JP2004123877A - 一酸化炭素除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料改質システムがホットストップ状態となるときに、一酸化炭素選択酸化触媒層へ高温ガスが流入して触媒が劣化することを防止する。
【解決手段】一酸化炭素選択酸化触媒層7の上流部にガス通路を任意に開通/遮断可能な第1遮断手段1a、第1遮断手段1aのさらに上流に、改質ガス中の水分を吸収/放出可能な吸水/蒸発手段3、一酸化炭素選択酸化触媒層7の下流部に改質ガス通路を任意に開通/遮断可能な第2遮断手段1bをそれぞれ備える。
燃料改質システムの停止時に、遮断手段1a、1bにより一酸化炭素除去装置57と外部とを接続するガス通路を閉じて、高温ガスが流入することを防止する。
コールドストップ状態からの起動時には、吸水/蒸発手段3により改質ガス中の霧状または水滴を吸収して、一酸化炭素選択酸化触媒層7が結露することを防止し、早期に一酸化炭素除去装置の触媒作用を開始させる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素除去装置に係り、特に、水素リッチな改質ガスから一酸化炭素を選択的に酸化して除去する一酸化炭素除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池車などの燃料電池発電システムを用いた移動体において、メタノールやガソリン等の炭化水素系原燃料から、水素リッチな改質ガスを生成するため、燃料改質システムを設けている。この燃料改質システムは、オートサーマル(ATR)反応器やシフト反応器からなる改質器、一酸化炭素除去装置、及び排水素燃焼器により構成される。
【0003】
改質器では、原燃料ガスと水蒸気から水素と二酸化炭素を生成するが、一酸化炭素が発生することがある。この一酸化炭素は、固体高分子型燃料電池の電極触媒に有害であり、改質ガス中の一酸化炭素濃度を十分低下させないと、電極触媒が劣化して著しく発電能力が低下してしまう。そのため、改質器の下流に一酸化炭素除去装置を設けて、一酸化炭素濃度を10[ppm]程度以下に下げる必要がある。
【0004】
一酸化炭素除去装置は、通常、一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素選択酸化触媒により、改質ガス中の水素を酸化させることなく、一酸化炭素を燃料電池に無害な二酸化炭素に変換することで除去を行っている。
【0005】
この一酸化炭素選択酸化触媒には、耐熱温度の上限があり、触媒温度が上限温度を超えると触媒が熱劣化により死活し、永久に触媒機能を失う。また、一酸化炭素選択酸化触媒の表面に、液体状になった水が付着して表面が覆われると、一酸化炭素ガスと酸化剤ガスが触媒表面に到達できず、一酸化炭素が酸化されないため、その除去ができなくなる。
【0006】
従来の一酸化炭素除去装置(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)は、一酸化炭素除去装置の上流側および下流側へなんら通路を遮蔽する手段をもたない。一酸化炭素除去装置の上流側にミスト状又は水滴状の液体の水を吸水する手段をもたない。一酸化炭素除去装置の上流側に水を蒸発させる手段をもたない。
【0007】
また、燃料改質システム停止時に、改質器及び一酸化炭素除去装置内の残留改質ガスを、燃焼器からの燃焼排ガスに置換するものがあった(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
さらに、改質反応器とシフト反応器との間に熱交換器を設け、この熱交換器内に水を噴霧することで、気化熱によりガス温度を下げるとともに水蒸気を添加した改質ガスをシフト反応器に供給するものがあった(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−002401号公報(第4ページ、図1)
【0010】
【特許文献2】
特開2000−203801号公報(第4ページ、図1)
【0011】
【特許文献3】
特開2000−323162号公報(第3ページ、図2)
【0012】
【特許文献4】
特開平08−078037号公報(第3ページ、図1)
【0013】
【特許文献5】
特開2002−060205号公報(第8ページ、図2)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、燃料改質システムの運転が停止し、改質ガスの生成および輸送をストップしていながら、一酸化炭素除去装置外側の空間にあるガス温度が、一酸化炭素選択酸化触媒にとって有害な温度以上である状態を、ホットストップ状態と定義する。
【0015】
また、燃料改質システムの運転が停止し、改質ガスの生成および輸送をストップしていながら、一酸化炭素除去装置外側の空間にあるガス温度が、一酸化炭素選択酸化触媒にとって有害な温度よりも低い状態で、かつ、一酸化炭素除去装置上流の熱交換器冷媒温度が改質ガス中の水蒸気が凝結する飽和水蒸気温度(露点温度)以下である状態を、コールドストップと定義する。
【0016】
上記従来の技術によれば、以下の(1)〜(6)の問題点があった。
【0017】
(1)従来の一酸化炭素除去装置、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などでは、ホットストップ状態である時に、一酸化炭素除去装置上流側にあるシフト反応器内部およびこれと一酸化炭素除去装置へつながる改質ガス通路中に留まっていた、約400[℃]以上の高温なガスが、自然対流により一酸化炭素除去装置の一酸化炭素選択酸化触媒層に進入してしまうため、一酸化炭素選択酸化触媒の寿命を短くする。
【0018】
(2)上記一酸化炭素除去装置では、ホットストップ状態である時に、一酸化炭素除去装置下流側にある排水素燃焼器とガス通路が接続され、排水素燃焼器内部およびこれと一酸化炭素除去装置へつながる改質ガス通路中に留まっていた、約700[℃]以上の高温なガスが自然対流により一酸化炭素除去装置の一酸化炭素選択酸化触媒層に流入してしまうため、一酸化炭素選択酸化触媒を劣化させ、その寿命を短くしていた。
【0019】
(3)上記一酸化炭素除去装置では、ホットストップ状態である時に、燃料改質システムの改質ガス通路を通じて、各反応器および各反応器をつなぐ通路に留まっていたガスが、自然対流により移動するため温度が均一化し、各反応器で運転に適切な温度を保温できない。この状態から次に起動する際、ガスおよびガス通路の容器は熱容量をもっているため、速やかな温度変化が起こらず、定常運転状態に入るまでに時間がかかる。
【0020】
(4)上記一酸化炭素除去装置では、コールドストップ状態から、燃料改質システムの起動時に、一酸化炭素除去装置上流にある改質ガス冷却用の熱交換器において過冷却されたガス中の水蒸気がミスト状に凝縮する。このミストは一酸化炭素除去装置へ流入して、一酸化炭素選択酸化触媒層の表面上を覆い、一酸化炭素の酸化を妨げるため、計画どおりの一酸化炭素除去率が得られず、燃料電池スタックの出力性能を低下させていた。
【0021】
(5)特許文献4記載の技術では、停止時に、保温効果を高める手段として、反応器内の未使用残留ガスを、使用済みの排気ガスに置換する手段をとっているが、ガスの置換のための複雑な配管や、ガスの移動のための駆動エネルギーが必要であり、装置構成が巨大化してしまっていた。また、全ての反応器内の残留ガスを一括して置換してしまうため、それぞれの反応器に適切な運転温度を保温することはできず、次に起動するとき、瞬間的に定常運転状態に入ることができなかった。
【0022】
(6)特許文献5記載の技術では、シフト反応器触媒層の上流側へ液体の水を噴霧し、気化させるもの手段を用いているが、この手段では改質ガス通路空間に対し、均一に噴霧することが難しく、改質ガスの温度分布にむらが生じ、部分的に触媒に有害な温度である改質ガスが触媒部へ流入して触媒を劣化させる。
【0023】
【課題を解決するための手段】
以上の問題点に鑑み本発明は、水素と酸化剤と一酸化炭素とを含む改質ガスから一酸化炭素を選択に酸化する一酸化炭素選択酸化触媒層を備えた一酸化炭素除去装置において、前記一酸化炭素選択酸化触媒層の上流部にガス通路を任意に開通/遮断可能な第1遮断手段を備え、前記改質ガスを生成する改質装置が停止するときに、第1遮断手段によりガス通路を遮断することを要旨とする。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、一酸化炭素除去装置へ改質ガスを供給する燃料改質器が停止した直後に、高温の改質ガスが一酸化炭素選択酸化触媒層に進入することを防止できるので、一酸化炭素選択酸化触媒が熱劣化することを防止し、一酸化炭素除去装置の耐久性を向上させることができるという効果がある。
【0025】
また、一酸化炭素除去装置内および、他の上流側のシフト反応器内と下流側の排水素燃焼器内の保温効果を高めることができ、停止状態から次に改質システムを起動するとき、速やかに定常状態へ移行することができるという効果がある。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る一酸化炭素除去装置が適用される燃料電池システムの例として、燃料電池車両を説明する概略構成図である。
【0027】
図1において、燃料電池車両101は、原燃料及び水から燃料電池用の水素リッチな改質ガスを生成する燃料改質システム103と、三方弁105と、燃料電池本体である燃料電池スタック107と、パージ弁109と、排水素燃焼器111と、燃料電池スタック107に空気を供給するコンプレッサ113と、燃料電池スタック107の排空気から水を回収する水回収器115と、空気極の圧力を調整する空気圧調整弁117と、メタノールやガソリン等の炭化水素系の原燃料を貯留する原燃料タンク119と、原燃料を燃料改質システム103へ供給する原燃料ポンプ121と、水を貯留する水タンク123と、水を燃料改質システム103へ供給する水ポンプ125と、アクセルペダル127と、アクセルセンサ129と、ブレーキペダル131と、ブレーキセンサ133と、車両制御装置135と、燃料電池スタック107の出力電圧を検出する電圧センサ137と、燃料電池スタック107の出力電流を検出する電流センサ139と、燃料電池スタック107が出力する直流電力を交流に変換するDC/ACインバータ141と、DC/ACインバータ141からの交流電力に駆動される走行用モータ143と、走行用モータ143の駆動力を左右の駆動輪に分配する差動装置145と、駆動軸147と、車速センサ149と、駆動輪151とを備えている。
【0028】
燃料改質システム103は、原燃料ポンプ121及び水ポンプ125から供給された原燃料及び水を蒸発させる蒸発器59と、蒸発器59から供給された原燃料蒸気及び水蒸気のオートサーマル反応を行うオートサーマル反応器(以下、ATR反応器とも略す)51と、ATR反応器51から供給される改質ガスのシフト反応を行うシフト反応器53と、シフト反応器53で生成された改質ガスの温度を低下させる熱交換器55と、熱交換器55で温度が低下した改質ガス中の一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去装置(以下、CO除去装置とも略す)57とを備えている。
【0029】
三方弁105は、燃料改質システム103の一酸化炭素除去装置57を燃料電池スタック107の燃料極に接続するか排水素燃焼器111に接続するかを切り替える弁である。
【0030】
燃料電池スタック107は、固体高分子型燃料電池スタックであり、例えば、パーフルオロカーボンスルフォン酸等のプロトンイオン伝導性固体高分子膜を挟んで形成されたアノード及びカソードに、水素を含有する燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとをそれぞれ供給し、水素及び酸素の電気化学反応により直流電力を取出すものである。
【0031】
車両制御装置135には、入力装置として、アクセルペダル127の踏込量を検知するアクセルセンサ129、ブレーキペダル131の踏込量を検知するブレーキセンサ133、燃料電池スタック107の出力電圧を検出する電圧センサ137、同出力電流を検出する電流センサ139、車両の速度を検出する車速センサ149がそれぞれ接続され、これら入力装置から各検出値を読み込むことができるようになっている。
【0032】
また、車両制御装置135には、出力装置として、コンプレッサ113,原燃料ポンプ121、水ポンプ125、DC/ACインバータ141が接続され、車両制御装置135が入力装置から読み込んだデータに基づいて、これら出力装置を制御することにより、発電量の制御及び車両駆動力の制御が行えるようになっている。
【0033】
さらに、車両制御装置135には、燃料改質システム103が接続され、車両制御装置135が燃料改質システム103の状態情報を読み込むことができるとともに、車両制御装置135が燃料改質システム103の各種状態を制御できるようになっている。
【0034】
車両制御装置135は、特に限定されないが、本実施形態では、CPUと、ROMと、RAMと、入出力インタフェースを備えたマイクロプロセッサで実現され、ROMには制御論理を記述したプログラムが格納されている。
【0035】
ここで、従来の燃料改質システムの運転を停止し、一酸化炭素除去装置の選択酸化触媒の制限温度を超えてしまう状況を考える。燃料電池の制御装置から燃料改質システムに停止指令が出され、燃料改質システムは水素の供給をストップし、改質ガスの生成および輸送をストップしていながら、一酸化炭素除去装置外側の空間にあるガス温度が、一酸化炭素選択酸化触媒にとって有害な温度以上である状態を、ホットストップ状態と定義する。
【0036】
燃料改質システムの通常運転状態では、燃料改質システムを構成する各反応器では、それぞれの反応に最適な運転温度となっている。たとえば、シフト反応器ではおよそ300〜400[℃]、一酸化炭素除去装置ではおよそ120〜180[℃]、排水素燃焼器ではおよそ700〜900[℃]、などである。
【0037】
このとき、一酸化炭素除去装置内では、触媒を用いて一酸化炭素を除去する反応が行われるが、この反応は一酸化炭素の選択酸化反応の化学式(1)であり、これは発熱反応である。
【0038】
【化1】
CO +(1/2)O → CO   …(1)
また、式(1)の反応を起こすには、触媒温度がある一定の範囲内の触媒活性温度である必要があり、所定の温度を超えて高温になると触媒が熱劣化により死活してしまうことがある。所定の温度とは触媒によって異なるが、多くは約250[℃]である。
【0039】
所定の温度を超えて高温になる場合とは、主に、燃料改質システムを停止した直後において、各反応器の運転は停止しているが、停止直前まで運転していた温度のガスが各反応器内に留まっている。ガスとガス通路の容器は比熱をもっており、運転を停止しても直ちにガスの温度は変化しない。すなわちホットストップ状態となる。
【0040】
このため、例えば図13の構成を持つ従来の燃料改質システムにおいて、燃料改質システムを停止した直後では、シフト反応器53と一酸化炭素除去装置57との間にある熱交換器55では熱交換が行われず、シフト反応器53内に留まっていた300〜400[℃]のガスが、自然対流により一酸化炭素除去装置57に侵入してくることがあり、触媒が熱劣化してしまう。
【0041】
さらに、燃料改質システムを停止した直後において、一酸化炭素除去装置の下流に、排水素燃焼器のガス流路が燃料電池スタックをバイパスして接続され、排水素燃焼器内にとどまっていた700〜900[℃]のガスが、自然対流により一酸化炭素除去装置の触媒層に侵入してくることがあり、同様に触媒が熱劣化してしまう。
【0042】
このような燃料改質システムを停止した直後に、一酸化炭素選択酸化装置に高温ガスが流入して一酸化炭素選択酸化触媒を劣化させることがないように、本発明では、図2や図3に示すような構成をもつ一酸化炭素除去装置としている。
【0043】
図2は、本発明に係る一酸化炭素除去装置の第1実施形態の構成を説明する模式縦断面図である。同図において、一酸化炭素除去装置57は、水素と酸化剤と一酸化炭素とを含む改質ガスから一酸化炭素を選択に酸化する一酸化炭素選択酸化触媒層7と、この一酸化炭素選択酸化触媒層7の上流部のガス通路を任意に開通/遮断可能な第1遮断手段1aと、第1遮断手段1aのさらに上流に改質ガス中の水分を吸収/放出可能な吸水/蒸発手段3と、吸水/蒸発手段3に水を供給する水供給手段としての貯水タンク5と、一酸化炭素選択酸化触媒層7の下流部のガス通路を任意に開通/遮断可能な第2遮断手段1bと、一酸化炭素除去装置の入口のガス温度を検出する温度検出手段9aと、一酸化炭素除去装置の出口のガス温度を検出する温度検出手段9bと、を備えている。
【0044】
尚、図2において、一酸化炭素除去装置の定常運転時の改質ガスの流れの方向を矢印41で示す。
【0045】
本実施形態においては、燃料改質システムの運転停止時に、遮断手段1a、1bにより一酸化炭素選択触媒層7の上流部及び下流部を遮断し、一酸化炭素選択酸化触媒層7に有害な高温ガスの侵入を防いでいる。同時に、運転停止時の自然対流によるガスの移動を排除することで一酸化炭素除去装置および、その上流、下流の各反応器の運転温度を保温する効果を高めることが出来る。
【0046】
図4(a)は、第1実施形態における遮断手段1の全閉状態、図4(b)は、同遮断手段1の全開状態を示す側面図である。遮断手段1は、それぞれ回動可能な中心棒13に固着された3枚の遮断板15を備え、各遮断板15が図中直立の位置にあるときに、外部から一酸化炭素除去装置へのガスの出入りを遮断し、各遮断板15が図中水平の位置にあるときにガスの出入りを開通する。尚、遮断板の分割数は、図4に示した3に限定されず、1枚の遮断板を用いてもよいし、任意の枚数に分割してもよい。
【0047】
図4(c)は、第1実施形態における遮断手段の開閉機構の例を示す側面図である。同図において、遮断手段の開閉機構は、正逆回転可能なモータ17と、モータ17の回転軸部材に固着されたウォームギア19と、ウォームギア19により直接回転駆動されるか、アイドルギア23を介して回転駆動されるピニオン21と、ピニオン21の回転を隣接する他のピニオン21に伝達するアイドルギア23と、を備えている。そして、遮断板15の中心棒13はピニオン21に同軸に固定されている。モータ17が正転すると、ウォームギア19を介してピニオン21が正転駆動され、遮断板15は直立した全閉の位置まで回動する。これとは逆に、モータ17が逆転すると、ウォームギア19を介してピニオン21が逆転駆動され、遮断板15は、水平の全開の位置まで回動する。
【0048】
なお、図5に示すように、中心棒13に固定された支持板25の表裏に、セラミック等の断熱材27を設けて遮断板15とすることにより、遮断時の断熱性を更に高めることができる。
【0049】
図6は、吸水/蒸発手段3を構成する吸水板29の構造例を説明する図である。吸水/蒸発手段3は、遮蔽手段1と同様に、例えば、3枚の連動して開閉可能な吸水板29を備えている。それぞれの吸水板29は、図6(a)に示すような回転中心となる円筒の側面に多数の孔31aを開けた中心棒31と、図6(b)に示すような、中心棒31の外部に形成された多孔質体33aによる翼形状と、中心棒31の内部を充填する多孔質体33bとから構成されている。中心棒31の外部の多孔質体33aと内部の多孔質体33bとは、例えば親水性セラミックなどの同一材料で一体成形したもので、孔31aを介して接続されている。
【0050】
図7(a)は、吸水/蒸発手段の半開状態、図7(b)は、吸水/蒸発手段の全開状態を示す断面図である。吸水/蒸発手段は、遮断手段と同様な開閉機構を備え、車両制御装置135から半開状態と全開状態とを切替可能となっている。半開状態においては、吸水/蒸発手段を構成する吸水板29が改質ガスの流れ方向に対して斜めとなり、一酸化炭素除去装置に流入する改質ガスと吸水板29との接触面積が大きく、吸水/蒸発手段が改質ガスから吸水、または吸水/蒸発手段から改質ガス中へ蒸発を行う状態である。
【0051】
全開状態は、燃料改質システムが定常運転時の吸水/蒸発手段の状態であり、吸水/蒸発手段を構成する吸水板29が改質ガスの流れ方向に対して平行となり、改質ガスの流れに対して抵抗が少なくなる状態である。
【0052】
次に、図10を参照して、第1実施形態の一酸化炭素除去装置を適用した燃料電池車両101における燃料改質システム103の停止時の制御を説明する。燃料電池車両101が低負荷または無負荷となり、これに燃料ガスを供給する燃料改質システム103の運転を一時停止し、燃料改質システムがホットストップ状態となる状況を考える。これには、燃料電池車両101がアイドルストップする場合、燃料電池車両101が下り坂を通行する場合、或いは運転者が燃料電池車両101を減速するために制動をかけた場合が含まれる。
【0053】
図10において、まずステップS100において、走行用モータ143の出力D0を読み込み、ステップS102で、出力D0が0か否かを判定する。出力D0が0でなければ、通常の走行状態であるので、何もせずにステップS100へ戻る。
【0054】
ステップS102の判定がYes、即ち出力D0=0であれば、燃料電池車両を駆動する走行用モータ出力が0と判定し、次に車両が停止しているか下り坂を走行中かを判定するため、ステップS104で時刻t0での車両の速度V0を車速センサ149から読み込み、ステップS105で、V0=0か否かを判定する。V0=0であれば、停車中のアイドリングストップであると判定し、燃料改質システムを停止するために、ステップS114へ移る。
【0055】
ステップS105の判定でV0=0でなければ、ステップS106で時刻t1での車両の速度V1を車速センサ149から読み込む。そして、ステップS108で、V0<V1か否かを判定し、Yesであれば、走行用モータ出力が0であるにも関わらず車両が加速しているので、降坂中と判断して、ステップS114へ移る。
【0056】
ステップS108の判定で、V0<V1でなければ、ステップS110で、ブレーキセンサ133の出力B1を読み込み、ステップS112で、B1=1、即ちブレーキが作動中か否かを判定する。B1=1でなければ、何もせずにステップS100へ戻る。ステップS112の判定で、B1=1、即ちブレーキが作動中であれば、ステップS114へ進む。
【0057】
ステップS114では、原燃料ポンプ121及び水ポンプ125からの燃料改質システムへの原燃料、水の供給を停止させ、燃料改質システム103を停止させる。これにより、ステップS116で改質ガスの生成及び輸送が停止する。次いで、ステップS118で、三方弁105を切り替えて、排水素燃焼器111のガス通路を一酸化炭素除去装置57の下流に接続し、ステップS118で一酸化炭素除去装置の遮断手段1a,1bを閉じる。
【0058】
こうして、燃料改質システム103が停止するときに、一酸化炭素除去装置57の一酸化炭素選択酸化触媒層の上流部及び下流部でガス流を遮断することができるので、ホットストップ状態となっても、一酸化炭素除去装置の外部から一酸化炭素選択酸化触媒の上限温度を超えるガスが流れ込むことが無くなり、この触媒層の劣化を防止することができる。
【0059】
一方、一酸化炭素除去装置の触媒層の表面を液体の水が覆う場合を考える。燃料電池車両を制御する車両制御装置135からストップ命令が燃料改質システムに出され、燃料改質システムは水素の供給をストップし、改質ガスの生成および輸送をストップしていながら、一酸化炭素除去装置外側の空間にあるガス温度が、一酸化炭素選択酸化触媒にとって有害な温度よりも低い状態で、かつ、一酸化炭素除去装置上流の熱交換器の冷媒温度が改質ガス中の飽和水蒸気温度以下である状態を、コールドストップと定義する。
【0060】
通常、一酸化炭素除去装置を備えた燃料改質システムは、図13に示すように、シフト反応器53と一酸化炭素除去装置57の間に熱交換器55を備え、定常運転状態のときに改質ガス温度をこの熱交換器55で冷却し、一酸化炭素選択酸化触媒に有害でない温度まで下げ、一酸化炭素除去装置内へ導入している。しかし、改質システムを長期停止していた等の理由により、熱交換器55の冷媒温度が飽和水蒸気温度よりも低い温度となるため、コールドストップ状態となる。
【0061】
このコールドストップ状態から燃料改質システムを起動するとき、熱交換器55の改質ガスの冷却作用により、改質ガスの温度が飽和水蒸気温度より低くなり、改質ガス中に含まれる気体の水が相変化し凝縮して液体のミスト状の水や、水滴になって一酸化炭素除去装置内へ侵入してくる。
【0062】
本発明では、セラミックス等の多孔質体を用いて図6、図8に示すような構成をもつ吸水板による吸水/蒸発手段を設け、改質ガスの流れの中から液体となった水を吸収し、排除する。これにより、一酸化炭素除去装置内にミスト状の水や水滴が入り、一酸化炭素選択酸化触媒層の表面が水濡れし、触媒作用が妨げられることを防止できる。
【0063】
図11は、第1実施形態の一酸化炭素除去装置を適用した燃料改質システムにおける起動時の制御を説明するフローチャートである。この起動時の制御を概説すると、まずシフト反応器53と一酸化炭素除去装置57との間の熱交換器55の冷媒温度に基づいて、コールドストップ状態からの起動か否かを判定し、コールドストップ状態からの起動であれば、吸水/蒸発手段3を作動させて、一酸化炭素除去装置57に流入する改質ガス中の水分を吸収し、一酸化炭素選択酸化触媒層7の表面が結露して触媒作用が妨げられることを防止する。
【0064】
逆に、一酸化炭素選択酸化触媒層7の上流部及び下流部の温度が一酸化炭素選択酸化触媒の上限温度を超えていれば、吸水/蒸発手段3から水を蒸発させ、水の気化熱で一酸化炭素除去装置に流入するガスの温度を下げるように制御する。ここで一酸化炭素選択酸化触媒の上限温度(以下、触媒上限温度と略す)は、一酸化炭素選択酸化触媒が短期間に劣化することなく、改質ガスの雰囲気環境に存在できる上限の温度である。
【0065】
図11において、まずステップS140で、シフト反応器53と一酸化炭素除去装置57との間の熱交換器55の冷媒温度Tcoolを読み込む。次いで、ステップS142で、冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat より低いか否かを判定する。
【0066】
ステップS142の判定がYes、即ち冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat よりも低いとき、コールドストップ状態であると判断する。次いで、ステップS144で吸水板を半開にし、ステップS146で吸水機構を作動し、ステップS148で遮断板を全開とする。この後、ステップS150で燃料改質システムを起動し、ステップS152で改質ガスの生成および輸送を開始する。次いで、ステップS154で熱交換器55の冷媒温度Tcoolを読み込み、ステップS156で冷媒温度Tcoolが改質ガスの飽和水蒸気温度Tsat を超えているか否かを判定し、超えていなければ、ステップS154へ戻る。
【0067】
ステップS156の判定で、冷媒温度Tcoolが改質ガスの飽和水蒸気温度Tsat を超えていれば、ステップS158で吸水板を全開し、ステップS160で吸水板による吸水機構を停止する。
【0068】
ステップS142の判定がNo、即ち冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat 以上のとき、ステップS162へ移り、一酸化炭素選択酸化触媒層7の前後の温度Tco−outを温度センサ9a、9bにより検出する。次いで、ステップS164で、この温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低いか否かを判定する。温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead 以上であるとき、ホットストップ状態であると判断して、ステップS166へ移る。ステップS166では、吸水/蒸発手段の吸水板を半開にし、貯水タンクから吸水板に水を供給して水の蒸発機構を作動させ、ステップS168へ移る。これにより、以後、吸水板から蒸発する水が周囲から気化熱を奪うことにより、一酸化炭素除去装置に導入される改質ガスの温度を下げることができる。
【0069】
ステップS164の判定で、温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低ければ、ホットストップ状態ではないと判断して、ステップS168へ移る。
【0070】
ステップS168では、遮断板を全開にする。その後、ステップS170で燃料改質システム103を起動し、ステップS172で改質ガスの生成および輸送を開始する。次いで、ステップS174で一酸化炭素選択酸化触媒層7の前後の温度Tco−outを温度センサ9a、9bにより検出し、ステップS176で、この温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低いか否かを判定する。ステップS176の判定がNo、即ち温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead 以上であれば、ステップS174へ戻り、温度センサ9a、9bによる温度検出と、ステップS176の温度判定を繰り返しながら、温度Tco−outが低下するのを待つ。
【0071】
ステップS176の判定がYes、即ち温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低くなれば、ステップS178で水の蒸発機構が作動していれば、貯水タンクから吸水板への水の供給を停止することにより、水の蒸発機構を停止させ、起動時の制御を終了する。
【0072】
以上説明した本実施形態によれば、燃料改質システムが停止した場合、一酸化炭素除去装置外側の空間にある高温ガスが一酸化炭素選択酸化触媒層に進入することを防ぐことができ、一酸化炭素選択酸化触媒が熱劣化して死活することを防ぎ、一酸化炭素除去装置の耐久性を向上させることができる。
【0073】
また、一酸化炭素除去装置内および、その上流側のシフト反応器内と下流側の排水素燃焼器内の保温効果を高めることができ、ストップ状態から次に起動するとき、速やかに定常状態へ移行することができる。
【0074】
また、コールドストップ状態からの燃料改質システムの起動時、改質ガスの飽和水蒸気温度よりも熱交換器の冷媒温度が低いときに形成される改質ガス中のミストを取り除き、一酸化炭素選択酸化触媒層が液体の水で覆われることを防ぎ、コールドストップ状態からの起動時でも一酸化炭素除去装置を有効に活用でき、COを十分取り除いた改質ガスが燃料電池スタックへ供給され、燃料電池スタックの電極触媒の被毒を防止し、燃料電池スタックの出力性能を十分発揮させることができる。
【0075】
さらに、ホットストップ状態から燃料改質システムを起動する場合、シフト反応器に留まっていた高温ガスが、吸水/蒸発手段から蒸発する水の気化熱により冷却されて、一酸化炭素選択触媒の上限温度以下となるので、一酸化炭素選択酸化触媒が熱劣化し死活することを防ぎ、一酸化炭素除去装置の耐久性を向上させることができる。
【0076】
〔第2実施形態〕
図3は、本発明に係る一酸化炭素除去装置の第2実施形態の構成を説明する模式縦断面図である。第2実施形態の一酸化炭素除去装置が適用される燃料改質システム及び燃料電池車両は、図1の第1実施形態が適用される燃料改質システム及び燃料電池車両と同じものである。
【0077】
図3において、第2実施形態の一酸化炭素除去装置57は、水素と酸化剤と一酸化炭素とを含む改質ガスから一酸化炭素を選択に酸化する一酸化炭素選択酸化触媒層7と、この一酸化炭素選択酸化触媒層7の上流部のガス通路を任意に開通/遮断するとともに、一酸化炭素除去装置に流入する改質ガス中の水分を吸収/放出可能な吸水板兼遮断板11と、吸水板兼遮断板11に水を供給する水供給手段としての貯水タンク5と、一酸化炭素選択酸化触媒層7の下流部のガス通路を任意に開通/遮断可能な第2遮断手段1bと、一酸化炭素除去装置の入口のガス温度を検出する温度検出手段9aと、一酸化炭素除去装置の出口のガス温度を検出する温度検出手段9bと、を備えている。
【0078】
尚、図3において、一酸化炭素除去装置の定常運転時の改質ガスの流れの方向を矢印41で示す。
【0079】
本実施形態においては、燃料改質システムの運転停止時に、吸水板兼遮断板11と遮断手段1bにより、一酸化炭素選択触媒層7の上流部及び下流部を遮断し、一酸化炭素選択酸化触媒層7に有害な高温ガスの侵入を防いでいる。同時に、運転停止時の自然対流によるガスの移動を排除することで一酸化炭素除去装置および、その上流、下流の各反応器の運転温度を保温する効果を高めることが出来る。
【0080】
図8は、図5に示した遮断板と図6に示した吸水板とを一体化した吸水板兼遮断板35の模式断面図である。中心棒31は、図6(a)に示した中心棒と同様の中心棒である。この中心棒31に、支持板25が固着され、支持板の一方の面に断熱材27が設けられ、他方の面に多孔質体33が設けられて、吸水板兼遮断板35が形成されている。
【0081】
図9は、吸水板兼遮断板35の(a)半開状態、(b)全閉状態、(c)全開状態をそれぞれ示す模式断面図である。図9(a)の半開状態は、吸水板兼遮断板と一酸化炭素除去装置に流入する改質ガスとの相互作用を行う状態である。この状態は、改質ガス中の飽和水蒸気圧を超える過剰な水分を吸収したり、図外の貯水タンクから吸水板兼遮断板に水を供給して吸水板兼遮断板の多孔質部材から蒸発させることにより、一酸化炭素除去装置に流入する改質ガスから気化熱を奪ってガス温度を下げるときの状態である。
【0082】
図9(b)の全閉状態は、一酸化炭素除去装置の外部から一酸化炭素選択酸化触媒の上限温度を超えるガスが流入することを防止するときの吸水板兼遮断板の状態である。図9(c)の全開状態は、燃料改質システムが定常運転状態のときの吸水板兼遮断板の状態である。
【0083】
次に、図10を参照して、第2実施形態の一酸化炭素除去装置を適用した燃料電池車両101における燃料改質システム103の停止時の制御を説明する。図10において、ステップS100からステップS117までは、第1実施形態と同様である。ステップS118において、吸水板兼遮断板11と遮断手段1bを閉じる点が第1実施形態と異なる。
【0084】
図12は、第2実施形態の一酸化炭素除去装置を適用した燃料改質システムにおける起動時の制御を説明するフローチャートである。この起動時の制御を概説すると、まずシフト反応器53と一酸化炭素除去装置57との間の熱交換器55の冷媒温度に基づいて、コールドストップ状態からの起動か否かを判定し、コールドストップ状態からの起動であれば、吸水板兼遮断板11を作動させて、一酸化炭素除去装置57に流入する改質ガス中の水分を吸収し、一酸化炭素選択酸化触媒層7の表面が結露して触媒作用が妨げられることを防止する。
【0085】
逆に、一酸化炭素選択酸化触媒層7の上流部及び下流部の温度が一酸化炭素選択酸化触媒の上限温度を超えていれば、吸水板兼遮断板3から水を蒸発させ、水の気化熱で一酸化炭素除去装置に流入するガスの温度を下げるように制御する。
【0086】
図12において、まずステップS180で、シフト反応器53と一酸化炭素除去装置57との間の熱交換器55の冷媒温度Tcoolを読み込む。次いで、ステップS182で、冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat より低いか否かを判定する。
【0087】
ステップS182の判定がYes、即ち冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat よりも低いとき、コールドストップ状態であると判断する。次いで、ステップS184で吸水板を半開にし、ステップS186で吸水機構を作動し、ステップS188で燃料改質システムを起動し、ステップS190で改質ガスの生成および輸送を開始する。
【0088】
次いで、ステップS192で熱交換器55の冷媒温度Tcoolを読み込み、ステップS194で冷媒温度Tcoolが改質ガスの飽和水蒸気温度Tsat を超えているか否かを判定し、超えていなければ、ステップS192へ戻る。
【0089】
ステップS194の判定で、冷媒温度Tcoolが改質ガスの飽和水蒸気温度Tsat を超えていれば、ステップS196で吸水板兼遮断板を全開し、ステップS198で吸水板兼遮断板による吸水機構を停止する。
【0090】
ステップS182の判定がNo、即ち冷媒温度Tcoolが飽和水蒸気温度Tsat 以上のとき、ステップS200へ移り、一酸化炭素選択酸化触媒層7の前後の温度Tco−outを温度センサ9a、9bにより検出する。次いで、ステップS202で、この温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低いか否かを判定する。温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead 以上であるとき、ホットストップ状態であると判断して、ステップS204へ移る。
【0091】
ステップS204では、吸水板兼遮断板を半開にし、貯水タンクから吸水板兼遮断板の多孔質部材に水を供給して水の蒸発機構を作動させ、ステップS206へ移る。これにより、以後、吸水板兼遮断板から蒸発する水が周囲から気化熱を奪うことにより、一酸化炭素除去装置に導入される改質ガスの温度を下げることができる。
【0092】
ステップS202の判定で、温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低ければ、ホットストップ状態ではないと判断して、ステップS206へ移る。
【0093】
ステップS206では、遮断板を全開にする。その後、ステップS208で燃料改質システム103を起動し、ステップS210で改質ガスの生成および輸送を開始する。次いで、ステップS212で一酸化炭素選択酸化触媒層7の前後の温度Tco−outを温度センサ9a、9bにより検出し、ステップS214で、この温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低いか否かを判定する。
【0094】
ステップS214の判定がNo、即ち温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead 以上であれば、ステップS212へ戻り、温度センサ9a、9bによる温度検出と、ステップS214の温度判定を繰り返しながら、温度Tco−outが低下するのを待つ。
【0095】
ステップS214の判定がYes、即ち温度Tco−outが触媒上限温度Tcatdead より低くなれば、ステップS216で水の蒸発機構が作動していれば、貯水タンクから吸水板兼遮断板への水の供給を停止することにより、水の蒸発機構を停止させ、起動時の制御を終了する。
【0096】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、第1遮断手段と吸水/蒸発手段とを一体化した吸水板兼遮断板を用いたので、第1実施形態の効果に加えて、一酸化炭素除去装置をより小型軽量とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一酸化炭素除去装置が適用される燃料電池車両を説明する概略構成図である。
【図2】本発明に係る一酸化炭素除去装置の第1実施形態を説明する概略断面図である。
【図3】本発明に係る一酸化炭素除去装置の第2実施形態を説明する概略断面図である。
【図4】(a)遮断手段の全閉状態示す図、(b)遮断手段の全開状態示す図、(c)遮断手段の開閉機構の例を示す図である。
【図5】遮断板に断熱材を組み合わせた構成例を示す断面図である。
【図6】改質ガス中の水分を吸収/放出する吸水板の構成例を示す図である。
【図7】(a)吸水板の半開状態示す図、(b)吸水板の全開状態を示す図である
【図8】吸水板兼遮断板の例を示す断面図である。
【図9】(a)吸水板兼遮断板の半開状態を示す図、(b)吸水板兼遮断板の全閉状態を示す図、(c)吸水板兼遮断板の全開状態を示す図である。
【図10】第1、第2実施形態の一酸化炭素除去装置を用いた燃料電池車両における燃料改質システムの運転停止制御を説明するフローチャートである。
【図11】第1実施形態の一酸化炭素除去装置を用いた燃料電池車両における燃料改質システムの起動制御を説明するフローチャートである。
【図12】第2実施形態の一酸化炭素除去装置を用いた燃料電池車両における燃料改質システムの起動制御を説明するフローチャートである。
【図13】従来の燃料改質システムにおける起動直後、定常運転状態、及び停止状態であるときの改質ガスの流れを示す図である。
【符号の説明】
1a:第1遮断手段
1b:第2遮断手段
3:吸水/蒸発手段
5:貯水タンク
7:一酸化炭素選択酸化触媒層
9a:温度検出手段
9b:温度検出手段
11:吸水板兼遮断板
41:定常運転時の改質ガスの流れ
57:一酸化炭素除去装置

Claims (5)

  1. 水素と酸化剤と一酸化炭素とを含む改質ガスから一酸化炭素を選択に酸化する一酸化炭素選択酸化触媒層を備えた一酸化炭素除去装置において、
    前記一酸化炭素選択酸化触媒層の上流部にガス通路を任意に開通/遮断可能な第1遮断手段を備え、
    前記改質ガスを生成する改質装置が停止するときに、第1遮断手段によりガス通路を遮断することを特徴とする一酸化炭素除去装置。
  2. 第1遮断手段のさらに上流に、改質ガスが比較的低温時に改質ガス中の水分を吸収する一方、改質ガスが比較的高温時に改質ガス中に水蒸気を放出可能な吸水/蒸発手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の一酸化炭素除去装置。
  3. 改質ガスが比較的低温時に改質ガス中の水分を吸収する一方、改質ガスが比較的高温時に改質ガス中に水蒸気を放出可能な吸水/蒸発手段を第1遮断手段と一体に設けたことを特徴とする請求項1記載の一酸化炭素除去装置。
  4. 前記吸水/蒸発手段に水を供給する水供給手段をさらに備え、
    一酸化炭素除去装置に導入される改質ガスの温度が、前記一酸化炭素選択酸化触媒層に許容される上限温度以上である状態で、一酸化炭素除去装置に改質ガスの供給を開始するときに、
    前記水供給手段から前記吸水/蒸発手段に水を供給して、前記吸水/蒸発手段が蒸発させる水の気化熱により、改質ガスの温度を低下させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の一酸化炭素除去装置。
  5. 前記一酸化炭素選択酸化触媒層の下流部に改質ガス通路を任意に開通/遮断可能な第2遮断手段をさらに備え、
    前記改質ガスを生成する改質装置が停止するときに、第2遮断手段によりガス通路を遮断することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の一酸化炭素除去装置。
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