JP2004122555A - 成型ホース加硫用モールド - Google Patents
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Abstract
【課題】配管時の形状が3次元形状である成型ホースを加硫するに際し、加硫用モールドの上型を用いなくとも未加硫または半加硫状態のホースが下型の溝から浮いてしまう部分を生じることがない、優れた成型ホース加硫用モールドを提供する。
【解決手段】製品ホースの形状に対応する溝2が設けられた下型1のみからなる成型ホース加硫用モールドである。溝2の両壁面上部の少なくとも一部に、互いに対向するように突出する一対の凸部3が配置されている。凸部3は、溝2内部へ未加硫または半加硫状態のホース20が挿入された際に該ホース20が溝2から浮き上がらないように形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】製品ホースの形状に対応する溝2が設けられた下型1のみからなる成型ホース加硫用モールドである。溝2の両壁面上部の少なくとも一部に、互いに対向するように突出する一対の凸部3が配置されている。凸部3は、溝2内部へ未加硫または半加硫状態のホース20が挿入された際に該ホース20が溝2から浮き上がらないように形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成型ホース加硫用モールド(以下、単に「モールド」とも称する)に関し、詳しくは、ホースをあらかじめ配管時の製品形状に合わせて成型加硫するために用いられる成型ホース加硫用モールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホースの製造に際しては、製品形状に合わせた溝加工を施した加硫用モールドに、未加硫または半加硫状態のホースを挿入して成型加硫することにより、あらかじめ配管時の形状に形成された加硫済みホースを得ることが行われている。
【0003】
このような製造方法において用いられる加硫用モールドにおいて、ホースの製品形状が2次元の場合には、未加硫または半加硫状態のホースをモールドに挿入した際にもホースがモールドの溝から浮いてしまう部分が生ずることはないので、浮きの防止を考慮する必要はない。従ってこの場合の加硫用モールドとしては、ホースの製品形状に合わせて溝加工が施された下型のみで、問題なく形状の安定した製品を得ることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホースの製品形状が3次元になると、未加硫または半加硫状態のホースをモールドに挿入した際に、下型だけではホースがモールドの溝から浮く部分が生じてしまうので、加硫完了後に所期の形状のホースが得られないという問題が発生する。そのため、所期の製品形状を安定して得るためには、下型とともに上型を使用して、ホースがモールドの溝から浮いてしまう部分を押さえて成型加硫を実施することが必要となる。
【0005】
図3に、従来の成型ホース加硫用モールドの溝断面構造の一例を示す。図示するように、従来のモールド30では、3次元形状を有するホース20の加硫を行うに際し、下型31に挿入したホース20を上型32により上面から押さえた状態で成型加硫を行って、加硫時におけるホース20の浮き上りを抑えることにより、所期の形状の加硫済みホースを得ていた。
【0006】
しかし、上型32を用いた方法では、モールドの材料費や加工工数が下型31のみの場合と比較して増加するので、モールド製作に係るコストが高額になるという欠点があった。また、下型32のみの場合と比較してモールド30全体のボリュームが大きくなるので、モールド30が高重量となって、取回しに非常に労力を要し、作業性が悪化するとともに、モールド30のサイズが大きくなることに伴い、加硫缶他の設備もその分だけ大規模なものが必要になるという問題点もあった。
【0007】
さらに、このようなモールド30を使用してホース20を成型加硫する場合には、加硫前後でホース20をモールド30から出し入れする際に上型32の開閉作業を伴うので、下型31のみの場合と比較して成型の工数が増加して、製品のコスト面や労力軽減化の観点から好ましくなかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、上述の種々の問題点を全て解消して、配管時の形状が3次元形状の成型ホースを加硫するに際し加硫用モールドの上型を用いなくとも、未加硫または半加硫状態のホースが下型の溝から浮いてしまう部分を生じることがない、優れた成型ホース加硫用モールドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、未加硫または半加硫状態のホースを挿入するためのモールドの下型の溝に、該ホースの浮き上りを防止するための特定手段を設けることにより、モールドの材料費や加工費、モールド重量をいずれも低減して、3次元形状の成型ホースを形状不良を生ずることなく製造することができる優れたモールドを安価かつ軽量にて実現することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の成型ホース加硫用モールドは、製品ホースの形状に対応する溝が設けられた下型のみからなる成型ホース加硫用モールドにおいて、該溝の両壁面上部の少なくとも一部に、互いに対向するように突出する一対の凸部が配置され、該凸部は、前記溝内部へ未加硫または半加硫状態のホースが挿入された際に該ホースが前記溝から浮き上がらないように形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
これにより、配管時の形状が3次元形状のホースを加硫成型する場合でも、上型を用いることなく下型のみでホースの浮き上りを適切に防止することができるので、モールドの材料費および加工費を削減して安価なモールドを得ることができるとともに、モールドの軽量化を図ることで取り回しが楽になり、作業性を向上することが可能となる。また、モールドを小型化することができるので、必要な加硫缶等の他の製造設備の規模を縮減することが可能となり、さらには、ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることで、成型工数の削減による製品コストの低減や軽労化に繋げることも可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一好適例である成型ホース加硫用モールドに未加硫または半加硫状態のホースを挿入した状態を示す断面図である。
【0013】
図示するように、本発明の成型ホース加硫用モールドは、配管時の製品ホースの形状に対応する溝2が設けられた下型1のみからなり、溝2の両壁面上部に、互いに対向するように突出する一対の凸部3が形成されている。これにより、成型されるホース20の製品形状が3次元形状であっても、この凸部3がホース20の浮き上りを防止するストッパーの役目を果たすことになり、上型なしでも、加硫後のホースにおいて所期の製品形状を安定して得ることが可能となる。
【0014】
また、本発明の成型ホース加硫用モールドにおいては、成型ホースが3次元形状の場合に下型と上型とがセットで必要となる従来のモールドに比し、材料コストや加工コストを削減することができるので、モールド製作費用を安くすることが可能である。さらに、下型と上型とのセットからなるモールドに比して軽量化を図ることができるので、取り回しが容易となり、作業性を向上することが可能となる。このことは軽労化にも繋がり、女性でも作業を行うことが可能となる。
【0015】
また、モールドの大きさを小さくすることができるので、必要な加硫缶他の製造設備全体の規模も小さくすることができ、設備投資や使用スペースの削減にも寄与することができる。さらに、ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることから、この点でも、軽労化および成型工数の削減による製品コストの低滅に繋げることが可能となり、安価な成型ホースを提供することが可能となる。
【0016】
凸部3の配置は、成型されるホース20の製品形状が3次元形状の場合にホース20が溝2から浮いてしまうのを効果的に防止することができるものであれば、溝2の両壁面上部の一部でもよいが、溝2の全長さにわたり設けておけば完全であり、これにより、加硫後のホースにおける製品の形状不良をより確実に防止して、良質なホースの製造を安定して行うことが可能となる。
【0017】
図示する好適例では、凸部3がモールド本体と一体的に形成されており、溝2の断面形状が曲線状に滑らかにアンダーカット状に加工されている。これにより、溝2にホース20を挿入した際に凸部3のアンダーカット状の部分がホース20の外周と良好にフィットして、溝2内におけるホース20の保持性を高め、ホース20の浮き上りを適切に防止するとともに、加硫後のホース20において狙いとした形状を確実に得ることができる。
【0018】
凸部3の寸法については、ホース20の浮き上りを適切に抑止できるよう、製造するホースの径に合わせて適宜設定することができるが、溝2内における未加硫または半加硫状態のホース20の保持性や、ホースの挿入および脱型の際の作業性、ホースの外観へのダメージ(擦れ傷等)の影響等のバランスを考慮すると、溝2の壁面からの突出高さhを0.5〜1.0mmの範囲内とすることが好ましい。凸部3の高さhをこの範囲内とすることにより、ホース20の挿入、脱型作業に支障を来すことなく、加硫後のホースにおける形状不良を適切に防止して、良質な加硫済みホースを得ることが可能となる。
【0019】
また、同様の観点より、溝2の両壁面上部に形成した一対の凸部3の頂部間距離xは、下記式、
x(mm)=(ホース外径(mm))−(0.5〜1.0(mm))
の関係を満足することが好ましい。一対の凸部3の頂部間距離xをこの範囲内とすることにより、スムーズなホース20の挿入、脱型作業が可能となり、形状不良や外観不良を生ずることなく、良質な加硫済みホースを製造することができる。
【0020】
本発明のモールドの他の好適例にホースを挿入した状態の断面図を図2に示す。この好適例では、溝2をアンダーカット状に加工することにより形成された前記好適例の凸部3に代えて、弾性体からなる凸部13が、溝2の両壁面上部に配置されている。図示する好適例では、ゴム弾性体13が溝壁面の溝長手方向に形成された凹部に嵌着されているが、平坦な溝壁面(図示せず)に直接ゴム弾性体13を加硫接着または接着剤接着させてもよい。
【0021】
本発明においては、凸部13をゴム弾性体等の弾性体により、例えば、ゴムパッキン状に形成することによっても、溝をアンダーカット状に加工する前記好適例の場合と同様に、溝2の内部に挿入した未加硫または半加硫状態のホース20を溝2内に適切に保持することができ、本発明の所期の効果を良好に得ることができる。また、その寸法(溝2の壁面からの突出高さhおよび一対の凸部13の頂部間距離x)についても、前記好適例の場合と同様である。なお、凸部13を形成する弾性体の硬度および材質としては、ホース20を保持し得る適度な弾性を有し、かつ、加硫温度に耐え得る耐熱性を有する材料からなるものであればよく、特に制限はない。
【0022】
本発明のモールドは、配管時の形状が3次元形状である成型ホース全般の加硫に際し用いることができるものであり、適用対象となるホースの層構成や、材質、寸法等には特に制限はない。例えば、図1および図2に示すホース20は、その断面に破線にて同心状に示す織布等の補強層を有する通常の3次元配管用の成型ゴムホースである。
【0023】
図1および図2に示す本発明の好適例のモールドおよび図3に示す従来例のモールドを用いて、夫々、未加硫または半加硫状態のホースをあらかじめ配管時の製品形状に合わせて成型加硫したところ、いずれの場合にも加硫時にホースがこれらモールドから浮き上がることはなく、形状の安定した良好な成型ホースを製造することができたが、従来例のモールドは、本発明の好適例のモールドに比して製作コストが高いうえ、高重量であるために取り回しが不便で、作業性が悪いなどの難点を有するものであった。これに対し、本発明の好適例のモールドはいずれも安価かつ軽量であり、作業性等の面でも極めて優れていた。
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、成型ホース加硫用モールドにおいて上型を不要とすることができたことにより、以下の効果を得ることができる。
(1)モールドの材料費および加工費を削減して、安価な成型ホース加硫用モールドを得ることができる。
(2)モールドの重量を軽量化することができるので、取り回しが楽になり、作業性を良好にすることが可能となる。これは軽労化にも繋がるものである。
(3)モールドの大きさを小さくすることができるので、必要な加硫缶他の製造設備全体の規模を小さくすることが可能となり、設備投資や必要スペースの削減にも繋げることができる。
(4)ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることで、軽労化および成型工数の削減による製品コストの低減に繋がるので、この点においても安価な成型ホースを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一好適例の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【図2】本発明の他の好適例の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【図3】従来の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型
2 溝
3、13 凸部
20 ホース
【発明の属する技術分野】
本発明は成型ホース加硫用モールド(以下、単に「モールド」とも称する)に関し、詳しくは、ホースをあらかじめ配管時の製品形状に合わせて成型加硫するために用いられる成型ホース加硫用モールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホースの製造に際しては、製品形状に合わせた溝加工を施した加硫用モールドに、未加硫または半加硫状態のホースを挿入して成型加硫することにより、あらかじめ配管時の形状に形成された加硫済みホースを得ることが行われている。
【0003】
このような製造方法において用いられる加硫用モールドにおいて、ホースの製品形状が2次元の場合には、未加硫または半加硫状態のホースをモールドに挿入した際にもホースがモールドの溝から浮いてしまう部分が生ずることはないので、浮きの防止を考慮する必要はない。従ってこの場合の加硫用モールドとしては、ホースの製品形状に合わせて溝加工が施された下型のみで、問題なく形状の安定した製品を得ることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホースの製品形状が3次元になると、未加硫または半加硫状態のホースをモールドに挿入した際に、下型だけではホースがモールドの溝から浮く部分が生じてしまうので、加硫完了後に所期の形状のホースが得られないという問題が発生する。そのため、所期の製品形状を安定して得るためには、下型とともに上型を使用して、ホースがモールドの溝から浮いてしまう部分を押さえて成型加硫を実施することが必要となる。
【0005】
図3に、従来の成型ホース加硫用モールドの溝断面構造の一例を示す。図示するように、従来のモールド30では、3次元形状を有するホース20の加硫を行うに際し、下型31に挿入したホース20を上型32により上面から押さえた状態で成型加硫を行って、加硫時におけるホース20の浮き上りを抑えることにより、所期の形状の加硫済みホースを得ていた。
【0006】
しかし、上型32を用いた方法では、モールドの材料費や加工工数が下型31のみの場合と比較して増加するので、モールド製作に係るコストが高額になるという欠点があった。また、下型32のみの場合と比較してモールド30全体のボリュームが大きくなるので、モールド30が高重量となって、取回しに非常に労力を要し、作業性が悪化するとともに、モールド30のサイズが大きくなることに伴い、加硫缶他の設備もその分だけ大規模なものが必要になるという問題点もあった。
【0007】
さらに、このようなモールド30を使用してホース20を成型加硫する場合には、加硫前後でホース20をモールド30から出し入れする際に上型32の開閉作業を伴うので、下型31のみの場合と比較して成型の工数が増加して、製品のコスト面や労力軽減化の観点から好ましくなかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、上述の種々の問題点を全て解消して、配管時の形状が3次元形状の成型ホースを加硫するに際し加硫用モールドの上型を用いなくとも、未加硫または半加硫状態のホースが下型の溝から浮いてしまう部分を生じることがない、優れた成型ホース加硫用モールドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、未加硫または半加硫状態のホースを挿入するためのモールドの下型の溝に、該ホースの浮き上りを防止するための特定手段を設けることにより、モールドの材料費や加工費、モールド重量をいずれも低減して、3次元形状の成型ホースを形状不良を生ずることなく製造することができる優れたモールドを安価かつ軽量にて実現することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の成型ホース加硫用モールドは、製品ホースの形状に対応する溝が設けられた下型のみからなる成型ホース加硫用モールドにおいて、該溝の両壁面上部の少なくとも一部に、互いに対向するように突出する一対の凸部が配置され、該凸部は、前記溝内部へ未加硫または半加硫状態のホースが挿入された際に該ホースが前記溝から浮き上がらないように形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
これにより、配管時の形状が3次元形状のホースを加硫成型する場合でも、上型を用いることなく下型のみでホースの浮き上りを適切に防止することができるので、モールドの材料費および加工費を削減して安価なモールドを得ることができるとともに、モールドの軽量化を図ることで取り回しが楽になり、作業性を向上することが可能となる。また、モールドを小型化することができるので、必要な加硫缶等の他の製造設備の規模を縮減することが可能となり、さらには、ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることで、成型工数の削減による製品コストの低減や軽労化に繋げることも可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一好適例である成型ホース加硫用モールドに未加硫または半加硫状態のホースを挿入した状態を示す断面図である。
【0013】
図示するように、本発明の成型ホース加硫用モールドは、配管時の製品ホースの形状に対応する溝2が設けられた下型1のみからなり、溝2の両壁面上部に、互いに対向するように突出する一対の凸部3が形成されている。これにより、成型されるホース20の製品形状が3次元形状であっても、この凸部3がホース20の浮き上りを防止するストッパーの役目を果たすことになり、上型なしでも、加硫後のホースにおいて所期の製品形状を安定して得ることが可能となる。
【0014】
また、本発明の成型ホース加硫用モールドにおいては、成型ホースが3次元形状の場合に下型と上型とがセットで必要となる従来のモールドに比し、材料コストや加工コストを削減することができるので、モールド製作費用を安くすることが可能である。さらに、下型と上型とのセットからなるモールドに比して軽量化を図ることができるので、取り回しが容易となり、作業性を向上することが可能となる。このことは軽労化にも繋がり、女性でも作業を行うことが可能となる。
【0015】
また、モールドの大きさを小さくすることができるので、必要な加硫缶他の製造設備全体の規模も小さくすることができ、設備投資や使用スペースの削減にも寄与することができる。さらに、ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることから、この点でも、軽労化および成型工数の削減による製品コストの低滅に繋げることが可能となり、安価な成型ホースを提供することが可能となる。
【0016】
凸部3の配置は、成型されるホース20の製品形状が3次元形状の場合にホース20が溝2から浮いてしまうのを効果的に防止することができるものであれば、溝2の両壁面上部の一部でもよいが、溝2の全長さにわたり設けておけば完全であり、これにより、加硫後のホースにおける製品の形状不良をより確実に防止して、良質なホースの製造を安定して行うことが可能となる。
【0017】
図示する好適例では、凸部3がモールド本体と一体的に形成されており、溝2の断面形状が曲線状に滑らかにアンダーカット状に加工されている。これにより、溝2にホース20を挿入した際に凸部3のアンダーカット状の部分がホース20の外周と良好にフィットして、溝2内におけるホース20の保持性を高め、ホース20の浮き上りを適切に防止するとともに、加硫後のホース20において狙いとした形状を確実に得ることができる。
【0018】
凸部3の寸法については、ホース20の浮き上りを適切に抑止できるよう、製造するホースの径に合わせて適宜設定することができるが、溝2内における未加硫または半加硫状態のホース20の保持性や、ホースの挿入および脱型の際の作業性、ホースの外観へのダメージ(擦れ傷等)の影響等のバランスを考慮すると、溝2の壁面からの突出高さhを0.5〜1.0mmの範囲内とすることが好ましい。凸部3の高さhをこの範囲内とすることにより、ホース20の挿入、脱型作業に支障を来すことなく、加硫後のホースにおける形状不良を適切に防止して、良質な加硫済みホースを得ることが可能となる。
【0019】
また、同様の観点より、溝2の両壁面上部に形成した一対の凸部3の頂部間距離xは、下記式、
x(mm)=(ホース外径(mm))−(0.5〜1.0(mm))
の関係を満足することが好ましい。一対の凸部3の頂部間距離xをこの範囲内とすることにより、スムーズなホース20の挿入、脱型作業が可能となり、形状不良や外観不良を生ずることなく、良質な加硫済みホースを製造することができる。
【0020】
本発明のモールドの他の好適例にホースを挿入した状態の断面図を図2に示す。この好適例では、溝2をアンダーカット状に加工することにより形成された前記好適例の凸部3に代えて、弾性体からなる凸部13が、溝2の両壁面上部に配置されている。図示する好適例では、ゴム弾性体13が溝壁面の溝長手方向に形成された凹部に嵌着されているが、平坦な溝壁面(図示せず)に直接ゴム弾性体13を加硫接着または接着剤接着させてもよい。
【0021】
本発明においては、凸部13をゴム弾性体等の弾性体により、例えば、ゴムパッキン状に形成することによっても、溝をアンダーカット状に加工する前記好適例の場合と同様に、溝2の内部に挿入した未加硫または半加硫状態のホース20を溝2内に適切に保持することができ、本発明の所期の効果を良好に得ることができる。また、その寸法(溝2の壁面からの突出高さhおよび一対の凸部13の頂部間距離x)についても、前記好適例の場合と同様である。なお、凸部13を形成する弾性体の硬度および材質としては、ホース20を保持し得る適度な弾性を有し、かつ、加硫温度に耐え得る耐熱性を有する材料からなるものであればよく、特に制限はない。
【0022】
本発明のモールドは、配管時の形状が3次元形状である成型ホース全般の加硫に際し用いることができるものであり、適用対象となるホースの層構成や、材質、寸法等には特に制限はない。例えば、図1および図2に示すホース20は、その断面に破線にて同心状に示す織布等の補強層を有する通常の3次元配管用の成型ゴムホースである。
【0023】
図1および図2に示す本発明の好適例のモールドおよび図3に示す従来例のモールドを用いて、夫々、未加硫または半加硫状態のホースをあらかじめ配管時の製品形状に合わせて成型加硫したところ、いずれの場合にも加硫時にホースがこれらモールドから浮き上がることはなく、形状の安定した良好な成型ホースを製造することができたが、従来例のモールドは、本発明の好適例のモールドに比して製作コストが高いうえ、高重量であるために取り回しが不便で、作業性が悪いなどの難点を有するものであった。これに対し、本発明の好適例のモールドはいずれも安価かつ軽量であり、作業性等の面でも極めて優れていた。
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、成型ホース加硫用モールドにおいて上型を不要とすることができたことにより、以下の効果を得ることができる。
(1)モールドの材料費および加工費を削減して、安価な成型ホース加硫用モールドを得ることができる。
(2)モールドの重量を軽量化することができるので、取り回しが楽になり、作業性を良好にすることが可能となる。これは軽労化にも繋がるものである。
(3)モールドの大きさを小さくすることができるので、必要な加硫缶他の製造設備全体の規模を小さくすることが可能となり、設備投資や必要スペースの削減にも繋げることができる。
(4)ホース出し入れの際の上型開閉作業が不要となることで、軽労化および成型工数の削減による製品コストの低減に繋がるので、この点においても安価な成型ホースを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一好適例の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【図2】本発明の他の好適例の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【図3】従来の成型ホース加硫用モールドにホースを挿入した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型
2 溝
3、13 凸部
20 ホース
Claims (6)
- 製品ホースの形状に対応する溝が設けられた下型のみからなる成型ホース加硫用モールドにおいて、該溝の両壁面上部の少なくとも一部に、互いに対向するように突出する一対の凸部が配置され、該凸部は、前記溝内部へ未加硫または半加硫状態のホースが挿入された際に該ホースが前記溝から浮き上がらないように形成されていることを特徴とする成型ホース加硫用モールド。
- 前記凸部が、前記溝の両壁面上部に、該溝の全長さにわたり形成されている請求項1記載の成型ホース加硫用モールド。
- 前記溝の断面形状をアンダーカット形状に加工することにより前記凸部がモールド本体と一体的に形成されている請求項1または2記載の成型ホース加硫用モールド。
- 前記凸部が弾性体により形成されている請求項1または2記載の成型ホース加硫用モールド。
- 前記凸部の、前記溝壁面からの突出高さhが、0.5〜1.0mmの範囲内である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の成型ホース加硫用モールド。
- 前記一対の凸部の頂部間距離xが下記式、
x(mm)=(ホース外径(mm))−(0.5〜1.0(mm))
の関係を満足する請求項1〜5のうちいずれか一項記載の成型ホース加硫用モールド。
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JP (1) | JP2004122555A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009172908A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Bridgestone Corp | 加硫拘束冶具 |
-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002289436A patent/JP2004122555A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009172908A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Bridgestone Corp | 加硫拘束冶具 |
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