JP2004124411A - 間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用が容易でかつ安価である間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法を提供すること。
【解決手段】無機繊維断熱マットが波状に折り曲げられ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルムが配置されていることを特徴とする間仕切り壁用断熱材、および該断熱材を用いる間仕切り壁の断熱施工方法。
【選択図】 図4
【解決手段】無機繊維断熱マットが波状に折り曲げられ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルムが配置されていることを特徴とする間仕切り壁用断熱材、および該断熱材を用いる間仕切り壁の断熱施工方法。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用が容易でかつ安価である間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、間仕切り壁用断熱材としては、特許文献1に記載の材料が知られている。かかる間仕切り壁用断熱材は優れた断熱性を有し、また、間仕切り壁に適応した長さに応じて寸法を調整できるため、断熱材の切り出しの工程などが不要で、断熱施工性に優れていることなどから好適に採用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−292813号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報に記載の断熱材においては、無機繊維断熱マットの全ての面を、防湿および透湿の2種類の表皮材で覆うために材料コストがかかるという課題がある。また、断熱マットの4辺を前記2種のシートを接合などにより被覆し、しかも板状をなす断熱マットの厚み方向の中間部で前記フィルムの接合をする必要があり、生産性が劣るものであった。
【0005】
さらに、間仕切り壁に前記断熱材を用いて断熱施工の際に、その都度断熱材を2つ折りにし、かつ2つ折りを保持しながら、または保持する治具を用いて、2つ折りした断熱材を通常2つ折りにした際に略柱の寸法の断熱材を厚み方向に人手で押圧して間仕切り壁内に挿入する必要があり、手間がかかるといった課題がある。この課題は、住宅のリフォームにおいて顕著であり、狭い隙間などの制限されたスペースから断熱材を挿入する必要があるので手間がかかり、しかも断熱材が適切に配置されない場合がある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、使用が容易でかつ安価である間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、無機繊維断熱マット(以下「断熱マット」と略称する)が波状に折り曲げられ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルムが配置されていることを特徴とする間仕切り壁用断熱材(以下「断熱材」という)、および該断熱材を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を提供する。
なお、本発明においては「断熱マット」とは、フィルムによって被覆される以前の無機繊維断熱マットを意味し、「断熱材」とは「フィルムで被覆された断熱マット」を意味している。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を示す図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1aは、本発明の断熱材10の基本形態の斜視図であり、図1bは、図1aに示す断熱材10の端部の側面図である。本発明の断熱材10は、図1に示すように断熱マット1が波状(図1では折り数一つ(二つ折り)であるが、これも波状と称する)に折り畳まれ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルム2が配置されていることを特徴としている。
【0008】
図2に示す例は、断熱マット1を折り数二つ(三つ折り)にして圧縮し、その外周に筒状のフィルム2が配置されている実施形態を示し、図3に示す例は断熱マット1を折り数三つ(四つ折り)にして圧縮し、その外周に筒状のフィルム2が配置されている実施形態を示している。なお、図1〜3における符号3は、これらの断熱材10を実際に使用して間仕切り壁を断熱施工する際のフィルム2の切断位置を示す目印である。
【0009】
上記目印3は、本発明において必須ではないが、該目印3を設けておくことによって、現場施工に際して作業が正確になる。目印3としては、例えば、マーキング、フィルム端部の切り込み、ミシン目、オープンシールなどが挙げられる。これらの目印3は、図1および図3に示すように、折り曲げられた断熱マット1の厚みを略等分する谷折り部4に沿ってフィルム2上に形成しておくことが好ましい。
【0010】
本発明の断熱材10は、断熱マット1が圧縮されてフィルム2によって被覆されているので、例えば、図3に示すように目印3に沿ってフィルム2を断熱材10の長手方向に切断した場合、断熱マット1の圧縮が解放され、断熱材10の全体が厚み方向(矢印)に膨張し、該膨張によって断熱材10の厚みと間仕切り壁の空間との間に多少の差があったとしても、断熱処理すべき間仕切り壁の空間部分を完全に塞ぐことができる。また、断熱材10の厚みよりも断熱処理すべき間仕切り壁の空間の幅が狭い場合であっても、断熱材10は依然として圧縮性を有しているので、前記空間に断熱材10を強制的に押し込むことができる。
【0011】
以上の図1〜3に示す例は、何れも本発明において有効であるが、特に図3に示すように、断熱マット1の折り数が3以上の奇数であることが好ましい。例えば、図3に示す例は、図1および図2に示す例よりもフィルム2の切断時において厚さ方向の膨張が大きく、また、フィルム2の切断部分(目印3)は、断熱材10の厚みのほぼ中心に存在し、そのうえ目印3の下方に断熱マット1の折り曲げによって生じた小さな空間4(谷折り部)が形成されており、カッターなどによるフィルム2の切断が容易である。これに対して図1に示す例では、フィルム2の切断時において断熱材10の膨張率が低く、また、図2に示す例では切断目印3の直下が断熱マット1であり、カッターなどでフィルム2を切断する際、カッターの刃が断熱マット1に引っ掛かることがある。
【0012】
本発明の断熱材10を構成する断熱マット1それ自体は周知であり、例えば、ガラスウール、ロックウールなどの無機繊維を適当なバインダーによってマット状に成形してなるものである。無機繊維としてはガラスウールが好ましく使用される。このよう断熱マット1は種々の密度のものが知られているが、本発明においては、断熱マット1の密度が6〜24kg/m3であり、該マット厚みが50〜150mmであることが、間仕切り壁の断熱施工の関係上好適である。
【0013】
断熱マット1の密度が6kg/m3未満であると、形成された断熱材10の施工時における復元性が劣り、24kg/m3を超えると、特に折り数が三つ以上の断熱材10を形成する場合、断熱マット1の折り曲げ加工が困難であり、所定の厚みまで復元しない。また、断熱マット1の厚みは50〜150mmの範囲が好適であり、厚みが50mm未満では、断熱材10の製造に際し、断熱マット1の折り数を極端に増やすことになり、一方、厚みが150mmを超えると断熱マット1の折り曲げが困難になり、また、折り数が増やせなくなるので何れも好ましくない。
【0014】
上記波状に折り畳まれた断熱マット1は、圧縮状態で筒状のフィルム2によって被覆され、本発明の断熱材10が得られる。このフィルム2は、例えば、厚み0.02〜0.2mm程度のシートまたはフィルム(本発明では以下「シートまたはフィルム」を「フィルム」と総称する)であり、具体的には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム、クラフト紙と上記フィルムをラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウム箔をラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウムを蒸着したものなどが好ましく用いられる。
【0015】
上記フィルム2としては、透湿フィルムまたは防湿フィルムの何れであってもよい。透湿フィルムまたは防湿フィルムの使い分けについては、後述の間仕切り壁の断熱施工方法の説明において詳しく説明する。透湿フィルムを使用する場合には該透湿フィルムが透湿抵抗1.5m2・h・mmHg/g以下であることが好ましく、また、防湿フィルムを使用する場合には、その透湿抵抗が30m2・h・mmHg/g以上であることが好ましい。前記の各種フィルムは防湿フィルムであるが、これらのフィルムに適当な小孔を多数設けることによって透湿抵抗を1.5m2・h・mmHg/g以下にすることができる。透湿抵抗を変化させる方法は他にもあるが、孔空けフィルムを用いることで、透湿・防湿フィルムの肉眼による判別が容易になるので上記小孔を設ける方法が好ましい。
【0016】
また、別の実施形態として上記断熱材10において前記目印3を上にしたときの断熱材10の高さ方向における上半分のフィルムを透湿性または防湿性とし、下半分を防湿性または透湿性とすることができる。このような断熱材10については後の間仕切り壁の断熱施工方法において詳しく説明するが、高さのいずれかの半分を透湿性にする方法は、透湿フィルムと防湿フィルムの2種を使用してもよいが、折り畳まれた断熱マット1の全体を防湿フィルム(通常の樹脂フィルム)で被覆した後または被覆する前に、上下何れかの半分に孔空けを行って透湿フィルムとすることが作業工程上有利である。
【0017】
前記折り畳まれた断熱マット1を上記フィルム2で被覆する方法は、何れの方法でもよい。例えば、折り畳まれた断熱マット1を圧縮状態で筒状のフィルム2に挿入する方法や、上記折り畳まれた断熱マット1をフィルム2上に配置し、フィルム2を緊張させた状態で簡便な圧縮装置により断熱マット1を圧縮し、その状態でフィルム2の端部同士を溶着する方法などが挙げられる。また、前記目印3はフィルム2による断熱マット1の被覆前または被覆後にフィルム2に設けることができる。
【0018】
なお、ここでいう筒状とは、目印3を切断すると前記フィルムが実質的に長方形などの四辺形になるものであり、フィルムが配置された断熱材の図1に示すフィルム断面図の形状が、円形もしくは楕円形または実質的に長方形になっていることが好ましく、間仕切り壁内に断熱材を挿入する施工性の観点から、円形または楕円形であることが好ましい。
【0019】
以上の如くして得られる本発明の断熱材10の寸法は特に限定されないが、間仕切り壁の構造を考慮すると、図1に示すように、断熱材10の幅(L)が365〜460mmであり、前記フィルム2の幅が、前記断熱マット1の幅とほぼ同一または前記断熱マット1の幅(L)よりも幾分長いことが好ましい。また、図1に示すように断熱材10における折り目方向の最長部を高さ(T)とし、折り目方向とほぼ垂直の方向の最長部を厚み(D)としたときの、前記高さ(T)が100〜300mmであり、前記厚み(D)が90〜130mmであることが好ましい。厚みは、間仕切り壁を構成する柱の幅が100mm程度であるので、その前後に設定する。
【0020】
上記断熱材はフィルムで圧縮されているため、厚み(D)は100mm以下であっても容易に施工はできるが、厚みの最長部が100mm以上であると挿入した際にひっかかりができるため、位置決めが容易であるうえに目印を切断する際に断熱材が野縁やボード受けなどに保持されているので前記切断が容易に行える。そのため厚み(D)は100〜120mmが最も好ましい。上記値が130mmを超えると、断熱材を挿入するのに充分な押圧が必要となり作業効率が劣る(つまり、圧縮の意味がなくなる)。一方、90mm未満であると施工後の断熱材が壁内に保持されにくくなるため好ましくない。例えば、間仕切り壁内に石膏ボードなどが間仕切り壁の柱の内側に配置された場合、間仕切り壁内の有効スペースが50mm程度と小さくなるが、この場合でも、本発明の断熱材10は繊維系断熱材のため、さらに押し込んで当該厚みまで圧縮し得るからである。
【0021】
次に上記本発明の断熱材10を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を図4および図5を用いて説明する。図5は断熱材10が使用されていない間仕切り壁の構造を示す。図5には、間仕切り壁を構成する柱および間柱は図示されていないが、部屋を仕切る2枚の間仕切り壁板5の間は空間になっており、床下および天井裏に断熱材が配置されて床および天井が断熱施工されていても、該空間に床下の冷気や水蒸気、および室内の水蒸気などが侵入し、これらが上記空間を上昇し室内暖気を吸収しつつ、小屋裏あるいは2階天井懐部に流れ、そのために間仕切り壁が1種の冷却装置となり、室内の暖房効果が著しく低減するとともに、間仕切り壁板5の冷輻射によって居住者に冷気を感じさせることになる。さらに水蒸気の侵入により小屋裏あるいは2階天井懐部に結露を生じたり、黴の発生の原因となる。
【0022】
図4は、前記本発明の断熱材10を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を説明する図である。なお、図4に示すように、2枚の間仕切り壁板5によって形成されている下方の空間に、本発明の断熱材10を不図示のボード受けの間に基礎6の上に配置された床根太7に達するように押し込み、押込完了に続いて断熱材10の上方のフィルム2を切断する。フィルム2の切断により断熱マット1が元の状態に復元するように膨張するので、上記空間は常に完全に塞がれることになる。なお、ここで使用する断熱材10は、断熱マット1の全面を被覆しているフィルム2が防湿性フィルムである断熱材10であるが、前述のように該断熱材10の高さの下方略半分が防湿フィルムで被覆され、残りの半分が透湿フィルムである断熱材10を用いてもよい。このように防湿フィルムが断熱材10の少なくとも下方の表面を被覆しているので、床下の冷気や水蒸気が間仕切り壁の空間に侵入することがなくなる。
【0023】
さらに間仕切り壁の上方の空間にも、前記と同様に本発明の断熱材10を2個の野縁の間に上方から押し込み、適当な位置において、断熱材10の上面のフィルム2を切断する。フィルム2の切断により断熱マット1が元の状態に復元するように膨張するので、上記空間は常に完全に塞がれることになる。なお、ここで使用する断熱材10は、断熱マット1の全面を被覆しているフィルム2が透湿フィルムである断熱材10であるが、前述のように該断熱材10の高さの下方略半分が透湿フィルムで被覆され、残りの半分が防湿フィルムである断熱材10を用いてもよい。このように透湿フィルムが断熱材10の少なくとも下方の表面を被覆しているフィルムが透湿性であり、断熱材10の上方のフィルムは切断されているので、間仕切り壁に室内から侵入する暖気が小屋裏や2階天井懐部に逃げることはない。そして間仕切り壁の空間に室内から侵入した水蒸気(間仕切り壁板が木材であるので水蒸気の侵入が生じる)は、前記断熱材10の透湿フィルムおよび断熱マット中を通過して小屋裏あるいは2回天井懐部に放散するので、室内が冷却されたとしても間仕切り壁の空間内で結露したり、黴が発生することがない。なお、小屋裏あるいは2階天井懐部に放散される水蒸気は、図5に示す場合と異なり、少量であるので小屋裏あるいは2階天井懐部に結露や黴を発生させる量ではない。
【0024】
以上のように本発明によれば、透湿または防湿フィルムを用いて、接着剤などを使用せず、従って安価である断熱材が提供されるとともに、該断熱材を使用することによって、断熱効果に優れた間仕切り壁の断熱施工を容易に行うことができる。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
密度10kg/m3、厚み50mm、長さ430mmおよび幅560mmの無機繊維断熱マットを折り数三つ(四つ折り)に折り畳んだ。これをプラスチック製フィルムからなるチューブ(厚さ30μm、透湿抵抗70m2・h・mmHg/g、折り径200mmおよび幅470mm)内に挿入して本発明の断熱材とした。該断熱材のフィルムに、図3に示すように目印3としてマーキングを入れた。また、上記断熱材は、図1に示すTが140mm、Dが120mm、そしてLが430mmである。
【0026】
上記断熱材を間仕切り壁(ボード(野縁)内寸105mm)の下方の空間に、前記フィルムの目印3が上に配置されるように挿入した。目印3をカッターにて切断して断熱マットを膨張させて完全に間仕切り壁の下方の空間内に断熱材が保持されるようにした。また、前記フィルムとして、フィルム全体に多数の孔を設けたフィルム(厚み30μm、透湿抵抗1.0m2・h・mmHg/g)を用いた以外は、上記の断熱材と同様にして本発明の断熱材を作製した。この断熱材を間仕切り壁の上方の空間に、前記下方に配置された断熱材と同様に、前記フィルムの目印3が上に配置されるように挿入し、目印3をカッターにて切断して完全に間仕切り壁の下方の空間内に断熱材が保持されるようにして、間仕切り壁を断熱施工した。
【0027】
比較例1
密度10kg/m3、厚み75mm、長さ430mmおよび幅395mmの無機繊維断熱マットを、フィルム(厚み30μm、透湿抵抗70m2・h・mmHg/g)で、マット全面(6面)を覆って比較例の断熱材とした。該断熱材を二つ折りにして間仕切り壁の下方の空間に装入固定した。また、前記フィルムとして全体に多数の孔を設けたフィルム(厚み30μm、透湿抵抗1.0m2・h・mmHg/g)を用い、上記と同様にして比較例の断熱材を作製した。該断熱材を二つ折りにして間仕切り壁の上方の空間に配置させて、比較例の断熱施工を行った。
【0028】
実施例1および比較例1の結果、実施例と比較例ともに、高い断熱性能を有する間仕切壁が施工できた。これは間仕切り壁の施工が正確にできるようになり、間仕切り壁の上方および下方の隙間ががなくなったためと考えられる。一方、施工(作業性)においては、比較例1は75mmの断熱材を施工時に二つ折りにして使用するため、折った状態を保持するのが容易でなく、また、押し込むのに手間を要するものであった。それに比べ実施例1の断熱材は断面形状が楕円形状になっているため、間仕切り壁の空間内への挿入が容易で、しかも断熱材の厚みの最長部Dで、野縁やボード受けに引っかかり略水平をたもった状態で、さらに若干押し込むだけで断熱材が保持され、次いで目印3を切断するだけで簡単に断熱施工が行えるものであり、しかも完全に野縁に保持されるものであった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、断熱材の製造に際して使用するフィルムが従来方法に比較して少量であり、また、断熱マットとフィルムとの接合に接着剤などを使用する必要がなく、折りたたまれた断熱マットを単にフィルムで被覆するのみで得られるので、非常にコストメリットがある。また、本発明の断熱施行方法では、断熱材を二つ折りしたりする必要がなく、断熱材を所定の場所に挿入し、フィルムを切断するのみで断熱構造を得ることができるので施工方法も簡便化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1例の断熱材を説明する図。
【図2】本発明の他の例の断熱材を説明する図。
【図3】本発明のさらに他の例の断熱材を説明する図。
【図4】本発明の断熱施工方法を説明する図。
【図5】間仕切り壁の構造を説明する図。
【符号の説明】
1:断熱マット
2:フィルム
3:目印
4:谷折り部
5:間仕切壁板
6:基礎
7:床根太
10:断熱材
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用が容易でかつ安価である間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、間仕切り壁用断熱材としては、特許文献1に記載の材料が知られている。かかる間仕切り壁用断熱材は優れた断熱性を有し、また、間仕切り壁に適応した長さに応じて寸法を調整できるため、断熱材の切り出しの工程などが不要で、断熱施工性に優れていることなどから好適に採用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−292813号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報に記載の断熱材においては、無機繊維断熱マットの全ての面を、防湿および透湿の2種類の表皮材で覆うために材料コストがかかるという課題がある。また、断熱マットの4辺を前記2種のシートを接合などにより被覆し、しかも板状をなす断熱マットの厚み方向の中間部で前記フィルムの接合をする必要があり、生産性が劣るものであった。
【0005】
さらに、間仕切り壁に前記断熱材を用いて断熱施工の際に、その都度断熱材を2つ折りにし、かつ2つ折りを保持しながら、または保持する治具を用いて、2つ折りした断熱材を通常2つ折りにした際に略柱の寸法の断熱材を厚み方向に人手で押圧して間仕切り壁内に挿入する必要があり、手間がかかるといった課題がある。この課題は、住宅のリフォームにおいて顕著であり、狭い隙間などの制限されたスペースから断熱材を挿入する必要があるので手間がかかり、しかも断熱材が適切に配置されない場合がある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、使用が容易でかつ安価である間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、無機繊維断熱マット(以下「断熱マット」と略称する)が波状に折り曲げられ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルムが配置されていることを特徴とする間仕切り壁用断熱材(以下「断熱材」という)、および該断熱材を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を提供する。
なお、本発明においては「断熱マット」とは、フィルムによって被覆される以前の無機繊維断熱マットを意味し、「断熱材」とは「フィルムで被覆された断熱マット」を意味している。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を示す図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1aは、本発明の断熱材10の基本形態の斜視図であり、図1bは、図1aに示す断熱材10の端部の側面図である。本発明の断熱材10は、図1に示すように断熱マット1が波状(図1では折り数一つ(二つ折り)であるが、これも波状と称する)に折り畳まれ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルム2が配置されていることを特徴としている。
【0008】
図2に示す例は、断熱マット1を折り数二つ(三つ折り)にして圧縮し、その外周に筒状のフィルム2が配置されている実施形態を示し、図3に示す例は断熱マット1を折り数三つ(四つ折り)にして圧縮し、その外周に筒状のフィルム2が配置されている実施形態を示している。なお、図1〜3における符号3は、これらの断熱材10を実際に使用して間仕切り壁を断熱施工する際のフィルム2の切断位置を示す目印である。
【0009】
上記目印3は、本発明において必須ではないが、該目印3を設けておくことによって、現場施工に際して作業が正確になる。目印3としては、例えば、マーキング、フィルム端部の切り込み、ミシン目、オープンシールなどが挙げられる。これらの目印3は、図1および図3に示すように、折り曲げられた断熱マット1の厚みを略等分する谷折り部4に沿ってフィルム2上に形成しておくことが好ましい。
【0010】
本発明の断熱材10は、断熱マット1が圧縮されてフィルム2によって被覆されているので、例えば、図3に示すように目印3に沿ってフィルム2を断熱材10の長手方向に切断した場合、断熱マット1の圧縮が解放され、断熱材10の全体が厚み方向(矢印)に膨張し、該膨張によって断熱材10の厚みと間仕切り壁の空間との間に多少の差があったとしても、断熱処理すべき間仕切り壁の空間部分を完全に塞ぐことができる。また、断熱材10の厚みよりも断熱処理すべき間仕切り壁の空間の幅が狭い場合であっても、断熱材10は依然として圧縮性を有しているので、前記空間に断熱材10を強制的に押し込むことができる。
【0011】
以上の図1〜3に示す例は、何れも本発明において有効であるが、特に図3に示すように、断熱マット1の折り数が3以上の奇数であることが好ましい。例えば、図3に示す例は、図1および図2に示す例よりもフィルム2の切断時において厚さ方向の膨張が大きく、また、フィルム2の切断部分(目印3)は、断熱材10の厚みのほぼ中心に存在し、そのうえ目印3の下方に断熱マット1の折り曲げによって生じた小さな空間4(谷折り部)が形成されており、カッターなどによるフィルム2の切断が容易である。これに対して図1に示す例では、フィルム2の切断時において断熱材10の膨張率が低く、また、図2に示す例では切断目印3の直下が断熱マット1であり、カッターなどでフィルム2を切断する際、カッターの刃が断熱マット1に引っ掛かることがある。
【0012】
本発明の断熱材10を構成する断熱マット1それ自体は周知であり、例えば、ガラスウール、ロックウールなどの無機繊維を適当なバインダーによってマット状に成形してなるものである。無機繊維としてはガラスウールが好ましく使用される。このよう断熱マット1は種々の密度のものが知られているが、本発明においては、断熱マット1の密度が6〜24kg/m3であり、該マット厚みが50〜150mmであることが、間仕切り壁の断熱施工の関係上好適である。
【0013】
断熱マット1の密度が6kg/m3未満であると、形成された断熱材10の施工時における復元性が劣り、24kg/m3を超えると、特に折り数が三つ以上の断熱材10を形成する場合、断熱マット1の折り曲げ加工が困難であり、所定の厚みまで復元しない。また、断熱マット1の厚みは50〜150mmの範囲が好適であり、厚みが50mm未満では、断熱材10の製造に際し、断熱マット1の折り数を極端に増やすことになり、一方、厚みが150mmを超えると断熱マット1の折り曲げが困難になり、また、折り数が増やせなくなるので何れも好ましくない。
【0014】
上記波状に折り畳まれた断熱マット1は、圧縮状態で筒状のフィルム2によって被覆され、本発明の断熱材10が得られる。このフィルム2は、例えば、厚み0.02〜0.2mm程度のシートまたはフィルム(本発明では以下「シートまたはフィルム」を「フィルム」と総称する)であり、具体的には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム、クラフト紙と上記フィルムをラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウム箔をラミネートしたもの、上記フィルムにアルミニウムを蒸着したものなどが好ましく用いられる。
【0015】
上記フィルム2としては、透湿フィルムまたは防湿フィルムの何れであってもよい。透湿フィルムまたは防湿フィルムの使い分けについては、後述の間仕切り壁の断熱施工方法の説明において詳しく説明する。透湿フィルムを使用する場合には該透湿フィルムが透湿抵抗1.5m2・h・mmHg/g以下であることが好ましく、また、防湿フィルムを使用する場合には、その透湿抵抗が30m2・h・mmHg/g以上であることが好ましい。前記の各種フィルムは防湿フィルムであるが、これらのフィルムに適当な小孔を多数設けることによって透湿抵抗を1.5m2・h・mmHg/g以下にすることができる。透湿抵抗を変化させる方法は他にもあるが、孔空けフィルムを用いることで、透湿・防湿フィルムの肉眼による判別が容易になるので上記小孔を設ける方法が好ましい。
【0016】
また、別の実施形態として上記断熱材10において前記目印3を上にしたときの断熱材10の高さ方向における上半分のフィルムを透湿性または防湿性とし、下半分を防湿性または透湿性とすることができる。このような断熱材10については後の間仕切り壁の断熱施工方法において詳しく説明するが、高さのいずれかの半分を透湿性にする方法は、透湿フィルムと防湿フィルムの2種を使用してもよいが、折り畳まれた断熱マット1の全体を防湿フィルム(通常の樹脂フィルム)で被覆した後または被覆する前に、上下何れかの半分に孔空けを行って透湿フィルムとすることが作業工程上有利である。
【0017】
前記折り畳まれた断熱マット1を上記フィルム2で被覆する方法は、何れの方法でもよい。例えば、折り畳まれた断熱マット1を圧縮状態で筒状のフィルム2に挿入する方法や、上記折り畳まれた断熱マット1をフィルム2上に配置し、フィルム2を緊張させた状態で簡便な圧縮装置により断熱マット1を圧縮し、その状態でフィルム2の端部同士を溶着する方法などが挙げられる。また、前記目印3はフィルム2による断熱マット1の被覆前または被覆後にフィルム2に設けることができる。
【0018】
なお、ここでいう筒状とは、目印3を切断すると前記フィルムが実質的に長方形などの四辺形になるものであり、フィルムが配置された断熱材の図1に示すフィルム断面図の形状が、円形もしくは楕円形または実質的に長方形になっていることが好ましく、間仕切り壁内に断熱材を挿入する施工性の観点から、円形または楕円形であることが好ましい。
【0019】
以上の如くして得られる本発明の断熱材10の寸法は特に限定されないが、間仕切り壁の構造を考慮すると、図1に示すように、断熱材10の幅(L)が365〜460mmであり、前記フィルム2の幅が、前記断熱マット1の幅とほぼ同一または前記断熱マット1の幅(L)よりも幾分長いことが好ましい。また、図1に示すように断熱材10における折り目方向の最長部を高さ(T)とし、折り目方向とほぼ垂直の方向の最長部を厚み(D)としたときの、前記高さ(T)が100〜300mmであり、前記厚み(D)が90〜130mmであることが好ましい。厚みは、間仕切り壁を構成する柱の幅が100mm程度であるので、その前後に設定する。
【0020】
上記断熱材はフィルムで圧縮されているため、厚み(D)は100mm以下であっても容易に施工はできるが、厚みの最長部が100mm以上であると挿入した際にひっかかりができるため、位置決めが容易であるうえに目印を切断する際に断熱材が野縁やボード受けなどに保持されているので前記切断が容易に行える。そのため厚み(D)は100〜120mmが最も好ましい。上記値が130mmを超えると、断熱材を挿入するのに充分な押圧が必要となり作業効率が劣る(つまり、圧縮の意味がなくなる)。一方、90mm未満であると施工後の断熱材が壁内に保持されにくくなるため好ましくない。例えば、間仕切り壁内に石膏ボードなどが間仕切り壁の柱の内側に配置された場合、間仕切り壁内の有効スペースが50mm程度と小さくなるが、この場合でも、本発明の断熱材10は繊維系断熱材のため、さらに押し込んで当該厚みまで圧縮し得るからである。
【0021】
次に上記本発明の断熱材10を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を図4および図5を用いて説明する。図5は断熱材10が使用されていない間仕切り壁の構造を示す。図5には、間仕切り壁を構成する柱および間柱は図示されていないが、部屋を仕切る2枚の間仕切り壁板5の間は空間になっており、床下および天井裏に断熱材が配置されて床および天井が断熱施工されていても、該空間に床下の冷気や水蒸気、および室内の水蒸気などが侵入し、これらが上記空間を上昇し室内暖気を吸収しつつ、小屋裏あるいは2階天井懐部に流れ、そのために間仕切り壁が1種の冷却装置となり、室内の暖房効果が著しく低減するとともに、間仕切り壁板5の冷輻射によって居住者に冷気を感じさせることになる。さらに水蒸気の侵入により小屋裏あるいは2階天井懐部に結露を生じたり、黴の発生の原因となる。
【0022】
図4は、前記本発明の断熱材10を用いる間仕切り壁の断熱施工方法を説明する図である。なお、図4に示すように、2枚の間仕切り壁板5によって形成されている下方の空間に、本発明の断熱材10を不図示のボード受けの間に基礎6の上に配置された床根太7に達するように押し込み、押込完了に続いて断熱材10の上方のフィルム2を切断する。フィルム2の切断により断熱マット1が元の状態に復元するように膨張するので、上記空間は常に完全に塞がれることになる。なお、ここで使用する断熱材10は、断熱マット1の全面を被覆しているフィルム2が防湿性フィルムである断熱材10であるが、前述のように該断熱材10の高さの下方略半分が防湿フィルムで被覆され、残りの半分が透湿フィルムである断熱材10を用いてもよい。このように防湿フィルムが断熱材10の少なくとも下方の表面を被覆しているので、床下の冷気や水蒸気が間仕切り壁の空間に侵入することがなくなる。
【0023】
さらに間仕切り壁の上方の空間にも、前記と同様に本発明の断熱材10を2個の野縁の間に上方から押し込み、適当な位置において、断熱材10の上面のフィルム2を切断する。フィルム2の切断により断熱マット1が元の状態に復元するように膨張するので、上記空間は常に完全に塞がれることになる。なお、ここで使用する断熱材10は、断熱マット1の全面を被覆しているフィルム2が透湿フィルムである断熱材10であるが、前述のように該断熱材10の高さの下方略半分が透湿フィルムで被覆され、残りの半分が防湿フィルムである断熱材10を用いてもよい。このように透湿フィルムが断熱材10の少なくとも下方の表面を被覆しているフィルムが透湿性であり、断熱材10の上方のフィルムは切断されているので、間仕切り壁に室内から侵入する暖気が小屋裏や2階天井懐部に逃げることはない。そして間仕切り壁の空間に室内から侵入した水蒸気(間仕切り壁板が木材であるので水蒸気の侵入が生じる)は、前記断熱材10の透湿フィルムおよび断熱マット中を通過して小屋裏あるいは2回天井懐部に放散するので、室内が冷却されたとしても間仕切り壁の空間内で結露したり、黴が発生することがない。なお、小屋裏あるいは2階天井懐部に放散される水蒸気は、図5に示す場合と異なり、少量であるので小屋裏あるいは2階天井懐部に結露や黴を発生させる量ではない。
【0024】
以上のように本発明によれば、透湿または防湿フィルムを用いて、接着剤などを使用せず、従って安価である断熱材が提供されるとともに、該断熱材を使用することによって、断熱効果に優れた間仕切り壁の断熱施工を容易に行うことができる。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
密度10kg/m3、厚み50mm、長さ430mmおよび幅560mmの無機繊維断熱マットを折り数三つ(四つ折り)に折り畳んだ。これをプラスチック製フィルムからなるチューブ(厚さ30μm、透湿抵抗70m2・h・mmHg/g、折り径200mmおよび幅470mm)内に挿入して本発明の断熱材とした。該断熱材のフィルムに、図3に示すように目印3としてマーキングを入れた。また、上記断熱材は、図1に示すTが140mm、Dが120mm、そしてLが430mmである。
【0026】
上記断熱材を間仕切り壁(ボード(野縁)内寸105mm)の下方の空間に、前記フィルムの目印3が上に配置されるように挿入した。目印3をカッターにて切断して断熱マットを膨張させて完全に間仕切り壁の下方の空間内に断熱材が保持されるようにした。また、前記フィルムとして、フィルム全体に多数の孔を設けたフィルム(厚み30μm、透湿抵抗1.0m2・h・mmHg/g)を用いた以外は、上記の断熱材と同様にして本発明の断熱材を作製した。この断熱材を間仕切り壁の上方の空間に、前記下方に配置された断熱材と同様に、前記フィルムの目印3が上に配置されるように挿入し、目印3をカッターにて切断して完全に間仕切り壁の下方の空間内に断熱材が保持されるようにして、間仕切り壁を断熱施工した。
【0027】
比較例1
密度10kg/m3、厚み75mm、長さ430mmおよび幅395mmの無機繊維断熱マットを、フィルム(厚み30μm、透湿抵抗70m2・h・mmHg/g)で、マット全面(6面)を覆って比較例の断熱材とした。該断熱材を二つ折りにして間仕切り壁の下方の空間に装入固定した。また、前記フィルムとして全体に多数の孔を設けたフィルム(厚み30μm、透湿抵抗1.0m2・h・mmHg/g)を用い、上記と同様にして比較例の断熱材を作製した。該断熱材を二つ折りにして間仕切り壁の上方の空間に配置させて、比較例の断熱施工を行った。
【0028】
実施例1および比較例1の結果、実施例と比較例ともに、高い断熱性能を有する間仕切壁が施工できた。これは間仕切り壁の施工が正確にできるようになり、間仕切り壁の上方および下方の隙間ががなくなったためと考えられる。一方、施工(作業性)においては、比較例1は75mmの断熱材を施工時に二つ折りにして使用するため、折った状態を保持するのが容易でなく、また、押し込むのに手間を要するものであった。それに比べ実施例1の断熱材は断面形状が楕円形状になっているため、間仕切り壁の空間内への挿入が容易で、しかも断熱材の厚みの最長部Dで、野縁やボード受けに引っかかり略水平をたもった状態で、さらに若干押し込むだけで断熱材が保持され、次いで目印3を切断するだけで簡単に断熱施工が行えるものであり、しかも完全に野縁に保持されるものであった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、断熱材の製造に際して使用するフィルムが従来方法に比較して少量であり、また、断熱マットとフィルムとの接合に接着剤などを使用する必要がなく、折りたたまれた断熱マットを単にフィルムで被覆するのみで得られるので、非常にコストメリットがある。また、本発明の断熱施行方法では、断熱材を二つ折りしたりする必要がなく、断熱材を所定の場所に挿入し、フィルムを切断するのみで断熱構造を得ることができるので施工方法も簡便化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1例の断熱材を説明する図。
【図2】本発明の他の例の断熱材を説明する図。
【図3】本発明のさらに他の例の断熱材を説明する図。
【図4】本発明の断熱施工方法を説明する図。
【図5】間仕切り壁の構造を説明する図。
【符号の説明】
1:断熱マット
2:フィルム
3:目印
4:谷折り部
5:間仕切壁板
6:基礎
7:床根太
10:断熱材
Claims (10)
- 無機繊維断熱マットが波状に折り曲げられ、かつ圧縮された状態で、外周に筒状のフィルムが配置されていることを特徴とする間仕切り壁用断熱材。
- 前記断熱マットの折り数が3以上の奇数である請求項1に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 前記断熱マットの密度が6〜24kg/m3であり、該マットの厚みが50〜150mmである請求項1または2に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 折り曲げられた断熱マットの厚みを略等分する谷折り部に沿って、フィルム上にフィルムを切断する目印が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 前記フィルムが、透湿フィルムまたは防湿フィルムであって、前記透湿フィルムが透湿抵抗1.5m2・h・mmHg/g以下であり、前記防湿フィルムの透湿抵抗が30m2・h・mmHg/g以上である請求項1〜4いずれか1項に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 前記目印を上にしたときの断熱材の高さ(T)方向における上半分のフィルムを透湿性または防湿性とし、下半分を防湿性または透湿性とする請求項1〜4いずれか1項に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 折り曲げられた断熱マットの幅(L)が365〜460mmであり、前記フィルムの幅が、前記断熱マットの幅とほぼ同一または前記断熱マットの幅よりも長い請求項1〜6いずれか1項に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 折り曲げられた断熱マットにおける折り目方向の最長部を高さ(T)とし、折り目方向とほぼ垂直の方向の最長部を厚み(D)としたときの、前記高さ(T)が100〜300mmであり、前記厚み(D)が100〜120mmである請求項1〜7いずれか1項に記載の間仕切り壁用断熱材。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の断熱材を、間仕切り壁の上部または下部の空間に挿入した後、前記フィルムの幅(L)方向に沿ってフィルムを切断して、前記圧縮を開放することを特徴とする間仕切り壁の断熱施工方法。
- フィルムの切断をフィルムに設けられた目印に沿って行う請求項9に記載の間仕切り壁の断熱施工方法。
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JP2002286706A JP2004124411A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 間仕切り壁用断熱材および間仕切り壁の断熱施工方法 |
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JP2007303209A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Mag:Kk | 断熱材パック |
JP2011132752A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Tomonori Akiyama | 在来工法壁内結露防止用グラスウール内包断熱材 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286706A patent/JP2004124411A/ja active Pending
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