JP2004123206A - 包装ケース用プラスチックスリーブ - Google Patents

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JP2004123206A JP2002292514A JP2002292514A JP2004123206A JP 2004123206 A JP2004123206 A JP 2004123206A JP 2002292514 A JP2002292514 A JP 2002292514A JP 2002292514 A JP2002292514 A JP 2002292514A JP 2004123206 A JP2004123206 A JP 2004123206A
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Masahisa Fukuda
福田 真久
Tetsuo Hata
畑 哲雄
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Abstract

【課題】折り曲げやすく、しかも、折曲部の強度を十分に確保できる包装ケース用プラスチックスリーブの提供。
【解決手段】プラスチックシート20が折曲罫線30に沿って角筒状に折曲形成された包装ケース用プラスチックスリーブであって、プラスチックシート20は、未延伸シート21に二軸延伸フィルム22が積層された多層シートであり、折曲罫線30は未延伸シート21側に形成され、且つ、該未延伸シート21が内側になるように折曲形成されている。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の物品を包装する包装ケース用のプラスチックスリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の物品を包装する包装ケースとしては、透明なプラスチックシートから折り曲げ形成された箱状ケース、いわゆるクリアケース(透明ケース)があり、該包装ケースは、プラスチックシートに刻設された折曲罫線に沿って折り曲げられたものである。
【0003】
この種の包装ケースに関して、実開平2−93209号公報(下記特許文献1)には、例えば、厚さ30μm乃至150μmのナイロンからなる支持層と、厚さ300μm乃至700μmのポリプロピレンからなる加工層とが積層されたプラスチックシートが使用され、切込刃により加工層に切込みを形成し、その切込みの幅が広い場合には加工層が内側にくるように切込みを折目としてプラスチックシートを折り曲げてビデオカセットケース等のプラスチックカートンを形成する点が記載されている。
【0004】
また、特開平2−217235号公報(下記特許文献2)には、包装容器等のプラスチックシートとして、厚手のプラスチックシートとその半分以下の厚さのプラスチックフィルムとの複合シートを使用し、厚手のプラスチックシートに溝又は長孔からなる罫線を付設し、厚手のプラスチックシート側が内側となるように折り曲げる点が記載され、プラスチックシートとしては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等が使用される一方、プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド等が使用される旨記載されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平2−93209号公報
【特許文献2】
特開平2−217235号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記何れの場合にも、シートにフィルムを積層した複合シートを使用してそのシートに切込みや長孔を形成すると共にそのシートが内側になるように折り曲げることが記載されているものの、シートやフィルムの物性面の追求は必ずしも十分ではなく、従って、折曲形成時における折曲容易性の確保と折曲形成後における折曲部の強度確保とを更に向上させることが必要であった。
【0007】
それゆえに本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、折り曲げやすく、しかも、折曲部の強度を十分に確保できる包装ケース用プラスチックスリーブを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る包装ケース用プラスチックスリーブは、プラスチックシートが折曲罫線に沿って角筒状に折曲形成された包装ケース用プラスチックスリーブであって、プラスチックシートは、未延伸シートに二軸延伸フィルムが積層された多層シートであり、折曲罫線は未延伸シート側に形成され、且つ、該未延伸シートが内側になるように折曲形成されていることを特徴とする。
【0009】
該構成のプラスチックスリーブにあっては、内側の未延伸シートによってスリーブの各壁面の平面性が確保され、外側の二軸延伸フィルムによってスリーブの外面の傷つきが防止される。
【0010】
そして、未延伸シートに折曲罫線が形成されているため、折曲罫線の加工が容易であるうえに、折曲罫線に沿った折曲形成が容易である。その一方、未延伸シートを使用しているため折曲罫線の形成箇所で破断しやすいが、折曲罫線が強靱な二軸延伸フィルムで保護されているため、その破断は確実に防止される。しかも、二軸延伸フィルムは強靱であるため薄くすることができ、従って、折曲罫線の破断を防止しながらも折曲容易性は確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の包装ケース用プラスチックスリーブの一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。尚、本発明において透明には半透明を含み透視可能であればよい。
図1に示す包装ケース1は、横断面視矩形の縦長直方体状に形成されたものであり、図2のように、包装ケース1の胴部を構成する縦長角筒状のスリーブ2(包装ケース1用プラスチックスリーブ)と、該スリーブ2の上面開口を閉塞するための上蓋3と、スリーブ2の下面開口を閉塞するための下蓋4とからなる。以下、まずスリーブ2について説明した後、上蓋3と下蓋4について説明する。尚、包装ケース1は、少なくともスリーブ2が透明であるが、上蓋3、下蓋4も透明のもの、即ち、全体が透明であることが好ましい。
【0012】
前記スリーブ2は、四つの側壁10,11,12,13から構成され、図3のような矩形に裁断されたプラスチックシートから折曲形成され、接着代14にて接着されることで上下に開口した角筒状に形成されている。
【0013】
ここで、プラスチックシート20は、図4及び図5に示すように未延伸シート21と二軸延伸フィルム22とが積層された多層シートである。
具体的には、未延伸シート21は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの他、生分解のもの(例えば、ポリ乳酸(PLA)やポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリカプロラクトン(PCL)など)が使用されるが、中でも、未延伸で非結晶性のPET等のポリエステル系樹脂(A−PET)やPP系樹脂からなるものが好ましく、特に、透明性と平面性が確保しやすいためA−PETが好ましい。ポリエステル系樹脂は、複層構成でもよく、例えば、PETの両面にシクロヘキサンジメタノール変成ポリエステル(商品名PETG:イーストマンケミカル社)を積層した未延伸シートでもよい。
即ち、包装ケース1においては各壁面(スリーブ2の各側壁10,11,12,13)の平面性を確保することが要求されるが、この点においてA−PETが特に優れている。何れの材質を使用する場合においても延伸していない未延伸のものが使用される。また、未延伸シート21の厚さは、200μm乃至400μmである。
【0014】
また、二軸延伸フィルム22としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(Ny)が強度、透明性、耐衝撃性等の点から好ましく使用されるが、前記生分解性樹脂の二軸延伸フィルムも選択可能である。尚、特にポリエチレンテレフタレート(PET)とポリプロピレン(PP)が好ましい。何れにしても、二軸延伸のものが使用される。また、その厚さは未延伸シート21よりも薄く30μm以下のものである。具体的には厚さが6乃至30μmのものであり、特に12μmのものが好ましい。
【0015】
かかる未延伸シート21と二軸延伸フィルム22とをラミネートする方法としては、例えば、ドライラミネートや押し出しラミネート、ホットメルトラミネート、紫外線や電子線により硬化する接着剤を使用したラミネート、サーマルラミネート等があるが、特に、透明性、ラミネート強度の面からドライラミネートが好ましい。尚、押し出しラミネートの場合には、未延伸シート21と二軸延伸フィルム22とを押し出し樹脂でサンドするサンドラミネートの方法を使用するか、あるいは、二軸延伸フィルム22側へ予め押し出し樹脂をラミネートし、その後、熱により未延伸シート21に貼り合わせる方法でもよい。また、サーマルラミネートの場合には、予め二軸延伸フィルム22側に接着剤を塗布し、その後、熱により貼り合わせる。
【0016】
そして、かかるプラスチックシート20の所定位置には折曲罫線30が形成されている。該折曲罫線30は、図4のように、プラスチックシート20のうちの未延伸シート21に形成されており、具体的には、深さが未延伸シート21の全厚の70乃至100%であって、未延伸シート21における残りの厚さが二軸延伸フィルム22の厚さを加えて30μm以上(好ましくは60μm以上)になるように設定されている。即ち、折曲罫線30は未延伸シート21にのみ形成されている。
【0017】
かかる折曲罫線30は種々のものが採用可能であるが、図5のように、未延伸シート21に二軸延伸フィルム22が積層された後において、その未延伸シート21側から押し刃31により押圧形成される。多層シートとした後に折曲罫線30を形成するのは、二軸延伸フィルム22には所望の印刷が施されており、その印刷部に対して正確な位置に折曲罫線30を形成するためである。
【0018】
ここで、折曲罫線30は、断面視略V字状のものが好ましく、折曲罫線30のV字の角度αは80乃至120度が好ましい。その場合、押し刃31の刃先角度βは60乃至90度に設定される。尚、このように、押し刃31を使用して折曲罫線30を形成することは、所定温度に加熱された熱刃を使用する場合とは異なり、折曲罫線30の両側が盛り上がることがないためシートを折り曲げやすいという利点がある。尚、押し刃31による折曲罫線30の形成は、上下往復運動の間欠式の他、ロールの外周面に押し刃31を設けて連続的に形成するものであってもよい。尚、折曲罫線30の形成工程とプラスチックシート20を図3のような形状に裁断する裁断工程とを同時に行うことができる。また、一つの折曲部に折曲罫線30を一筋のみ形成するものの他、二筋、三筋と複数筋並設する構成であってもよい。
【0019】
図3に戻って、かかる折曲罫線30がプラスチックシート20を縦断するように形成されることで、長方形のプラスチックシート20は包装ケース1の四つの側壁部分10’,11’,12’,13’と接着代14の部分とに区画される。尚、図3において折曲罫線30は一点鎖線にて示されている。そして、該プラスチックシート20を折曲罫線30に沿って折り曲げていくが、その際、折曲罫線30が形成されている側である未延伸シート21が内側になるようにして折り曲げる。即ち、未延伸シート21が内面に、二軸延伸フィルム22が外面にそれぞれ位置するように折り曲げられる。更に、接着代14を接着剤で接着することにより、横断面視矩形のスリーブ2が形成され、その後、上述したような上蓋3と下蓋4が各々スリーブ2に装着される。
【0020】
上蓋3と下蓋4は、真空成形等のシート成形や、射出成形により形成される。図1及び図2に示す包装ケース1においては、上蓋3は、上面が凹になるように形成されてスリーブ2の内側に内嵌され、下蓋4は、下面が凹になるように形成されてスリーブ2の内側に内嵌される。但し、スリーブ2の外側に外嵌するように、上蓋3を下面が凹になるように形成したり、あるいは、下蓋4を上面が凹になるように形成したりしてもよい。尚、上蓋3と下蓋4のスリーブ2への取付は、例えば、タックシールによって固定したり、部分的に高周波やヒートシール、超音波、ホットメルト等によって接着したりする。但し、下蓋4は、見栄え(透明性)や強度の観点から、高周波等による接着が好ましい。但し、接着は全周ではなく四カ所等をポイント的に接着するものであってもよい。尚、図1及び図2において、上蓋3には、開封のための摘み部40が設けられている。また、上蓋3の上面と下蓋4の下面に、互いに嵌合できる凹凸等の嵌合部を設けておけば、包装ケース1を陳列時等に上下多段に積み上げる場合に嵌合部同士を嵌合させることができる。
【0021】
以上のように構成された包装ケース1にあっては、スリーブ2の四つの角部1aが、折曲罫線30を有する折曲部になっているが、未延伸シート21に形成された折曲罫線30の外側に二軸延伸フィルム22が位置するため、折曲部が二軸延伸フィルム22で覆われて保護されている。従って、折曲部の強度が確保されてスリーブ2が折曲部で破断するということが防止される。特に、二軸延伸フィルム22が使用されているため、十分な強度が確保されるうえに、厚みを30μm以下と薄くすることができる。
【0022】
また、この二軸延伸フィルム22は強靱であるため折曲罫線30の形成時や折曲加工時にプラスチックシート20が破断することを効果的に防止することができ、また、折曲性を考慮して折曲罫線30を深く形成することができる。しかも、二軸延伸フィルム22自体の厚さを薄くすることができるため、二軸延伸フィルム22が強靱であっても折曲罫線30に沿ってプラスチックシート20を折り曲げやすい。しかも、スリーブ2の外面が二軸延伸フィルム22であるため、未延伸のものに比して、滑り性が良好であり、外面の傷つきも効果的に防止することができ、良好な手触り感を得ることができる。
【0023】
このように、薄くても強靱な二軸延伸フィルム22が外側になるように折り曲げられているため、折曲罫線30が外側から確実に保護されるうえにスリーブ2の外面の傷つきも防止され、しかも、折曲罫線30の折り曲げも容易になる。
【0024】
その一方、スリーブ2、ひいては包装ケース1の壁面の平面性は内側の厚手の未延伸シート21によって確保される。また、未延伸シート21に折曲罫線30を形成しているため、延伸のものに比して押し刃31による罫線加工が容易であるという利点がある。そして、延伸のものに比して折曲性が容易であるという利点がある反面、折曲罫線30は破断しやすくなるが、それを強靱な二軸延伸フィルム22によって防止したうえでその厚さを薄くすることによって、折曲容易性と折曲罫線30の保護とを両立させている。
【0025】
このように、加工が容易で平面性を確保できる未延伸シート21と薄くて強靱な二軸延伸フィルム22との組み合わせにより、折曲容易性と折曲罫線30の保護とが両立されるうえに、スリーブの外面の傷つきも効果的に防止することができるのである。
【0026】
尚、金属蒸着された二軸延伸フィルム22が積層された多層シートを使用することによって、未延伸シート21単体では困難であった金属蒸着の装飾が容易となる。
【0027】
また、上記包装ケース1にあっては、スリーブ2と上下両蓋3,4とがそれぞれ別体であるため、例えば、包装ケース1を一枚のプラスチックシート20から折曲形成したものに比して、プラスチックシート20の無駄が少なくなるという利点がある。尚、スリーブ2の上下端に上下両蓋3,4を取り付けるために必要な場合は、内方へ折曲可能なフラップ片を折曲罫線を介して延設してもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、横断面視略矩形のものを例に説明したが、包装ケース1やそれに使用されるスリーブ2は六角形や八角形等の多角形でもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る包装ケース用プラスチックスリーブにあっては、未延伸シートと二軸延伸フィルムの組み合わせにより、折曲容易性と折曲罫線の保護とが両立され、スリーブの外面の傷つきも効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における包装ケースを示す斜視図。
【図2】同ケースの分解斜視図。
【図3】本発明の一実施形態における包装ケース用プラスチックスリーブの展開図。
【図4】同スリーブのプラスチックシートの断面図。
【図5】プラスチックシートに折曲形成を形成する工程を示す概略図。
【符号の説明】
1…包装ケース、1a…角部(折曲部)、2…スリーブ、3…上蓋、4…下蓋、10,11,12,13…側壁、14…接着代、20…プラスチックシート、21…未延伸シート、22…二軸延伸フィルム、30…折曲罫線、31…押し刃(折曲罫線形成刃)、40…摘み部

Claims (1)

  1. プラスチックシートが折曲罫線に沿って角筒状に折曲形成された包装ケース用プラスチックスリーブであって、
    プラスチックシートは、未延伸シートに二軸延伸フィルムが積層された多層シートであり、折曲罫線は未延伸シート側に形成され、且つ、該未延伸シートが内側になるように折曲形成されていることを特徴とする包装ケース用プラスチックスリーブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018144395A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 富士ゼロックス株式会社 シート

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