JP2004123872A - ポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止することを特徴としている。
【効果】本発明の二段の製造方法で製造されたポリマー電解質材料は、ポリマー中のカルボン酸残量が一段反応に比較し少なく、長期保存安定性に優れていた。
【選択図】 なし
【効果】本発明の二段の製造方法で製造されたポリマー電解質材料は、ポリマー中のカルボン酸残量が一段反応に比較し少なく、長期保存安定性に優れていた。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系ポリマー電解質に係わり、長期安定性に優れた、特にポリマーリチウム電池に用いることができ、充電時に負極表面で発生するリチウムデンドライト(樹木状痕跡)の生成を抑制することができ、高イオン電動度を示す好適なポリマー電解質材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ポリマーリチウムイオン電池用のゲル型ポリマー電解質材料の一つの候補として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体と、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体とからなり、且つ両者がエステル結合によって結合されたポリマーからなることを特徴とするゲル型ポリマー電解質が開発されている。このようなゲル型ポリマー電解質は、10−3S/cmオーダーの高いイオン伝導度を示し、他の市販されているポリマー電解質材料ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料に匹敵することが分かっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−198095号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体を片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体により、酸触媒の存在下、エステル化反応で製造されるそのポリマー電解質材料中には、反応条件によってはエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体に由来する数重量%の未反応カルボン酸が存在する場合がある。本発明者等はこの未反応カルボン酸が、そのポリマー電解質の長期保存安定性(その材料の長期保管後の電解液への材料溶解性が低下)に影響を与えることを見出し、ポリマー電解質の長期保存安定性を維持するには、限りなくその未反応カルボン酸を削減するポリマー電解質材料を製造法を開発することが重要であるとの認識に至った。
【0005】
一般にエステル化反応によるそのポリマー電解質材料の製造方法は、酸触媒の存在下、反応系から副生成する水を系外へ取り出すことにより、エステル化反応を進めることができるが、そのポリマー電解質材料成分として不可欠であるエステル化剤の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体は親水性(水溶解性)であるため、副生成する水を反応系外へ除去することが困難である。
【0006】
そのため、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸に対する片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体の水酸基のモル比と酸触媒の添加量を上げ、長時間エステル化反応を行ったとしても、未反応カルボン酸が数重量%残る結果となっていた。
この現状に鑑み、本発明者等はエステル化反応の条件に関らずその未反応カルボン酸を限りなく削減できる製造方法を開発すべく鋭意検討した。
【0007】
本発明の目的は、未反応カルボン酸含有量の極めて少なく、長期保存安定性に優れたポリマー電解質材料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料(以下単にポリマー電解質材料という)の製造方法において、二段階の反応で行う2ステップ法を特徴とする。
即ち、第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止するための反応を行うことを特徴とする。
【0009】
即ち、未反応カルボン酸をエステル基及びアミド基に変換することである。また、この製造方法によって選られるポリマー電解質材料は、キャパシターの電解質としても用いることができる。
この未反応カルボン酸残基封止のための反応としては、ジアゾアルカン誘導体、低級アルコール誘導体、ハロゲン化アルキル誘導体及びジアルキル硫酸誘導体などによるエステル化反応、モノイソシアネート反応及びモノアミン反応などが挙げられるが、工業的製法の観点からジアゾアルカン誘導体を除いたハロゲン化アルキル誘導体、低級アルコール誘導体及びジアルキル硫酸誘導体をアルキル化剤としたエステル反応、モノイソシアネート反応及びモノアミン反応が挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリマー電解質材料の製造方法について説明する。
前記製造方法の実施の形態は、第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、
次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止することを特徴としている。
(A)第一段目のエステル化反応
第一段目の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドによるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸へのエステル化反応は、反応に伴う粘度上昇を抑える目的とエステル化反応によって副生成する水を除去するため、有機溶媒(トルエン、キシレン、エチレングリコールジエチルエーテルなど)を使用し還流しながら行う。また反応時間短縮のため酸触媒を使用し行うのが好ましい。
【0011】
具体的な基本操作であるが、加熱、攪拌の条件下、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)に、有機溶媒と酸触媒を添加し、その後、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)を添加し、溶媒を還流しながら数十時間反応させて、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造する。反応終了後、未反応のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体及び触媒を取り除くために、水洗浄及びメタノールまたはエタノール浸積洗浄を行い、真空乾燥する。
【0012】
仕込み量は、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)の水酸基モル数/エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)のカルボン酸基モル数の比で、0.7〜2.5、特に0.9〜2.0であることが好ましい。反応温度は80〜160℃、特に100〜140℃であるのが好ましい。反応時間は2〜40時間、特に3〜30時間であるのが望ましい。
【0013】
酸触媒としては、例えば硫酸、燐酸、ポリ燐酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルフォン酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸などを使用し、添加量はカルボン酸基の1モルに対し、0.001〜0.5モル、特に0.01〜0.3モルであることが好ましい。
前記成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基は、5重量%以下、即ち(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸基準で45モル%以下とすることが望ましい。
【0014】
このエステル化反応では、酸化防止剤(例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル)の使用もできる。酸化防止剤の添加量はポリアルキレンオキシドに対し、100〜10000ppm、特に500〜5000ppmであるのが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)においては、その重合組成が好ましくはエチレン含有量が50〜98重量%、特に60〜95重量%、不飽和カルボン酸含有量が2〜50重量%、特に5〜25重量%、他の単量体が0〜30重量%、特に0〜20重量%の範囲である。
【0015】
共重合体におけるエチレン含量があまりに少なくなると、樹脂溶融温度の上昇、溶融流動性の低下を来たし、ポリアルキレンオキサイドとのエステル化反応において、温度アップや攪拌効率の点から好ましくない。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを挙げることができる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸の使用が最も好ましい。
【0016】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を構成することができる任意成分の他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを例示することができる。
【0017】
本発明の製造方法で用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体は、高温、高圧下に、エチレンと不飽和カルボン酸、或いは更に他の単量体をラジカル共重合させることにより得られる。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、特に0.5〜300g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
【0018】
重量平均分子量(ポリスチレン分子量換算)Mwは2,000〜800,000、特にMw4,000〜500,000が好ましい。この重量平均分子量は、数平均分子量Mnの500〜150,000、好ましくはMn1,000〜100,000に相当する。
また、本発明では、2種以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体をブレンドして使用してもよい。
【0019】
また、本発明の製造方法で使用される片末端基が封鎖されたポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)は、数平均分子量が200〜100,000で、アルキレンオキシド含有量が30〜100モル%のものである。
アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドまたはイソブチレンオキシドが例示されるが、エチレンオキシドが特に好ましい。
【0020】
本発明ではポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドおよび/またはイソブチレンオキシド等とのランダム共重合体、グラフト共重合体またはブロック共重合体であってもよい。
この場合プロピレンオキシド成分は0〜60モル%、ブチレンオキシド成分は0〜20モル%の量でポリアルキレンオキシド中に含有されることが許容される。
【0021】
構造上、片末端が封鎖された線状の単独、共重合体及び多価アルコール(例えば、グリセリン、ペンタエリストール)をベースとした分岐状のグラフト体もある。この場合、一つの分子に水酸基が一つになるよう、他の水酸基を量論的に封鎖する。また、2種以上の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドを併用することもできる。
【0022】
もう一方の水酸基の封鎖のための方法としては、エーテル化,エステル化及びモノイソシネートとの反応がある。
エーテル化による片末端水酸基封鎖の場合、置換基として、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、エチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基など)、フェニル基及びベンジル基などが使用される。
【0023】
エステル化による片末端水酸基封鎖の場合、炭素数1〜22のカルボン酸(例えば、酢酸、マレイン酸、テレフタル酸)及び無水カルボン酸(例えば無水マレイン酸)が使用される。
モノイソシアネートによる片末端水酸基封鎖の場合、メチルイソシアネート、フェニルイソシアネートなどが使用される。
(B)第二段目の未反応カルボン酸を封止する反応
前記第一段目のエステル化反応で生じる未反応カルボン酸を封止する反応については、以下の製造方法が用いられる。
(1)低級アルコールによるエステル化
本発明では、第一段目で得られた、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸をエステル化するのであるが、このとき成分(B)の長鎖が立体障害となることからこのエステル化(攻撃)をし易くするために、低級アルコール(低分子量)を使用することを特徴とする。
【0024】
低級アルコールとして、メタノール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0025】
エステル化反応及び以下に記載した反応においても、前記エステル化反応物が分解しない(ポリアルキレンオキシド分解温度160℃以上)温度以下で、しかも反応温度が高い(100〜150℃)方が好ましいことから、用いるアルコールの沸点がその温度付近にあるもの、たとえばn−ヘプチルアルコールやベンジルアルコールが好ましい。またアルコールと共に共沸(還流)溶媒としてトルエンやキシレンを併用できる。
【0026】
未反応カルボン酸残基(1モル)に対し、アルコール(水酸基モル)は1から10倍モル、好ましくは2から8倍モルがよい。共沸及び還流溶媒量は任意に使用できるが、還流の観点からアルコール:共沸(還流)溶媒が1:1〜1:3が好ましい。
エステル化反応促進のため、触媒として酸触媒を使用する。酸触媒として硫酸、燐酸、ポリ燐酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルフォン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェノール・三弗化ホウソなどが挙げられる。
【0027】
酸触媒量はカルボン酸残基モル数に対し、1〜50モル%、好ましくは10〜40モル%である。
エステル化反応時間は通常1時間〜24時間程度である。反応は副生成する水を留去するため還流で行う。
反応後は大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。メタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(2)ハロゲン化アルキルまたはジアルキル硫酸によるエステル化
前記第一段目のエステル化反応で得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基の封止をエステル化反応で行う場合、そのカルボン酸残基を一旦、アルカリ金属塩に変換し、アルキル化剤でエステル基に変換することもできる。
【0028】
未反応カルボン酸をアルカリ金属塩に変性する方法として、水が副生成する水酸化アルカリ金属の使用は好ましくなく、むしろアルカリ金属アルコキシドが良い。
例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムターシャリブトキシド、カリウムターシャリブトキシドなどが挙げられる。またそれらのアルカリ金属アルコオキシドのアルコール溶液も使用できる。また芳香族炭化水素、例えばトルエンやキシレンと混合しスラリー状で使用することもできる。
【0029】
この未反応カルボン酸をアルカリ金属塩に変性する反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)を考慮して、80〜90℃付近で行う方が好ましく、アルカリ金属アルコキシドの配合量は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1.0〜2.0倍モル、好ましくは1.2〜1.5倍モルである。反応時間は1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
【0030】
この未反応カルボン酸のアルカリ金属塩をアルキル化する方法として、ハロゲン化アルキルを反応させる方法、ジアルキル硫酸を反応させる方法がある。
ハロゲン化アルキルを反応させる方法にて用いられるハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化プロピル、臭化プロピル、塩化プロピル、ヨウ化n−ブチル、ヨウ化tert−ブチル、臭化n−ブチル、塩化n−ブチル、臭化ペンタン、臭化ヘキサンなどが挙げられる。反応性の観点からヨウ化物か臭化物が好ましい。
【0031】
ハロゲン化アルキルと未反応カルボン酸のアルカリ金属塩との反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)を考慮して、80〜140℃付近で行う方が好ましいことから、使用するハロゲン化アルキルも沸点がその温度以上であることが好ましい。例えば、ヨウ化イソプロピル(沸点90℃)、臭化n−ブチル(沸点102℃)、ヨウ化n−ブチル(沸点130℃)、臭化シクロペンタン(沸点138℃)などが挙げられる。
【0032】
ハロゲン化アルキルの配合量は、上記アルカリ金属アルコキシド配合量(1モル)に対し、1.0〜2.0倍モル、好ましくは1.2〜1.5倍モルである。反応時間は30分〜10時間、好ましくは1〜8時間程度である。ハロゲン化アルキル反応系における溶剤としては、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。また還流を行いながら反応してもよい。
【0033】
ジアルキル硫酸を反応させる方法にて用いられるジアルキル硫酸としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が挙げられる。ジアルキル硫酸と未反応カルボン酸のアルカリ金属塩との反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)とジアルキル硫酸の部分的加水分解(硫酸とアルコール生成)を考慮して、80〜100℃付近で行う方が好ましい。
【0034】
ジアルキル硫酸の配合量は、上記アルカリ金属アルコキシド配合量(1モル)に対し、0.5〜1.5倍モル、好ましくは0.6〜1.0倍モルである。反応時間は10分〜5時間、好ましくは1〜3時間程度である。この反応系における溶剤としては、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。
未反応カルボン酸のアルカリ金属塩とハロゲン化アルキルまたはジアルキル硫酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(3)モノイソシアネートによる反応
前記第一段目で得られた、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和酸無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)(立体障害が大きい)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸を封止する方法として、モノイソシアネートを反応させ、カルボン酸基をアミド基に変性する方法がある。
【0035】
モノイソシアネートとしては、エチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、ベンジルイソシアネートなどが挙げられる。
反応温度は80〜140℃が好ましいことから、低沸点のエチルイソシアネート(沸点60℃)を除いたモノイソシアネートの使用が好ましい。
【0036】
モノイソシアネートの配合は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1〜5倍モル、好ましくは1.5〜2.0倍モルである。
反応時間は30分から10時間、好ましくは1.0〜8.0時間である。
反応触媒として、第三級アミン化合物を、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルモルホリンなど挙げられ、添加量はイソシアネートに対し0.01〜1.0モル%程度である。
【0037】
反応溶媒として芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。
モノイソシアネートと(B)前記第一段目で得られたエステル化反応物中のカルボン酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。 最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(4)モノアミンによる反応
前記第一段目で得られた、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和酸無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)(立体障害が大きい)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸を封止する方法として、モノアミン(一級または二級アミン)を反応させ、カルボン酸基をアミド基に変性する方法がある。
【0038】
一級モノアミンとして、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、1−エチルプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリンなど、二級モノアミンとしてジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−エチルベンジルアミンなどが挙げられる。
【0039】
モノアミンによるカルボン酸のアミド化は脱水反応であるため、反応温度を110〜150℃のように高めにする方が好ましく、そのため沸点の高いモノアミンを使用するほうが好ましい。例えばヘキシルアミン、ベンジルアミン、N−メチルヘキシルアミンなどが挙げられる。
モノアミンの配合は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1〜5倍モル、好ましくは1.2〜2.0倍モルである。低沸点(100℃以下)モノアミンを使用する場合、配合時は室温で行い、未反応カルボン酸と四級アンモニウムを生成後に昇温する必要がある。110〜150℃での反応時間は30分から30時間、好ましくは1.0〜20.0時間である。反応触媒は特に必要としない。反応溶媒として芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。脱水反応であるため、減圧下、還流脱水するほうが好ましい。
【0040】
モノアミンと、前記第一段目で得られたエステル化反応物中のカルボン酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、酸性水溶液(希塩酸水溶液、希硫酸水溶液など)で未反応モノアミンを洗浄除去する。大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
本発明によれば、第二段目終了後のポリマー電解質用オレフィンポリマー材料中の未反応カルボン酸残量は、好ましくは最高の0.10重量%以下、すなわち(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体基準で、1.0モル%以下(転化率99モル%以上)にすることができる。
(C)ゲル型ポリマー(固体)電解質/キャパシターへの応用
本発明の製造方法によって得られる、未反応カルボン酸残量が少ないエチレン・不飽和カルボン酸(A)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシド(立体障害が大きい)またはその誘導体(B)とのエステル化反応物を用いて得られるゲル型ポリマー電解質材料は、リチウム2次電池のような2次電池の固体電解質層或いはキャパシターの固体電解質層として有用である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(原料)
1.ポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME
日本油脂(株)製品「ユニオックス M−550」
数平均分子量550
2.エチレンアクリル酸共重合体
三井・デュポンポリケミカル(株)製品「ニュクレル」
数平均分子量(ポリスチレン換算)10,000
酸含量20重量%
3.パラトルエンスルホン酸1水和塩及び他の試薬
関東化学(株)試薬特級品
なお、ポリマー中の残留カルボン酸定量は、電位差滴定(試料5gをトルエン/エタノール=1/4の溶液200gに加熱溶解し、フェノールフタレイン指示薬を使用し、0.1NのKOH水溶液で滴定)で、残留酸化防止剤定量はLC(液体クロマトグラフィ、テトラハイドロフラン溶媒使用)で分析した。長期保存安定性は、ポリマー材料をアルミ凝着袋に入れ室温で長期(6カ月間)保管後、10gを取り出しエチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC)(1:1 重量比)混合溶媒90g中に加え、80℃で3時間加熱し溶解した後室温に戻し、ゲル不溶物の有無を観察した。
【0042】
【参考例1】
1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)308g(水酸基0.56モル)、トルエン300ml、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)3.0g(0.016モル)及び酸化防止剤(イルガノックス 1010)4.0gを入れた。
【0043】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸基0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は2.0)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し(約30分要す)、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0044】
次にこのトルエン溶液からトルエンを可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0045】
得られたエステル化反応物をポリマー電解質材料αとした。
【0046】
【実施例1】
1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)308g(水酸基0.56モル)、トルエン300ml、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)3.0g(0.016モル)及び酸化防止剤(イルガノックス 1010)4.0gを入れた。
【0047】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸基0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は2.0)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し(約30分要す)、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0048】
前述した第一段目の反応で得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、低分子量アルコールであるベンジルアルコール45g(0.42モル、約未反応カルボン酸モルの約5倍モルと推定)を加え、さらに同温度で10時間反応を行った。
反応後、過剰のベンジルアルコールおよびトルエン溶媒を可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0049】
得られたPEG−MMEグラフト化物をポリマー電解質材料Aとした。
ポリマー電解質材料A中の未反応アクリル酸残量は、参考例1のポリマー電解質材料αと比較し、3.25から1.90重量%に減少していた。
【0050】
【参考例2】
参考例1において、第一段目のエステル化反応にて、PEG−MME(水酸基)配合量削減及び酸触媒量増加させた条件で、1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)170g(水酸基0.31モル)、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)9.98g(0.0525モル)、酸化防止剤(イルガノックス 1010)2.7g及びトルエン300mlを入れた。
【0051】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は1.10)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0052】
このトルエン溶液からトルエンを可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0053】
得られたPEG−MMEグラフト化物をポリマー電解質材料βとした。
【0054】
【実施例2】
実施例1において、第一段目のエステル化反応にて、PEG−MME(水酸基)配合量削減及び酸触媒量増加させた条件で、1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)170g(水酸基0.31モル)、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)9.98g(0.0525モル)、酸化防止剤(イルガノックス 1010)2.7g及びトルエン300mlを入れた。
【0055】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は1.10)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0056】
前述した第一段目の反応で得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、まず未反応のカルボン酸をナトリウム塩に変換するため、反応温度を80℃に下げ(メタノール発生のため)、粉末ナトリウムメトキシド18.77g( 0.348モル、PEG−MMEとエチレンアクリル酸共重合体の各官能基モル数半分の和、それにパラトルエンスルフォン酸モル数を加えたモル数)を加え同温度で1時間反応した。その後、臭化n−ブチル(分子量137)を同温度で57.2g(0.418モル、ナトリウムメトキシドのNa中和モル数の1.2倍量)を徐々に滴下後、5時間反応させた。メタノール、トルエン及び未反応臭化n−ブチルを可能な限り減圧留去後、生成物を水1500ml中に入れ、ミキサーで混合水洗浄した後、遠心分離を行った。更に水1500ml中で水洗浄と遠心分離を行った後、メタノール1500mlで洗浄と遠心分離を2回行った。その後、50℃で24時間乾燥し、ポリマー電解質材料Bを得た。
【0057】
【実施例3】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をナトリウム塩に変換するため、28重量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を使用した。反応温度を80℃に下げ、そのナトリウムメトキシドメタノール溶液67g(ナトリウムメトキシド18.77g、0.348モル、PEG−MMEとエチレンアクリル酸共重合体の各官能基モル数の半分の和、それにパラトルエンスルフォン酸モル数を加えたモル数)を加え同温度で15分間反応した。その後、ジメチル硫酸(分子量126)を同温度で26.3g(0.209モル、ナトリウムメトキシドのNa中和モル数の1.2倍量)を徐々に滴下後、1時間反応させた。メタノール及びトルエン溶媒を可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Cを得た。
【0058】
【実施例4】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をアミド基に変えるため、フェニルイソシアネート(分子量119、沸点162℃)を使用した。反応温度110℃でフェニルイソシアネート23.0g(0.193モル、パラトルエンスルホン酸モル数とエチレン・アクリル酸共重合体のカルボン酸モル数の半分の和)と触媒トリエチレンジアミン2.3g(分子量112、 0.021モル)を加え、10時間反応した。トルエン溶媒を可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Dを得た。
【0059】
【実施例5】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をアミド基に変えるため、n−ヘキシルアミン(分子量101、沸点128℃)を使用した。反応温度110℃でn−ヘキシルアミン19.5g(0.193モル、パラトルエンスルホン酸モル数とエチレン・アクリル酸共重合体のカルボン酸モル数の半分の和)を加え、20時間反応した。トルエン及び未反応n−ヘキシルアミンを可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Eを得た。
得られた各ポリマー電解質材料の長期保存安定性を調べ、その結果を表1に示した。
◎完全溶解で透明(ゲル不溶物なし)○溶解、少し曇りあり ×不溶ゲル物あり
上記の結果が示しているように、本発明の二段の製造方法で製造されたポリマー電解質材料は、ポリマー中のカルボン酸残量が一段反応に比較し少なく、長期保存安定性に優れていた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系ポリマー電解質に係わり、長期安定性に優れた、特にポリマーリチウム電池に用いることができ、充電時に負極表面で発生するリチウムデンドライト(樹木状痕跡)の生成を抑制することができ、高イオン電動度を示す好適なポリマー電解質材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ポリマーリチウムイオン電池用のゲル型ポリマー電解質材料の一つの候補として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体と、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体とからなり、且つ両者がエステル結合によって結合されたポリマーからなることを特徴とするゲル型ポリマー電解質が開発されている。このようなゲル型ポリマー電解質は、10−3S/cmオーダーの高いイオン伝導度を示し、他の市販されているポリマー電解質材料ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料に匹敵することが分かっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−198095号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体を片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体により、酸触媒の存在下、エステル化反応で製造されるそのポリマー電解質材料中には、反応条件によってはエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体に由来する数重量%の未反応カルボン酸が存在する場合がある。本発明者等はこの未反応カルボン酸が、そのポリマー電解質の長期保存安定性(その材料の長期保管後の電解液への材料溶解性が低下)に影響を与えることを見出し、ポリマー電解質の長期保存安定性を維持するには、限りなくその未反応カルボン酸を削減するポリマー電解質材料を製造法を開発することが重要であるとの認識に至った。
【0005】
一般にエステル化反応によるそのポリマー電解質材料の製造方法は、酸触媒の存在下、反応系から副生成する水を系外へ取り出すことにより、エステル化反応を進めることができるが、そのポリマー電解質材料成分として不可欠であるエステル化剤の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体は親水性(水溶解性)であるため、副生成する水を反応系外へ除去することが困難である。
【0006】
そのため、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸に対する片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体の水酸基のモル比と酸触媒の添加量を上げ、長時間エステル化反応を行ったとしても、未反応カルボン酸が数重量%残る結果となっていた。
この現状に鑑み、本発明者等はエステル化反応の条件に関らずその未反応カルボン酸を限りなく削減できる製造方法を開発すべく鋭意検討した。
【0007】
本発明の目的は、未反応カルボン酸含有量の極めて少なく、長期保存安定性に優れたポリマー電解質材料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料(以下単にポリマー電解質材料という)の製造方法において、二段階の反応で行う2ステップ法を特徴とする。
即ち、第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止するための反応を行うことを特徴とする。
【0009】
即ち、未反応カルボン酸をエステル基及びアミド基に変換することである。また、この製造方法によって選られるポリマー電解質材料は、キャパシターの電解質としても用いることができる。
この未反応カルボン酸残基封止のための反応としては、ジアゾアルカン誘導体、低級アルコール誘導体、ハロゲン化アルキル誘導体及びジアルキル硫酸誘導体などによるエステル化反応、モノイソシアネート反応及びモノアミン反応などが挙げられるが、工業的製法の観点からジアゾアルカン誘導体を除いたハロゲン化アルキル誘導体、低級アルコール誘導体及びジアルキル硫酸誘導体をアルキル化剤としたエステル反応、モノイソシアネート反応及びモノアミン反応が挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリマー電解質材料の製造方法について説明する。
前記製造方法の実施の形態は、第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、
次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止することを特徴としている。
(A)第一段目のエステル化反応
第一段目の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドによるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸へのエステル化反応は、反応に伴う粘度上昇を抑える目的とエステル化反応によって副生成する水を除去するため、有機溶媒(トルエン、キシレン、エチレングリコールジエチルエーテルなど)を使用し還流しながら行う。また反応時間短縮のため酸触媒を使用し行うのが好ましい。
【0011】
具体的な基本操作であるが、加熱、攪拌の条件下、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)に、有機溶媒と酸触媒を添加し、その後、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)を添加し、溶媒を還流しながら数十時間反応させて、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造する。反応終了後、未反応のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体及び触媒を取り除くために、水洗浄及びメタノールまたはエタノール浸積洗浄を行い、真空乾燥する。
【0012】
仕込み量は、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)の水酸基モル数/エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)のカルボン酸基モル数の比で、0.7〜2.5、特に0.9〜2.0であることが好ましい。反応温度は80〜160℃、特に100〜140℃であるのが好ましい。反応時間は2〜40時間、特に3〜30時間であるのが望ましい。
【0013】
酸触媒としては、例えば硫酸、燐酸、ポリ燐酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルフォン酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸などを使用し、添加量はカルボン酸基の1モルに対し、0.001〜0.5モル、特に0.01〜0.3モルであることが好ましい。
前記成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基は、5重量%以下、即ち(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸基準で45モル%以下とすることが望ましい。
【0014】
このエステル化反応では、酸化防止剤(例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル)の使用もできる。酸化防止剤の添加量はポリアルキレンオキシドに対し、100〜10000ppm、特に500〜5000ppmであるのが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)においては、その重合組成が好ましくはエチレン含有量が50〜98重量%、特に60〜95重量%、不飽和カルボン酸含有量が2〜50重量%、特に5〜25重量%、他の単量体が0〜30重量%、特に0〜20重量%の範囲である。
【0015】
共重合体におけるエチレン含量があまりに少なくなると、樹脂溶融温度の上昇、溶融流動性の低下を来たし、ポリアルキレンオキサイドとのエステル化反応において、温度アップや攪拌効率の点から好ましくない。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを挙げることができる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸の使用が最も好ましい。
【0016】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を構成することができる任意成分の他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを例示することができる。
【0017】
本発明の製造方法で用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体は、高温、高圧下に、エチレンと不飽和カルボン酸、或いは更に他の単量体をラジカル共重合させることにより得られる。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、特に0.5〜300g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
【0018】
重量平均分子量(ポリスチレン分子量換算)Mwは2,000〜800,000、特にMw4,000〜500,000が好ましい。この重量平均分子量は、数平均分子量Mnの500〜150,000、好ましくはMn1,000〜100,000に相当する。
また、本発明では、2種以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体をブレンドして使用してもよい。
【0019】
また、本発明の製造方法で使用される片末端基が封鎖されたポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)は、数平均分子量が200〜100,000で、アルキレンオキシド含有量が30〜100モル%のものである。
アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドまたはイソブチレンオキシドが例示されるが、エチレンオキシドが特に好ましい。
【0020】
本発明ではポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドおよび/またはイソブチレンオキシド等とのランダム共重合体、グラフト共重合体またはブロック共重合体であってもよい。
この場合プロピレンオキシド成分は0〜60モル%、ブチレンオキシド成分は0〜20モル%の量でポリアルキレンオキシド中に含有されることが許容される。
【0021】
構造上、片末端が封鎖された線状の単独、共重合体及び多価アルコール(例えば、グリセリン、ペンタエリストール)をベースとした分岐状のグラフト体もある。この場合、一つの分子に水酸基が一つになるよう、他の水酸基を量論的に封鎖する。また、2種以上の片末端水酸基のポリアルキレンオキシドを併用することもできる。
【0022】
もう一方の水酸基の封鎖のための方法としては、エーテル化,エステル化及びモノイソシネートとの反応がある。
エーテル化による片末端水酸基封鎖の場合、置換基として、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、エチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基など)、フェニル基及びベンジル基などが使用される。
【0023】
エステル化による片末端水酸基封鎖の場合、炭素数1〜22のカルボン酸(例えば、酢酸、マレイン酸、テレフタル酸)及び無水カルボン酸(例えば無水マレイン酸)が使用される。
モノイソシアネートによる片末端水酸基封鎖の場合、メチルイソシアネート、フェニルイソシアネートなどが使用される。
(B)第二段目の未反応カルボン酸を封止する反応
前記第一段目のエステル化反応で生じる未反応カルボン酸を封止する反応については、以下の製造方法が用いられる。
(1)低級アルコールによるエステル化
本発明では、第一段目で得られた、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸をエステル化するのであるが、このとき成分(B)の長鎖が立体障害となることからこのエステル化(攻撃)をし易くするために、低級アルコール(低分子量)を使用することを特徴とする。
【0024】
低級アルコールとして、メタノール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0025】
エステル化反応及び以下に記載した反応においても、前記エステル化反応物が分解しない(ポリアルキレンオキシド分解温度160℃以上)温度以下で、しかも反応温度が高い(100〜150℃)方が好ましいことから、用いるアルコールの沸点がその温度付近にあるもの、たとえばn−ヘプチルアルコールやベンジルアルコールが好ましい。またアルコールと共に共沸(還流)溶媒としてトルエンやキシレンを併用できる。
【0026】
未反応カルボン酸残基(1モル)に対し、アルコール(水酸基モル)は1から10倍モル、好ましくは2から8倍モルがよい。共沸及び還流溶媒量は任意に使用できるが、還流の観点からアルコール:共沸(還流)溶媒が1:1〜1:3が好ましい。
エステル化反応促進のため、触媒として酸触媒を使用する。酸触媒として硫酸、燐酸、ポリ燐酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルフォン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェノール・三弗化ホウソなどが挙げられる。
【0027】
酸触媒量はカルボン酸残基モル数に対し、1〜50モル%、好ましくは10〜40モル%である。
エステル化反応時間は通常1時間〜24時間程度である。反応は副生成する水を留去するため還流で行う。
反応後は大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。メタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(2)ハロゲン化アルキルまたはジアルキル硫酸によるエステル化
前記第一段目のエステル化反応で得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基の封止をエステル化反応で行う場合、そのカルボン酸残基を一旦、アルカリ金属塩に変換し、アルキル化剤でエステル基に変換することもできる。
【0028】
未反応カルボン酸をアルカリ金属塩に変性する方法として、水が副生成する水酸化アルカリ金属の使用は好ましくなく、むしろアルカリ金属アルコキシドが良い。
例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムターシャリブトキシド、カリウムターシャリブトキシドなどが挙げられる。またそれらのアルカリ金属アルコオキシドのアルコール溶液も使用できる。また芳香族炭化水素、例えばトルエンやキシレンと混合しスラリー状で使用することもできる。
【0029】
この未反応カルボン酸をアルカリ金属塩に変性する反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)を考慮して、80〜90℃付近で行う方が好ましく、アルカリ金属アルコキシドの配合量は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1.0〜2.0倍モル、好ましくは1.2〜1.5倍モルである。反応時間は1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
【0030】
この未反応カルボン酸のアルカリ金属塩をアルキル化する方法として、ハロゲン化アルキルを反応させる方法、ジアルキル硫酸を反応させる方法がある。
ハロゲン化アルキルを反応させる方法にて用いられるハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化プロピル、臭化プロピル、塩化プロピル、ヨウ化n−ブチル、ヨウ化tert−ブチル、臭化n−ブチル、塩化n−ブチル、臭化ペンタン、臭化ヘキサンなどが挙げられる。反応性の観点からヨウ化物か臭化物が好ましい。
【0031】
ハロゲン化アルキルと未反応カルボン酸のアルカリ金属塩との反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)を考慮して、80〜140℃付近で行う方が好ましいことから、使用するハロゲン化アルキルも沸点がその温度以上であることが好ましい。例えば、ヨウ化イソプロピル(沸点90℃)、臭化n−ブチル(沸点102℃)、ヨウ化n−ブチル(沸点130℃)、臭化シクロペンタン(沸点138℃)などが挙げられる。
【0032】
ハロゲン化アルキルの配合量は、上記アルカリ金属アルコキシド配合量(1モル)に対し、1.0〜2.0倍モル、好ましくは1.2〜1.5倍モルである。反応時間は30分〜10時間、好ましくは1〜8時間程度である。ハロゲン化アルキル反応系における溶剤としては、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。また還流を行いながら反応してもよい。
【0033】
ジアルキル硫酸を反応させる方法にて用いられるジアルキル硫酸としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が挙げられる。ジアルキル硫酸と未反応カルボン酸のアルカリ金属塩との反応は、前記エステル化反応物のポリエチレン微結晶融点(76℃付近)とジアルキル硫酸の部分的加水分解(硫酸とアルコール生成)を考慮して、80〜100℃付近で行う方が好ましい。
【0034】
ジアルキル硫酸の配合量は、上記アルカリ金属アルコキシド配合量(1モル)に対し、0.5〜1.5倍モル、好ましくは0.6〜1.0倍モルである。反応時間は10分〜5時間、好ましくは1〜3時間程度である。この反応系における溶剤としては、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。
未反応カルボン酸のアルカリ金属塩とハロゲン化アルキルまたはジアルキル硫酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(3)モノイソシアネートによる反応
前記第一段目で得られた、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和酸無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)(立体障害が大きい)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸を封止する方法として、モノイソシアネートを反応させ、カルボン酸基をアミド基に変性する方法がある。
【0035】
モノイソシアネートとしては、エチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、ベンジルイソシアネートなどが挙げられる。
反応温度は80〜140℃が好ましいことから、低沸点のエチルイソシアネート(沸点60℃)を除いたモノイソシアネートの使用が好ましい。
【0036】
モノイソシアネートの配合は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1〜5倍モル、好ましくは1.5〜2.0倍モルである。
反応時間は30分から10時間、好ましくは1.0〜8.0時間である。
反応触媒として、第三級アミン化合物を、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルモルホリンなど挙げられ、添加量はイソシアネートに対し0.01〜1.0モル%程度である。
【0037】
反応溶媒として芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。
モノイソシアネートと(B)前記第一段目で得られたエステル化反応物中のカルボン酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。 最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
(4)モノアミンによる反応
前記第一段目で得られた、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体(A)(不飽和酸無水物も含む)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(B)(立体障害が大きい)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸を封止する方法として、モノアミン(一級または二級アミン)を反応させ、カルボン酸基をアミド基に変性する方法がある。
【0038】
一級モノアミンとして、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、1−エチルプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリンなど、二級モノアミンとしてジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−エチルベンジルアミンなどが挙げられる。
【0039】
モノアミンによるカルボン酸のアミド化は脱水反応であるため、反応温度を110〜150℃のように高めにする方が好ましく、そのため沸点の高いモノアミンを使用するほうが好ましい。例えばヘキシルアミン、ベンジルアミン、N−メチルヘキシルアミンなどが挙げられる。
モノアミンの配合は、未反応カルボン酸(1モル)に対し1〜5倍モル、好ましくは1.2〜2.0倍モルである。低沸点(100℃以下)モノアミンを使用する場合、配合時は室温で行い、未反応カルボン酸と四級アンモニウムを生成後に昇温する必要がある。110〜150℃での反応時間は30分から30時間、好ましくは1.0〜20.0時間である。反応触媒は特に必要としない。反応溶媒として芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)を使用できる。脱水反応であるため、減圧下、還流脱水するほうが好ましい。
【0040】
モノアミンと、前記第一段目で得られたエステル化反応物中のカルボン酸との反応後、大部分の溶剤系を減圧留去し、酸性水溶液(希塩酸水溶液、希硫酸水溶液など)で未反応モノアミンを洗浄除去する。大過剰の水による洗浄と濾過を2回行う。最後にメタノール洗浄後、濾過し減圧乾燥する。
本発明によれば、第二段目終了後のポリマー電解質用オレフィンポリマー材料中の未反応カルボン酸残量は、好ましくは最高の0.10重量%以下、すなわち(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体基準で、1.0モル%以下(転化率99モル%以上)にすることができる。
(C)ゲル型ポリマー(固体)電解質/キャパシターへの応用
本発明の製造方法によって得られる、未反応カルボン酸残量が少ないエチレン・不飽和カルボン酸(A)と片末端水酸基のポリアルキレンオキシド(立体障害が大きい)またはその誘導体(B)とのエステル化反応物を用いて得られるゲル型ポリマー電解質材料は、リチウム2次電池のような2次電池の固体電解質層或いはキャパシターの固体電解質層として有用である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(原料)
1.ポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME
日本油脂(株)製品「ユニオックス M−550」
数平均分子量550
2.エチレンアクリル酸共重合体
三井・デュポンポリケミカル(株)製品「ニュクレル」
数平均分子量(ポリスチレン換算)10,000
酸含量20重量%
3.パラトルエンスルホン酸1水和塩及び他の試薬
関東化学(株)試薬特級品
なお、ポリマー中の残留カルボン酸定量は、電位差滴定(試料5gをトルエン/エタノール=1/4の溶液200gに加熱溶解し、フェノールフタレイン指示薬を使用し、0.1NのKOH水溶液で滴定)で、残留酸化防止剤定量はLC(液体クロマトグラフィ、テトラハイドロフラン溶媒使用)で分析した。長期保存安定性は、ポリマー材料をアルミ凝着袋に入れ室温で長期(6カ月間)保管後、10gを取り出しエチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC)(1:1 重量比)混合溶媒90g中に加え、80℃で3時間加熱し溶解した後室温に戻し、ゲル不溶物の有無を観察した。
【0042】
【参考例1】
1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)308g(水酸基0.56モル)、トルエン300ml、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)3.0g(0.016モル)及び酸化防止剤(イルガノックス 1010)4.0gを入れた。
【0043】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸基0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は2.0)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し(約30分要す)、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0044】
次にこのトルエン溶液からトルエンを可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0045】
得られたエステル化反応物をポリマー電解質材料αとした。
【0046】
【実施例1】
1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)308g(水酸基0.56モル)、トルエン300ml、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)3.0g(0.016モル)及び酸化防止剤(イルガノックス 1010)4.0gを入れた。
【0047】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸基0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は2.0)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し(約30分要す)、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0048】
前述した第一段目の反応で得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、低分子量アルコールであるベンジルアルコール45g(0.42モル、約未反応カルボン酸モルの約5倍モルと推定)を加え、さらに同温度で10時間反応を行った。
反応後、過剰のベンジルアルコールおよびトルエン溶媒を可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0049】
得られたPEG−MMEグラフト化物をポリマー電解質材料Aとした。
ポリマー電解質材料A中の未反応アクリル酸残量は、参考例1のポリマー電解質材料αと比較し、3.25から1.90重量%に減少していた。
【0050】
【参考例2】
参考例1において、第一段目のエステル化反応にて、PEG−MME(水酸基)配合量削減及び酸触媒量増加させた条件で、1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)170g(水酸基0.31モル)、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)9.98g(0.0525モル)、酸化防止剤(イルガノックス 1010)2.7g及びトルエン300mlを入れた。
【0051】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は1.10)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0052】
このトルエン溶液からトルエンを可能な限り減圧留去し、蒸留水1500mlの容器中へ反応生成物を注入し、ミキサーで1分間攪拌後、静置した。遠心分離で濾別し、得られた固形物をメタノール1500mlの容器に移し1時間攪拌後、遠心分離で固形分を取り出した。メタノール洗浄を全部で3回行った後、減圧乾燥機に入れ50℃で24時間乾燥して、前記エステル化反応物を得た。
【0053】
得られたPEG−MMEグラフト化物をポリマー電解質材料βとした。
【0054】
【実施例2】
実施例1において、第一段目のエステル化反応にて、PEG−MME(水酸基)配合量削減及び酸触媒量増加させた条件で、1000ml四つ口フラスコにポリエチレングリコールモノメチルエーテルPEG−MME(数平均分子量550)170g(水酸基0.31モル)、パラトルエンスルフォン酸1水和塩(分子量190)9.98g(0.0525モル)、酸化防止剤(イルガノックス 1010)2.7g及びトルエン300mlを入れた。
【0055】
攪拌しながら110℃まで昇温し、窒素(0.1m3/hr)を毛細管から吹き込みながら、エチレンアクリル酸共重合体100g(カルボン酸0.28モル、水酸基/カルボン酸基のモル比は1.10)を、溶解状態を確かめながら徐々に添加し、添加完了後、同温度で還流しながら24時間反応させて、エステル化反応物のトルエン溶液を得た。
【0056】
前述した第一段目の反応で得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、まず未反応のカルボン酸をナトリウム塩に変換するため、反応温度を80℃に下げ(メタノール発生のため)、粉末ナトリウムメトキシド18.77g( 0.348モル、PEG−MMEとエチレンアクリル酸共重合体の各官能基モル数半分の和、それにパラトルエンスルフォン酸モル数を加えたモル数)を加え同温度で1時間反応した。その後、臭化n−ブチル(分子量137)を同温度で57.2g(0.418モル、ナトリウムメトキシドのNa中和モル数の1.2倍量)を徐々に滴下後、5時間反応させた。メタノール、トルエン及び未反応臭化n−ブチルを可能な限り減圧留去後、生成物を水1500ml中に入れ、ミキサーで混合水洗浄した後、遠心分離を行った。更に水1500ml中で水洗浄と遠心分離を行った後、メタノール1500mlで洗浄と遠心分離を2回行った。その後、50℃で24時間乾燥し、ポリマー電解質材料Bを得た。
【0057】
【実施例3】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をナトリウム塩に変換するため、28重量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を使用した。反応温度を80℃に下げ、そのナトリウムメトキシドメタノール溶液67g(ナトリウムメトキシド18.77g、0.348モル、PEG−MMEとエチレンアクリル酸共重合体の各官能基モル数の半分の和、それにパラトルエンスルフォン酸モル数を加えたモル数)を加え同温度で15分間反応した。その後、ジメチル硫酸(分子量126)を同温度で26.3g(0.209モル、ナトリウムメトキシドのNa中和モル数の1.2倍量)を徐々に滴下後、1時間反応させた。メタノール及びトルエン溶媒を可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Cを得た。
【0058】
【実施例4】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をアミド基に変えるため、フェニルイソシアネート(分子量119、沸点162℃)を使用した。反応温度110℃でフェニルイソシアネート23.0g(0.193モル、パラトルエンスルホン酸モル数とエチレン・アクリル酸共重合体のカルボン酸モル数の半分の和)と触媒トリエチレンジアミン2.3g(分子量112、 0.021モル)を加え、10時間反応した。トルエン溶媒を可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Dを得た。
【0059】
【実施例5】
実施例2の第一段目のエステル化を繰り返し、得られたエステル化反応物のトルエン溶液を用いて第二段目の反応として、未反応のカルボン酸をアミド基に変えるため、n−ヘキシルアミン(分子量101、沸点128℃)を使用した。反応温度110℃でn−ヘキシルアミン19.5g(0.193モル、パラトルエンスルホン酸モル数とエチレン・アクリル酸共重合体のカルボン酸モル数の半分の和)を加え、20時間反応した。トルエン及び未反応n−ヘキシルアミンを可能な限り減圧留去後、実施例2の操作を繰り返し、ポリマー電解質材料Eを得た。
得られた各ポリマー電解質材料の長期保存安定性を調べ、その結果を表1に示した。
◎完全溶解で透明(ゲル不溶物なし)○溶解、少し曇りあり ×不溶ゲル物あり
上記の結果が示しているように、本発明の二段の製造方法で製造されたポリマー電解質材料は、ポリマー中のカルボン酸残量が一段反応に比較し少なく、長期保存安定性に優れていた。
Claims (12)
- 第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸を、(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化反応を行って、成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物を製造し、
次に第二段目で、上記得られたエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止剤を用いて封止することを特徴とするポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。 - 第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体を(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体によりエステル化する際、片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体の水酸基のモル数/エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸基のモル数の比が0.7〜2.5となる比率でエステル化反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 第二段目で成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基を封止するため、エステル基及びアミド基に変換することを特徴とする請求項1または2に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基が5重量%以下、即ち(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸基準で45モル%以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記第一段目で(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体と(B)片末端水酸基のポリアルキレンオキシドまたはその誘導体とのエステル化が酸触媒の存在下に行われていることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記第二段目で成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基の封止が、エステル化反応、モノイソシアネート反応及びモノアミン(一級または二級アミン)反応により行われることを特徴とする請求項1または3に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記第二段目で成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物中の未反応カルボン酸残基の封止をエステル化反応で行う場合、そのカルボン酸残基を一旦、アルカリ金属塩に変換し、アルキル化剤でエステル基に変換することを特徴とする請求項1、3または6に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 第二段終了後に得られたポリマー電解質用オレフィン材料中の未反応カルボン酸残量が最高0.10重量%以下、すなわ(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体のカルボン酸基準で1.0モル%以下(転化率99モル%以上)までに達することを特徴とする請求項1に記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体が、エチレン含有量が50〜98重量%、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が2〜50重量%、及びそれ以外の他の単量体の含有量が0〜30重量%の範囲にある組成を有するものを使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはその誘導体が、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分の範囲にあるものを使用することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 前記(B)片末端基が封鎖されたポリアルキレンオキシドまたはその誘導体が、数平均分子量が200〜100,000で、エチレンオキシド含有量が30〜100モル%の範囲にあるものを使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のポリマー電解質用オレフィン系ポリマー材料の製造方法。
- 請求項1〜11の何れかに記載の製造方法により得られる成分(A)と成分(B)とのエステル化反応物は粉体、フィルムまたはシートの形態を有し、電解質溶液を含浸しゲル型ポリマー電池やキャパシターに応用されることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のゲル型ポリマー電解質の製造方法。
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