JP2004124799A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三元触媒及びNOx吸蔵還元触媒における浄化性能を向上させることが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気通路5に三元触媒21及び/又はNOx吸蔵還元触媒22が設けられた内燃機関1の排気浄化装置20において、三元触媒等の上流域で排気に超音波を照射して排気中に含まれている水分を過酸化水素に変化させる。その過酸化水素により、HC、COの未燃物を酸化させてこれらの浄化性能を向上させる。また、NOx吸蔵還元触媒22に対しては、HC被毒の解消にも過酸化水素を利用する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを三元触媒やNOx吸蔵還元触媒を利用して浄化する排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関から排出されるHC、CO、NOx(窒素酸化物)の浄化には従来から三元触媒が多用されているが、空燃比を意図的に希薄域(リーン域)に制御する、いわゆるリーンバーンエンジンの普及によりNOx吸蔵還元触媒も多用されている。NOx吸蔵還元触媒は、空燃比がリーン域に制御されている間はNOxを吸蔵し、空燃比が一時的にリッチに制御されたとき、それまで吸蔵していたNOxを還元し、その還元によって得られた酸素でHCやCOを酸化するものである。そして、内燃機関の始動時に触媒が活性化されてその浄化性能を発揮するまでの対策として、内燃機関の排気通路の上流側に始動時触媒として熱容量が小さい三元触媒を設置し、その下流側にNOx吸蔵還元触媒を設置した排気浄化装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、酸化チタン触媒の上流側に過酸化水素水を噴霧することにより、OHラジカルを生じさせてNOxを除去する技術も提案されている(特開平10−266831号公報参照)。さらに、水に対して200kHz付近の超音波を照射して過酸化水素を生成する技術も提案されている(非特許文献1参照)。その他に、本願に関連する従来技術として特許文献2〜4がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−62563号公報
【特許文献2】
特開平9−280035
【特許文献3】
特開平10−266831号公報
【特許文献4】
特開平9−290136号公報
【非特許文献1】
2001年9月7日付日刊工業新聞
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関において空燃比がリーン域に制御されている場合、始動時触媒ではHCやCOを十分に浄化できないことがある。そして、NOx吸蔵還元触媒の表面近傍に過剰なHCが残留するいわゆるHC被毒が生じ、それにより、NOx吸蔵還元触媒におけるNO(一酸化窒素)からNO(二酸化窒素)への酸化反応が妨害されてNOxの吸蔵能力が低下することがある。
【0006】
そこで、本発明は、三元触媒及びNOx吸蔵還元触媒における浄化性能を向上させることが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の排気浄化装置は、排気通路に設けられた三元触媒と、前記三元触媒の上流に過酸化水素を存在させる手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。また、第2の排気浄化装置は、排気通路に設けられたNOx吸蔵還元触媒と、前記NOx吸蔵還元触媒の上流に過酸化水素を存在させる手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項2)。さらに、第2の排気浄化装置においては、前記NOx吸蔵還元触媒の上流に三元触媒が配置され、前記過酸化水素を存在させる手段は、前記三元触媒のさらに上流に過酸化水素を存在させてもよい(請求項3)。
【0008】
これらの排気浄化装置によれば、触媒の上流に存在する過酸化水素の酸化作用により、三元触媒やNOx吸蔵還元触媒におけるHCやCOの酸化反応が促進されてこれらの浄化性能が向上する。また、特にNOx吸蔵還元触媒が設けられている場合には、過酸化水素の酸化作用によってHC被毒が解消され、NOからNOへの酸化反応が促進されてNOxの吸蔵能力が向上する。特に高温域ではNOからNOへの酸化反応がNOxの吸蔵速度を支配する律速工程となるため、その酸化反応を過酸化水素によって促進すればNOx吸蔵還元触媒における単位時間当たりのNOx吸蔵量が増加し、その結果、NOx吸蔵還元触媒にて吸蔵されることなく下流側に排出されるNOx量が減少してNOxの浄化性能が向上する。
【0009】
本発明の排気浄化装置において、前記過酸化水素を存在させる手段は、前記排気通路内に超音波を照射して過酸化水素を生成する超音波照射手段を備えてもよい(請求項4)。これにより、排気に含まれる水分を過酸化水素に変えて上述した酸化作用によるHC、COの浄化と、NOx吸蔵還元触媒におけるHC被毒の解消とを図ることができる。排気中の水分を利用して過酸化水素を得るようにしたので、過酸化水素用のタンクを設けてそこに過酸化水素を蓄えておく必要をなくすことができる。また、仮に過酸化水素のタンクを設けるにしても、そのタンクに必要な容量を減少させることができ、かつ過酸化水素を補充する頻度も減らすことができる。
【0010】
さらに、超音波照射手段による超音波照射位置又はその上流側にて排気通路に水分を供給する水分供給手段を備えてもよい(請求項5)。この場合には、排気に含まれている水分では十分な過酸化水素を生成することができないときに、水分を追加して必要な量の過酸化水素を生成することができる。
【0011】
なお、本発明の排気浄化装置において、過酸化水素の存在は、排気通路内において過酸化水素を生成する場合と、排気通路外から排気通路内に過酸化水素を供給する場合(請求項6)のいずれの態様も含むものである。
【0012】
また、本発明の排気浄化装置においては、所定の制御則に従って前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えてもよい(請求項7)。この場合の制御則は過酸化水素の存在の適否に応じて種々定めてよい。例えば、制御手段は、前記触媒が所定レベルまで暖機されていないときには前記触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記存在状態を制御してもよい(請求項8)。触媒の暖機中には過酸化水素を存在させないことにより、HCやCOの未燃物の過酸化水素による酸化を防止し、それらの未燃物の燃焼熱による触媒の暖機促進効果を確実に発揮させることができる。
【0013】
また、前記制御手段は、前記排気通路の排気の温度が所定温度以上のときには前記触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記存在状態を制御してもよい(請求項9)。過酸化水素は所定温度以上の高温域で水と酸素とに分解するため、排気温度がそのような高温域にあるときは過酸化水素を存在させないように制御することにより、過酸化水素を無駄に生成し、又は供給することを防止できる。
【0014】
さらに、本発明の排気浄化装置においては、空燃比を一時的にリッチ側に設定するリッチスパイクが実行されているときは前記NOx吸蔵還元触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えてもよい(請求項10)。リッチスパイク時に過酸化水素が存在すると、その過酸化水素の酸化作用によってNOからNOへの酸化反応が促進され、NOx吸蔵還元触媒におけるNOの還元が邪魔されてリッチスパイクによるNOx吸蔵能力の回復が妨げられるおそれがある。そこで、リッチスパイク時には過酸化水素を存在させないように制御すれば、リッチスパイクによるNOx吸蔵能力の回復効果を確実に発揮させることができる。
【0015】
本発明の排気浄化装置においては、前記NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の現状を特定し、その特定結果に基づいて前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えてもよい(請求項11)。又は、前記NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の将来の低下を予測し、その予測結果に基づいて前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えてもよい(請求項12)。このようにすれば、HC被毒等によってNOx吸蔵能力が現実に低下し、あるいは将来の低下が予測されるときに過酸化水素によってHCを削減し、NOx吸蔵能力の回復やその低下の予防を図ることができる。
【0016】
なお、本発明において、「吸蔵」の語はNOxを最終的にどのような形態で保持するかに拘わりなく、広くNOx又はこれに基づく生成物を保持するすべての態様を含む意味に解されるべきであり、例えば吸着や吸収の概念もその範疇に含まれる。例えば、NOをNO→NO の順に変化させて触媒の表面又は内部に保持する場合も、NOをNOに変化させた状態で触媒の表面又は内部に保持する場合も本発明の吸蔵の概念に含まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排気浄化装置及びこれが適用される内燃機関の概要を示している。内燃機関1は車両に搭載される4サイクル火花点火式のガソリンエンジンとして構成されている。周知のように、内燃機関1には、燃焼室2に空気を取り込むための吸気通路3と、吸入空気量を制御するためのスロットルバルブ4と、燃焼室2からの排気を所定の排気位置まで導くための排気通路5と、これらの通路3,5を開閉するための吸気バルブ6及び排気バルブ7と、燃料タンク8に蓄えられたガソリン燃料を燃焼室2に直接噴射する燃料噴射弁9と、燃料混合気に着火する点火プラグ10とが設けられている。
【0018】
内燃機関1が搭載された車両には、エンジンコントロールユニット(ECU)11が設けられる。ECU11は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだ周知のコンピュータである。ECU11は、そのROMに記録された各種のプログラム及びデータに基づいて内燃機関1の各種の制御を実行する。例えば、ECU11は、吸気量を検出するエアフロメータ、冷却水温を検出する水温センサ、スロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサ、空燃比に対応した信号を出力する空燃比センサ等(いずれも図示を省略した。)の出力に基づいて内燃機関1の運転状態や車両の走行状態を検出し、その検出結果に基づいて燃料噴射弁9の燃料噴射時期及び噴射量を制御する。この燃料噴射弁9からの燃料噴射量の制御により、燃焼室2における空燃比が、理論空燃比と、理論空燃比よりも燃料が少ないリーン域と、理論空燃比よりも燃料が多いリッチ域との間で適宜に切替制御される。一般に、燃料噴射弁9から燃焼室2内に燃料を直接噴射する内燃機関1においては、低負荷低回転時に燃料を圧縮行程で噴射して成層燃焼を実現し、高負荷高回転時には吸気行程で燃料を噴射して均質燃焼を実現している。成層燃焼では燃焼室全体からみて空燃比がリーン域に制御される。このようなECU11による空燃比制御は周知の内燃機関と同様でよく、ここでは詳細を省略する。
【0019】
内燃機関1には排気浄化装置20が取り付けられている。排気浄化装置20は、排気通路5に設けられた第1触媒21と、その下流側に設けられた第2触媒22とを備えている。第1触媒21は、内燃機関1の冷間始動時に第2触媒22が活性化されるまでの有害物質の排出量を低減することを主たる目的として設けられた、いわゆるスタート触媒である。第1触媒21は早期活性化のために内燃機関1の排気ポートになるべく近付けて配置され、かつその熱容量は第2触媒22のそれよりも十分に小さく設定される。第1触媒21には三元触媒が使用される。三元触媒は、排気ガスに含まれるNOxを還元させる一方で、HC、COを酸化させてこれらを浄化する周知の排気ガス浄化用の触媒である。
【0020】
一方、第2触媒22にはNOx吸蔵還元触媒が使用される。NOx吸蔵還元触媒は、空燃比がリーン域に制御されているときは図2(a)に示すようにNOxと白金Ptの表面のO2−又はO とを反応させてNOを生成し、これをさらに酸化しつつ吸蔵材の内部にNO の形で吸蔵して拡散させ、その一方、空燃比がリッチに制御された場合には、図2(b)に示すように吸蔵材からNOを放出し、そのNOを排気中のHC、COにて還元してNへと変化させるとともに、HC、COを酸化させる。
【0021】
図3に示すように、内燃機関1の空燃比(A/F)が連続的にリーン域に制御されると、NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵量が増加してそのNOx浄化性能が徐々に低下し、やがては浄化性能が限界に達する。そこで、ECU11は排気通路5から放出される排気ガスの状態を例えば排気通路5の第2触媒22よりも下流側に設けたNOxセンサ13やHCセンサ14等の出力に基づいて監視し、NOxの浄化性能が一定の限界を超えて劣化した場合には、空燃比を意図的にリッチ域に制御してNOxの放出を促し、これによりNOx浄化性能の回復を図っている。このような処理は、いわゆるリッチスパイクとして知られている。
【0022】
リッチスパイクが適切に行われた場合にはNOx吸蔵量がほぼ0まで低減し、NOx吸蔵還元触媒のNOx浄化性能はほぼ初期状態まで回復する。しかしながら、NOx吸蔵還元触媒の表面近傍に過剰なHCが残留する、いわゆるHC被毒が進行すると、NOx吸蔵還元触媒の表面におけるNOxからNOへの酸化反応が阻止され、その結果、図3に破線で示すようにリッチスパイクを行ってもNOx浄化性能が初期状態まで戻らず、その後の浄化性能も劣化することがある。図1の第1触媒21の容量を増加させて、第2触媒(NOx吸蔵還元触媒)22に導かれるHCの量を削減すればHC被毒は軽減されるが、第1触媒21は早期に活性化させる必要があってその容量には制限がある。
【0023】
以上のような事情を考慮して、図1の排気浄化装置20は、第1触媒21よりも上流側にて排気通路5内に水分を供給する水分供給機構23と、第1触媒21よりも上流側にて排気通路5内に超音波を照射する超音波照射機構30とをさらに備えている。水分供給機構23は、水タンク24からポンプ25で汲み上げた水を切替弁26の開放によってノズル27に供給し、そのノズル27から排気通路5内に水分を噴射する。なお、切替弁26の閉鎖によりノズル27への水の供給は停止される。
【0024】
超音波照射機構30は、排気通路5に向かって超音波を照射する照射器31と、ECU11からの指示に従って超音波発信用の所定周波数の駆動電流を照射器31に供給する駆動回路32とを備えている。照射器31から照射される超音波の周波数は、排気中の水分を過酸化水素に変換するのに適した周波数域である200kHz前後に設定される。照射器31は水分供給機構23のノズル27よりも排気通路5の下流側に設置される。換言すれば、水分供給機構23のノズル27は、超音波照射機構30による超音波の照射位置又はその上流側の位置にて排気に水分を供給するように設けられている。
【0025】
以上の構成によれば、水分供給機構23から排気通路5に水分を供給しつつ超音波照射機構30の照射器31から排気通路5に超音波を照射することにより、排気に含まれている水分を過酸化水素に変換することができる。変換された過酸化水素は強い酸化作用を持っているため、第1触媒(三元触媒)21及び第2触媒(NOx吸蔵還元触媒)22におけるHC、COの酸化反応が促進されてそれらの浄化性能が向上する。また、第2触媒22においては、過酸化水素の存在によりNOからNOへの酸化反応が促進されてNOxの浄化能力が高まる。さらに、第1触媒21及び第2触媒22におけるHCの浄化性能が向上すること、及び第2触媒22におけるHCの酸化が促進されることの相乗効果により、NOx吸蔵還元触媒のHC被毒も軽減される。
【0026】
水分供給機構23及び超音波照射機構30を利用した過酸化水素の生成は、その必要性に応じて適宜に行ってよいが、その好適な制御例を図4により説明する。
【0027】
図4はECU11が一定周期で繰り返し実行する過酸化水素供給制御ルーチンを示している。この図4のルーチンを実行することにより、ECU11は排気浄化装置20の制御手段として機能する。
【0028】
図4の過酸化水素供給制御ルーチンにおいて、ECU11はステップS1で空燃比制御条件を読み込む。空燃比制御条件は、内燃機関1の空燃比をその運転状態等に応じて適宜に制御するためにECU11が設定するものである。続くステップS2では、読み込んだ空燃比制御条件からリッチスパイク処理の実行中か否かを判断する。リッチスパイク中であればステップS12へ進み、水分及び超音波の供給をそれぞれ中止して今回のルーチンを終える。リッチスパイク中に過酸化水素が存在すると、NOx吸蔵還元触媒にてNOからNOの酸化反応が生じてNOxの放出作用が損なわれるおそれがあるためである。
【0029】
ステップS2でリッチスパイク処理の実行中でないときはステップS3に進み、ECU11は第2触媒(NOx吸蔵還元触媒)22の近傍に設置された触媒温度センサ16(図1参照)から触媒温度を読み込み、続くステップS4で触媒22の温度が所定の活性化温度以上か否か(つまり、触媒22が所定レベルまで暖機されているか否か)を判断する。そして、触媒温度が活性化温度未満のときはステップS12へ進んで過酸化水素の供給を中止する。触媒22の活性前に過酸化水素によってHC、COが酸化されると、これらの未燃物の二次燃焼による触媒の暖機の促進効果が損なわれるからである。
【0030】
ステップS4で触媒22の温度が活性化温度以上であるときはステップS5へ進み、排気通路5に設置された排気温センサ15(図1参照)から排気温度を読み込む。続くステップS6では、排気温度が所定の分解温度以上か否かを判断する。分解温度以上であればステップS12へ進んで過酸化水素の供給を中止する。分解温度は過酸化水素が熱によって分解される温度として設定されている。排気温度が分解以上のときに過酸化水素を形成しないのは、排気温度が分解温度以上の状態で過酸化水素を供給しても直ぐに分解され、所定の浄化性能向上効果が得られないためである。
【0031】
排気温度が分解温度以上でないときはステップS7へ進み、NOxセンサ13の出力を読み込む。続くステップS8では、NOxセンサ13の出力を参照して、第2触媒22を通過するNOx量が所定量以上か否かを判断する。所定量はNOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力が所定レベル未満に低下したときにその下流で検出されるNOx量に定められる。そして、NOx排出量が所定量以上のときはステップS11へ進み、水分供給機構23による水分の供給と、超音波照射機構30による超音波の照射とを実行させて過酸化水素を生成させる。これにより、HC被毒によりNOx吸蔵還元触媒の吸蔵能力が衰えてNOx排出量が所定の限度を超えて増加したときに過酸化水素を供給してHC被毒を解消し、NOxの浄化性能を回復させることができる。つまり、ステップS8の判断を設けることにより、NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力に応じて過酸化水素の供給状態を制御することができる。なお、NOxの吸蔵は空燃比がリーン域に制御されているときに行われるので、ステップS8が肯定される条件として、空燃比がリーン域に制御されていることを追加してもよい。
【0032】
さらに、ステップS8で第2触媒22を通過するNOx量が所定量未満であったときにはステップS9に進み、HCセンサ14の出力を読み込む。続くステップS10では、HCセンサ14の出力を参照して、第2触媒22を通過するHCの量が所定量以上か否かを判断する。所定量は、NOx吸蔵還元触媒のHC被毒が懸念されるときのHC排出量に設定される。そして、HC排出量が所定量未満のときはステップS12へ進み、HC排出量が所定量以上のときはステップS11へ進む。これにより、HC被毒によるNOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の低下が予想される程にHCが排出されているときに過酸化水素を供給し、その酸化作用によって触媒21,22のHCの浄化能力を向上させ、かつNOx吸蔵還元触媒におけるHC被毒の進行を阻止することができる。以上のようにしてステップS11又はステップS12で過酸化水素の供給を制御して一回のルーチンを終える。
【0033】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。例えば、上記の実施形態では第2触媒22の下流に配置したNOxセンサ13及びHCセンサ14の出力を参照してNOx吸蔵能力の現実の低下や将来の低下の可能性を判別したが、空燃比センサ、O(酸素)センサ、COセンサ等の排気状態を検出するために使用される各種のセンサを利用してNOx吸蔵能力の現状や将来の低下を判別してもよい。また、これらのセンサは第2触媒22の下流側に限らず、第2触媒22の前後に配置してもよい。さらに、NOx吸蔵還元触媒におけるNOx吸蔵能力の低下が、リッチスパイクの実行回数や実行時間、あるいはリーン運転の継続時間等の内燃機関1の運転制御状態に基づいて特定可能な場合には、これらの運転制御の履歴からNOx吸蔵能力の現状の特定や将来の低下の予測を行ってもよい。
【0034】
上記の実施形態では、水分供給機構23と超音波照射機構30との組み合わせによって過酸化水素を存在させる手段が構成される。但し、水分供給機構23については、排気に含まれる水分により十分な過酸化水素が得られる場合にはこれを省略してもよい。本発明は、超音波を利用して排気通路内で過酸化水素を生成する例に限らず、予め排気通路外のタンクに備蓄された過酸化水素をポンプで吸い上げて排気通路内に噴霧する等、排気通路外から過酸化水素を供給する構成もその範囲に含むものである。
【0035】
本発明は三元触媒とNOx吸蔵還元触媒とを組み合わせた排気浄化装置に限らず、いずれか一方の触媒のみを利用した排気浄化装置にも適用可能である。本発明は燃料を燃焼室内に直接噴射する内燃機関に限らず、吸気ポートに燃料を噴射する形式の内燃機関にも適用可能である。特には空燃比を意図的にリーン域に設定して内燃機関の運転を継続させる、いわゆるリーンバーンエンジンにおいてNOx吸蔵還元触媒を利用する際に本発明は好適に適用できるが、それ以外の内燃機関においても過酸化水素の優れた酸化作用が有効に利用できる限りは本発明を適用してよい。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気浄化装置によれば、触媒の上流に存在する過酸化水素の酸化作用を利用して、三元触媒やNOx吸蔵還元触媒におけるHCやCOの酸化反応を促進してこれらの浄化性能を向上させ、特にNOx吸蔵還元触媒においては、過酸化水素によってHC被毒を解消し、NOからNOへの酸化反応を促進してNOxの吸蔵能力、浄化能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置及びこれが適用される内燃機関の概要を示す図。
【図2】NOx吸蔵還元触媒におけるNOx吸蔵作用と、NOx還元作用とを説明するための図。
【図3】空燃比(A/F)の変化と、NOx吸蔵還元触媒のNOx浄化性能との関係を示す図。
【図4】図1のECUが実行する過酸化水素供給制御ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 燃焼室
3 吸気通路
5 排気通路
9 燃料噴射弁
10 点火プラグ
11 エンジンコントロールユニット(制御手段)
13 NOxセンサ
14 HCセンサ
15 排気温センサ
16 触媒温度センサ
20 排気浄化装置
21 第1触媒(三元触媒)
22 第2触媒(NOx吸蔵還元触媒)
23 水分供給機構(水分供給手段)
24 水タンク
25 ポンプ
26 切替弁
27 ノズル
30 超音波照射機構(超音波照射手段)
31 照射器
32 駆動回路

Claims (12)

  1. 排気通路に設けられた三元触媒と、前記三元触媒の上流に過酸化水素を存在させる手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 排気通路に設けられたNOx吸蔵還元触媒と、前記NOx吸蔵還元触媒の上流に過酸化水素を存在させる手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記NOx吸蔵還元触媒の上流に三元触媒が配置され、前記過酸化水素を存在させる手段は、前記三元触媒のさらに上流に過酸化水素を存在させることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記過酸化水素を存在させる手段は、前記排気通路内に超音波を照射して過酸化水素を生成する超音波照射手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記超音波照射手段による超音波照射位置又はその上流側にて前記排気通路に水分を供給する水分供給手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の排気浄化装置。
  6. 前記過酸化水素を存在させる手段は、排気通路外から排気通路内に過酸化水素を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気浄化装置。
  7. 所定の制御則に従って前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気浄化装置。
  8. 前記制御手段は、前記触媒が所定レベルまで暖機されていないときには前記触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記存在状態を制御することを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  9. 前記制御手段は、前記排気通路の排気の温度が所定温度以上のときには前記触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記存在状態を制御することを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  10. 空燃比を一時的にリッチ側に設定するリッチスパイクが実行されているときは前記NOx吸蔵還元触媒の上流側に過酸化水素を存在させないように前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の排気浄化装置。
  11. 前記NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の現状を特定し、その特定結果に基づいて前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の排気浄化装置。
  12. 前記NOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の将来の低下を予測し、その予測結果に基づいて前記過酸化水素の存在状態を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の排気浄化装置。
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