JP2001209008A - 光学的ローパスフィルタ - Google Patents
光学的ローパスフィルタInfo
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- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3083—Birefringent or phase retarding elements
Abstract
ダウンを図る。 【解決手段】 光学的ローパスフィルタ10を第1及び
第2の光学部材11,12から構成する。第1の光学部
材11は、入射光を直進光線と水平方向に対して略45
°方向に指向する屈折光線に二分する。第2の光学部材
12は、入射光線を直進光線と水平方向に対して略90
°方向に指向する屈折光線に二分する。光学的ローパス
フィルタ10に入射した光線は、分離点が平行四辺形の
頂点をなす4本の光線に分離する。水平方向のサンプリ
ング周期をPx 、垂直方向のサンプリング周期をPy と
したとき、光学部材11,12による光線の分離幅
d1 ,d 2 は、d1 ≒Px /√2及びPy ≦d2 ≦2・
Py なる条件を満たすように定められる。
Description
リング構造を有する固体撮像素子の前面に配置され、入
射光線の高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタ
に関し、更に詳しくは、光学的ローパスフィルタの小型
化、ローコスト化に関するものである。
された固体撮像素子では、被写体像を離散的にサンプリ
ングすることによって画像信号を得ている。ここで、受
光素子の配列ピッチによって定まる空間周波数の半分、
すなわち、ナイキスト周波数以上の成分は、いわゆる折
り返し歪みを引き起こす有害成分となることが、サンプ
リング定理により知られている。この折り返し歪みは、
偽信号やモアレ縞が発生する要因となるため、光学的ロ
ーパスフィルタを用いて、サンプリング前に高周波成分
を除去する必要がある。
は、水晶の複屈折性を利用したものが多く用いられてい
る。例えば、特開昭60−164719号公報には、正
方格子構造の固体撮像素子において入射光の高周波成分
を効果的に抑圧する光学的ローパスフィルタが開示され
ている。この光学的ローパスフィルタでは、3枚の水晶
板が組み合わされており、入射光は強度が相等しい8本
の光線に分離する。
に示すような、いわゆるオフセットサンプリング型の固
体撮像素子が用いられている。この構造では受光素子の
配列が二次元状になっており、例えば、Px =2・Py
とした場合には、理想的な光学的ローパスフィルタの周
波数特性(MTF)は、図13に示したものになる。同
図中、fはPx によって規格化された周波数を表してお
り、MTFの値は直流成分(f=0)が1となるように
規格化されている。また、実線で示したグラフは、水平
走査方向に対して平行若しくは垂直な方向の特性を表
し、破線で示したグラフは水平走査方向に対して±45
°方向の特性を表している。
子では、理想的な周波数特性が正方格子構造のものと異
なるため、上述の光学的ローパスフィルタでは、折り返
し歪みを効果的に抑圧することができない。そこで、特
開平3−46615号公報では、入射光を水平走査方向
に対して±45°の方向に分離する光学部材を組み合わ
せた光学的ローパスフィルタが開示されている。図14
に示すように、この光学的ローパスフィルタ40は固体
撮像素子チップ44の前面に配される3枚の光学部材4
1,42,43から構成される。図15に示すように、
入射光を水平走査方向に対して+90°の方向に2本に
分離する第1の光学部材41を通した後、水平走査方向
と平行な方向に分離する第2の光学部材42を通すこと
により、水平走査方向に対して−45°の方向に分離し
た2本の光線が得られる。その後、水平走査方向に対し
て+45°の方向に分離する第3の光学部材43に通す
ことにより、入射光が4本の光線に分離する。
−45°方向の分離方向P1 と、+45°方向の分離方
向P2 とを相等しくしたときの周波数特性の一例を図1
6に示す。理想特性のような完全なものではないが、い
ずれの方向に対しても、入射光の高周波成分が抑えられ
ているのが分かる。
ために、装置の小型化が要求されている。しかしなが
ら、特開平3−46615号公報に開示された光学的ロ
ーパスフィルタでは、3枚の光学部材が必要となるた
め、光学的ローパスフィルタの小型化及びコストダウン
を図ることが難しかった。
のであり、オフセットサンプリング構造の固体撮像素子
チップにおいて、入射光の高周波成分を効果的に抑圧す
るとともに、小型化、ローコスト化を達成した光学的ロ
ーパスフィルタを提供することを目的とする。
に、請求項1記載の光学的ローパスフィルタは、水平方
向での画素の配列ピッチがPx 、垂直方向での画素の配
列ピッチがPy であり、垂直方向で隣接する水平方向の
画素配列が互いに水平方向にPx /2のオフセット量で
ずらされたオフセットサンプリング構造を有する固体撮
像素子の前面に配置して用いられる光学的ローパスフィ
ルタにおいて、光学的ローパスフィルタは、入射光線を
直進光線と水平方向に対して略45°方向又は略−45
°方向に指向する屈折光線に二分する第1の光学部材
と、入射光線を直進光線と水平方向に対して略90°方
向又は略−90°方向に指向する屈折光線に二分する第
2の光学部材とを重ね合わせて構成したものである。
は、第1の光学部材による2光線の分離幅をd1 、前記
第2の光学部材による2光線の分離幅をd2 としたと
き、 d1 ≒Px /√2 ・・・ Py ≦d2 ≦2・Py ・・・ の条件を満たしたものである。
は、第2の光学部材を固体撮像素子の前面に接着し、第
1の光学部材をその前面に配したものである。請求項4
記載の光学的ローパスフィルタは、第1及び第2の光学
部材と、固体撮像素子との一端に切り欠き又はマーキン
グを形成し、この切り欠き又はマーキングの位置が揃う
ようにして第1及び第2の光学部材を固体撮像素子の前
面に配置したものである。
フィルタ10の構成図である。光学的ローパスフィルタ
10は2枚の光学部材11,12から構成され、第1の
光学部材11が被写体側になるように、固体撮像素子チ
ップ13の前面に配される。図2に示すように、固体撮
像素子チップ13は、水平方向(X方向)の画素の配列
ピッチがPx 、垂直方向(Y方向)の画素の配列ピッチ
がPy であり、隣り合う列がX方向にPx /2のオフセ
ット量でシフトしたオフセットサンプリング構造を有し
ており、本実施例では、 Px =2・Py となっている。以下、図2におけるX方向を固体撮像素
子の水平走査方向とし、後述の分離角度を定める際の基
準とする。
リチウム等の複屈折材料を一定方向に切り出したものが
用いられる。図3(A)に示すように、第1の光学部材
11は、図面の用紙面に垂直に入射する光線を、強度が
相等しい常光線O1 及び異常光線E1 に分離し、この常
光線及び異常光線を含み、光線の入射方向と平行な主要
面15が、水平走査方向に対してθ(例えば+45°)
の角度をなすものである。また、第2の光学部材は、入
射光を強度が相等しい常光線O2 及び異常光線E2 に分
離し、これらの光線を含む主要面16が水平走査方向に
対して+90°の角度を成すものである。
に分離するが、この分離幅は、光学部材11,12の厚
さを調節することによって任意の値に設定可能である。
本実施例では、第1の光学部材11による分離幅を
d1 、第2の光学部材12による分離幅をd2 としたと
き、 d1 =Px /√2 d2 =Py となるように定められている。
によって、入射光線が分離されていく過程を示したもの
である。同図(A)に示すように、図面の用紙面に垂直
に入射した光線は第1の光学部材11によって、主要面
に垂直な常光線O1 と、主要面と平行な異常光線E1 と
に分離する。この2つの光線が第2の光学部材12に入
射し、それぞれ、常光線と異常光線とに分離する。した
がって、同図(B)に示すように、光学的ローパスフィ
ルタ10からは、常光線O1 から二次的に生じた常光線
O1 O2 及び異常光線O1 E2 、並びに異常光線E1 か
ら二次的に生じた常光線E1 O2 及び異常光線E1 E2
の4本の光線が生じる。この4本の光線の強度は、光学
部材11,12の主要面15,16の角度によって変化
する。本実施例の光学的ローパスフィルタの構成の場
合、 O1 O2 =O1 sin θ O1 E2 =O1 cos θ E1 O2 =E1 cos θ E1 E2 =E1 sin θ となる。ここで、θ=45°の場合には、これら4本の
光線の強度は相等しいものとなる。
2の主要面15,16の角度は相対的なものであり、光
学的ローパスフィルタ10を通過した光線が平行四辺形
の頂点を成すように分離されていればよい。このため、
第1の光学部材11による分離角度が水平方向に対して
−45°の方向であっても良いし、第2の光学部材12
による分離角度が水平方向に対して−90°の方向であ
っても良い。さらに、第1の光学部材11と第2の光学
部材12の配置を入れ替えることもできる。
光学的ローパスフィルタの周波数特性(MTF)につい
て説明する。一般に、周期Px でサンプリングする場合
において、光学部材によって距離dだけ分離した光線の
周波数特性は、 MTF=|cos(π・d・f/Px ) | ・・・ で表される。ここで、fはPx によって規格化された周
波数を表しており、MTFの値は直流成分(f=0)が
1となるように規格化されている。例えば、d=Px 、
つまり、入射光線がサンプリングピッチだけシフトする
場合には、ナイキスト周波数(f=1/2)でのMTF
値が0となる周波数特性が得られる。
る分離の水平成分(d1 sin 45°=Px /2)のみが影
響する。このため、式において、d=Px /2とおく
ことにより、 MTF=|cos(π・f/2) | で表される周波数特性が得られる。図5に示すように、
水平方向の周波数特性は、f=1の点でMTF値が0と
なる cosカーブとなる。
る分離の垂直成分(d1 cos 45°=Px /2)と、第2
の光学成分による分離(d2 =Py =Px /2)とが影
響する。このため、周波数特性はこれら2つの重ね合わ
せによって表され、 MTF=|cos(π・f/2) |2 となる。図6に示すように、垂直方向の周波数特性は、
f=1の点でMTF値が0となるcos2カーブとなる。こ
れを水平方向の周波数特性と比較すると、ナイキスト周
波数以上の成分が抑えられているため、折り返し歪みに
よる影響が小さくなるが、ベースバンド成分が抑圧され
ているため、解像度が低下する。
1の光学部材による分離(d1 =P x /√2)と、第2
の光学部材による分離の+45°成分(d2 sin 45°=
√2・Px /4)とが影響する。このため、 MTF=|cos(π・f/√2) |・|cos(√2・π・f
/4) | となる。図7に示すように、+45°方向の周波数特性
(同図中20で示す曲線)は、f=1/√2の点でMT
F値が0となる cosカーブ(同図中21で示す曲線)
と、f=√2の点でMTF値が0となる cosカーブ(同
図中22で示す曲線)とを重ね合わせたものとなる。
2の光学部材による分離の−45°成分(d2 cos 45°
=√2・Px /4)のみが影響する。このため、 MTF=|cos(√2・π・f/4) | となる。−45°方向の周波数特性は、f=√2の点で
MTF値が0となる cosカーブとなる。
すると、本発明の光学的ローパスフィルタは、−45°
方向の周波数特性が悪化しているが、水平方向及び垂直
方向ではほとんど遜色ない周波数特性を有しており、同
等の効果が得られることが分かる。さらに、本発明で
は、光学部材の枚数が2枚と少なく、ローパスフィルタ
10を更に薄くすることができるため、固体撮像素子全
体のコンパクト化及びローコスト化が図られる。
2 をPx /2(=Py )よりも大きくすると、MTF値
が0となる周波数が低周波側に移動して折り返し歪みの
影響を小さくできるが、ベースバンド付近の周波数特性
が悪くなるため、解像度の低下につながる。したがっ
て、分離幅d2 は式を充足する範囲内に定めておくこ
とが望ましい。
時において、光学部材11,12を取り付ける方向を誤
ったり、裏表を取り違える等した場合には、各方向にお
ける周波数特性が異なってしまう。すると、モアレ縞等
が発生する場合にはその方向が異なるため、正常品であ
るにもかかわらず検査段階で不良品であると判断される
おそれがある。このため、図9に示すように、固体撮像
素子チップ13を保持するパッケージ14と、第1及び
第2の光学部材11,12との一端に切り欠き23,2
4,25を形成しておくことが望ましい。すべての切り
欠き23,24,25の位置を揃えるようにして光学部
材11,12を取り付けることにより、光学部材11,
12の取り付け方向が一定となって生産性が向上する。
光線の分離方向が+90°方向である場合では、光学部
材の裏表を取り違えてもその特性は変化しない。このた
め、第2の光学部材11の形状を長方形とすることによ
り、切り欠きを設けなくとも向きを揃えることができ
る。なお、図10に示すように、切り欠きの代わりにマ
ーキング26,27,28を形成し、すべてのマーキン
グ26,27,28の位置が揃うようにして光学部材1
1,12を取り付けることにより、上述と同様の効果が
得られる。
面に保護用のカバーガラスが取り付けられている。そこ
で、カバーガラスの代わりに光学的ローパスフィルタを
取り付けれることによりカバーガラスを省略でき、固体
撮像素子をさらに小型にすることができる。図11はそ
の一例を示したものであり、第2の光学部材12がパッ
ケージ14に接着され、第1の光学部材11がその前面
に配されている。
する工程が増えるため、製造歩留まりが悪化するおそれ
がある。一方、原材料である水晶の結晶を切り出す際、
0°若しくは90°方向のものの方が隙間なく切り出す
ことができるため、第2の光学部材12の方が第1の光
学部材11よりも作製コストが低くなる。そこで、第2
の光学部材12をパッケージ14と一体化することによ
り、コストダウンを図ることができる。
13の配列がPx =2・Py となるオフセットサンプリ
ング構造であるためにθ=45°としているが、この値
は45°に一致しなくともその近傍であれば良い。ま
た、第1の光学部材11による入射光の分離幅d1 は、
Px /√2の近傍の値であれば良い。
の画素配列を有するカラー撮像素子を用いる場合におい
ても、本発明の光学的ローパスフィルタを同様に適用す
ることができ、折り返し歪みに起因する色モアレや偽色
の発生を防止できる。
光学的ローパスフィルタを、入射光線を直進光線と水平
方向に対して略±45°に指向する屈折光線に二分する
第1の光学部材と、入射光線を直進光線と水平方向に対
して略±90°に指向する屈折光線に二分する第2の光
学部材とで構成したから、光学的ローパスフィルタをコ
ンパクトかつ安価に製造することができる。
各光学部材と、固体撮像素子との一端に切り欠き又はマ
ーキングを形成し、この切り欠き又はマーキングの位置
を揃えて取り付けるようにしたから、各方向における光
学特性が一定となり、生産性が向上する。また、固体撮
像素子と第2の光学部材とを一体化してカバーガラスを
省略するようにしたから、光学的ローパスフィルタの小
型化、ローコスト化を図ることができる。
概略図である。
る。
ある。
光線が分離される様子を示す説明図である。
る。
る。
体撮像素子の構成図である。
た固体撮像素子の構成図である。
撮像素子の構成図である。
撮像素子において、RGBの配列の一例を示す説明図で
ある。
性を示すグラフである。
す概略図である。
射光線が分離される様子を示す説明図である。
性を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 水平方向での画素の配列ピッチがPx 、
垂直方向での画素の配列ピッチがPy であり、垂直方向
で隣接する水平方向の画素配列が互いに水平方向にPx
/2のオフセット量でずらされたオフセットサンプリン
グ構造を有する固体撮像素子の前面に配置して用いられ
る光学的ローパスフィルタにおいて、 前記光学的ローパスフィルタは、入射光線を直進光線と
水平方向に対して略45°方向又は略−45°方向に指
向する屈折光線に二分する第1の光学部材と、入射光線
を直進光線と水平方向に対して略90°方向又は略−9
0°方向に指向する屈折光線に二分する第2の光学部材
とを重ね合わせて構成することを特徴とする光学的ロー
パスフィルタ。 - 【請求項2】前記第1の光学部材による2光線の分離幅
をd1 、前記第2の光学部材による2光線の分離幅をd
2 としたとき、 d1 ≒Px /√2 Py ≦d2 ≦2・Py の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の光学的
ローパスフィルタ。 - 【請求項3】 前記第2の光学部材を前記固体撮像素子
の前面に接着し、前記第1の光学部材をその前面に配す
ることを特徴とする請求項1又は2記載の光学的ローパ
スフィルタ。 - 【請求項4】 前記第1及び第2の光学部材と、前記固
体撮像素子との一端に切り欠き又はマーキングを形成
し、この切り欠き又はマーキングの位置が揃うようにし
て第1及び第2の光学部材を固体撮像素子の前面に配す
ることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の光
学的ローパスフィルタ。
Priority Applications (2)
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