JP2004123738A - 徐放性製剤 - Google Patents

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Yoko Akiyama
秋山 洋子
Yukihiro Matsumoto
松本 行浩
Satoru Oi
大井  悟
Nobuhiro Suzuki
鈴木 伸宏
Shigetoshi Tsuboya
坪谷 重利
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Abstract

【課題】ジペプチジルペプチダーゼ-IV活性を適度に阻害でき、さらに、利便性あるいはコンプライアンスに優れる製剤の提供。
【解決手段】ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬と親水性高分子とを含有する徐放性製剤。
【選択図】なし

Description

 本発明は、糖尿病の予防または治療などに有用なジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬を含有する徐放性製剤に関する。
 ジペプチジルペプチダーゼ−IV(以下、DPP-IVと略記することがある)阻害薬は、血漿中のGLP−1(glucagon-like peptide-1)の不活性化を阻害し、そのインクレチン作用を増強するため、糖尿病治療薬などとして有用である(例えば、特許文献1〜3参照)。
 しかしながら、以下に詳述するように、生体内のDPP-IV活性を強力に阻害することが生体にとって必ずしも好ましくない場合があった。
 例えば、DPP-IV阻害剤がサブスタンスPによる血管拡張作用を増強すること、慢性副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis)患者の鼻粘膜のDPP-IV活性と鼻粘膜における炎症細胞の密度とが逆の相関関係にあり、慢性副鼻腔炎が治療された場合にDPP-IV活性が上昇したことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。したがって、慢性炎症を併発している糖尿病患者においてDPP-IV活性を強く阻害することは、炎症の増悪をもたらすために、好ましくないと考えられる。
 また、GLP-1のDPP−IVによる代謝産物であるGLP-1(9-36)アミドが血糖低下作用を有するため、選択的なDPP−IV活性がグルコースホメオスタシスにおいて重要であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
 さらに、C型肝炎患者のインターフェロン-α治療において、副作用である鬱(depression)や不安(anxiety)の重篤度と血清DPP-IV活性の低下とが相関することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
国際公開第WO02/062764号パンフレット 国際公開第WO01/55105号パンフレット 国際公開第WO02/02560号パンフレット ザ・ファーセブ(The FASEB)、2002年、第16巻、p.1132−1134 アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー・エンドクライノロジー・アンド・メタボリズム(Am J Physiol Endocrinol Metab)、2002年、第282巻、p.E873−E879 モリキュラー・サイカイアトリー(Mol. Psychiatry)、2001年、第6巻、p.475−480
 本発明者らは、生体内のDPP-IV活性を強力に阻害することが生体にとって必ずしも好ましくない場合があるという現況に鑑みて、DPP-IV活性を適度に阻害でき、さらに、利便性あるいはコンプライアンスに優れる製剤の開発が必要であると考えた。
 本発明者らは、DPP-IV活性を適度に阻害でき、1日1回の服用に耐え得る製剤を求めて研究した結果、DPP-IV阻害薬と親水性高分子とを組み合わせることによって、所望の効果を奏する徐放性製剤が得られることを見出し、さらに鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は
1)ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬と親水性高分子とを含有する徐放性製剤;
2)製剤中の親水性高分子の含量が5重量%以上である前記1)記載の徐放性製剤;
3)糖尿病の予防または治療用である前記1)記載の徐放性製剤;
4)血糖低下剤である前記1)記載の徐放性製剤;
5)ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬の放出速度が異なる2種以上のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有製剤を組み合わせてなる医薬;
6)ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬を含有する徐放性製剤とジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬を含有する速放性製剤とを組み合わせてなる前記5)記載の医薬;
7)糖尿病の予防または治療用である前記5)記載の医薬;
8)血糖低下剤である前記5)記載の医薬;
9)投与1時間後に血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤;
10)投与8時間後に血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤;
11)投与後1時間から8時間にわたって、血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤;
12)糖尿病の予防または治療用である前記9)、10)または11)のいずれかに記載の製剤;
13)血糖低下剤である前記9)、10)または11)のいずれかに記載の製剤;
14)哺乳動物に前記9)、10)または11)のいずれかに記載の製剤を投与することを特徴とする、該哺乳動物における糖尿病の治療方法;などに関する。
 本発明の徐放性製剤、医薬およびDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、長時間にわたって、DPP-IV活性を適度に阻害することができる。したがって、該徐放性製剤は、副作用がなく、かつ、1日1回の服用に耐え得るという点において利便性およびコンプライアンスに優れた医薬品(例、糖尿病の予防または治療剤)として有用である。
 本明細書中、DPP-IV阻害薬は、DPP-IV[生化学国際連合命名委員会(IUBMB)による分類:EC3.4.14.5]の酵素活性を阻害する化合物を意味する。該化合物は、ペプチド性または非ペプチド性のいずれであってもよい。
 また、DPP-IV阻害薬は、DPP-IV阻害活性が保持されている限り、その形態が生体内への投与前後で異なっていてもよい。すなわち、DPP-IV阻害薬は、生体内での代謝を受けて構造変化体となった後にDPP-IV阻害活性を有する「活性代謝物」であってもよい。さらに、DPP-IV阻害薬は、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により活性体に変化する「プロドラッグ」であってもよい。
 なお、DPP-IV阻害活性は、例えば後述の実験例に記載する「レイモンド(Raymond)らの方法(ダイアビーティーズ(Diabetes)、47巻、1253−1258頁、1998年)」を利用した方法により確認することができる。
 DPP-IV阻害薬の具体例としては、以下の化合物(1)〜(8)が挙げられる。
(1)WO02/062764に記載された式:
Figure 2004123738
[式中、A環は置換されていてもよい5−10員芳香環を、
およびRは同一または異なって、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、
Xは結合手、−O−、−S−、−SO−、−SO−または−NR−(Rは水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示す)を;
Lは2価の炭化水素基を示す]で表される化合物またはその塩。
 式(I)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
 無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
 有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
 無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
 有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リシン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
 式(I)で表される化合物は、無水和物であっても、水和物であってもよく、さらにプロドラッグであってもよい。
 式(I)で表される化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
(化合物I−a)
 A環が、
1)シアノ基;
2)カルバモイル基またはカルボキシル基でそれぞれ置換されていてもよいC1-10アルキル基(好ましくはエチル)またはC2-10アルケニル基(好ましくはエテニル);
3)置換されていてもよいヒドロキシ基[好ましくは、カルバモイル基、カルボキシル基および炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基(好ましくはメトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基(好ましくはメトキシ、イソプロポキシ);ヒドロキシ基;炭素数7〜13のアラルキルオキシ基(好ましくはベンジルオキシ)][さらに好ましくは、カルバモイルメトキシ];
4)アシル基[好ましくはC1-6アルキル−カルボニル(好ましくはアセチル)、カルバモイル、モノ−またはジ−(ハロゲン原子およびC1-6アルコキシ−カルボニルから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいC1-6アルキル)−カルバモイル(好ましくはメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、トリフルオロエチルカルバモイル、エトキシカルボニルメチルカルバモイルなど)、C3-10シクロアルキル−カルバモイル(好ましくはシクロプロピルカルバモイル)、C7-13アラルキル−カルバモイル(好ましくはベンジルカルバモイル)、ヒドロキシで置換されていてもよい含窒素複素環−カルボニル(好ましくはピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル)、C1-6アルキルスルホニル(好ましくはメチルスルホニル)、C1-6アルキルスルフィニル(好ましくはメチルスルフィニル)、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル(好ましくはメトキシカルボニル)、チオカルバモイル];
5)置換されていてもよいアミノ基(好ましくは、カルバモイルアミノ);
6)置換されていてもよいチオール基[好ましくは、カルバモイル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキルチオ基(好ましくはメチルチオ)];
7)置換されていてもよい複素環基[好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基(好ましくはメチル、トリフルオロメチル)、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(好ましくはエトキシカルボニル)、シアノ基、カルバモイル基、アミノ基、モノ−またはジ−C2-10アルカノイルアミノ基(例、アセチルアミノ、イソペンタノイルアミノ)、C1-10アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ)、カルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1-10アルキル−カルバモイルアミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ、ジメチルカルバモイルアミノ)、C6-14アリール−カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、C3-10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、C7-13アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基、モノ−またはジ−C1-10アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、ジメチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基およびC1-6アルコキシ−カルバモイルアミノ基(例、メトキシカルバモイルアミノ)から選ばれる1ないし2個の置換基をそれぞれ有していてもよい芳香族複素環基(好ましくは、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピロリル、トリアゾリル)または非芳香族複素環基(好ましくは、ジオキソイソインドール、5−オキソオキサジアゾール−3−イル、5−オキソチアジアゾール−3−イル)];
8)アミジノ基;
から選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環;
 R1が炭素数4ないし10のアルキル基(好ましくはイソブチル、ネオペンチル)または炭素数4ないし10のシクロアルキルアルキル基(好ましくはシクロプロピルメチル);
 R2がハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素)およびC1-6アルキル(好ましくはメチル)から選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基(好ましくはフェニル);
 Xが結合手;
 LがC1-10アルキレン(好ましくは−CH2−);である化合物。
(化合物I−b)
 A環が、
1)炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(好ましくはエトキシカルボニル)またはカルバモイル基でそれぞれ置換されていてもよいC1-10アルキル基(好ましくはエチル)またはC2-10アルケニル基(好ましくはエテニル);
2)置換されていてもよいヒドロキシ基[好ましくは、カルバモイル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基(好ましくはメトキシ);さらに好ましくは、カルバモイルメトキシ];
3)アシル基(好ましくはカルバモイル、チオカルバモイル、カルボキシル);
4)置換されていてもよい複素環基[好ましくは、C1-6アルキル基(好ましくはメチル)、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(好ましくはエトキシカルボニル)、シアノ基、カルバモイル基、アミノ基、モノ−またはジ−C2-10アルカノイルアミノ基(例、アセチルアミノ、イソペンタノイルアミノ)、C1-10アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ)、カルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1-10アルキル−カルバモイルアミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ、ジメチルカルバモイルアミノ)、C6-14アリール−カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、C3-10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、C7-13アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基、モノ−またはジ−C1-10アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、ジメチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基およびC1-6アルコキシ−カルバモイルアミノ基(例、メトキシカルバモイルアミノ)から選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよい芳香族複素環基(好ましくは、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピロリル、トリアゾリル)または非芳香族複素環基(好ましくは、5−オキソオキサジアゾール−3−イル)];
から選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環;
 R1が炭素数4ないし10のアルキル基(好ましくはイソブチル、ネオペンチル)または炭素数4ないし10のシクロアルキルアルキル基(好ましくはシクロプロピルメチル);
 R2が1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1ないし10のアルキル基(好ましくはブチル);
 Xが−O−;
 LがC1-10アルキレン(好ましくは−CH2−);である化合物。
 式(I)で表される化合物のなかでも、とりわけ2−[3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−1,3−チアゾール−4−カルボニトリル;
2−[3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸;
2−[3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
2−[3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル;
(E)−3−[3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−2−プロペナミド;
(E)−3−[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]−2−プロペナミド;
3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミド;
2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセタミドなどが好ましい。
(2)WO95/15309などに記載された式:
Figure 2004123738
[式中、fは1または2を;gは0,1または2を;Xは−CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−または−NR−(Rは水素原子またはC1−6アルキル基を示す)を;Rは水素原子、シアノ基、−CHO、−B(OH)、−P(O)(OR)、−CCRまたは−CH=NR (Rは水素原子、フッ素原子、C1−6アルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−COまたは−CORを(Rは前記と同意義を示す);Rはフェニル基、水酸基、−OR、−OCORまたはベンジルオキシ基を(Rは前記と同意義を示す)を示す)を;Aは置換されていてもよいアミノ酸残基を示す]で表される化合物またはその塩。
 式中、Rで示されるC1−6アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.-ブチル、t.-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。
 Aで示される「置換されていてもよいアミノ酸残基」におけるアミノ酸残基としては、α-アミノ酸またはβ-アミノ酸から、これらアミノ酸を構成するカルボキシル基のOHを除去した基が挙げられる。
 ここで、α-アミノ酸としては、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、オルニチン、ホモシステイン等が挙げられる。
 β-アミノ酸としては、例えばβ-アラニン、β-アミノシクロプロパン酸、β-アミノシクロブタン酸、β-アミノシクロペンタン酸、β-アミノシクロヘキサン酸、β-アミノシクロヘプタン酸、β-アミノシクロオクタン酸が挙げられる。該β-アミノ酸は、アミノ酸を構成する炭素鎖中に不飽和結合を有していてもよい。
 上記したα-アミノ酸およびβ-アミノ酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよいが、天然型のL体が好ましい。
 上記アミノ酸残基は、アミノ酸を構成するアミノ基またはアミノ酸側鎖上に1ないし2個の置換基を有していてもよい。
 上記した「アミノ基上の置換基」としては、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいピペリジニル基などが好ましい。
 該「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水素基としては、例えばC1−6アルキル基、C3−12シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−12シクロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C4−12シクロアルカジエニル基、C6−14アリール基(好ましくはフェニル基)、C7−15アラルキル基(好ましくはベンジル基、フェネチル基)、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基などが挙げられる。
 該炭化水素基は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素);シアノ基;アシル基で置換されてもよい水酸基;ヒドロキシメチル基;1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基;置換されていてもよいC6−14アリール基または置換されていてもよい複素環基でモノ−またはジ−置換されてもよいアミノ基が挙げられる。
 ここで「アシル基で置換されてもよい水酸基」におけるアシル基としては、例えば前記した化合物I−aにおけるA環の置換基として例示したアシル基が挙げられる。
 「置換されていてもよいC6−14アリール基」におけるC6−14アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
 また、「置換されていてもよい複素環基」における複素環基としては、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基などが挙げられる。
 該C6−14アリール基および複素環基は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素);シアノ基;ニトロ基;C1−6アルキル基;1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されてもよいC1−6アルコキシ基;カルボキシル基;カルバモイル基;C1−6アルキルスルホニル基(好ましくはメタンスルホニル基);C1−6アルキル基でモノ−またはジ−置換されていてもよいアミノスルホニル基(好ましくはジメチルアミノスルホニル基)などが挙げられる。
 前記「置換されていてもよい炭化水素基」における置換基は、特に好ましくは、5-ニトロ-2-ピリジルアミノ基、5-シアノ-2-ピリジルアミノ基、2−ピリミジルアミノ基、2−ピラジルアミノ基等である。
 前記「置換されていてもよいピペリジニル基」における置換基としては、例えばC1−6アルキル基;ヒドロキシメチル基;前記「置換されていてもよいC6−14アリール基または置換されていてもよい複素環基でモノ−またはジ−置換されてもよいアミノ基」において例示した「置換されていてもよいC6−14アリール基」および「置換されていてもよい複素環基」が挙げられる。置換基の数は、例えば1ないし3個である。
 上記「アミノ酸側鎖上の置換基」としては、例えば置換されていてもよい炭化水素基、水酸基、1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1−10アルコキシ基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
 ここで、「置換されてもよい炭化水素基」における炭化水素としては、例えばC1−10アルキル基、C3−12シクロアルキル基、C2−10アルケニル基、C3−12シクロアルケニル基などが挙げられる。
 該炭化水素基は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばアミノ基、C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(好ましくはアセチルアミノ基)、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、複素環基(好ましくはピリジル)などが挙げられる。
 上記「アシル基」としては、置換されていてもよい含窒素複素環−カルボニル基が好ましい。該「置換されていてもよい含窒素複素環」としては、例えばハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素、臭素)、シアノ基、ニトロ基、1ないし3個のハロゲン原子(好ましくはフッ素)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、トリフルオロメチル基)、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキル基でモノ−またはジ−置換されていてもよいアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基およびC1−6アルキル−オキシカルボニル基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい含窒素複素環(好ましくはピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール等)などが挙げられる。
 上記「置換されてもよいアミノ基」における置換基としては、例えばカルボキシル基、カルバモイル基、C1−6アルキル−オキシカルボニル基および含窒素複素環基(好ましくはピリジル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル基などが挙げられる。これらの置換基は、アミノ酸側鎖上にある、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基などと結合していてもよい。
 式(II)で表される化合物の塩としては、式(I)で表される化合物の塩と同様のものが挙げられる。
 式(II)で表される化合物は、無水和物であっても、水和物であってもよく、さらにプロドラッグであってもよい。
 式(II)で表される化合物の好適な例としては、式
Figure 2004123738
で表される(2S)-1-{{{2-[(5-シアノピリジン-2-イル)アミノ]エチル}アミノ}アセチル}-2-シアノ-ピロリジン (DPP-728)(WO98/19998に記載)、

Figure 2004123738
で表される(2S)-1-{[(3-ヒドロキシ-1-アダマンチル)アミノ]アセチル}-2-シアノ-ピロリジン (LAF237) (WO00/34241に記載)、
(2S)-1-{{{2-[(1-ピリミジン-2-イルピペリジン-4-イル}アミノ}アセチル}-2-シアノ-ピロリジン(WO02/30890に記載)、
(2S)-1-{{{2-[(ピラジン-2-イル)アミノ]エチル}アミノ}アセチル}-2-シアノ-ピロリジン、(S)-1-{1-[5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)-2-ピリジルアミノ]-2-メチル-2-プロピルアミノ}アセチル-2-ピロリジンカルボニトリル (K-361)(WO02/51836に記載)、
などのN-(N'-置換グリシル)-2-シアノ-ピロリジン誘導体;

Figure 2004123738
で表されるL-threo-イソロイシル チアゾリジン (P32/98)、L-allo-イソロイシル チアゾリジン、L-threo-イソロイシル ピロリジン、L-allo-イソロイシル ピロリジン、L-バリル ピロリジンなどのチアゾリジンあるいはピロリジン誘導体(WO01/72290などに記載);などが挙げられる。
(3)WO01/55105に記載されたN-置換 2−シアノピロールおよび2−シアノピロリン誘導体。好ましくは、(S,S)-1-(2-アミノ-3,3-ジメチルブチリル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-2-カルボニトリル。
(4)WO02/02560に記載された複素環化合物。好ましくは、7-ベンジル-8-[6-(ヒドロキシメチル)-1,4-ジアゼパン-1-イル]-1,3-ジメチル-3,7-ジヒドロプリン-2,6-ジオン。
(5)WO01/68603に記載された、シクロプロパンと縮環したピロリジン誘導体。好ましくは、(1S,3S,5S)-2-[(2S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブチリル]-3-シアノ-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン。
(6)WO02/14271に記載されたプロリン誘導体。好ましくは、(2S)-1-[(2S,4S)-4-(3-クロロ-4-シアノフェニル)アミノ-2-ピロリジニルカルボニル]-2-シアノピロリジン。
(7)WO02/38541に記載されたシアノピロリジン誘導体。好ましくは、(2S,4S)-1-[(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタノイル]-2-シアノ-4-フルオロピロリジン、(2S,4S)-2-シアノ-4-フルオロ-1-[(1-ヒドロキシメチル)シクロペンチルアミノ]アセチルピロリジン、(2S,4S)-2-シアノ-4-フルオロ-1-(1-ヒドロキシ-3-アダマンチルアミノ)アセチルピロリジン。
(8)WO02/02560, WO 03/055881, WO 03/040174, WO 03/037327, WO 03/035057, WO 03/035067, WO 03/024942, WO 03/024965, WO 03/004498, WO 03/004496, WO 03/000250, WO 03/002530, WO 03/002531, WO 03/002553, WO 03/000180, WO 03/000181, EP 1258476, WO 0251836, WO 02/68420, US 6432969等に記載された化合物;P93/01など。
 本明細書中、「徐放性製剤」とは、例えば、日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)を、適当な試験液900mLを用いてパドルの回転数100rpmの条件で実施した場合の「試験開始30分後における製剤からの薬物溶出率」が85%未満である製剤を意味する。ここで、試験液としては、例えば、試験液に製剤中の薬物が100%溶出したときの該薬物濃度が、該薬物の飽和溶解度の1/3以下となるような試験液が用いられる。また、試験液としては、製剤技術分野において慣用のもの、例えば水、緩衝液などが用いられる。
 また、本明細書中では、前記と同様の条件下で日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)を実施した場合の、試験開始30分後における製剤からの薬物溶出率が85%以上である製剤を速放性製剤という。
 本発明の「DPP−IV阻害薬と親水性高分子とを含有する徐放性製剤」に関する。該徐放性製剤は、単にDPP−IV阻害薬と親水性高分子とを含有するのみでなく、前記した薬物溶出率を満たすものでなければならない。
 ここで、親水性高分子とは、水を吸収することによりハイドロゲルとなり、製剤中に含まれるDPP−IV阻害薬を拡散させるか、あるいはそれ自身が水に溶解することによりDPP−IV阻害薬の放出を制御できる高分子を意味する。
 該親水性高分子の粘度は、例えば2重量%水溶液の粘度(測定温度:20℃)として、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは4mPa・s以上である。本発明の徐放性製剤においては、基材として用いられる親水性高分子の粘度を調節することによって、該製剤からのDPP−IV阻害薬の放出期間を任意に調節することができる。
 親水性高分子の具体例としては、HPC−SSL(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:2.0〜2.9mPa・s)、HPC−SL(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:3.0〜5.9mPa・s)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:6.0〜10.0mPa・s)、HPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:150〜400mPa・s)、HPC−H(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:1000〜4000mPa・s)などのヒドロキシプロピルセルロース(HPC);
メトローズSB−4(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4mPa・s)、TC−5RW(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約6mPa・s)、TC−5S(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約15mPa・s)、メトローズ60SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約50mPa・s)、メトローズ65SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約50mPa・s)、メトローズ90SH−100(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズ90SH−100SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズ65SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズ90SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズ65SH−1500(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約1500mPa・s)、メトローズ60SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ65SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−4000SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−30000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約30000mPa・s)、メトローズ90SH−100000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約100000mPa・s)、メトローズ90SH−100000SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約100000mPa・s)などのヒドロキシプロピルメチルセルロース;
メトローズSM15(商品名、信越化学工業(株)製)(粘度:約15mPa・s、2重量%水溶液、20℃)、メトローズSM25(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約25mPa・s)、メトローズSM100(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズSM400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズSM1500(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約1500mPa・s)、メトローズSM4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズSM8000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:約8000mPa・s)などのメチルセルロース;
WSR N−12K(商品名、ユニオンカーバイド社製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:400〜800mPa・s)、WSR N−60K(商品名、ユニオンカーバイド社製)(20℃における2重量%水溶液の粘度:2000〜4000mPa・s)、WSR 301(商品名、ユニオンカーバイド社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:1500〜4500mPa・s)、WSR Coagulant(商品名、ユニオンカーバイド社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:4500〜7500mPa・s)、WSR 303(商品名、ユニオンカーバイド社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:7500〜10000mPa・s)、WSR 308(商品名、ユニオンカーバイド社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:10000〜15000mPa・s)などのポリエチレンオキシド;
サンローズF−150MC(商品名、日本製紙社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:1200〜1800mPa・s)、サンローズF−300MC(商品名、日本製紙社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:2500〜3000mPa・s)、サンローズF−1000MC(商品名、日本製紙社製)(25℃における1重量%水溶液の粘度:8000〜12000mPa・s)などのカルボキシメチルセルロースナトリウム;などが挙げられる。これら親水性高分子は、2種類以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
 徐放性製剤中のDPP−IV阻害薬の含量は、DPP−IV阻害薬の種類、製剤の大きさなどによって異なるが、例えば1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%である。
 徐放性製剤中の親水性高分子の含量は、DPP−IV阻害薬の含量、製剤の大きさ、親水性高分子の種類などによって異なるが、例えば5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%である。
 本発明の徐放性製剤の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤(マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤などの経口剤;および坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)などの非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。なかでも、錠剤、カプセル剤、顆粒剤などの経口剤が好ましい。
 本発明の徐放性製剤は、DPP−IV阻害薬と親水性高分子とを混合し、成型することによって製造することができる。ここで、混合および成型は、製剤技術分野において慣用の方法にしたがって行われる。また、上記混合および/または成型の際に、薬理学的に許容される担体を用いてもよい。
 ここで、薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質、例えば賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
 賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
 滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
 結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
 崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
 防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
 抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
 着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ、黄色三二酸化鉄)などが挙げられる。
 甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
 本発明の徐放性製剤に用いられるDPP−IV阻害薬が塩基性である場合、徐放性製剤の溶出挙動の調節を目的として、有機酸を添加してもよい。一般的に、塩基性薬物の溶解度は、中性条件下よりも酸性条件下の方が大きいため、徐放性製剤からの薬物溶出性が環境pHにより異なる場合がある。このような場合、有機酸の使用によって、環境pHによる薬物溶出性の変化を低減することができる。個々の患者において、生体内pHが異なる場合があるため、様々な患者に対して均一な薬効を得るためには、環境pHによる薬物溶出性の変化の低減は、極めて有意義である。
 有機酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。なかでも、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸などが好ましい。
 有機酸の徐放性製剤中の含量は、DPP−IV阻害薬の種類およびその含量、製剤の大きさになどよって異なるが、例えば1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
 本発明の徐放性製剤は、毒性が低く、副作用も少なく、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に対し、各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
 本発明の徐放性製剤は、例えば糖尿病(例、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症)、動脈硬化、耐糖能不全[IGT(Impaired Glucose Tolerance)]、IFG(Impaired Fasting Glucose)、IFG(Impaired Fasting Glycemia)、糖尿病性合併症[例、神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧昏睡、感染症(例、呼吸器感染症、尿路感染症、消化器感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症)、糖尿病性壊疽、口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血行障害]などの予防または治療剤、血糖低下剤などとして用いることができる。
 また、本発明の徐放性製剤は、耐糖能異常、IFG(Impaired Fasting Glucose)またはIFG(Impaired Fasting Glycemia)から糖尿病への進展を防止することもできる。
 さらに、本発明の徐放性製剤は、膵(β細胞)機能改善、膵(β細胞)再生、膵(β細胞)再生促進などにも用いられる。
 DPP−IV阻害薬は、高血糖の患者(例えば、空腹時血糖値が126mg/dl以上または75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値が140mg/dl以上である患者など)において、選択的にインスリン分泌促進作用を発揮する、グルコース依存性インスリン分泌促進剤であるため、本発明の徐放性製剤は、インスリンの弊害である血管合併症や低血糖誘発などの危険性の低い、安全な糖尿病の予防または治療剤として有用である。
 本発明の徐放性製剤の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患などによっても異なるが、例えば成人の糖尿病患者に経口投与する場合、活性成分であるDPP-IV阻害薬を通常1回量として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.05〜30mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜2回投与することが望ましい。また、本発明の徐放性製剤は、生体内におけるDPP-IV阻害薬の作用が少なくとも食前から食後2時間程度(好ましくは食後4時間)までの間継続して得られる時期に投与することが好ましい。
 本発明の徐放性製剤の生体内でのDPP-IV阻害薬放出期間は、好ましくは1ないし24時間、より好ましくは2ないし14時間である。
 通常、DPP-IV阻害薬を糖尿病の予防または治療に用いる場合、DPP-IVの基質であるGLP−1が食物摂取時に分泌されるために、毎食前にDPP-IV阻害薬を服用する必要があるが、本発明の徐放性製剤は、長時間にわたってDPP-IV阻害薬を放出できるため、1日1回の服用でも十分なDPP-IV阻害効果を発揮することができる。
 本発明の徐放性製剤は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、抗血栓剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明の徐放性製剤と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明の徐放性製剤と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。
 併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の徐放性製剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の徐放性製剤の活性成分であるDPP-IV阻害薬1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
 前記糖尿病治療剤としては、例えばインスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1等))、インスリン抵抗性改善剤(例、塩酸ピオグリタゾン、(マレイン酸)ロシグリタゾン、GI−262570、レグリキサン(Reglixane)(JTT−501)、ネトグリタゾン(Netoglitazone)(MCC−555)、YM−440、KRP−297、CS−011、FK−614、ラガグリタザール(Ragaglitazar)(NN−622)、テサグリタザール(Tesaglitazar)(AZ−242)、BMS-298585、EML-16336、WO99/58510に記載の化合物(例えば(E)−4−[4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸))、PPARγアゴニスト、PPARγアンタゴニスト、PPARγ/αデュアルアゴニスト、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミンまたはそれらの塩(例、塩酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤[スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール等)、レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物]、GLP−1受容体アゴニスト[例、GLP−1、NN−2211、AC−2993(exendin−4)、BIM−51077、Aib(8,35)hGLP−1(7,37)NH2]、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド)、フォスフォチロシンフォスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、SB−226552、AJ−9677、BMS−196085、AZ40140)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤、ソマトスタチン受容体アゴニスト)、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095)等が挙げられる。
 糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット、SNK−860、CT−112)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT−3、BDNF、WO01/14372に記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例えば4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールなど))、神経再生促進薬(例、Y−128)、PKC阻害剤(例、LY−333531)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)、EXO−226)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン)が挙げられる。
 抗高脂血症剤としては、コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(例、セリバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩))、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224に記載の化合物、例えばN−[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸など)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート)、ACAT阻害剤(例、アバシマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimibe))、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol))等が挙げられる。
 降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン)、カリウムチャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L-27152、AL 0671、NIP-121)、クロニジン等が挙げられる。
 抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、SB−226552,AJ−9677、BMS−196085、AZ40140)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子))、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849)等が挙げられる。
 利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
 抗血栓剤としては、例えばヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium))、ワルファリン(例、ワルファリンカリウム)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(aragatroban))、血栓溶解薬(例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase))、血小板凝集抑制薬(例、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride))などが挙げられる。
 併用薬剤は、好ましくはインスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)などである。
 本発明は、さらに「DPP-IV阻害薬の放出速度が異なる2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤を組み合わせてなる医薬」に関する。
 ここで、「DPP-IV阻害薬含有製剤」は、DPP-IV阻害薬を含有する製剤であればよく、徐放性製剤であっても速放性製剤であってもよい。また、「DPP-IV阻害薬含有製剤」のDPP−IV阻害薬放出制御機構は、特に限定されず、DPP−IV阻害薬が製剤から受動拡散により放出する製剤、製剤の侵食に伴いDPP−IV阻害薬を放出する製剤、環境pHの変化に応答してDPP−IV阻害薬を放出する製剤、環境水分を取り込むことにより製剤内部が膨張しその内部圧力でDPP−IV阻害薬を放出する製剤、崩壊あるいは溶解により即放出される製剤などのいずれであってもよい。
 ここで、「DPP−IV阻害薬が製剤から受動拡散により放出する製剤」としては、例えば前記した本発明の徐放性製剤[好ましくは、親水性高分子(例、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド)を用いたマトリックス錠]、脂溶性基剤(例、カルナウバロウ、硬化ヒマシ油、硬化ナタネ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル)を用いたマトリックス錠、徐放性基剤(例、エチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名、ロームファルマ社製)〕、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名、ロームファルマ社製)〕などのアクリル酸系高分子)でコーティングされた錠剤あるいは顆粒、などが挙げられる。
 「製剤の侵食に伴いDPP−IV阻害薬を放出する製剤」としては、例えばポリグリコール化グリセリド(例、Gelucire50/13 (商品名、GATTEFOSSE社製)を含有するカプセル剤などが挙げられる。
 「環境pHの変化に応答してDPP−IV阻害薬を放出する製剤」としては、例えば腸溶性基剤(例、メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名、ロームファルマ社製)〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名、ロームファルマ社製)〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名、ロームファルマ社製)〕などのアクリル酸系高分子)でコーティングされた錠剤あるいは顆粒などが挙げられる。
 「環境水分を取り込むことにより製剤内部が膨張しその内部圧力でDPP−IV阻害薬を放出する製剤」としては、例えばオロスシステム(商品名、アルザ社製)などが挙げられる。
 「崩壊あるいは溶解により即放出される製剤」としては、例えばDPP−IV阻害薬と薬理学的に許容される担体とを混合し、成型することによって得られる製剤が挙げられる。ここで、薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の徐放性製剤の場合と同様のものが挙げられる。また、混合および成型は、製剤技術分野において慣用の方法にしたがって行われる。
 本発明の医薬を構成する「2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤」の放出制御機構は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。該「2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤」は、単一製剤であってもよいし、互いに独立した複数個の製剤であってもよい。ここで、単一製剤としては、2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤が封入された単一のカプセル;複数の放出制御部分を有する多層錠(好ましくは二層錠)または有核錠;などが挙げられる。
 本発明の医薬は、DPP-IV阻害薬含有徐放性製剤とDPP-IV阻害薬含有速放性製剤との組み合わせからなることが好ましく、このような組み合わせを採用することによって、投与直後から長期にわたって優れたDPP-IV阻害作用を得ることができる。
 DPP-IV阻害薬含有製剤中のDPP−IV阻害薬の含量は、DPP−IV阻害薬の種類、製剤の大きさなどによって異なるが、例えば1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%である。
 DPP-IV阻害薬含有製剤の剤形は、前記した本発明の徐放性製剤の場合と同様である。
 本発明の医薬は、毒性が低く、副作用も少なく、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に対し、前記した本発明の徐放性製剤と同様の各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
 本発明の医薬の投与形態は、特に限定されず、投与時に2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤が組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、1)2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤の単一製剤としての投与、2)2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤の複数製剤としての同時投与、3)2種以上のDPP-IV阻害薬含有製剤の複数製剤としての時間差をおいての投与などが挙げられる。
 本発明の医薬の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患などによっても異なるが、例えば成人の糖尿病患者に経口投与する場合、活性成分であるDPP-IV阻害薬を通常1回量として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.05〜30mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜2回投与することが望ましい。また、本発明の医薬は、生体内におけるDPP-IV阻害薬の作用が少なくとも食前から食後2時間程度(好ましくは食後4時間)までの間継続して得られる時期に投与することが好ましい。
 本発明の医薬は、前記した本発明の徐放性製剤の場合と同様の併用薬剤と組み合わせて用いてもよい。
 本発明は、さらに、「投与1時間後に血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る、DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」、「投与8時間後に血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る、DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」、「投与12時間後に血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る、DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」、「投与後1時間から8時間にわたって、血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る、DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」、「投与後1時間から12時間にわたって、血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る、DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」などに関する。
 ここで、「血漿中DPP-IV活性」における血漿は、末梢静脈血血漿を意味する。血漿の種類(例えば、静脈、動脈あるいは門脈血漿)によって、DPP-IV活性およびその低下率が異なる場合があるが、末梢静脈血血漿中DPP-IV活性を10ないし90%(好ましくは10ないし85%)低下させ得る放出制御製剤である限り、本発明の「DPP-IV阻害薬含有放出制御製剤」に属する。
 本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、血漿中DPP-IV活性を、10ないし90%、好ましくは10ないし85%、さらに好ましくは10ないし80%、特に好ましくは15ないし75%低下させ得る。
 血漿中DPP-IV活性は、例えば後述の実験例に記載する「レイモンド(Raymond)らの方法(ダイアビーティーズ(Diabetes)、47巻、1253−1258頁、1998年)」を利用した方法により測定することができる。前記した血漿中DPP-IV活性低下率は、通常の誤差範囲内であれば、上記した値(10、15、75、80、85、90%)と異なっていてもよい。さらに、血漿中DPP-IV活性低下率は、血漿中DPP-IV活性の測定法によって、上記した値と異なっていてもよい。例えば、血漿中DPP-IV活性の測定条件の中で、基質の種類、基質濃度、反応時間、あるいは血漿の希釈倍数などが上記文献に記載の方法と異なる場合には、血漿中DPP-IV活性低下率は上記した値よりもさらに大きな値であってもよく、例えば、90%は95%以上の値であってもよい。
 本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤としては、前記した本発明のDPP-IV阻害薬含有製剤のうち、DPP-IV阻害薬の放出が制御された製剤が挙げられる。
 このような製剤としては、前記した本発明の徐放性製剤が好ましい。また、前記した本発明の医薬のうちの「DPP-IV阻害薬含有徐放性製剤とDPP-IV阻害薬含有速放性製剤とを組み合わせてなる医薬」なども好ましい。
 本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、毒性が低く、副作用も少なく、哺乳動物(例、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に対し、前記した本発明の徐放性製剤と同様の各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
 本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患などによっても異なるが、例えば成人の糖尿病患者に経口投与する場合、活性成分であるDPP-IV阻害薬を通常1回量として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.05〜30mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜2回投与することが望ましい。また、本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、生体内におけるDPP-IV阻害薬の作用が少なくとも食前から食後2時間程度(好ましくは食後4時間)までの間継続して得られる時期に投与することが好ましい。
 本発明のDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、前記した本発明の徐放性製剤の場合と同様の併用薬剤と組み合わせて用いてもよい。
 本発明は、以下の参考例、実施例および実験例によって、さらに詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
 また、本明細書中、化合物Aは3-(アミノメチル)-2-イソブチル-1-オキソ-4-フェニル-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-カルボキサミドを、
化合物Bは2-{[3-(アミノメチル)-2-イソブチル-4-フェニル-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-6-イソキノリニル]オキシ}アセトアミド 一水和物を、
化合物CはL-threo-イソロイシル チアゾリジン (P32/98)をそれぞれ意味する。
参考例1
化合物B(150mg)、乳糖(1184mg)、コーンスターチ(360mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(60mg)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(商品名:ECG505、五徳薬品(株)製)(60mg)、結晶セルロース(商品名:アビセル、旭化成工業(株)製)(172mg)およびステアリン酸マグネシウム(14mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
参考例2
化合物Aの製造
 後述の実施例1〜6、8〜10、16および17で用いた化合物Aは、次のようにして製造した。
 化合物A・塩酸塩 (2.04 g, 5 mmol) の水 (20 mL) 溶液に1規定 水酸化ナトリウム (10 mL) を添加し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた結晶を酢酸エチルから再結晶して、化合物A(0.87 g, 82.9%) の結晶を得た。
粉末X線結晶回折のデータ
 回折角:2θ(°)  面間隔:d値(オングストローム)
   5.98        14.8
   7.88        11.2
   8.44        10.5
  17.1          5.19
参考例3
化合物Aの製造
 後述の実施例7および18〜23で用いた化合物Aは、次のようにして製造した。
1) 3-(アミノメチル)-2-イソブチル-1-オキソ-4-フェニル-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-カルボニトリル(0.80 g, 2.4 mmol)、1規定 水酸化ナトリウム水溶液 (0.48 mL, 0.48 mmol)および水 (1.42 mL) の混合物に、ジメチルスルホキシド (2.0 ml) を加え、85℃で1時間攪拌した。反応液を1時間かけて室温まで冷却した後、1時間氷浴中で攪拌した。析出した結晶をろ取し、水 (1 mL) で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、化合物A・1/2ジメチルスルホキシド和物 (0.88 g, 93%) を無色結晶として得た。
2)化合物A・1/2ジメチルスルホキシド和物 (10.0 g, 26 mmol) とメタノール (40 mL) の混合物を60℃で攪拌して溶液を得た。この溶液に60℃で1規定 塩酸 (27 mL) を添加して、溶液のpHを1.5に調整した後、活性炭(0.5 g) を添加し、60℃で10分間攪拌した。活性炭をろ取し、メタノール-水 (2 : 1, 10 mL) で洗浄した。ろ液と洗液を合わせ、60℃で攪拌しながら、5% アンモニア水 (15 mL) を添加して、溶液のpH を7.3に調整した。反応液に水 (1.3 mL) を滴下した後、1時間かけて室温まで冷却し、さらに氷浴中で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、冷却したメタノール-水 (1 : 1, 15 mL) で洗浄した後、50℃で減圧乾燥した。得られた結晶 (10 g) と酢酸エチル (100 mL) との混合物を、75℃で1時間攪拌した。得られる懸濁液を1時間かけて室温まで冷却し、さらに氷浴中で1時間攪拌した。結晶をろ取し、冷却した酢酸エチル (20 mL) で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、化合物A(7.5 g, 85%) を無色結晶として得た。
粉末X線結晶回折のデータ
 回折角:2θ(°)  面間隔:d値(オングストローム)
   8.98         9.84
  10.0          8.82
  16.0          5.55
  17.1          5.19
  22.9          3.88
  24.8          3.59
  25.8          3.46
参考例4
化合物Bの製造
 後述の実施例13〜15で用いた化合物Bは、次のようにして製造した。
 2-{[3-(アミノメチル)-2-イソブチル-4-フェニル-1-オキソ-1,2-ジヒドロ-6-イソキノリニル]オキシ}アセトアミド (1.0 g, 2.6 mmol) をエタノール(10 mL)に加熱溶解させ、水(10 mL)を加えた。その後、化合物Bの種結晶を添加し、室温まで放置した。析出した結晶をろ取し、水で洗浄して、化合物B(0.31 g, 31.0%) の結晶を得た。
元素分析値 C22H25N3O3 H2Oとして
理論値: C, 66.48; H, 6.85; N, 10.57.
実測値: C, 66.51; H, 7.05; N, 10.50.
粉末X線結晶回折のデータ
 回折角:2θ(°)  面間隔:d値(オングストローム)
   7.50        11.78
  11.2          7.89
  13.7          6.46
  14.7          6.04
  18.5          4.80
  19.8          4.47
  20.4          4.35
  27.4          3.25
実施例1
化合物A(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(180mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(720mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例2
化合物A(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(450mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(450mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例3
化合物A(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(720mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(180mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例4
化合物A(100mg)、Polyox WSR303(商品名、ユニオンカーバイド社製)(720mg)およびポリエチレングリコール6000(180mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例5
化合物A(100mg)、Polyox WSR303(商品名、ユニオンカーバイド社製)(450mg)およびポリエチレングリコール6000(450mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例6
化合物A(100mg)、Polyox WSR303(商品名、ユニオンカーバイド社製)(180mg)およびポリエチレングリコール6000(720mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例7
化合物A(300mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(700mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例8
化合物A(78mg)、TC−5S(商品名、信越化学工業(株)製)(47mg)、メトローズ90SH4000(商品名、信越化学工業(株)製)(190mg)およびステアリン酸マグネシウム(2.4mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち243mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例9
化合物A(79mg)、TC−5S(商品名、信越化学工業(株)製)(119mg)、メトローズ90SH4000(商品名、信越化学工業(株)製)(118mg)およびステアリン酸マグネシウム(2.4mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち243mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例10
化合物A(79mg)、TC−5S(商品名、信越化学工業(株)製)(190mg)、メトローズ90SH4000(商品名、信越化学工業(株)製)(47mg)およびステアリン酸マグネシウム(2.4mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち243mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例11
化合物C(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(450mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(450mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例12
化合物C(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(720mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(180mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例13
化合物B(75mg)およびHPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(925mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例14
化合物B(37.5mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(370mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(92.5mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例15
化合物B(37.5mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(231.3mg)およびHPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(231.3mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例16
化合物A(120mg)を約70℃溶融したGelucire50/13(商品名、Gattefosse製)(2280mg)に添加し、攪拌した。得られる混合物のうち400mgを1号ゼラチンカプセルに充填し、室温で24時間放置して固化させた。
実施例17
約90℃で溶融したカルナウバロウ(商品名:ポリシングワックス103、フロイント産業製)(228mg)にGelucire50/13(商品名、Gattefosse製)(2052mg)を添加し、約80℃に保温した。得られる混合物に化合物A(120mg)を添加し、攪拌した。得られる混合物のうち400mgを1号ゼラチンカプセルに充填し、室温で24時間放置して固化させた。
実施例18
化合物A(100mg)、硬化ヒマシ油(商品名:ラブリワックス101、フロイント産業製)(500mg)、クエン酸(100mg)および乳糖(300mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例19
化合物A(100mg)、硬化ヒマシ油(商品名:ラブリワックス101、フロイント産業製)(500mg)、クエン酸(100mg)および乳糖(300mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例20
化合物A(100mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(500mg)、HPC−H(商品名、日本曹達(株)製)(300mg)およびクエン酸(100mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例21
化合物A(300mg)、HPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(400mg)およびクエン酸(300mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例22
化合物A(300mg)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(500mg)およびクエン酸(200mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例23
化合物A(300mg)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(250mg)、HPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(250mg)およびクエン酸(200mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち200mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径8mmの錠剤を得た。
実施例24
化合物B(600mg)、メトローズ65SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(400mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(800mg)、マンニトール(180mg)およびステアリン酸マグネシウム(20mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例25
化合物B(900mg)、メトローズ65SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(600mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(600mg)、マンニトール(840mg)、黄色三二酸化鉄(30mg)およびステアリン酸マグネシウム(30mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例26
化合物B(450mg)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(1020mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例27
化合物B(450mg)、Polyox WSR303(商品名、ユニオンカーバイド社製)(150mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(450mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例28
化合物B(450mg)、メトローズ60SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(150mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(450mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例29
化合物B(450mg)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(225mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(375mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例30
化合物B(900mg)、メトローズ60SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(1200mg)、マンニトール(840mg)、黄色三二酸化鉄(30mg)およびステアリン酸マグネシウム(30mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例31
化合物B(450mg)、メトローズ90SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(300mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(300mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例32
化合物B(450mg)、メトローズ65SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(600mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例33
化合物B(450mg)、メトローズ90SH−100(商品名、信越化学工業(株)製)(600mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例34
化合物B(450mg)、メトローズ65SH−1500(商品名、信越化学工業(株)製)(225mg)、TC5−RW(商品名、信越化学工業(株)製)(375mg)、マンニトール(420mg)、黄色三二酸化鉄(15mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例35
化合物B(900mg)、メトローズ90SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(450mg)、メトローズ60SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(1200mg)、マンニトール(390mg)、黄色三二酸化鉄(30mg)およびステアリン酸マグネシウム(30mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち400mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例36
化合物B(4190mg)、メトローズ90SH−30000(商品名、信越化学工業(株)製)(8000mg)、メトローズSB−4(商品名、信越化学工業(株)製)(2000mg)、結晶セルロース(2000mg)、マンニトール(3570mg)、黄色三二酸化鉄(40mg)およびステアリン酸マグネシウム(200mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち500mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例37
化合物B(2095mg)、メトローズ90SH−100000(商品名、信越化学工業(株)製)(2000mg)、結晶セルロース(2000mg)、マンニトール(3785mg)、黄色三二酸化鉄(20mg)およびステアリン酸マグネシウム(100mg)を乳鉢で混合した。得られる混合物のうち500mgを油圧ポンプ式プレス機(理研精機製)を用いて打錠し、直径11mmの錠剤を得た。
実施例38
化合物B(104.7mg)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(116.6mg)、結晶セルロース(33.3mg)、マンニトール(71.8mg)およびステアリン酸マグネシウム(6.6mg)を含む333mg重量の錠剤を、慣用の方法で調製した。
実験例1
本発明の徐放性製剤を溶出試験により評価した。
すなわち、実施例1〜3で得られた錠剤について、溶出試験(パドル法、0.1%セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)含有日本薬局方崩壊試験法第二液(以下、CTAB含有日局二液と略記する)500mL、回転数100rpm)を行った。結果を[表1]に示す。また、対照群として、化合物Aの粉末について、同様の溶出試験を行ったところ、10分後の溶出率が99%であった。
[表1]
                      
          溶出率(%)
 時間(h) 実施例1 実施例2 実施例3 
   0      0     0     0 
   1      7     10     19
   2     11     17     32
   4     20     31     56
   6     30     43     79
   8     40     57     93
  10     49     69     99
  12     57     76     99
  14     65     84     98
  16     72     90     98
  18     79     93     98  
 上記から本発明の徐放性製剤が優れた徐放性を有することが示された。また、本発明の徐放性製剤に含まれる親水性高分子の配合率を変化させることにより、該製剤の徐放性を調節できることが明らかとなった。
実験例2
本発明の徐放性製剤を溶出試験により評価した。
すなわち、実験例1と同様にして、実施例13で得られた錠剤の溶出試験を行った。結果を[表2]に示す。また、対照群として、参考例1の錠剤について同様の溶出試験を行ったところ、10分後の溶出率が100%であった。
[表2]
              
 時間(h) 溶出率(%) 
   0      0
   1      8
   2     24
   4     53
   6     85   
   8     95
  10     99     
 上記から本発明の徐放性製剤が優れた徐放性を有することが示された。
実験例3
本発明の医薬の血漿中ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害活性をビーグル犬を用いて評価した。
すなわち、実施例13で得られた錠剤1錠、あるいは実施例13で得られた錠剤1錠および参考例1で得られた錠剤1錠を、一晩絶食したビーグル犬に経口投与した。投与前及び投与後0.5、1、2、4、8時間目に前足静脈から採血し、得られたヘパリン血漿中のDPP−IV活性を以下のようにして測定した。
反応はレイモンド(Raymond)らの方法(ダイアビーティーズ(Diabetes)、47巻、1253−1258頁、1998年)に準じて96穴平底プレートを用いて30℃で実施した。水70μL、1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)10μLに、1mMグリシル・プロリル−p−ニトロアニリド(Gly−Pro−p−NA;バッケム社製)水溶液100μLを添加し、混合溶液を調製した。次いで薬剤投与後、経時的に採血した動物血液より常法で調製したサンプル血漿20μlを上記混合溶液に加え、30℃で酵素反応を開始した。0時間および1時間後の吸光度をマイクロプレートリーダー(商品名:マルチスキャン バイクロマティック、ラボシステムズ社製)を用いて波長405nmで測定し、その増加(△ODs)を求めた。同時に、薬剤投与前に採血し、調製した血漿を加えた反応液における吸光度の増加(△ODc)、血漿を含まない反応液における吸光度の増加(△ODb)を求め、薬剤投与前を100%とするDPP−IVの相対酵素活性を、計算式: [(△ODs−△ODb)/(△ODc−△ODb)]×100
により計算した。結果を[表3]に示す。表中の、DPP−IV活性値は、平均値±標準偏差(n=3)を示す。
[表3]
                               
          DPP-IV活性(%)
 時間(h) 実施例13の錠剤 実施例13の錠剤+参考例1の錠剤 
   0     100± 0       100± 0
   0.5     85± 2        37±23
   1      70±18        22± 3
   2      60±14        28± 5
   4      59±13        45± 7
   8      72± 4        63± 8          
 [表3]から、実施例13で得られた本発明の徐放製製剤は、単独投与時あるいは参考例1で得られた速放性製剤との併用投与時に、投与後1時間から8時間にわたって、血漿中DPP−IV阻害活性を28ないし78%低下させ得ることが明らかとなった。
実験例4
有機酸が本発明の徐放性製剤の溶出挙動に及ぼす影響を溶出試験により評価した。
すなわち、実施例7および21で得られた各錠剤について、溶出試験(パドル法、日本薬局方崩壊試験法第一液(以下、日局一液と略記する)500mL、回転数100rpm)を行った。また、溶出液をCTAB含有日局二液とする以外は前記と同様にして、実施例7および21で得られた各錠剤の溶出試験を行った。結果をそれぞれ[表4]および[表5]に示す。
[表4]
                  
         溶出率(%)
 時間(h) 実施例7 実施例21 
   0      0     0    
   1     35     40    
   2     52     58    
   4     81     83    
   6     105    103    
[表5]
                  
         溶出率(%)
 時間(h) 実施例7 実施例21 
   0      0     0    
   1      3     24    
   2      6     34    
   4     13     51    
   6     20     67    
   8     26     78    
  10     32     88    
  14     44     95    
  18     55     95    
 [表4]および[表5]から、有機酸(クエン酸)の添加により、本発明の徐放性製剤の溶出挙動(日局一液およびCTAB含有日局二液における溶出パターン)を調節できることが明らかとなった。
 本発明の徐放性製剤、医薬およびDPP-IV阻害薬含有放出制御製剤は、長時間にわたって、DPP-IV活性を適度に阻害することができる。したがって、該徐放性製剤は、副作用がなく、かつ、1日1回の服用に耐え得るという点において利便性およびコンプライアンスに優れた医薬品(例、糖尿病の予防または治療剤)として有用である。

Claims (14)

  1. ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬と親水性高分子とを含有する徐放性製剤。
  2. 製剤中の親水性高分子の含量が5重量%以上である請求項1記載の徐放性製剤。
  3. 糖尿病の予防または治療用である請求項1記載の徐放性製剤。
  4. 血糖低下剤である請求項1記載の徐放性製剤。
  5. ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬の放出速度が異なる2種以上のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有製剤を組み合わせてなる医薬。
  6. ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬を含有する徐放性製剤とジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬を含有する速放性製剤とを組み合わせてなる請求項5記載の医薬。
  7. 糖尿病の予防または治療用である請求項5記載の医薬。
  8. 血糖低下剤である請求項5記載の医薬。
  9. 投与1時間後に血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤。
  10. 投与8時間後に血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤。
  11. 投与後1時間から8時間にわたって、血漿中ジペプチジルペプチダーゼ−IV活性を10ないし90%低下させ得る、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害薬含有放出制御製剤。
  12. 糖尿病の予防または治療用である請求項9、10または11のいずれかに記載の製剤。
  13. 血糖低下剤である請求項9、10または11のいずれかに記載の製剤。
  14. 哺乳動物に請求項9、10または11のいずれかに記載の製剤を投与することを特徴とする、該哺乳動物における糖尿病の治療方法。
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