JP3542374B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学的ローパスフィルタを用いて撮像素子に入射する被写体光の空間周波数を制限する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
元来、撮像素子にてカラー自然画像を得る場合、撮影レンズ系から撮像素子までの光路中に複屈折板等よりなる光学的フィルタを配置して、輝度の偽信号および偽色信号のキャリヤ成分の影響を抑圧する必要がある。
【0003】
図25は従来の固体撮像素子の画素配列および開口例を示す図である。
【0004】
図25において、Hは水平走査方向をVは垂直走査方向を示す。隣接する2本の水平ラインの一方には、緑色フィルタ1Gおよび青色フィルタ1Bが、phの水平走査方向画素間隔で交互に配置されている、その他方には緑色フィルタ2Gおよび赤色フィルタ2Rがph画素間隔で交互に配置されている。一方、垂直走査方向はpvの画素間隔でやはり交互に配置されている。
【0005】
このような格子上の開口パターンにより、被写体光がサンプリングされるわけであるが、サンプリング定理から明らかなように、サンプリング周波数の1/2に相当するナイキスト点以上の空間周波数は原理的に忠実に再現することができず、これ以上の周波数成分が固体撮像素子上に導かれると、折り返しとなって偽信号として現れることになる。
【0006】
図26及び図27はそれぞれ、図25に示す固体撮像素子における空間周波数スペクトラムを示している。
【0007】
図26の横軸fxと、図27の横軸fyは、各々ph/2πおよびpv/2πにより正規化された水平周波数と垂直周波数を表している。
【0008】
図26において、「fx=1,fy=0」の位置を中心としたキャリア成分により、垂直方向に延びる黒白のストライプからなる細かい縞模様の空間周波数が図中の縦線部領域にある時に、左側の斜線部領域にモアレ(輝度の偽信号)となって折り返る。また、「fx=1/2,fy=0」の位置を中心としたキャリア成分により、垂直方向に延びるやや荒い黒白のストライプがある時に、緑色およびマゼンタのクロスカラー(偽色信号)を生じさせる。
【0009】
図27において、「fx=0,fy=1」の位置を中心としたキャリア成分により、細かい横ストライプの縞模様の空間周波数が図中縦線部領域にある時に、斜線部領域にモアレとなって折り返る。これらの輝度の偽信号および偽色信号は画質に与える影響が大きいので、サンプリング定理に従って、入射光のうち正規化周波数でfx=1/2以上の水平周波数成分と、正規化垂直周波数でfy=1/2以上の垂直周波数成分と、水平方向ではfx=1/2の点で色信号をサンプリングしているので、fx=1/2の点を中心に色信号の周波数帯域分の水平周波数成分を除去する必要がある。
【0010】
図28は理想的な光学的周波数特性を示す図であり、(A)は水平周波数特性を、(B)は垂直周波数特性を表すものである。これらのような、周波数特性を目標とした光学的ローパスフィルタの一般的な従来の構成例を図29に示す。図29で撮影レンズを介した入射光は複屈折板11、12、13の順に透過して固体撮像素子に供給される。ここで、複屈折板11は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面14が水平走査方向Hに対して略45度の角度をなすものである。
【0011】
また、複屈折板12は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面15が水平走査方向Hと略一致するものである。複屈折板13は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面16が水平走査方向Hに対して−45度の角度をなすものである。
【0012】
図30は入射光の分離結果を示す説明図であり、いま複屈折板11及び13の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板12の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、d2/√2<d1<(√2)d2の条件にある時に、これら3枚の複屈折板11、12、13の組み合わせにおいて、原点に入射された1つの光線(21)は、第1の複屈折板11により水平走査方向に対し45度の方向に距離d1だけ分離されて、各々等しい強度の2つの光線(21、22)となる。 次にこれらの光線は第2の複屈折板12により、各々水平走査方向に対して平行に距離d2だけ分離され、各々等しい強度の光線(21、22、23、24)となる。次に、これらの光線は第3の複屈折板13により、各々水平走査方向に対して−45度の方向に距離d1だけ分離されて、各々等しい強度の8つの光線(21、22、23、24、25、26、27、28)に分離される。
【0013】
このような光学的ローパスフィルタを用いた時の空間周波数特性の一般解を求めると、これは図31(A)に示すような水平方向Hにd2の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタと、図31(B)に示すような1つの光線をd1/√2の長さの菱形の頂点の位置の4つの光線に分離する光学的ローパスフィルタとを合成したものとして考えることができる。
【0014】
図31(A)の光学的ローパスフィルタは、ph/2πで正規化した水平周波数の(1/2)・(ph/d2)の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、図31(B)の光学的ローパスフィルタは、水平方向に(1/2)・(ph/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOS2カーブの周波数特性を有し、垂直方向にはpv/2πで正規化した(1/2)・(pv/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOS2カーブの周波数特性を有している。
【0015】
従って、この場合の光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数特性の一般解は、
F1(fx)=COS(π・d2・fx/ph)
×COS2((π・d1/√2)・(fx/ph))
となり、また垂直方向の空間周波数特性の一般解は、
F1(fy)=COS2((π・d1/√2)・(fy/pv))
の周波数特性となる。
【0016】
ここで、phとpvが略等しい値として、例えば、d2=ph、d1/√2=(2/3)・ph=2/3・pv、とした時の水平方向の空間周波数スペクトラムを図32に示す。図で破線COS(π・fx)の曲線と破線COS2((2/3)・π・fx)の曲線とを合成した曲線F1(fx)が求める水平方向の空間周波数スペクトラムであって、その式は、
F1(fx)=COS(π・fx)×COS2((2/3)・π・fx)
で表され、図28に示す理想的な特性に近いカットオフ特性となっている。
【0017】
また、図33に示す曲線は垂直方向の空間周波数スペクトラムF1(fy)であり式としては、
F1(fy)=COS2((2/3)・π・fy)
で表され、図28に示す理想的な特性に近いカットオフ特性となっている。
【0018】
このことは言い換えれば、d1およびd2の値を適切に選択することにより、理想的なカットオフ特性に近付けることが可能なことを意味する。
【0019】
このようにカラー自然画像を撮影する場合には、上記のような光学的ローパスフィルタを撮影光路中に配置することで、輝度の偽信号及び偽色信号のキャリア成分の影響を抑圧し、適切な色再現性および解像度を得ている。
【0020】
ところで、最近では例えば文字、イラスト、図面等のモノカラー被写体を撮影し、モニターあるいはプリント出力で、確認したいという要求が高まってきている。さらに、そのビットマップデータを認識ソフトにかけて、テキストデータや関数データ等に変換するケ−スも増加している。この場合は、撮影画像として高解像度が要求されることになるが、上記の光学的ローパスフィルタのカットオフ特性では、文字等のエッジがボケたりギザギザになったりとぎれたりするため、十分な性能を発揮できない等の問題が発生する。
【0021】
これらの問題の対策例としては、特開昭59−169285号に提案されているものがある。
【0022】
図34は従来の画像記録システムのブロック図である。
【0023】
画像記録システムにあっては、解像度の向上と色再現性の向上とは装置上で実現する場合、相反する要求になる。そこでモード切替スイッチ205によって、カラー画像処理とモノカラー画像処理を切り替えるようにして、カラー画像処理の場合は撮像レンズ200からの被写体光を、高周波成分を抑止するカットオフ特性を持つ光学的ローパスフィルタ201を介して、CCD等の撮像素子203上に結像させている。
【0024】
一方、モノカラー画像処理の場合は、光学系駆動回路204によって光路内に光学的ローパスフィルタ201の代わりに、光学的ローパスフィルタ201と同じ光路長を有している光学部材202を配置し、サンプリングの関係で減衰させる必要があった被写体光の高周波成分を、あまり減衰しないようにしてモノカラー被写体での高解像度の画像を得るようにしている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来例は、モノカラー画像処理の場合に、光学的ローパスフィルタ201を撮影光路から退避させ、代わりに同じ光路長を持つ光学部材を配置する構成としているが、元来結像面近傍は小さなゴミでも結像面に投影され、撮影した画像にゴミの影となって現れてしまい、非常に見苦しい画像になり易い場所であって、撮影光学系200より撮像素子203までの間の撮影光路の周囲は、遮光およびゴミ等の問題から密閉構造が望ましい空間であり、それに、光学的ローパスフィルタ201は入射光が平行光束である必要があって、撮影光学系の後玉レンズから撮像素子203までの間に配置するため、非常に結像面に近い光学部材なので光学的ローパスフィルタ201には、特にゴミが付着しないように注意する必要がある。
【0026】
ところが、従来例では光学的ローパスフィルタ201を機械的に撮影光路内外に移動するもので、非常にゴミを発生しやすく又侵入しやすくなってしまうという問題がある。
【0027】
また、光学的ローパスフィルタ201または同じ光路長を持つ光学部材202を完全に光路外に退避させる為のスペースが必要であり、さらに複雑な移動切り替え機構も必要であって装置が大型化して小形化に逆行するという問題がある。また、同じ光路長を確保する為の光学部材および複雑な移動切り替え機構を要するので、非常に高価なものになってしまうという問題がある。
【0028】
また、光学的ローパスフィルタ201および同じ光路長を有する光学部材202を、完全に光路内外に出し入れする移動機構を考えると、構成部材の機械的精度およびスムースにスライドさせるための遊びが光軸方向で必要となり、その為にバックフォーカスが延びてしまい、撮影光学系が大きくなり高価になってしまうという問題がある。
【0029】
本発明は上述の問題点に鑑みて、撮影光路部周辺の機構を極めて密閉構造を高くしてゴミおよび光線漏れの侵入を防止すると共に、同じ光路長を確保するための光学部材および複雑な移動切り替え機構を必要としない安価な構成によって、カットオフ特性を変えることによりモノカラー画像処理時の高解像度を可能にする撮像装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、入射する被写体光の空間周波数を制限するよう当該被写体光軸上に複数の複屈折板を有する光学的ローパスフィルタと光学像を電気信号に変換する撮像素子を有し、該撮像素子より出力する電気信号を用いて第1の画像信号を形成する第1の撮像モードと、該撮像素子より出力する電気信号を用いて前記第1の画像信号よりも高解像の第2の画像信号を形成する第2の撮像モードとが切り替え可能な撮像装置であって、前記第1の撮像モード及び前記第2の撮像モードの切り換えに応じて、前記被写体光軸上における複数の複屈折板のうち一部を略撮影光軸を軸に回転することによりカットオフ特性を変えることを特徴とする撮像装置である。
【0031】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1および第2の複屈折部材に対し第3の複屈折板を相対的に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0032】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第2と第3の複屈折板を固定として第1の複屈折板を所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0033】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第3の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0034】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1と第2の複屈折板を一体に一定角度回転し第3の複屈折板を一定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0035】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第2の複屈折板を固定として第1の複屈折板を予め決められた所定の角度回転し第3の複屈折板を固定として第4の複屈折板を予め決められた所定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0036】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第1および第2の複屈折板を固定として第3と第4の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置であり、さらに、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第3および第4の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0037】
【作用】
上記構成によれば、撮像素子より出力する電気信号を用いてカラー自然画像信号を形成する第1の撮像モードと、単一色内の画像に対して高解像の画像信号を形成する第2の撮像モードを有する撮像装置において、3枚あるいは4枚等の複屈折板で構成する光学的ローパスフィルタの該複屈折板の一部または全体を、略撮影光軸を中心に回転してカットオフ特性を変えるので、第2の撮像モード時には高解像度の処理が可能になる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
【0039】
図1より図8までは本発明の一実施例を示す図である。
【0040】
図1は本発明の一実施例に係る光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【0041】
図1は従来図27に示す一般的な光学的ロ−パスフィルタの構成において、第3の複屈折板13を第1の複屈折板11および第2の複屈折板12に対し、相対的に所定角度45度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)回転するものである。
【0042】
この時、複屈折板13は入射光を常光線と異常光線に分離し、これら常光線と異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面16が水平走査方向Hと略一致する角度となる。
【0043】
この場合、第3の複屈折板13の常光線と異常光線の分離方向を、第2の複屈折板12の常光線と異常光線の分離方向とは逆向きになるように構成している。いま、複屈折板11および13の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板12の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、図1に示す3枚の複屈折板11、12、13の組み合わせによって、入射光の分離された結果は図2の分離結果の説明図に示すようになる。
【0044】
図2において、原点に入射された1つの光線(21)は、第1の複屈折板11により水平走査方向に対し45度の方向に距離d1だけ分離され、各々等しい強度の2つの光線(21、22)となる。次にこれらの光線は第2の複屈折板12により、各々水平走査方向に対して平行に距離d2だけ分離され、各々等しい強度の4つの光線(21、22、23、24)となる。
【0045】
これらの光線は第3の複屈折板13に入射して、2つの光線(23、24)は第2の複屈折板12の分離距離d2と、第3の複屈折板13の分離距離d1が相殺される方向へ移動して、各々等しい強度の4つの光線(21、22、25、26)に分離される。
【0046】
このような光学的ローパスフィルタを用いた時の空間周波数特性の一般解を求めると、これは図3(A)の分離距離、方向を示す図のように、水平方向Hにd1/√2の距離および、垂直方向Vにd1/√2の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタと、図3(B)のような水平方向Hに(d2−d1)の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタとを合成したものとして考えることができる。
【0047】
図3(A)の光学的ローパスフィルタは、水平方向にph/2πで正規化した(1/2)・(ph/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、垂直方向には、pv/2πで正規化した(1/2)・(pv/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、図3(B)の光学的ローパスフィルタは、水平方向に (1/2)・(ph/(d2−d1))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有している。
【0048】
したがって、上の構成での光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数特性(fx)の一般解は、d2≠d1の時、
F2(fx)=COS(π・(d2−d1)・fx/ph)
×COS((π・d1/√2)・(fx/ph))
となり、d2=d1の時、
F2(fx)=COS((π・d1/√2)・(fx/ph))
の周波数特性となる。
【0049】
また、垂直方向の空間周波数特性F2(fy)の一般解は、
F2(fy)=COS((π・d1/√2)・(fy/pv))
の周波数特性となる。
【0050】
いま、phとpvが略等しい値として、d2=ph、d1/√2=(2/3)・ph=(2/3)・pv、とした場合の例での水平方向の空間周波数スペクトラムを、図6の空間周波数スペクトラムに示す。
【0051】
図6において、破線COS((1−(2√2/3))・π・fx)の曲線と、破線COS((2/3)・π・fx)の曲線を合成した曲線F2(fx)が求める水平方向の空間周波数スペクトラムであり、その式は、
F2(fx)=COS((1−(2√2/3)・π・fx)・COS((2/
3)・π・fx)
で表される。
【0052】
図7は水平方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【0053】
図7には従来例の図30に示した光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数スペクトラム、F1(fx)=COS(π・fx)×COS2((2/3)・π・fx)と、図1の光学的ローパスフィルタ構成での水平方向の空間周波数スペクトラム、F2(fx)=COS((1−(2√2/3)・π・fx)・COS((2/3)・π・fx)、を比較図示したものである。
【0054】
図7からも明らかなように、光学的ローパスフィルタの一部または全体を略撮影光軸を中心に回転することによって、光学的ローパスフィルタのカットオフ特性を変えることが可能になり、カラー自然画像を撮影するに適したカットオフ特性F1(fx)の光学的ローパスフィルタの、一部または全体を略撮影光軸を中心に回転するという簡単な手段によって、空間周波数高域成分の減衰を防止し、モノカラー画像を撮影する上で適切なカットオフ特性F2(fx)が得られる。
図8は垂直方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【0055】
図34の従来のF1(fy)の垂直方向の空間周波数スペクトラムと、本実施例のF2(fy)の垂直方向の空間周波数スペクトラムを比較図示したものであり、垂直方向でも水平方向と同様な効果がある。
【0056】
また、図4と図5は本実施例の光学的ローパスフィルタのの回転機構を示す図であり、
図4は回転機構の断面図である。
【0057】
図5は回転機構の分解斜視図である。
【0058】
図4、図5において、撮影レンズユニット1は撮影レンズ鏡筒103と後玉レンズ102等で構成されていて、撮影レンズユニット1の後部には第1の複屈折板11と、赤外カットオフフィルタ101と第2の複屈折板12を固定保持する光学的ローパスフィルタ固定部材113が取り付けられている。
【0059】
また、撮像素子ユニット3は撮像素子パッケージ106に、撮像素子105を実装したものであり、基板107に半田接続されてフレキシブル基板(図示していない)等により外部へ引き出される構成になっている。撮像ユニット2は撮像素子ユニット3および撮像素子ユニット3と撮影レンズユニット1とを光学的に位置決めするための撮像素子ホルダー104から成っている。
【0060】
108は第3の複屈折板13を固定保持する光学的ローパスフィルタ回動部材であり、その内壁面と光学的ローパスフィルタ固定部材113の凸円筒部110及び撮像素子ホルダー104の凸円筒部114の双方と嵌入されており、伝達部材109を介してモード切り替え手段(不図示)により、カラー自然画像モード及びモノカラー画像モードでの適切な位置まで回転する構成となっている。
【0061】
ここで、光学的ローパスフィルタ回動部材108は凸円筒部110と、凸円筒部114と嵌入することで非常に良好な密閉構造をとることが可能になり、ゴミや光線漏れの侵入等を防止することができる。
【0062】
111と112はそれぞれ光学的ローパスフィルタ回動部材108及び光学的ローパスフィルタ固定部材113に形成された凸部であり、カラー自然画像モードとモノカラー画像モードでの適切な位置で停止するためのストッパー手段になっている。
【0063】
このような構成により、撮影者がカラー自然画像モードあるいはモノカラー画像モードを設定することにより、モード切り替え手段(不図示)に連動して伝達部材109を経由し、光学的ローパスフィルタ回動部材108が回転(第3複屈折板13が回転)し、ストッパー手段111、112により適切な位置に停止するものである。
【0064】
図9は本発明の第2の実施例である。
【0065】
前実施例では、第1と第2の複屈折板11、12を固定として、第3の複屈折板13を45度相対的に回転する構成により、光学的ローパスフィルタのカットオフ特性を変えたものであるが、図9に示す第2実施例では第1の複屈折板11を逆方向に所定角度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)、つまり−45度回転させるものである。
【0066】
この時、水平、垂直方向の空間周波数特性は前実施例の場合の図6、図7、図8に示したものと同一となり、画面上において斜め方向の周波数特性は異なるものとなるが、カットオフ特性は第1の実施例と同様な効果を示し、このような第2実施例では第2、第3の複屈折板12、13の方を固定にするため、結像面近傍の密閉構造をより確実にする利点がある。
【0067】
図10は本発明の第3の実施例を示す。
【0068】
図10に示す第3実施例の場合は、図9の第2実施例と同様に、d1=d2の条件下で、第3の複屈折板13を固定とし、第1の複屈折板11と第2の複屈折板12を一体として逆方向(時計回り)に所定角度、つまり−45度回転させると水平方向にのみトラップポイントを有する光学的ローパスフィルタを構成することができるものである。
【0069】
図11は本発明の第4の実施例を示す。
【0070】
図12は図11に示す実施例の入射光の分離結果を示す図である。
【0071】
図13は図12に示す分離光線の分離距離及び方向を示す図である。
図11の場合は、第1の複屈折板11と第2の複屈折板12を一体として、一定角度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)−22.5度回転させると共に、第3の複屈折板13も逆方向に一定角度つまり22.5度回転させるものである。
【0072】
この場合は、第2の複屈折板12と第3の複屈折板13の常光線と異常光線の分離方向が互いに相殺するように働き、入射光線に対する分離光線は図12に示すように、4つの分離光線(21、22、25、26)となる。これは、図13(A)に示すようにθ1が22.5度の角度で分離距離がd1の光線の成分と、図13(B)のようにθ2が22.5度の角度で分離距離が(d2−d1)の光線の成分を合成したものとなり、カットオフ特性として同様な効果を持つものである。
【0073】
図14、図15は本発明の第5の実施例を示す。
【0074】
図16は入射光の分離結果を示す図である。
【0075】
図14は上記各実施例が複屈折板3枚で光学的ローパスフィルタを構成したのに対し、カラー自然画像を撮影する場合のカットオフ特性を得る複屈折板31、32、34、35の4枚構成としたものである。
【0076】
図14では複屈折板31と32は入射光を常光線と異常光線に分離し、これらの常光線と異常光線が存在する偏光主要面36及び37が水平走査方向Hと一致するものであり、常光線及び異常光線分離方向も同一としたものである。
【0077】
位相板33は複屈折板31と32で偏光成分を持った常光線および異常光線を無偏光状態とし、自然光と同様に特定の偏光成分を持たない光線とするものである。
【0078】
複屈折板34と35は入射光を常光線と異常光線に分離し、これらの常光線と異常光線が存在する偏光主要面38と39が垂直走査方向Vと略一致するものであり、常光線および異常光線分離方向も同一としたものである。
【0079】
いま、複屈折板31および32の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板34および35の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、この4枚の複屈折板と位相板31、32、33、34、35の組み合わせによって、入射光の分離された結果は図16に示すようになる。
【0080】
図16において、原点に入射した1つの光線(41)は、第1の複屈折板31により常光線と異常光線が水平走査方向に距離d1だけ分離され、各々等しい強度の2つの光線(41、42)となる。次にこれらの光線は第2の複屈折板32により、再び水平走査方向に対して平行に分離方向が同一で距離d1だけ分離される。すなわち、光線(42)が距離d1だけ光線(43)に移動することになり、各々等しい強度の2つの光線(41、43)となる。
【0081】
次に、これらの光線は位相板33を介し、第3の複屈折板34により常光線と異常光線が各々垂直走査方向に対して距離d2だけ分離され、各々等しい強度の4つの光線(41、43、44、45)に分離される。つづいて、第4の複屈折板35によって再び垂直走査方向に対して分離方向が同一で距離d2だけ分離される。
【0082】
すなわち、光線(44、45)が距離d2だけ光線(46、47)に移動することになり、各々等しい強度の4つの光線(41、43、46、47)となる。従って、分離距離d1およびd2を適切に選択することにより、クロスカラーおよびモアレの少ないカットオフ特性が得られるものである。
【0083】
図15は図14において複屈折板を回転する光学的ローパスフィルタの構成を示す。
【0084】
図15の場合は、第2と第3の複屈折板32、34を固定として、第1および第4の複屈折板31、35を、予め決められた所定の角度180度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より予め決まる所定の角度)回転するものである。この時、第1の複屈折板31と第2の複屈折板32は分離距離d1が等しく、且つ分離方向が全く反対方向になるので、一度第1の複屈折板31により常光線と異常光線に分離した光線が第2の複屈折板32によって再び無偏光状態になる。
【0085】
第3の複屈折板34と第4の複屈折板35に関しても同様である。従って、図15の回転した光学的ローパスフィルタは光線が分離することはなく、光学的ローパスフィルタの役目をしない素通しの光学部材と等価となり、空間周波数としては高域成分が全く落ちることのないフラットな特性が得られ、モノカラー画像モードとしては最適な特性が得られる。
【0086】
図17、図18は本発明の第6の実施例を示す。
【0087】
図17は位相板を使用しない4枚の複屈折板によりカラー自然画像用光学的ローパスフィルタを構成した例を示すもので、複屈折板51は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面55が、水平走査方向Hに対して略45度の角度をなすものである。
【0088】
複屈折板52、54は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する偏光主要面56、58が水平走査方向Hと略一致するものである。複屈折板53は入射光を常光線および異常光線に分離し、その常光線および異常光線が存在する偏光主要面57が水平走査方向Hに対して略−45度の角度をなすものである。
【0089】
いま、複屈折板51と53の常光線および異常光線の分離距離をd1、複屈折板52の常光線および異常光線の分離距離をd2、複屈折板54の常光線および異常光線の分離距離をd4とした場合、複屈折板51と52と53の構成は、図29に示す複屈折板3枚構成の従来例のローパスフィルタと全く同一であり、入射した光線は図30に示したものと同様8つの光線に分離される。
【0090】
これら8つの光線は複屈折板54により、各々水平走査方向に対して平行に距離d4だけ分離され、図19の入射光の分離結果図に示すように、各々強度の等しい16の光線(61、62、63、64、65、66、67、68、71、72、73、74、75、76、77、78)に分離される。従って分離距離d1とd2とd4を適切に選択することにより、図29の3枚構成の従来例ローパスフィルタと比較しても、より改善された水平方向のカットオフ特性が得られる。
【0091】
図18は図17に示す光学的ローパスフィルタの複屈折板を回転してモノカラー画像時の特性を得るものである。
【0092】
図18(A)は第3の複屈折板53と第4の複屈折板54を一体に45度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より予め決められる一定の角度)、回転するものである。
【0093】
図18(B)の場合は、第1の複屈折板51と第2の複屈折板52を一体として、予め決められた一定の角度、−45度回転するものである。
【0094】
ここで第2の複屈折板52による分離距離d2と第3の複屈折板53による分離距離d1とを等しくしておくと、両者の分離方向が反対方向であるためローパスフィルタとしての特性は、第1の複屈折板51および第4の複屈折板54による分離距離(d1−d4)によって決まる。
【0095】
図18(A)の構成により入射光の分離された結果は図20(A)に、図18(B)の構成で入射光が分離された結果は図20(B)に示すようになる。分離距離(d1−d2)が小さくなればなるほど、ローパスフィルタのトラップポイントは高域側にシフトして、モノカラー画像モードに適した空間周波数特性となる。
【0096】
従って前実施例と同様に図18において、第1の複屈折板51による分離距離d1と、第4の複屈折板54による分離距離d4を等しくすることにより、回転によりローパスフィルタとしての効果を全く無くすることができる。
【0097】
また、この場合は同じ4枚構成の前実施例に比較して単一部材の回転機構で済むことになり、装置の大型化を避けることができる。
【0098】
図21、図22は本発明の第7の実施例を示す。図21はカラー自然画像を撮影する場合のカットオフ特性を得る4枚構成の光学的ローパスフィルタを示す。図23は図21に示す光学的ローパスフィルタ入射光の分離結果を示す図である。図24は図22に示す光学的ローパスフィルタ入射光の分離結果を示す図である。
【0099】
第1の複屈折板81は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で、偏光主要面55が水平走査方向Hと略一致するものである。第2、第3の複屈折板82、83は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面86、87が水平走査方向Hに対し、各々略45度、135度の角度をなすものである。第4の複屈折板84は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する偏光主要面88が垂直走査方向Vと一致するものである。
【0100】
いま、第1の複屈折板81の常光線および異常光線の分離距離をd1、第2、第3の複屈折板82、83の常光線および異常光線の分離距離をd2、第4の複屈折板84の常光線および異常光線の分離距離をd4とした場合、入射光線は図23の入射光の分離結果図に示すように、各々強度の等しい8つの光線(92、93、94、95、96、97、98、99)に分離される。
【0101】
図22は図21に示す光学的ローパスフィルタを回転してモノカラー画像時のカットオフ特性を得る構成を示す。
【0102】
図22(A)では、第3の複屈折板83と第4の複屈折板84を一体に、予め決められた一定の角度90度回転したものである。
【0103】
図22(B)では、第1の複屈折板81と第2の複屈折板82を一体に、予め決められた一定の角度−90度回転したものである。
【0104】
ここで第2の複屈折板82による分離距離と第3の複屈折板83による分離距離が等しく、両者の分離方向が反対方向であるためローパスフィルタとしての効果は、第1の複屈折板81と第4の複屈折板84による分離距離(d1−d4)によって定まる。
【0105】
図22(A)の構成による入射光の分離された結果を図24(A)に、図22(B)の構成による入射光の分離された結果を図24(B)に示す。
【0106】
分離距離(d1−d4)が小さくなればなるほど、ローパスフィルタのトラップポイントは高域側にシフトし、モノカラー画像モードに適した空間周波数特性となる。
【0107】
図22(A)のように、第3の複屈折板83と第4の複屈折板84を一体回転させた場合に得られる出射光線は、水平走査方向Hの方向に一致するため、水平走査線方向にのみロ−パス効果を有する光学的ローパスフィルタになる。一方、図22(B)のように、第1の複屈折板81と第2の複屈折板82を一体に回転させた場合に得られる出射光線は、垂直走査方向Vの方向に一致するため、垂直走査線方向にのみトラップポイントを有する光学的ローパスフィルタになる。
【0108】
また、前実施例6、6と同様に、図22において第1の複屈折板81による分離距離d1と、第4の複屈折板84による分離距離d4を等しくすることで、回転後のローパスフィルタとしての効果を無くすることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光学的ローパスフィルタの一部または全体を略撮影光軸を中心に回転することにより、カットオフ特性を変えることができるように構成したので、撮影光路部周辺の機構を極めて密閉構造を高くすることが可能になり、ゴミ及び光線漏れの侵入等を完全に防止できる良好な撮像装置を提供できる効果がある。
【0110】
またローパスフィルタ又は同光路長を有する光学部材共に完全に光路外へ退避させるような必要も無く簡単な切り替え機構で済むので、安価に構成できると共に装置の小形化を促進するという効果もある。
【0111】
また撮影光軸方向での無駄な隙間、遊び等を設ける必要がなく、不必要にバックフォーカスを延ばす必要も無いので、撮影光学系を小さくすることが可能になり、安価な撮影レンズ光学系を構成できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る撮像装置の光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す光学的ローパスフィルタによる入射光の分離結果を示す図である。
【図3】図2に示す入射光の分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図4】図1に示す光学的ローパスフィルタの回転機構の断面図である。
【図5】図4に示す回転機構の斜視図である。
【図6】図1に示す光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図7】水平方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【図8】垂直方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図12】図11に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図13】図12に示す分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図15】図14に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図16】図14に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図18】図17に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図19】図17に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図20】図19に示す光学的ローパスフィルタにおける入射光の分離結果を示す図である。
【図21】本発明の第7の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図22】図21に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図23】図21に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図24】図22に示す光学的ローパスフィルタにおける入射光の分離結果を示す図である。
【図25】従来の固体撮像素子の画素配列及び開口例を示す図である。
【図26】従来の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図27】従来の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図28】理想的な光学的周波数特性を示す図である。
【図29】従来の光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【図30】図29に示す従来例の入射光の分離結果を示す図である。
【図31】図30に示す分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図32】図29に示す従来例の水平方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図33】図29に示す従来例の垂直方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図34】従来の画像記録システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズユニット
2 撮像ユニット
3 撮像素子ユニット
11〜13,31〜35,51〜54,81〜84 複屈折板
14〜16,36〜39,55〜58,85〜88 偏光主要面
d1〜d4 分離距離
【産業上の利用分野】
本発明は、光学的ローパスフィルタを用いて撮像素子に入射する被写体光の空間周波数を制限する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
元来、撮像素子にてカラー自然画像を得る場合、撮影レンズ系から撮像素子までの光路中に複屈折板等よりなる光学的フィルタを配置して、輝度の偽信号および偽色信号のキャリヤ成分の影響を抑圧する必要がある。
【0003】
図25は従来の固体撮像素子の画素配列および開口例を示す図である。
【0004】
図25において、Hは水平走査方向をVは垂直走査方向を示す。隣接する2本の水平ラインの一方には、緑色フィルタ1Gおよび青色フィルタ1Bが、phの水平走査方向画素間隔で交互に配置されている、その他方には緑色フィルタ2Gおよび赤色フィルタ2Rがph画素間隔で交互に配置されている。一方、垂直走査方向はpvの画素間隔でやはり交互に配置されている。
【0005】
このような格子上の開口パターンにより、被写体光がサンプリングされるわけであるが、サンプリング定理から明らかなように、サンプリング周波数の1/2に相当するナイキスト点以上の空間周波数は原理的に忠実に再現することができず、これ以上の周波数成分が固体撮像素子上に導かれると、折り返しとなって偽信号として現れることになる。
【0006】
図26及び図27はそれぞれ、図25に示す固体撮像素子における空間周波数スペクトラムを示している。
【0007】
図26の横軸fxと、図27の横軸fyは、各々ph/2πおよびpv/2πにより正規化された水平周波数と垂直周波数を表している。
【0008】
図26において、「fx=1,fy=0」の位置を中心としたキャリア成分により、垂直方向に延びる黒白のストライプからなる細かい縞模様の空間周波数が図中の縦線部領域にある時に、左側の斜線部領域にモアレ(輝度の偽信号)となって折り返る。また、「fx=1/2,fy=0」の位置を中心としたキャリア成分により、垂直方向に延びるやや荒い黒白のストライプがある時に、緑色およびマゼンタのクロスカラー(偽色信号)を生じさせる。
【0009】
図27において、「fx=0,fy=1」の位置を中心としたキャリア成分により、細かい横ストライプの縞模様の空間周波数が図中縦線部領域にある時に、斜線部領域にモアレとなって折り返る。これらの輝度の偽信号および偽色信号は画質に与える影響が大きいので、サンプリング定理に従って、入射光のうち正規化周波数でfx=1/2以上の水平周波数成分と、正規化垂直周波数でfy=1/2以上の垂直周波数成分と、水平方向ではfx=1/2の点で色信号をサンプリングしているので、fx=1/2の点を中心に色信号の周波数帯域分の水平周波数成分を除去する必要がある。
【0010】
図28は理想的な光学的周波数特性を示す図であり、(A)は水平周波数特性を、(B)は垂直周波数特性を表すものである。これらのような、周波数特性を目標とした光学的ローパスフィルタの一般的な従来の構成例を図29に示す。図29で撮影レンズを介した入射光は複屈折板11、12、13の順に透過して固体撮像素子に供給される。ここで、複屈折板11は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面14が水平走査方向Hに対して略45度の角度をなすものである。
【0011】
また、複屈折板12は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面15が水平走査方向Hと略一致するものである。複屈折板13は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面16が水平走査方向Hに対して−45度の角度をなすものである。
【0012】
図30は入射光の分離結果を示す説明図であり、いま複屈折板11及び13の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板12の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、d2/√2<d1<(√2)d2の条件にある時に、これら3枚の複屈折板11、12、13の組み合わせにおいて、原点に入射された1つの光線(21)は、第1の複屈折板11により水平走査方向に対し45度の方向に距離d1だけ分離されて、各々等しい強度の2つの光線(21、22)となる。 次にこれらの光線は第2の複屈折板12により、各々水平走査方向に対して平行に距離d2だけ分離され、各々等しい強度の光線(21、22、23、24)となる。次に、これらの光線は第3の複屈折板13により、各々水平走査方向に対して−45度の方向に距離d1だけ分離されて、各々等しい強度の8つの光線(21、22、23、24、25、26、27、28)に分離される。
【0013】
このような光学的ローパスフィルタを用いた時の空間周波数特性の一般解を求めると、これは図31(A)に示すような水平方向Hにd2の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタと、図31(B)に示すような1つの光線をd1/√2の長さの菱形の頂点の位置の4つの光線に分離する光学的ローパスフィルタとを合成したものとして考えることができる。
【0014】
図31(A)の光学的ローパスフィルタは、ph/2πで正規化した水平周波数の(1/2)・(ph/d2)の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、図31(B)の光学的ローパスフィルタは、水平方向に(1/2)・(ph/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOS2カーブの周波数特性を有し、垂直方向にはpv/2πで正規化した(1/2)・(pv/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOS2カーブの周波数特性を有している。
【0015】
従って、この場合の光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数特性の一般解は、
F1(fx)=COS(π・d2・fx/ph)
×COS2((π・d1/√2)・(fx/ph))
となり、また垂直方向の空間周波数特性の一般解は、
F1(fy)=COS2((π・d1/√2)・(fy/pv))
の周波数特性となる。
【0016】
ここで、phとpvが略等しい値として、例えば、d2=ph、d1/√2=(2/3)・ph=2/3・pv、とした時の水平方向の空間周波数スペクトラムを図32に示す。図で破線COS(π・fx)の曲線と破線COS2((2/3)・π・fx)の曲線とを合成した曲線F1(fx)が求める水平方向の空間周波数スペクトラムであって、その式は、
F1(fx)=COS(π・fx)×COS2((2/3)・π・fx)
で表され、図28に示す理想的な特性に近いカットオフ特性となっている。
【0017】
また、図33に示す曲線は垂直方向の空間周波数スペクトラムF1(fy)であり式としては、
F1(fy)=COS2((2/3)・π・fy)
で表され、図28に示す理想的な特性に近いカットオフ特性となっている。
【0018】
このことは言い換えれば、d1およびd2の値を適切に選択することにより、理想的なカットオフ特性に近付けることが可能なことを意味する。
【0019】
このようにカラー自然画像を撮影する場合には、上記のような光学的ローパスフィルタを撮影光路中に配置することで、輝度の偽信号及び偽色信号のキャリア成分の影響を抑圧し、適切な色再現性および解像度を得ている。
【0020】
ところで、最近では例えば文字、イラスト、図面等のモノカラー被写体を撮影し、モニターあるいはプリント出力で、確認したいという要求が高まってきている。さらに、そのビットマップデータを認識ソフトにかけて、テキストデータや関数データ等に変換するケ−スも増加している。この場合は、撮影画像として高解像度が要求されることになるが、上記の光学的ローパスフィルタのカットオフ特性では、文字等のエッジがボケたりギザギザになったりとぎれたりするため、十分な性能を発揮できない等の問題が発生する。
【0021】
これらの問題の対策例としては、特開昭59−169285号に提案されているものがある。
【0022】
図34は従来の画像記録システムのブロック図である。
【0023】
画像記録システムにあっては、解像度の向上と色再現性の向上とは装置上で実現する場合、相反する要求になる。そこでモード切替スイッチ205によって、カラー画像処理とモノカラー画像処理を切り替えるようにして、カラー画像処理の場合は撮像レンズ200からの被写体光を、高周波成分を抑止するカットオフ特性を持つ光学的ローパスフィルタ201を介して、CCD等の撮像素子203上に結像させている。
【0024】
一方、モノカラー画像処理の場合は、光学系駆動回路204によって光路内に光学的ローパスフィルタ201の代わりに、光学的ローパスフィルタ201と同じ光路長を有している光学部材202を配置し、サンプリングの関係で減衰させる必要があった被写体光の高周波成分を、あまり減衰しないようにしてモノカラー被写体での高解像度の画像を得るようにしている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来例は、モノカラー画像処理の場合に、光学的ローパスフィルタ201を撮影光路から退避させ、代わりに同じ光路長を持つ光学部材を配置する構成としているが、元来結像面近傍は小さなゴミでも結像面に投影され、撮影した画像にゴミの影となって現れてしまい、非常に見苦しい画像になり易い場所であって、撮影光学系200より撮像素子203までの間の撮影光路の周囲は、遮光およびゴミ等の問題から密閉構造が望ましい空間であり、それに、光学的ローパスフィルタ201は入射光が平行光束である必要があって、撮影光学系の後玉レンズから撮像素子203までの間に配置するため、非常に結像面に近い光学部材なので光学的ローパスフィルタ201には、特にゴミが付着しないように注意する必要がある。
【0026】
ところが、従来例では光学的ローパスフィルタ201を機械的に撮影光路内外に移動するもので、非常にゴミを発生しやすく又侵入しやすくなってしまうという問題がある。
【0027】
また、光学的ローパスフィルタ201または同じ光路長を持つ光学部材202を完全に光路外に退避させる為のスペースが必要であり、さらに複雑な移動切り替え機構も必要であって装置が大型化して小形化に逆行するという問題がある。また、同じ光路長を確保する為の光学部材および複雑な移動切り替え機構を要するので、非常に高価なものになってしまうという問題がある。
【0028】
また、光学的ローパスフィルタ201および同じ光路長を有する光学部材202を、完全に光路内外に出し入れする移動機構を考えると、構成部材の機械的精度およびスムースにスライドさせるための遊びが光軸方向で必要となり、その為にバックフォーカスが延びてしまい、撮影光学系が大きくなり高価になってしまうという問題がある。
【0029】
本発明は上述の問題点に鑑みて、撮影光路部周辺の機構を極めて密閉構造を高くしてゴミおよび光線漏れの侵入を防止すると共に、同じ光路長を確保するための光学部材および複雑な移動切り替え機構を必要としない安価な構成によって、カットオフ特性を変えることによりモノカラー画像処理時の高解像度を可能にする撮像装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、入射する被写体光の空間周波数を制限するよう当該被写体光軸上に複数の複屈折板を有する光学的ローパスフィルタと光学像を電気信号に変換する撮像素子を有し、該撮像素子より出力する電気信号を用いて第1の画像信号を形成する第1の撮像モードと、該撮像素子より出力する電気信号を用いて前記第1の画像信号よりも高解像の第2の画像信号を形成する第2の撮像モードとが切り替え可能な撮像装置であって、前記第1の撮像モード及び前記第2の撮像モードの切り換えに応じて、前記被写体光軸上における複数の複屈折板のうち一部を略撮影光軸を軸に回転することによりカットオフ特性を変えることを特徴とする撮像装置である。
【0031】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1および第2の複屈折部材に対し第3の複屈折板を相対的に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0032】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第2と第3の複屈折板を固定として第1の複屈折板を所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0033】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第3の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0034】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1と第2の複屈折板を一体に一定角度回転し第3の複屈折板を一定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0035】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第2の複屈折板を固定として第1の複屈折板を予め決められた所定の角度回転し第3の複屈折板を固定として第4の複屈折板を予め決められた所定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0036】
また、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第1および第2の複屈折板を固定として第3と第4の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置であり、さらに、前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第3および第4の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置である。
【0037】
【作用】
上記構成によれば、撮像素子より出力する電気信号を用いてカラー自然画像信号を形成する第1の撮像モードと、単一色内の画像に対して高解像の画像信号を形成する第2の撮像モードを有する撮像装置において、3枚あるいは4枚等の複屈折板で構成する光学的ローパスフィルタの該複屈折板の一部または全体を、略撮影光軸を中心に回転してカットオフ特性を変えるので、第2の撮像モード時には高解像度の処理が可能になる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
【0039】
図1より図8までは本発明の一実施例を示す図である。
【0040】
図1は本発明の一実施例に係る光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【0041】
図1は従来図27に示す一般的な光学的ロ−パスフィルタの構成において、第3の複屈折板13を第1の複屈折板11および第2の複屈折板12に対し、相対的に所定角度45度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)回転するものである。
【0042】
この時、複屈折板13は入射光を常光線と異常光線に分離し、これら常光線と異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面16が水平走査方向Hと略一致する角度となる。
【0043】
この場合、第3の複屈折板13の常光線と異常光線の分離方向を、第2の複屈折板12の常光線と異常光線の分離方向とは逆向きになるように構成している。いま、複屈折板11および13の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板12の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、図1に示す3枚の複屈折板11、12、13の組み合わせによって、入射光の分離された結果は図2の分離結果の説明図に示すようになる。
【0044】
図2において、原点に入射された1つの光線(21)は、第1の複屈折板11により水平走査方向に対し45度の方向に距離d1だけ分離され、各々等しい強度の2つの光線(21、22)となる。次にこれらの光線は第2の複屈折板12により、各々水平走査方向に対して平行に距離d2だけ分離され、各々等しい強度の4つの光線(21、22、23、24)となる。
【0045】
これらの光線は第3の複屈折板13に入射して、2つの光線(23、24)は第2の複屈折板12の分離距離d2と、第3の複屈折板13の分離距離d1が相殺される方向へ移動して、各々等しい強度の4つの光線(21、22、25、26)に分離される。
【0046】
このような光学的ローパスフィルタを用いた時の空間周波数特性の一般解を求めると、これは図3(A)の分離距離、方向を示す図のように、水平方向Hにd1/√2の距離および、垂直方向Vにd1/√2の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタと、図3(B)のような水平方向Hに(d2−d1)の距離だけ常光線と異常光線に分離する光学的ローパスフィルタとを合成したものとして考えることができる。
【0047】
図3(A)の光学的ローパスフィルタは、水平方向にph/2πで正規化した(1/2)・(ph/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、垂直方向には、pv/2πで正規化した(1/2)・(pv/(d1/√2))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有し、図3(B)の光学的ローパスフィルタは、水平方向に (1/2)・(ph/(d2−d1))の奇数倍の点にトラップポイントを持つCOSカーブの周波数特性を有している。
【0048】
したがって、上の構成での光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数特性(fx)の一般解は、d2≠d1の時、
F2(fx)=COS(π・(d2−d1)・fx/ph)
×COS((π・d1/√2)・(fx/ph))
となり、d2=d1の時、
F2(fx)=COS((π・d1/√2)・(fx/ph))
の周波数特性となる。
【0049】
また、垂直方向の空間周波数特性F2(fy)の一般解は、
F2(fy)=COS((π・d1/√2)・(fy/pv))
の周波数特性となる。
【0050】
いま、phとpvが略等しい値として、d2=ph、d1/√2=(2/3)・ph=(2/3)・pv、とした場合の例での水平方向の空間周波数スペクトラムを、図6の空間周波数スペクトラムに示す。
【0051】
図6において、破線COS((1−(2√2/3))・π・fx)の曲線と、破線COS((2/3)・π・fx)の曲線を合成した曲線F2(fx)が求める水平方向の空間周波数スペクトラムであり、その式は、
F2(fx)=COS((1−(2√2/3)・π・fx)・COS((2/
3)・π・fx)
で表される。
【0052】
図7は水平方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【0053】
図7には従来例の図30に示した光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数スペクトラム、F1(fx)=COS(π・fx)×COS2((2/3)・π・fx)と、図1の光学的ローパスフィルタ構成での水平方向の空間周波数スペクトラム、F2(fx)=COS((1−(2√2/3)・π・fx)・COS((2/3)・π・fx)、を比較図示したものである。
【0054】
図7からも明らかなように、光学的ローパスフィルタの一部または全体を略撮影光軸を中心に回転することによって、光学的ローパスフィルタのカットオフ特性を変えることが可能になり、カラー自然画像を撮影するに適したカットオフ特性F1(fx)の光学的ローパスフィルタの、一部または全体を略撮影光軸を中心に回転するという簡単な手段によって、空間周波数高域成分の減衰を防止し、モノカラー画像を撮影する上で適切なカットオフ特性F2(fx)が得られる。
図8は垂直方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【0055】
図34の従来のF1(fy)の垂直方向の空間周波数スペクトラムと、本実施例のF2(fy)の垂直方向の空間周波数スペクトラムを比較図示したものであり、垂直方向でも水平方向と同様な効果がある。
【0056】
また、図4と図5は本実施例の光学的ローパスフィルタのの回転機構を示す図であり、
図4は回転機構の断面図である。
【0057】
図5は回転機構の分解斜視図である。
【0058】
図4、図5において、撮影レンズユニット1は撮影レンズ鏡筒103と後玉レンズ102等で構成されていて、撮影レンズユニット1の後部には第1の複屈折板11と、赤外カットオフフィルタ101と第2の複屈折板12を固定保持する光学的ローパスフィルタ固定部材113が取り付けられている。
【0059】
また、撮像素子ユニット3は撮像素子パッケージ106に、撮像素子105を実装したものであり、基板107に半田接続されてフレキシブル基板(図示していない)等により外部へ引き出される構成になっている。撮像ユニット2は撮像素子ユニット3および撮像素子ユニット3と撮影レンズユニット1とを光学的に位置決めするための撮像素子ホルダー104から成っている。
【0060】
108は第3の複屈折板13を固定保持する光学的ローパスフィルタ回動部材であり、その内壁面と光学的ローパスフィルタ固定部材113の凸円筒部110及び撮像素子ホルダー104の凸円筒部114の双方と嵌入されており、伝達部材109を介してモード切り替え手段(不図示)により、カラー自然画像モード及びモノカラー画像モードでの適切な位置まで回転する構成となっている。
【0061】
ここで、光学的ローパスフィルタ回動部材108は凸円筒部110と、凸円筒部114と嵌入することで非常に良好な密閉構造をとることが可能になり、ゴミや光線漏れの侵入等を防止することができる。
【0062】
111と112はそれぞれ光学的ローパスフィルタ回動部材108及び光学的ローパスフィルタ固定部材113に形成された凸部であり、カラー自然画像モードとモノカラー画像モードでの適切な位置で停止するためのストッパー手段になっている。
【0063】
このような構成により、撮影者がカラー自然画像モードあるいはモノカラー画像モードを設定することにより、モード切り替え手段(不図示)に連動して伝達部材109を経由し、光学的ローパスフィルタ回動部材108が回転(第3複屈折板13が回転)し、ストッパー手段111、112により適切な位置に停止するものである。
【0064】
図9は本発明の第2の実施例である。
【0065】
前実施例では、第1と第2の複屈折板11、12を固定として、第3の複屈折板13を45度相対的に回転する構成により、光学的ローパスフィルタのカットオフ特性を変えたものであるが、図9に示す第2実施例では第1の複屈折板11を逆方向に所定角度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)、つまり−45度回転させるものである。
【0066】
この時、水平、垂直方向の空間周波数特性は前実施例の場合の図6、図7、図8に示したものと同一となり、画面上において斜め方向の周波数特性は異なるものとなるが、カットオフ特性は第1の実施例と同様な効果を示し、このような第2実施例では第2、第3の複屈折板12、13の方を固定にするため、結像面近傍の密閉構造をより確実にする利点がある。
【0067】
図10は本発明の第3の実施例を示す。
【0068】
図10に示す第3実施例の場合は、図9の第2実施例と同様に、d1=d2の条件下で、第3の複屈折板13を固定とし、第1の複屈折板11と第2の複屈折板12を一体として逆方向(時計回り)に所定角度、つまり−45度回転させると水平方向にのみトラップポイントを有する光学的ローパスフィルタを構成することができるものである。
【0069】
図11は本発明の第4の実施例を示す。
【0070】
図12は図11に示す実施例の入射光の分離結果を示す図である。
【0071】
図13は図12に示す分離光線の分離距離及び方向を示す図である。
図11の場合は、第1の複屈折板11と第2の複屈折板12を一体として、一定角度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より決まる)−22.5度回転させると共に、第3の複屈折板13も逆方向に一定角度つまり22.5度回転させるものである。
【0072】
この場合は、第2の複屈折板12と第3の複屈折板13の常光線と異常光線の分離方向が互いに相殺するように働き、入射光線に対する分離光線は図12に示すように、4つの分離光線(21、22、25、26)となる。これは、図13(A)に示すようにθ1が22.5度の角度で分離距離がd1の光線の成分と、図13(B)のようにθ2が22.5度の角度で分離距離が(d2−d1)の光線の成分を合成したものとなり、カットオフ特性として同様な効果を持つものである。
【0073】
図14、図15は本発明の第5の実施例を示す。
【0074】
図16は入射光の分離結果を示す図である。
【0075】
図14は上記各実施例が複屈折板3枚で光学的ローパスフィルタを構成したのに対し、カラー自然画像を撮影する場合のカットオフ特性を得る複屈折板31、32、34、35の4枚構成としたものである。
【0076】
図14では複屈折板31と32は入射光を常光線と異常光線に分離し、これらの常光線と異常光線が存在する偏光主要面36及び37が水平走査方向Hと一致するものであり、常光線及び異常光線分離方向も同一としたものである。
【0077】
位相板33は複屈折板31と32で偏光成分を持った常光線および異常光線を無偏光状態とし、自然光と同様に特定の偏光成分を持たない光線とするものである。
【0078】
複屈折板34と35は入射光を常光線と異常光線に分離し、これらの常光線と異常光線が存在する偏光主要面38と39が垂直走査方向Vと略一致するものであり、常光線および異常光線分離方向も同一としたものである。
【0079】
いま、複屈折板31および32の常光線と異常光線の分離距離をd1、複屈折板34および35の常光線と異常光線の分離距離をd2とした場合、この4枚の複屈折板と位相板31、32、33、34、35の組み合わせによって、入射光の分離された結果は図16に示すようになる。
【0080】
図16において、原点に入射した1つの光線(41)は、第1の複屈折板31により常光線と異常光線が水平走査方向に距離d1だけ分離され、各々等しい強度の2つの光線(41、42)となる。次にこれらの光線は第2の複屈折板32により、再び水平走査方向に対して平行に分離方向が同一で距離d1だけ分離される。すなわち、光線(42)が距離d1だけ光線(43)に移動することになり、各々等しい強度の2つの光線(41、43)となる。
【0081】
次に、これらの光線は位相板33を介し、第3の複屈折板34により常光線と異常光線が各々垂直走査方向に対して距離d2だけ分離され、各々等しい強度の4つの光線(41、43、44、45)に分離される。つづいて、第4の複屈折板35によって再び垂直走査方向に対して分離方向が同一で距離d2だけ分離される。
【0082】
すなわち、光線(44、45)が距離d2だけ光線(46、47)に移動することになり、各々等しい強度の4つの光線(41、43、46、47)となる。従って、分離距離d1およびd2を適切に選択することにより、クロスカラーおよびモアレの少ないカットオフ特性が得られるものである。
【0083】
図15は図14において複屈折板を回転する光学的ローパスフィルタの構成を示す。
【0084】
図15の場合は、第2と第3の複屈折板32、34を固定として、第1および第4の複屈折板31、35を、予め決められた所定の角度180度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より予め決まる所定の角度)回転するものである。この時、第1の複屈折板31と第2の複屈折板32は分離距離d1が等しく、且つ分離方向が全く反対方向になるので、一度第1の複屈折板31により常光線と異常光線に分離した光線が第2の複屈折板32によって再び無偏光状態になる。
【0085】
第3の複屈折板34と第4の複屈折板35に関しても同様である。従って、図15の回転した光学的ローパスフィルタは光線が分離することはなく、光学的ローパスフィルタの役目をしない素通しの光学部材と等価となり、空間周波数としては高域成分が全く落ちることのないフラットな特性が得られ、モノカラー画像モードとしては最適な特性が得られる。
【0086】
図17、図18は本発明の第6の実施例を示す。
【0087】
図17は位相板を使用しない4枚の複屈折板によりカラー自然画像用光学的ローパスフィルタを構成した例を示すもので、複屈折板51は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で偏光主要面55が、水平走査方向Hに対して略45度の角度をなすものである。
【0088】
複屈折板52、54は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する偏光主要面56、58が水平走査方向Hと略一致するものである。複屈折板53は入射光を常光線および異常光線に分離し、その常光線および異常光線が存在する偏光主要面57が水平走査方向Hに対して略−45度の角度をなすものである。
【0089】
いま、複屈折板51と53の常光線および異常光線の分離距離をd1、複屈折板52の常光線および異常光線の分離距離をd2、複屈折板54の常光線および異常光線の分離距離をd4とした場合、複屈折板51と52と53の構成は、図29に示す複屈折板3枚構成の従来例のローパスフィルタと全く同一であり、入射した光線は図30に示したものと同様8つの光線に分離される。
【0090】
これら8つの光線は複屈折板54により、各々水平走査方向に対して平行に距離d4だけ分離され、図19の入射光の分離結果図に示すように、各々強度の等しい16の光線(61、62、63、64、65、66、67、68、71、72、73、74、75、76、77、78)に分離される。従って分離距離d1とd2とd4を適切に選択することにより、図29の3枚構成の従来例ローパスフィルタと比較しても、より改善された水平方向のカットオフ特性が得られる。
【0091】
図18は図17に示す光学的ローパスフィルタの複屈折板を回転してモノカラー画像時の特性を得るものである。
【0092】
図18(A)は第3の複屈折板53と第4の複屈折板54を一体に45度(光学的ローパスフィルタ構成要素の入射光の分離距離、方向等の特性上より予め決められる一定の角度)、回転するものである。
【0093】
図18(B)の場合は、第1の複屈折板51と第2の複屈折板52を一体として、予め決められた一定の角度、−45度回転するものである。
【0094】
ここで第2の複屈折板52による分離距離d2と第3の複屈折板53による分離距離d1とを等しくしておくと、両者の分離方向が反対方向であるためローパスフィルタとしての特性は、第1の複屈折板51および第4の複屈折板54による分離距離(d1−d4)によって決まる。
【0095】
図18(A)の構成により入射光の分離された結果は図20(A)に、図18(B)の構成で入射光が分離された結果は図20(B)に示すようになる。分離距離(d1−d2)が小さくなればなるほど、ローパスフィルタのトラップポイントは高域側にシフトして、モノカラー画像モードに適した空間周波数特性となる。
【0096】
従って前実施例と同様に図18において、第1の複屈折板51による分離距離d1と、第4の複屈折板54による分離距離d4を等しくすることにより、回転によりローパスフィルタとしての効果を全く無くすることができる。
【0097】
また、この場合は同じ4枚構成の前実施例に比較して単一部材の回転機構で済むことになり、装置の大型化を避けることができる。
【0098】
図21、図22は本発明の第7の実施例を示す。図21はカラー自然画像を撮影する場合のカットオフ特性を得る4枚構成の光学的ローパスフィルタを示す。図23は図21に示す光学的ローパスフィルタ入射光の分離結果を示す図である。図24は図22に示す光学的ローパスフィルタ入射光の分離結果を示す図である。
【0099】
第1の複屈折板81は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する図面の紙面に直交する方向で、偏光主要面55が水平走査方向Hと略一致するものである。第2、第3の複屈折板82、83は入射光を常光線および異常光線に分離し、これらの常光線及び異常光線が存在する偏光主要面86、87が水平走査方向Hに対し、各々略45度、135度の角度をなすものである。第4の複屈折板84は入射光を常光線及び異常光線に分離し、これらの常光線および異常光線が存在する偏光主要面88が垂直走査方向Vと一致するものである。
【0100】
いま、第1の複屈折板81の常光線および異常光線の分離距離をd1、第2、第3の複屈折板82、83の常光線および異常光線の分離距離をd2、第4の複屈折板84の常光線および異常光線の分離距離をd4とした場合、入射光線は図23の入射光の分離結果図に示すように、各々強度の等しい8つの光線(92、93、94、95、96、97、98、99)に分離される。
【0101】
図22は図21に示す光学的ローパスフィルタを回転してモノカラー画像時のカットオフ特性を得る構成を示す。
【0102】
図22(A)では、第3の複屈折板83と第4の複屈折板84を一体に、予め決められた一定の角度90度回転したものである。
【0103】
図22(B)では、第1の複屈折板81と第2の複屈折板82を一体に、予め決められた一定の角度−90度回転したものである。
【0104】
ここで第2の複屈折板82による分離距離と第3の複屈折板83による分離距離が等しく、両者の分離方向が反対方向であるためローパスフィルタとしての効果は、第1の複屈折板81と第4の複屈折板84による分離距離(d1−d4)によって定まる。
【0105】
図22(A)の構成による入射光の分離された結果を図24(A)に、図22(B)の構成による入射光の分離された結果を図24(B)に示す。
【0106】
分離距離(d1−d4)が小さくなればなるほど、ローパスフィルタのトラップポイントは高域側にシフトし、モノカラー画像モードに適した空間周波数特性となる。
【0107】
図22(A)のように、第3の複屈折板83と第4の複屈折板84を一体回転させた場合に得られる出射光線は、水平走査方向Hの方向に一致するため、水平走査線方向にのみロ−パス効果を有する光学的ローパスフィルタになる。一方、図22(B)のように、第1の複屈折板81と第2の複屈折板82を一体に回転させた場合に得られる出射光線は、垂直走査方向Vの方向に一致するため、垂直走査線方向にのみトラップポイントを有する光学的ローパスフィルタになる。
【0108】
また、前実施例6、6と同様に、図22において第1の複屈折板81による分離距離d1と、第4の複屈折板84による分離距離d4を等しくすることで、回転後のローパスフィルタとしての効果を無くすることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光学的ローパスフィルタの一部または全体を略撮影光軸を中心に回転することにより、カットオフ特性を変えることができるように構成したので、撮影光路部周辺の機構を極めて密閉構造を高くすることが可能になり、ゴミ及び光線漏れの侵入等を完全に防止できる良好な撮像装置を提供できる効果がある。
【0110】
またローパスフィルタ又は同光路長を有する光学部材共に完全に光路外へ退避させるような必要も無く簡単な切り替え機構で済むので、安価に構成できると共に装置の小形化を促進するという効果もある。
【0111】
また撮影光軸方向での無駄な隙間、遊び等を設ける必要がなく、不必要にバックフォーカスを延ばす必要も無いので、撮影光学系を小さくすることが可能になり、安価な撮影レンズ光学系を構成できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る撮像装置の光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す光学的ローパスフィルタによる入射光の分離結果を示す図である。
【図3】図2に示す入射光の分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図4】図1に示す光学的ローパスフィルタの回転機構の断面図である。
【図5】図4に示す回転機構の斜視図である。
【図6】図1に示す光学的ローパスフィルタの水平方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図7】水平方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【図8】垂直方向の空間周波数スペクトラムの比較図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施例に係る光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図12】図11に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図13】図12に示す分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図15】図14に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図16】図14に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図18】図17に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図19】図17に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図20】図19に示す光学的ローパスフィルタにおける入射光の分離結果を示す図である。
【図21】本発明の第7の実施例に係るカラー自然画像撮影用の光学的ローパスフィルタ構成例を示す図である。
【図22】図21に示す光学的ローパスフィルタの回転構成例を示す図である。
【図23】図21に示す光学的ローパスフィルタの入射光の分離結果を示す図である。
【図24】図22に示す光学的ローパスフィルタにおける入射光の分離結果を示す図である。
【図25】従来の固体撮像素子の画素配列及び開口例を示す図である。
【図26】従来の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図27】従来の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図28】理想的な光学的周波数特性を示す図である。
【図29】従来の光学的ローパスフィルタの構成例を示す図である。
【図30】図29に示す従来例の入射光の分離結果を示す図である。
【図31】図30に示す分離結果の分離距離及び方向を示す図である。
【図32】図29に示す従来例の水平方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図33】図29に示す従来例の垂直方向の空間周波数スペクトラムを示す図である。
【図34】従来の画像記録システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズユニット
2 撮像ユニット
3 撮像素子ユニット
11〜13,31〜35,51〜54,81〜84 複屈折板
14〜16,36〜39,55〜58,85〜88 偏光主要面
d1〜d4 分離距離
Claims (8)
- 入射する被写体光の空間周波数を制限するよう当該被写体光軸上に複数の複屈折板を有する光学的ローパスフィルタと光学像を電気信号に変換する撮像素子を有し、該撮像素子より出力する電気信号を用いて第1の画像信号を形成する第1の撮像モードと、該撮像素子より出力する電気信号を用いて前記第1の画像信号よりも高解像の第2の画像信号を形成する第2の撮像モードとが切り替え可能な撮像装置であって、
前記第1の撮像モード及び前記第2の撮像モードの切り換えに応じて、前記被写体光軸上における複数の複屈折板のうち一部を略撮影光軸を軸に回転することによりカットオフ特性を変えることを特徴とする撮像装置。 - 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1および第2の複屈折部材に対し第3の複屈折板を相対的に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第2と第3の複屈折板を固定として第1の複屈折板を所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第3の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に所定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3の複屈折板を有し、第2の撮像モード時に第1と第2の複屈折板を一体に一定角度回転し第3の複屈折板を一定角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第2の複屈折板を固定として第1の複屈折板を予め決められた所定の角度回転し第3の複屈折板を固定として第4の複屈折板を予め決められた所定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第1および第2の複屈折板を固定として第3と第4の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記光学的ローパスフィルタは、入射光側から第1、第2、第3、及び第4の複屈折板を有し、第2撮像モード時に第3および第4の複屈折板を固定として第1と第2の複屈折板を一体に予め決められた一定の角度回転するものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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