JP2013071640A - 燃料タンク構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体燃料が揺動したときに発生する騒音や衝撃を抑制できるようにする。
【解決手段】液体燃料20が貯留されるタンク本体14と、タンク本体14内へ車体前後方向と交差する方向に突出するように、タンク本体14の車幅方向端部から連続的に形成されたバッフル16、18と、を有する燃料タンク構造10とする。
【選択図】図1
【解決手段】液体燃料20が貯留されるタンク本体14と、タンク本体14内へ車体前後方向と交差する方向に突出するように、タンク本体14の車幅方向端部から連続的に形成されたバッフル16、18と、を有する燃料タンク構造10とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料タンク構造に関する。
燃料タンク内に配置されたバッフルプレートにより、液体燃料が揺動したときに発生する騒音や衝撃を抑制するようにした車両用燃料タンク構造は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、バッフルプレートが設けられていない燃料タンクの左右両端部では、液体燃料がバッフルプレートと干渉することなく揺動するため、騒音や衝撃が発生するおそれがある。このように、燃料タンク構造において、液体燃料が揺動したときに発生する騒音や衝撃の抑制には、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、液体燃料が揺動したときに発生する騒音や衝撃を抑制できる燃料タンク構造を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の燃料タンク構造は、液体燃料が貯留されるタンク本体と、前記タンク本体内へ車体前後方向と交差する方向に突出するように、該タンク本体の車幅方向端部から連続的に形成されたバッフルと、を有することを特徴としている。
本発明によれば、液体燃料が揺動したときに発生する騒音や衝撃を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、各図において記す矢印FRは燃料タンク及び燃料タンクが設けられる車両(図示省略)の前方向であり、矢印UPは燃料タンク及び車両の上方向、矢印LEは燃料タンク及び車両の左方向、矢印RIは燃料タンク及び車両の右方向を示す。
図1〜図4で示すように、燃料タンク12は、燃料タンク構造10を構成する中空のタンク本体14を有している。このタンク本体14内に、液体燃料(ガソリンや軽油等)20が、図3、図4において仮想線で示す公称容量満タンとなる液位Fまで貯留可能になっている。
また、このタンク本体14には、燃料タンク構造10を構成するバッフル16、18が左右両側壁26、28側(車幅方向両端部側)にそれぞれ一体に形成されている。各バッフル16、18は、車体前後方向と交差(直交)する方向に延在するように、タンク本体14の上壁22を下方向(下壁24)へ向かって凹ませることで形成されており、タンク本体14内へ突出されるようになっている。
詳細には、各バッフル16、18は、タンク本体14の左右両側壁26、28を含んで、タンク本体14の上壁22(外壁)から連続的にタンク本体14の内方側へ凹ませることによって形成されており、一方のバッフル16は、右側壁26を更に左方向(左側壁28)へ向かって凹ませることで形成されている。つまり、このバッフル16が形成されている右側壁26には、平面視で左側壁28に向かって細溝状に切り欠かれるような切欠部30が形成される構成になっている(図2参照)。
また、図3、図4で示すように、他方のバッフル18は、一方のバッフル16よりも浅く(突出高さが低く)形成されており、下壁24内面との間に(上下方向に)液体燃料20が通れる(貯留できる)間隙S1が形成されるようになっている。そして、この他方のバッフル18は、一方のバッフル16よりも左右方向(車幅方向)の長さが長く形成されている。
したがって、バッフル16の左端部16Aとバッフル18の右端部18Aとの間の左右方向(車幅方向)における間隔、即ち液体燃料20が通る(貯留される)流通路32の左右方向(車幅方向)における大きさが、タンク本体14の車幅方向における長さ(バッフル16、18が形成されている左右両側壁26、28間の長さ)の約1/3程度となるように、狭くなっている。
これにより、タンク本体14内に貯留された液体燃料20が、各バッフル16、18で仕切られたタンク本体14内の前部14A側と後部14B側とにほぼ分かれて貯留される構成である(図3、図4参照)。
そして、各バッフル16、18により、後述するように、車両運動に起因する液体燃料20の一部の揺動方向が、それとは交差(直交)する方向に変更される構成であり、その揺動が原因で発生する騒音(流動音)や衝撃を抑制できる構成である。
以上のような構成の燃料タンク構造10において、次にその作用について説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態に係る燃料タンク12内と、後述する第1比較例における燃料タンク52内及び第2比較例における燃料タンク62内には、それぞれ液体燃料20が、例えば公称容量の半分程度貯留されているものとする。
まず、第1比較例における燃料タンク52について説明する。図6で示す第1比較例における燃料タンク52のタンク本体54には、バッフルが一切形成されておらず、この点だけが、本実施形態に係る燃料タンク12と異なっている。
第1比較例における燃料タンク52が搭載された車両が制動されると、その慣性力により、タンク本体54内に貯留された液体燃料20は、タンク本体54内の前部54A側へ一旦移動する。
次いで、その車両が停止すると、タンク本体54内の前部54A側へ移動した液体燃料20は、図6(A)で示すように、タンク本体54内の後部54B側へ移動し、図6(B)で示すように、その後壁56内面に衝突して揺り返され、図6(C)、図6(D)で示すように、タンク本体54内の前部54A側へ波状に移動する。したがって、その前部54A側へ(揺り返されて)波状に移動した液体燃料20が、タンク本体54の前壁58内面に衝突することにより、騒音(流動音)や衝撃が発生する。
これに対し、上記構成とされた本実施形態に係る燃料タンク12によれば、揺り返されることで波状に移動した液体燃料20がタンク本体14の前壁38内面に衝突することによって発生する騒音(流動音)や衝撃を抑制することができる。以下、説明する。
本実施形態に係る燃料タンク12が搭載された車両が制動されると、その慣性力により、タンク本体14内に貯留された液体燃料20は、タンク本体14内の前部14A側へ一旦移動する。
次いで、その車両が停止すると、図5(A)で示すように、タンク本体14内の前部14A側で、かつ中央部分に貯留されている液体燃料20Aは、バッフル16の左端部16Aとバッフル18の右端部18Aとの間、即ち流通路32を通って、タンク本体14内の後部14B側へ移動する。
一方、タンク本体14内の前部14A側で、かつ右側壁26側に貯留されている液体燃料20Bは、バッフル16に衝突して車幅方向内側(左側壁28)へ向かって移動する。そして、タンク本体14内の前部14A側で、かつ左側壁28側に貯留されている液体燃料20Cは、一部が間隙S1を通ってタンク本体14内の後部14B側へ移動し、残りがバッフル18に衝突して車幅方向内側(右側壁26)へ向かって移動する。
つまり、これにより、車両の運動(制動から停止に至る動き)に起因する液体燃料20の一部(液体燃料20B、20Cであり、当然ながら液体燃料20Aよりも少ない量)の揺動方向が車体前後方向から、それとは交差(直交)する車幅方向へ変更される。
その後、図5(B)で示すように、バッフル16に衝突して、車幅方向内側(左側壁28)へ向かった液体燃料20Bと、バッフル18に衝突して、車幅方向内側(右側壁26)へ向かった液体燃料20Cとが合流し、タンク本体14内の前部14A側へ波状に移動する。
そして、図5(C)で示すように、タンク本体14内の後部14B側へ移動し、その後壁36内面に衝突して揺り返された液体燃料20Aが、そのタンク本体14内の前部14A側へ移動した液体燃料20B、20Cと時間差を持って、流通路32及び間隙S1を通って、タンク本体14内の前部14A側へ波状に移動する。
すると、図5(D)で示すように、タンク本体14内の前部14A側へ移動し、前壁38内面に衝突して揺り返された液体燃料20B、20Cが、その液体燃料20B、20Cと時間差を持ってタンク本体14内の前部14A側へ波状に移動して来た液体燃料20Aと、図示の仮想線Kの位置で衝突する。これにより、液体燃料20Aの流動(波動)が、液体燃料20B、20Cの流動(波動)によって、ある程度打ち消される。
したがって、車両の運動(制動から停止に至る動き)に起因する、タンク本体14内に貯留された液体燃料20の車体前後方向への揺動(流動)成分を、上記した時間差を持たずに車体前後方向へ揺動(流動)する第1比較例における燃料タンク52の場合に比べて、低減させることができる。
つまり、本実施形態に係る燃料タンク12の場合、タンク本体14内における液体燃料20の流動を上記のように制御できるので、図8で示すように、タンク本体14内における液体燃料20の車体前方側へ向かう力積の最大値を、第1比較例における燃料タンク52の場合よりも低減させることができる。
よって、タンク本体14の前部14A側へ揺り返されて波状に移動する液体燃料20が、その前壁38内面に衝突することによって発生する騒音(流動音)や衝撃を、第1比較例における燃料タンク52の場合よりも抑制(低減)することができる。
ここで更に、第2比較例における燃料タンク62について説明する。図7で示すように、この燃料タンク62のタンク本体64における左側壁78には、本実施形態に係るバッフル18と同様に、タンク本体64の上壁72を凹ませることによってバッフル68が形成されている。しかし、この燃料タンク62のタンク本体64における右側壁76には、本実施形態に係るバッフル16とは形状の異なるバッフル66が形成されている。
すなわち、このバッフル66は、タンク本体64の上壁72だけを凹ませることで形成されており、右側壁76を凹ませて形成されていない。したがって、タンク本体64の右側壁76には、本実施形態における切欠部30は形成されていない。つまり、このバッフル66は、バッフル68と同様に下壁74内面との間に(上下方向に)液体燃料20が通れる(貯留できる)間隙S2が形成されるようになっている。
第2比較例における燃料タンク62が搭載された車両が制動されると、その慣性力により、タンク本体64内に貯留された液体燃料20は、タンク本体64内の前部側へ一旦移動する。
次いで、その車両が停止すると、タンク本体64内の前部側で、かつ中央部分に貯留されている液体燃料20A(図5参照)は、バッフル66の左端部66Aとバッフル68の右端部68Aとの間、即ち流通路82を通って、タンク本体64内の後部側へ移動する。
一方、タンク本体64内の前部側で、かつ右側壁76側に貯留されている液体燃料20B(図5参照)は、一部が間隙S2を通ってタンク本体64内の後部側へ移動し、残りがバッフル66に衝突して車幅方向内側(左側壁78)へ向かって移動する。
そして、タンク本体64内の前部側で、かつ左側壁78側に貯留されている液体燃料20C(図5参照)は、一部が間隙S1を通ってタンク本体64の後部側へ移動し、残りがバッフル68に衝突して車幅方向内側(右側壁76)へ向かって移動する。
その後、バッフル66に衝突して、車幅方向内側(左側壁78)へ向かった液体燃料20Bと、バッフル68に衝突して、車幅方向内側(右側壁76)へ向かった液体燃料20Cとが合流し、タンク本体64内の前部側へ波状に移動する。
そして、タンク本体64内の後部側へ移動し、その後壁内面に衝突して揺り返された液体燃料20Aが、そのタンク本体64内の前部側へ移動した液体燃料20B、20Cと時間差を持って、流通路82及び間隙S1、S2を通って、タンク本体64内の前部側へ波状に移動する。
ここで、この第2比較例における燃料タンク62では、バッフル66の下方にも間隙S2が形成されていることから、本実施形態に係る燃料タンク12の場合に比べて、各バッフル66、68に衝突して車幅方向内側へ流動した液体燃料20B、20Cの量が、後壁内面に衝突して揺り返された液体燃料20Aの量よりも少ない。
そのため、タンク本体64内の前部側へ移動し、前壁内面に衝突して揺り返された液体燃料20B、20Cが、その液体燃料20B、20Cと時間差を持ってタンク本体64内の前部側へ波状に移動して来た液体燃料20Aと衝突しても、液体燃料20Aの流動(波動)を、液体燃料20B、20Cの流動(波動)で打ち消し難い。
したがって、タンク本体64内の前部側へ揺り返されて波状に移動した液体燃料20Aが、タンク本体64の前壁内面に衝突することにより、第1比較例における燃料タンク52の場合よりも小さいながら、騒音(流動音)や衝撃が発生する。
つまり、この第2比較例における燃料タンク62の場合は、図8で示すように、液体燃料20の車体前方側へ向かう力積の最大値を、第1比較例における燃料タンク52の場合よりも低減させることができるが、本実施形態に係る燃料タンク12の場合よりも低減させることができない。
換言すれば、本実施形態に係る燃料タンク12の方が、タンク本体14内における液体燃料20の車体前方側へ向かう力積の最大値を、第1比較例における燃料タンク52の場合はもちろん、第2比較例における燃料タンク62の場合よりも低減させることができる。
このように、本実施形態に係る燃料タンク12によれば、車両の運動(制動から停止に至る動き)に起因する、タンク本体14内に貯留された液体燃料20の車体前後方向への揺動(流動)成分を、第2比較例における燃料タンク62の場合と比べても、低減させることができる。
よって、タンク本体14の前部14A側へ揺り返されて波状に移動する液体燃料20が、その前壁38内面に衝突することによって発生する騒音(流動音)や衝撃を、第2比較例における燃料タンク62の場合よりも抑制(低減)することができる。
また、本実施形態に係る燃料タンク12の場合は、タンク本体14の上壁22(左右両側壁26、28を含む)を凹ませることで、各バッフル16、18を形成している。したがって、液体燃料20における車体前後方向への揺動(流動)を、それとは交差(直交)する車幅方向へ効率よく変換することができ、車体前後方向への揺動成分を効率よく低減させることができる。
更に、本実施形態に係るバッフル18のように、タンク本体14の上壁22(左側壁28を含む)を凹ませることによって形成される構成であると、図4で示すように、例えば液位Fまで貯留された液体燃料20内に挿入されるバッフル18の体積を極力小さくすることができる。したがって、バッフル18が形成される燃料タンク12であっても、その公称容量が減少するのを極力防止することができる(公称容量の減少幅を小さくすることができる)。
以上、本実施形態に係る燃料タンク構造10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る燃料タンク構造10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、各バッフル16、18の突出(延在)方向は、車体前後方向と交差する方向であればよく、図示の直交方向(車幅方向)に限定されるものではない。また、タンク本体14の外形状も、搭載される車両の設置スペースの形状に沿っていればよく、図示の外形状に限定されるものではない。
10 燃料タンク構造
12 燃料タンク
14 タンク本体
16 バッフル
18 バッフル
20 液体燃料
12 燃料タンク
14 タンク本体
16 バッフル
18 バッフル
20 液体燃料
Claims (1)
- 液体燃料が貯留されるタンク本体と、
前記タンク本体内へ車体前後方向と交差する方向に突出するように、該タンク本体の車幅方向端部から連続的に形成されたバッフルと、
を有することを特徴とする燃料タンク構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011212820A JP2013071640A (ja) | 2011-09-28 | 2011-09-28 | 燃料タンク構造 |
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---|---|---|---|---|
JP2015098840A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用燃料タンク |
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- 2011-09-28 JP JP2011212820A patent/JP2013071640A/ja active Pending
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