JP2004121410A - 吸込み口体及び電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】拭き部材に液体を供給しながら拭き掃除できるとともに、拭き部材に触れるのを抑制しつつ液体の補給及び廃棄が行える吸込み口体を提供する。
【解決手段】吸込み口本体21は吸塵開口35を有している。供液手段25aは内部に液体Lが収容されるタンク部70a及び含液可能な材料により形成された供液部71を有している。供液部71はタンク部70内の液体Lと接触するように配置されている。供液手段25は吸込み口本体21に設けられている。拭き取り体27は含液可能な拭き部材81を有している。拭き部材81はタンク部70外で供液部71と接触して液体Lが供給される。拭き取り体27は拭き部材81が被清掃面Fと接するように吸込み口本体21に設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】吸込み口本体21は吸塵開口35を有している。供液手段25aは内部に液体Lが収容されるタンク部70a及び含液可能な材料により形成された供液部71を有している。供液部71はタンク部70内の液体Lと接触するように配置されている。供液手段25は吸込み口本体21に設けられている。拭き取り体27は含液可能な拭き部材81を有している。拭き部材81はタンク部70外で供液部71と接触して液体Lが供給される。拭き取り体27は拭き部材81が被清掃面Fと接するように吸込み口本体21に設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被清掃面上の塵を取り込む吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気掃除機に具備される吸込み口体には、被清掃面と接するように起毛布を取付けたものがある。この吸込み口体は、吸込み口本体を前後方向に摺動させることで、被清掃面上の塵を吸塵開口を介して本体内空間部に取り込むとともに、被清掃面を起毛布により乾拭き掃除することができるように構成されている。
【0003】
この種の吸込み口体としては、従来、起毛布を巻きつけた円筒ローラと、この円筒ローラの両端部に一体化されて吸込具本体に回転自在に直接支持される支持部とから構成した起毛布ローラ体を備えた吸込具が知られている。この吸込具では、起毛布ローラ体の起毛布により被清掃面を乾拭き掃除できる。
【0004】
また、この吸込み具は、円筒ローラをセラミック等の多孔質で形成し、この円筒ローラの内部に水を収容することで、円筒ローラの外表面に水が滲むように構成することが可能である。このように構成することにより、円筒ローラに巻きつけられた起毛布に水が供給されるので、この水が供給されて湿った起毛布により被清掃面を水拭き掃除できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−93365号公報(第2−6頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の吸込具では、円筒ローラへの補水或いは排水時、起毛布ローラ体ごと吸込具から取外す必要がある。つまり、円筒ローラとともに被清掃面を拭き掃除した後の汚れた起毛布を取外す必要があるため、この汚れた起毛布で手等を汚してしまうおそれがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、拭き部材に液体を供給しながら拭き掃除できるとともに、拭き部材に触れるのを抑制しつつ液体の補給及び廃棄が行える吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の吸込み口体は、内部に液体が収容されるタンク部、及含液可能な材料により形成されて前記タンク部内の液体と接触するように配置された供液部を有する供液手段が、吸塵開口を有する吸込み口本体に設けられているとともに、タンク部外で供液部と接触して前記液体が供給される含液可能な拭き部材を有する拭き取り体が、拭き部材が被清掃面と接するように前記吸込み口本体に設けられている。
【0009】
この吸込み口体によれば、拭き部材を有する拭き取り体と、内部に液体が収容されるタンク部を有する供液手段とが別体で具備されているため、拭き部材に触れるのを抑制しつつタンク部への液体の補給及び廃棄が行える。しかも、拭き部材はタンク部外で供液部と接触しているので、供液部を介してタンク部内の液体を拭き部材に供給できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
【0011】
図1に例示するキャニスタ型の電気掃除機1は、掃除機本体2と、これに内蔵された電動送風機3と、床面等の被清掃面Fから吸込んだ空気を掃除機本体2内に導く気流ガイド手段7と、吸込み口体20とを具備している。
【0012】
移動車輪6が取付けられている掃除機本体2は、例えば集塵室からなる集塵部4と、この集塵部4に対する空気の流れ方向の上流側に位置する吸込み口5とを有している。掃除機本体2内には、集塵部4に対する空気の流れ方向の下流側、例えば掃除機本体2の後部に位置して電動送風機3が配置されている。
【0013】
気流ガイド手段7は、例えば可撓性の吸塵ホース8と、例えば伸縮式で硬質な延長管10とを備えている。吸塵ホース8の一端部8aは吸込み口5に着脱可能に挿し込み接続される。吸塵ホース8の他端部8bは手元操作部9で形成されている。手元操作部9が有するハンドル9aには各種の操作スイッチ9bが取付けられている。延長管10の一端部10aは手元操作部9の先端嵌合筒部に着脱可能に接続される。延長管10の他端部10b又は手元操作部9の先端嵌合筒部には、吸込み口体20が選択的に着脱可能に接続される。
【0014】
電気掃除機1の電動送風機3を駆動させることにより、この電動送風機3に吸込まれる気流が形成される。それによって、吸込み口体20から床面等の被清掃面Fの塵を空気とともに吸込んで、それを、延長管10及び吸塵ホース8のうちの少なくとも吸塵ホース8を経由させて掃除機本体2の集塵部4に導き、この集塵部4内に着脱可能に収容された集塵袋等のフィルタ4aで前記塵を捕捉できる。なお、集塵部4は、掃除機本体2に着脱されて、その装着状態でサイクロン式の集塵ができる集塵カップで形成することもできる。集塵部4のフィルタ4aを通過した空気は、電動送風機3に吸込まれてこの電動送風機3から排出された後、掃除機本体2に設けた排気口(図示せず)を通して掃除機本体2の外部に排出される。以上により被清掃面Fを掃除できる。
【0015】
次に、図2〜図4を参照して吸込み口体20について説明する。この吸込み口体20は、吸込み口本体21、回転リング22、管継手23、接続管24、供液手段25a、回転清掃体26、及び拭き取り体27a等を備えている。
【0016】
吸込み口本体21は、上ケース30と、下ケース31と、中仕切り32とを含んでいる。上下両ケース30,31は互いに連結され、中仕切り32は上下両ケース30,31間に配置されている。上ケース30には前方に寄せて内側に凹む溝部60が形成されている。この溝部60は吸込み口本体21の幅方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向)に延びている。また、この溝部60の底には、吸込み口本体21の幅方向に延びる第1細長開口61が形成されている。
【0017】
下ケース31には、下部に吸塵開口35が開けられているとともに、前端部に前端吸塵開口36が開けられている。吸塵開口35と前端吸塵開口36とは連続しており、吸込み口本体21の幅方向に延びて形成されている。なお、吸塵開口35と前端吸塵開口36とは非連続であってもよい。また、この実施形態では、前端吸塵開口36はなくともよい。
【0018】
回転リング22は、中仕切り32より後側に位置して上下両ケース30,31間に取付けられている。この回転リング22は水平軸周りに回転可能である。回転リング22の後部には、管継手23が取付けられ、この管継手23には回転リング22に対してその後側から連通する接続管24が取付けられている。接続管24は管継手23側の一端部を中心として上下方向に起倒可能に設けられている。この接続管24の起倒と回転リング22の水平軸周りの回転との組み合わせによって、吸込み口本体21に対する接続管24の位置の自由度を得ている。
【0019】
なお、図2及び図3中符号38は、管継手23に接続された固定ガイド、符号39は、管継手23の起倒に連動して固定ガイド上を摺動する可動ガイドを夫々示している。両ガイド38,39により、接続管24が起こされた際に、回転リング22と接続管24との間の気密が確保されるようになっている。接続管24の他端部は延長管10または吸塵ホース8に着脱可能に嵌合して接続される。また、図4中符号37は、吸塵開口35の両端部に貼り付けられた例えば起毛布からなる一対の固定拭き部材37を示している。
【0020】
吸込み口本体21には、中仕切り32とこれを下から支持する下ケース31とにより、第1収容室40と第2収容室41とが形成されている。第1収容室40及び第2収容室41は夫々吸塵開口35を通して被清掃面Fに臨んでいる。第1収容室40は上ケース30に形成された溝部60の下方に位置しており、中仕切り32の第1収容室40を形成する部分には溝部60の底に形成された第1細長開口61と対向させて第2細長開口42が形成されている。第2収容室41は第1収容室40の後側に隣接している。中仕切り32と上ケース30との間には本体内空間部43が形成されている。この本体内空間部43は、上方から第1収容室40及び第2収容室41を覆うように形成されている。
【0021】
前端吸塵開口36は、中仕切り32の前端部と下ケース31との間の隙間により形成された第1塵通過部44を通して第1収容室40と連通されている。第1収容室40は中仕切り32の中間部と下ケース31との間の隙間により形成された第2塵通過部45を通して第2収容室41と連通されている。第2収容室41は中仕切り32の後端部と下ケース31との間の隙間により形成された第3塵通過部46を通して本体内空間部43と連通されている。本体内空間部43は回転リング22に前側から連通されている。
【0022】
したがって、吸塵開口35を通って第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。吸塵開口35を通って第1収容室40に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0023】
また、吸込み口本体21の前端壁には前端吸塵開口36が開けられているので、吸込み口本体21を前進させた時、吸込み口本体21の前方の被清掃面F上の塵を吸込み口本体21により前方に押し動かされることなく前端吸塵開口36から取り込むことができる。前端吸塵開口36から取り込まれた塵は、第1塵通過部44、第1収容室40、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0024】
供液手段25aは、タンク部70a及び供液部71を有している。タンク部70aは、内部に水やワックス等の液体Lを収容するものである。このタンク部70aは、例えば透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で、吸塵開口35の長さ方向に延びる細長筒状に形成されている。タンク部70aの断面形状は、下側略半分が上ケース30に形成した溝部60に沿う形状であればよい。タンク部70aの外周の下側となる位置には長手方向に沿って供液部挿入口72が開けられている。また、タンク部70aの長手方向一端部には図示しない液体補充口が開けられている。この液体補充口は開閉自在の図示しない蓋部で液密に閉じられている。なお、液体補充口は供液部挿入口72を避けた位置であればどこでもよい。
【0025】
供液部71は、含液可能な材料、例えばフェルト等により、タンク部70aの供液部挿入口72に対応させて帯状に形成されている。供液部71は、その幅方向の一側部をタンク部70aの供液部挿入口72から内部に挿入させ、タンク部70a内の液体Lと接触するように取付けられている。なお、供液部71と供液部挿入口72との隙間から液体Lが漏れないように、供液部71と供液部挿入口72との間は図示しないシール材で液密にシールされている。
【0026】
供液手段25aは、供液部71を下側に向けた状態で上ケース30の溝部60に着脱自在に取付けられている。このとき、供液部71の幅方向の他側部は、第1細長開口61及び第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0027】
回転清掃体26は、第2収容室41に内蔵されて吸込み口本体21に取付けられている。この回転清掃体26は、図4に示すように、吸塵開口35の長さ方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向、図4を描いた紙面の左右方向)に延びている。この回転清掃体26は、回転軸26a及びこの回転軸26aの外周に設けられた清掃部材26bを有している。回転清掃体26としては、例えば、清掃部材26bとしてのブラシ毛が回転軸26aを中心として放射状に密に配置される清掃体や、清掃部材26bとしての1枚あるいは複数枚の軟質素材からなる羽根が回転軸26aを中心として例えば螺旋状に配置される清掃体等を用いることができる。清掃部材26bは、これが回転清掃体26の下端部に移動された際に被清掃面Fに接するように吸塵開口35より突出する長さに設定されている。
【0028】
下ケース31の内側両端部には清掃体支持部48が形成されている。回転清掃体26は、回転軸26aの両端部を清掃体支持部48に軸支させることで、吸塵開口35を通して清掃部材26bが被清掃面Fと接するように設けられている。また、この回転清掃体26は、例えば吸込み口本体21に組み込まれた図示しないモータを駆動源として回転駆動されるようになっている。
【0029】
拭き取り体27aは、第1収容室40に内蔵されて吸込み口本体21に取付けられている。この拭き取り体27aは、吸塵開口35の長さ方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向、図4を描いた紙面の左右方向)に延びている。この拭き取り体27aでは、ローラ80の外周に拭き部材81が設けられている。ローラ80は、例えば細長円筒形状に形成されており、その両端部に軸部85aが設けられている。拭き部材81としては、含液可能な材料、例えば起毛布等により形成されている。
【0030】
下ケース31の内側両端部には、例えば上下方向に延びる長円形状の凹部からなる拭き取り体支持部49が形成されている。拭き取り体27aは、ローラ80の両軸部85aを拭き取り体支持部49に軸支させることで、吸塵開口35を通して拭き部材81が被清掃面Fと接するように設けられている。また、この拭き取り体27aは、吸込み口本体21の前進及び後退に連動して回転自在とされている。なお、拭き取り体27aは、例えば拭き取り体支持部49にストッパを設け、拭き部材81が前進又は後退のうちのどちらか一方の時に回転するようにしてもよい。また、拭き取り体27aは、所定の角度範囲内で回動するようにしてもよい。
【0031】
ところで、拭き取り体27aは、被清掃面Fへの拭き取り体27aの接離に連動して拭き部材81が供液部71に接離するように、拭き取り体27aを移動可能に設けるのが好ましい。この実施形態では、拭き取り体27aを上下方向に延びる長円形状の拭き取り体支持部49に軸支させることで上下方向に移動可能に設けている。
【0032】
そのため、吸塵開口35が開けられた下ケース31を被清掃面Fに対向させながら吸込み口本体21を下方に移動させると、まず拭き取り体27aの拭き部材81が被清掃面Fに接触する。さらに、回転清掃体26の清掃部材26bが被清掃面Fと接触する状態まで吸込み口本体21を下方に移動させると、拭き部材81は接触している被清掃面Fに押されて移動可能な領域中の最上位置まで移動する。これにより、拭き部材81が供液部71の他側部と接触する。
【0033】
一方、吸込み口本体21を上方に移動させると、まず回転清掃体26の清掃部材26bが被清掃面Fから離間する。このとき、拭き取り体27aは自重により下方に移動するので、拭き部材81は供液部71の他側部から離間するが、被清掃面Fとは接触したままとなる。さらに、吸込み口本体21を上方に移動させると、拭き取り体27aは移動可能な領域中の最下位置まで自重により移動して止まり、被清掃面Fから離間する。
【0034】
なお、図2及び図3中符号51はバンパー、符号52は表面に起毛布が装着された車輪を示している。図4で点模様が付されている領域は起毛布が装着されている領域である。
【0035】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0036】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除をする場合、まず、供液手段25aを吸込み口本体21の溝部60から取外してタンク部70a内に水を入れる。タンク部70aに水を入れた後、供液手段25aを再び前記溝部60に取付ける。供液手段25aの着脱時、タンク部70aは吸込み口本体21の外側に露出しているので拭き部材81には触れなくてよい。
【0037】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図2に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触すると、タンク部70a内の水は毛細管現象により供液部71を介して拭き部材81に供給され、拭き部材81は水で湿り気を帯びる。したがって、吸込み口本体21を前後方向に摺動させることで、被清掃面F上の塵を吸塵開口35又は前端吸塵開口36から本体内空間部43に吸込むことができるとともに、被清掃面Fを拭き部材81により水拭き掃除できる。
【0038】
このとき、清掃部材26bを有する回転清掃体26が吸込み口本体21に回転駆動可能に取付けられているとともに、拭き部材81が清掃部材26bと接するように設けられているので、拭き部材81に付着した埃等は清掃部材26bで掻き取られ、被清掃面F上の塵と一緒に本体内空間部43に吸込まれる。
【0039】
また、タンク部70aは、透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているとともに吸込み口本体21の外側に露出しているので、清掃中であっても、タンク部70a内の液体Lの残量が供液手段25aを取り出すことなく外部から目視できる。
【0040】
吸込み口本体21を上方に移動させると、図3に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fから離間するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部から離間するので、拭き部材81への水の供給が停止する。そのため、清掃後、拭き部材81を被清掃面Fから離間させるとともに吸塵開口35を下方に向けて拭き取り体27aを自重により下方に移動させておけば、供液手段25aを吸込み口本体21から取外したりタンク部70a内の水を捨てたりしなくても拭き部材81に水が供給されるのを抑止できる。
【0041】
また、タンク部70a内にワックスを収容することにより、フローリング床等の被清掃面F上の塵を吸込むとともに、同被清掃面Fにワックスを塗布することができる。
【0042】
さらに、被清掃面F上の塵を吸込むとともに乾拭き掃除をしたい場合は、供液手段25aを溝部60から取り出せばよく、その他は上述した水拭き掃除の場合と同様に掃除すればよい。なお、電動送風機3により形成される気流が第2細長開口42及び第1細長開口61から漏れるのを抑制するためには、第1細長開口61を開閉する蓋を設け、供液手段25aを取外した際、この蓋で第1細長開口61を気密に閉じておくのが好ましい。
【0043】
以上のように、本実施形態の吸込み口体20によれば、拭き部材81を有する拭き取り体27aと、内部に液体Lが収容されるタンク部70aを有する供液手段25aとを別体で具備しているので、拭き部材81に触れるのを抑制しつつタンク部70aへの液体Lの補給及び廃棄が行える。しかも、拭き部材81はタンク部70a外で供液部71と接触しているので、タンク部70a内の液体Lを供液部71を介して拭き部材81に供給することができる。
【0044】
また、この吸込み口体20は、被清掃面Fへの前記拭き取り体27aの接離に連動して拭き部材81が供液部71に接離するように、拭き取り体27aが移動可能に設けられているので、被清掃面Fへの拭き取り体27aの接触に連動して拭き部材81に液体Lを供給することができるとともに、被清掃面Fからの拭き部材81の離間に連動して拭き部材81への液体Lの供給を抑止することができる。
【0045】
さらに、外周に設けられた清掃部材26bを有する回転清掃体26が吸込み口本体21に回転駆動可能に取付けられているとともに、拭き取り体27aは、ローラ80の外周に拭き部材81を設けて形成されており、拭き部材81と清掃部材26bが接するように設けられているので、拭き部材81に付着した埃等を清掃部材26bで掻き取り、被清掃面F上の塵と一緒に吸込むことができる。
【0046】
以下、図5及び図6を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同一ないし同様な構成については第1の実施形態と同符号を付して、その構成及び作用の説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0047】
この実施形態では、上ケース30から溝部60及び第1細長開口61が省略されている。そして、この溝部60に代わって、上ケース30に供液手段着脱口62が開けられているとともに、この供液手段着脱口62を開閉する蓋部63が設けられている。蓋部63は、例えば、透明或いは透光性を有する樹脂等の部材により形成されており、図示しないヒンジ金具等で上ケース30に回動自在に取付けられている。また、上ケース30の内側両端部には、拭き取り体支持部49の上方に位置して供液手段支持部53が形成されている。
【0048】
供液手段25bのタンク部70bは、外面に平坦面73aと円弧面73bとを有する断面D字状部分73、断面D字状部分73の両端部に設けられて外周が被清掃面Fに接する一対の断面円形状部分74、及び断面D字状部分73と断面円形状部分74とで区画される凹部75を有している。なお、断面円形状部分74はなくともよい。タンク部70bは、吸塵開口35の長さ方向(図5を描いた紙面の表裏方向、図6を描いた紙面の左右方向)に延びている。このタンク部70bは、平坦部を吸塵開口35と略平行にして、この平坦部を上方に向けて配置されている。したがって、供液部71をタンク部70b内に挿入させるための供液部挿入口72は、断面D字状に形成された中間部の円弧部に開けられることになる。また、タンク部70bの両端部からは、供液手段支持部53と嵌合する一対の取付け部76が突出している。
【0049】
なお、拭き部材81の全面に液体Lを早く供給するためには、タンク部70b及び供給部は拭き取り体27aと同程度の長さとするのが最も好ましい。だたし、図6のように、タンク部70b及び供液部71を拭き取り体27aよりも短く設定しても、毛細管現象により、タンク部70b内の液体Lを拭き部材81の全面に供給することができる。
【0050】
供液手段25bは、供液部71を下側に向けた状態で供液手段着脱口62から吸込み口本体21の内部に挿入し、取付け部76を供液手段支持部53に嵌合させることで、本体内空間部43に着脱自在に取付けられている。このとき、供液部71の幅方向の他側部は第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0051】
また、この実施形態では、上ケース30とタンク部70bの凹部75との間には第4塵通過部47が形成されるので、前端吸塵開口36は第4塵通過部47を通して本体内空間部43と連通される。つまり、吸込み口本体21は、拭き取り体27aの上方に吸塵開口35及び前端吸塵開口36を通った空気を合流させる本体内空間部43を有することになる。なお、以上説明した構成以外は、図5及び図6に示されない構成も含めて第1実施形態と同一ないし同様である。
【0052】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0053】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除をする場合、蓋部63を開けて供液手段25bを吸込み口本体21から取外し、タンク部70b内に水を入れて再び本体内空間部43に収容して蓋部63を閉じる。
【0054】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図5に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。これにより、第1の実施形態と同様に、拭き部材81にタンク部70b内の水が供給されるようになる。また、蓋部63及びタンク部70bが透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているので、清掃中であっても、蓋部63を介してタンク部70b内の液体Lの残量が供液手段25bを取り出すことなく外部から目視できる。
【0055】
電動送風機3を駆動させると、吸塵開口35を通って第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。吸塵開口35を通って第1収容室40に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0056】
また、前端吸塵開口36から取り込まれた塵は、第4塵通過部47を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0057】
また、この実施形態では、被清掃面F上の塵をある程度本体内空間部43に取り込んでから、拭き部材81で被清掃面Fを拭き掃除することができる。
【0058】
すなわち、吸込み口本体21を前進させた場合、拭き部材81の前方の被清掃面Fの塵の多くは前端吸塵開口36から取り込まれる。このように被清掃面F上の塵をある程度前端吸塵開口36から本体内空間部43に取り込んだ後、被清掃面Fは続けて拭き部材81で拭き掃除される。
【0059】
また、吸込み口本体21を後退させた場合、拭き部材81の後方の被清掃面Fの塵の多くは吸塵開口35から取り込まれる。このように被清掃面F上の塵をある程度吸塵開口35から本体内空間部43に取り込んだ後、被清掃面Fは続けて拭き部材81で拭き掃除される。
【0060】
以上のように、本実施形態の吸込み口体20によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、本実施形態の吸込み口体20によれば、吸込み口本体21の前端部に前端吸塵開口36が開けられているとともに、拭き取り体27aの上方に吸塵開口35及び前端吸塵開口36を通った空気を合流させる本体内空間部43を吸込み口本体21が有しているので、被清掃面F上の塵をある程度本体内空間部43に取り込んでから、拭き部材81で同被清掃面Fを拭き掃除することができる。
【0061】
以下、図7〜図10を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同一ないし同様な構成については第1の実施形態と同符号を付して、その構成及び作用の説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0062】
この実施形態では、気流ガイド手段7としての吸塵ホース8及び延長管10に、電動送風機3を通過してこの電動送風機3から排出された空気を吸込み口体20に流通させる戻り風路Tが形成されている。
【0063】
例えば、吸塵ホース8は、第1ホース11とこの第1ホース11を覆う第2ホース12とで2重ホースをなしている。第1ホース11及び第2ホース12は夫々可撓性を有している。そして、第1ホース11内の空間8sが吸込み口体20から掃除機本体2に空気を流通させる吸気風路S、第1ホース11の外壁と第2ホース12の内壁との間の空間8tが掃除機本体2から吸込み口体20に空気を流通させる戻り風路Tとなっている。なお、第1ホース11内の空間8sを戻り風路T、第1ホース11の外壁と第2ホース12の内壁との間の空間8tを吸気風路Sとしてもよい。
【0064】
延長管10の内部は長手方向に沿って設けられた壁13により2つの空間10s,10tに分断されており、一方の空間10sは吸込み口体20から掃除機本体2に空気を流通させる吸気風路S、他方の空間10tは掃除機本体2から吸込み口体20に空気を流通させる戻り風路Tとなっている。延長管10の一端部10aに吸塵ホース8の手元操作部9の先端嵌合筒部を取付けることにより、吸気風路S同士及び戻り風路T同士が夫々連通するように形成されている。
【0065】
吸込み口体20には、接続管24に隣接して戻り風路管28が設けられている。この吸込み口体20では、接続管24内の空間が吸気風路S、戻り風路管28内の空間が戻り風路Tとなっている。吸込み口体20に延長管10の他端部10b又は吸塵ホース8の手元操作部9の先端嵌合筒部を選択的に着脱可能に接続することで、吸気風路S同士及び戻り風路T同士が夫々連通するように形成されている。
【0066】
回転リング22及び管継手23は夫々、内壁22a,23aとこの内壁22a,23aを外壁22b,23bとで二重構造となっており、内壁22a,23a内の空間が吸気風路S、外壁22b,23bと内壁22a,23aとの間の空間が戻り風路Tとなっている。
【0067】
上ケース30と下ケース31とにより形成される本体内空間部43は、中仕切り32により上下方向に分断されている。下側の空間56は、第1収容室40と第2収容室41とを有している。第2収容室41は吸塵開口35を通して被清掃面Fに臨んでおり、第1収容室40は前端吸塵開口36と連通している。また、掃除機本体2に設けられた排気口は省略され、代わりに、吸込み口本体21の上ケース30に前方に寄せて上側の空間55と連通する排気口29が形成されている。この吸込み口体20では、下側の空間56は、回転リング22及び管継手23の内壁22a,23a内の空間を介して接続管24と連通している。一方、上側の空間55は、回転リング22及び管継手23の外壁22b,23bと内壁22a,23aとの間の空間を介して戻り風路管28と連通している。なお、図8及び図9中符号54は、吸込み口本体21の幅方向に延びるブラシ体を示している。また、車輪52は省略されている。
【0068】
上ケース30の内側両端部には、拭き取り体支持部49の上方に位置して供液手段支持部53が形成されている。供液手段25cのタンク部70cは、吸塵開口35の長さ方向に延びる細長筒状に形成されている。タンク部70cの両端壁面からは、供液手段支持部53と嵌合する一対の取付け部76が突出している。
【0069】
供液手段25cは、供液部71を下側に向けた状態で排気口29から吸込み口本体21の上側の空間55内に挿入し、取付け部76を供液手段支持部53に嵌合させることで、本体内空間部43に着脱自在に取付けられる。このとき、供液部71の幅方向の他側部は第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0070】
つまり、この実施形態では、タンク部70cは戻り風路T内に配設されている。なお、この実施形態では、タンク部70cの一部が吸込み口本体21から突出しているが、タンク部70cは、戻り風路T内であれば、吸込み口本体21に内包されるように配設してもよい。
【0071】
拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進時に前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36への吸込みを許し、吸込み口本体21の後退時に拭き部材81を被清掃面Fに接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前記吸込みを抑制する。
【0072】
詳しくは、拭き取り体27bは、図10に示すように、外面に平坦面82aと円弧面82bとを有する断面D字状部分82、断面D字状部分82の両端部に設けられて外周が被清掃面Fに接する一対の断面円形状部分83、及び断面D字状部分82と断面円形状部分83とで区画される凹部84を有するローラ80と、拭き部材81とを有している。
【0073】
ローラ80は、吸塵開口35の長さ方向(図8及び図9を描いた紙面の表裏方向)に延びている。拭き部材81は、ローラ80の外周、例えば断面D字状部分82の円弧面82b及び断面円形状部分83の外周に被着されている。拭き部材81としては例えば起毛布が用いられている。
【0074】
ローラ80の両端部からは軸部85bが突出している。これら軸部85bには夫々突起(図示せず)が設けられている。一方、下ケース31の前部両端側壁には、軸部85bと嵌合する凹状の拭き取り体支持部(図示せず)が設けられている。これら拭き取り体支持部には、前記突起が嵌り込む溝部が90°の角度範囲内に形成されている。突起及び溝部により拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進と後退とに連動し、吸込み口本体21の前進時に凹部84を通して前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを許す開状態と、吸込み口本体21の後退時に拭き部材81を被清掃面Fに接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを抑制する閉状態とにわたって90°の角度範囲内で反転するように形成されている。
【0075】
拭き取り体27bは、拭き取り体支持部の溝部に軸部85bの突起を嵌め込んだ状態でこれら拭き取り体支持部の夫々に軸部85bを夫々取付けることによって第1収容室40に反転自在に収容されている。また、この拭き取り体27bは、吸込み口本体21の被清掃面F上の前進と後退とに連動して自動的に反転する。つまり、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前後移動に伴う断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗でローラ80が自動的に反転する。なお、以上説明した構成以外は、図7〜図10に示されない構成も含めて第1実施形態と同一ないし同様である。
【0076】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0077】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除する場合、排気口29を介して吸込み口本体21から供液手段25cを取外し、タンク部70c内に液体L例えば水を入れて再び排気口29から本体内空間部43に取付ける。
【0078】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図8及び図9に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27bの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。これにより、第1の実施形態と同様に、拭き部材81にタンク部70c内の水が供給されるようになる。また、蓋部63及びタンク部70cが透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているので、清掃中であっても、蓋部63を介してタンク部70c内の液体Lの残量が供液手段25cを取り出すことなく外部から目視できる。
【0079】
電動送風機3を駆動させると、吸塵開口35或いは前端吸塵開口36を通って第1収容室40或いは第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って下側の空間56を流通して、回転リング22の空間、管継手23の空間、及び接続管24を流通し、気流ガイド手段7の吸込み風路を流通して、掃除機本体2に空気とともに吸込まれ、掃除機本体2の集塵室4内のフィルタ4aで捕捉される。電動送風機3を通過してこの電動送風機3から排出された空気は気流ガイド手段7の戻り風路Tを通って吸込み口体20に戻る。吸込み口体20に戻った排気は、戻し通路管、管継手23の空間、及び回転リング22の空間を流通して、吸込み口本体21の上側の空間55を流通し、タンク部70cに当たって排気口29から排出される。
【0080】
電動送風機3から排出された空気は電動送風機3により温められているので、この排気が吹き当たるタンク部70c内の水はこの排気により温められる。したがって、拭き部材81には温められた水が供給される。温められた水を含んだ拭き部材81により水拭き掃除された被清掃面Fは、常温の水を含んだ拭き部材81により水拭き掃除された被清掃面Fと比べて早く乾くので好ましい。
【0081】
吸込み口本体21を被清掃面Fに沿って前進させると、吸込み口本体21と被清掃面Fとの関係は、図8に示すようになる。図8中矢印Xで吸込み口本体21の前進方向を示す。
【0082】
つまり、前進時には、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進に連動して、断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗により、図8中時計回りに90°反転する。これにより、拭き取り体27bは凹部84を通して前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを許す開状態となる。そのため、拭き取り体27bよりも前側にある塵は前方に押し動かされることなく前側吸塵開口35から第1塵通過部44を介して第1収容室40に良好に取り込まれる。そして、第2塵通過部45、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。なお、吸塵開口35から取り込まれた塵は、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0083】
吸込み口本体21を被清掃面Fに沿って後退させると、吸込み口本体21と被清掃面Fとの関係は、図9に示すようになる。図9中矢印Yで吸込み口本体21の後退方向を示す。
【0084】
つまり、後退時には、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の後退に連動して、断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗により、図9中反時計回りに90°反転する。これにより、拭き取り体27bは拭き部材81を被清掃面Fと接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36への吸込みを抑制する閉状態となる。そのため、被清掃面Fは拭き部材81により水拭き掃除される。なお、吸塵開口35から取り込まれた塵は、前進時と同様に、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。したがって、この実施形態では、吸込み口本体21の前進時に前側からの吸込みができ、後退時に拭き掃除ができる。
【0085】
したがって、本実施形態の吸込み口体20によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、本実施形態の吸込み口体20によれば、吸込み口本体21に電動送風機3から排出された空気を流通させる戻り風路Tが形成され、この戻り風路T内にタンク部70cが配設されているので、水拭き掃除した被清掃面Fが早く乾く。
【0086】
なお、第1〜第3の実施形態の吸込み口体20は、回転清掃体26をモータで回転駆動させているが、モータを省略して電動送風機3により形成される気流で回転駆動させるように構成してもよい。また、回転清掃体26は省略してもよい。
【0087】
また、第1〜第3の実施形態では、拭き取り体27a,27bを、ローラ80とこのローラ80の外周に設けた拭き部材81とを備えて構成し、吸込み口本体21の前進及び後退に連動して回転自在或いは反転自在に形成したが、拭き取り体は、これに限定されるものではない。例えば、拭き取り体は、板状部材とこの板状部材の外周に設けた拭き部材とを備えて構成する等してもよい。また、拭き取り体は、吸込み口本体21に固定してもよい。
【0088】
この発明の吸込み口体は、キャニスタ型の電気掃除機だけでなく、例えばスティック型等の種々の電気掃除機に取付けて使用することができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、拭き部材に液体を供給しながら拭き掃除できるとともに、拭き部材に触れるのを抑制しつつ液体の補給及び廃棄が行える吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図2】図1の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に接触させた時の断面図。
【図3】図1の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面から離間させた時の断面図。
【図4】図1の電気掃除機が備える吸込み口体の下面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に接触させた状態で示す断面図。
【図6】図5の電気掃除機が備える吸込み口体を示す横断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図8】図7の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に沿って前進させた時の断面図。
【図9】図7の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に沿って後退させた時の断面図。
【図10】図7の電気掃除機が備える吸込み口体が備える拭き取り体を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電気掃除機
2…掃除機本体
3…電動送風機
20…吸込み口体
21…吸込み口本体
25a〜25c…供液手段
26…回転清掃体
27a,27b…拭き取り体
35…吸塵開口
36…前端吸塵開口
43…本体内空間部
70a〜70c…タンク部
71…供液部
80…ローラ
81…拭き部材
F…被清掃面
L…液体
T…戻り風路
【発明の属する技術分野】
本発明は、被清掃面上の塵を取り込む吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気掃除機に具備される吸込み口体には、被清掃面と接するように起毛布を取付けたものがある。この吸込み口体は、吸込み口本体を前後方向に摺動させることで、被清掃面上の塵を吸塵開口を介して本体内空間部に取り込むとともに、被清掃面を起毛布により乾拭き掃除することができるように構成されている。
【0003】
この種の吸込み口体としては、従来、起毛布を巻きつけた円筒ローラと、この円筒ローラの両端部に一体化されて吸込具本体に回転自在に直接支持される支持部とから構成した起毛布ローラ体を備えた吸込具が知られている。この吸込具では、起毛布ローラ体の起毛布により被清掃面を乾拭き掃除できる。
【0004】
また、この吸込み具は、円筒ローラをセラミック等の多孔質で形成し、この円筒ローラの内部に水を収容することで、円筒ローラの外表面に水が滲むように構成することが可能である。このように構成することにより、円筒ローラに巻きつけられた起毛布に水が供給されるので、この水が供給されて湿った起毛布により被清掃面を水拭き掃除できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−93365号公報(第2−6頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の吸込具では、円筒ローラへの補水或いは排水時、起毛布ローラ体ごと吸込具から取外す必要がある。つまり、円筒ローラとともに被清掃面を拭き掃除した後の汚れた起毛布を取外す必要があるため、この汚れた起毛布で手等を汚してしまうおそれがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、拭き部材に液体を供給しながら拭き掃除できるとともに、拭き部材に触れるのを抑制しつつ液体の補給及び廃棄が行える吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の吸込み口体は、内部に液体が収容されるタンク部、及含液可能な材料により形成されて前記タンク部内の液体と接触するように配置された供液部を有する供液手段が、吸塵開口を有する吸込み口本体に設けられているとともに、タンク部外で供液部と接触して前記液体が供給される含液可能な拭き部材を有する拭き取り体が、拭き部材が被清掃面と接するように前記吸込み口本体に設けられている。
【0009】
この吸込み口体によれば、拭き部材を有する拭き取り体と、内部に液体が収容されるタンク部を有する供液手段とが別体で具備されているため、拭き部材に触れるのを抑制しつつタンク部への液体の補給及び廃棄が行える。しかも、拭き部材はタンク部外で供液部と接触しているので、供液部を介してタンク部内の液体を拭き部材に供給できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
【0011】
図1に例示するキャニスタ型の電気掃除機1は、掃除機本体2と、これに内蔵された電動送風機3と、床面等の被清掃面Fから吸込んだ空気を掃除機本体2内に導く気流ガイド手段7と、吸込み口体20とを具備している。
【0012】
移動車輪6が取付けられている掃除機本体2は、例えば集塵室からなる集塵部4と、この集塵部4に対する空気の流れ方向の上流側に位置する吸込み口5とを有している。掃除機本体2内には、集塵部4に対する空気の流れ方向の下流側、例えば掃除機本体2の後部に位置して電動送風機3が配置されている。
【0013】
気流ガイド手段7は、例えば可撓性の吸塵ホース8と、例えば伸縮式で硬質な延長管10とを備えている。吸塵ホース8の一端部8aは吸込み口5に着脱可能に挿し込み接続される。吸塵ホース8の他端部8bは手元操作部9で形成されている。手元操作部9が有するハンドル9aには各種の操作スイッチ9bが取付けられている。延長管10の一端部10aは手元操作部9の先端嵌合筒部に着脱可能に接続される。延長管10の他端部10b又は手元操作部9の先端嵌合筒部には、吸込み口体20が選択的に着脱可能に接続される。
【0014】
電気掃除機1の電動送風機3を駆動させることにより、この電動送風機3に吸込まれる気流が形成される。それによって、吸込み口体20から床面等の被清掃面Fの塵を空気とともに吸込んで、それを、延長管10及び吸塵ホース8のうちの少なくとも吸塵ホース8を経由させて掃除機本体2の集塵部4に導き、この集塵部4内に着脱可能に収容された集塵袋等のフィルタ4aで前記塵を捕捉できる。なお、集塵部4は、掃除機本体2に着脱されて、その装着状態でサイクロン式の集塵ができる集塵カップで形成することもできる。集塵部4のフィルタ4aを通過した空気は、電動送風機3に吸込まれてこの電動送風機3から排出された後、掃除機本体2に設けた排気口(図示せず)を通して掃除機本体2の外部に排出される。以上により被清掃面Fを掃除できる。
【0015】
次に、図2〜図4を参照して吸込み口体20について説明する。この吸込み口体20は、吸込み口本体21、回転リング22、管継手23、接続管24、供液手段25a、回転清掃体26、及び拭き取り体27a等を備えている。
【0016】
吸込み口本体21は、上ケース30と、下ケース31と、中仕切り32とを含んでいる。上下両ケース30,31は互いに連結され、中仕切り32は上下両ケース30,31間に配置されている。上ケース30には前方に寄せて内側に凹む溝部60が形成されている。この溝部60は吸込み口本体21の幅方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向)に延びている。また、この溝部60の底には、吸込み口本体21の幅方向に延びる第1細長開口61が形成されている。
【0017】
下ケース31には、下部に吸塵開口35が開けられているとともに、前端部に前端吸塵開口36が開けられている。吸塵開口35と前端吸塵開口36とは連続しており、吸込み口本体21の幅方向に延びて形成されている。なお、吸塵開口35と前端吸塵開口36とは非連続であってもよい。また、この実施形態では、前端吸塵開口36はなくともよい。
【0018】
回転リング22は、中仕切り32より後側に位置して上下両ケース30,31間に取付けられている。この回転リング22は水平軸周りに回転可能である。回転リング22の後部には、管継手23が取付けられ、この管継手23には回転リング22に対してその後側から連通する接続管24が取付けられている。接続管24は管継手23側の一端部を中心として上下方向に起倒可能に設けられている。この接続管24の起倒と回転リング22の水平軸周りの回転との組み合わせによって、吸込み口本体21に対する接続管24の位置の自由度を得ている。
【0019】
なお、図2及び図3中符号38は、管継手23に接続された固定ガイド、符号39は、管継手23の起倒に連動して固定ガイド上を摺動する可動ガイドを夫々示している。両ガイド38,39により、接続管24が起こされた際に、回転リング22と接続管24との間の気密が確保されるようになっている。接続管24の他端部は延長管10または吸塵ホース8に着脱可能に嵌合して接続される。また、図4中符号37は、吸塵開口35の両端部に貼り付けられた例えば起毛布からなる一対の固定拭き部材37を示している。
【0020】
吸込み口本体21には、中仕切り32とこれを下から支持する下ケース31とにより、第1収容室40と第2収容室41とが形成されている。第1収容室40及び第2収容室41は夫々吸塵開口35を通して被清掃面Fに臨んでいる。第1収容室40は上ケース30に形成された溝部60の下方に位置しており、中仕切り32の第1収容室40を形成する部分には溝部60の底に形成された第1細長開口61と対向させて第2細長開口42が形成されている。第2収容室41は第1収容室40の後側に隣接している。中仕切り32と上ケース30との間には本体内空間部43が形成されている。この本体内空間部43は、上方から第1収容室40及び第2収容室41を覆うように形成されている。
【0021】
前端吸塵開口36は、中仕切り32の前端部と下ケース31との間の隙間により形成された第1塵通過部44を通して第1収容室40と連通されている。第1収容室40は中仕切り32の中間部と下ケース31との間の隙間により形成された第2塵通過部45を通して第2収容室41と連通されている。第2収容室41は中仕切り32の後端部と下ケース31との間の隙間により形成された第3塵通過部46を通して本体内空間部43と連通されている。本体内空間部43は回転リング22に前側から連通されている。
【0022】
したがって、吸塵開口35を通って第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。吸塵開口35を通って第1収容室40に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0023】
また、吸込み口本体21の前端壁には前端吸塵開口36が開けられているので、吸込み口本体21を前進させた時、吸込み口本体21の前方の被清掃面F上の塵を吸込み口本体21により前方に押し動かされることなく前端吸塵開口36から取り込むことができる。前端吸塵開口36から取り込まれた塵は、第1塵通過部44、第1収容室40、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0024】
供液手段25aは、タンク部70a及び供液部71を有している。タンク部70aは、内部に水やワックス等の液体Lを収容するものである。このタンク部70aは、例えば透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で、吸塵開口35の長さ方向に延びる細長筒状に形成されている。タンク部70aの断面形状は、下側略半分が上ケース30に形成した溝部60に沿う形状であればよい。タンク部70aの外周の下側となる位置には長手方向に沿って供液部挿入口72が開けられている。また、タンク部70aの長手方向一端部には図示しない液体補充口が開けられている。この液体補充口は開閉自在の図示しない蓋部で液密に閉じられている。なお、液体補充口は供液部挿入口72を避けた位置であればどこでもよい。
【0025】
供液部71は、含液可能な材料、例えばフェルト等により、タンク部70aの供液部挿入口72に対応させて帯状に形成されている。供液部71は、その幅方向の一側部をタンク部70aの供液部挿入口72から内部に挿入させ、タンク部70a内の液体Lと接触するように取付けられている。なお、供液部71と供液部挿入口72との隙間から液体Lが漏れないように、供液部71と供液部挿入口72との間は図示しないシール材で液密にシールされている。
【0026】
供液手段25aは、供液部71を下側に向けた状態で上ケース30の溝部60に着脱自在に取付けられている。このとき、供液部71の幅方向の他側部は、第1細長開口61及び第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0027】
回転清掃体26は、第2収容室41に内蔵されて吸込み口本体21に取付けられている。この回転清掃体26は、図4に示すように、吸塵開口35の長さ方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向、図4を描いた紙面の左右方向)に延びている。この回転清掃体26は、回転軸26a及びこの回転軸26aの外周に設けられた清掃部材26bを有している。回転清掃体26としては、例えば、清掃部材26bとしてのブラシ毛が回転軸26aを中心として放射状に密に配置される清掃体や、清掃部材26bとしての1枚あるいは複数枚の軟質素材からなる羽根が回転軸26aを中心として例えば螺旋状に配置される清掃体等を用いることができる。清掃部材26bは、これが回転清掃体26の下端部に移動された際に被清掃面Fに接するように吸塵開口35より突出する長さに設定されている。
【0028】
下ケース31の内側両端部には清掃体支持部48が形成されている。回転清掃体26は、回転軸26aの両端部を清掃体支持部48に軸支させることで、吸塵開口35を通して清掃部材26bが被清掃面Fと接するように設けられている。また、この回転清掃体26は、例えば吸込み口本体21に組み込まれた図示しないモータを駆動源として回転駆動されるようになっている。
【0029】
拭き取り体27aは、第1収容室40に内蔵されて吸込み口本体21に取付けられている。この拭き取り体27aは、吸塵開口35の長さ方向(図2及び図3を描いた紙面の表裏方向、図4を描いた紙面の左右方向)に延びている。この拭き取り体27aでは、ローラ80の外周に拭き部材81が設けられている。ローラ80は、例えば細長円筒形状に形成されており、その両端部に軸部85aが設けられている。拭き部材81としては、含液可能な材料、例えば起毛布等により形成されている。
【0030】
下ケース31の内側両端部には、例えば上下方向に延びる長円形状の凹部からなる拭き取り体支持部49が形成されている。拭き取り体27aは、ローラ80の両軸部85aを拭き取り体支持部49に軸支させることで、吸塵開口35を通して拭き部材81が被清掃面Fと接するように設けられている。また、この拭き取り体27aは、吸込み口本体21の前進及び後退に連動して回転自在とされている。なお、拭き取り体27aは、例えば拭き取り体支持部49にストッパを設け、拭き部材81が前進又は後退のうちのどちらか一方の時に回転するようにしてもよい。また、拭き取り体27aは、所定の角度範囲内で回動するようにしてもよい。
【0031】
ところで、拭き取り体27aは、被清掃面Fへの拭き取り体27aの接離に連動して拭き部材81が供液部71に接離するように、拭き取り体27aを移動可能に設けるのが好ましい。この実施形態では、拭き取り体27aを上下方向に延びる長円形状の拭き取り体支持部49に軸支させることで上下方向に移動可能に設けている。
【0032】
そのため、吸塵開口35が開けられた下ケース31を被清掃面Fに対向させながら吸込み口本体21を下方に移動させると、まず拭き取り体27aの拭き部材81が被清掃面Fに接触する。さらに、回転清掃体26の清掃部材26bが被清掃面Fと接触する状態まで吸込み口本体21を下方に移動させると、拭き部材81は接触している被清掃面Fに押されて移動可能な領域中の最上位置まで移動する。これにより、拭き部材81が供液部71の他側部と接触する。
【0033】
一方、吸込み口本体21を上方に移動させると、まず回転清掃体26の清掃部材26bが被清掃面Fから離間する。このとき、拭き取り体27aは自重により下方に移動するので、拭き部材81は供液部71の他側部から離間するが、被清掃面Fとは接触したままとなる。さらに、吸込み口本体21を上方に移動させると、拭き取り体27aは移動可能な領域中の最下位置まで自重により移動して止まり、被清掃面Fから離間する。
【0034】
なお、図2及び図3中符号51はバンパー、符号52は表面に起毛布が装着された車輪を示している。図4で点模様が付されている領域は起毛布が装着されている領域である。
【0035】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0036】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除をする場合、まず、供液手段25aを吸込み口本体21の溝部60から取外してタンク部70a内に水を入れる。タンク部70aに水を入れた後、供液手段25aを再び前記溝部60に取付ける。供液手段25aの着脱時、タンク部70aは吸込み口本体21の外側に露出しているので拭き部材81には触れなくてよい。
【0037】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図2に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触すると、タンク部70a内の水は毛細管現象により供液部71を介して拭き部材81に供給され、拭き部材81は水で湿り気を帯びる。したがって、吸込み口本体21を前後方向に摺動させることで、被清掃面F上の塵を吸塵開口35又は前端吸塵開口36から本体内空間部43に吸込むことができるとともに、被清掃面Fを拭き部材81により水拭き掃除できる。
【0038】
このとき、清掃部材26bを有する回転清掃体26が吸込み口本体21に回転駆動可能に取付けられているとともに、拭き部材81が清掃部材26bと接するように設けられているので、拭き部材81に付着した埃等は清掃部材26bで掻き取られ、被清掃面F上の塵と一緒に本体内空間部43に吸込まれる。
【0039】
また、タンク部70aは、透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているとともに吸込み口本体21の外側に露出しているので、清掃中であっても、タンク部70a内の液体Lの残量が供液手段25aを取り出すことなく外部から目視できる。
【0040】
吸込み口本体21を上方に移動させると、図3に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fから離間するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部から離間するので、拭き部材81への水の供給が停止する。そのため、清掃後、拭き部材81を被清掃面Fから離間させるとともに吸塵開口35を下方に向けて拭き取り体27aを自重により下方に移動させておけば、供液手段25aを吸込み口本体21から取外したりタンク部70a内の水を捨てたりしなくても拭き部材81に水が供給されるのを抑止できる。
【0041】
また、タンク部70a内にワックスを収容することにより、フローリング床等の被清掃面F上の塵を吸込むとともに、同被清掃面Fにワックスを塗布することができる。
【0042】
さらに、被清掃面F上の塵を吸込むとともに乾拭き掃除をしたい場合は、供液手段25aを溝部60から取り出せばよく、その他は上述した水拭き掃除の場合と同様に掃除すればよい。なお、電動送風機3により形成される気流が第2細長開口42及び第1細長開口61から漏れるのを抑制するためには、第1細長開口61を開閉する蓋を設け、供液手段25aを取外した際、この蓋で第1細長開口61を気密に閉じておくのが好ましい。
【0043】
以上のように、本実施形態の吸込み口体20によれば、拭き部材81を有する拭き取り体27aと、内部に液体Lが収容されるタンク部70aを有する供液手段25aとを別体で具備しているので、拭き部材81に触れるのを抑制しつつタンク部70aへの液体Lの補給及び廃棄が行える。しかも、拭き部材81はタンク部70a外で供液部71と接触しているので、タンク部70a内の液体Lを供液部71を介して拭き部材81に供給することができる。
【0044】
また、この吸込み口体20は、被清掃面Fへの前記拭き取り体27aの接離に連動して拭き部材81が供液部71に接離するように、拭き取り体27aが移動可能に設けられているので、被清掃面Fへの拭き取り体27aの接触に連動して拭き部材81に液体Lを供給することができるとともに、被清掃面Fからの拭き部材81の離間に連動して拭き部材81への液体Lの供給を抑止することができる。
【0045】
さらに、外周に設けられた清掃部材26bを有する回転清掃体26が吸込み口本体21に回転駆動可能に取付けられているとともに、拭き取り体27aは、ローラ80の外周に拭き部材81を設けて形成されており、拭き部材81と清掃部材26bが接するように設けられているので、拭き部材81に付着した埃等を清掃部材26bで掻き取り、被清掃面F上の塵と一緒に吸込むことができる。
【0046】
以下、図5及び図6を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同一ないし同様な構成については第1の実施形態と同符号を付して、その構成及び作用の説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0047】
この実施形態では、上ケース30から溝部60及び第1細長開口61が省略されている。そして、この溝部60に代わって、上ケース30に供液手段着脱口62が開けられているとともに、この供液手段着脱口62を開閉する蓋部63が設けられている。蓋部63は、例えば、透明或いは透光性を有する樹脂等の部材により形成されており、図示しないヒンジ金具等で上ケース30に回動自在に取付けられている。また、上ケース30の内側両端部には、拭き取り体支持部49の上方に位置して供液手段支持部53が形成されている。
【0048】
供液手段25bのタンク部70bは、外面に平坦面73aと円弧面73bとを有する断面D字状部分73、断面D字状部分73の両端部に設けられて外周が被清掃面Fに接する一対の断面円形状部分74、及び断面D字状部分73と断面円形状部分74とで区画される凹部75を有している。なお、断面円形状部分74はなくともよい。タンク部70bは、吸塵開口35の長さ方向(図5を描いた紙面の表裏方向、図6を描いた紙面の左右方向)に延びている。このタンク部70bは、平坦部を吸塵開口35と略平行にして、この平坦部を上方に向けて配置されている。したがって、供液部71をタンク部70b内に挿入させるための供液部挿入口72は、断面D字状に形成された中間部の円弧部に開けられることになる。また、タンク部70bの両端部からは、供液手段支持部53と嵌合する一対の取付け部76が突出している。
【0049】
なお、拭き部材81の全面に液体Lを早く供給するためには、タンク部70b及び供給部は拭き取り体27aと同程度の長さとするのが最も好ましい。だたし、図6のように、タンク部70b及び供液部71を拭き取り体27aよりも短く設定しても、毛細管現象により、タンク部70b内の液体Lを拭き部材81の全面に供給することができる。
【0050】
供液手段25bは、供液部71を下側に向けた状態で供液手段着脱口62から吸込み口本体21の内部に挿入し、取付け部76を供液手段支持部53に嵌合させることで、本体内空間部43に着脱自在に取付けられている。このとき、供液部71の幅方向の他側部は第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0051】
また、この実施形態では、上ケース30とタンク部70bの凹部75との間には第4塵通過部47が形成されるので、前端吸塵開口36は第4塵通過部47を通して本体内空間部43と連通される。つまり、吸込み口本体21は、拭き取り体27aの上方に吸塵開口35及び前端吸塵開口36を通った空気を合流させる本体内空間部43を有することになる。なお、以上説明した構成以外は、図5及び図6に示されない構成も含めて第1実施形態と同一ないし同様である。
【0052】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0053】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除をする場合、蓋部63を開けて供液手段25bを吸込み口本体21から取外し、タンク部70b内に水を入れて再び本体内空間部43に収容して蓋部63を閉じる。
【0054】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図5に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27aの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。これにより、第1の実施形態と同様に、拭き部材81にタンク部70b内の水が供給されるようになる。また、蓋部63及びタンク部70bが透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているので、清掃中であっても、蓋部63を介してタンク部70b内の液体Lの残量が供液手段25bを取り出すことなく外部から目視できる。
【0055】
電動送風機3を駆動させると、吸塵開口35を通って第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。吸塵開口35を通って第1収容室40に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第2塵通過部45、第2収容室41、及び第3塵通過部46を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0056】
また、前端吸塵開口36から取り込まれた塵は、第4塵通過部47を通って本体内空間部43を流通し、この空間部43から回転リング22及び管継手23を通って接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0057】
また、この実施形態では、被清掃面F上の塵をある程度本体内空間部43に取り込んでから、拭き部材81で被清掃面Fを拭き掃除することができる。
【0058】
すなわち、吸込み口本体21を前進させた場合、拭き部材81の前方の被清掃面Fの塵の多くは前端吸塵開口36から取り込まれる。このように被清掃面F上の塵をある程度前端吸塵開口36から本体内空間部43に取り込んだ後、被清掃面Fは続けて拭き部材81で拭き掃除される。
【0059】
また、吸込み口本体21を後退させた場合、拭き部材81の後方の被清掃面Fの塵の多くは吸塵開口35から取り込まれる。このように被清掃面F上の塵をある程度吸塵開口35から本体内空間部43に取り込んだ後、被清掃面Fは続けて拭き部材81で拭き掃除される。
【0060】
以上のように、本実施形態の吸込み口体20によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、本実施形態の吸込み口体20によれば、吸込み口本体21の前端部に前端吸塵開口36が開けられているとともに、拭き取り体27aの上方に吸塵開口35及び前端吸塵開口36を通った空気を合流させる本体内空間部43を吸込み口本体21が有しているので、被清掃面F上の塵をある程度本体内空間部43に取り込んでから、拭き部材81で同被清掃面Fを拭き掃除することができる。
【0061】
以下、図7〜図10を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同一ないし同様な構成については第1の実施形態と同符号を付して、その構成及び作用の説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0062】
この実施形態では、気流ガイド手段7としての吸塵ホース8及び延長管10に、電動送風機3を通過してこの電動送風機3から排出された空気を吸込み口体20に流通させる戻り風路Tが形成されている。
【0063】
例えば、吸塵ホース8は、第1ホース11とこの第1ホース11を覆う第2ホース12とで2重ホースをなしている。第1ホース11及び第2ホース12は夫々可撓性を有している。そして、第1ホース11内の空間8sが吸込み口体20から掃除機本体2に空気を流通させる吸気風路S、第1ホース11の外壁と第2ホース12の内壁との間の空間8tが掃除機本体2から吸込み口体20に空気を流通させる戻り風路Tとなっている。なお、第1ホース11内の空間8sを戻り風路T、第1ホース11の外壁と第2ホース12の内壁との間の空間8tを吸気風路Sとしてもよい。
【0064】
延長管10の内部は長手方向に沿って設けられた壁13により2つの空間10s,10tに分断されており、一方の空間10sは吸込み口体20から掃除機本体2に空気を流通させる吸気風路S、他方の空間10tは掃除機本体2から吸込み口体20に空気を流通させる戻り風路Tとなっている。延長管10の一端部10aに吸塵ホース8の手元操作部9の先端嵌合筒部を取付けることにより、吸気風路S同士及び戻り風路T同士が夫々連通するように形成されている。
【0065】
吸込み口体20には、接続管24に隣接して戻り風路管28が設けられている。この吸込み口体20では、接続管24内の空間が吸気風路S、戻り風路管28内の空間が戻り風路Tとなっている。吸込み口体20に延長管10の他端部10b又は吸塵ホース8の手元操作部9の先端嵌合筒部を選択的に着脱可能に接続することで、吸気風路S同士及び戻り風路T同士が夫々連通するように形成されている。
【0066】
回転リング22及び管継手23は夫々、内壁22a,23aとこの内壁22a,23aを外壁22b,23bとで二重構造となっており、内壁22a,23a内の空間が吸気風路S、外壁22b,23bと内壁22a,23aとの間の空間が戻り風路Tとなっている。
【0067】
上ケース30と下ケース31とにより形成される本体内空間部43は、中仕切り32により上下方向に分断されている。下側の空間56は、第1収容室40と第2収容室41とを有している。第2収容室41は吸塵開口35を通して被清掃面Fに臨んでおり、第1収容室40は前端吸塵開口36と連通している。また、掃除機本体2に設けられた排気口は省略され、代わりに、吸込み口本体21の上ケース30に前方に寄せて上側の空間55と連通する排気口29が形成されている。この吸込み口体20では、下側の空間56は、回転リング22及び管継手23の内壁22a,23a内の空間を介して接続管24と連通している。一方、上側の空間55は、回転リング22及び管継手23の外壁22b,23bと内壁22a,23aとの間の空間を介して戻り風路管28と連通している。なお、図8及び図9中符号54は、吸込み口本体21の幅方向に延びるブラシ体を示している。また、車輪52は省略されている。
【0068】
上ケース30の内側両端部には、拭き取り体支持部49の上方に位置して供液手段支持部53が形成されている。供液手段25cのタンク部70cは、吸塵開口35の長さ方向に延びる細長筒状に形成されている。タンク部70cの両端壁面からは、供液手段支持部53と嵌合する一対の取付け部76が突出している。
【0069】
供液手段25cは、供液部71を下側に向けた状態で排気口29から吸込み口本体21の上側の空間55内に挿入し、取付け部76を供液手段支持部53に嵌合させることで、本体内空間部43に着脱自在に取付けられる。このとき、供液部71の幅方向の他側部は第2細長開口42を通って第1収容室40内に延出される。
【0070】
つまり、この実施形態では、タンク部70cは戻り風路T内に配設されている。なお、この実施形態では、タンク部70cの一部が吸込み口本体21から突出しているが、タンク部70cは、戻り風路T内であれば、吸込み口本体21に内包されるように配設してもよい。
【0071】
拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進時に前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36への吸込みを許し、吸込み口本体21の後退時に拭き部材81を被清掃面Fに接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前記吸込みを抑制する。
【0072】
詳しくは、拭き取り体27bは、図10に示すように、外面に平坦面82aと円弧面82bとを有する断面D字状部分82、断面D字状部分82の両端部に設けられて外周が被清掃面Fに接する一対の断面円形状部分83、及び断面D字状部分82と断面円形状部分83とで区画される凹部84を有するローラ80と、拭き部材81とを有している。
【0073】
ローラ80は、吸塵開口35の長さ方向(図8及び図9を描いた紙面の表裏方向)に延びている。拭き部材81は、ローラ80の外周、例えば断面D字状部分82の円弧面82b及び断面円形状部分83の外周に被着されている。拭き部材81としては例えば起毛布が用いられている。
【0074】
ローラ80の両端部からは軸部85bが突出している。これら軸部85bには夫々突起(図示せず)が設けられている。一方、下ケース31の前部両端側壁には、軸部85bと嵌合する凹状の拭き取り体支持部(図示せず)が設けられている。これら拭き取り体支持部には、前記突起が嵌り込む溝部が90°の角度範囲内に形成されている。突起及び溝部により拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進と後退とに連動し、吸込み口本体21の前進時に凹部84を通して前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを許す開状態と、吸込み口本体21の後退時に拭き部材81を被清掃面Fに接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを抑制する閉状態とにわたって90°の角度範囲内で反転するように形成されている。
【0075】
拭き取り体27bは、拭き取り体支持部の溝部に軸部85bの突起を嵌め込んだ状態でこれら拭き取り体支持部の夫々に軸部85bを夫々取付けることによって第1収容室40に反転自在に収容されている。また、この拭き取り体27bは、吸込み口本体21の被清掃面F上の前進と後退とに連動して自動的に反転する。つまり、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前後移動に伴う断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗でローラ80が自動的に反転する。なお、以上説明した構成以外は、図7〜図10に示されない構成も含めて第1実施形態と同一ないし同様である。
【0076】
前記構成の吸込み口体20を備えた電気掃除機1は、以下のようにして使用する。
【0077】
被清掃面F上の塵を吸込むとともに水拭き掃除する場合、排気口29を介して吸込み口本体21から供液手段25cを取外し、タンク部70c内に液体L例えば水を入れて再び排気口29から本体内空間部43に取付ける。
【0078】
吸塵開口35を被清掃面Fに対向させて吸込み口本体21を下方に移動させると、図8及び図9に示すように、回転清掃体26の清掃部材26bの下端部及び拭き取り体27bの拭き部材81の下端部が被清掃面Fに接触するとともに、供液部71の他側部が拭き部材81の上端部と接触する。これにより、第1の実施形態と同様に、拭き部材81にタンク部70c内の水が供給されるようになる。また、蓋部63及びタンク部70cが透明或いは透光性を有する樹脂等の部材で形成されているので、清掃中であっても、蓋部63を介してタンク部70c内の液体Lの残量が供液手段25cを取り出すことなく外部から目視できる。
【0079】
電動送風機3を駆動させると、吸塵開口35或いは前端吸塵開口36を通って第1収容室40或いは第2収容室41に取り込まれた被清掃面F上の塵は、第3塵通過部46を通って下側の空間56を流通して、回転リング22の空間、管継手23の空間、及び接続管24を流通し、気流ガイド手段7の吸込み風路を流通して、掃除機本体2に空気とともに吸込まれ、掃除機本体2の集塵室4内のフィルタ4aで捕捉される。電動送風機3を通過してこの電動送風機3から排出された空気は気流ガイド手段7の戻り風路Tを通って吸込み口体20に戻る。吸込み口体20に戻った排気は、戻し通路管、管継手23の空間、及び回転リング22の空間を流通して、吸込み口本体21の上側の空間55を流通し、タンク部70cに当たって排気口29から排出される。
【0080】
電動送風機3から排出された空気は電動送風機3により温められているので、この排気が吹き当たるタンク部70c内の水はこの排気により温められる。したがって、拭き部材81には温められた水が供給される。温められた水を含んだ拭き部材81により水拭き掃除された被清掃面Fは、常温の水を含んだ拭き部材81により水拭き掃除された被清掃面Fと比べて早く乾くので好ましい。
【0081】
吸込み口本体21を被清掃面Fに沿って前進させると、吸込み口本体21と被清掃面Fとの関係は、図8に示すようになる。図8中矢印Xで吸込み口本体21の前進方向を示す。
【0082】
つまり、前進時には、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の前進に連動して、断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗により、図8中時計回りに90°反転する。これにより、拭き取り体27bは凹部84を通して前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36及び吸塵開口35への吸込みを許す開状態となる。そのため、拭き取り体27bよりも前側にある塵は前方に押し動かされることなく前側吸塵開口35から第1塵通過部44を介して第1収容室40に良好に取り込まれる。そして、第2塵通過部45、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。なお、吸塵開口35から取り込まれた塵は、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。
【0083】
吸込み口本体21を被清掃面Fに沿って後退させると、吸込み口本体21と被清掃面Fとの関係は、図9に示すようになる。図9中矢印Yで吸込み口本体21の後退方向を示す。
【0084】
つまり、後退時には、拭き取り体27bは、吸込み口本体21の後退に連動して、断面円形状部分83の外周と被清掃面Fとの抵抗により、図9中反時計回りに90°反転する。これにより、拭き取り体27bは拭き部材81を被清掃面Fと接触させて前端吸塵開口36の前方の被清掃面Fに沿う前端吸塵開口36への吸込みを抑制する閉状態となる。そのため、被清掃面Fは拭き部材81により水拭き掃除される。なお、吸塵開口35から取り込まれた塵は、前進時と同様に、第2収容室41、第3塵通過部46、及び下側の空間56を流通し、この下側の空間56からリング部材の空間、接続管24継手23の空間、及び接続管24を流通して気流ガイド手段7に吸込まれる。したがって、この実施形態では、吸込み口本体21の前進時に前側からの吸込みができ、後退時に拭き掃除ができる。
【0085】
したがって、本実施形態の吸込み口体20によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、本実施形態の吸込み口体20によれば、吸込み口本体21に電動送風機3から排出された空気を流通させる戻り風路Tが形成され、この戻り風路T内にタンク部70cが配設されているので、水拭き掃除した被清掃面Fが早く乾く。
【0086】
なお、第1〜第3の実施形態の吸込み口体20は、回転清掃体26をモータで回転駆動させているが、モータを省略して電動送風機3により形成される気流で回転駆動させるように構成してもよい。また、回転清掃体26は省略してもよい。
【0087】
また、第1〜第3の実施形態では、拭き取り体27a,27bを、ローラ80とこのローラ80の外周に設けた拭き部材81とを備えて構成し、吸込み口本体21の前進及び後退に連動して回転自在或いは反転自在に形成したが、拭き取り体は、これに限定されるものではない。例えば、拭き取り体は、板状部材とこの板状部材の外周に設けた拭き部材とを備えて構成する等してもよい。また、拭き取り体は、吸込み口本体21に固定してもよい。
【0088】
この発明の吸込み口体は、キャニスタ型の電気掃除機だけでなく、例えばスティック型等の種々の電気掃除機に取付けて使用することができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、拭き部材に液体を供給しながら拭き掃除できるとともに、拭き部材に触れるのを抑制しつつ液体の補給及び廃棄が行える吸込み口体、及び、この吸込み口体を備えた電気掃除機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図2】図1の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に接触させた時の断面図。
【図3】図1の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面から離間させた時の断面図。
【図4】図1の電気掃除機が備える吸込み口体の下面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に接触させた状態で示す断面図。
【図6】図5の電気掃除機が備える吸込み口体を示す横断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図8】図7の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に沿って前進させた時の断面図。
【図9】図7の電気掃除機が備える吸込み口体を被清掃面に沿って後退させた時の断面図。
【図10】図7の電気掃除機が備える吸込み口体が備える拭き取り体を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電気掃除機
2…掃除機本体
3…電動送風機
20…吸込み口体
21…吸込み口本体
25a〜25c…供液手段
26…回転清掃体
27a,27b…拭き取り体
35…吸塵開口
36…前端吸塵開口
43…本体内空間部
70a〜70c…タンク部
71…供液部
80…ローラ
81…拭き部材
F…被清掃面
L…液体
T…戻り風路
Claims (6)
- 吸塵開口を有する吸込み口本体と、
内部に液体が収容されるタンク部、及び含液可能な材料により形成されて前記タンク部内の液体と接触するように配置された供液部を有して、前記吸込み口本体に設けられた供液手段と、
前記タンク部外で前記供液部と接触して前記液体が供給される含液可能な拭き部材を有し、前記拭き部材が被清掃面と接するように前記吸込み口本体に設けられた拭き取り体と、を具備する吸込み口体。 - 請求項1に記載の吸込み口体において、前記被清掃面への前記拭き取り体の接離に連動して前記拭き部材が前記供液部に接離するように、前記拭き取り体が移動可能に設けられている。
- 請求項2に記載の吸込み口体において、外周に設けられた清掃部材を有する回転清掃体が前記吸込み口本体に回転駆動可能に取付けられているとともに、前記拭き取り体は、ローラの外周に前記拭き部材を設けて形成されており、前記拭き部材と前記清掃部材が接するように設けられている。
- 請求項1〜3の内のいずれか1項に記載の吸込み口体において、前記吸込み口本体の前端部に前端吸塵開口が開けられているとともに、前記拭き取り体の上方に前記吸塵開口及び前記前端吸塵開口を通った空気を合流させる本体内空間部を前記吸込み口本体が有している。
- 掃除機本体内の電動送風機の動作により、前記掃除機本体の集塵室に連通された吸込み口体の吸塵開口から被清掃面の塵を空気とともに吸込んで、この吸込んだ塵を前記集塵室内に捕捉する電気掃除機において、前記吸込み口体に請求項1〜4の内のいずれか1項に記載の吸込み口体を用いた電気掃除機。
- 掃除機本体内の電動送風機の動作により、前記掃除機本体の集塵室に連通された吸込み口体の吸塵開口から被清掃面の塵を空気とともに吸込んで、この吸込んだ塵を前記集塵室内に捕捉するとともに、前記電動送風機を通過してこの電動送風機から排出された空気を前記吸込み口体に戻す電気掃除機において、前記吸込み口体に請求項1〜5の内のいずれか1項に記載の吸込み口体が用いられるとともに、前記吸込み口本体に前記電動送風機から排出された空気を流通させる戻り風路が形成され、この戻り風路内に前記タンク部が配設されている電気掃除機。
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WO2009077306A1 (de) | 2007-12-18 | 2009-06-25 | BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH | Bodendüse, insbesondere für hartböden |
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KR20210108959A (ko) * | 2018-12-21 | 2021-09-03 | 포시텍 파워 툴스(소주) 컴퍼니. 리미티드. | 로봇청소기 및 제어방법 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002287801A patent/JP2004121410A/ja active Pending
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KR102611848B1 (ko) * | 2018-12-21 | 2023-12-08 | 포시텍 파워 툴스(소주) 컴퍼니. 리미티드. | 로봇청소기 및 제어방법 |
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