JP6980269B2 - キラルロジウム錯体、及び光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

キラルロジウム錯体、及び光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、キラルロジウム錯体、及びこれを触媒として用いた光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法に関する。
カルボニル基のβ位にアリール基等の置換基が導入され、且つβ位に不斉中心を有する光学活性β−置換カルボニル化合物は、医薬品等に適用可能なキラルビルディングブロックとして有用な化合物である。光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法の一つとして、芳香族ボロン酸を、キラル触媒の存在下で、共役エノンに不斉1,4−付加させる方法が種々検討されてきた。高収率且つ高エナンチオ選択的に目的の光学活性β−置換カルボニル化合物を得ることができる方法も知られているが、均一系の反応であり、高価なロジウム等の金属を含む触媒の回収が難しいこと等が問題となっていた。
これに対して、非特許文献1では、ポリスチレン系共重合体及びカーボンブラックにより安定化されたロジウム/銀ナノパーティクル及びキラルジエンを触媒として用いた不斉1,4−付加反応が提案されている。本手法によれば、反応が不均一系であり、触媒をろ過により回収可能であるとされている。
T. Yasukawa et al., J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 6616-6623.
ところで、非特許文献1においては、トルエン及び水の混合溶媒中100℃で反応を行っているが、有機溶媒による発火性、生体への毒性、環境汚染等のリスクや、過酷な高温条件による副反応の可能性等を考慮すると、溶媒として有機溶媒を用いることなく、且つ比較的温和な条件で、反応を行うことができる触媒を見出すことが望ましい。また、非特許文献1では、触媒が回収可能であるとされているものの、回収した触媒を使用する際には、キラルジエンを再度添加する必要がある。この点についても改善が望まれる。
そこで本発明は、触媒として用いた場合に、水溶媒中で、比較的温和な条件で芳香族ボロン酸を共役エノンに不斉1,4−付加させることが可能であり、且つろ過による回収が可能であるキラル錯体、及びこれを触媒として用いた光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、下記式(α)で表されるキラルロジウム錯体を触媒として用いることにより、水溶媒中で、比較的温和な条件で芳香族ボロン酸を共役エノンに不斉1,4−付加させて、光学活性β−置換カルボニル化合物を得ることが可能であり、且つ反応後はろ過により触媒を容易に回収可能であることを見出した。
Figure 0006980269

[式(α)中、Aはポリスチレン−ポリエチレングリコール共重合樹脂を示す。]
本発明はまた、触媒量の上記キラルロジウム錯体の存在下、水溶媒中で、芳香族ボロン酸を共役エノンに反応させることを特徴とする、光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法を提供する。一般的に、芳香族ボロン酸の共役エノンに対する1,4−付加反応においては、反応を促進するために、炭酸カリウムや水酸化カリウム等を添加する必要があるが、本製造方法においてはこれらを添加しなくとも反応が進行する。
本発明によれば、触媒として用いた場合に、水溶媒中で、比較的温和な条件でアリールボロン酸を共役エノンに不斉1,4−付加させることが可能であり、且つろ過による回収が可能であるキラル錯体、及びこれを触媒として用いた光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[キラルロジウム錯体]
上記式(α)で表されるキラルロジウム錯体は、例えば、実施例に記載の方法により製造することができる。ポリスチレン−ポリエチレングリコール共重合樹脂とは、例えば、ポリスチレン上に、ポリエチレングリコールがグラフト重合されたものであり、本発明のキラルロジウム錯体の原料としては、グラフト重合により導入されたポリエチレングリコール鎖の末端にアミノ基が導入されたポリスチレン−ポリエチレングリコールアミノレジンを用いることができる。ポリスチレンは架橋されていてもよい。
ポリスチレン−ポリエチレングリコールアミノレジンは、例えば下記式(γ)で表される構造を有する。
Figure 0006980269

[式(γ)中、Zは架橋基を示し、pは0又は1を示す。]
式(γ)中、m及びnは、それぞれポリエチレングリコール鎖の繰り返し単位の数を示し、例えば、その分子量が1000〜100000程度となるようなものである。式(γ)中、lは末端にアミノ基を有する繰り返し単位の数を示す。なお、ポリスチレンは、ポリエチレングリコール鎖及びアミノ基を有する式(γ)で表される構造の他、置換基を有しないスチレン単位を有していてもよく、架橋されていてもよい。
ポリスチレン−ポリエチレングリコールアミノレジンとしては、従来公知のものを用いることができ、例えば、実施例で用いているテンタゲル(TentaGel、商品名)の他、アルゴゲル(ArgoGel、商品名)、ノバゲル(NovaGel、商品名)等を使用することができる。
上記キラルロジウム錯体におけるロジウムの担持量は、例えば、ロジウム元素換算で、0.05〜1.0mmol/gとすることができる。
上記キラルロジウム錯体を触媒として用いる際には、触媒回収の効率の観点から、触媒をろ過可能なフィルターを備える反応容器を用いることが好ましい。また、触媒をカートリッジに充填して、当該カートリッジに原料を流す連続フロー法によっても反応を行うことができる。
[光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法]
本発明の製造方法では、触媒量の上記キラルロジウム錯体の存在下、水溶媒中で、芳香族ボロン酸を共役エノンに反応させる、すなわち芳香族ボロン酸が共役エノンに1,4−付加することにより、光学活性β−置換カルボニル化合物を得る。
芳香族ボロン酸とは、ジヒドロキシボリル基((OH)B−)が直接芳香環に結合した化合物又はジヒドロキシボリル基がビニレン基(−CH=CH−)を介して芳香環に結合した化合物(例えば、TRANS−B−スチレンボロン酸)をいう。
芳香族ボロン酸における芳香環の炭素数は例えば6〜14である。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が挙げられる。
芳香族ボロン酸における芳香環は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ニトロ基、ジメチルアミノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アセチル基、総炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
芳香族ボロン酸の具体例としては、フェニルボロン酸、p−(ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、p−メトキシフェニルボロン酸、m−メトキシフェニルボロン酸、o−メトキシフェニルボロン酸、p−tert−ブチルフェニルボロン酸、p−メチルフェニルボロン酸、p−フルオロフェニルボロン酸、p−クロロフェニルボロン酸、p−ブロモフェニルボロン酸、p−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、p−ニトロフェニルボロン酸、p−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸、p−アセチルフェニルボロン酸、1−ナフタレンボロン酸、2−ナフタレンボロン酸、B−スチレンボロン酸等が挙げられる。
共役エノンとは、アルケンとカルボニル基が共役系を構成する不飽和化合物である。カルボニル基は、例えば、ケトン、エステル又はアルデヒド由来のものとすることができる。
共役エノンは、例えば、下記一般式(β)で表される化合物であってもよい。一般式(β)で表される化合物は、シス体であってもトランス体であってもよい。
Figure 0006980269

は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜10のアリール基を示す。Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜10のアリール基を示す。R及びRは、その間の3つの炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
共役エノンの具体例としては、2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロペンテン−1−オン、2−シクロヘプテン−1−オン、1−フェニル−2−ブテン−1−オン、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン、3−ノネン−2−オン、ベンジリデンアセトン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン等が挙げられる。
共役ジエンに対する芳香族ボロン酸の量は特に限定されず、等モル量を用いても、どちらか一方を過剰に用いてもよいが、反応後処理のし易さの観点から、芳香族ボロン酸を小過剰とすることが好ましい。
上記キラルロジウム錯体を触媒として用いる際の触媒量は特に限定されないが、ロジウム元素換算で、0.01〜50mol%であると好ましく、0.1〜25mol%であるとより好ましく、0.5〜10mol%であると更に好ましい。ここで、触媒量は、共役ジエンの量を基準とした割合である。
上述の反応は、不活性ガス雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で行うことが好ましい。また、上述の反応の反応温度は、例えば、20〜80℃、好ましくは30〜70℃、より好ましくは40〜60℃とすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例中、反応の進行はガスクロマトグラフィー等を用いて確認し、原料の消失が確認されるまで、又はそれ以上反応が進行しないことが確認されるまで反応を行った。また、NMRは25℃で、JEOL JNMECS400 spectrometer (396 MHz for 1H, 100 MHz for 13C{1H})又はJEOL JNM-AL400 spectrometer (100 MHz for 13C)を用いて測定した。
[キラルロジウム錯体の調製]
下記スキーム1に基づいて、キラルロジウム錯体(4)を調製した。なお、スキーム1中、ポリスチレン−ポリエチレングリコールアミノレジン(1)としては、TentaGel S NH2(商品名、Rapp Polymere社製、アミノ基担持量:0.27mmol/g)を用い、(1R,4R,7R)−7−イソプロピル−5−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2,5−ジエン−2カルボン酸(2)としては、Okamoto, K. et al. Org. Lett. 2008, 10, 4387-4389に記載の方法で調製したものを用いた。具体的な実験手順を以下に示す。
Figure 0006980269
(1R,4R,7R)−7−イソプロピル−5−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2,5−ジエン−2−カルボン酸(2)(0.21g,1.0mmol)及びポリスチレン−ポリエチレングリコールアミノレジン(1)(2.6g,0.7mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCl・HCl)(0.58g,3.0mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt・HO)(0.46g,3.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)(0.037g,0.3mmol)及びジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)の混合物を30℃で18時間振とうした。Kaiserテストにより反応の完了を確認した後に、得られたレジンをろ取し、これをDMF(12mL)及び酢酸エチル(12mL)でそれぞれ5回ずつ洗浄した。その後、24時間減圧乾燥することにより、白色ビーズ状のレジン(3)を得た(2.5g,収率:86%)。
13C{1H} SR-MAS-NMR (100MHz, CDCl3); δ 164.27, 143.22, 142.25, 136.47,126.44, 122.93, 111.02, 69.10, 46.34, 42.13, 38.27, 37.90, 32.44, 30.46, 20.55,20.08, 17.63.
得られたレジン(3)(0.78g,0.2mmol)、シクロオクタジエンロジウムクロリドダイマー([RhCl(coe)2]2)(0.090g,0.125mmol)及び塩化メチレン(CH2Cl2)(8mL)の混合物を、窒素雰囲気下、30℃で18時間振とうした。得られたレジンをろ取し、これを塩化メチレン(8mL)で5回洗浄した。その後、15時間減圧乾燥することにより、キラルロジウム錯体(4)を得た。ICP分析の結果、得られたキラルロジウム錯体(4)におけるロジウム元素の含有量は0.25mmol/gであった。
13C{1H} SR-MAS-NMR (100MHz, CDCl3); δ 168.05, 143.96, 126.67,105.83, 104.54, 69.06, 54.20, 50.02, 46.24, 44.48, 42.75, 38.15, 29.44, 19.50.
(実施例1〜17)
下記反応式(A)に従って、芳香族ボロン酸(6)を種々変更した他は同様の条件で、2−シクロヘキセン−1−オン(5a)に芳香族ボロン酸(6)を反応させて、光学活性β−置換カルボニル化合物(7a)を得た。具体的な操作を以下に示す。
キラルロジウム錯体(4)(30.0mg,0.0075mmol(ロジウム元素換算))及び芳香族ボロン酸(0.45mmol)を、不活性雰囲気下バイアルに充填した。脱気した脱イオン水(1mL)及び2−シクロヘキセン−1−オン(5a)(28.9mg,0.30mmol)を添加した後、混合物を50℃で振とうした。室温に冷却した後に、得られた混合物をBond Elutリザーバーを用いて不活性雰囲気下ろ過した。残留物を酢酸エチル(3mL)で5回洗浄した後に、得られた有機相を合一して、エバポレーターを用いて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19:1)で精製することにより、目的の光学活性β−置換カルボニル化合物(7a)を得た。その結果を、以下の化学式に示す。具体的には、実施例毎に、得られた光学活性β−置換カルボニル化合物(7a)の構造を単離収率(%)及び鏡像体過剰率(%ee)とともに示す。
なお、芳香族ボロン酸(6)としては、各実施例の1,4−付加体に対応するものを用いた。具体的には、芳香族ボロン酸(6)として、フェニルボロン酸(実施例1)、p−(ジメチルアミノ)フェニルボロン酸(実施例2)、p−メトキシフェニルボロン酸(実施例3)、p−tert−ブチルフェニルボロン酸(実施例4)、p−メチルフェニルボロン酸(実施例5)、p−フルオロフェニルボロン酸(実施例6)、p−クロロフェニルボロン酸(実施例7)、p−ブロモフェニルボロン酸(実施例8)、p−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(実施例9)、p−ニトロフェニルボロン酸(実施例10)、o−メトキシフェニルボロン酸(実施例11)、m−メトキシフェニルボロン酸(実施例12)、p−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸(実施例13)、p−アセチルフェニルボロン酸(実施例14)、1−ナフタレンボロン酸(実施例15)、2−ナフタレンボロン酸(実施例16)及びTRANS−B−スチレンボロン酸(実施例17)をそれぞれ用いた。
また、上記振とうは、原料の消失が確認されるまで行い、実施例2の振とう時間は5時間であり、実施例4、10及び14の振とう時間は6時間であり、その他の実施例の振とう時間は3時間であった。
Figure 0006980269
(実施例18、19)
原料である2−シクロヘキセン−1−オン(5a)を同モル量の2−シクロペンテン−1−オン(実施例18)又は2−シクロヘプテン−1−オン(実施例19)に変更した他は、実施例1と同様にして、下記式(B)に示す反応を行い、目的とする光学活性β−置換カルボニル化合物(7)を得た。その結果を、以下に示す。具体的には、実施例毎に、得られた光学活性β−置換カルボニル化合物(7)の構造を単離収率(%)及び鏡像体過剰率(%ee)とともに示した。
なお、実施例18及び19の振とう時間は6時間であった。
Figure 0006980269
(実施例21〜24)
原料である2−シクロヘキセン−1−オンを同モル量の共役エノン(5’)に変更し、且つ所定の芳香族ボロン酸(6)を用いた他は、実施例1と同様にして、下記式(C)に示す反応を行い、目的とする光学活性β−置換カルボニル化合物(7’)を得た。その結果を、以下に示す。具体的には、実施例毎に、得られた光学活性β−置換カルボニル化合物(7’)の構造を単離収率(%)及び鏡像体過剰率(%ee)とともに示した。
なお、共役エノン(5’)及び芳香族ボロン酸(6)としては、各実施例の光学活性β−置換カルボニル化合物(7’)に対応するものを用いた。具体的には、共役エノン(5’)として、1−フェニル−2−ブテン−1−オン(実施例21)、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン(実施例22)、3−ノネン−2−オン(実施例23)、ベンジリデンアセトン(実施例24)を、芳香族ボロン酸(6)として、フェニルボロン酸(実施例21,22,23)及びp−メトキシフェニルボロン酸(実施例24)を、それぞれ用いた。
また、実施例21及び23の振とう時間は3時間であり、実施例22の振とう時間は6時間であり、実施例24の振とう時間は7時間であった。
Figure 0006980269
(実施例25〜27)
反応温度及び振とう時間を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様にして、目的とする光学活性β−置換カルボニル化合物を得た。その結果(単離収率及び鏡像体過剰率)を表1に示す。これらの実施例により、反応温度を室温(25℃付近)まで下げた場合でも問題なく反応が進行することが確認できた。
Figure 0006980269
(実施例28:触媒のリサイクル実験)
実施例1と同様の条件で反応を行った後に、触媒(キラルロジウム錯体(4))を回収し、回収した触媒を用いて繰り返し同様の反応を行うことに触媒のリサイクル性を評価した。
具体的には、実施例1と同様の条件で行った1回目の反応終了後、触媒を酢酸エチル(3mL)で5回洗浄した後に、触媒を減圧乾燥し、乾燥後の触媒を用いて同様の反応を行った。この操作を10回繰り返して(2〜11回目の反応)、収率及び鏡像体過剰率を評価した。
1回目の反応の収率及び鏡像体過剰率がそれぞれ91%及び95%eeであったのに対して、リサイクルした触媒を用いた2〜11回目の反応の収率及び鏡像体過剰率はそれぞれ89〜94%及び92〜95%eeであり、ほぼ遜色ない結果が得られた。この結果から、本発明のキラルロジウム錯体はリサイクル性に優れることが分かった。

Claims (2)

  1. 下記式(α)で表されるキラルロジウム錯体。
    Figure 0006980269

    [式(α)中、Aはポリスチレン−ポリエチレングリコール共重合樹脂を示す。]
  2. 触媒量の請求項1に記載のキラルロジウム錯体の存在下、水溶媒中で、芳香族ボロン酸を共役エノンに反応させることを特徴とする、光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法。
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