JP2004123559A - 不飽和第3級アミンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な反応装置を必要とせず、簡素化合物された工程で、簡便な操作でかつ短時間の反応で不飽和第3級アミンを高収率で得ることができる不飽和第3級アミンの製造方法の提供。
【解決手段】ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる。
【選択図】なし
【解決手段】ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合体の原料モノマーとして有用な不飽和第3級アミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N,N−ジアルキルアミノメチルスチレンは、重合体中に、反応性アミノ基を側鎖に有するリジッドなポリスチレン骨格を導入しうるため、機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合原料モノマーとして有用である。
従来、第3級アミンの一般的な合成方法として、ハロゲン化アルキルと第2級アミンとの反応が知られており、上記重合性ビニル基を有する不飽和第3級アミンであるN,N−ジアルキルアミノメチルスチレンも、ハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとの反応による合成方法がいくつか開示されている。
【0003】
たとえばクロロメチルスチレンとジメチルアミンとからN,N−ジメチルアミノメチルスチレンを合成するに際して、水溶液で用いられるジメチルアミンに対し、ジオキサン(非特許文献1参照。)またはエタノール(特許文献1参照。)を使用し、極性溶媒下で反応させる方法が開示されている。
【0004】
上記反応を2相系で行う例も知られている。たとえば特許文献2では、クロロメチルスチレンとジメチルアミンとの反応を、ベンゼンなどの有機溶媒中で行うよりも溶媒の不存在下または極めて少ない状態での反応の方が収率が高いことを提案している。その公報には、ジメチルアミンの使用形態については具体的に記載されてないが、実施例では反応後に水層を分離したと記載され、2相系反応であると考えられる。
特許文献3には、水酸化ナトリウムを添加した40%水性ジメチルアミンと、塩化ビニルベンジルとの2相系を撹拌により反応させる実施例が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−181038号公報
【特許文献2】
特開昭63−79855号公報
【特許文献3】
特開昭52−9092号公報
【非特許文献1】
Giffin D.Jonens, James R.Runyon,Josephine Ong, Ind. Eng. Chem. 53巻297−8(1961)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなクロロメチルスチレンとジメチルアミンとの反応では、塩化水素が副生する。このためこの反応を工業的に実施しようとする場合には、その捕足剤としてアルカリ類を添加して塩を生成させる。
ところが前記極性溶媒下の反応系では、アルカリ類の添加により生成する塩と、目的物である第3級アミンとを分離するために、濾過、溶媒留去、抽出などの後処理工程数が増加するという問題を生じる。またこれらの後処理工程中には、重合性ビニル基を有する不飽和第3級アミンの重合反応が起こるため、収率を低下させる要因ともなる。
また2相系反応では、反応に長時間を要したり、強力な攪拌装置を含む反応設備が必要になるなどの欠点を有する。
このため機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合原料モノマーなどとしての不飽和第3級アミンの需要が増す中で、これを簡便にかつ高い生産性で製造しうる方法の出現が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、ハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとを、相間移動触媒の存在下に、ハロゲン化メチルスチレン相とジアルキルアミン水相との2相系で反応させれば、特別な反応装置を必要とせずに簡便な操作で、かつ短時間の反応で極めて高収率で不飽和第3級アミンを生成させることができることを見出した。したがって工程全体を簡素化することができ、後処理工程付加に起因する重合性基開裂反応による収率低下も避けることができ、不飽和第3級アミンを高い生産性で製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる、下記式(1)で示される不飽和第3級アミンの製造方法を提供する。
【化2】
(式中、R1 およびR2 は、互いに独立に炭素数1〜10の低級アルキル基を示す)。
【0009】
上記ジアルキルアミンは、好ましくはジメチルアミンである。
またハロゲン化メチルスチレンとしては、クロロメチルスチレンが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明では、ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる。
本発明で用いられるハロゲン化メチルスチレンは、下記式(2)で示される。
【化3】
式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子である。
このようなハロゲン化メチルスチレンとしては、具体的に、m−クロロメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、m−ヨードメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、p−ヨードメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、o−ヨードメチルスチレンなどが挙げられる。これらハロゲン化メチルスチレンは、単独で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
【0011】
本発明で用いられるジアルキルアミンは、下記式(3)で示される。
【化4】
式中、R1 およびR2 は、互いに独立に炭素数1〜10の低級アルキル基である。
このようなジアルキルアミンとしては、具体的にジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、メチルエチルアミンなどが挙げられる。
【0012】
本発明において、上記ジアルキルアミンは水溶液で供され、反応は少なくともハロゲン化メチルスチレンからなる有機相とジアルキルアミン水相との2相系で行われる。反応に使用するジアルキルアミン水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70%程度の水溶液が使用される。
ジアルキルアミンは、ハロゲン化メチルスチレン1モルに対し、通常2.00〜10モルの量で使用される。
【0013】
なお本発明の反応は、反応溶媒の非存在下に実施するのが好ましいが、反応溶媒の存在下に実施することもできる。反応溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素類、あるいはこれらの混合溶媒などを使用することができる。
【0014】
本発明の上記2相反応系は、相間移動触媒の存在下に行う。
この相間移動触媒としては、一般的に相間移動触媒として用いられるものが特に制限を受けず使用することができるが、通常、有機相に可能なテトラアルキルアンモニウム塩が使用される。具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムヨージド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムヨージド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド、セチルジメチルエチルアンモニウムヨージド、セチルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨージドなどが挙げられる。
【0015】
これらのうちでも、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミドなどは入手容易である点で好ましく使用される。
【0016】
本発明において、上記相間移動触媒は、ハロゲン化メチルスチレンの質量に対して、通常1ppmないし50%の量で、好ましくは100ppmないし10%の量で使用される。
【0017】
本発明において、反応温度は、好ましくは−20〜150℃程度であり、より好ましくは−10〜50℃である。反応圧力は、好ましくは常圧〜1MPa(絶対圧)であり、特に常圧が好ましい。
反応により生成した不飽和第3級アミンは、通常、水洗浄後、蒸留により精製することができる。
【0018】
上記のようなハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとの反応により、高収率で不飽和第3級アミンを得ることができる。
本発明で得られる前述の式(1)で示される不飽和第3級アミンとしては、具体的に、N,N−ジメチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジエチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジプロピル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジブチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジイソブチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジペンチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジヘキシル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジヘプチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジオクチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジノニル−p− ビニルベンジルアミン、ジノニルアミン、N−エチル−N−メチル−p− ビニルベンジルアミンなどのp−ビニルベンジルアミン誘導体、これらp−ビニルベンジルアミン誘導体に対応するm−またはo−異性体などが挙げられる。
【0019】
本発明では、ハロゲン化メチルスチレンの転化率が高く、上記不飽和第3級アミンすなわちN,N−ジメチルアミノメチルスチレンを高収率で得ることができる。
【0020】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
還流冷却器、攪拌機および温度計を備えた2Lガラス製反応フラスコ中に、50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬社製)1418g(15.75mol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)56.4g(0.175mol)を仕込み、20℃に冷却した。そこに、p−クロロメチルスチレン(セイミケミカル社製)551.3g(3.61mol)を同温度で1時間かけて滴下した。その後同温度で1時間反応させた後、ガスクロマトグラフィーの測定によりp−クロロメチルスチレンの反応転化率を求めたところ99.9%であった。その後、反応液を2相分離し、水道水300gで2回洗浄し、得られた有機相を精製蒸留することで、N,N−ジメチル−p− ビニルベンジルアミン523gを得た。(収率90%)
【0021】
(比較例1)
テトラブチルアンモニウムブロミドを使用しない以外は実施例1と同様に反応を行ったところ2時間後の反応転化率は53%であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、特別な反応装置を必要とせずに、短時間でかつ簡便な操作で、不飽和第3級アミンを高収率で製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合体の原料モノマーとして有用な不飽和第3級アミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N,N−ジアルキルアミノメチルスチレンは、重合体中に、反応性アミノ基を側鎖に有するリジッドなポリスチレン骨格を導入しうるため、機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合原料モノマーとして有用である。
従来、第3級アミンの一般的な合成方法として、ハロゲン化アルキルと第2級アミンとの反応が知られており、上記重合性ビニル基を有する不飽和第3級アミンであるN,N−ジアルキルアミノメチルスチレンも、ハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとの反応による合成方法がいくつか開示されている。
【0003】
たとえばクロロメチルスチレンとジメチルアミンとからN,N−ジメチルアミノメチルスチレンを合成するに際して、水溶液で用いられるジメチルアミンに対し、ジオキサン(非特許文献1参照。)またはエタノール(特許文献1参照。)を使用し、極性溶媒下で反応させる方法が開示されている。
【0004】
上記反応を2相系で行う例も知られている。たとえば特許文献2では、クロロメチルスチレンとジメチルアミンとの反応を、ベンゼンなどの有機溶媒中で行うよりも溶媒の不存在下または極めて少ない状態での反応の方が収率が高いことを提案している。その公報には、ジメチルアミンの使用形態については具体的に記載されてないが、実施例では反応後に水層を分離したと記載され、2相系反応であると考えられる。
特許文献3には、水酸化ナトリウムを添加した40%水性ジメチルアミンと、塩化ビニルベンジルとの2相系を撹拌により反応させる実施例が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−181038号公報
【特許文献2】
特開昭63−79855号公報
【特許文献3】
特開昭52−9092号公報
【非特許文献1】
Giffin D.Jonens, James R.Runyon,Josephine Ong, Ind. Eng. Chem. 53巻297−8(1961)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなクロロメチルスチレンとジメチルアミンとの反応では、塩化水素が副生する。このためこの反応を工業的に実施しようとする場合には、その捕足剤としてアルカリ類を添加して塩を生成させる。
ところが前記極性溶媒下の反応系では、アルカリ類の添加により生成する塩と、目的物である第3級アミンとを分離するために、濾過、溶媒留去、抽出などの後処理工程数が増加するという問題を生じる。またこれらの後処理工程中には、重合性ビニル基を有する不飽和第3級アミンの重合反応が起こるため、収率を低下させる要因ともなる。
また2相系反応では、反応に長時間を要したり、強力な攪拌装置を含む反応設備が必要になるなどの欠点を有する。
このため機能性樹脂、機能性ゴムなどの重合原料モノマーなどとしての不飽和第3級アミンの需要が増す中で、これを簡便にかつ高い生産性で製造しうる方法の出現が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、ハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとを、相間移動触媒の存在下に、ハロゲン化メチルスチレン相とジアルキルアミン水相との2相系で反応させれば、特別な反応装置を必要とせずに簡便な操作で、かつ短時間の反応で極めて高収率で不飽和第3級アミンを生成させることができることを見出した。したがって工程全体を簡素化することができ、後処理工程付加に起因する重合性基開裂反応による収率低下も避けることができ、不飽和第3級アミンを高い生産性で製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる、下記式(1)で示される不飽和第3級アミンの製造方法を提供する。
【化2】
(式中、R1 およびR2 は、互いに独立に炭素数1〜10の低級アルキル基を示す)。
【0009】
上記ジアルキルアミンは、好ましくはジメチルアミンである。
またハロゲン化メチルスチレンとしては、クロロメチルスチレンが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明では、ハロゲン化メチルスチレンと、ジアルキルアミンの水溶液とを、相間移動触媒の存在下で2相系反応させる。
本発明で用いられるハロゲン化メチルスチレンは、下記式(2)で示される。
【化3】
式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子である。
このようなハロゲン化メチルスチレンとしては、具体的に、m−クロロメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、m−ヨードメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、p−ヨードメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、o−ヨードメチルスチレンなどが挙げられる。これらハロゲン化メチルスチレンは、単独で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
【0011】
本発明で用いられるジアルキルアミンは、下記式(3)で示される。
【化4】
式中、R1 およびR2 は、互いに独立に炭素数1〜10の低級アルキル基である。
このようなジアルキルアミンとしては、具体的にジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、メチルエチルアミンなどが挙げられる。
【0012】
本発明において、上記ジアルキルアミンは水溶液で供され、反応は少なくともハロゲン化メチルスチレンからなる有機相とジアルキルアミン水相との2相系で行われる。反応に使用するジアルキルアミン水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70%程度の水溶液が使用される。
ジアルキルアミンは、ハロゲン化メチルスチレン1モルに対し、通常2.00〜10モルの量で使用される。
【0013】
なお本発明の反応は、反応溶媒の非存在下に実施するのが好ましいが、反応溶媒の存在下に実施することもできる。反応溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素類、あるいはこれらの混合溶媒などを使用することができる。
【0014】
本発明の上記2相反応系は、相間移動触媒の存在下に行う。
この相間移動触媒としては、一般的に相間移動触媒として用いられるものが特に制限を受けず使用することができるが、通常、有機相に可能なテトラアルキルアンモニウム塩が使用される。具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムヨージド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムヨージド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド、セチルジメチルエチルアンモニウムヨージド、セチルトリブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨージドなどが挙げられる。
【0015】
これらのうちでも、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムフロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミドなどは入手容易である点で好ましく使用される。
【0016】
本発明において、上記相間移動触媒は、ハロゲン化メチルスチレンの質量に対して、通常1ppmないし50%の量で、好ましくは100ppmないし10%の量で使用される。
【0017】
本発明において、反応温度は、好ましくは−20〜150℃程度であり、より好ましくは−10〜50℃である。反応圧力は、好ましくは常圧〜1MPa(絶対圧)であり、特に常圧が好ましい。
反応により生成した不飽和第3級アミンは、通常、水洗浄後、蒸留により精製することができる。
【0018】
上記のようなハロゲン化メチルスチレンとジアルキルアミンとの反応により、高収率で不飽和第3級アミンを得ることができる。
本発明で得られる前述の式(1)で示される不飽和第3級アミンとしては、具体的に、N,N−ジメチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジエチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジプロピル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジブチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジイソブチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジペンチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジヘキシル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジヘプチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジオクチル−p− ビニルベンジルアミン、N,N−ジノニル−p− ビニルベンジルアミン、ジノニルアミン、N−エチル−N−メチル−p− ビニルベンジルアミンなどのp−ビニルベンジルアミン誘導体、これらp−ビニルベンジルアミン誘導体に対応するm−またはo−異性体などが挙げられる。
【0019】
本発明では、ハロゲン化メチルスチレンの転化率が高く、上記不飽和第3級アミンすなわちN,N−ジメチルアミノメチルスチレンを高収率で得ることができる。
【0020】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
還流冷却器、攪拌機および温度計を備えた2Lガラス製反応フラスコ中に、50%ジメチルアミン水溶液(和光純薬社製)1418g(15.75mol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)56.4g(0.175mol)を仕込み、20℃に冷却した。そこに、p−クロロメチルスチレン(セイミケミカル社製)551.3g(3.61mol)を同温度で1時間かけて滴下した。その後同温度で1時間反応させた後、ガスクロマトグラフィーの測定によりp−クロロメチルスチレンの反応転化率を求めたところ99.9%であった。その後、反応液を2相分離し、水道水300gで2回洗浄し、得られた有機相を精製蒸留することで、N,N−ジメチル−p− ビニルベンジルアミン523gを得た。(収率90%)
【0021】
(比較例1)
テトラブチルアンモニウムブロミドを使用しない以外は実施例1と同様に反応を行ったところ2時間後の反応転化率は53%であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、特別な反応装置を必要とせずに、短時間でかつ簡便な操作で、不飽和第3級アミンを高収率で製造することができる。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002286258A JP2004123559A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 不飽和第3級アミンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002286258A JP2004123559A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 不飽和第3級アミンの製造方法 |
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JP2004123559A true JP2004123559A (ja) | 2004-04-22 |
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ID=32279356
Family Applications (1)
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JP2002286258A Withdrawn JP2004123559A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 不飽和第3級アミンの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007277432A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Kochi Prefecture | 生物防汚剤、防汚処理方法および防汚処理物品 |
JP2008143855A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Shin Etsu Chem Co Ltd | アミノアルキルシラン化合物の製造方法 |
JP2013544774A (ja) * | 2010-09-29 | 2013-12-19 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 2−メトキシメチル−1,4−ベンゼンジアミンの製造方法 |
WO2016108712A1 (ru) * | 2014-12-30 | 2016-07-07 | Публичное акционерное общество "СИБУР Холдинг" | Способ синтеза n,n-дизамещенных аминометилстиролов или альфа-аминометилстиролов |
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2002
- 2002-09-30 JP JP2002286258A patent/JP2004123559A/ja not_active Withdrawn
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WO2016108712A1 (ru) * | 2014-12-30 | 2016-07-07 | Публичное акционерное общество "СИБУР Холдинг" | Способ синтеза n,n-дизамещенных аминометилстиролов или альфа-аминометилстиролов |
RU2673231C1 (ru) * | 2014-12-30 | 2018-11-23 | Публичное акционерное общество "СИБУР Холдинг" | Способ синтеза n,n-дизамещенных аминометилстиролов или альфа-аминометилстиролов |
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