JP2004123052A - フューエルタンク構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性を高めて変形を防止し、タンク形状を長期間に渡って維持させることができるフューエルタンク構造の提供。
【解決手段】タンク本体1における両フューエルタンクサポート5、5および両取付バンド7、7により巻回される位置を含む適宜個所に立設される第1バッフル2および第2バッフル3として、縦壁21の周縁に連続してフランジ22を形成し、縦壁21の幅方向中央部に折曲線hが上下方向の折曲補強部21aを形成し、取付バンド7、7の巻回によるタンク本体1の締め付け方向が第1バッフル2の縦壁21における折曲線h方向と同一とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンドマウントタイプのフューエルタンク構造に関し、特に、耐久性向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のフューエルタンク構造としては、図6に示すように、フューエルタンク101内の適宜個所にバッフル102が立設されていて、このバッフルは、図7に示すように、平板102aの上下左右縁部にフランジ102bを折曲形成すると共に、その四隅を切り欠いて、燃料の往来を許容する連通穴102cを形成し、前記フランジ102bをフューエルタンク101内面に溶着することにより、燃料のパシャ音の発生を防止するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例のフューエルタンク構造にあっては、上述のように、燃料の往来を許容するためにバッフルを構成する平板102aの四隅を切り欠いていたため、バッフルの強度が弱く、結果として、フューエルタンク101の剛性の向上が望めないという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、剛性を高めて変形を防止し、タンク形状を長期間に渡って維持させることができるフューエルタンク構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載のフューエルタンク構造は、タンクがバンドにより巻回されて車体に取り付けられるバンドマウントタイプのフューエルタンクであって、該フューエルタンク内には少なくとも前記バンドにより巻回される位置を含む適宜個所にバッフルが立設され、該バッフルは、縦壁と、該縦壁の周縁に連続して形成されていてフューエルタンク内面に溶着するフランジと、燃料の往来を許容する連通穴とを有し、前記縦壁には折曲線が対向するフランジ間に跨がる折曲補強部が少なくとも1個所に形成されていることを特徴とする手段とした。
【0006】
本発明請求項2記載のフューエルタンク構造は、請求項1記載のフューエルタンク構造において、前記バンドの巻回によるフューエルタンクの締め付け方向が前記縦壁における折曲線方向と同一であることを特徴とする手段とした。
【0007】
【発明の作用および効果】
この発明請求項1記載のフューエルタンク構造では、上述のように、フューエルタンクにおける少なくともバンドにより巻回される位置を含む適宜個所に立設されるバッフルとして、縦壁の周縁に連続してフランジを形成してバッフルの剛性を高めると共に、縦壁には折曲線が対向するフランジ間に跨がる折曲補強部を少なくとも1個所に形成することにより、特に折曲線方向の荷重に対する剛性を高めたため、フューエルタンク全体の剛性が高くなり、これにより、フューエルタンクの形状を長期間に渡って維持することができるようになる。また、特に、バンドにより巻回される位置に立設されたバッフルの剛性が高められることにより、バンドの緩みも防止することができるようになる。
さらに、縦壁の周縁に連続してフランジを形成することにより、フューエルタンク内面との溶着部分が増加するため、溶着部の応力集中が分散し、これにより、耐久性を向上させることができるようになる。
【0008】
本発明請求項2記載のフューエルタンク構造では、請求項1において、バンドの巻回によるフューエルタンクの締め付け方向がバッフルの縦壁における折曲線方向と同一であるため、剛性が高い方向に向けてバンドで締め付けることになり、これにより、バンドで締め上げる時にタンクが変形することを防止することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は発明の実施の形態のフューエルタンク構造を示す内部を透視した状態の斜視図、図2は第1バッフルを示す拡大斜視図、図3は第2バッフルを示す拡大斜視図、図4は、フューエルタンクの取付構造を示す分解斜視図であり、これらの図において、1はタンク本体、2は第1バッフル、3は第2バッフルを示す。
【0010】
さらに詳述すると、前記タンク本体1は、その長手方向に直行する断面形状が四隅に丸みを持たせた横長の長方形状に形成されている。
前記第1バッフル2は、車両の加・減速時にタンク本体1内で燃料が前後に移動することによって発生するパシャ音を防止すると共に、タンク本体1の剛性を高めるために、タンク本体1内における長手方向(車両の前後方向)に直行する断面に沿って配置されるバッフルであり、タンク本体1の長手方向所定間隔のもとに複数配置されている。
【0011】
この第1バッフル2は、図2にその詳細を示すように、前記タンク本体1における長手方向に直行する断面形状(四隅に丸みを持たせた横長の長方形状)に形成された縦壁21と、該縦壁21の周縁に連続して形成されていてタンク本体1の内周面に沿って折曲形成されたフランジ22とを備えている。
【0012】
前記縦壁21は、その幅方向中央部に対向するフランジ間に跨がる上下方向折曲線hを中心として平面視で略く字状に折曲させて前記フランジ22の折曲方向とは反対方向に突出させた折曲補強部21aが形成されると共に、上下方向折曲線hの突出方向に向けて突出する十字状の補強ビード21bが形成されている。
【0013】
また、前記縦壁21の上側縁部の一側には、カットバルブを貫通させるための切欠き21cが形成されると共に、縦壁21の四隅部分で、前記切欠き21cが形成されている部分以外の3個所に燃料の往来を許容するための連通穴23が形成されている。また、縦壁21の下側縁部には、3個所に切欠状に連通穴24が形成されている。
【0014】
前記第2バッフル3は、図3に示すように、前記第1バッフル2の上側半分をカットした形状としたもので、その構成は前記第1バッフル2と同様であるため、同一の符号を付けてその説明を省略する。
なお、前記第1バッフル2および第2バッフル3は、板材のプレス成型により一体に形成されている。
【0015】
そして、前記第1バッフル2および第2バッフル3は、そのフランジ22をタンク本体1に対し、図1の*印で示す位置においてスポット溶接することにより、溶着固定されている。なお、前記第2バッフル3は、タンク本体1の長手方向両端部側にそれぞれ溶着固定され、第1バッフル2は、両第2バッフル3、3間において所定間隔のもとに複数溶着固定されている。また、前記第1バッフル2および第2バッフル3は、タンク本体1の長手方向中央部を境にしてそれぞれ各端面方向にフランジ22が突出するように前記第1バッフル2および第2バッフル3が溶着固定されている。
【0016】
次に、以上のように構成されるフューエルタンクの取り付け構造を、図4に基づいて説明する。
まず、この図において、4は車体の右サイドフレーム、5、5は前後一対のフューエルタンクサポート、6はフューエルタンクレインフォースプレート、7、7は前後一対の取付バンド、8はフューエルゲージ、9はフューエルフィードホース、10はフューエルリターンホース、11はフィラーキャップ、12はエバポホースを示す。
【0017】
フューエルタンクの取り付けに際しては、まず、右サイドフレーム4に対する前後一対のフューエルタンクサポート5、5の取り付けが行われる。このフューエルタンクサポート5は、タンク本体1を載置状態に支持する水平支持部51と、右サイドフレーム4に対する取付部を構成する垂直部52とで略L字状に形成され、この垂直部52を右サイドフレーム4における車両進行方向に向かって右側面にボルト・ナット5a、5bとで固定する。
【0018】
そして、前記フューエルタンクレインフォースプレート6の両端部を両フューエルタンクサポート5、5における両水平支持部51、51の中間部にボルト・ナット5c、5dで固定することにより、H字状の支持部を形成し、この上面にラバー13a、13b、13cを介装させた状態でタンク本体1を載置する。
この時、図1に示すように、タンク本体1における長手方向両端部の両第1バッフル2、2の位置と前記両水平支持部51、51とを一致させた位置関係で載置する。
【0019】
次に、上下方向逆L字状に形成された下面にラバー13d、13dを貼着した前記両取付バンド7、7の水平部先端に設けられた係止フック部71を、両フューエルタンクサポート5、5における両垂直部52の上端に取り付けられた係止ピン53、53に係止させると共に、両取付バンド7、7の垂直部下端に設けられた締め付けボルト72をフューエルタンクサポート5、5における両水平支持部51、51の先端に設けられたボルト挿通穴54、54に挿通して下方よりナット55、55で締め上げることにより、両フューエルタンクサポート5、5と両取付バンド7、7との間にタンク本体1を上下方向に締め付けた状態で固定する。
【0020】
次に、この発明の実施の形態の作用・効果を説明する。
この発明の実施の形態のフューエルタンク構造では、上述のように、タンク本体1における両フューエルタンクサポート5、5および両取付バンド7、7により巻回される位置を含む適宜個所に立設される第1バッフル2として、縦壁21の周縁に連続してフランジ22を形成してバッフルの剛性を高めると共に、縦壁21の幅方向中央部に折曲線hが上下方向の折曲補強部21aを形成することにより、特に折曲線h方向である上下方向の荷重に対する剛性が高められるため、タンク本体1全体の剛性が高くなり、これにより、タンク本体1の形状を長期間に渡って維持することができるようになるという効果が得られる。
【0021】
また、特に、両フューエルタンクサポート5、5および両取付バンド7、7により巻回される位置に立設された第1バッフル2の剛性が高められることにより、取付バンド7、7の緩みも防止することができるようになる。
【0022】
さらに、縦壁21の周縁に連続してフランジ22を形成することにより、タンク本体1内面との溶着部分が増加するため、溶着部の応力集中が分散し、これにより、耐久性を向上させることができるようになる。
【0023】
また、取付バンド7、7の巻回によるタンク本体1の締め付け方向が第1バッフル2の縦壁21における折曲線h方向と同一であるため、剛性が高い方向に向けて取付バンド7、7で締め付けることになり、これにより、取付バンド7、7で締め上げる時にタンク本体1が変形することを防止することができるようになる。さらに、両取付バンド7、7により巻回される位置より車両前後側に第2バッフル3が溶着されることにより、走行時、巻回位置よりオーバハングしている部位の進度追うを抑制することができる。
【0024】
以上発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限られるものではない。
例えば、発明の実施の形態では、第1バッフル2および第2バッフル3として、折曲補強部21aを1箇所のみ形成したが、図5(イ)、(ロ)に示すように折曲方向を交互に逆にして複数の折曲補強部21aを幅方向に並設し、平面視で波形に形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態のフューエルタンク構造を示す内部を透視した状態の斜視図である。
【図2】発明の実施の形態のフューエルタンク構造における第1バッフルを示す拡大斜視図である。
【図3】発明の実施の形態のフューエルタンク構造における第2バッフルを示す拡大斜視図である。
【図4】フューエルタンクの取付構造を示す分解斜視図である。
【図5】バッフルの他の例を示す平面図である。
【図6】従来例のフューエルタンク構造を示す断面図である。
【図7】従来例のバッフルを示す斜視図である。
【符号の説明】
h 折曲線
1 タンク本体
2 第1バッフル
21 縦壁
21a 折曲補強部
21b 補強ビード
21c 切欠き
22 フランジ
23 連通穴
24 連通穴
3 第2バッフル
4 右サイドフレーム
5 フューエルタンクサポート
5a ボルト
5b ナット
5c ボルト
5d ナット
51 水平支持部
52 垂直部
53 係止ピン
54 ボルト挿通穴
55 ナット
6 フューエルタンクレインフォースプレート
7 取付バンド
71 係止フック部
72 ボルト
8 フューエルゲージ
9 フューエルフィードホース
10 フューエルリターンホース
11 フィラーキャップ
12 エバポホース
13a ラバー
13b ラバー
13c ラバー
13d ラバー
13e ラバー

Claims (2)

  1. タンクがバンドにより巻回されて車体に取り付けられるバンドマウントタイプのフューエルタンクであって、
    該フューエルタンク内には少なくとも前記バンドにより巻回される位置を含む適宜個所にバッフルが立設され、
    該バッフルは、縦壁と、該縦壁の周縁に連続して形成されていてフューエルタンク内面に溶着するフランジと、燃料の往来を許容する連通穴とを有し、
    前記縦壁には折曲線が対向するフランジ間に跨がる折曲補強部が少なくとも1個所に形成されていることを特徴とするフューエルタンク構造。
  2. 前記バンドの巻回によるフューエルタンクの締め付け方向が前記縦壁における折曲線方向と同一であることを特徴とする請求項1に記載のフューエルタンク構造。
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