JP2004192852A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池11の酸素極近傍に水を吸着および脱離可能な吸着材を配置した。燃料電池システム10の制御装置18は、燃料電池11への燃料供給を停止した作動停止時において、次回の始動時に備え、所定時間に亘ってエアーコンプレッサー12から供給される空気を、カソード加湿器13を迂回させて、燃料電池11のカソード23に供給し、相対的に乾燥した空気によって吸着材に吸着された水の所定量を脱離させる。制御装置18は、少なくとも、エアーコンプレッサー12に取り込まれる空気の温度を検出する吸気温度検出器19aと燃料電池11の温度を検出する機関温度検出器19bと燃料電池11を冷却する冷却媒体の温度を検出する媒体温度検出器19cとのうちの何れかの検出結果に基づき、空気の供給を継続する所定時間を設定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極(アノード)と酸素極(カソード)とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
ところで、このような燃料電池を具備する燃料電池システムでは、外気温度が低い状態、例えば氷点下(−5℃以下等)において燃料電池の発電動作を開始させると、発電により生成される生成水が凝固することによって反応ガスのガス流路や拡散層が閉塞され、発電を継続することが困難になる場合がある。
このような問題に対して、従来、例えば電気ヒータ等により燃料電池を加熱したり、例えば加熱した冷却液を燃料電池に供給したり、例えばカソード触媒上あるいはアノード触媒上で水素と酸素を発熱反応させる方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−189164号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る燃料電池システムのように、燃料電池の発電部周辺の温度を氷点下等の低温状態から、凍結状態が解消される0°C以上の状態になるまで昇温させる場合には、この昇温に要する熱量が燃料電池の熱容量に応じて増大することから、この昇温に要する時間が相対的に長くなる場合がある。
ここで、例えば、燃料電池システムが燃料電池車両等の車両の駆動用電源として搭載されている場合には、車両のイグニッションスイッチがオンとされてから燃料電池が発電可能となるまでに要する時間、つまり車両が始動可能となるのに要する時間が長くなることで利便性が悪化する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、例えば氷点下等の低温状態であっても燃料電池の発電動作を継続させることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を両側から挟み込む燃料極(例えば、本実施形態でのアノード22)と酸素極(例えば、本実施形態でのカソード23)を有し、反応ガスとして、水素を含む燃料が前記燃料極へ供給され、酸素を含む酸化剤が前記酸素極へ供給され、電気化学反応によって発電する燃料電池と、前記燃料電池の内部に配置され、水を吸着および脱離可能な吸着材と、少なくとも、前記燃料電池周辺の温度に係る環境温度と前記燃料電池本体の温度と前記燃料電池を冷却する冷却媒体の温度とのうちの何れかを検出する温度検出手段(例えば、本実施形態での吸気温度検出器19a、機関温度検出器19b、媒体温度検出器19c)と、前記温度検出手段の検出結果に基づき、前記吸着材から水を脱離させるか否かを判定する脱離判定手段(例えば、本実施形態でのステップS13)と、前記脱離判定手段による判定結果に応じて、前記吸着材から水を脱離させる脱離実行手段(例えば、本実施形態でのステップS17)とを備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成の燃料電池システムによれば、脱離判定手段は、温度検出手段による検出結果に基づき、例えば、燃料電池の次回の始動が氷点下にて実行される場合に生成される水の量や、この水の量を吸着可能である吸着材の状態や、この時点での吸着材の状態等に応じて、吸着材から水を脱離させる脱離実行手段の実行が必要か否かを判定する。これにより、氷点下において燃料電池が始動される場合であっても、発電により生成される水を吸着材によって確実に吸着させることができ、例えば生成される水の凍結によって反応ガスのガス流路や拡散層が閉塞されてしまうことを防止して、燃料電池の発電を適切に継続させることができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池の始動時に前記温度検出手段により検出される温度が氷点下の所定温度から氷点まで変化する期間に亘って前記燃料電池の発電により生成される水の量を算出する生成水量算出手段(例えば、本実施形態での数式(2))と、前記生成水量算出手段により算出される前記水の量と、前記脱離判定手段による判定処理の実行時に前記温度検出手段により検出される温度とに基づき、前記脱離実行手段の実行を継続する時間を設定する継続時間設定手段(例えば、本実施形態でのステップS06、ステップS11)とを備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成の燃料電池システムによれば、継続時間設定手段は、例えば、脱離判定手段による判定処理の実行時に温度検出手段により検出される温度に基づき、この時点での吸着材の状態を検出すると共に、生成水量算出手段により算出される水の量を吸着可能である吸着材の状態を設定し、この設定された状態に到達するために要する脱離実行手段の実行を継続する時間を設定する。
これにより、発電により生成される水を吸着材によって確実に吸着させることができ、生成される水の凍結を防止して、燃料電池の発電を適切に継続させることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の本発明の燃料電池システムは、前記所定温度として前記燃料電池の次回の始動時に前記温度検出手段により検出される温度を推定する温度推定手段(例えば、本実施形態でのステップS06が兼ねる)を備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成の燃料電池システムによれば、温度推定手段は、例えば前回の始動時や過去の始動時において温度検出手段により検出された温度のデータや、今回の燃料電池システムの作動時において温度検出手段により検出された温度の時間変化のデータや、今回の始動時における季節や地域等のデータに基づいて、燃料電池の次回の始動時に温度検出手段により検出される温度を推定する。
これにより、氷点下において燃料電池を始動させる際の生成水量算出手段の算出精度を向上させることができ、脱離実行手段を効率よく実行させることができる。
【0011】
さらに、請求項4に記載の本発明の燃料電池システムでは、前記脱離実行手段は、水蒸気分圧が所定分圧以下の気体(例えば、本実施形態での空気)を前記酸素極に供給することを特徴としている。
【0012】
上記構成の燃料電池システムによれば、脱離実行手段は、水蒸気分圧が所定分圧以下であって、吸着材に比べて相対的に乾燥した気体を酸素極に供給することによって、吸着材に吸着された水を容易に脱離させることができる。
【0013】
さらに、請求項5に記載の本発明の燃料電池システムでは、前記吸着材は、少なくとも、前記酸素極と前記固体高分子電解質膜の酸素極近傍と前記酸素の流路とのうちの何れかに配置されてなることを特徴としている。
【0014】
上記構成の燃料電池システムによれば、酸素極を構成する触媒の近傍に吸着材を配置することによって、燃料電池の発電により生成される水を効率よく吸着させることができる。ここで、酸素極を構成する触媒の近傍は、例えば、固体高分子電解質膜の酸素極側や、酸素極を構成するガス拡散層や、酸素極側の反応ガスのガス流路等とされている。
【0015】
さらに、請求項6に記載の本発明の燃料電池システムでは、前記吸着材は、少なくとも、ゼオライトとシリカゲルと活性アルミナと活性炭とのうちの何れかからなることを特徴としている。
【0016】
上記構成の燃料電池システムによれば、吸着材を、少なくともゼオライトとシリカゲルと活性アルミナと活性炭とのうちの何れかから構成することによって、燃料電池の発電により生成した水の吸着および脱離を効率よく行うことができると共に、燃料電池の始動時等において所定温度(例えば、燃料電池の定格運転温度等)まで燃料電池の温度を上昇させる際の温度上昇率を、吸着材による水の吸着によって発生する熱により向上させることができる。
【0017】
さらに、請求項7に記載の本発明の燃料電池システムでは、前記吸着材の量は、少なくとも前記生成水量算出手段により算出される前記水の量を吸着可能な量であることを特徴としている。
【0018】
上記構成の燃料電池システムによれば、少なくとも生成水量算出手段により算出される水の量を吸着可能な量の吸着材を燃料電池の内部に配置することによって、発電により生成される水を吸着材によって確実に吸着させることができると共に、燃料電池の大きさや重量が過剰に増大することを抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池システムの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る燃料電池システム10は、例えば燃料電池車両に駆動用電源として搭載されており、図1に示すように、燃料電池11と、エアーコンプレッサー12と、カソード加湿器13と、加湿器バイパス切替弁14と、燃料供給装置15と、エゼクタ16と、冷却器17と、制御装置18と、吸気温度検出器19aと、機関温度検出器19bと、媒体温度検出器19cとを備えて構成されている。
【0020】
燃料電池11は、例えば図2に示すように、陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜(膜)21を、アノード触媒22aおよびガス拡散層22bからなる燃料極(アノード)22と、カソード触媒23aおよびガス拡散層23bからなる酸素極(カソード)23とで挟持してなる電解質電極構造体24を、更に一対のセパレータ25,26で挟持してなる燃料電池セル27を多数組積層して構成されている。
そして、電解質電極構造体24と対向する各セパレータ25,26の表面上には凹溝が形成されており、各凹溝と電解質電極構造体24とによってアノード流路25aおよびカソード流路26aが形成されている。
【0021】
さらに、燃料電池11は、水を吸着および脱離可能な吸着材28を備えており、例えば固体高分子電解質膜21のカソード側の表面部に複数の粒子状の吸着材28,…,28が分散配置されている。
なお、吸着材28は、例えば、ゼオライトや、シリカゲルや、活性アルミナや、活性炭等のうち、少なくとも何れかを備えて構成されており、例えばゼオライトとされている。
また、吸着材28,…,28の総量は、少なくとも、氷点下における燃料電池11の始動時に、例えば、燃料電池11周辺の温度に係る環境温度(例えば、外気温度等)や、燃料電池11の温度(機関温度)や、燃料電池11の冷却媒体の温度や、吸着材28,…,28の温度等が、氷点下の所定温度から氷点まで変化する期間に亘って燃料電池11の発電により生成される水の量を吸着可能な量とされている。
【0022】
燃料電池11のアノード22には、アノード流路25aに接続された入口側配管31から水素等の燃料ガス(反応ガス)が供給され、アノード22のアノード触媒22a上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜21を介してカソード23へと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路(図示略)に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。カソード23には、例えば酸素を含む酸化剤ガス(反応ガス)である空気がカソード流路26aに接続された入口側配管32から供給され、このカソード23において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、アノード流路25aに接続された出口側配管33およびカソード流路26aに接続された出口側配管34から未反応の反応ガスを含む排出ガスが燃料電池11の外部に排出される。
【0023】
エアーコンプレッサー12は、例えば車両の外部から空気を取り込んで断熱圧縮し、この空気を反応ガスとして、カソード加湿器13を介して燃料電池11のカソード23に供給する。
カソード加湿器13は、燃料電池11のカソード23に供給される空気を加湿することによって燃料電池11の固体分子電解質膜21のイオン導電性を所定の状態に確保する。
エアーコンプレッサー12とカソード加湿器13とカソード23側の入口側配管32とを接続する流路には、カソード加湿器13を迂回する加湿器バイパス流路35が加湿器バイパス切替弁14を介して設けられている。
すなわち、エアーコンプレッサー12にて圧縮昇温された空気は、例えば燃料電池11の運転状態に応じた加湿器バイパス切替弁14での流路の切り替えによって、カソード加湿器13を介して、あるいは、カソード加湿器13を介さずに燃料電池11のカソード23に供給されるようにされている。
【0024】
燃料供給装置15は、例えば高圧の水素タンクと、エアーコンプレッサー12から供給される空気の圧力を信号圧として所定圧力の水素を排出する空気式の比例圧力制御弁等とを備えて構成され、この燃料供給装置15から供給される水素は、エゼクタ16を介して燃料電池11のアノード22側の入口側配管31へと流通させられる。
エゼクタ16は、燃料供給装置15から供給され、内部を流通する高速の水素ガス流の近傍に発生する負圧によって、副流とされる燃料電池11のアノード側の出口側配管33からの排出ガスを吸い込み、この排出ガスを燃料供給装置15から供給される水素と混合して燃料電池11へ再度供給することで、燃料電池11から排出される排出ガスを循環させる。
【0025】
さらに、燃料電池11の内部には、外部から供給される冷却媒体が循環する媒体流路(図示略)が設けられており、この媒体流路に冷却媒体を循環させる循環ポンプ17aおよび熱交換器17bを備えて冷却器17が構成されている。すなわち、循環ポンプ17aを介して燃料電池11の媒体流路に供給された冷却媒体は、熱交換器17bを流通する過程で熱交換を行った後に、再び循環ポンプ17aに戻るようにされている。
【0026】
制御装置18は、例えば、車両の運転状態に応じてエアーコンプレッサー12の回転数に対する指令値を算出し、この指令値に応じてエアーコンプレッサー12の動作を制御することによって、燃料電池11の発電状態を制御する。
さらに、制御装置18は、例えば燃料供給装置15に具備される燃料供給遮断弁15aによって燃料電池11への燃料供給を停止した作動停止時等において、後述する所定時間に亘って、エアーコンプレッサー12から供給される空気が加湿器バイパス流路35を流通し、カソード加湿器13を介さずに燃料電池11のカソード23に供給されるように加湿器バイパス切替弁14およびエアーコンプレッサー12を制御する。これにより、カソード加湿器13を迂回して相対的に乾燥した空気が燃料電池11のカソード23に供給されることによって、吸着材28に吸着された水の所定量が脱離され、吸着材28の吸着率が所定値に設定される。
【0027】
ここで、制御装置18は、相対的に乾燥した空気を燃料電池11のカソード23に供給する所定時間を、例えば、燃料電池11周辺の温度に係る環境温度(例えば、外気温度等)や、燃料電池11の温度(機関温度)や、燃料電池11の冷却媒体の温度等に基づいて設定する。
このため、制御装置18には、例えば、エアーコンプレッサー12に取り込まれる空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温度検出器19aから出力される検出信号と、燃料電池11の温度を検出する機関温度検出器19bから出力される検出信号と、燃料電池11の媒体流路から排出された冷却媒体の温度を検出する媒体温度検出器19cから出力される検出信号とが入力されている。
【0028】
本実施の形態による燃料電池システム10は上記構成を備えており、次に、この燃料電池システム10の動作、特に、例えば燃料電池11の作動停止時等において、吸着材28に吸着された水を脱離させる処理(パージ処理)について添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
以下に、パージ処理の実行を継続する時間を設定する処理について説明する。
燃料電池11の発電時にカソード23において生成される水の生成水量nw(mol/s)は、発電によって外部回路(図示略)に取り出される電流I(A)とファラデー定数Fとにより、例えば下記数式(1)に示すように記述される。
【0030】
【数1】
【0031】
外気温度が低い状態、例えば氷点下(−5℃以下等)において燃料電池11を運転時間t(s)に亘って作動させた際に生成される生成水総量mw(g)は、水の分子量Mwと、燃料電池11を構成する電解質電極構造体24の数(セル数)cellとにより、例えば下記数式(2)に示すように記述される。
【0032】
【数2】
【0033】
ここで、生成水総量mwの水を吸着するために必要とされる吸着材28の吸着材量ma(g)は、吸着前の吸着率つまりパージ処理実行後における脱離後吸着率θsと、吸着後における吸着後吸着率θeと、吸着能γ(=被吸着物質の飽和重量/吸着材28の乾燥重量)とにより、例えば下記数式(3)に示すように記述される。
【0034】
【数3】
【0035】
例えば、ゼオライトからなる吸着材28において、t=20sとし、∫I・dt=500Cとし、cell=400とし、θe=0.9とし、θs=0.8とし、γ=0.2とすると、mw≒20g、ma≒1kgとなり、燃料電池11に搭載可能な吸着材28の量であると判断することができる。
【0036】
ここで、吸着材28の吸着率θは、例えば下記数式(4)および図3に示すように、吸着材28の温度Tおよび雰囲気の水蒸気分圧Pwの関数とされる吸着等温曲線により記述される。
なお、図3に示すように、吸着材28は、温度Tが低くなるほど被吸着物質(水)を吸着して水蒸気分圧Pwを低下させ、温度Tが高くなるほど被吸着物質(水)を脱離して水蒸気分圧Pwを増大させる。ここで、例えば氷点下(−5℃以下等)等の低温状態において、被吸着物質が吸着されることで吸着材28の吸着率θが脱離後吸着率θsから吸着後吸着率θeへと変化した(例えば、図3に示す矢印A)後に、温度Tが燃料電池11の定格運転温度(例えば、70〜80℃程度)まで上昇すると、燃料電池11のカソード23は飽和水蒸気圧の状態もしくは飽和水蒸気圧近傍の状態であるため、例えば吸着率θの値は吸着後吸着率θeに維持される(例えば、図3に示す矢印B)。そして、燃料電池11の運転停止後に、温度Tが定格運転温度近傍の状態で、相対的に乾燥した空気が燃料電池11のカソード23に供給されると、吸着材28に吸着された水が脱離され、吸着率θの値は脱離後吸着率θsへと変化する(例えば、図3に示す矢印C)。
なお、低温状態において、吸着率θが脱離後吸着率θsから吸着後吸着率θeへと変化した(例えば、図3に示す矢印A)後に、飽和水蒸気圧未満の状態で温度Tが上昇すると、吸着材28に吸着された水が脱離されることで水蒸気分圧Pwが増大し、吸着率θの値は脱離後吸着率θsへと変化する(例えば、図3に示す矢印D)。
【0037】
【数4】
【0038】
燃料電池11のカソード23は飽和水蒸気圧の状態もしくは飽和水蒸気圧近傍の状態であり、飽和水蒸気圧は温度のみの関数で記述可能であることから、燃料電池11の運転停止時における停止時水蒸気分圧Pweは、例えば下記数式(5)に示すように、燃料電池11の運転停止以前における運転温度Teのみにより記述される。
【0039】
【数5】
【0040】
上記数式(4),(5)により、燃料電池11の運転停止時における吸着率θである吸着後吸着率θeは、例えば下記数式(6)に示すように、燃料電池11の運転停止以前における運転温度Teのみの関数となる。
【0041】
【数6】
【0042】
ここで、燃料電池11の運転時におけるカソード23の全圧力Pt(kPa)に対し、水蒸気モル分率Xwは、例えば下記数式(7)に示すように記述され、水蒸気濃度C(ppm)は、例えば下記数式(8)に示すように記述される。
【0043】
【数7】
【0044】
【数8】
【0045】
例えば、燃料電池11の運転停止時において、Te=90℃とし、θe=0.8とし、Pt=120kPaとし、パージ処理においてカソード23に供給される空気の露点Td=10℃とすれば、吸着等温曲線を示す適宜の理論式に基づく上記数式(5)により、Pwe=f(90)≒70.1kPaとなり、
水蒸気分圧収束値Pwp=f(10)≒1.2kPaとなる。
さらに、上記数式(7),(8)により、燃料電池11の運転停止以前における水蒸気濃度Ce=106・Xwe=106・Pwe/Pt
=106×70.1/120=5.84×105ppmとなり、水蒸気濃度収束値Cp=106×1.2/120=104ppmとなる。
【0046】
パージ処理の実行時には、飽和状態近傍の水蒸気濃度Ceによって燃料電池11から水蒸気が排出され、水蒸気濃度(例えば、図5におけるカソード流路26aの出口水分濃度)および吸着率θは、例えば図5に示すように、吸着等温曲線に沿って低下し、水蒸気濃度収束値Cpに収束するように変化する。この変化の過程における各時刻での水蒸気濃度Ctに対し、(Ct−Cp)に相当する水の量が燃料電池11から除去される。従って、燃料電池11から除去される水分量mw’は、パージ処理にて供給される供給空気流量nair(mol/s)とパージ処理の実行を継続する時間tpとに基づき、例えば下記数式(9)および図4に示すように記述される。
【0047】
【数9】
【0048】
これにより、例えば、吸着材28の吸着材量ma=1kgかつ供給空気流量nair=5m3/minの場合に、約20gの水を燃料電池11から除去するためにパージ処理の実行を継続する時間は約6sとなる。
【0049】
一方、燃料電池11の始動時にカソード23において生成される生成水総量mwは始動時の温度Tに応じて変化する。
このため、吸着材28により吸着すべき水の必要吸着量は、適宜の熱収支シミュレーションによって理論的に算出可能であると共に、予め測定した始動時の温度Tと電流Iの時系列データに基づいて実験的に算出可能である。すなわち、複数の異なる始動時の温度T毎に対して、例えば図6に示すような温度Tと電流Iの経時変化を検出し、温度Tが摂氏0度になるまでの電流積算値(例えば、図6に示す斜線部E)を算出する。そして、例えば図7に示すような始動時の温度Tと電流積算値(∫I・dt)との関係を示すマップを作成し、このマップに対するマップ検索により電流積算値を算出し、上記数式(2)により生成水総量mwを算出する。
【0050】
さらに、パージ処理の実行を継続する時間は実験的に算出可能である。この場合には、先ず、例えば図8に示すような燃料電池11の始動時の温度に応じた必要とされる吸着材28の吸着率θ(脱離後吸着率θsと同等)の変化を示すマップ等に基づき、必要とされる吸着率θを算出する。
次に、例えば図9に示すような燃料電池11の運転停止以前における運転温度Teに対する吸着等温線図の水蒸気分圧を露点に変換して得たマップ等に基づき、必要とされる吸着率θに応じた露点を算出する。
そして、複数の異なる運転温度Te毎に対し、パージ処理を実行した際のカソード流路26aの出口位置での露点の時間変化を検出し、例えば図10に示すような露点の時間変化のマップ等を作成し、必要とされる露点に対応する時間をパージ処理の実行を継続する時間(パージ時間)とする。
これにより、例えば図11に示すような燃料電池11の始動時の温度に応じて変化するパージ時間の運転温度Teに対する依存性のマップ等に基づきパージ時間を設定することができる。
【0051】
なお、燃料電池11の次回の始動時における温度Tを推定する際には、例えば、前回の始動時における外気温度のデータや、過去の始動時における外気温度のデータや、今回の走行時における外気温度の時間変化および今回の始動時刻のデータや、今回の始動時における季節のデータや、例えば燃料電池11を搭載した車両の仕向地やこの車両のナビゲーション装置等において算出される現在位置のデータ等に基づいて推定される温度のうち、最も低い温度を選択する。
さらに、前回の始動時から所定時間以上経過した時点においては、今回の始動時における燃料電池11の温度(機関温度)を参照して、次回の始動時の温度Tを推定してもよい。
【0052】
例えば、所望の地域の月別の最低気温のデータを記憶装置(図示略)に記憶し、今回の始動時における外気温度および始動時刻を検出し、この始動時刻における最低気温のデータと外気温度の検出値との偏差を算出する。
そして、今月に対して所定期間だけ前後の月における最低気温のデータのうち、最も低い最低気温を抽出し、この抽出した最低気温から偏差を減算して得た値を次回の始動時の温度Tとして設定する。
【0053】
また、今回の始動時における燃料電池11の温度が、前回の停止時に推定した温度Tよりも低く、氷点下である場合には、例えば燃料電池11の始動時に、少なくとも生成される水を結露させずに水蒸気の状態で外部に排出することができる程度の空気量をカソード23に供給するセーフモード処理を実行する。
【0054】
以下に、燃料電池システム10の始動(起動)時および停止時の動作について説明する。
先ず、図12に示すステップS01においては、燃料電池11の運転モードが起動モードか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
【0055】
ステップS02においては、今回の起動モードにおいて検出される温度T1(例えば、外気温度や、燃料電池11の冷却水の温度や、燃料電池11本体の温度等に応じた温度)が所定値#T1(例えば、−5℃等)未満か否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
ステップS03においては、パージ処理の実行を指示するパージフラグのフラグ値に「1」を設定する。
【0056】
次に、ステップS04においては、燃料電池11の今回の起動後の起動モードにおいて検出される温度T1の最小値を最小温度T1’に設定する。
次に、ステップS05においては、最小温度T1’と、後述するように燃料電池システム10の前回の作動停止時に設定されて不揮発性メモリ(図示略)に格納された前回温度T1Bとのうち、何れか小さい方の値を、パージ時間算出用の温度T1”として設定する。
次に、ステップS06においては、パージ時間算出用の温度T1”に応じて、例えば次回の始動時において検出される温度T1を推定し、吸着材28の温度Tが、推定した温度T1から氷点下まで変化する期間中に燃料電池11の発電により生成される水の量が、吸着材28にて吸着可能となるまでに要するパージ時間t1を算出し、一連の処理を終了する。
【0057】
一方、ステップS07においては、燃料電池11の今回の起動後において運転時に検出される温度T2(例えば、外気温度や、燃料電池11の冷却水の温度や、燃料電池11本体の温度等に応じた温度)が所定値#T2(例えば、−5℃等)未満か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS12に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
ステップS08においては、パージ処理の実行を指示するパージフラグのフラグ値に「1」を設定する。
【0058】
次に、ステップS09においては、燃料電池11の今回の起動後において運転時に検出される温度T2の最小値を最小温度T2’に設定する。
次に、ステップS10においては、最小温度T2’と、後述するように燃料電池システム10の前回の作動停止時に設定されて不揮発性メモリ(図示略)に格納された前回温度T2Bとのうち、何れか小さい方の値を、パージ時間算出用の温度T2”として設定する。
次に、ステップS11においては、パージ時間算出用の温度T2”に応じて、例えば吸着材28の温度Tが上述したステップS05にて推定した温度T1から氷点下まで変化する期間中に燃料電池11の発電により生成される水の量が、吸着材28にて吸着可能となるまでに要するパージ時間t2を、例えば上述した図11等に基づいて算出する。
【0059】
そして、ステップS12においては、燃料電池11の運転モードが停止モードか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進む。
【0060】
ステップS13においては、パージフラグのフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS16に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS14に進む。
ステップS14においては、燃料電池11の今回の起動後において検出される温度T1を、燃料電池11の次回の起動時に利用する前回温度T1Bとして設定し、燃料電池11の今回の起動後において運転時に検出される温度T2を、燃料電池11の次回の起動後において利用する前回温度T2Bとして設定し、各前回温度T1B,T2Bを不揮発性メモリ(図示略)に格納し、ステップS15に進む。
そして、ステップS15においては、燃料電池システム10の作動を停止して、一連の処理を終了する。
【0061】
一方、ステップS16においては、パージ時間t1と、パージ時間t2とのうち、何れか大きい方の値を、所定時間t3として設定する。
そして、ステップS17においては、所定時間t3に亘ってパージ処理を実行する。
次に、ステップS18においては、燃料電池11の今回の起動後において設定された最小温度T1’を、燃料電池11の次回の起動時に利用する前回温度T1Bとして設定し、燃料電池11の今回の起動後において運転時に設定された最小温度T2’を、燃料電池11の次回の起動後において利用する前回温度T2Bとして設定し、各前回温度T1B,T2Bを不揮発性メモリ(図示略)に格納する。
そして、ステップS19においては、パージフラグのフラグ値に「0」を設定し、上述したステップS15に進む。
【0062】
すなわち、燃料電池システム10の運転停止時には、次回の始動時に備えて、吸着材28の吸着率θが所定の値となるようにパージ処理を実行する。ここで、パージ処理を実行する時間は、例えば、外気温度や燃料電池11の冷却水の温度や燃料電池11本体の温度等に応じた起動モードの最小温度T1’および運転時の最小温度T2’に応じて設定される各パージ時間t1,t2のうち、何れか大きい方の値を設定する。
【0063】
上述したように、本実施の形態による燃料電池システム10によれば、低温状態、例えば氷点下(−5℃以下等)における燃料電池11の始動時であっても、発電により生成される生成水を吸着材28により確実に吸着させることができ、例えばカソード流路26aやガス拡散層23bで生成水が凍結してしまうことを防止し、燃料電池11の発電を適切に継続させることができる。
さらに、燃料電池11の次回の始動時に備えて吸着材28の吸着率θを所定の値に設定するパージ処理において、予め低温状態での始動時に吸着すべき水の必要吸着量とパージ時間との関係を示す演算式やテーブル等をシミュレーションや実験に基づき設定することにより、効率良くパージ処理を実行することができる。
しかも、燃料電池11の内部に配置された吸着材28が水を吸着する際に吸着熱を発生することによって、低温状態の燃料電池11の温度を所定温度(例えば、定格運転温度)まで上昇させるのに要する時間を短縮することができる。
【0064】
なお、上述した本実施の形態においては、複数の粒子状の吸着材28,…,28が固体高分子電解質膜21のカソード側の表面部に分散配置されているとしたが、これに限定されず、例えば図13に示す本実施形態の第1変形例に係る燃料電池セル27のように、複数の粒子状の吸着材28,…,28をカソード側のガス拡散層23b内に分散配置させてもよい。
また、例えば図14に示す本実施形態の第2変形例に係る燃料電池セル27のように、複数の粒子状の吸着材28,…,28をカソード流路26a内に分散配置させてもよい。
さらに、例えば図15に示す本実施形態の第3変形例に係る燃料電池セル27のように、複数の粒子状の吸着材28,…,28をカソード側のガス拡散層23bの表面部に分散配置させ、各吸着材28,…,28の表面上の適宜の領域がカソード流路26a内に露出するようにしてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態においては、複数の粒子状の吸着材28,…,28を燃料電池11内に配置するとしたが、これに限定されず、例えば、ゼオライトや、シリカゲルや、活性アルミナや、活性炭等からなり、反応ガスが流通可能な複数の気孔を有するシート状や板状等の吸着層を燃料電池セル27のカソード側に設けてもよい。
【0066】
なお、本実施の形態においては、燃料電池システム10の作動停止時において、燃料電池11の次回の始動時における温度Tを推定してパージ処理を実行するとしたが、これに限定されず、例えば車両停止時に各温度検出器19a,19b,19cから出力される検出信号に基づいて、適宜のタイミングでパージ処理を実行してもよい。
【0067】
なお、本実施の形態においては、カソード加湿器13および加湿器バイパス流路35を省略してもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料電池システムによれば、氷点下において燃料電池が始動される場合であっても、発電により生成される水を吸着材によって確実に吸着させることができ、例えば生成される水の凍結によって反応ガスのガス流路や拡散層が閉塞されてしまうことを防止して、燃料電池の発電を適切に継続させることができる。
さらに、請求項3に記載の燃料電池システムによれば、氷点下において燃料電池を始動させる際の生成水量算出手段の算出精度を向上させることができ、脱離実行手段を効率よく実行させることができる。
【0069】
さらに、請求項4に記載の燃料電池システムによれば、吸着材に比べて相対的に乾燥した気体を酸素極に供給することによって、吸着材に吸着された水を容易に脱離させることができる。
さらに、請求項5に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の発電により生成される水を効率よく吸着させることができる。
【0070】
さらに、請求項6に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の発電により生成した水の吸着および脱離を効率よく行うことができると共に、燃料電池の温度を上昇させる際の温度上昇率を、吸着材による水の吸着によって発生する熱により向上させることができる。
さらに、請求項7に記載の燃料電池システムによれば、発電により生成される水を吸着材によって確実に吸着させることができると共に、燃料電池の大きさや重量が過剰に増大することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
【図2】図1に示す燃料電池の構成を示す断面図である。
【図3】吸着材の吸着率と吸着材の雰囲気における水蒸気分圧との関係を示す吸着等温線のグラフ図である。
【図4】パージ処理の実行を継続する時間に応じた水蒸気濃度の変化を示すグラフ図である。
【図5】パージ処理の実行前後における水蒸気濃度および吸着率の各計算値の時間変化を示すグラフ図である。
【図6】燃料電池の発電時における電流と温度の変化を示すグラフ図である。
【図7】燃料電池の始動時の温度に応じて変化する電流積算値の変化を示すグラフ図である。
【図8】燃料電池の始動時の温度に応じて変化する必要とされる吸着材の吸着率の変化を示すグラフ図である。
【図9】吸着材の吸着率と吸着材の雰囲気の露点との関係を示す吸着等温線のグラフ図である。
【図10】パージ処理の実行を継続する時間に応じた露点の変化を示すグラフ図である。
【図11】燃料電池の始動時の温度に応じて変化するパージ時間の燃料電池の運転温度に対する依存性を示すグラフ図である。
【図12】燃料電池システムの始動時および停止時の動作を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態の第1変形例に係る燃料電池の構成を示す断面図である。
【図14】本実施形態の第2変形例に係る燃料電池の構成を示す断面図である。
【図15】本実施形態の第3変形例に係る燃料電池の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 燃料電池システム
22 アノード(燃料極)
23 カソード(酸素極)
19a 吸気温度検出器(温度検出手段)
19b 機関温度検出器(温度検出手段)
19c 媒体温度検出器(温度検出手段)
ステップS06 温度推定手段
ステップS06、ステップS11 継続時間設定手段
ステップS13 脱離判定手段
ステップS17 脱離実行手段
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜を両側から挟み込む燃料極と酸素極を有し、反応ガスとして、水素を含む燃料が前記燃料極へ供給され、酸素を含む酸化剤が前記酸素極へ供給され、電気化学反応によって発電する燃料電池と、
前記燃料電池の内部に配置され、水を吸着および脱離可能な吸着材と、
少なくとも、前記燃料電池周辺の温度に係る環境温度と前記燃料電池本体の温度と前記燃料電池を冷却する冷却媒体の温度とのうちの何れかを検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づき、前記吸着材から水を脱離させるか否かを判定する脱離判定手段と、
前記脱離判定手段による判定結果に応じて、前記吸着材から水を脱離させる脱離実行手段と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池の始動時に前記温度検出手段により検出される温度が氷点下の所定温度から氷点まで変化する期間に亘って前記燃料電池の発電により生成される水の量を算出する生成水量算出手段と、
前記生成水量算出手段により算出される前記水の量と、前記脱離判定手段による判定処理の実行時に前記温度検出手段により検出される温度とに基づき、前記脱離実行手段の実行を継続する時間を設定する継続時間設定手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記所定温度として前記燃料電池の次回の始動時に前記温度検出手段により検出される温度を推定する温度推定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記脱離実行手段は、水蒸気分圧が所定分圧以下の気体を前記酸素極に供給することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の燃料電池システム。
- 前記吸着材は、少なくとも、前記酸素極と前記固体高分子電解質膜の酸素極近傍と前記酸素の流路とのうちの何れかに配置されてなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の燃料電池システム。
- 前記吸着材は、少なくとも、ゼオライトとシリカゲルと活性アルミナと活性炭とのうちの何れかからなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の燃料電池システム。
- 前記吸着材の量は、少なくとも前記生成水量算出手段により算出される前記水の量を吸着可能な量であることを特徴とする請求項2または請求項3の何れかに記載の燃料電池システム。
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