JP2004125342A - エアナイフ乾燥の制御方法及び装置 - Google Patents

エアナイフ乾燥の制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の基板に対して最適な乾燥条件を容易かつ円滑に与えることができるようにする。
【解決手段】コンベア手段10で搬送され、エアナイフノズル20からの加圧エアで基板Sを乾燥している間にラインセンサ30により基板乾燥開始位置P2を計測する。エアナイフノズル20から基板乾燥開始位置P2までの適正距離範囲Xを設定して、ラインセンサ30により基板乾燥開始位置P2を検出して、制御回路31により適正距離範囲X内であるか、それより長いか、短いかの判定を行い、エアナイフノズル20に供給される加圧エアの流量をオートダンパ32により自動的に増減制御する。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等の薄型の基板をエアナイフ効果によって乾燥するエアナイフ乾燥方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶パネルの製造工程において、この液晶パネルを構成するガラス基板は所定の処理工程導入時や、各種の処理を行った後にその表面が洗浄される。基板の洗浄は、一般的に純水からなる洗浄水を用い、この洗浄水を基板に向けて噴射させたり、またディッピングさせたりすることにより行われる。そして、基板の洗浄後には、その表面(多くの場合、表裏両面)に付着している液滴や液膜を除去するように乾燥させる。この基板の乾燥方式として、細い帯状の加圧エアを基板表面に供給する、所謂エアナイフ乾燥を行うことは、従来から広く行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
エアナイフ乾燥は、スリット状の加圧エアの噴射部を有するエアナイフノズルを有し、このエアナイフノズルから高圧のエアを基板に向けて噴射させ、このエア圧により基板表面の付着液を除去するものである。基板は、例えばローラコンベア等の搬送手段によって概略水平状態で搬送させるようになし、この搬送手段による搬送途中の位置に、エアナイフノズルをその搬送手段を直交するように、または直交する方向に対して所定角度を持たせるようにして対面させる構成とする。しかも、エアナイフノズルからのエアの噴射方向は、基板表面に対して所定角度、例えば45°前後の角度を持たせるようにする。
【0004】
以上のように、エアナイフ乾燥を基板が水平搬送される間に行うようにすることによって、基板に対する所定の処理を行い、次いでこの基板を洗浄し、さらに洗浄後の乾燥をインラインで連続的に行うことができるようになり、処理の効率性及び円滑性が確保される等の利点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−227868号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エアナイフノズルにより基板の乾燥の完全性を図るには、つまり基板上に付着している液滴及び液膜を完全に除去するためには、基板のサイズ及び基板の表面状態に応じて乾燥条件を変化させなければならない。ここで、基板の表面状態とは、基板表面における濡れ性、撥水性の度合いであり、また基板表面にある種の膜が形成されている場合があるが、この膜種や膜パターン等によっても乾燥条件が変わってくる。ここで、基板の乾燥条件としては、エアナイフノズルの構造、例えばノズル口のスリット幅や長さ、基板に対する角度等によっても変わってくるが、一般的には、これらの条件は一定のものとするのが一般的である。そして、可変な乾燥条件としては、エアナイフノズルから供給される加圧エアの流量と、基板の搬送速度とがある。
【0007】
以上のことから、乾燥対象となる基板のサイズや種類等が異なると、加圧エアの供給流量と基板の搬送速度との少なくともいずれか一方または両方を調整することによって、基板の乾燥精度を保つようにしなければならない。例えば、基板のサイズが大型化すると、その分だけ加圧エアの流量を増量するか、または基板の搬送速度を遅くしなければ、完全な乾燥は望めない。また、基板の表面における濡れ性が高い場合にも、加圧エアの流量を増大させるか、または基板の搬送速度を遅くすることによって、基板表面からの液の剥離を促進しなければならない。一方、基板の表面にある程度の撥水性がある場合には、少量の加圧エアで充分乾燥が可能となる。そして、この基板の濡れ性、撥水性は、基板そのものの材質及び表面仕上げ精度に依存するだけでなく、この基板の表面に膜付けが行われている場合には、その膜種やパターン形状等によっても変わってくる。
【0008】
従って、処理対象となる基板のサイズや種類が異なる毎に、エアナイフノズルへの加圧エアの供給流量や基板の搬送速度を調整することによって、当該の基板に見合うようにセットアップしなければならない。このセットアップ作業は、従来においては、作業者の手作業により行っていた。このために、作業は極めて熟練を要するものであって、乾燥条件を変化させる毎に基板の液切れを確認しなければならず、このために乾燥条件を正確に調整するには長い時間が必要となるという問題点がある。
【0009】
また、装置の稼動性等の観点からは、ある乾燥条件を与えて処理対象となる基板が完全に乾燥できれば良いというのではない。エアナイフノズルからの加圧エアの供給流量が過剰であって、それより少ない供給流量でも基板は充分乾燥される場合等もあり、乾燥条件の与え方次第では、無駄な量の加圧エアを消費する等、装置におけるランニングコストの点で問題が生じることもある。
【0010】
さらに、従来では、1度乾燥条件の調整がなされると、処理対象となる基板が変更されない限り、再調整を行わないのが一般的である。しかしながら、同一種類の基板であっても、何等かの理由で基板の表面状態が変化している場合があり、これらを同じ乾燥条件で基板を乾燥させると、乾燥むらが発生する可能性がないとも限らない。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、種々の基板に対して最適な乾燥条件を容易かつ円滑に与えることができるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、エアナイフ乾燥方法についての第1の発明は、搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも1面に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、前記基板の搬送方向において、エアナイフノズルの位置から乾燥始端位置までの距離を測定し、この距離が所定の範囲内になるように、前記エアナイフノズルからの加圧エアの流量または前記基板の搬送速度を制御することをその特徴とするのである。
【0013】
また、第2の発明としては、搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の表裏両面に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、前記基板の搬送方向であって、この基板の表面側には、前記エアナイフノズルの位置から乾燥始端位置までの距離を測定し、この距離が所定の範囲内になるように、前記エアナイフノズルからの加圧エアの流量または前記基板の搬送速度を制御することをその特徴とするものである。
【0014】
さらに、第3の発明としては、搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも表面側に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、前記基板の搬送方向において、エアナイフノズルの位置から前記基板表面の乾燥始端位置までの距離を測定し、前記乾燥始端位置が前記エアナイフノズルの位置から所定距離以上離間したときには、前記エアナイフノズルの加圧エアの噴射流量が少量となるように変化させるように制御することをその特徴とするものである。
【0015】
そして、エアナイフ乾燥装置に関する発明は、搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも1面に対してエアナイフ乾燥を行うものであって、前記基板の搬送方向において、前記エアナイフノズルの位置から前記基板表面の乾燥始端位置までの距離を測定する距離測定手段と、前記距離測定手段からの信号に基づいて、前記エアナイフノズルの位置から前記乾燥始端位置までの距離が所定の範囲内となるように、前記エアナイフノズルからのエアの噴射流量を変化させるように制御する制御手段とから構成したことをその特徴とするものである。
【0016】
ここで、エアナイフ乾燥の対象となる基板は、長方形、正方形、円形等の形状を有する薄型の基板である。また、基板の材質としては、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等である。そして、基板は無垢のもの(例えば、ガラス基板の場合、素ガラスの状態)であっても、またコーティング等の手段である種の膜やパターン等が表面に形成されているものも対象とする。エアナイフ乾燥は基板の少なくともいずれか一面、特に表面側に対して行われるが、好ましくは表裏両面にエアナイフ乾燥を行う。搬送手段によって、基板は平流し状態にして搬送される間に乾燥が行われる。ここで、平流し状態とは、水平状態を含み、この水平状態から多少左右に傾けたり、前後に傾けたりしたものを含む。基板の両面を乾燥する場合には、搬送手段の上下にエアナイフノズルを配置するが、搬送手段による基板の搬送面と平行な平面上にエアナイフノズルを配置する。エアナイフノズルは基板の搬送方向と直交する方向に配置しても良いが、乾燥効率の点から、搬送面と平行な面において、基板の搬送方向に対して所定の角度を持たせるように配置することが望ましい。
【0017】
エアナイフノズルは所定の位置に固定的に保持させる一方、基板を搬送手段によって搬送するようになし、この間に表面若しくは表裏両面の乾燥が行われる。基板の乾燥始端位置とは、エアナイフノズルからの加圧エアが基板に突入(接触)して、そのエア圧の作用により基板表面から液が除去された部位と未だ液が付着している部位との境界部である。ここで、液が除去されたとは、基板に付着している液滴や液膜が除去された状態を言い、分子レベルにおける水分の除去までは要求されない。基板の乾燥始端位置は種々の手段で検出できるが、光学的検出手段、つまり光学センサを用いて検出するように構成するのが最も簡便かつ高精度な検出が可能となる。即ち、発光手段から基板に光を照射して、その反射乃至透過光を検出して、その光量の変化点を乾燥始端位置とする。そして、エアナイフノズルは固定的に配置されているから、光学的検出手段による基板上の乾燥始端位置とエアナイフノズルとの間の距離を演算することによって、乾燥始端位置からエアナイフノズルまでの距離を測定できる。光学センサの構成として、エリアセンサを用いることもできるが、小型化、コンパクト化の観点から、また信号処理の単純化の観点から、ラインセンサを用いるのが望ましい。ラインセンサは基板の搬送方向と平行に設けられるが、1乃至複数箇所設けるようにすることができる。
【0018】
前述した距離測定の結果に基づいて行われる制御の対象は、基板の搬送速度若しくはエアの噴射流量(圧力及び流速)とする。ただし、これら以外にも、例えばエアナイフノズルの傾斜角等他の手段をも制御するようにしても良い。ここで、基板を連続処理する場合において、乾燥工程時にのみ基板の搬送速度を変化させるのは、他の工程との関連性等から必ずしも有利ではない場合がある。エアナイフノズルからの加圧エアの噴射流量を制御対象とするのが、制御の容易性、応答速度等の点で基板の搬送速度を制御するより優れている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0020】
まず、図1に基板の乾燥工程の概略構成を示す。図中において、Sは基板、1は液切りステージ、2は乾燥ステージである。基板Sは前工程で、例えばシャワー洗浄等により洗浄されて、液切りステージ1において、表面における付着液量をできるだけ減少させ、かつ全面が液で濡れた状態を確保しつつ乾燥ステージ2に搬入される。
【0021】
液切りステージ1及び乾燥ステージ2はそれぞれハウジングにより区画形成されており、またこれら両ステージ1,2間には隔壁3が設けられている。液切りステージ1には基板Sの搬入部1aが、また乾燥ステージ2には基板Sの搬出部2aが設けられており、さらに隔壁3には基板Sの走行経路を構成する細い開口3aが形成されている。液切りステージ1においては、純水供給手段4が設置されており、この純水供給手段4で滴下される純水によって基板Sの表面全体が濡れた状態に保持される。また、乾燥ステージ2内には、基板Sを挟むように上下にエアナイフ乾燥装置5が設けられている。そして、乾燥ステージ2内は洗浄液のミスト等が入り込まないようにするために陽圧状態となし、また液切りステージ1内は陰圧状態にする。このために、乾燥ステージ2には雰囲気加圧装置6が設置されており、また液切りステージ1には排気部7が装着されている。さらに、液切りステージ1の下部に排液部8が設けられている。
【0022】
ここで、基板Sは例えば長方形の薄板ガラス基板からなり、この基板Sは、前工程から、液切りステージ1及び乾燥ステージ2を経て、後工程に至るまで、概略水平状態乃至僅かに左右に傾斜させた状態で搬送される。従って、基板Sを搬送するために、図2に示した搬送手段としてのコンベア手段10を備えている。コンベア手段10は、例えばローラコンベアで構成されており、このコンベア手段10は所定のピッチ間隔をもって設けた回転軸11にその長手方向に複数のローラ12を装着したもので構成され、両端のローラ12a,12aには鍔部13が連設されている。基板Sは、その長辺が両鍔部13,13に当接するようにして位置決めされ、その表面を水平にした状態で図2の矢印方向に搬送されることになる。このために、各回転軸11の一端にはギア14が連結して設けられ、これら各回転軸11のギア14は伝達ギア15を介して順次係合しており、従って1本の回転軸11のギア14を回転駆動すると、全ての回転軸11が回転して、基板Sが搬送されることになる。
【0023】
液切りステージ1を通った基板Sは隔壁3の開口から乾燥ステージ2に移行して、この乾燥ステージ2に設けたエアナイフ乾燥装置5を用いて乾燥される。エアナイフ乾燥装置5は、図3及び図4から明らかなように、エアナイフノズル20を有し、このエアナイフノズル20は、細長い長尺のケーシング21を有し、このケーシング21内には加圧したエアが導入される加圧エアチャンバ22が形成されている。そして、ケーシング21の側面部にはエア流出通路23が形成されており、その先端は細いスリット状のノズル口24となっている。エア流出通路23は、ノズル口24からエアが噴出する際に細いライン状となるように整流するために必要な通路長を有するものである。さらに、ケーシング21には加圧エアチャンバ22内に加圧エアを供給するためのエア供給配管25が1乃至複数箇所接続されている。
【0024】
以上の構成を有するエアナイフノズル20は、乾燥ステージ2内において、コンベア手段10からなる基板Sの搬送経路を挟んで上下に配置されている。そこで、上部側のエアナイフノズルを20U,下部側のエアナイフノズルを20Lとし、それらのノズル口を24U,24Lとし、さらに基板Sの表面側をSU,裏面側をSLとしたときに、エアナイフノズル20U及び20Lは基板Sの表裏両面SU,SLから等しい距離だけ離間し、かつこれら各面SU,SLと平行な面に位置している。また、エアナイフノズル20Uにおけるノズル口24Uから噴射される加圧エアの俯角α(図6参照)と、エアナイフノズル20Lのノズル口24Lの仰角αとは同じであって、コンベア手段10による基板Sの搬送方向の後方側に向けて所定の角度を持つようにして配置されている。
【0025】
さらに、エアナイフノズル20U及び20Lは、基板Sの搬送方向と直交する方向に配置されているのではなく、前述した面内で所定角度閘(図2)だけ傾斜させて配置されている。さらに、エアナイフノズル20U,20Lのノズル口24U,24Lは、コンベア手段10上を搬送される基板Sの表面に対して、その搬送方向と交差する方向の全長に及ぶようになっている。
【0026】
加圧エアの基板Sへの突入部を境として、この加圧エアの突入部から基板Sの搬送方向前方側において、洗浄液が図5の矢印方向に向けて押し退けられ、加圧エアが基板Sに突入した後は、基板Sの表面に沿って流れるようになって、この間にエア圧の作用により液が基板Sの表面から剥離されて除去されることになる。そして、図5において、ラインBで示したのは基板乾燥始端部であり、この基板乾燥始端部の位置P2(図6参照)は、加圧エアにより基板Sから洗浄液の液滴や液膜が完全に除かれた部位と洗浄液がなお付着している部位との境界部である。
【0027】
図6に示したように、加圧エアの基板Sへの突入角はエアナイフノズル20の仰角αと一致するが、実際に液が基板Sから剥離されて除去されるのは加圧エアが基板Sと平行な方向に向けられた後である。従って、基板Sのサイズ、表面状態、即ち表面の濡れ性や表面に膜が形成されているか否か及び膜種等、さらにはエアナイフノズル20からの加圧エアの噴出圧及び流速、エアナイフノズル20による加圧エアの厚み、広がり角等に基板乾燥始端位置P2が変動する。
【0028】
基板Sに対するエアナイフ乾燥の完全性を図り、しかも基板Sを効率的に乾燥させるようになし、さらに装置の省エネルギ的な作動を可能にするために、乾燥処理が行われる基板Sのサイズ及び表面状態に応じて、この基板Sの搬送速度と、エアナイフノズル20からの加圧エアの供給流量との少なくともいずれか一方を制御するようにしている。
【0029】
今、基板Sに対してエアナイフ乾燥を行う際において、図6に示したように、加圧エアはエアナイフノズル20の先端から所定距離だけ離れた位置P1で基板Sに突入する。従って、この位置P1までは基板S上の液は実質的に動かない。この突入位置から加圧エアは基板Sと平行な方向に向けられるようになり、この時に加圧エアが基板Sに付着している液に作用して、基板Sの表面から剥離しようとする。そして、エアナイフノズル20の先端位置P0から加圧エアが基板Sの搬送方向の前方において、位置P2まで進行すると、基板Sから液滴及び液膜が剥離されるようになり、この位置が基板乾燥開始位置である。つまり、エアナイフノズル20の先端位置P0と基板乾燥開始位置P2との間には距離Lが存在する。
【0030】
ところで、エアナイフノズル20の位置P0から基板乾燥開始位置P2までの距離Lには適正な範囲がある。この距離が長すぎる場合は、エアナイフノズル20から噴射される加圧エアの流量が過剰であり、無駄な加圧エアが消費される。しかも、基板Sの幅方向において、基板乾燥開始位置P2が安定せず、つまりリニアな状態にはならずに、ジグザグ状となる等のことから、この基板乾燥開始位置P2の手前側に微小な液滴が残る可能性もあり、洗浄むらが発生する可能性もないとは言えない。一方、距離が短すぎる場合には、基板Sへの液付着量の多寡等によっては、その表面から完全に液を除去できない場合がある。特に、加圧エアの突入位置P1から基板乾燥開始位置P2までの間も基板Sの乾燥作用を発揮するものであり、この間の距離が充分に保てないと、やはり乾燥精度が悪化して、基板Sの乾燥の完全性が損なわれる。
【0031】
以上のように、エアナイフノズル20が所定の位置に配置されている状態で、基板Sを搬送しながらその乾燥を行う場合、基板乾燥開始位置P2が常に所定の範囲内に位置していることが、つまり図5において、適正距離範囲X内に位置していることが、乾燥精度や効率を向上させる上で、また基板乾燥開始位置P2を安定させる上で、さらに装置の省エネルギ的な運転を図る上で、最も望ましいものとなる。そして、基板Sのサイズや濡れ性等の状態、さらには表面に膜が形成されているか否か及びその膜種等が変化しても、この適正距離範囲X内に基板乾燥開始位置P2が位置しておれば、高い乾燥精度が得られる。
【0032】
以上のことから、本発明においては、基板Sの乾燥中での基板乾燥開始位置P2を計測して、この基板乾燥開始位置P2が適正距離範囲X内に位置するように制御するようにしている。ここで、基板Sの搬送速度を変化させるか、若しくはエアナイフノズル20から噴射される加圧エアの流量を変化させれば、基板乾燥開始位置P2を移動させることができる。つまり、基板Sの搬送速度とエア流量とによって、基板Sの乾燥条件を変化させることができる。ここで、極めて高い乾燥精度が要求されるのは、基板Sの表面側であり、その裏面側はそれほど高い乾燥精度を要求される訳ではない。従って、基板Sに応じて行われる乾燥条件を厳格に設定する必要があるのは、その表面側である。ただし、必要に応じて裏面側の乾燥精度を向上させるために、その基板乾燥開始位置P2の調整を行うようにしても良い。
【0033】
そこで、まず基板乾燥開始位置P2を検出する構成としている。即ち、図5において、30は距離測定手段を構成するラインセンサであって、このラインセンサ30は基板S上に液が付着している部分と付着していない部分との境界位置、即ち基板乾燥開始位置P2を、例えば反射光量の差等に基づいて検出するものである。このラインセンサ30は基板Sの搬送方向に向けて配置されるようになっており、図示した構成では、基板Sのほぼ中央部に1箇所設けられている。なお、基板乾燥開始位置P2をより正確に検出するために、平行に複数のラインセンサを設けるようにしても良い。
【0034】
このラインセンサ30で検出した基板乾燥開始位置P2に関する信号は制御回路31に取り込まれるようになっている。そして、この制御回路31によって、エアナイフノズル20から基板乾燥開始位置P2までの距離を演算して、その演算結果が適正距離範囲X内であるか、それより長いか、短いかの判定を行うことになる。そして、適正距離範囲X外であると判断されたときには、エアナイフノズル20の乾燥条件を調整することにより、基板乾燥開始位置P2が適正な範囲内になるように制御される。
【0035】
ここで、エアナイフノズル20の乾燥条件の調整は、本実施の形態においては、エアナイフノズル20から噴射される加圧エアの供給流量としている。このために、エアナイフノズル20に加圧エアを供給するエア供給配管25には、オートダンパ32が設けられている。このオートダンパ32は、エア供給配管25からエアナイフノズル20に供給される加圧エアの流量を入力信号に基づいて自働的に増減制御するものである。
【0036】
而して、基板乾燥装置により基板Sの乾燥処理を行うに当って、当該の基板Sのサイズや表面状態に応じて、最も適正な洗浄条件を設定する。このために、乾燥工程の前工程である洗浄を行なった基板Sをコンベア手段10によって所定の搬送速度で、乾燥工程における液切りステージ1を経て乾燥ステージ2に導入させる。そして、エア供給配管25からエアナイフノズル20に所定の流量の加圧エアを供給して、そのノズル口24から加圧エアを基板Sに向けて噴射させる。これによって、基板Sの乾燥が開始するが、この基板Sの乾燥状態をラインセンサ30によって、基板乾燥開始位置P2を検出する。
【0037】
ラインセンサ30で検出した基板乾燥開始位置P2のエアナイフノズル20からの距離が適正距離範囲Xより長い場合には、エアナイフノズル20から供給される加圧エアの流量が過多になっていることであり、制御回路31からの制御信号でオートダンパ32を閉じる方向、つまり加圧エアの流量を少なくするように制御される。これによって、エア供給配管25を介してエアナイフノズル20から噴射される加圧エアの流量がを少なくなる結果、エアナイフノズル20から基板乾燥開始位置P2までの距離が短縮される。そして、基板乾燥開始位置P2が適正距離範囲X内に入ると、より望ましくは適正距離範囲Xにおける中間位置になると、オートダンパ32による加圧エアの流量をその状態に保持する。
【0038】
これによって、加圧エアの消費量を節約することができ、もって装置を省エネルギ的に作動させることができる。また、基板Sの幅方向において、基板乾燥開始位置P2のラインが安定するようになって、微小液滴が基板Sの表面に残存する等のおそれがなくなり、乾燥精度も向上する。
【0039】
一方、ラインセンサ30で検出した基板乾燥開始位置P2のエアナイフノズル20からの距離が適正距離範囲Xより短いと判定されたときには、制御回路31からの信号に基づいてオートダンパ32が開く方向に制御されることになって、エアナイフノズル20から基板Sに向けて供給される加圧エアの流量が増大する。その結果、エアナイフノズル20から基板乾燥開始位置P2までの距離が長くなって、適正距離範囲X内、より好ましくは適正距離範囲Xの中間位置に変位することになる。これによって、基板Sに対する乾燥むらの発生がなくなり、かつ高い精度の乾燥を行うことができる。
【0040】
以上のようにして、基板Sに対して最適となるように乾燥条件の調整を行うが、この調整は基板乾燥開始位置P2を変位させるものであり、従ってエアナイフノズル20による加圧エアの供給流量を制御するだけでなく、コンベア手段10による基板Sの搬送速度を調整するようにすることもできる。即ち、図5に示したように、基板乾燥開始位置P2が長いと判定されたときには、制御回路31からコンベア手段10の駆動手段33(具体的には電動モータ等)を制御して、基板Sの搬送速度を増速する。その結果、基板乾燥開始位置P2が短縮されて、適正距離範囲X内に変位することになる。逆に、基板乾燥開始位置P2が短すぎる場合には、コンベア手段10による基板Sの搬送速度を減速することによって、基板乾燥開始位置P2が適正距離範囲X内に変位することになる。
【0041】
以上、オートダンパ32によるエアナイフノズル20による加圧エアの供給流量の制御と、駆動手段33による基板Sの搬送速度の制御とは、少なくともいずれか一方の制御を行うようにするが、例えば加圧エアの供給流量を変化させることによっておおまかに調整し、さらに基板Sの搬送速度を制御することによって、微細な調整を行うようにすること等も可能である。また、基板乾燥開始位置P2の調整は初期的に行うようにし、同じ基板Sが処理される限りは改めて調整しなくても良い。ただし、1枚の基板Sの乾燥処理が行われる毎に基板乾燥開始位置P2の調整するように設定することもできる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、種々の基板に対して最適な乾燥条件を容易かつ円滑に与えることができ、もって基板の乾燥精度及び乾燥効率が著しく向上すると共に、加圧エアの消費量を最小限に抑制できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す基板の乾燥装置の全体構成図である。
【図2】乾燥ステージの平面図である。
【図3】エアナイフノズルの断面図である。
【図4】エアナイフノズルの外観斜視図である。
【図5】乾燥条件設定機構の構成説明図である。
【図6】エアナイフノズルの作動説明図である。
【符号の説明】
1 液切りステージ
2 乾燥ステージ
5 エアナイフ乾燥装置
10 コンベア手段
20 エアナイフノズル
23 エア流出通路
24 ノズル口
25 エア供給配管
30 ラインセンサ
31 制御回路
32 オートダンパ
33 駆動手段

Claims (4)

  1. 搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも1面に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、
    前記基板の搬送方向において、エアナイフノズルの位置から乾燥始端位置までの距離を測定し、
    この距離が所定の範囲内になるように、前記エアナイフノズルからの加圧エアの流量または前記基板の搬送速度を制御する
    ことを特徴とするエアナイフ乾燥方法。
  2. 搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の表裏両面に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、
    前記基板の搬送方向であって、この基板の少なくとも表面側には、前記エアナイフノズルの位置から乾燥始端位置までの距離を測定し、
    この距離が所定の範囲内になるように、前記エアナイフノズルからの加圧エアの流量または前記基板の搬送速度を制御する
    ことを特徴とするエアナイフ乾燥方法。
  3. 搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも表面側に対してエアナイフ乾燥を行うに当って、
    前記基板の搬送方向において、エアナイフノズルの位置から前記基板表面の乾燥始端位置までの距離を測定し、
    前記乾燥始端位置が前記エアナイフノズルの位置から所定距離以上離間したときには、前記エアナイフノズルの加圧エアの噴射流量が少量となるように変化させるように制御する
    ことを特徴とするエアナイフ乾燥方法。
  4. 搬送手段に沿って平流し状態で基板を搬送する間に、この基板の少なくとも1面に対してエアナイフ乾燥を行うものにおいて、
    前記基板の搬送方向において、前記エアナイフノズルの位置から前記基板表面の乾燥始端位置までの距離を測定する距離測定手段と、
    前記距離測定手段からの信号に基づいて、前記エアナイフノズルの位置から前記乾燥始端位置までの距離が所定の範囲内となるように、前記エアナイフノズルからのエアの噴射流量を変化させるように制御する制御手段と
    から構成したことを特徴とするエアナイフ乾燥装置。
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