JP2004124950A - ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディスクロータ11の軸線方向に沿ってピストン40を直線運動させるアクチュエータ19と、ピストン40の直線運動によって押圧されてディスクロータ11に接触するブレーキパッド14,15と、ピストン40が受けるピストン推力を検出する推力検出手段46と、ピストン40の変位であるピストン位置を検出する位置検出手段20とを有し、ブレーキ解除時に、ピストン推力が、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から所定量ピストン40をブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータ11とブレーキパッド14,15との接触開始位置に設定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動用に用いられるブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の制動用に用いられるブレーキ装置として、電動モータの回転運動をピストンの直線運動に変換して制動力を発生させるものがある。このような電動ブレーキ装置には、例えば、ディスクロータと、このディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させる電動アクチュエータと、ピストンの直線運動によって押圧されてディスクロータに接触するブレーキパッドと、ピストンが受けるピストン推力を検出する推力センサと、ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出器とを有するものがある。
【0003】
ところで、上記のような電動アクチュエータを用いたブレーキ装置においては、非制動時のブレーキパッドの引きずりを防止したり、次回制動時の応答性を確実に向上させる等のために、ディスクロータとブレーキパッドとが実質的に接触を開始する接触開始位置の検出が重要になっており、また、液圧アクチュエータを用いたブレーキ装置においても、制動力を制御することで車両の姿勢制御を行う場合等には、接触開始位置の検出が重要になっている。
そして、このような接触開始位置の検出に関するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されたものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−137841号公報
【特許文献2】
特開2000−18294号公報
【特許文献3】
特開2001−225741号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1には、ブレーキ解除時に推力センサで検出されるピストン推力が0となるピストン位置を接触開始位置とすることが記載されている。しかし、ピストン推力が0になる近傍では推力センサの出力にノイズが特に多く含まれることになり、ピストン推力が0となったことを正確に検出することができないという問題があった。
【0006】
また、上記した特許文献2には、ブレーキ解除時に、ピストン位置の微小変化量に対するピストン推力の微小変化の比が所定の閾値より小さくなった場合のピストン位置を接触開始位置とすることが記載されている。しかし、この場合も、ピストン位置の微小変化量に対するピストン推力の微小変化の比が所定の閾値より小さくなる時点のピストン推力が0に近いと、信号にノイズが多く含まれていて上記比が急激に変化し、接触開始位置の検出が正確にできないという問題があった。
【0007】
さらに、上記した特許文献3には、ブレーキ解除時に、ピストン推力の減少勾配が設定勾配より緩やかになった場合に、その時点でのピストン位置を暫定の0点とし、ブレーキパッドの非復元量に対応する量だけ後退側の位置を0点位置とすることが記載されている。しかし、この場合も、ピストン推力の減少勾配が設定勾配より緩やかになる時点のピストン推力が0に近いと、信号にノイズが多く含まれていて、接触開始位置の検出が正確にできないという問題があった。
【0008】
したがって、本発明は、ディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置を正確に求めることができるブレーキ装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のブレーキ装置は、ディスクロータと、該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するものであって、ブレーキ解除時に、前記ピストン推力が0より大きい所定の閾値以下になった時点での前記ピストン位置から前記ピストンをブレーキ解除側へ所定量戻した位置を前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定することを特徴としている。
【0010】
このように、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定する。
【0011】
本発明の請求項2記載のブレーキ装置は、請求項1記載のものに関して、前記ピストン位置の変化量に対する前記ピストン推力の変化量の変化率を演算する演算部を有し、ブレーキ解除時に、前記ピストン推力が0より大きい所定の閾値以下になった時点での前記ピストン位置から、前記ピストンをブレーキ解除側へ前記演算部で演算された前記変化率に基づき設定される所定量戻した位置を前記接触開始位置に設定することを特徴としている。
【0012】
このように、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、ブレーキパッドの摩耗状態に相当する、ピストン位置の変化量に対するピストン推力の変化量の変化率に応じた所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置を接触開始位置に設定する。
【0013】
本発明の請求項3記載のブレーキ装置は、ディスクロータと、該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するものであって、前記ピストン位置の変化量に対する前記ピストン推力の変化量の変化率から前記ブレーキパッドの摩耗状態を検出することを特徴としている。
【0014】
このように、位置検出手段で検出されるピストン位置の変化量に対する推力検出手段で検出されるピストン推力の変化量の変化率からブレーキパッドの摩耗状態を検出することができるため、例えば、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、ブレーキパッドの摩耗状態に相当する所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定すること等が可能となる。
【0015】
本発明の請求項4記載のブレーキ装置は、ディスクロータと、該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するものであって、前記ピストン推力に基づいて前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの暫定接触位置を検出する暫定接触位置検出手段と、前記位置検出手段により検出されるピストン位置に基づいて前記暫定接触位置を設定するまでのピストン速度を算出し、該ピストン速度により前記暫定接触位置の信頼度を算出する暫定接触位置信頼度算出手段と、前記信頼度に基づいて前記暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する接触位置検出手段とを有することを特徴としている。
【0016】
このように、暫定接触位置検出手段が、ピストン推力に基づいてディスクロータとブレーキパッドとの暫定接触位置を検出する一方で、暫定接触位置信頼度算出手段が、位置検出手段により検出されるピストン位置に基づいて暫定接触位置を設定するまでのピストン速度を算出し、該ピストン速度により暫定接触位置の信頼度を算出すると、この信頼度に基づいて接触位置検出手段が、暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する。これにより、例えばピストン速度が急峻でサンプリングデータ数が少なく信頼度が低い場合に、接触位置検出手段は暫定接触位置検出手段で検出した暫定接触位置の重み付けを小さくして接触位置を決めることができる。
【0017】
本発明の請求項5記載のブレーキ装置は、請求項4記載のものに関し、前記暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に前記接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間に基づいて前回接触位置の信頼度を算出する前回接触位置信頼度算出手段を有し、前記接触位置検出手段は、前記前回接触位置の信頼度と前記暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度とに基づいて前記暫定接触位置を修正して接触位置として記憶することを特徴としている。
【0018】
これにより、前回接触位置信頼度算出手段が、暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間に基づいて前回接触位置の信頼度を算出すると、接触位置検出手段は、前記前回接触位置の信頼度と暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度とに基づいて暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する。これにより、例えば暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間が長く、ブレーキパッドに摩耗や熱膨張、熱収縮等を生じている可能性が高くて前回接触位置の信頼度が低い場合に、接触位置検出手段は、暫定接触位置検出手段で検出した今回暫定接触位置の重み付けを大きくして接触位置を決めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態のブレーキ装置を図1〜図5を参照しつつ以下に説明する。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態のブレーキ装置は電動キャリパ10を有する電動ディスクブレーキ装置である。
【0021】
電動キャリパ10は、図示せぬ車輪とともに回転するディスクロータ11の軸線方向における一側にキャリパ本体12が配置されており、このキャリパ本体12には、略C字形に形成されてディスクロータ11を跨いで反対側へ延びる爪部13が一体的に結合されている。ディスクロータ11の軸線方向における両側にそれぞれブレーキパッド14,15が設けられている。ブレーキパッド14,15は、車体側に固定されるキャリア16によってディスクロータ11の軸方向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリア16に伝達するようになっており、また、キャリパ本体12は、キャリア16に取付けられた図示せぬスライドピンによってディスクロータ11の軸方向に沿って摺動可能に案内されている。
【0022】
キャリパ本体12には、略円筒伏のケース18が結合され、このケース18内には、電動モータ(アクチュエータ)19および位置検出器(位置検出手段)20が設けられている。一方、キャリパ本体12の内側には、ボールランプ機構21および減速機構22が設けられている。ケース18の後端部には、カバー23が取付けられている。
【0023】
電動モータ19は、ケース18の内周部に固定されたステータ25と、ステータ25に挿入されて軸受26,27によってケース18に回転可能に支持されたロータ28とを備えている。位置検出器20は、ケース18側に固定されたレゾルバステータ29およびロータ28に取付けられたレゾルバロータ30からなり、これらの相対回転に基づいてロータ28の回転位置すなわち電動モータ19のモータ回転位置を検出するものである。
【0024】
ボールランプ機構21は、環状の第1ディスク32および第2ディスク33と、これらの間に介装された複数のボール(鋼球)34とから構成されている。第1ディスク32は、軸受35によってキャリパ本体12に回転可能に支持され、ロータ28内に挿入される円筒部36が一体的に形成されている。第2ディスク33には、円筒部36よりも小径の円筒状のスリーブ37が一体的に形成され、このスリーブ37が円筒部36内に挿通されている。
【0025】
ボールランプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク33の対向面には、それぞれ円周方向に沿って延びる円弧状の例えば3つのボール溝38,39が形成されている。これらのボール溝38,39は、等しい中心角(例えば90゜)の範囲に延ばされて、同じ方向に傾斜されている。そして、第1ディスク32および第2ディスク33に形成されたボール溝38,39間にボール34が装入され、第1ディスク32および第2ディスク33の相対回転によって、ボール溝38,39内をボール34が転動することにより、第1ディスク32と第2ディスク33とが軸方向に相対変位するようになっている。このとき、第1ディスク32が第2ディスク33に対して反時計回りに回転したとき、これらが離間する方向に変位する。
【0026】
第2ディスク33とブレーキパッド14との間には、ピストン40が設けられている。ピストン40は、外周にネジ部41を形成した円筒部材42aを有している。円筒部材42aは、第2ディスク33のスリーブ37内に挿入され、その内周に形成されたネジ部43に螺合されている。円筒部材42aには、ケース18にブラケット44を介して取付けられた軸45の図示せぬ二面取部が嵌合されて、その回転が規制されている。また、ピストン40は、円筒部材42aの軸45に対し反対側に回転が規制された状態で連結される略円板状の押圧部材42bを有している。そして、円筒部材42aと押圧部材42bとの間に、ピストン40が受けるピストン推力を検出する推力センサ(推力検出手段)46が設けられている。
【0027】
ピストン40の円筒部材42のネジ部41と、第2ディスク33のスリーブ37のネジ部43とで不可逆ねじを形成しており、ピストン40は、その軸方向に力が作用しても移動することはないが、第2ディスク33を反時計回りに回転させることにより、ディスクロータ11側へ移動するようになっている。
【0028】
軸45の外周部および第2ディスク33のスリーブ37の内周部にそれぞれ形成されたバネ受47,48間に弾性部材49が介装され、そのばね力によって第2ディスク33がボール34を第1ディスク32との間で挟みつけるように付勢されている。軸45は、調整ネジ50およびロックナット51によってブラケット44に取付けられている。
【0029】
電動モータ19、位置検出器20、推力センサ46には、コントローラ(制御手段)100が接続され、コントローラ100には、ブレーキペダル101の操作量を検出するペダルセンサ102が接続されている。コントローラ100は、ペダルセンサ102の検出結果すなわちブレーキペダル101の操作量と、位置検出器20の検出結果すなわち電動モータ19の回転位置に対応する実際のピストン位置と、電動モータ19の電流値と、推力センサ46の検出結果すなわち実際のピストン推力とに基づいて電動モータ19を制御することで、ピストン推力が目標推力となるように制御を行う。
【0030】
第2ディスク33のスリーブ37の先端外周部には、円筒状のスプリングホルダ67が取付けられている。スプリングホルダ67の一端部が、第1ディスク32の円筒部36の先端部に係合して、これらの相対回転を一定範囲に制限している。スプリングホルダ67の周りには、コイルスプリング69が巻装され、コイルスプリング69は、所定のセット荷重をもって捻られて、その一端部がスプリングホルダ67に結合され、他端部が第1ディスク32の円筒部36に結合されている(結合部は図示略)。
【0031】
以上のように構成した第1実施形態の電動ディスクブレーキの電動キャリパ10の基本作動について次に説明する。
【0032】
非制動状態では、ボールランプ機構21のボール34がボール溝38,39の最も深い端部にあり、第1ディスク32と第2ディスク33とが最も近い位置にある。コントローラ100は、制動力を発生させる際に、電動モータ19のロータ28を時計回りに回転させる。すると、ローラ28の回転トルクが減速機構22で増幅されて第1ディスク32に伝達される。
【0033】
第1ディスク32の回転力は、コイルスプリング69を介して第2ディスク33に伝達される。ピストン40がブレーキパッド14,15を押圧する前は、ピストン40に軸方向の荷重が殆ど作用せず、ピストン40と第2ディスク33との間のネジ部41,43に生じる抵抗が小さいので、コイルスプリング69のセット荷重によって第2ディスク33が第1ディスク32と一体に回転し、第2ディスク33とピストン40との間に相対回転が生じて、ネジ部41,43の作用によってピストン40がディスクロータ11側ヘ前進する。なお、これにより、ネジ部41,43は電動モータ19の回転運動をピストン40の直線運動に変換する変換機構部を構成している。
【0034】
そして、ピストン40が一方のブレーキパッド14に接触してこれをディスクロータ11ヘ押圧させ、その反力によってキャリパ本体12がキャリア16のスライドピンに沿って移動して、爪部13が他方のブレーキパッド15をディスクロータ11に押圧させる。
【0035】
両ブレーキパッド14,15がディスクロータ11に押圧された後は、その反力によってピストン40に軸方向の大きな荷重が作用するため、ネジ部41,43の抵抗が増大してコイルスプリング69のセット荷重を超えて、第2ディスク33が回転を停止させることになり、その結果、コイルスプリング69が撓んでボールランプ機構21の第1ディスク32および第2ディスク33間に相対回転が生じる。これにより、ボール34がボール溝38,39内を転動して第2ディスク33およびピストン40を一体に前進(すなわち直線運動)させ、ピストン40によってブレーキパッド14,15をディスクロータ11にさらに押付ける。なお、これにより、ボールランプ機構21も電動モータ19の回転運動をピストン40の直線運動に変換する変換機構部を構成している。
【0036】
次に、コントローラ100の制御内容について図2のフローチャートにしたがって説明する。なお、このフローチャートに示される制御は一定制御周期毎に実行される処理である。
【0037】
コントローラ100は、まず、ペダルセンサ102から出力されるペダルセンサ信号を読み込む(STEP00)。そして、読み込んだペダルセンサ信号が示すブレーキペダル101の操作量であるペダル操作量に基づいて電動キャリパ10の制動力すなわちピストン40に発生させる目標推力を求める(STEP01)。
【0038】
STEP01で算出した目標推力がゼロより大きいか否かを判定し(STEP02)、目標推力がゼロより大きければ、推力センサ46からピストン40の推力を示す推力センサ信号を読み込み(STEP03)、目標推力をピストンに発生させるように電動モータ19に対し、推力センサ46で検出されたピストン推力をフィードバックとするピストン推力制御を行う(STEP04)。
【0039】
STEP05では、ピストン推力が予め設定された基準閾値を下回ったか否かを判定し、ピストン推力が基準閾値を下回ったらピストン位置を読み込み(STEP06)、そのピストン位置から所定量α戻した位置をディスクロータ11とブレーキパッド14,15とが実質的に接触を開始する接触開始位置として設定して記憶する(STEP07)。また、STEP05においてピストン推力が基準閾値を下回った状態でなければ処理を終了する。
【0040】
この所定量αは、ピストン推力が上記した基準閾値となった後、ピストン40が接触開始位置までブレーキ解除側に後退するだけの後退量であり、予め実験的に求められる。
【0041】
STEP02において、目標推力がゼロであった場合、ピストン位置を読み込み(STEP08)、ピストン40をディスクロータ11とブレーキパッド14,15とが実質的に接触を開始する接触開始位置に制御する(STEP09)。
【0042】
ここで、所定値αとして一定値を用いても良い。一方、図3に示すように、ブレーキパッド14,15の状態が、通常摩耗で摩耗量が大きい高剛性状態と、新品のノミナル状態と、偏摩耗した低剛性状態とで、ピストン推力が上記した基準閾値Fthとなった後にピストン40が接触開始位置まで後退するための後退量は、A1,A2,A3と異なることになる(A1<A2<A3)。このため、このようなブレーキパッド14,15の摩耗状態に応じて所定値αを可変値としても良い。
【0043】
ここで、ブレーキパッド14,15の摩耗状態は、コントローラ100がその演算部において、位置検出器20で検出されるピストン位置の変化量に対する推力センサ46で検出されるピストン推力の変化量の変化率から検出する。すなわち、図4に示すように、推力センサ46から出力されるピストン推力センサ信号が示すピストン推力が予め設定されたピストン推力Faとなった時点で位置検出器20から出力されるピストン位置信号が示すピストン位置Paと、推力センサ46から出力されるピストン推力センサ信号が示すピストン推力が予め設定されたピストン推力Fbとなった時点で位置検出器20から出力されるピストン位置信号が示すピストン位置Pbとを検出する。そして、位置検出器20で検出されるピストン位置の変化量dP(=Pa−Pb)に対する推力センサ46で検出されるピストン推力の変化量dF(=Fa−Fb)の変化率dF/dPを、dF/dP=(Fa−Fb)/(Pa−Pb)にしたがって演算する。
【0044】
そして、この変化率dF/dPが大きければ高剛性状態にあり、変化率dF/dPが中間値であればノミナル状態にあり、変化率dF/dPが小さければ低剛性状態にあるため、図5に示すような制御テーブルを予め実験的に求めておき、変化率dF/dPに応じたαを設定する。変化率dF/dPが大きければ高剛性状態にあるため小さいA1を所定値αとして設定し、この変化率dF/dPが中間値であればノミナル状態にあるため中間のA2を所定値αとして設定し、この変化率dF/dPが小さければ低剛性状態にあるため大きいA3を所定値αとして設定する。
【0045】
なお、ブレーキペダル101が軽く踏まれて所定のピストン推力Fa,Fbまで達しなかった場合は、前回計算した変化率dF/dPを使用する。また、変化率dF/dPを演算するタイミングをブレーキ解除時とすれば、最新のパッド状態に基づいて処理を行うことができる。さらに、ピストン推力Fa,Fbを低推力側に設定すれば、ブレーキペダル101が軽く踏まれた場合でも、ピストン推力が検出推力Fa,Fbに達する確率が高くなり、変化率dF/dPの更新頻度を高くすることができる。
なお、変化率dF/dPに応じて、所定値αを固定とし、基準閾値を可変としても良い。
【0046】
そして、上記STEP06において設定し記憶された接触開始位置まで、位置検出器20で検出されたピストン位置をフィードバックとする、ノイズの影響が少ない位置制御でピストン40を後退させて停止させる(STEP07)。
【0047】
以上に述べた第1実施形態のブレーキ装置によれば、ブレーキ解除時に、推力センサ46においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の基準閾値以下になった時点において位置検出器20で検出されているピストン位置から、ブレーキパッド14,15の摩耗状態に相当する、ピストン位置の変化量dPに対するピストン推力の変化量dFの変化率dF/dPに応じた所定量αだけピストンをブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータ11とブレーキパッド14,15とが接触を開始する接触開始位置に設定する。したがって、ノイズの影響を回避できるとともに、ブレーキパッド14,15の摩耗状態を加味して接触開始位置を設定するため、接触開始位置を正確に求めることができる。その結果、非制動時のブレーキパッド14,15の引きずりを確実に防止することができるとともに、次回制動時の応答性を確実に向上させることができる。
【0048】
なお、以上はアクチュエータとして電動モータを用いる場合を例にとり説明したが、液圧アクチュエータを用いてブレーキパッドをディスクロータに接触させる場合にも適用可能である。例えば、ピストン位置の変化量に対するピストン推力の変化量の変化率dF/dPからブレーキパッドの摩耗状態を検出し、これを液圧アクチュエータを用いたブレーキ装置を有する車両の姿勢制御等に利用できるのである。
【0049】
本発明の第2実施形態のブレーキ装置を図6〜図13を参照しつつ第1実施形態との相違部分を中心として以下に説明する。
【0050】
図6に示すように、第2実施形態のブレーキ装置も、第1実施形態と同様、電動キャリパ10を有する電動ディスクブレーキ装置であって、車体の挙動を検出する車体挙動センサ103がコントローラ100に接続されており、コントローラ100は、ペダルセンサ102および車体挙動センサ103の信号に基づいて電動キャリパ10を制御する。なお、車体挙動センサ103としては、加速度センサ、ヨーレイトセンサ、車輪速センサ、ステアリングセンサ等が用いられる。
【0051】
次に、第2実施形態のコントローラ100の制御内容について図7のフローチャートにしたがって説明する。なお、このフローチャートに示される制御は一定制御周期毎に実行される処理である。
【0052】
コントローラ100は、まず、ペダルセンサ102から出力されるペダルセンサ信号を読み込む(STEPa0)とともに、車体挙動センサ103から出力される車体挙動センサ信号を読み込む(STEPa1)。そして、読み込んだペダルセンサ信号が示すブレーキペダル101の操作量であるペダル操作量と車体挙動センサ信号が示す車体の挙動量である挙動量とに基づいて電動キャリパ10の制動力すなわちピストン40に発生させる目標推力を求める(STEPa2)。
【0053】
STEPa2で算出した目標推力がゼロより大きいか否かを判定し(STEPa3)、目標推力がゼロより大きければ、推力センサ46からピストン40の推力を示す推力センサ信号を読み込み(STEPa4)、目標推力をピストン40に発生させるように電動モータ19に対し、推力センサ46で検出されたピストン推力をフィードバックとするピストン推力制御を行う(STEPa5)。
【0054】
そして、コントローラ100は、その暫定接触位置検出手段において、ピストン推力に基づいてディスクロータ11とブレーキパッド14,15との暫定接触位置を検出する暫定接触位置検出処理(詳細は後述)を行う(STEPa6)。
【0055】
続いて、コントローラ100は、その暫定接触位置信頼度算出手段において、位置検出器20から出力されるピストン位置信号すなわちピストン40の位置であるピストン位置に基づいて、暫定接触位置を設定するまでのピストン40の速度であるピストン速度を算出し、このピストン速度により暫定接触位置の信頼度を算出するとともに、接触位置検出手段において、この信頼度に基づいてSTEPa6で検出した暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する接触位置決定処理(詳細は後述)を行う(STEPa7)。
【0056】
ここで、コントローラ100は、STEPa7の接触位置決定処理において、その前回接触位置信頼度算出手段が、暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間に基づいて前回接触位置の信頼度を算出することになり、その接触位置検出手段は、この前回接触位置の信頼度と暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度とに基づいて暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する(詳細は後述)。
【0057】
上記STEPa3において、目標推力がゼロより大きくない、言い換えればゼロであるならば、コントローラ100は、位置検出器20から出力されるピストン位置信号すなわちピストン位置を読み込んで(STEPa8)、その時点で記憶されている接触位置にピストン位置を一致させるように、電動モータ19に対し、ピストン位置をフィードバックとする位置制御を行う(STEPa9)。これにより、ピストン40が接触位置に位置することになる。
【0058】
次に、上記したSTEPa6の暫定接触位置検出処理について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0059】
まず、暫定接触位置の補正フラグをリセットする(STEPb0)。次に、推力センサ46で検出されるピストン推力Fがゼロより大きいか否かを判定し(STEPb1)、ピストン推力Fがゼロより大きい場合は、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより小さく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以上となっているか、否かを判定する(STEPb2)。
【0060】
そして、STEPb2で、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより小さく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以上となっていると判定されると、位置検出器20から出力されるピストン位置信号すなわち現在のピストン位置を読み込んで(STEPb4)、この現在のピストン位置から所定値α戻した位置を暫定接触位置Qとして設定し(STEPb5)、補正フラグをセットする(STEPb6)。最後に今回のピストン推力FをF’として記憶して(STEPb7)、処理を終了する。
【0061】
一方、STEPb2で、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより小さく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以上となっている、とは判定されなかった場合、STEPb3において、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより大きく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以下となっているか否かを判定する。そして、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより大きく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以下となっている場合については、STEPb4,b5,b6,b7によって、位置検出器20から出力されるピストン位置信号すなわち現在のピストン位置を読み込んで、この現在のピストン位置から所定値α戻した位置を暫定接触位置Qとして設定し、補正フラグをセットして、最後に今回のピストン推力FをF’として記憶して処理を終了する。
【0062】
なお、ピストン位置とピストン推力との関係は、図9に示すように、予め実験的に求められるものであるため、ピストン推力が予め設定された基準閾値Fthとなる時点から接触位置までに戻すために必要な所定値αは、この関係から求められる。つまり基準閾値Fthと所定値αとの関係は予め実験的に求められる。この関係を使用することで第1実施形態と同様、推力センサ46においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避けることになる。
【0063】
また、STEPb1で、推力センサ46で検出されるピストン推力Fがゼロより大きくない場合、すなわちピストン推力Fがゼロの場合と、STEPb3において、前回のピストン推力F’が予め設定された基準閾値Fthより大きく、かつ、今回のピストン推力Fが前記基準閾値Fth以下となっている、とは判定されなかった場合とについては、暫定接触位置を設定することなく、最後にステップSb7において今回のピストン推力FをF’として記憶して処理を終了する。
【0064】
次に、上記したSTEPa7の接触位置決定処理について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0065】
まず、先行して実行される暫定接触位置検出処理でセットおよびリセットが設定される補正フラグがセットされているか否かを判定する(STEPc0)。このSTEPc0で補正フラグが設定されていなければ、図示せぬタイマにおいて経過時間Tを積算して(STEPc1)、接触位置決定処理を終了する。なお、経過時間は前回補正フラグがセットされた時刻から現在までの経過時間である。
【0066】
一方、STEPc0で補正フラグがセットされていれば、算出テーブルにしたがって、経過時間に対する前回値信頼度Yの算出を行う(STEPc2)。前回値(前回の接触位置)は、時間経過によりブレーキパッド14,15の状態が膨張あるいは収縮等の変化を生じている可能性が高く、その結果、認識している接触位置に対し変動している確率が高いため、前回値信頼度Yは低くなる。よって、例えば図11に示すように、経過時間Tの増加にしたがって前回値信頼度Yが低下するように算出テーブルを設定することになる。
【0067】
続いて、経過時間Tをリセットし(STEPc3)、STEPc2で算出した時間経過に対する前回値信頼度Yと、前回値の補正信頼度X’の積を計算して前回値(前回の接触位置)の総合信頼度Zを求める。なお、前回値の総合信頼度Zの算出に、制動時の仕事量を加味しても良い。例えば、ブレーキ操作中なら、ピストン推力の時間積分値Sfと、車輪速センサや加速度センサなどの出力から仕事量を推定し、例えばピストン推力の時間積分値Sfが大きく、かつ車両の減速が行われていると(車輪速センサや加速度センサから判断)、ブレーキパッド14,15の状態が変化している可能性があるため、前回値信頼度Yを低下させる。
【0068】
次に、位置検出器20から出力されるピストン位置信号すなわちピストン位置に基づいてピストン変位の時間微分を行い、ピストン40の移動速度Vpを算出する(STEPc5)。そして、このピストンの移動速度Vpから今回値信頼度Xを算出する(STEPc6)。算出方法は、例えば図12に示すようにピストン40の戻し速度Vpの所定値以上の増加にしたがって今回値信頼度Xが低下するように設定する。これは、ピストン40の戻し速度Vpが大きいと、コントローラ100における推力センサ46の信号の標本点数が少なくなり、補正した接触位置に誤差が生じる確率が高くなるためである。
【0069】
以上の今回値信頼度Xと前回値信頼度Yに基づく前回値の総合信頼度Zとから、次式により今回検出した暫定接触位置Qと前回値P(n−1)とに重み付けを行って接触位置P(n)を算出する(STEPc7)。
P(n)=Q・X/(X+Z)+P(n−1)・Z/(X+Z)
【0070】
なお、STEPc7において、今回の暫定接触位置Qを優先させ、今回値信頼度Xが、前回値の補正信頼度X’より小さかった場合にのみ接触位置Pを補正するように例えば次式で算出するようにしても良い。
今回値信頼度Xが前回値の補正信頼度X’以上であるとき(X≧X’)。
P=P(n)
前回値の補正信頼度X’の方が今回値信頼度Xよりも高いとき(X<X’)
P=P(n)+(P(n)−P(n−1))・(X−X’)
【0071】
そして、今回値信頼度Xを補正信頼度X’として記憶し(STEPc8)、今回の接触位置P(n)を接触位置P(n−1)として設定し記憶する(STEPc9)。そして、以後次に変更されるまでこれらの補正信頼度X’および接触位置P(n−1)が使用される。
【0072】
ここで、図13は、制動終了時点t2において暫定接触位置を計算し、制動開始時点t1で補正した前回値(前回の接触位置)を加味して接触位置の補正を行う場合を説明するための一例のタイミングチャート図を示している。
時刻t2においてピストン推力が閾値(Fth)を下回り(STEPb3)、暫定接触位置Qを得たとする(STEPb5)。また、この時点での信頼度はXであるとする。さらに、前回値P(n−1)は、時刻t1において信頼度X’で補正が行われていたとする。このとき、前回値P(n−1)の時間経過による信頼度Yはt2−t1で求められ、さらに総合信頼度はZ=X’・Yとなる。したがって、次式を用いれば、接触位置P(n)を求めることができる。なお、図13は今回値信頼度Xが低い場合の補正概略を示している。
P(n)=Q・X/(X+Z)+P(n−1)・Z/(X+Z)
【0073】
以上に述べた第2実施形態のブレーキ装置によれば、コントローラ100は、暫定接触位置検出手段が、ピストン推力に基づいてディスクロータ11とブレーキパッド14,15との暫定接触位置Qを検出する一方で、暫定接触位置信頼度算出手段が、位置検出器20により検出されるピストン位置に基づいて暫定接触位置Qを設定するまでのピストン速度Vpを算出し、ピストン速度Vpにより暫定接触位置の信頼度Xを算出すると、この信頼度Xに基づいて接触位置検出手段が、暫定接触位置Qを修正して接触位置P(n)として記憶する。これにより、例えばピストン速度Vpが急峻でサンプリングデータ数が少なく信頼度が低い場合に、接触位置検出手段は暫定接触位置検出手段で検出した暫定接触位置Qの重み付けを小さくして接触位置を決めることができる。したがって、ディスクロータ11とブレーキパッド14,15とが接触を開始する接触位置を正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッド14,15の引きずりを防止することができるとともに、次回制動時の応答性を向上させることができる。
【0074】
また、コントローラ100は、前回接触位置信頼度算出手段が、暫定接触位置検出手段により暫定接触位置Qが検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間Tに基づいて前回接触位置の信頼度Yを算出すると、接触位置検出手段は、前回接触位置の信頼度Yに基づく総合信頼度Zと暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度Xとに基づいて暫定接触位置Qを修正して接触位置として記憶する。これにより、例えば暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間Tが長く、ブレーキパッド14,15に摩耗や熱膨張、熱収縮等を生じている可能性が高くて前回接触位置の信頼度Yが低い場合に、接触位置検出手段は、暫定接触位置検出手段で検出した今回暫定接触位置Qの重み付けを大きくして接触位置を決めることができる。したがって、ディスクロータ11とブレーキパッド14,15とが接触を開始する接触位置を正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッド14,15の引きずりを確実に防止することができるとともに、次回制動時の応答性を確実に向上させることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のブレーキ装置によれば、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定する。したがって、ノイズの影響を回避できるため、接触開始位置を正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッドの引きずりを防止することができるとともに、次回制動時の応答性を向上させることができる。
【0076】
本発明の請求項2記載のブレーキ装置によれば、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、ブレーキパッドの摩耗状態に相当する、ピストン位置の変化量に対するピストン推力の変化量の変化率に応じた所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置を接触開始位置に設定する。したがって、ブレーキパッドの摩耗状態を加味して接触開始位置を設定するため、接触開始位置をさらに正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッドの引きずりを確実に防止することができるとともに、次回制動時の応答性を確実に向上させることができる。
【0077】
本発明の請求項3記載のブレーキ装置によれば、位置検出手段で検出されるピストン位置の変化量に対する推力検出手段で検出されるピストン推力の変化量の変化率からブレーキパッドの摩耗状態を検出することができるため、例えば、ブレーキ解除時に、推力検出手段においてノイズの影響が大きいピストン推力が0となる点を避け、0より大きい所定の閾値以下になった時点でのピストン位置から、ブレーキパッドの摩耗状態に相当する所定量ピストンをブレーキ解除側に戻した位置をディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定すること等が可能となる。したがって、接触開始位置を正確に求めること等が可能となる。
【0078】
本発明の請求項4記載のブレーキ装置によれば、暫定接触位置検出手段が、ピストン推力に基づいてディスクロータとブレーキパッドとの暫定接触位置を検出する一方で、暫定接触位置信頼度算出手段が、位置検出手段により検出されるピストン位置に基づいて暫定接触位置を設定するまでのピストン速度を算出し、該ピストン速度により暫定接触位置の信頼度を算出すると、この信頼度に基づいて接触位置検出手段が、暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する。これにより、例えばピストン速度が急峻でサンプリングデータ数が少なく信頼度が低い場合に、接触位置検出手段は暫定接触位置検出手段で検出した暫定接触位置の重み付けを小さくして接触位置を決めることができる。したがって、ディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置を正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッドの引きずりを防止することができるとともに、次回制動時の応答性を向上させることができる。
【0079】
本発明の請求項5記載のブレーキ装置によれば、前回接触位置信頼度算出手段が、暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間に基づいて前回接触位置の信頼度を算出すると、接触位置検出手段は、前記前回接触位置の信頼度と暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度とに基づいて暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する。これにより、例えば暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間が長く、ブレーキパッドに摩耗や熱膨張、熱収縮等を生じている可能性が高くて前回接触位置の信頼度が低い場合に、接触位置検出手段は、暫定接触位置検出手段で検出した今回暫定接触位置の重み付けを大きくして接触位置を決めることができる。したがって、ディスクロータとブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置を正確に求めることができる。よって、非制動時のブレーキパッドの引きずりを確実に防止することができるとともに、次回制動時の応答性を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブレーキ装置を示す電動キャリパを断面とした構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態のブレーキ装置のコントローラの制御内容を示すフローチャート図である。
【図3】ピストン位置に対するピストン推力の状態を、ブレーキパッドの高剛性状態、ノミナル状態、低剛性状態のそれぞれについて示す特性線図である。
【図4】ピストン位置に対するピストン推力の状態を示す特性線図である。
【図5】本発明の第1実施形態のブレーキ装置のコントローラにおける変化率dF/dPから所定値αを割り出すための制御テーブルを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態のブレーキ装置を示す電動キャリパを断面とした構成図である。
【図7】本発明の第2実施形態のブレーキ装置のコントローラの制御内容を示すメインのフローチャート図である。
【図8】本発明の第2実施形態のブレーキ装置のコントローラの暫定接触位置検出処理の制御内容を示すフローチャート図である。
【図9】ピストン位置に対するピストン推力の関係を示す特性線図である。
【図10】本発明の第2実施形態のブレーキ装置のコントローラの接触位置決定処理の制御内容を示すフローチャート図である。
【図11】時間経過Tに対する前回値信頼度Yの算出テーブルを示す図である。
【図12】ピストン戻し速度Vpに対する今回値信頼度Xの算出テーブルを示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態のブレーキ装置のコントローラの制御により接触位置の補正を行う場合を説明するための一例のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
10 電動キャリパ
11 ディスクロータ
14,15 ブレーキパッド
19 電動モータ(アクチュエータ)
20 位置検出器(位置検出手段)
40 ピストン
46 推力センサ(推力検出手段)
100 コントローラ(暫定接触位置検出手段,暫定接触位置信頼度算出手段,接触位置検出手段,前回接触位置信頼度算出手段)
Claims (5)
- ディスクロータと、
該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、
前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するブレーキ装置において、
ブレーキ解除時に、前記ピストン推力が0より大きい所定の閾値以下になった時点での前記ピストン位置から前記ピストンをブレーキ解除側へ所定量戻した位置を前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとが接触を開始する接触開始位置に設定することを特徴とするブレーキ装置。 - 前記ピストン位置の変化量に対する前記ピストン推力の変化量の変化率を演算する演算部を有し、
ブレーキ解除時に、前記ピストン推力が0より大きい所定の閾値以下になった時点での前記ピストン位置から、前記ピストンをブレーキ解除側へ前記演算部で演算された前記変化率に基づき設定される所定量戻した位置を前記接触開始位置に設定することを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。 - ディスクロータと、
該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、
前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するブレーキ装置において、
前記ピストン位置の変化量に対する前記ピストン推力の変化量の変化率から前記ブレーキパッドの摩耗状態を検出することを特徴とするブレーキ装置。 - ディスクロータと、
該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、
前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、
前記ピストンが受けるピストン推力を検出する推力検出手段と、
前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段とを有するブレーキ装置において、
前記ピストン推力に基づいて前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの暫定接触位置を検出する暫定接触位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出されるピストン位置に基づいて前記暫定接触位置を設定するまでのピストン速度を算出し、該ピストン速度により前記暫定接触位置の信頼度を算出する暫定接触位置信頼度算出手段と、
前記信頼度に基づいて前記暫定接触位置を修正して接触位置として記憶する接触位置検出手段とを有することを特徴とするブレーキ装置。 - 前記暫定接触位置検出手段により暫定接触位置が検出される以前に前記接触位置検出手段により接触位置を記憶した時点からの経過時間に基づいて前回接触位置の信頼度を算出する前回接触位置信頼度算出手段を有し、
前記接触位置検出手段は、前記前回接触位置の信頼度と前記暫定接触位置信頼度算出手段による信頼度とに基づいて前記暫定接触位置を修正して接触位置として記憶することを特徴とする請求項4記載のブレーキ装置。
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