JP2004121884A - 界面位置調節可能分液槽 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重液排出配管路に脱着可能な短管路連結部材もしくは、長さ変更自在な管路部材を設け、重液排出管の最高位置高さを変更出来るようにした。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分液槽であって、特に分液界面位置を変更できるようにしたことを特徴とする分液槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学工場では多種多様な溶媒が単独または混合溶媒として使用されている。溶媒は反応等に使用されると汚染したり純度が低下したりするので、非親和性溶媒で洗浄後蒸留したり、非親和性溶媒存在下で共沸蒸留したりして再生再利用するのが一般的である。
【0003】
溶媒、例えばクロロホルム、塩化メチレン、トルエン、キシレンや軽灯油などを水などの非親和性溶媒で洗浄後に蒸留する場合、あるいは安全上等の理由で水存在下に共沸蒸留する場合に、留出後に自動分液槽を設置する。自動分液槽では、水より比重の重いクロロホルムなどの溶媒層は洗浄槽下方部からゆっくり抜き出し、クロロホルムより比重の軽い水は上層部から抜き出す。また、トルエンなど水より比重の軽い場合は分液後、上層部のトルエンを抜き出すか、下層の水層部を抜き出すかの方法がとられていたが、あらゆる組み合わせの混合溶媒を一つの分液槽にて分液処理する場合、分液界面が軽液と重液の排出口高さ間に位置しなくなる場合が生じ、本来の排出口より排出される分液溶液ではない混合液が排出されるという不具合を回避するために、設計変更再工事などの必要性があった。
【0004】
そこで、分液界面位置を軽液と重液との排出口高さの間に維持するように分液界面位置を調節、制御する手段が必要とされてきた。従来の分液界面位置を調節、制御する手段の例をあげれば、界面計で検出した界面位置に基づいて流量調節弁にて流出量を調節し、界面を所定位置に維持する装置(特開平10−314765)、混合液質量に基づいて軽液重液それぞれ抜き出す割合を変更させ、界面位置を制御する装置(特開平7−185207)、圧力容器においてレーザー光を入射させ、夫々の流体におけるレーザー光の減衰率に基づいて流体の供給排出量を制御し界面位置を調節する装置(特開平6−26909)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記以外の安価で容易な界面位置変更・調節制御する手段を備えた分液槽を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軽液は容器上方部から排出し、重液は下方部管路から排出する分液槽において、重液排出管路の途中に重液排出管の最高位置高さを変更できる手段を設けた。重液排出管の最高位置高さを変更できる手段としては、脱着可能な短管路部材、又は長さ変更が自在な管路部材等である。ここで、脱着可能な短管路部材とは、一対接合フランジ部材を備えた長さの異なる短管路連結部材であり、長さ変更が自在な管路部材とは、フレキシブルホース、ベローズ、エキスパンション等のように、重液排出管路から取り外すことなく長さを自在に変更できる管路部材である。
【0007】
いま、分液槽に入っている軽液の比重を γ1、軽液の液深を H1、重液の比重を γ2、重液の液深を H2、重液排出管路の最高位置高さにおける重液の液深を H3、とすれば次の式が成り立つ。
H3 × γ2 = ( H1 × γ1 ) + (H2 × γ2) (1)
ここで、軽液排出管路は分液槽に固定されているため分液槽内の液面は一定となり、軽液の液深 H1と重液の液深 H2の合計高さ H は軽液排出管路高さと一致する。従って、分液する混合液の軽液及び重液の比重がわかれば、H3 の高さを任意に変えることによって、つまり、重液排出管路に脱着可能な短管路連結部材、もしくは長さ変更自在な管路部材等を設け、重液排出管路の最高位置高さを変更することによって、軽液と重液の任意の液界面 X における高さを調節できることとなり、あらゆる組み合わせの混合液に対応可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図−1を参照に、具体的な分液槽の実施例及びその使用方法を説明する。
まず、反応等で使用した溶媒及び、その溶媒を洗浄するための洗浄液それぞれの比重を測定し、(1)式に基づき任意の液界面高さ X が 軽液と重液の排出口高さの間に位置するように H3 高さを決定する。
【0009】
(1)式にて算出した H3 に基づき、重液排出管路 12 の最高位置高さを、短管路連結部材 15 にて調節する。
【0010】
10 は分液槽であり、混合液入口配管路 20 、軽液排出管路 19 、重液排出管路 12 、同圧配管路 11 が取り付けられている。分液槽 10 の形状は円筒竪型が一般的であるが、ここでは形状に特段の指定はない。混合液入口配管路 20 先端部の設定位置は、通常重液層部まで浸るように長さを調整しておく。軽液と重液が排出される配管路は分液槽と接続させて等圧にし、排出がスム−ズに行われるようにしておく必要があるため、同圧配管路 11 を設ける。
【0011】
次に、反応等で使用した溶媒、及びその溶媒を洗浄するための洗浄液の混合液を、混合液入口配管路 20 にて分液槽 10 に流入させる。分液槽 10 の側壁にはレベルゲ−ジやサイトグラス等が取り付けられていて、混合液が流入する混合液入口配管路 20 の先端部の位置、分液界面 X の位置や全体溶液量が確認できるようになっている。重液は重液排出管路 12 から排出され、軽液は軽液排出管路 19 から排出される。
【0012】
50 は軽液部、51 は重液部であり、100 は液界面である。17 は重液排出管路の最高位置高さ部分に用いられている配管部材(分液管部材という)である。13、14、16、18 は液の導通確認用監視管である。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は分液槽において、比重差の異なる軽液と重液を分液し排出する分液管の配管路に短管路連結部材を取り替え接続、もしくは、長さ変更自在管路部材を設けたことにより、液界面を自由に変えられるようになる。その結果、重液軽液排出管路各々から取り出される液が混合液となりにくくなり、あらゆる混合液の分液処理において分液可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る分液槽及び全体配管図である。
【符号の説明】
10 分液槽
11 同圧配管路
12 重液排出管路
13〜18 導通確認用監視管
15 短管路連結部材もしくは長さ変更自在管路部材
17 分液管部材
19 軽液排出管路
20 混合液入口配管路
50 軽液(非親和性)
51 重液(非親和性)
100 軽液と重液の液界面
H 混合液の液面高さもしくは軽液排出管路高さ(12の配管位置を基準とする)
H1 軽液の液深
H2 重液の液深(12の配管位置を基準とする)
H3 重液排出管の最高位置高さにおける重液の液深(12の配管位置を基準とする)
X 任意の液界面
Claims (3)
- 軽液は容器上方部から排出し、重液は下方部管路から排出する分液槽において、重液排出管の途中に、重液排出管の最高位置高さを変更できる手段を設けることを特徴とする分液槽。
- 重液排出管の最高位置高さを変更できる手段が、脱着可能な短管路部材であることを特徴とする請求項1に記載の分液槽
- 重液排出管の最高位置高さを変更できる手段が、長さ変更が自在な管路部材であることを特徴とする請求項1に記載の分液槽。
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