JP2004123748A - 7員環ジエーテル化合物の製造方法及びその中間体 - Google Patents
7員環ジエーテル化合物の製造方法及びその中間体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004123748A JP2004123748A JP2003342832A JP2003342832A JP2004123748A JP 2004123748 A JP2004123748 A JP 2004123748A JP 2003342832 A JP2003342832 A JP 2003342832A JP 2003342832 A JP2003342832 A JP 2003342832A JP 2004123748 A JP2004123748 A JP 2004123748A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- represented
- formula
- hydrogen atom
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 **(C=CC=C1N=O)C=C1O Chemical compound **(C=CC=C1N=O)C=C1O 0.000 description 9
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D321/00—Heterocyclic compounds containing rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D317/00 - C07D319/00
- C07D321/02—Seven-membered rings
- C07D321/10—Seven-membered rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D319/00—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
- C07D319/10—1,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes
- C07D319/14—1,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes condensed with carbocyclic rings or ring systems
- C07D319/16—1,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes condensed with carbocyclic rings or ring systems condensed with one six-membered ring
- C07D319/20—1,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes condensed with carbocyclic rings or ring systems condensed with one six-membered ring with substituents attached to the hetero ring
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
Abstract
【課題】
本発明は、マリンノートの香料成分などとして有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を温和な反応条件で収率良く、かつ工業的に安価に製造する方法、及びそのための中間体を提供する。
【解決手段】
本発明は、炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトンを脱ハロゲン化水素反応させることにより、1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造し、これをさらに炭酸ナトリウムの存在下に反応させて3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。本発明の方法は、中間体の1,4−ベンゾジオキサン誘導体を単離することなく1段階で行うこともできる。また、本発明は、中間体の1,4−ベンゾジオキサン誘導体にも関する。
【選択図】 なし
本発明は、マリンノートの香料成分などとして有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を温和な反応条件で収率良く、かつ工業的に安価に製造する方法、及びそのための中間体を提供する。
【解決手段】
本発明は、炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトンを脱ハロゲン化水素反応させることにより、1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造し、これをさらに炭酸ナトリウムの存在下に反応させて3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。本発明の方法は、中間体の1,4−ベンゾジオキサン誘導体を単離することなく1段階で行うこともできる。また、本発明は、中間体の1,4−ベンゾジオキサン誘導体にも関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、合成香料及び医薬品中間体等として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類の製造方法、及びその製造中間体に関する。
古来から香りを楽しむ香料として、あるいは薬用や宗教的な目的などで、花、果物、麝香など、多くの天然物が使われてきた。
更に近世になって合成化学が発展するにつれて、多くの合成香料物質が提供され、香料として用いられてきた。これらの合成香料に関しては、たとえば非特許文献1には、多数の合成香料が記載されている。
近年の香りの嗜好性に対する多様化につれて、更に新しい香気の香料の開発が進められた。その中でも特に海のイメージを想起させる芳香を有するマリンノート、或いはオゾンノートと言われる香気がもてはやされるようになってきた。
更に近世になって合成化学が発展するにつれて、多くの合成香料物質が提供され、香料として用いられてきた。これらの合成香料に関しては、たとえば非特許文献1には、多数の合成香料が記載されている。
近年の香りの嗜好性に対する多様化につれて、更に新しい香気の香料の開発が進められた。その中でも特に海のイメージを想起させる芳香を有するマリンノート、或いはオゾンノートと言われる香気がもてはやされるようになってきた。
マリンノートを有する香料の重要な成分として、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンが特許文献1に報告され、種々の香粧品に継続して広く用いられている。
この3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成法として、先ず、カテコールを1,3−ジクロロ−2−プロパノールと水酸化カリウムの共存下で反応させて3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オールを得、次いで該化合物を酸化して目的物を合成した例が報告されている。しかし、この方法を用いて得られた目的物の通算収率は僅か4%でしかない(非特許文献2)。更に、同文献には、カテコールと1,3−ジクロロアセトンとの反応では目的物が得られなかったと報告されている。
この3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成法として、先ず、カテコールを1,3−ジクロロ−2−プロパノールと水酸化カリウムの共存下で反応させて3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オールを得、次いで該化合物を酸化して目的物を合成した例が報告されている。しかし、この方法を用いて得られた目的物の通算収率は僅か4%でしかない(非特許文献2)。更に、同文献には、カテコールと1,3−ジクロロアセトンとの反応では目的物が得られなかったと報告されている。
また、上記方法とは異なる下式で示される合成法が、特許文献1に報告されている。
即ち、4−メチルカテコール(7)とクロロ酢酸メチル又はブロモ酢酸メチルとの反応でジ酢酸エステル体(8)を得た後、これを水素化ナトリウム又は他の強塩基性試薬の存在下にディックマン反応により2−カルボメトキシ体(9)とし、次いで、塩酸酸性のエタノール中で加熱することによって、目的の7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(10)を合成している。しかし、この合成法は水素化ナトリウムなど取り扱いに注意を要する試薬を使用するうえ、反応条件が過酷であり、収率が低いなど、工業的製造上の難点がある。
また、上記合成法と異なる方法として、非特許文献3には、下式のような反応を経て3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンを合成する方法が記載されている。
しかし、この合成法もまた、使用する試薬、反応条件、収率などの点において難点があり、工業的製造方法としては適当なものではない。
本発明は上記した現状に鑑みなされたものであり、従来法の上記問題点を解消した3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの製造法、即ち3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンが温和な反応条件で収率良く製造でき、工業的に安価に製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、炭酸ナトリウムの存在下、一般式(5)で表されるカテコール類と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類とを反応させることにより、一般式(1)で表される、2又は3−ヒドロキシ−2又は3−ハロメチル−ベンゾジオキサン誘導体(以下、2−ヒドロキシ−2−ハロメチル誘導体を化合物(1a)といい、3−ヒドロキシ−3−ハロメチル誘導体を化合物(1b)という。)を生成すること、更に一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体は同様な反応条件下で効率良く一般式(3)で示される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類に変換できることを見出した。更には、一般式(5)で示されるカテコール類と一般式(6)で示される1,3−ジハロアセトン類を反応させて、一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を単離することなく、一段階で効率良く一般式(3)で示される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3-オン類に変換できることを見出した。なお、一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体は文献未記載の新規化合物である。
即ち、本発明は、一般式(5)
即ち、本発明は、一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、一般式(6)
で表されるカテコール類と、一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造し、次いで、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造し、次いで、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。本発明の製造方法は、途中で生成する一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を単離することなく一段階で行うこともできる。したがって、本発明は、次の一般式(5)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。本発明の製造方法は、途中で生成する一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を単離することなく一段階で行うこともできる。したがって、本発明は、次の一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、次の一般式(6)
で表されるカテコール類と、次の一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。
また、本発明は、前記した本発明の製造方法の各工程を提供するものでもある。即ち、本発明は、次の一般式(5)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。
また、本発明は、前記した本発明の製造方法の各工程を提供するものでもある。即ち、本発明は、次の一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、一般式(6)
で表されるカテコール類と、一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、R4及びXは前記と同じ。Y1、Y2、Z1、Z2も前記と同じである。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造する方法に関する。
更に、本発明は、次の一般式(1)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造する方法に関する。
更に、本発明は、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法に関する。
本発明の前記一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体は文献未記載の新規化合物であり、したがって、本発明は、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体に関する。
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、ジオキサン環の2位に水酸基とハロメチル基が結合した化合物(以下、一般式(1a)で表される化合物という。)と、ジオキサン環の3位に水酸基とハロメチル基が結合した2種類の化合物を包含するものである。これらの化合物は一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類が、一般式(5)で表されるカテコール類のどちら側の水酸基と反応と反応したかによるものであり、反応した水酸基の位置による異性体である。そして、これらの一般式(1a)で表される化合物も一般式(1b)で表される化合物も、いずれも一般式(3)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類の中間体として使用できるものであり、当該中間体としてはこれらの化合物をそれぞれ単独で使用してもよく、また両者の混合物をそれぞれを単離精製することなく使用することもできる。本発明の一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体をより具体的に例示すれば、次の一般式(1a)と一般式(1b)の化合物として表すことができる。
一般式(1a)で表される2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、次の一般式(1a)
本発明の一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、ジオキサン環の2位に水酸基とハロメチル基が結合した化合物(以下、一般式(1a)で表される化合物という。)と、ジオキサン環の3位に水酸基とハロメチル基が結合した2種類の化合物を包含するものである。これらの化合物は一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類が、一般式(5)で表されるカテコール類のどちら側の水酸基と反応と反応したかによるものであり、反応した水酸基の位置による異性体である。そして、これらの一般式(1a)で表される化合物も一般式(1b)で表される化合物も、いずれも一般式(3)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類の中間体として使用できるものであり、当該中間体としてはこれらの化合物をそれぞれ単独で使用してもよく、また両者の混合物をそれぞれを単離精製することなく使用することもできる。本発明の一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体をより具体的に例示すれば、次の一般式(1a)と一般式(1b)の化合物として表すことができる。
一般式(1a)で表される2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、次の一般式(1a)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表される化合物である。
また、一般式(1b)で表される3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、次の一般式(1b)
で表される化合物である。
また、一般式(1b)で表される3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、次の一般式(1b)
(式中、X、R1、R2、R3、及びR4は上記に同じ。)
で表される化合物である。
上記2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1a)及び3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1b)のベンゼン環上の置換基は、本反応の反応条件下において安定なものであれば何れの置換基でも構わないが、具体的には例えば、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルケニル基であり、しかも、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えないものである。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して飽和又は不飽和の炭素環を形成していてもよい。
で表される化合物である。
上記2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1a)及び3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1b)のベンゼン環上の置換基は、本反応の反応条件下において安定なものであれば何れの置換基でも構わないが、具体的には例えば、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルケニル基であり、しかも、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えないものである。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して飽和又は不飽和の炭素環を形成していてもよい。
アルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基(以下、s−ブチルはセカンダリーブチルを表す。)、t−ブチル基(以下、t―ブチルはターシャリーブチルを表す。)、イソブチル基、ペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、例えば、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ヘキセニル基等が挙げられる。
隣接する2つの基、例えば、R1とR2、及び/又は、R3とR4、或いはR2とR3が共に結合して炭素環を形成する場合としては、アルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成する場合が挙げられる。例えば、R2とR3が結合して6員環等の環を形成する場合等が挙げられる。このような環の具体例としては、例えば、シクロヘキサン環、ベンゼン環等が挙げられる。
上記一般式(1)、(1a)、(1b)及び(6)中のXで示されるハロゲン原子としては、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子又は臭素原子が好ましい。
アルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、例えば、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ヘキセニル基等が挙げられる。
隣接する2つの基、例えば、R1とR2、及び/又は、R3とR4、或いはR2とR3が共に結合して炭素環を形成する場合としては、アルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成する場合が挙げられる。例えば、R2とR3が結合して6員環等の環を形成する場合等が挙げられる。このような環の具体例としては、例えば、シクロヘキサン環、ベンゼン環等が挙げられる。
上記一般式(1)、(1a)、(1b)及び(6)中のXで示されるハロゲン原子としては、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子又は臭素原子が好ましい。
上記一般式(1)、より具体的には一般式(1a)又は(1b)で表される化合物、即ち、2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体又は3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体の具体例としては、Xが塩素原子の場合には、例えば、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−8−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7,8−ジメチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−プロペニル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(s−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(s−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(t−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(t−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(4−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン等、
及び上記化合物中の“2−ヒドロキシ−2−クロロメチル”を“3−ヒドロキシ−3−クロロメチル”に置き換えた化合物等が挙げられる。
また、Xが臭素原子の場合には上記例示された化合物において、塩素原子の代わりに臭素原子に置き換えた化合物が例示される。
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−8−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−5−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7,8−ジメチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−プロペニル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(s−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(s−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(t−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(t−ブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(4−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン等、
及び上記化合物中の“2−ヒドロキシ−2−クロロメチル”を“3−ヒドロキシ−3−クロロメチル”に置き換えた化合物等が挙げられる。
また、Xが臭素原子の場合には上記例示された化合物において、塩素原子の代わりに臭素原子に置き換えた化合物が例示される。
これら化合物の中では、R1及びR4が水素原子であり、R2とR3のどちらか一方が水素原子で、他方がアルキル基である化合物がより好ましい。より好ましい上記一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体、即ち、2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1a)又は3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1b)としては、例えば、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(4−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン、
等を例示することができる。更に好ましくは、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン等、
及び上記化合物中の“2−ヒドロキシ−2−クロロメチル”又は“2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル”を“3−ヒドロキシ−3−クロロメチル”又は“3−ヒドロキシ−3−ブロムメチル”に置き換えた化合物等が挙げられる。
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(イソプロピル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−エチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−プロピル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−ブチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−(2−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(3−メチルブチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−ペンチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(2−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−(3−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−(4−メチルペンチル)−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−ヘキシル−1,4−ベンゾジオキサン、
等を例示することができる。更に好ましくは、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−7−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン、
2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン等、
及び上記化合物中の“2−ヒドロキシ−2−クロロメチル”又は“2−ヒドロキシ−2−ブロムメチル”を“3−ヒドロキシ−3−クロロメチル”又は“3−ヒドロキシ−3−ブロムメチル”に置き換えた化合物等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体、より具体的には一般式(1a)で表される化合物及び上記一般式(1b)で表される化合物は、何れも、炭酸ナトリウムの存在下に容易に、一般式(3)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン誘導体へ導くことのできる重要な中間体である。
本発明の一般式(1)で表される2又は3−ヒドロキシ−2又は3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、例えば、一般式(5)で表されるカテコール類と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類とを反応させて、1分子のハロゲン化水素を脱離させることにより製造される。この反応式を次のスキーム1として示す。
<スキーム1>
本発明の一般式(1)で表される2又は3−ヒドロキシ−2又は3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、例えば、一般式(5)で表されるカテコール類と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類とを反応させて、1分子のハロゲン化水素を脱離させることにより製造される。この反応式を次のスキーム1として示す。
<スキーム1>
この反応においては、カテコール類の反応部位により、通常は、一般式(1a)で表される2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体と一般式(1b)で表される3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体の混合物として一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体が得られる。
具体的には、一般式(5)で表されるカテコール類と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類とを炭酸ナトリウムの存在下、必要に応じて反応促進剤を加え、溶媒中で反応させることにより一般式(1a)で示される化合物と一般式(1b)で示される化合物を得ることができる。
一般式(5)で表されるカテコール類としては、R1、R2、R3、及びR4がそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、又はアルケニル基を表し、隣接するアルキル基又はアルケニル基が共に結合して新たな炭素環を形成してもよく、且つ、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えないものが挙げられる。
一般式(5)で表されるカテコール類の具体例としては、例えば、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、3,4−ジメチルカテコール、3,5−ジメチルカテコール、4―エチルカテコール、4―プロピルカテコール、4−イソプロピルカテコール、4―(2−プロペニル)カテコール、4―ブチルカテコール、4―(2−メチルブチル)カテコール、4―(3−メチルブチル)カテコール、4―ペンチルカテコール、4―(2−メチルペンチル)カテコール、4―(3−メチルペンチル)カテコール、4―(4−メチルペンチル)カテコール、4―ヘキシルカテコールなどを例示することができる。
具体的には、一般式(5)で表されるカテコール類と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類とを炭酸ナトリウムの存在下、必要に応じて反応促進剤を加え、溶媒中で反応させることにより一般式(1a)で示される化合物と一般式(1b)で示される化合物を得ることができる。
一般式(5)で表されるカテコール類としては、R1、R2、R3、及びR4がそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、又はアルケニル基を表し、隣接するアルキル基又はアルケニル基が共に結合して新たな炭素環を形成してもよく、且つ、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えないものが挙げられる。
一般式(5)で表されるカテコール類の具体例としては、例えば、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、3,4−ジメチルカテコール、3,5−ジメチルカテコール、4―エチルカテコール、4―プロピルカテコール、4−イソプロピルカテコール、4―(2−プロペニル)カテコール、4―ブチルカテコール、4―(2−メチルブチル)カテコール、4―(3−メチルブチル)カテコール、4―ペンチルカテコール、4―(2−メチルペンチル)カテコール、4―(3−メチルペンチル)カテコール、4―(4−メチルペンチル)カテコール、4―ヘキシルカテコールなどを例示することができる。
より好ましい上記一般式(5)で表されるカテコール類は、R1とR4が水素原子であり、R2とR3のどちらか一方が水素原子で、他方がアルキル基又はアルケニル基であり、隣接するアルキル基又はアルケニル基が共に結合して新たな炭素環を形成していてもよく、且つ、R2及びR3に含まれる炭素数の和は10を超えない化合物を挙げることができる。
より好ましい上記一般式(5)で表されるカテコール類としては、4−メチルカテコール、4―エチルカテコール、4―プロピルカテコール、4−イソプロピルカテコール、4―(2−プロペニル)カテコール、4―ブチルカテコール、4―(2−メチルブチル)カテコール、4―(3−メチルブチル)カテコール、4―ペンチルカテコール、4―(2−メチルペンチル)カテコール、4―(3−メチルペンチル)カテコール、4―(4−メチルペンチル)カテコール、4―ヘキシルカテコールなどを例示することができる。
更に好ましい上記一般式(5)で表されるカテコール類としては、4−メチルカテコールなどを例示することができる。
より好ましい上記一般式(5)で表されるカテコール類としては、4−メチルカテコール、4―エチルカテコール、4―プロピルカテコール、4−イソプロピルカテコール、4―(2−プロペニル)カテコール、4―ブチルカテコール、4―(2−メチルブチル)カテコール、4―(3−メチルブチル)カテコール、4―ペンチルカテコール、4―(2−メチルペンチル)カテコール、4―(3−メチルペンチル)カテコール、4―(4−メチルペンチル)カテコール、4―ヘキシルカテコールなどを例示することができる。
更に好ましい上記一般式(5)で表されるカテコール類としては、4−メチルカテコールなどを例示することができる。
一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類中の2個のXは、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表すが、塩素原子又は臭素原子がより好ましい。
一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類の具体例としては、例えば、ジクロロアセトン、ジブロモアセトン、1−ブロモ−3−クロロアセトンなどが挙げられ、好ましくは、ジクロロアセトン、ジブロモアセトンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類の具体例としては、例えば、ジクロロアセトン、ジブロモアセトン、1−ブロモ−3−クロロアセトンなどが挙げられ、好ましくは、ジクロロアセトン、ジブロモアセトンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の製造方法において用いられる一般式(5)で表されるカテコール類の使用量と一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類の使用量のモル比は1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.1〜1:1.3の範囲から適宜選択される。
本発明の製造方法で用いられる炭酸ナトリウムとしては、無水炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム一水和物等を用いることができる。これら炭酸ナトリウムは、微細粉末などの形状のものを用いることが好ましい。炭酸ナトリウムの使用量は、一般式(5)で表されるカテコール類に対して約1〜5当量、好ましくは約1.5〜3当量程度である。モル比では、カテコール類1モルに対して約0.5〜2.5モル、約0.5〜1.6モル、好ましくは約0.7〜1.5モル程度が用いられる。
必要に応じて用いられる反応促進剤としては、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のようなヨウ素塩類や相間移動触媒等を用いることができる。このような反応促進剤の使用量は、1,3−ジハロアセトン類に対して0.01〜1.0当量、好ましくは0.05〜0.25当量の範囲から適宜選択される。
本発明の製造方法で用いられる炭酸ナトリウムとしては、無水炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム一水和物等を用いることができる。これら炭酸ナトリウムは、微細粉末などの形状のものを用いることが好ましい。炭酸ナトリウムの使用量は、一般式(5)で表されるカテコール類に対して約1〜5当量、好ましくは約1.5〜3当量程度である。モル比では、カテコール類1モルに対して約0.5〜2.5モル、約0.5〜1.6モル、好ましくは約0.7〜1.5モル程度が用いられる。
必要に応じて用いられる反応促進剤としては、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のようなヨウ素塩類や相間移動触媒等を用いることができる。このような反応促進剤の使用量は、1,3−ジハロアセトン類に対して0.01〜1.0当量、好ましくは0.05〜0.25当量の範囲から適宜選択される。
反応に用いられる溶媒は、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されるものではない。溶媒の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。好ましい溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。用いる溶媒の量に特に制限は無いが、工業的製造の観点から、溶媒と上記一般式(5)で表されるカテコール類との重量比で3:1〜100:1、好ましくは5:1〜50:1の範囲から適宜選択される。
反応温度は、通常約30℃〜100℃、好ましくは約50℃〜80℃の範囲から適宜選択される。反応時間は特に制限はないが、工業的製造の観点から、通常約1〜15時間、好ましくは約3〜10時間程度が望ましい。
上記反応は、空気中で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
反応温度は、通常約30℃〜100℃、好ましくは約50℃〜80℃の範囲から適宜選択される。反応時間は特に制限はないが、工業的製造の観点から、通常約1〜15時間、好ましくは約3〜10時間程度が望ましい。
上記反応は、空気中で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物、より具体的には一般式(1a)で表される2−ヒドロキシ−2−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体及び/又は一般式(1b)で表される3−ヒドロキシ−3−ハロゲノメチル−1,4−ベンゾジオキサン誘導体から一般式(3)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−2−オン誘導体を製造する方法は、溶媒中で一般式(1)で表される化合物、即ち一般式(1a)及び/又は一般式(1b)で表される化合物と炭酸ナトリウムとを反応させて脱ハロゲン化水素反応させることによって行うことができる。この反応式を次のスキーム2に示す。
<スキーム2>
<スキーム2>
炭酸ナトリウムとしては、上記したような無水炭酸ナトリウムや炭酸ナトリウム一水和物等を用いることができるが、反応速度を向上させるためには、例えば微細粉末の形状のものを用いる方が好ましい。炭酸ナトリウムの使用量は、一般式(1)で表される化合物に対して、約0.2〜8.0当量、約0.2〜5.0当量、約1.5〜8.0当量、約0.5〜6.0当量、0.2〜2.0当量、1.5〜2.0当量程度であるが、過剰に使用することもできる。モル比では、一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.5〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲から適宜選択される。
また、この脱ハロゲン化水素反応においても、必要に応じて反応促進剤を用いることができる。反応促進剤としては、上記したような、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のようなヨウ素塩類や相間移動触媒等が挙げられる。このような反応促進剤の使用量は、一般式(1)で表される化合物に対して0.01〜1.0当量、好ましくは0.05〜0.25当量の範囲から適宜選択される。
また、この脱ハロゲン化水素反応においても、必要に応じて反応促進剤を用いることができる。反応促進剤としては、上記したような、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のようなヨウ素塩類や相間移動触媒等が挙げられる。このような反応促進剤の使用量は、一般式(1)で表される化合物に対して0.01〜1.0当量、好ましくは0.05〜0.25当量の範囲から適宜選択される。
反応に用いられる溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されるものではない。溶媒の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。好ましい溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。用いる溶媒の量に特に制限は無いが、工業的製造の観点からは溶媒と上記一般式(5)で表されるカテコール類に対して、重量比で3:1〜100:1、好ましくは5:1〜50:1の範囲から適宜選択される。
反応温度は約40℃〜150℃、好ましくは約50℃〜100℃の範囲から適宜選択される。反応時間は特に制限はないが、工業的製造の観点から約1〜15時間、好ましくは約3〜10時間程度が望ましい。
上記反応は、空気中で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
本発明の製造方法の最終生成物である、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類は、下記一般式(3)で表される。
反応温度は約40℃〜150℃、好ましくは約50℃〜100℃の範囲から適宜選択される。反応時間は特に制限はないが、工業的製造の観点から約1〜15時間、好ましくは約3〜10時間程度が望ましい。
上記反応は、空気中で行ってもよいが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
本発明の製造方法の最終生成物である、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類は、下記一般式(3)で表される。
式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示し、且つ、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えないものが挙げられる。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。
好ましいR1、R2、R3、R4及び隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して新たに形成される炭素環の具体例等は上記一般式(1a)又は(1b)と同様である。
好ましいR1、R2、R3、R4及び隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して新たに形成される炭素環の具体例等は上記一般式(1a)又は(1b)と同様である。
一般式(3)で表される化合物である3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類の具体例としては、例えば、
6−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
6,8−ジメチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7,8−ジメチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−エチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−プロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−プロペニル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ブチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ペンチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(4−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ヘキシル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
6−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
6,8−ジメチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7,8−ジメチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−エチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−プロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−プロペニル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ブチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ペンチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(4−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ヘキシル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましい一般式(3)で表される化合物としては、例えば、
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−エチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−プロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−イソプロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、7−(2−プロペニル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ブチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ペンチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(4−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、及び、
7−ヘキシル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン
等が挙げられる。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−エチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−プロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−イソプロピル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、7−(2−プロペニル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ブチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルブチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−ペンチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(2−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(3−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、
7−(4−メチルペンチル)−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、及び、
7−ヘキシル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン
等が挙げられる。
更に好ましい一般式(3)で表される化合物としては、例えば7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン等が挙げられる。この化合物は、海のイメージを想起させるマリンノートを構成することができる数少ない香料の一つとして汎用されている化合物である。
本発明は更に、上記一般式(5)で表される化合物と上記一般式(6)で表される化合物とから、一般式(3)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を1ステップで製造する方法を提供する。この反応式を次のスキーム3に示す。
<スキーム3>
<スキーム3>
即ち、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物とを、炭酸ナトリウムの存在下で反応させることにより一ステップで収率良く一般式(3)で表される環状化合物、即ち3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を合成する方法である。炭酸ナトリウムは、上記したように無水炭酸ナトリウムでも、水和物でもよいが、微細な粉末とする方が更に好ましい
炭酸ナトリウムの使用量は、一般式(5)で表される化合物に対して、モル比で約0.7〜7倍、好ましくは約1.2〜6倍の範囲から適宜選択されるが、通常は約1.2〜3倍モル程度が好ましく用いられる。また、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物の使用量は、モル比で通常、1:1〜1:1.5の範囲から適宜選択される。本反応には、所望によっては公知の反応促進剤、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムのようなヨウ素塩類や相間移動触媒等を添加することもできる。反応促進剤の使用量は、1,3−ジハロアセトン類に対して0.01〜1.0モル、好ましくは0.05〜0.25モルの範囲から適宜選択される。
炭酸ナトリウムの使用量は、一般式(5)で表される化合物に対して、モル比で約0.7〜7倍、好ましくは約1.2〜6倍の範囲から適宜選択されるが、通常は約1.2〜3倍モル程度が好ましく用いられる。また、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物の使用量は、モル比で通常、1:1〜1:1.5の範囲から適宜選択される。本反応には、所望によっては公知の反応促進剤、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムのようなヨウ素塩類や相間移動触媒等を添加することもできる。反応促進剤の使用量は、1,3−ジハロアセトン類に対して0.01〜1.0モル、好ましくは0.05〜0.25モルの範囲から適宜選択される。
反応に用いられる溶媒としては、本反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。好ましい溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。
反応溶液の濃度は、希薄な方が分子間反応による鎖状ポリマーの生成を防げるが、工業的な見地からは、濃厚な方が経済的に有利である。通常は溶媒と基質の重量比で約3:1〜約200:1、好ましくは、約5:1〜約50:1の範囲から適宜選択される。
反応温度は、通常約30〜160℃、好ましくは約40〜100℃の範囲である。反応時間は、約1〜20時間程度、好ましくは約5〜10時間程度である。
本反応は空気中で行うこともできるが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
この方法で使用される一般式(5)で表されるカテコール類及び一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類は、上記で説明したものと同じである。
反応溶液の濃度は、希薄な方が分子間反応による鎖状ポリマーの生成を防げるが、工業的な見地からは、濃厚な方が経済的に有利である。通常は溶媒と基質の重量比で約3:1〜約200:1、好ましくは、約5:1〜約50:1の範囲から適宜選択される。
反応温度は、通常約30〜160℃、好ましくは約40〜100℃の範囲である。反応時間は、約1〜20時間程度、好ましくは約5〜10時間程度である。
本反応は空気中で行うこともできるが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
この方法で使用される一般式(5)で表されるカテコール類及び一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類は、上記で説明したものと同じである。
以上のように、本発明によれば、
(1)温和な反応条件で炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトン類を反応させて、一般式(1)で表される新規なベンゾジオキサン誘導体を得、更にこの化合物を同様な反応条件下で反応させることにより、
或いは、
(2)炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトン類を反応させ、一般式(1)で表される中間化合物を単離精製すること無く、反応を継続することにより、1ステップで、
例えば、マリンノートを有する香料として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができる。即ち、本発明によれば、複数の反応工程を必要とする既存の方法と比較して、穏和な条件で1工程又は2工程で収率良く、香料成分として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができるので、既存の方法と比べて極めて有利であり、効率的且つ経済的に3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができる。
(1)温和な反応条件で炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトン類を反応させて、一般式(1)で表される新規なベンゾジオキサン誘導体を得、更にこの化合物を同様な反応条件下で反応させることにより、
或いは、
(2)炭酸ナトリウムの存在下、カテコール類と1,3−ジハロアセトン類を反応させ、一般式(1)で表される中間化合物を単離精製すること無く、反応を継続することにより、1ステップで、
例えば、マリンノートを有する香料として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができる。即ち、本発明によれば、複数の反応工程を必要とする既存の方法と比較して、穏和な条件で1工程又は2工程で収率良く、香料成分として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができるので、既存の方法と比べて極めて有利であり、効率的且つ経済的に3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができる。
本発明の製造方法によれば、香料成分として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3-オン類を1工程若しくは2工程で製造することができるので、複数の反応工程を必要とする既存の製造方法と比較して極めて有利であり、効率的且つ経済的に3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造することができる点に顕著な効果を奏する。また、本発明は、香料成分として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を穏和な条件で効率的に製造するための有用な中間体を提供するものである。
以下に、実施例及び参考例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではなく、また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、実施例中において用いられる測定機器及び測定条件を以下に示す。
(1)赤外線吸収スペクトル(IR):Nicolet FT−IR AVATAR 3 60
neat、NaCl、film
(2)核磁気共鳴スペクトル(NMR)
機器1):AMX−500(500MHz)(ブルーカー社製)
内部標準物質:テトラメチルシラン(CDCl3)
(3)マススペクトル(MS)
機器:TRIO―1000(VG社製)
カラム:BC WAX (0.25mm×60m)
キャリアーガス:ヘリウム
測定温度:70℃−220℃(4℃/分昇温)
(4)ガスクロマトグラフィー(GC)
機器:HP―5890A(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP―20M (0.25mm×25m)
(ヒューレットパッカード社製)
キャリアーガス:ヘリウム
測定温度:55℃−215℃(4℃/分昇温)
検出器:水素炎イオン検出器
(1)赤外線吸収スペクトル(IR):Nicolet FT−IR AVATAR 3 60
neat、NaCl、film
(2)核磁気共鳴スペクトル(NMR)
機器1):AMX−500(500MHz)(ブルーカー社製)
内部標準物質:テトラメチルシラン(CDCl3)
(3)マススペクトル(MS)
機器:TRIO―1000(VG社製)
カラム:BC WAX (0.25mm×60m)
キャリアーガス:ヘリウム
測定温度:70℃−220℃(4℃/分昇温)
(4)ガスクロマトグラフィー(GC)
機器:HP―5890A(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP―20M (0.25mm×25m)
(ヒューレットパッカード社製)
キャリアーガス:ヘリウム
測定温度:55℃−215℃(4℃/分昇温)
検出器:水素炎イオン検出器
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサンの合成
炭酸ナトリウム20.57g(0.194mol)及びヨウ化カリウム3.4g(0.02mol)をメチルエチルケトン510mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気下、激しい撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン20.32g(0.160mol)、カテコール15.0g(0.136mol)及びメチルエチルケトン80mlを混合した溶液を80℃の加熱還流下で1時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で10時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して黒褐色油状物35gを得た。得られた油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン17gを得た(GC純度:80%)。これを更に溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、純粋な2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサンを得た。純粋な生成物のスペクトルデータは以下の通りである。
IR(neat,NaCl,cm−1):3372, 2967, 1598, 1495, 1464, 1262, 1141, 1107, 1083, 1045, 947, 842, 752。
MS(m/e,20eV): 200(M+),202(M++2)
52, 63, 65, 77, 81, 95, 109, 110, 121, 123, 151, 165, 183。
1H−NMR(CDCl3,500MHz,ppm): 3.71( 1H, d, J=11.9Hz),
3.76( 1H, d, J=11.9Hz), 4.08( 1H, d, J=11.2Hz),
4.16( 1H, d, J=11.2Hz), 6.89-6.96( 4H, m)。
13C−NMR(CDCl3,500MHz,ppm): 46.19, 67.23, 92.86, 117.17,
117.66, 122.3, 122.7, 140.97, 141.87。
炭酸ナトリウム20.57g(0.194mol)及びヨウ化カリウム3.4g(0.02mol)をメチルエチルケトン510mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気下、激しい撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン20.32g(0.160mol)、カテコール15.0g(0.136mol)及びメチルエチルケトン80mlを混合した溶液を80℃の加熱還流下で1時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で10時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して黒褐色油状物35gを得た。得られた油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン17gを得た(GC純度:80%)。これを更に溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、純粋な2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサンを得た。純粋な生成物のスペクトルデータは以下の通りである。
IR(neat,NaCl,cm−1):3372, 2967, 1598, 1495, 1464, 1262, 1141, 1107, 1083, 1045, 947, 842, 752。
MS(m/e,20eV): 200(M+),202(M++2)
52, 63, 65, 77, 81, 95, 109, 110, 121, 123, 151, 165, 183。
1H−NMR(CDCl3,500MHz,ppm): 3.71( 1H, d, J=11.9Hz),
3.76( 1H, d, J=11.9Hz), 4.08( 1H, d, J=11.2Hz),
4.16( 1H, d, J=11.2Hz), 6.89-6.96( 4H, m)。
13C−NMR(CDCl3,500MHz,ppm): 46.19, 67.23, 92.86, 117.17,
117.66, 122.3, 122.7, 140.97, 141.87。
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサンからの3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
窒素雰囲気下、炭酸ナトリウム3.0g(0.0283mol)、ヨウ化カリウム0.48g(0.003mol)、及び実施例1で得られた2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン4.0g(0.016mol;純度80%)をアセトン87mlに懸濁した。この懸濁液を窒素雰囲気中で激しく撹拌下、7時間加熱還流反応させた。反応混合物を室温まで冷却し、沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して、粗生成物として赤褐色油状物を3.72g得た。得られた粗生成物をbp:74℃/0.15torr(20Pa)で真空蒸留して、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン1.9gを得た。
m.p.:36℃(ジイソプロピルエーテルから再結晶したもの)。
MS(20eV,m/e): 164(M+)
52, 63, 80, 94, 108, 121, 136。
1H−NMR(CDCl3,ppm): 4.71( 4H, s), 6.96-7.02( 4H, m)。
窒素雰囲気下、炭酸ナトリウム3.0g(0.0283mol)、ヨウ化カリウム0.48g(0.003mol)、及び実施例1で得られた2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−1,4−ベンゾジオキサン4.0g(0.016mol;純度80%)をアセトン87mlに懸濁した。この懸濁液を窒素雰囲気中で激しく撹拌下、7時間加熱還流反応させた。反応混合物を室温まで冷却し、沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して、粗生成物として赤褐色油状物を3.72g得た。得られた粗生成物をbp:74℃/0.15torr(20Pa)で真空蒸留して、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン1.9gを得た。
m.p.:36℃(ジイソプロピルエーテルから再結晶したもの)。
MS(20eV,m/e): 164(M+)
52, 63, 80, 94, 108, 121, 136。
1H−NMR(CDCl3,ppm): 4.71( 4H, s), 6.96-7.02( 4H, m)。
2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサンの合成
炭酸ナトリウム6.00g(0.057mol)及びヨウ化カリウム1.00g(0.006mol)をアセトン150mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、激しい撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン5.95g(0.047mol)、4−メチルカテコール5.00g(0.040mol)及びアセトン25mlを混合した溶液を56℃の加熱還流下に3時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で1時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物8.92gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ等モルの2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサンを7.69g(0.036mol)得た(収率:88.95%)。
スペクトルデータから、これらは2−ヒドロキシ−2−クロロメチル体及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル体の1:1混合物であり、分子内ヘミケタール構造を有する誘導体であった。
IR(neat,cm−1): 3436, 1600, 1509, 1425, 1275, 1200, 1075, 1050,
950, 810。
1H−NMR(CDCl3,ppm): 2.26及び2.26*( 3H, s),
3.70 及び3.71( 1H, d, J=11.9Hz), 3.76及び3.76*( 1H, d, J=11.9Hz),
3.81及び3.84( 1H, brs), 4.06及び4.06*( 1H, d, J=11.0Hz),
4.13及び4.14( 1H, d, J=11.0Hz), 6.70及び6.72( 1H, dd, J=8.2,1.8Hz),
6.74及び6.76( 1H, d, J=1.8Hz), 6.81及び6.83( 1H, d, J=8.2Hz)。
(*印は、これらの化学シフトの差が0.01ppmよりも小さいことを示す。)
13C−NMR(CDCl3,ppm): 20.6及び20.7, 46.28及び46.3, 67.4,
92.7及び92.9, 116.8及び117.3, 117.5及び118.0, 122.8及び123.2,
132.0及び132.5, 138.7及び139.6, 140.6及び141.5。
MS m/e(%): 214(100,M+),216(53,M++2)
66(60), 77(54), 91(42), 95(44), 109(79), 123(100), 124(100),
135(44), 178(3)。
炭酸ナトリウム6.00g(0.057mol)及びヨウ化カリウム1.00g(0.006mol)をアセトン150mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、激しい撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン5.95g(0.047mol)、4−メチルカテコール5.00g(0.040mol)及びアセトン25mlを混合した溶液を56℃の加熱還流下に3時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で1時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物8.92gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ等モルの2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサンを7.69g(0.036mol)得た(収率:88.95%)。
スペクトルデータから、これらは2−ヒドロキシ−2−クロロメチル体及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル体の1:1混合物であり、分子内ヘミケタール構造を有する誘導体であった。
IR(neat,cm−1): 3436, 1600, 1509, 1425, 1275, 1200, 1075, 1050,
950, 810。
1H−NMR(CDCl3,ppm): 2.26及び2.26*( 3H, s),
3.70 及び3.71( 1H, d, J=11.9Hz), 3.76及び3.76*( 1H, d, J=11.9Hz),
3.81及び3.84( 1H, brs), 4.06及び4.06*( 1H, d, J=11.0Hz),
4.13及び4.14( 1H, d, J=11.0Hz), 6.70及び6.72( 1H, dd, J=8.2,1.8Hz),
6.74及び6.76( 1H, d, J=1.8Hz), 6.81及び6.83( 1H, d, J=8.2Hz)。
(*印は、これらの化学シフトの差が0.01ppmよりも小さいことを示す。)
13C−NMR(CDCl3,ppm): 20.6及び20.7, 46.28及び46.3, 67.4,
92.7及び92.9, 116.8及び117.3, 117.5及び118.0, 122.8及び123.2,
132.0及び132.5, 138.7及び139.6, 140.6及び141.5。
MS m/e(%): 214(100,M+),216(53,M++2)
66(60), 77(54), 91(42), 95(44), 109(79), 123(100), 124(100),
135(44), 178(3)。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)及びヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)をアセトン60mlに加えた。この混合物に窒素雰囲気下、激しい撹拌下で、2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサンの混合物3.68g(0.017mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を56℃の加熱還流下で4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物3.69gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.58g(0.014mol)を得た(収率:84.45%)。
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)及びヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)をアセトン60mlに加えた。この混合物に窒素雰囲気下、激しい撹拌下で、2−ヒドロキシ−2−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサン及び3−ヒドロキシ−3−クロロメチル−6−メチル−1,4−ベンゾジオキサンの混合物3.68g(0.017mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を56℃の加熱還流下で4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物3.69gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.58g(0.014mol)を得た(収率:84.45%)。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)及びヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)をアセトン60mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン3.68g(0.029mol)、4−メチルカテコール3.00g(0.024mol)及びアセトン10mlを混合した溶液を56℃の加熱還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物3.69gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.58g(0.014mol)を得た(収率=59.91%)。
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)及びヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)をアセトン60mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、撹拌下で、1,3−ジクロロアセトン3.68g(0.029mol)、4−メチルカテコール3.00g(0.024mol)及びアセトン10mlを混合した溶液を56℃の加熱還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物3.69gを得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.58g(0.014mol)を得た(収率=59.91%)。
比較例1〜5
実施例5において、炭酸ナトリウムの代わりに下記表1に示す塩を用いた以外は実施例5と同様にして反応を行った。結果を表1に併せて示す。
実施例5において、炭酸ナトリウムの代わりに下記表1に示す塩を用いた以外は実施例5と同様にして反応を行った。結果を表1に併せて示す。
この結果、本発明の炭酸ナトリウムの使用が、この反応を極めて特異的に進行させるものであることがわかる。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
無水炭酸ナトリウム69.58g(0.656mol,200mesh)、ヨウ化カリウム8.17g(0.049mol)及び4-メチルカテコール40.74g(0.328mol)をメチルエチルケトン1804mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3-ジクロロアセトン50.0g(0.394mol)及びメチルエチルケトン164mlを混合した溶液を加熱還流下、150分かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で100分間還流反応させ、反応混合物を10℃まで冷却した後、濾過助剤を通して濾過した。濾液を60℃/100torr(13332Pa)で減圧蒸留した。残渣に水100ml、トルエン200g、20%塩化ナトリウム溶液100ml及び酢酸5.0gを順次加えた。この混合物を撹拌して有機相を分離し、20%塩化ナトリウム溶液(100ml)で洗浄した。有機相を減圧下(30mmHg)で蒸留し、残渣94.0gを得た。残渣を更に蒸留し、粗生成物79.23gを得た。得られた粗生成物を更に77.5−84℃/0.3−0.15torr(40−20Pa)で蒸留し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン49.48g(純度:90.11%、収率:76.24%)を得た。
無水炭酸ナトリウム69.58g(0.656mol,200mesh)、ヨウ化カリウム8.17g(0.049mol)及び4-メチルカテコール40.74g(0.328mol)をメチルエチルケトン1804mlに懸濁した懸濁液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3-ジクロロアセトン50.0g(0.394mol)及びメチルエチルケトン164mlを混合した溶液を加熱還流下、150分かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で100分間還流反応させ、反応混合物を10℃まで冷却した後、濾過助剤を通して濾過した。濾液を60℃/100torr(13332Pa)で減圧蒸留した。残渣に水100ml、トルエン200g、20%塩化ナトリウム溶液100ml及び酢酸5.0gを順次加えた。この混合物を撹拌して有機相を分離し、20%塩化ナトリウム溶液(100ml)で洗浄した。有機相を減圧下(30mmHg)で蒸留し、残渣94.0gを得た。残渣を更に蒸留し、粗生成物79.23gを得た。得られた粗生成物を更に77.5−84℃/0.3−0.15torr(40−20Pa)で蒸留し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン49.48g(純度:90.11%、収率:76.24%)を得た。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
炭酸ナトリウム2.12g(0.02mol)、ヨウ化カリウム0.249g(0.0015mol)及びシクロヘキサノン80mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジクロロアセトン1.52g(0.012mol)、4−メチルカテコール1.24g(0.010mol)及びシクロヘキサノン10mlを混合した溶液を加熱還流下、95分かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で4時間還流反応させた後、室温まで冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、以下実施例6と同様にして後処理を行ない、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンを収率75.25%で得た。
炭酸ナトリウム2.12g(0.02mol)、ヨウ化カリウム0.249g(0.0015mol)及びシクロヘキサノン80mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジクロロアセトン1.52g(0.012mol)、4−メチルカテコール1.24g(0.010mol)及びシクロヘキサノン10mlを混合した溶液を加熱還流下、95分かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気下で4時間還流反応させた後、室温まで冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、以下実施例6と同様にして後処理を行ない、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンを収率75.25%で得た。
7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)、ヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)及びアセトン97.5mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジブロモアセトン6.26g(0.029mol)及び4−メチルカテコール3.00g(0.024mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を加熱還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気中、撹拌下で8時間56℃で還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物を得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.84gを得た(収率:65.95%)。
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)、ヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)及びアセトン97.5mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジブロモアセトン6.26g(0.029mol)及び4−メチルカテコール3.00g(0.024mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を加熱還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気中、撹拌下で8時間56℃で還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物を得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.84gを得た(収率:65.95%)。
3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンの合成
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)、ヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)及びアセトン60mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジクロロアセトン3.68g(0.029mol)及びカテコール2.64g(0.024mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気中で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物を得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.38g(0.014mol)を得た(収率:60.47%)。
炭酸ナトリウム5.12g(0.048mol)、ヨウ化カリウム0.60g(0.004mol)及びアセトン60mlを混合した溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下に、1,3−ジクロロアセトン3.68g(0.029mol)及びカテコール2.64g(0.024mol)をアセトン10mlに溶解した溶液を還流下、4時間かけて滴下した。滴下後、反応混合物を窒素雰囲気中で8時間還流反応させた後、冷却した。反応混合物から沈殿した無機塩を濾去し、濾液を減圧蒸留して暗色油状物を得た。得られた暗色油状物を溶離液としてジクロロメタンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン2.38g(0.014mol)を得た(収率:60.47%)。
実施例9において、カテコールの代わりに下記の表2に示すカテコール類を用いた以外は、実施例9と同様にして反応を行った結果を、実施例10の(1)、実施例10の(2)、及び実施例10の(3)として次の表2に示す。
この結果、一般式(5)で表されるカテコール類として各種の置換基を有するカテコール誘導体を使用しても同等な結果が得られることがわかる。
本発明によれば、合成香料や医薬品などの中間体等として有用な3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を穏和な条件で1工程又は2工程で、効率的且つ経済的に製造することができる。特に、近時注目を集めているマリンノートを有する香料として有用な7−メチル−3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オンを効率的且つ経済的に製造することができ、産業に貢献するところ極めて大である。
Claims (14)
- 次の一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、次の一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造し、次いで、前記一般式(1)で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法。 - 次の一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、次の一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)
で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を1ステップで製造する方法。 - 次の一般式(5)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。)
で表されるカテコール類と、次の一般式(6)
(式中、2つのXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,3−ジハロアセトン類とを、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造する方法。 - 一般式(6)で表される1,3−ジハロアセトン類において、Xで示されるハロゲン原子が、塩素原子又は臭素原子である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 一般式(5)で表されるカテコール類において、R1とR4が水素原子であり、且つ、R2とR3の何れか一方が水素原子で、他方がアルキル基又はアルケニル基である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルケニル基を示す。但し、R1、R2、R3、及びR4に含まれる炭素数の和は10を超えない。また、隣接する2つのアルキル基又はアルケニル基が共に結合して炭素環を形成していてもよい。Y1、Y2、Z1、Z2は、Y1が水素原子の場合はZ1は水素原子であり、Y2は水酸基でZ2は−CH2−X基であり、又は、Y2が水素原子の場合はZ2は水素原子であり、Y1は水酸基でZ1は−CH2−X基である。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で表される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を、炭酸ナトリウムの存在下に反応させて、次の一般式(3)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は前記と同じ。)で表される3,4−ジヒドロ(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン類を製造する方法。 - 一般式(1a)又は一般式(1b)において、Xで示されるハロゲン原子が、塩素原子又は臭素原子である、請求項8に記載の方法。
- 一般式(1a)又は一般式(1b)において、R1とR4が水素原子であり、且つ、R2とR3の何れか一方が水素原子で、他方がアルキル基又はアルケニル基である請求項7又は8に記載の方法。
- 一般式(1)における、Xで示されるハロゲン原子が、塩素原子又は臭素原子である、請求項11又は12に記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体。
- 一般式(1)における、R1とR4が水素原子であり、且つ、R2とR3の何れか一方が水素原子で、他方がアルキル基又はアルケニル基である請求項11〜13のいずれかに記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| EP20020292421 EP1405851A1 (en) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | Method for producing seven-membered diether compounds and intermediates thereof |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004123748A true JP2004123748A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=31985148
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003342832A Pending JP2004123748A (ja) | 2002-10-02 | 2003-10-01 | 7員環ジエーテル化合物の製造方法及びその中間体 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP1405851A1 (ja) |
| JP (1) | JP2004123748A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010540646A (ja) * | 2007-10-01 | 2010-12-24 | コルゲート・パーモリブ・カンパニー | 抗菌ピロカテコール類及び関連する方法 |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1865937A1 (en) | 2005-03-18 | 2007-12-19 | Colgate-Palmolive Company | Antibacterial 5',5-disubstituted 3,3'-dialkoxy-2,2'-dihydroxy- 1,1'-biphenyl compounds and related methods |
| US8425881B2 (en) | 2005-03-18 | 2013-04-23 | Colgate-Palmolive Company | Antibacterial 3′,5-disubstituted 2,4′-dihydroxybiphenyl compounds, derivatives and related methods |
| EP1891984A1 (en) * | 2006-08-24 | 2008-02-27 | Graftys | Macroporous and highly resorbable apatitic calcium-phosphate cement |
| DE102007055124A1 (de) | 2007-11-19 | 2009-05-20 | Symrise Gmbh & Co. Kg | 7-(3-Methylbut-2-en-1-yl)-2H-1,5-benzodioxepin-3(4H)-on als Riechstoff |
| US9290473B2 (en) | 2009-01-12 | 2016-03-22 | Coucil Of Scientific & Industrial Research | Inhibitors of phosphatidylinositol-3-kinase (PI3) and inducers of nitric oxide (NO) |
| GB201002216D0 (en) | 2010-02-10 | 2010-03-31 | Givaudan Sa | Compounds |
| DE102011116165A1 (de) | 2011-10-14 | 2013-04-18 | Merck Patent Gmbh | Benzodioxepin-3-on-Verbindungen |
| CN102584781B (zh) * | 2012-02-20 | 2014-04-09 | 武汉理工大学 | 一种西瓜酮的制备与纯化方法 |
| CN103058984B (zh) * | 2012-12-26 | 2015-01-07 | 淮安万邦香料工业有限公司 | 西瓜酮的合成方法 |
| CN106008449A (zh) * | 2016-07-19 | 2016-10-12 | 福建工程学院 | 一种西瓜酮的廉价合成方法 |
| CN113248467A (zh) * | 2021-04-08 | 2021-08-13 | 中南大学 | 一种西瓜酮的制备方法 |
| CN114292256B (zh) * | 2022-01-12 | 2023-07-04 | 江苏恒沛药物科技有限公司 | 一种适用于工业化生产的西瓜酮粗品制备方法及提纯方法 |
| WO2024052739A1 (en) * | 2022-09-08 | 2024-03-14 | Ambernath Organics Pvt. Ltd. | Method for the synthesis of benzodioxepinone compounds and intermediates thereof |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3907793A (en) * | 1972-05-01 | 1975-09-23 | Merck & Co Inc | 3-Hydroxy-3-morpholino-loweralkyl-3,4-dihydro-2H-1,5-benzodioxepin products |
-
2002
- 2002-10-02 EP EP20020292421 patent/EP1405851A1/en not_active Withdrawn
-
2003
- 2003-10-01 JP JP2003342832A patent/JP2004123748A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010540646A (ja) * | 2007-10-01 | 2010-12-24 | コルゲート・パーモリブ・カンパニー | 抗菌ピロカテコール類及び関連する方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP1405851A1 (en) | 2004-04-07 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0045118B1 (en) | Intermediates for the synthesis of bicyclo (2,2,1) heptanes and bicyclo (2,2,1) hept-2z-enes | |
| JP2004123748A (ja) | 7員環ジエーテル化合物の製造方法及びその中間体 | |
| HUT67406A (en) | Process for producing biphenyl derivatives | |
| HU199378B (en) | New process for producing /3,4-dialkoxy-2-hydroxy-6-methylphenyl/-alkanol derivatives by reduction of esters | |
| US4097531A (en) | Substituted cyclopropane process and product | |
| KR20050074613A (ko) | 디(케텐 아세탈)의 제조 방법 | |
| Elachqar et al. | Synthesis of heterocyclic α-aminophosphonic acids | |
| JP2018145120A (ja) | イソサミジン類縁体およびサミジン類縁体の製造方法 | |
| JP2001226306A (ja) | 2(3)−シクロペンタデセンー1−オンの製造方法 | |
| Chang et al. | One-pot synthesis of benzofused 8-oxabicyclo [3.3. 1] nonanes via GaCl 3-mediated cyclocondensation of o-allylbenzaldehydes and 1, 3-dicarbonyl synthons | |
| KR102051783B1 (ko) | 3,10-이치환 벤조풀벤 유도체의 신규 합성방법 | |
| JP2004506628A (ja) | ビタミンeの調製に用いるための中間体 | |
| JP4673611B2 (ja) | ムスコンの製造方法及びその中間体 | |
| EP0428460B1 (fr) | Nouveaux diénoxysilanes, leur procédé d'obtention, et nouveaux aldéhydes alpha-éthyléniques alpha-halogénés auxquels ils donnent accès | |
| JPH11255759A (ja) | 光学活住β−ラクトン類の製造方法 | |
| FR2643636A1 (fr) | Procede de preparation de lactones (alpha)-alkylidene substituees a partir de lactones (alpha)-acetyl substituees | |
| KR100449310B1 (ko) | 2-데옥시-l-리보스의 제조방법 | |
| JPH07267968A (ja) | (z)−3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オンの製造法 | |
| JP4090445B2 (ja) | 光学活性な2,3−ジヒドロ−4−ピリドン化合物の合成方法 | |
| CA1155455A (en) | Intermediates in the preparation of cyclopropanecarboxylate esters and process for their manufacture | |
| PL167443B1 (pl) | Sposób wytwarzania nowych acetali (Z)-3,7-dimetylo-4-okten-1-alu | |
| WO2001074764A1 (en) | Intermediates for vitamin d and processes for the preparation thereof | |
| JP2008013506A (ja) | フラン誘導体の製造方法 | |
| JP2711762B2 (ja) | ビシクロ[8.3.0]トリデカ−9,13−ジエン−2,7−ジイン誘導体 | |
| JP2001322965A (ja) | 光学活性ムスコンの製法及び新規中間体 |
