3枚の水晶板を用い、互いに光軸を45°ずつずらして積層することを容易に行えるようにし、また、材料の無駄を抑制した技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この技術では、まず、図11に示すように、比較的大きな水晶母材1101から切断角度45°で厚さ20mm程度の水晶板1102を切り出す。次いで、図12に示すように、水晶板1102から正8角形の複数の水晶片1103を切り出す。これら切り出した複数の水晶片1103の中より、任意の3枚の水晶片1103を選択し、図13(a),(b),(c)に示すように、3枚の水晶片1103を45°ずつずらして配置し、これらを重ねることで、図13(d)に示すように、分離方向が各々45°異なる3枚の水晶片からなる光学ローパスフィルタが得られる。
【0007】
この技術では、水晶片1103の形状を、隣り合う辺のなす角度が135°となっている正8角形としてあるので、45°ずつずらして配置させることが、容易となっている。また、8角形の水晶片を切り出すようにしているので、円形の水晶片などを切り出す場合に比較し、材料の無駄が抑制できるようになる。
【0008】
【特許文献1】
特公平2−54927号公報
【特許文献2】
特開平6−190717号公報
【0009】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件の出願時までに発見するには至らなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の技術では、まず、水晶片1103が45°回転しても、目視形状に何ら変化はない。このため、水晶片1103とこれに対して45°回転させる水晶片1103とが、互いに45°回転している状態を、目視で確認することができない。例えば、図13(a)に示す状態と、図13(b)に示す状態とを目視で区別することができない。
【0011】
また、上記技術においては、8角形の水晶片の表面を研磨することが容易でないという問題があった。
水晶片は、例えば両面研磨機により両面を鏡面状態に研磨して使用する。図14は、公知の両面研磨装置の部分的な構成を概略的に示す平面図(a)と断面図(b)である。この両面研磨装置は、両面研磨を行う水晶片1402をキャリア1403で保持し、キャリア1403の外周歯に太陽歯車1404と内歯歯車1405の各歯部を噛合させてキャリア1403を自転と同時に公転させるようにしたものである。定盤(下定盤)1401と上定盤1411との間では、上述したようにキャリア1403が自転,公転して移動し、また、上定盤1411に設けられた研磨剤供給穴1412より研磨剤が供給された状態となっている。
【0012】
また、定盤1401と上定盤1411は、互いに異なる方向に回転している。従って、キャリア1403に保持されている水晶片1402は、研磨剤を介して研磨布が貼着された定盤1401及び上定盤1411と摺動している。この摺動により、水晶片1402の下面が定盤1401との間の研磨剤中の砥粒により研磨され、水晶片1402の上面が上定盤1411との間の研磨剤中の砥粒により研磨される。
このような研磨装置では、キャリア1403が時点及び公転しているときに、上定盤1411と定盤1401とに挟まれている水晶片1402が回転自在となっていないと、水晶片1402の研磨状態が偏る。
【0013】
前述した従来の技術による正8角形の水晶片を研磨しようとすると、保持する部分が円形のキャリア1403では、正8角形の水晶片が研磨中に回転しにくい。このため、正8角形の水晶片などを回転させて高い面精度が得られるように研磨する場合、図15に示すような、外形が円形で内側が正8角形のインナーキャリアに正8角形の水晶片を固定し、これをキャリア1403に装填して回転自在な状態で研磨をするようにしている。
このように、正8角形の水晶片を研磨しようとすると、インナーキャリアを余分に必要とし、また、インナーキャリアを配置する面積が無駄になるので、より大きな寸法の水晶片を研磨しようとすると、一度に加工できる水晶片の数を減らすことになる。
【0014】
このように、上述した従来の技術では、複数の複屈折板を組み合わせる光学ローパスフィルタが、容易に製造できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、一般的な方法で研磨をし、目視で区別可能に各々を例えば45°と所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る複屈折板は、光学ローパスフィルタとする円板状の複屈折板であって、複屈折板は、第1オリエンテーションフラットと、この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、複屈折板の外周上で第1オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットとを備え、第1〜第5のオリエンテーションフラットは、各々同一の長さに形成され、第1オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラット及び第2オリエンテーションフラットと第3オリエンテーションフラット並びに第3オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットは、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されたものである。
この複屈折板は、外周部に曲線部を備えており、円形の枠内に配置しても、回転自在な状態となっている。
【0016】
上記複屈折板において、第1オリエンテーションフラットと第2オリエンテーションフラットは、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されていてもよく、この場合、第4オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラットも、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されているようになる。
また、上記複屈折板において、外周の所定の箇所にノッチを備えるようにすることで、表裏の区別が目視で可能となる。
【0017】
また、本発明に係る光学ローパスフィルタの製造方法は、第1オリエンテーションフラットと、この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、複屈折板の外周上で第1オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットとを備え、第1〜第5のオリエンテーションフラットが各々同一の長さに形成され、第1オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラット、第2オリエンテーションフラットと第3オリエンテーションフラット及び第3オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットが、各々外周を構成する円弧を介して配置され状態に形成された複数の複屈折板を用意する工程と、複数の複屈折板を、第1〜第5のオリフラのいずれか3つを一致させて各々異なる回転状態で重ねる工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、複数の複屈折板が、互いに45°の整数倍回転状態が異なる状態で重ね合わされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における複屈折板の構成例を示す平面図である。本実施の形態では、光学ローパスフィルタを製造するための複屈折板を、5つのオリエンテーションフラットを備えた略円形の水晶片(複屈折板)100から構成するようにしたものである。水晶片100は、オリエンテーションフラット(オリフラ)101、オリフラ102、オリフラ103、オリフラ104、オリフラ105を各々同一の長さで備えている。
【0019】
まず、オリフラ101とオリフラ102は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。オリフラ102とオリフラ103は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。オリフラ103とオリフラ104は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。従って、点線の丸により示すオリフラ102とオリフラ104は平行な関係となっている。また、オリフラ104とオリフラ105は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。従って、オリフラ105とオリフラ101は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。
【0020】
この後、各水晶片の両面を鏡面に研磨し、これらを組み合わせれば、光学ローパスフィルタが形成できる。
このように、本実施の形態では、円弧の部分を残して同一の長さの5つのオリフラを備えた複数の水晶片100から、光学ローパスフィルタを構成した。光学ローパスフィルタは、例えば2枚や3枚の水晶片を、各々45°ずつ回転させて組み合わせることで構成することができる。
【0021】
図1は、3枚の水晶片より光学ローパスフィルタを構成する場合を示しているが、水晶片100は、例えば、図1(a)に示すように、水晶片100の対向配置されたオリフラ102からオリフラ104の方向に垂直な方向を分離方向0°としてある。この状態より反時計回りに135°回転させると、図1(b)に示すように、オリフラ105,101,103が、図1(a)の水晶片100のオリフラ102,103,105の箇所に位置する状態となる。
【0022】
また、図1(a)に示す状態より時計回りに90°回転させると、図1(c)に示すように、オリフラ103,104,101が、図1(a)の水晶片100のオリフラ102,103,105の箇所に位置する状態となる。
これら、図1(a)の水晶片100と、図1(b)の水晶片100と、図1(c)の水晶片100とを、図1(a),(b),(c)に示す回転状態で貼り合わせれば、図1(d)に示す分離方向が45°ずつ異なる3枚の水晶片からなる光学ローパスフィルタとなる。
【0023】
このように、本実施の形態によれば、円弧の部分を残して同一の長さの5つのオリフラを備えた複数の水晶片から光学ローパスフィルタを構成するようにしたので、同じ水晶片を45°ずつ回転させて組み合わせることが容易に行える。
また、本実施の形態によれば、水晶片100は5つのオリフラを備えるが、水晶片100の他の周辺部は円弧で形成されている。このため、図14に示す研磨装置により研磨をするときに、キャリア1403の中で回転自在な状態が得られる。
【0024】
また、図1(a)に示す回転状態の水晶片100では、互いに平行なオリフラ102,104が、横方向に配置され、図1(b)に示す回転状態の水晶片100では、オリフラ102,104が、45°傾いた方向に配置され、図1(c)に示す回転状態の水晶片100では、オリフラ102,104が、縦方向に配置されているので、各回転状態が目視で容易に確認できる。
【0025】
つぎに、本実施の形態における複屈折板の作製について簡単に説明する。
まず、比較的大きな水晶母材から切断角度45°で所定の厚さの矩形の水晶片200を切り出す(図2(a))。水晶片200は、図2の紙面上下方向が、分離方向0°となっているものである。次いで、図2(b)に示すように、水晶片200の隣り合う2つの角部を切り取り、6角形を形成する。切り取って形成した新たな辺は、隣り合う辺とのなす角度が135°となっている。
【0026】
つぎに、図2(b)の一点破線で示すように、6角形の6個の角を切り取って円弧を形成すれば、図2(c)に示すように、オリフラ201,202,203,204,205が形成される。オリフラ202,203,204は、矩形の水晶片200の3つの辺を利用することで作製されている。
【0027】
オリフラ201とオリフラ202は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。オリフラ202とオリフラ203は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。オリフラ203とオリフラ204は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。従って、点線の丸により示すオリフラ202とオリフラ204は平行な関係となっている。また、オリフラ204とオリフラ205は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。従って、オリフラ205とオリフラ201は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。
【0028】
ところで、光学ローパスフィルタは、同時に反射防止膜や赤外線カットフィルタ膜などの機能膜が形成された状態で使用される。言い換えると、機能膜を形成した水晶片を、分離方向が45°ずつ回転させて組み合わせることで、前述したように光学ローパスフィルタを構成している。ここで、前述したような円弧の部分を残して5つのオリフラを備えた水晶片を用いることで、以降に説明するように、部品(水晶片)を共通化した状態で種々の分離パターンの光学ローパスフィルタが形成できる。
【0029】
例えば、図3(a)に示すように、矢印で示す方向が分離方向となっている水晶片301を0°板301とすると、分離方向を軸として0°板301を裏返して反時計回りに90°回転させると、図3(b)に示すように、90°板302となる。ここで、各水晶片には、ノッチ310が設けられているので、0°板301と90°板302との区別が、目視により行える。このように、ノッチ310は、表裏の区別を目視により行うために設けるので、水晶片の対称軸より離れた箇所に配置する。
【0030】
また、0°板301を反時計回りに回転させると、図3(c)に示すように、135°板303となる。また、分離方向を軸として0°板301を裏返して反時計回りに45°回転させると、図3(d)に示すように、45°板304となる。135°板303と45°板304との区別は、ノッチ310が設けられているので、目視により行える。
【0031】
以下、上述した4つの水晶片のいずれか3枚を組み合わせた光学ローパスフィルタについて説明する。
まず、図4に示すように、板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの90°板302とを組み合わせることで、図4(e)の白丸で示すように8点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図4に示す向きの状態で、0°板301の上に135°板303を重ね、135°板303の上に90°板302を重ね、図4(d)に示すような状態とする。
【0032】
また、図4の紙面から見て0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と135°板303と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0033】
ここで、0°板301を裏返して90°回転したものが90°板であるため、実際の製造においては、0°板301と90°板302とは同一の基板である。従って、図4に示す組み合わせの光学ローパスフィルタは、板厚Tで片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片(0°板301及び90°板302)と、板厚T/21/2の機能膜のない上記水晶片との2種類を用意すれば製造できる。このように、本実施の形態において、一方の面に同一の機能膜を形成する場合、0°板301と90°板302は、全く同一のものとなる。
【0034】
ところで、上述した3枚の水晶片の貼り合わせは、図5に示すような治具を用いることで行えばよい。図4に示した組み合わせにおいては、図4(d)に示すように、円弧を介して互いに垂直な2つのオリフラ部401,402と、オリフラ部401と135°の角度をなすオリフラ部403と、オリフラ部403と円弧を介して90°の角度をなすオリフラ部404とが、3枚の水晶片に共通の配置となっている。この状態で、例えば、オリフラ部401,402を図5に示す受け治具501に当接させた状態で、オリフラ部404に押し付け治具502を押し付ければ、3つの水晶片がずれることなく重なった状態が得られる。
【0035】
つぎに、他の組み合わせについて説明する。
図6に示すように、板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の45°板304と板厚Tの90°板302とを組み合わせることで、図6(e)の白丸で示すように8点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図6に示す向きの状態で、0°板301の上に45°板304を重ね、45°板304の上に90°板302を重ね、図6(d)に示すような状態とする。
【0036】
また、図6の紙面から見て0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と45°板304と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0037】
ここで、前述したように、実際の製造においては、0°板301と90°板302とは同一の基板である。従って、図6に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚Tで片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚T/21/2の機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0038】
また、図7に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの90°板302と板厚T/21/2の45°板304とを組み合わせることで、図7(e)の白丸で示すように7点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図7に示す向きの状態で、135°板303の上に90°板302を重ね、90°板302の上に45°板304を重ね、図7(d)に示すような状態とする。
【0039】
この場合、図7の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、45°板304の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と90°板302と45°板304とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0040】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。従って、図7に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚T/21/2で片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚Tの機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0041】
また、図8に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の45°板304とを組み合わせることで、図8(e)の白丸で示すように7点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図8に示す向きの状態で、135°板303の上に0°板301を重ね、90°板302の上に45°板304を重ね、図8(d)に示すような状態とする。
【0042】
この場合、図8の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、45°板304の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と0°板301と45°板304とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0043】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。従って、図8に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚T/21/2で片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚Tの機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0044】
また、図9に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚T/21/2の45°板304と板厚Tの90°板302との組み合わせ、もしくは、板厚Tの0°板301と45°位相板901と板厚Tの90°板302との組み合わせにより、図9(i)の白丸で示すように4点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。
【0045】
なお、45°位相板901は、図11に示した水晶母材1101から切断角度0°で切り出した水晶板を切断した水晶片より構成されたものである。光が0°板301を通過すると、矢印で示す方向に常光と異常光が分離するが、常光と異常光は、偏光面が90°異なる偏光となっている。0°板301は、例えば、偏光方向が90°の常光と、偏光方向が0°の異常光とに分離する。一方、90°板302は、偏光方向が0°の常光と偏光方向が90°の異常光とに分離する。
【0046】
例えば、0°板301により分離された常光は、偏光方向が90°の偏光となっているため、偏光方向が0°の成分は含まれていない。このため、0°板301で分離された常光が90°板を通過しても、偏光方向が90°の成分の分離が行われず、2点に分離されない。
【0047】
ところで、0°板301により分離された偏光方向が90°の常光は、偏光方向が±45°の成分の光を、各々45%ずつ含んでいる。従って、0°板301により分離された常光が45°位相板901を通過すると、±45°の成分の光が分離される。同様に、0°板301により分離された異常光が45°位相板910を通過すると、異常光の中の±45°の成分の光が分離される。
【0048】
ここで、偏光方向が±45°の2つの成分からなる光が90°302に入射すれば、これらの中の0°の成分と90°の成分の偏光に分離される。従って、0°板301により分離された常光と異常光とは、45°位相板901を通過した後ならば、各々が90°板302により2点に分離され、結果として、図9(i)に示すように4点分離の状態が得られる。
【0049】
なお、図9に示す組み合わせの場合においても、図9の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と45°板304と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0050】
同様に、0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と45°位相板901と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0051】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。また、0°板301と90°板302とも同一の基板である。従って、図9に示す組み合わせの光学ローパスフィルタを製造する場合も、板の共通化を図ることができる。
また、前述した図4〜図9の例において、0°板301,90°板302は、全て板厚がTであり、135°板303,45°板304は、全て板厚がT/21/2である場合を示している。
【0052】
ところで、例えば、図4に示すように、5つのオリフラを備えた0°板301,135°板303,90°板302を貼り合わせた後、これらは、所定の寸法の複数の小片に切り出されて製品とされる。例えば、図10(a)に示すように、6mm×8mmの小片1001に切り出す。図10(a)に示すような寸法の板の場合、27枚の小片1001が切り出せる。
【0053】
これに対し、同様の寸法の8角形の板を用いた場合、図10(b)に示すように、番号17の小片が切り出せず、26枚の小片しか切り出すことができない。このように、本実施の形態のように、円弧の部分を備えることで、切り出せる小片の数を増加させることが可能となる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、同じ水晶片を45°ずつ回転させて組み合わせることが容易に可能となっている。また、本実施の形態によれば、インナーキャリアなどを用いることなく、一般的な手法で水晶片の研磨が行える。また、本実施の形態では、水晶片の分離方向の回転状態が目視で容易に確認できる。
【0055】
なお、上述では、水晶を例にして説明したが、本発明の適用範囲はこれに限るものではなく、ニオブ酸リチウムなど、複屈折を有する他の結晶であっても同様の作用効果を奏するものである。また、本発明は、2枚の複屈折板を組み合わせて作製する光学ローパスフィルタや、4枚以上の複屈折板を組み合わせて作製する光学ローパスフィルタに適用しても良いことは、いうまでもない。また、分離方向は、上述した実施の形態の方向に限るものではなく、どの方向であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、5つのオリフラを備えてこれらオリフラの間の外周部に曲線部を備えるように複屈折板を構成したので、複屈折板を円形の枠内に配置しても、これが回転自在な状態となっている。従って、本複屈折板は、一般的な研磨装置により研磨することが可能となっている。また、本発明では、上述した5つのオリフラを、互いに135°の角度に配置された状態と90°の角度に配置された状態のオリフラから構成したので、目視で区別可能に各々を例えば45°と所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成することが非常に容易となっている。
このように、本発明によれば、一般的な方法で研磨をし、目視で区別可能に例えば45°と各々所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光学ローパスフィルタを構成する各水晶片の構成例を示す平面図である。
【図2】図1の水晶片の作成方法を説明するための工程図である。
【図3】水晶片の回転状態を説明するための平面図である。
【図4】0°板と135°(45°)板と90°板とを組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図5】3枚の水晶片の貼り合わせに用いる治具の構成を示す平面図である。
【図6】0°板と45°板と90°板とを組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図7】135°(45°)板と90°板と45°板を組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図8】135°(45°)板と0°板と45°板を組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図9】4点分離を実現する光学ローパスフィルタの組み合わせを説明する平面図である。
【図10】水晶片が貼り合わされた状態より小片に切り出す状態を説明するための平面図である。
【図11】水晶母材1101より水晶板1102を切り出す状態を説明する概略的な断面図である。
【図12】水晶板より水晶片を切り出す概略的な平面図である。
【図13】8角形の水晶片を示す平面図である。
【図14】一般的な両面研磨機の一部構成を示す平面図と断面図である。
【図15】8角形の水晶片を研磨するときの用いるインナーキャリアの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
100…水晶片、101,102,103,104,105…オリエンテーションフラット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶などの複屈折板を用いた複屈折板および光学ローパスフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
色フィルタアレイを用いて3色(RGB)信号を得る単板式のカラー撮像素子では、色フィルタアレイのピッチ相当の高い空間周波数成分の信号が入ってくると、モアレと呼ばれる偽色信号が発生する。偽色信号が発生すると、撮影したカラー画像は著しく劣化する。また、CCD撮像素子やCMOS撮像素子などの固体撮像素子では、光電変換を行う各画素がディスクリートな形で分離しているため、明暗の周期が各画素のピッチの1/2以下の高い空間周波数成分が入ってくると、高周波成分の折り返し像が低周波成分として出力される偽解像信号が発生し、撮影した像の解像度を低下させる要因となっている。
【0003】
以上のような撮像素子における問題を避けるために、光学ローパスフィルタが用いられ、高い空間周波数成分を抑えることにより像を故意にぼかすようにしている。光学ローパスフィルタとしては、水晶などの複屈折を有する結晶板(平行平板)が主に用いられている。複屈折を有する結晶板を用いる光学ローパスフィルタは、光像の異常光を常光から画素間の距離に対応する距離だけずらして結像させることで光像をぼかし、上記問題の発生原因となる高周波成分をカットするようにしている。
【0004】
このような複屈折板を用いた光学ローパスフィルタでは、一般に、1枚の複屈折板で2点分離が実現でき、2枚の複屈折板で4点分離が実現でき、3枚の複屈折板7点〜8点分離が実現でき、分離の数が多いほど光像をぼかす効果が大きくなる。例えば、光像をぼかすより大きな効果を得ようとする場合、切断角度45°,分離方向45°の水晶板と、切断角度45°,分離方向0°の水晶板と、切断角度45°,分離方向−45°の水晶板とを、入射光が通過する光路上に配置して組み合わせ、8点分離の光学ローパスフィルタとすればよい。なお、切断角度は、結晶板の光学軸と、結晶板の入射面とのなす角度を示すものである。
【0005】
ところで、上述したように、分離方向が各々45°異なる3枚の水晶板を組み合わせる場合、同じ水晶板を45°ずつ回転させて組み合わせればよい。ここで、正8角形の3枚の水晶板を用い、互いに光軸を45°ずつずらして積層することを容易に行えるようにし、また、材料の無駄を抑制した技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この技術では、まず、図11に示すように、比較的大きな水晶母材1101から切断角度45°で厚さ20mm程度の水晶板1102を切り出す。次いで、図12に示すように、水晶板1102から正8角形の複数の水晶片1103を切り出す。これら切り出した複数の水晶片1103の中より、任意の3枚の水晶片1103を選択し、図13(a),(b),(c)に示すように、3枚の水晶片1103を45°ずつずらして配置し、これらを重ねることで、図13(d)に示すように、分離方向が各々45°異なる3枚の水晶片からなる光学ローパスフィルタが得られる。
【0007】
この技術では、水晶片1103の形状を、隣り合う辺のなす角度が135°となっている正8角形としてあるので、45°ずつずらして配置させることが、容易となっている。また、8角形の水晶片を切り出すようにしているので、円形の水晶片などを切り出す場合に比較し、材料の無駄が抑制できるようになる。
【0008】
【特許文献1】
特公平2−54927号公報
【特許文献2】
特開平6−190717号公報
【0009】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件の出願時までに発見するには至らなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の技術では、まず、水晶片1103が45°回転しても、目視形状に何ら変化はない。このため、水晶片1103とこれに対して45°回転させる水晶片1103とが、互いに45°回転している状態を、目視で確認することができない。例えば、図13(a)に示す状態と、図13(b)に示す状態とを目視で区別することができない。
【0011】
また、上記技術においては、8角形の水晶片の表面を研磨することが容易でないという問題があった。
水晶片は、例えば両面研磨機により両面を鏡面状態に研磨して使用する。図14は、公知の両面研磨装置の部分的な構成を概略的に示す平面図(a)と断面図(b)である。この両面研磨装置は、両面研磨を行う水晶片1402をキャリア1403で保持し、キャリア1403の外周歯に太陽歯車1404と内歯歯車1405の各歯部を噛合させてキャリア1403を自転と同時に公転させるようにしたものである。定盤(下定盤)1401と上定盤1411との間では、上述したようにキャリア1403が自転,公転して移動し、また、上定盤1411に設けられた研磨剤供給穴1412より研磨剤が供給された状態となっている。
【0012】
また、定盤1401と上定盤1411は、互いに異なる方向に回転している。従って、キャリア1403に保持されている水晶片1402は、研磨剤を介して研磨布が貼着された定盤1401及び上定盤1411と摺動している。この摺動により、水晶片1402の下面が定盤1401との間の研磨剤中の砥粒により研磨され、水晶片1402の上面が上定盤1411との間の研磨剤中の砥粒により研磨される。
このような研磨装置では、キャリア1403が時点及び公転しているときに、上定盤1411と定盤1401とに挟まれている水晶片1402が回転自在となっていないと、水晶片1402の研磨状態が偏る。
【0013】
前述した従来の技術による正8角形の水晶片を研磨しようとすると、保持する部分が円形のキャリア1403では、正8角形の水晶片が研磨中に回転しにくい。このため、正8角形の水晶片などを回転させて高い面精度が得られるように研磨する場合、図15に示すような、外形が円形で内側が正8角形のインナーキャリアに正8角形の水晶片を固定し、これをキャリア1403に装填して回転自在な状態で研磨をするようにしている。
このように、正8角形の水晶片を研磨しようとすると、インナーキャリアを余分に必要とし、また、インナーキャリアを配置する面積が無駄になるので、より大きな寸法の水晶片を研磨しようとすると、一度に加工できる水晶片の数を減らすことになる。
【0014】
このように、上述した従来の技術では、複数の複屈折板を組み合わせる光学ローパスフィルタが、容易に製造できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、一般的な方法で研磨をし、目視で区別可能に各々を例えば45°と所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る複屈折板は、光学ローパスフィルタとする円板状の複屈折板であって、複屈折板は、第1オリエンテーションフラットと、この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、複屈折板の外周上で第1オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットとを備え、第1〜第5のオリエンテーションフラットは、各々同一の長さに形成され、第1オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラット及び第2オリエンテーションフラットと第3オリエンテーションフラット並びに第3オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットは、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されたものである。
この複屈折板は、外周部に曲線部を備えており、円形の枠内に配置しても、回転自在な状態となっている。
【0016】
上記複屈折板において、第1オリエンテーションフラットと第2オリエンテーションフラットは、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されていてもよく、この場合、第4オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラットも、複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されているようになる。
また、上記複屈折板において、外周の所定の箇所にノッチを備えるようにすることで、表裏の区別が目視で可能となる。
【0017】
また、本発明に係る光学ローパスフィルタの製造方法は、第1オリエンテーションフラットと、この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、複屈折板の外周上で第1オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットとを備え、第1〜第5のオリエンテーションフラットが各々同一の長さに形成され、第1オリエンテーションフラットと第5オリエンテーションフラット、第2オリエンテーションフラットと第3オリエンテーションフラット及び第3オリエンテーションフラットと第4オリエンテーションフラットが、各々外周を構成する円弧を介して配置され状態に形成された複数の複屈折板を用意する工程と、複数の複屈折板を、第1〜第5のオリフラのいずれか3つを一致させて各々異なる回転状態で重ねる工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、複数の複屈折板が、互いに45°の整数倍回転状態が異なる状態で重ね合わされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における複屈折板の構成例を示す平面図である。本実施の形態では、光学ローパスフィルタを製造するための複屈折板を、5つのオリエンテーションフラットを備えた略円形の水晶片(複屈折板)100から構成するようにしたものである。水晶片100は、オリエンテーションフラット(オリフラ)101、オリフラ102、オリフラ103、オリフラ104、オリフラ105を各々同一の長さで備えている。
【0019】
まず、オリフラ101とオリフラ102は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。オリフラ102とオリフラ103は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。オリフラ103とオリフラ104は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。従って、点線の丸により示すオリフラ102とオリフラ104は平行な関係となっている。また、オリフラ104とオリフラ105は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。従って、オリフラ105とオリフラ101は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。
【0020】
この後、各水晶片の両面を鏡面に研磨し、これらを組み合わせれば、光学ローパスフィルタが形成できる。
このように、本実施の形態では、円弧の部分を残して同一の長さの5つのオリフラを備えた複数の水晶片100から、光学ローパスフィルタを構成した。光学ローパスフィルタは、例えば2枚や3枚の水晶片を、各々45°ずつ回転させて組み合わせることで構成することができる。
【0021】
図1は、3枚の水晶片より光学ローパスフィルタを構成する場合を示しているが、水晶片100は、例えば、図1(a)に示すように、水晶片100の対向配置されたオリフラ102からオリフラ104の方向に垂直な方向を分離方向0°としてある。この状態より反時計回りに135°回転させると、図1(b)に示すように、オリフラ105,101,103が、図1(a)の水晶片100のオリフラ102,103,105の箇所に位置する状態となる。
【0022】
また、図1(a)に示す状態より時計回りに90°回転させると、図1(c)に示すように、オリフラ103,104,101が、図1(a)の水晶片100のオリフラ102,103,105の箇所に位置する状態となる。
これら、図1(a)の水晶片100と、図1(b)の水晶片100と、図1(c)の水晶片100とを、図1(a),(b),(c)に示す回転状態で貼り合わせれば、図1(d)に示す分離方向が45°ずつ異なる3枚の水晶片からなる光学ローパスフィルタとなる。
【0023】
このように、本実施の形態によれば、円弧の部分を残して同一の長さの5つのオリフラを備えた複数の水晶片から光学ローパスフィルタを構成するようにしたので、同じ水晶片を45°ずつ回転させて組み合わせることが容易に行える。
また、本実施の形態によれば、水晶片100は5つのオリフラを備えるが、水晶片100の他の周辺部は円弧で形成されている。このため、図14に示す研磨装置により研磨をするときに、キャリア1403の中で回転自在な状態が得られる。
【0024】
また、図1(a)に示す回転状態の水晶片100では、互いに平行なオリフラ102,104が、横方向に配置され、図1(b)に示す回転状態の水晶片100では、オリフラ102,104が、45°傾いた方向に配置され、図1(c)に示す回転状態の水晶片100では、オリフラ102,104が、縦方向に配置されているので、各回転状態が目視で容易に確認できる。
【0025】
つぎに、本実施の形態における複屈折板の作製について簡単に説明する。
まず、比較的大きな水晶母材から切断角度45°で所定の厚さの矩形の水晶片200を切り出す(図2(a))。水晶片200は、図2の紙面上下方向が、分離方向0°となっているものである。次いで、図2(b)に示すように、水晶片200の隣り合う2つの角部を切り取り、6角形を形成する。切り取って形成した新たな辺は、隣り合う辺とのなす角度が135°となっている。
【0026】
つぎに、図2(b)の一点破線で示すように、6角形の6個の角を切り取って円弧を形成すれば、図2(c)に示すように、オリフラ201,202,203,204,205が形成される。オリフラ202,203,204は、矩形の水晶片200の3つの辺を利用することで作製されている。
【0027】
オリフラ201とオリフラ202は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。オリフラ202とオリフラ203は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。オリフラ203とオリフラ204は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。従って、点線の丸により示すオリフラ202とオリフラ204は平行な関係となっている。また、オリフラ204とオリフラ205は、各々の延長線のなす角度が135°となっている。従って、オリフラ205とオリフラ201は、各々の延長線のなす角度が90°となっている。
【0028】
ところで、光学ローパスフィルタは、同時に反射防止膜や赤外線カットフィルタ膜などの機能膜が形成された状態で使用される。言い換えると、機能膜を形成した水晶片を、分離方向が45°ずつ回転させて組み合わせることで、前述したように光学ローパスフィルタを構成している。ここで、前述したような円弧の部分を残して5つのオリフラを備えた水晶片を用いることで、以降に説明するように、部品(水晶片)を共通化した状態で種々の分離パターンの光学ローパスフィルタが形成できる。
【0029】
例えば、図3(a)に示すように、矢印で示す方向が分離方向となっている水晶片301を0°板301とすると、分離方向を軸として0°板301を裏返して反時計回りに90°回転させると、図3(b)に示すように、90°板302となる。ここで、各水晶片には、ノッチ310が設けられているので、0°板301と90°板302との区別が、目視により行える。このように、ノッチ310は、表裏の区別を目視により行うために設けるので、水晶片の対称軸より離れた箇所に配置する。
【0030】
また、0°板301を反時計回りに回転させると、図3(c)に示すように、135°板303となる。また、分離方向を軸として0°板301を裏返して反時計回りに45°回転させると、図3(d)に示すように、45°板304となる。135°板303と45°板304との区別は、ノッチ310が設けられているので、目視により行える。
【0031】
以下、上述した4つの水晶片のいずれか3枚を組み合わせた光学ローパスフィルタについて説明する。
まず、図4に示すように、板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの90°板302とを組み合わせることで、図4(e)の白丸で示すように8点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図4に示す向きの状態で、0°板301の上に135°板303を重ね、135°板303の上に90°板302を重ね、図4(d)に示すような状態とする。
【0032】
また、図4の紙面から見て0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と135°板303と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0033】
ここで、0°板301を裏返して90°回転したものが90°板であるため、実際の製造においては、0°板301と90°板302とは同一の基板である。従って、図4に示す組み合わせの光学ローパスフィルタは、板厚Tで片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片(0°板301及び90°板302)と、板厚T/21/2の機能膜のない上記水晶片との2種類を用意すれば製造できる。このように、本実施の形態において、一方の面に同一の機能膜を形成する場合、0°板301と90°板302は、全く同一のものとなる。
【0034】
ところで、上述した3枚の水晶片の貼り合わせは、図5に示すような治具を用いることで行えばよい。図4に示した組み合わせにおいては、図4(d)に示すように、円弧を介して互いに垂直な2つのオリフラ部401,402と、オリフラ部401と135°の角度をなすオリフラ部403と、オリフラ部403と円弧を介して90°の角度をなすオリフラ部404とが、3枚の水晶片に共通の配置となっている。この状態で、例えば、オリフラ部401,402を図5に示す受け治具501に当接させた状態で、オリフラ部404に押し付け治具502を押し付ければ、3つの水晶片がずれることなく重なった状態が得られる。
【0035】
つぎに、他の組み合わせについて説明する。
図6に示すように、板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の45°板304と板厚Tの90°板302とを組み合わせることで、図6(e)の白丸で示すように8点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図6に示す向きの状態で、0°板301の上に45°板304を重ね、45°板304の上に90°板302を重ね、図6(d)に示すような状態とする。
【0036】
また、図6の紙面から見て0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と45°板304と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0037】
ここで、前述したように、実際の製造においては、0°板301と90°板302とは同一の基板である。従って、図6に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚Tで片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚T/21/2の機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0038】
また、図7に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの90°板302と板厚T/21/2の45°板304とを組み合わせることで、図7(e)の白丸で示すように7点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図7に示す向きの状態で、135°板303の上に90°板302を重ね、90°板302の上に45°板304を重ね、図7(d)に示すような状態とする。
【0039】
この場合、図7の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、45°板304の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と90°板302と45°板304とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0040】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。従って、図7に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚T/21/2で片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚Tの機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0041】
また、図8に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚Tの0°板301と板厚T/21/2の45°板304とを組み合わせることで、図8(e)の白丸で示すように7点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。この場合、図8に示す向きの状態で、135°板303の上に0°板301を重ね、90°板302の上に45°板304を重ね、図8(d)に示すような状態とする。
【0042】
この場合、図8の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、45°板304の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と0°板301と45°板304とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0043】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。従って、図8に示す組み合わせの光学ローパスフィルタも、板厚T/21/2で片面に機能膜が形成された本実施の形態における5つのオリフラを設けた水晶片と、板厚Tの機能膜のない上記水晶片とを用意すれば製造できる。
【0044】
また、図9に示すように、板厚T/21/2の135°板303と板厚T/21/2の45°板304と板厚Tの90°板302との組み合わせ、もしくは、板厚Tの0°板301と45°位相板901と板厚Tの90°板302との組み合わせにより、図9(i)の白丸で示すように4点分離が行える光学ローパスフィルタが形成できる。
【0045】
なお、45°位相板901は、図11に示した水晶母材1101から切断角度0°で切り出した水晶板を切断した水晶片より構成されたものである。光が0°板301を通過すると、矢印で示す方向に常光と異常光が分離するが、常光と異常光は、偏光面が90°異なる偏光となっている。0°板301は、例えば、偏光方向が90°の常光と、偏光方向が0°の異常光とに分離する。一方、90°板302は、偏光方向が0°の常光と偏光方向が90°の異常光とに分離する。
【0046】
例えば、0°板301により分離された常光は、偏光方向が90°の偏光となっているため、偏光方向が0°の成分は含まれていない。このため、0°板301で分離された常光が90°板を通過しても、偏光方向が90°の成分の分離が行われず、2点に分離されない。
【0047】
ところで、0°板301により分離された偏光方向が90°の常光は、偏光方向が±45°の成分の光を、各々45%ずつ含んでいる。従って、0°板301により分離された常光が45°位相板901を通過すると、±45°の成分の光が分離される。同様に、0°板301により分離された異常光が45°位相板910を通過すると、異常光の中の±45°の成分の光が分離される。
【0048】
ここで、偏光方向が±45°の2つの成分からなる光が90°302に入射すれば、これらの中の0°の成分と90°の成分の偏光に分離される。従って、0°板301により分離された常光と異常光とは、45°位相板901を通過した後ならば、各々が90°板302により2点に分離され、結果として、図9(i)に示すように4点分離の状態が得られる。
【0049】
なお、図9に示す組み合わせの場合においても、図9の紙面から見て135°板303の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、135°板303と45°板304と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0050】
同様に、0°板301の裏面に機能膜が形成され、90°板302の表面に機能膜が形成されていれば、貼り合わされた光学ローパスフィルタの表面裏面に機能膜が形成された状態が得られる。また、0°板301と45°位相板901と90°板302とを貼り合わせるときに、機能膜により貼り合わせが阻害されることが無い。
【0051】
ここで、実際の製造においては、135°板303と45°板304とは同一の基板である。また、0°板301と90°板302とも同一の基板である。従って、図9に示す組み合わせの光学ローパスフィルタを製造する場合も、板の共通化を図ることができる。
また、前述した図4〜図9の例において、0°板301,90°板302は、全て板厚がTであり、135°板303,45°板304は、全て板厚がT/21/2である場合を示している。
【0052】
ところで、例えば、図4に示すように、5つのオリフラを備えた0°板301,135°板303,90°板302を貼り合わせた後、これらは、所定の寸法の複数の小片に切り出されて製品とされる。例えば、図10(a)に示すように、6mm×8mmの小片1001に切り出す。図10(a)に示すような寸法の板の場合、27枚の小片1001が切り出せる。
【0053】
これに対し、同様の寸法の8角形の板を用いた場合、図10(b)に示すように、番号17の小片が切り出せず、26枚の小片しか切り出すことができない。このように、本実施の形態のように、円弧の部分を備えることで、切り出せる小片の数を増加させることが可能となる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、同じ水晶片を45°ずつ回転させて組み合わせることが容易に可能となっている。また、本実施の形態によれば、インナーキャリアなどを用いることなく、一般的な手法で水晶片の研磨が行える。また、本実施の形態では、水晶片の分離方向の回転状態が目視で容易に確認できる。
【0055】
なお、上述では、水晶を例にして説明したが、本発明の適用範囲はこれに限るものではなく、ニオブ酸リチウムなど、複屈折を有する他の結晶であっても同様の作用効果を奏するものである。また、本発明は、2枚の複屈折板を組み合わせて作製する光学ローパスフィルタや、4枚以上の複屈折板を組み合わせて作製する光学ローパスフィルタに適用しても良いことは、いうまでもない。また、分離方向は、上述した実施の形態の方向に限るものではなく、どの方向であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、5つのオリフラを備えてこれらオリフラの間の外周部に曲線部を備えるように複屈折板を構成したので、複屈折板を円形の枠内に配置しても、これが回転自在な状態となっている。従って、本複屈折板は、一般的な研磨装置により研磨することが可能となっている。また、本発明では、上述した5つのオリフラを、互いに135°の角度に配置された状態と90°の角度に配置された状態のオリフラから構成したので、目視で区別可能に各々を例えば45°と所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成することが非常に容易となっている。
このように、本発明によれば、一般的な方法で研磨をし、目視で区別可能に例えば45°と各々所定角度回転させて複数の複屈折板を組み合わせて光学ローパスフィルタを形成できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光学ローパスフィルタを構成する各水晶片の構成例を示す平面図である。
【図2】図1の水晶片の作成方法を説明するための工程図である。
【図3】水晶片の回転状態を説明するための平面図である。
【図4】0°板と135°(45°)板と90°板とを組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図5】3枚の水晶片の貼り合わせに用いる治具の構成を示す平面図である。
【図6】0°板と45°板と90°板とを組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図7】135°(45°)板と90°板と45°板を組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図8】135°(45°)板と0°板と45°板を組み合わせた光学ローパスフィルタの構成を説明する平面図である。
【図9】4点分離を実現する光学ローパスフィルタの組み合わせを説明する平面図である。
【図10】水晶片が貼り合わされた状態より小片に切り出す状態を説明するための平面図である。
【図11】水晶母材1101より水晶板1102を切り出す状態を説明する概略的な断面図である。
【図12】水晶板より水晶片を切り出す概略的な平面図である。
【図13】8角形の水晶片を示す平面図である。
【図14】一般的な両面研磨機の一部構成を示す平面図と断面図である。
【図15】8角形の水晶片を研磨するときの用いるインナーキャリアの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
100…水晶片、101,102,103,104,105…オリエンテーションフラット。
Claims (4)
- 光学ローパスフィルタとなる円板状の複屈折板であって、
前記複屈折板は、
第1オリエンテーションフラットと、
この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、
前記第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、
前記第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ前記第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、
前記第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ前記第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、前記複屈折板の外周上で前記第1オリエンテーションフラットと前記第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットと
を備え、
前記第1〜第5のオリエンテーションフラットは、各々同一の長さに形成され、
前記第1オリエンテーションフラットと前記第5オリエンテーションフラット、前記第2オリエンテーションフラットと前記第3オリエンテーションフラット及び前記第3オリエンテーションフラットと前記第4オリエンテーションフラットは、各々前記複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されたものである
ことを特徴とする複屈折板。 - 請求項1記載の複屈折板において、
前記第1オリエンテーションフラットと前記第2オリエンテーションフラットは、前記複屈折板の外周を構成する円弧を介して配置されたものである
ことを特徴とする複屈折板。 - 請求項1または2記載の複屈折板において、
外周の所定の箇所に形成されたノッチを備えた
ことを特徴とする複屈折板。 - 複数の複屈折板を重ねて構成した光学ローパスフィルタの製造方法において、
第1オリエンテーションフラットと、
この第1オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成された第2オリエンテーションフラットと、
前記第2オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成された第3オリエンテーションフラットと、
前記第3オリエンテーションフラットと90°異なる角度に形成され、かつ前記第2オリエンテーションフラットに対向する位置に配置された第4オリエンテーションフラットと、
前記第1オリエンテーションフラットと90°異なり、かつ前記第4オリエンテーションフラットと135°異なる角度に形成され、前記複屈折板の外周上で前記第1オリエンテーションフラットと前記第4オリエンテーションフラットとの間に配置された第5オリエンテーションフラットと
を備え、
前記第1〜第5のオリエンテーションフラットが、各々同一の長さに形成され、前記第1オリエンテーションフラットと前記第5オリエンテーションフラット、前記第2オリエンテーションフラットと前記第3オリエンテーションフラット及び前記第3オリエンテーションフラットと前記第4オリエンテーションフラットが、各々外周を構成する円弧を介して配置され状態に形成された複数の複屈折板を用意する工程と、
複数の前記複屈折板を、前記第1〜第5のオリフラのいずれか3つを一致させて各々異なる回転状態で重ねる工程と
を少なくとも備えたことを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
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JP2002285853A JP2004125857A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 複屈折板および光学ローパスフィルタの製造方法 |
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-
2002
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