JP2004125346A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車空調装置の室内熱交換器(ヒータコア)3などの加熱のみを行う熱交換器において、CO2 を熱媒体として空調空気の加熱を行うにあたり、熱媒体の流れにおいてターンなどによる圧力損失を増加させることなく、熱媒体の温度の偏りを縮小できる熱交換器の提供。
【解決手段】空調空気流の上流側に配された前方コア4と、該前方コア4に並設して下流側に配された後方コア5とを備え、熱媒体(CO2 )が後方コア5から前方コア4に流れる室内熱交換器3において、後方コア5が備えるフィン52のピッチを、前方コア4が備えるフィン42のピッチより疎にすることによって、前方コア4の伝熱量の割合を後方コア5の伝熱量の割合よりも大きく設定する。これによって、熱媒体の後方コア5の入口付近における急激な温度低下を防ぐことができ、熱媒体の温度の偏りを縮小できる。
【選択図】 図1
【解決手段】空調空気流の上流側に配された前方コア4と、該前方コア4に並設して下流側に配された後方コア5とを備え、熱媒体(CO2 )が後方コア5から前方コア4に流れる室内熱交換器3において、後方コア5が備えるフィン52のピッチを、前方コア4が備えるフィン42のピッチより疎にすることによって、前方コア4の伝熱量の割合を後方コア5の伝熱量の割合よりも大きく設定する。これによって、熱媒体の後方コア5の入口付近における急激な温度低下を防ぐことができ、熱媒体の温度の偏りを縮小できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素(以下、CO2 と略す)を熱媒体とした圧縮サイクルを用いて空調空気の加熱を行うのに好適な熱交換器に関するものであり、特に自動車空調装置の室内熱交換器(ヒータコア)など、加熱のみを行う熱交換器に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮サイクルにおける熱媒体として、オゾン層破壊などの環境破壊を生じないCO2 が注目されている。しかしCO2 は臨界温度が低いため、加熱に必要なレベルの温度では凝縮しない。このため、CO2 を熱媒体として使用する場合、相変化による凝縮熱を利用することができず、圧縮機によって高温高圧になったCO2 ガスの顕熱のみで加熱を行うことになる。
【0003】
したがって熱容量の小さい気体の顕熱によって加熱を行うことになり、熱媒体は熱交換器への入口からごくわずかの流域で、急激に温度が低下する。
このため、熱媒体(CO2 )の温度は、熱媒体の熱交換器への入口付近のみが高くなってしまい、熱媒体の流れ方向において大きな偏りが生じてしまう。
【0004】
自動車空調装置のヒータコアなどにおける、熱媒体の流れ方向の温度の偏りは、運転席側と助手席側での空調空気の吹出温度の差を生じさせ、空調に不具合を生じさせる。そこで、熱媒体の流れ方向に意図的に伝熱能力を変化させ、熱媒体の温度の偏りを縮小する必要がある。
熱媒体の温度の偏りを縮小するための従来技術としては、熱媒体の流れを被加熱媒体の温度の高いものから熱交換できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−203250公報(第3−6頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のごとき発明では、熱媒体の流れにおいてターン数が多くなり熱媒体の圧力損失が大きくなるため、圧縮機への負荷が大きくなる。逆にターン数を増やさずに、最適な順番に熱交換をするためには被加熱媒体の流路を複雑にする必要があり、送風機の負荷が大きくなる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、自動車空調装置の室内熱交換器(ヒータコア)などの加熱のみを行う熱交換器において、CO2 を熱媒体として空調空気の加熱を行うにあたり、熱媒体の流れにおいてターンなどによる圧力損失を増加させることなく、熱媒体の温度の偏りを縮小できる熱交換器の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明は、空調空気流の上流側に配された前方コアと、該前方コアに並設して下流側に配された後方コアとを備え、熱媒体が後方コアから前方コアに流れる熱交換器において、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0009】
それによって、熱媒体の上流部、すなわち、熱媒体の熱交換器への入口付近の伝熱量を下げることができ、熱媒体の熱交換器への入口付近での急激な温度低下を抑えることができる。一方、後方コアの伝熱量の減少は前方コアの伝熱量を増加させることで補うことができる。
【0010】
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンのピッチを、前方コアが備える下流フィンのピッチより疎にしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0011】
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの上流ルーバの傾斜を、前方コアが備える下流フィンの下流ルーバの傾斜より緩やかにしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0012】
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの上流ルーバのピッチを、前方コアが備える下流フィンの下流ルーバのピッチより疎にしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0013】
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、前方コアが備える下流フィンにのみルーバを設けたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0014】
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの板厚を、前方コアが備える下流フィンの板厚よりも薄くしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0015】
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの高さを、前方コアが備える下流フィンの高さよりも高くしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0016】
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが有する上流チューブの相当直径を、前方コアが有する下流チューブの相当直径よりも大きくしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0017】
〔請求項9の手段〕
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8に記載の熱交換器を組み込んだ圧縮式空調装置であって、二酸化炭素を熱媒体として用いることを特徴とする。
それによって、臨界温度の低い二酸化炭素を熱媒体として加熱を行う場合、熱交換器内の熱媒体の流れ方向の温度の偏りを縮小することができ、空調空気の吹出温度の差にともなう空調の不具合を解消することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明を図1ないし図3に示す実施例とともに説明する。本実施例では自動車空調装置1にCO2 の圧縮サイクル2を適用し、室内熱交換器3によって空調空気の加熱を行っている。
自動車空調装置1は図2に示すごとく、上流部においてブロワ12を備え、その下流には冷媒蒸発器13と室内熱交換器3とを備える。空調空気は内外気切替ドア11を介して、ブロワ12により吸引される。吸引された空調空気は冷媒蒸発器13で冷却除湿され、その後、目標温度に応じて一部がエアミックスドア14を介して、室内熱交換器3により加熱され、自動車室内へ送られる。
【0019】
圧縮サイクル2は図2に示すごとく、圧縮機21と、圧縮機21と直結する室内熱交換器3と、圧縮機21の下流にあって大気と熱の交換を行う室外熱交換器23を備える。
CO2 ガスは圧縮機21により、臨界点以上の高温、高圧まで圧縮されて吐出され、室内熱交換器3で空調空気を加熱する。
【0020】
その後、冷房運転においてはバイパスバルブ22Bを通過し、室外熱交換器23で大気によって冷却され、さらに内部熱交換器24で冷媒蒸発器13を出た低温のCO2 によって冷却される。冷却され液化したCO2 は冷房用膨張弁25で膨張され、冷媒蒸発器13で気化熱を奪い空調空気の冷却除湿を行う。冷媒蒸発器13を出たCO2 は、アキュムレータ26を介して圧力調整され、内部熱交換器24で残余の冷熱を、室外熱交換器23を出たCO2 に与える。その後、再度、圧縮機21によって圧縮され、サイクルを繰り返す。
【0021】
一方、暖房運転においては、室内熱交換器3で空調空気を加熱することにより温度が低下したCO2 ガスは暖房用膨張弁22で膨張されてさらに温度を下げ、室外熱交換器23で大気熱を吸収する。その後、バイパスバルブ25Bを通過し、アキュムレータ26で圧力調整されたのち、再度、圧縮機21によって圧縮され、サイクルを繰り返す。
【0022】
室内熱交換器3に使用される熱交換器は図1に示すごとく、空調空気の流れに対し上流側に置かれた前方コア4と、下流側に置かれた後方コア5とを熱交換器本体として備える。
後方コア5の一端側には、熱媒体であるCO2 ガスの上流側ヘッダー31が備えられ上流配管32が接続されている。後方コア5の他端側には中間ヘッダー33が備えられ、前方コア4の一端側と連結されている。前方コア4の他端側には下流側ヘッダー34が備えられ下流配管35が接続されている。
【0023】
下流側ヘッダー34と中間ヘッダー33とは、前方コア4が有する複数の下流チューブ41によって連結され、中間ヘッダー33と上流側ヘッダー31とは、後方コア5が有する複数の上流チューブ51によって連結されている。
隣接する下流チューブ41間には、伝熱能力を高めるためフィン42が接合されている。フィン42には図3に示すごとく、さらに空気の混合を促進して伝熱能力を高めるために、ルーバ43が設けられている。上流チューブ51間にも、同様の目的でフィン52、ルーバ53が設けられている。
【0024】
圧縮機21によって圧縮され高温となったCO2 ガスは、上流配管32を通って上流側ヘッダー31に流入する。上流側ヘッダー31に流入したCO2 ガスは上流チューブ51に分配され、フィン52、ルーバ53を介して空調空気と熱交換を行いながら温度を低下させていく。その後、中間ヘッダー33で流れ方向をターンさせ、下流チューブ41に分配され、フィン42、ルーバ43を介して空調空気と熱交換を行う。熱交換を終えたCO2 ガスは下流側ヘッダー34に集約され、下流配管35を通って室外熱交換器23へと送られる。
【0025】
一方、空調空気は前方コア4に対しほぼ垂直に供給され、まず前方コア4のフィン42、ルーバ43を介して、下流チューブ41を流れるCO2 ガスによって加熱される。次に後方コア5に、そのままほぼ垂直に流れ込み、後方コア5のフィン52、ルーバ53を介して、上流チューブ51を流れるCO2 ガスによって加熱される。
【0026】
従来の前方コアと後方コアとは、同一の構造を備えているため伝熱能力は全く同等であった。このため、上記のごとくCO2 ガスを流すと、上流側ヘッダー31に近い部分でCO2 ガスの温度が急激に下がるため、CO2 ガスの流れ方向において、CO2 ガスの温度の偏りが大きくなり、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差は大きかった(8℃以上)。
【0027】
第1実施例では図3に示すごとくフィンピッチを、前方コア4のフィン42では従来より小さく、後方コア5のフィン52では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィンピッチに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善では、空調空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0028】
第2実施例では図4に示すごとくルーバ43、53の傾斜を、前方コア4のルーバ43では従来より大きく、後方コア5のルーバ53では従来より小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでルーバ43、53の傾斜に差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0029】
第3実施例では図5に示すごとくルーバピッチを、前方コア4のルーバ43では従来より小さく、後方コア5のルーバ53では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでルーバピッチに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0030】
第4実施例では図6に示すごとく、後方コア5ではルーバがないフィン52を使用し、前方コア4のルーバ43では、ルーバピッチを従来よりも小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく後方コア5のフィン52のルーバをなくすことにより、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0031】
第5実施例では図7に示すごとくフィン42、52の板厚を、前方コア4のフィン42では従来より大きく、後方コア5のフィン52では従来より小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィン42、52の板厚に差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0032】
第6実施例では図8に示すごとくフィン42、52の山の高さを、前方コア4のフィン42では従来より小さく、後方コア5のフィン52では従来より大きくした。すなわち下流、上流チューブ41、51の本数を、前方コア4では従来より多く、後方コア5では従来より少なくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィン42、52の山の高さに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0033】
第7実施例では図9に示すごとくチューブ1本あたりの流路部屋数を、前方コア4の下流チューブ41では従来より多く、後方コア5の上流チューブ51では従来より少なくした。すなわち下流、上流チューブ41、51の相当直径を、前方コア4では従来より小さく、後方コア5では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とで下流、上流チューブ41、51の相当直径に差を設けることで、後方コア5の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0034】
〔変形例〕
本実施例は、向流式熱交換器を用いて超臨界状態のCO2 のごとく気相の熱媒体によって加熱するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、熱交換の方式として並流式を採用してもよく、LLC(ロングライフクーラント)のごとく液相の熱媒体を用いてもよく、また、暖房ばかりでなく冷房運転に適用してもよい。
さらに伝熱能力に差を設ける手段も実施例に限定されるものではなく、また、コアが1つの熱交換器において加熱媒体の流れ方向に伝熱能力の差を設けるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる熱交換器の斜視図である。
【図2】CO2 圧縮サイクルを用いた自動車空調装置を示す図である。
【図3】第1実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図4】第2実施例にかかるフィンおよびルーバの一部を示す断面図である。
【図5】第3実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図6】第4実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図7】第5実施例にかかるフィンおよびルーバの一部を示す断面図である。
【図8】第6実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す断面図である。
【図9】第7実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 自動車空調装置
2 圧縮サイクル
3 室内熱交換器(ヒータコア)
31 上流側ヘッダー
33 中間ヘッダー
34 下流側ヘッダー
4 前方コア
41 下流チューブ
42 フィン(下流フィン)
43 ルーバ(下流ルーバ)
5 後方コア
51 上流チューブ
52 フィン(上流フィン)
53 ルーバ(上流ルーバ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素(以下、CO2 と略す)を熱媒体とした圧縮サイクルを用いて空調空気の加熱を行うのに好適な熱交換器に関するものであり、特に自動車空調装置の室内熱交換器(ヒータコア)など、加熱のみを行う熱交換器に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
圧縮サイクルにおける熱媒体として、オゾン層破壊などの環境破壊を生じないCO2 が注目されている。しかしCO2 は臨界温度が低いため、加熱に必要なレベルの温度では凝縮しない。このため、CO2 を熱媒体として使用する場合、相変化による凝縮熱を利用することができず、圧縮機によって高温高圧になったCO2 ガスの顕熱のみで加熱を行うことになる。
【0003】
したがって熱容量の小さい気体の顕熱によって加熱を行うことになり、熱媒体は熱交換器への入口からごくわずかの流域で、急激に温度が低下する。
このため、熱媒体(CO2 )の温度は、熱媒体の熱交換器への入口付近のみが高くなってしまい、熱媒体の流れ方向において大きな偏りが生じてしまう。
【0004】
自動車空調装置のヒータコアなどにおける、熱媒体の流れ方向の温度の偏りは、運転席側と助手席側での空調空気の吹出温度の差を生じさせ、空調に不具合を生じさせる。そこで、熱媒体の流れ方向に意図的に伝熱能力を変化させ、熱媒体の温度の偏りを縮小する必要がある。
熱媒体の温度の偏りを縮小するための従来技術としては、熱媒体の流れを被加熱媒体の温度の高いものから熱交換できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−203250公報(第3−6頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のごとき発明では、熱媒体の流れにおいてターン数が多くなり熱媒体の圧力損失が大きくなるため、圧縮機への負荷が大きくなる。逆にターン数を増やさずに、最適な順番に熱交換をするためには被加熱媒体の流路を複雑にする必要があり、送風機の負荷が大きくなる。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、自動車空調装置の室内熱交換器(ヒータコア)などの加熱のみを行う熱交換器において、CO2 を熱媒体として空調空気の加熱を行うにあたり、熱媒体の流れにおいてターンなどによる圧力損失を増加させることなく、熱媒体の温度の偏りを縮小できる熱交換器の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明は、空調空気流の上流側に配された前方コアと、該前方コアに並設して下流側に配された後方コアとを備え、熱媒体が後方コアから前方コアに流れる熱交換器において、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0009】
それによって、熱媒体の上流部、すなわち、熱媒体の熱交換器への入口付近の伝熱量を下げることができ、熱媒体の熱交換器への入口付近での急激な温度低下を抑えることができる。一方、後方コアの伝熱量の減少は前方コアの伝熱量を増加させることで補うことができる。
【0010】
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンのピッチを、前方コアが備える下流フィンのピッチより疎にしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0011】
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの上流ルーバの傾斜を、前方コアが備える下流フィンの下流ルーバの傾斜より緩やかにしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0012】
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの上流ルーバのピッチを、前方コアが備える下流フィンの下流ルーバのピッチより疎にしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0013】
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、前方コアが備える下流フィンにのみルーバを設けたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0014】
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの板厚を、前方コアが備える下流フィンの板厚よりも薄くしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0015】
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが備える上流フィンの高さを、前方コアが備える下流フィンの高さよりも高くしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0016】
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくする手段として、後方コアが有する上流チューブの相当直径を、前方コアが有する下流チューブの相当直径よりも大きくしたことを特徴とする。
それによって、前方コアの伝熱量の割合を後方コアの伝熱量の割合よりも大きくすることができ、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0017】
〔請求項9の手段〕
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8に記載の熱交換器を組み込んだ圧縮式空調装置であって、二酸化炭素を熱媒体として用いることを特徴とする。
それによって、臨界温度の低い二酸化炭素を熱媒体として加熱を行う場合、熱交換器内の熱媒体の流れ方向の温度の偏りを縮小することができ、空調空気の吹出温度の差にともなう空調の不具合を解消することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明を図1ないし図3に示す実施例とともに説明する。本実施例では自動車空調装置1にCO2 の圧縮サイクル2を適用し、室内熱交換器3によって空調空気の加熱を行っている。
自動車空調装置1は図2に示すごとく、上流部においてブロワ12を備え、その下流には冷媒蒸発器13と室内熱交換器3とを備える。空調空気は内外気切替ドア11を介して、ブロワ12により吸引される。吸引された空調空気は冷媒蒸発器13で冷却除湿され、その後、目標温度に応じて一部がエアミックスドア14を介して、室内熱交換器3により加熱され、自動車室内へ送られる。
【0019】
圧縮サイクル2は図2に示すごとく、圧縮機21と、圧縮機21と直結する室内熱交換器3と、圧縮機21の下流にあって大気と熱の交換を行う室外熱交換器23を備える。
CO2 ガスは圧縮機21により、臨界点以上の高温、高圧まで圧縮されて吐出され、室内熱交換器3で空調空気を加熱する。
【0020】
その後、冷房運転においてはバイパスバルブ22Bを通過し、室外熱交換器23で大気によって冷却され、さらに内部熱交換器24で冷媒蒸発器13を出た低温のCO2 によって冷却される。冷却され液化したCO2 は冷房用膨張弁25で膨張され、冷媒蒸発器13で気化熱を奪い空調空気の冷却除湿を行う。冷媒蒸発器13を出たCO2 は、アキュムレータ26を介して圧力調整され、内部熱交換器24で残余の冷熱を、室外熱交換器23を出たCO2 に与える。その後、再度、圧縮機21によって圧縮され、サイクルを繰り返す。
【0021】
一方、暖房運転においては、室内熱交換器3で空調空気を加熱することにより温度が低下したCO2 ガスは暖房用膨張弁22で膨張されてさらに温度を下げ、室外熱交換器23で大気熱を吸収する。その後、バイパスバルブ25Bを通過し、アキュムレータ26で圧力調整されたのち、再度、圧縮機21によって圧縮され、サイクルを繰り返す。
【0022】
室内熱交換器3に使用される熱交換器は図1に示すごとく、空調空気の流れに対し上流側に置かれた前方コア4と、下流側に置かれた後方コア5とを熱交換器本体として備える。
後方コア5の一端側には、熱媒体であるCO2 ガスの上流側ヘッダー31が備えられ上流配管32が接続されている。後方コア5の他端側には中間ヘッダー33が備えられ、前方コア4の一端側と連結されている。前方コア4の他端側には下流側ヘッダー34が備えられ下流配管35が接続されている。
【0023】
下流側ヘッダー34と中間ヘッダー33とは、前方コア4が有する複数の下流チューブ41によって連結され、中間ヘッダー33と上流側ヘッダー31とは、後方コア5が有する複数の上流チューブ51によって連結されている。
隣接する下流チューブ41間には、伝熱能力を高めるためフィン42が接合されている。フィン42には図3に示すごとく、さらに空気の混合を促進して伝熱能力を高めるために、ルーバ43が設けられている。上流チューブ51間にも、同様の目的でフィン52、ルーバ53が設けられている。
【0024】
圧縮機21によって圧縮され高温となったCO2 ガスは、上流配管32を通って上流側ヘッダー31に流入する。上流側ヘッダー31に流入したCO2 ガスは上流チューブ51に分配され、フィン52、ルーバ53を介して空調空気と熱交換を行いながら温度を低下させていく。その後、中間ヘッダー33で流れ方向をターンさせ、下流チューブ41に分配され、フィン42、ルーバ43を介して空調空気と熱交換を行う。熱交換を終えたCO2 ガスは下流側ヘッダー34に集約され、下流配管35を通って室外熱交換器23へと送られる。
【0025】
一方、空調空気は前方コア4に対しほぼ垂直に供給され、まず前方コア4のフィン42、ルーバ43を介して、下流チューブ41を流れるCO2 ガスによって加熱される。次に後方コア5に、そのままほぼ垂直に流れ込み、後方コア5のフィン52、ルーバ53を介して、上流チューブ51を流れるCO2 ガスによって加熱される。
【0026】
従来の前方コアと後方コアとは、同一の構造を備えているため伝熱能力は全く同等であった。このため、上記のごとくCO2 ガスを流すと、上流側ヘッダー31に近い部分でCO2 ガスの温度が急激に下がるため、CO2 ガスの流れ方向において、CO2 ガスの温度の偏りが大きくなり、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差は大きかった(8℃以上)。
【0027】
第1実施例では図3に示すごとくフィンピッチを、前方コア4のフィン42では従来より小さく、後方コア5のフィン52では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィンピッチに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善では、空調空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0028】
第2実施例では図4に示すごとくルーバ43、53の傾斜を、前方コア4のルーバ43では従来より大きく、後方コア5のルーバ53では従来より小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでルーバ43、53の傾斜に差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0029】
第3実施例では図5に示すごとくルーバピッチを、前方コア4のルーバ43では従来より小さく、後方コア5のルーバ53では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでルーバピッチに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0030】
第4実施例では図6に示すごとく、後方コア5ではルーバがないフィン52を使用し、前方コア4のルーバ43では、ルーバピッチを従来よりも小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく後方コア5のフィン52のルーバをなくすことにより、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0031】
第5実施例では図7に示すごとくフィン42、52の板厚を、前方コア4のフィン42では従来より大きく、後方コア5のフィン52では従来より小さくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィン42、52の板厚に差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0032】
第6実施例では図8に示すごとくフィン42、52の山の高さを、前方コア4のフィン42では従来より小さく、後方コア5のフィン52では従来より大きくした。すなわち下流、上流チューブ41、51の本数を、前方コア4では従来より多く、後方コア5では従来より少なくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とでフィン42、52の山の高さに差を設けることで、室内熱交換器3の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0033】
第7実施例では図9に示すごとくチューブ1本あたりの流路部屋数を、前方コア4の下流チューブ41では従来より多く、後方コア5の上流チューブ51では従来より少なくした。すなわち下流、上流チューブ41、51の相当直径を、前方コア4では従来より小さく、後方コア5では従来より大きくした。このため、後方コア5の伝熱能力が従来よりも下がり、後方コア5の上流側ヘッダー31付近でのCO2 の急激な温度低下を抑えることができる。一方、前方コア4では伝熱能力が従来よりも上がっているので、後方コア5における加熱不足を補うことができる。
上記のごとく前方コア4と後方コア5とで下流、上流チューブ41、51の相当直径に差を設けることで、後方コア5の左右両端における出側の空調空気の温度差を3℃以下に縮小することができる。なお、本実施例における改善でも、空気の加熱量は従来と比べて99%確保できる。
【0034】
〔変形例〕
本実施例は、向流式熱交換器を用いて超臨界状態のCO2 のごとく気相の熱媒体によって加熱するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、熱交換の方式として並流式を採用してもよく、LLC(ロングライフクーラント)のごとく液相の熱媒体を用いてもよく、また、暖房ばかりでなく冷房運転に適用してもよい。
さらに伝熱能力に差を設ける手段も実施例に限定されるものではなく、また、コアが1つの熱交換器において加熱媒体の流れ方向に伝熱能力の差を設けるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる熱交換器の斜視図である。
【図2】CO2 圧縮サイクルを用いた自動車空調装置を示す図である。
【図3】第1実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図4】第2実施例にかかるフィンおよびルーバの一部を示す断面図である。
【図5】第3実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図6】第4実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【図7】第5実施例にかかるフィンおよびルーバの一部を示す断面図である。
【図8】第6実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す断面図である。
【図9】第7実施例にかかるフィンおよびチューブの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 自動車空調装置
2 圧縮サイクル
3 室内熱交換器(ヒータコア)
31 上流側ヘッダー
33 中間ヘッダー
34 下流側ヘッダー
4 前方コア
41 下流チューブ
42 フィン(下流フィン)
43 ルーバ(下流ルーバ)
5 後方コア
51 上流チューブ
52 フィン(上流フィン)
53 ルーバ(上流ルーバ)
Claims (9)
- 空調空気流の上流側に配された前方コアと、該前方コアに並設して下流側に配された後方コアとを備え、熱媒体が前記後方コアから前記前方コアに流れる熱交換器において、
前記前方コアの伝熱量の割合を前記後方コアの伝熱量の割合よりも大きく設定したことを特徴とする熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記上流フィンのピッチを前記下流フィンのピッチより疎にしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記上流フィンが備える上流ルーバの傾斜を、前記下流フィンが備える下流ルーバの傾斜より緩やかにしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記上流フィンが備える上流ルーバのピッチを、前記下流フィンが備える下流ルーバのピッチより疎にしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記下流フィンにのみルーバを設けたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記上流フィンの板厚を前記下流フィンの板厚よりも薄くしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブおよび該上流チューブに接合された上流フィンからなり、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブおよび該下流チューブに接合された下流フィンからなり、前記上流フィンの高さを前記下流フィンの高さよりも高くしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器であって、前記後方コアは、熱媒体の上流側ヘッダーと中間ヘッダーとの間に配された上流チューブを備え、前記前方コアは、前記中間ヘッダーと前記上流側ヘッダーに並設された下流側ヘッダーとの間に配された下流チューブを備え、前記上流チューブの相当直径を前記下流チューブの相当直径よりも大きくしたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1ないし8に記載の熱交換器を組み込んだ圧縮式空調装置であって、二酸化炭素を熱媒体として用いることを特徴とする圧縮式空調装置。
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