JP2004120451A - 増幅装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号を増幅器4により増幅し、当該増幅器4で発生する歪を補償する増幅装置で、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、運用を継続することを可能とする。
【解決手段】歪成分大きさ検出手段7、8が歪補償後における増幅器4により増幅された信号に含まれる増幅器4で発生した歪成分の大きさを検出し、増幅信号レベル低減制御手段9、1が検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合に増幅器4による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う。歪補償では、プリディストーション手段3が増幅器4により増幅される前の信号に対して歪を発生し、プリディストーション制御手段9が検出される歪成分の大きさに基づいてプリディストーション手段3により発生する歪を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】歪成分大きさ検出手段7、8が歪補償後における増幅器4により増幅された信号に含まれる増幅器4で発生した歪成分の大きさを検出し、増幅信号レベル低減制御手段9、1が検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合に増幅器4による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う。歪補償では、プリディストーション手段3が増幅器4により増幅される前の信号に対して歪を発生し、プリディストーション制御手段9が検出される歪成分の大きさに基づいてプリディストーション手段3により発生する歪を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償する増幅装置に関し、特に、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、運用を継続することが可能な増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動通信システムの基地局装置などでは、高周波の歪補償増幅器としてプリディストーション歪補償増幅器(PD歪補償増幅器)を用いて、移動局装置などに対して無線により送信する対象となる信号を増幅器で増幅して、当該増幅器で発生する歪を補償することが行われる。
【0003】
図4には、アダプティブなPD歪補償増幅器(APD歪補償増幅器)の基本的な構成の一例を示してある。
同図に示したAPD歪補償増幅器は、遅延器61と、プリディストーション回路62と、歪補償の対象となる増幅器63と、包絡線検出器64と、補償用テーブルを記憶するメモリ65と、サイドバンド電力検出器66と、積分器67と、制御器68とから構成されている。また、プリディストーション回路62は、可変減衰器71と、移相器72とから構成されている。また、メモリ65には、補償用テーブルとして、可変減衰器用テーブル73と、移相器用テーブル74が記憶されている。
【0004】
同図に示したAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
高周波の入力信号が遅延器61に入力されると、同時に当該入力信号の包絡線が包絡線検出器64により検出される。遅延器61からの出力は、プリディストーション回路62において可変減衰器71により振幅が調整されるとともに移相器72により位相が調整された後に、増幅器63に入力される。増幅器63では、入力信号に対してプリディストーション回路62で生成した歪成分と当該増幅器63で発生した歪成分とが相殺され、当該増幅器63からは歪補償がなされた高周波の送信信号が出力される。
【0005】
この歪成分の相殺の精度は、プリディストーション回路62の歪特性と増幅器63の非線形性とがうまく合致するか否かによって決まる。可変減衰器用テーブル73では入力信号の包絡線情報と可変減衰器71の制御態様(補正データ)との対応を記憶しており、移相器用テーブル74では入力信号の包絡線情報と移相器72の制御態様(補正データ)との対応を記憶している。包絡線検出器64により得られた入力信号の包絡線情報はメモリ65の可変減衰器用テーブル73及び移相器用テーブル74で照合され、これにより、刻々と変化する包絡線情報に対応する補正データがそれぞれのテーブル73、74から読み出され、当該補正データの信号により可変減衰器62による信号振幅の減衰量と移相器72による信号位相の変化量(移相量)が制御される。
【0006】
また、この補正量の精度を上げて最適化するために、フィードバック制御を行う。すなわち、増幅器63からの送信出力の電力スペクトラムにおいて隣接チャネル漏洩電力となるサイドバンド成分の電力をサイドバンド電力検出器66により検出し、当該検出結果を積分器67により一定時間毎に積分して当該積分結果を制御器68に入力し、そして、制御器68は当該入力される積分値に基づいて可変減衰器用テーブル73や移相器用テーブル74の記憶値を更新する。これにより、最適な補正データの信号が可変減衰器テーブル73や移相器用テーブル74からプリディストーション回路62の可変減衰器71や移相器72に入力されるように適応的に(アダプティブに)制御される。
【0007】
また、入力信号のタイミングに対して、包絡線情報や送信出力のサイドバンド電力情報によるプリディストーション回路62の制御処理のタイミングに遅延時間が生じるため、上述のように、入力信号をプリディストーション回路62に入力する前に、遅延器61により当該制御処理に要する遅延時間と同じ時間だけ遅延させている。
【0008】
なお、増幅器で発生する歪を検出する歪検出器に関する従来技術の例を示す。従来の歪検出器(以下で、歪検出器Aと言う)では、複数の基本波を増幅器で増幅するに際して、増幅器で発生する3次相互変調歪を狭帯域なフィルタにより検出するものがある。なお、この歪検出器Aでは、例えば、複数の基本波の周波数が固定されていない場合には、フィルタにより3次相互変調歪を検出することが困難である(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、従来の歪検出器(以下で、歪検出器Bと言う)では、デジタル変調波を主増幅器で増幅するに際して、主増幅器の出力端子に並列に接続されたフィルタにより信号周波数の倍数波を通過させ、増幅器により当該通過信号を増幅し、検波器により当該増幅信号を検波して入力レベルに応じて直流電圧信号へ変換し、そして、当該直流電圧信号に基づいて主増幅器の非線形性によって発生する隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel Power)を検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
ここで、この歪検出器Bでは、増幅器で発生した歪の成分として、ACPを検出している。また、例えば、3倍波は、2倍波と比べて歪波の電力変化量が大きいため、ACPを検出するために用いられるのに適している。一例として、この歪検出器Bのフィルタでは、倍数波として、2倍波或いは3倍波を通過させる(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−286644号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば上記図4に示したような従来のPD歪補償増幅器では、例えば、増幅器63の異常により歪成分が大幅に増大して、プリディストーション回路62により発生させる歪成分では増幅器63で発生する歪成分を相殺することができなくなってしまうことが発生する。そして、このような事態が発生した場合には、歪の出力がスプリアスとなって他の電波に妨害を与えてしまうために速やかに送信を停止する必要があるが、このように送信を停止してしまうと、PD歪補償増幅器の運用ができなくなってしまうといった不具合があった。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、運用を継続することができる増幅装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る増幅装置では、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、歪成分大きさ検出手段が、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分の大きさを検出する。そして、増幅信号レベル低減制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合に、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う。
【0015】
従って、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御されるため、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させることができ、これにより、増幅装置の運用を継続することができる。一例として、無線により送信する対象となる信号を増幅するような場合には、歪の出力がスプリアスとなって他の電波に妨害を与えてしまうようなことを防ぐことができ、これにより、信号の送信を継続することができる。
【0016】
通常、運用中に増幅装置の電源をオフにして当該増幅装置を停止させることは、運用者にとってはできるだけ行いたくないことである。本発明に係る増幅装置では、このようなことを回避することができ、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、出力を低下させて運用を継続することができる。
【0017】
ここで、増幅器により増幅する対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよく、例えば無線により送信する対象となる信号などを用いることができる。
また、増幅器としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、1つの増幅素子から構成されるものが用いられてもよく、或いは、複数の増幅素子が組み合わされて構成されるようなものが用いられてもよい。
【0018】
また、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分としては、例えば、歪補償がなされた後であり且つ増幅器により増幅された後である信号について、当該信号に含まれる歪成分であって増幅器で発生した歪成分が用いられる。つまり、このような歪成分は、増幅器で発生した歪の成分であって、歪補償によっても補償しきれずに残った歪(残歪)の成分に相当する。
【0019】
また、歪成分大きさ検出手段では、必ずしも増幅器で発生する歪の全ての成分についてその大きさが検出されなくともよく、例えば増幅器で発生する歪の一部の成分についてその大きさが検出されてもよい。
また、歪成分大きさ検出手段により増幅器で発生する歪の一部の成分の大きさを検出する場合には、種々な成分の大きさが検出されてもよく、例えば予め設定された周波数の歪成分の大きさを検出するような態様を用いることができる。一例として、増幅器による増幅対象となる信号(基本信号)の3倍波の周波数成分の大きさや或いは2倍波の周波数成分の大きさを、歪成分の大きさとして検出するような態様を用いることができる。
【0020】
また、歪成分の大きさとしては、種々な大きさが検出されてもよく、例えば、電力などのレベルの大きさを検出することができる。
また、歪成分の大きさとしては、例えば、所定の期間に検出される歪成分のレベルの積分値や、所定の期間に検出される歪成分のレベルの時間的な平均値を用いることも可能である。この場合、当該所定の期間としては、例えば通信方式などに応じて、種々な期間が用いられてもよい。
【0021】
また、増幅信号レベル低減制御手段により用いられる所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよい。一例として、精度のよい歪補償ができずにスプリアスなどのような悪影響をもたらしてしまう程度に大きな歪が歪補償後における増幅信号に残ってしまうような場合に検出される歪成分の大きさの値を所定の閾値として用いることができ、この態様では、当該悪影響が発生する程度に大きな歪が歪補償後における増幅信号に残るようになった場合に、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させるように制御することが行われる。
【0022】
また、上記では、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合について述べたが、当該歪成分の大きさが所定の閾値と等しい場合には、特に限定はなく、例えば、所定の閾値を超えた場合と同様に扱われてもよく、或いは、他の態様が用いられてもよい。
【0023】
また、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う態様としては、種々な態様を用いることができ、例えば、信号を減衰させる可変減衰器などを増幅器の前段に備えて増幅器により増幅される前の信号を減衰させる態様や、信号を減衰させる可変減衰器などを増幅器の後段に備えて増幅器により増幅された後の信号を減衰させる態様や、或いは、可変利得増幅器を用いて増幅器を構成して当該増幅器の利得を変化させることで増幅後の信号のレベルを低減させる態様などを用いることができる。
【0024】
また、増幅信号レベル低減制御手段により増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御する程度としては、種々な程度が用いられてもよく、例えば、歪による悪影響の発生を防止することができる程度に制御を行うような態様を用いることができ、一例として、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値未満(又は所定の閾値以下)となるように制御を行うような態様を用いることができる。
【0025】
また、本発明に係る増幅装置では、一構成例として、次のような手段を備えて、増幅器で発生する歪を補償する。なお、この構成例は、アダプティブなプリディストーション方式に対応するものである。
すなわち、プリディストーション手段が増幅器により増幅される前の信号に対して歪を発生する。そして、プリディストーション制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさに基づいて、プリディストーション手段により発生する歪を制御する。
【0026】
ここで、プリディストーション手段により発生する歪としては、例えば、増幅器で発生する歪を打ち消すことができるような歪となるように或いは増幅器で発生する歪を打ち消すことができるような歪に近づくように制御され、具体的には、増幅器で発生する歪とは反転した歪つまり増幅器で発生する歪と振幅が同一であって位相が逆の(つまり、位相が180度ずれた)歪となるように或いはこのような歪に近づくように制御される。
【0027】
また、プリディストーション制御手段は、例えば、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが小さくなるように、プリディストーション手段により発生する歪を制御し、好ましい態様例として、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが最小となるように、プリディストーション手段により発生する歪を制御する。
【0028】
また、プリディストーション制御手段によりプリディストーション手段により発生する歪を制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該歪の振幅や位相を制御するような態様を用いることができる。
【0029】
また、一例として、増幅器により増幅される前の信号のレベルを検出する信号レベル検出手段と、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶するプリディストーション制御態様記憶手段を備え、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応付けられてプリディストーション制御態様記憶手段に記憶された制御態様を用いてプリディストーション手段を制御するような態様を用いることができる。また、このような態様において、例えば、プリディストーション制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさに基づいてプリディストーション制御態様記憶手段の記憶内容を更新するような態様を用いることができる。
【0030】
なお、増幅装置により行われる歪補償の方式としては、必ずしもプリディストーション方式やアダプティブプリディストーション方式に限られず、他の方式が用いられてもよい。一例として、歪補償の方式として、フィードフォワード方式(FF方式)を用いることもでき、この場合、本発明は、例えば歪検出ループと歪補償ループ(歪除去ループ)を有するようなフィードフォワード歪補償増幅器に適用される。なお、従来のフィードフォワード歪補償増幅器では、パイロット信号を用いた制御が行われる。また、本発明は、例えば、ベースバンド信号(BB信号)を処理するアダプティブプリディストーション(APD)方式などの歪補償増幅器や、デジタル信号を処理するAPD方式などの歪補償増幅器などに適用することも可能である。
【0031】
また、本発明に係る増幅装置は、例えば、移動通信システムなどの無線通信システムに備えられる基地局装置や中継増幅装置などに適用することが可能である。
ここで、無線通信システムとしては、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの種々なシステムが用いられてもよい。
また、通信方式としては、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)方式やW(Wide band)−CDMA方式やTDMA(Time Division MultipleAccess)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式などの種々な方式が用いられてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
以下の本実施例では、本発明をアダプティブプリディストーション歪補償増幅器(APD歪補償増幅器)に適用した場合を示す。また、以下の実施例で示すAPD歪補償増幅器は、移動通信システムの基地局装置に備えられており、当該基地局装置により無線により送信する対象となる信号を入力して、当該入力信号を増幅する。そして、当該基地局装置は、当該APD歪補償増幅器により増幅及び歪補償された信号をアンテナから通信相手となる移動局装置などに対して無線により送信する。
【0033】
まず、第1実施例を説明する。
図1には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、遅延器2の前段に可変減衰器1を付加し、制御器9により当該可変減衰器1を制御することが可能な構成としてある。
【0034】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、可変減衰器1と包絡線検出器5に入力される。
可変減衰器1は、後述する制御器9により制御される減衰量で入力される信号を減衰させ、当該減衰後の信号を遅延器2へ出力する。
遅延器1は、可変減衰器1から入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路3へ出力する。
【0035】
プリディストーション回路3の可変減衰器11は、後述する可変減衰器用テーブル13から入力される補正データの信号に基づく減衰量で遅延器2から入力される信号を減衰させることにより、当該信号の振幅を調整し、当該振幅調整後の信号を移相器12へ出力する。
プリディストーション回路3の移相器12は、後述する移相器用テーブル14から入力される補正データの信号に基づく位相変化量(移相量)で可変減衰器3から入力される信号の位相を変化させることにより、当該信号の位相を調整し、当該位相調整後の信号を増幅器4へ出力する。
【0036】
増幅器4は、プリディストーション回路3の移相器12から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
包絡線検出器5は、入力される信号の包絡線を検出し、包絡線情報をメモリ6に記憶された補正用テーブルである可変減衰器用テーブル13及び移相器用テーブル14へ出力する。
【0037】
可変減衰器用テーブル13は、包絡線情報と可変減衰器11による振幅調整に関する補正データとを表にして格納しており、包絡線検出器5から入力される包絡線情報に対応する補正データの信号を可変減衰器11へ出力する。
移相器用テーブル14は、包絡線情報と移相器12による位相調整に関する補正データとを表にして格納しており、包絡線検出器5から入力される包絡線情報に対応する補正データの信号を移相器12へ出力する。
【0038】
サイドバンド電力検出器7は、増幅器4から出力される信号の一部を入力し、当該入力信号から、前記送信出力において隣接チャネルヘの漏洩電力となるサイドバンド信号の電力を検出し、当該検出結果を積分器8へ出力する。このように、本例では、サイドバンド信号を基準として、後述する制御器9により制御が行われる。
【0039】
なお、本例では、サイドバンド電力検出器7として、例えば上記した特許文献1に記載されたような歪検出器Bを用いており、サイドバンド信号の成分としてACPの成分を検出している。また、サイドバンド信号としては、例えば、1次歪や2次歪などの種々な信号が用いられてもよい。
【0040】
積分器8は、サイドバンド電力検出器7から入力される検出結果を一定時間積分し、当該積分結果を制御器9へ出力する。なお、積分器8は、概念的には面積を図る機能を有しており、例えばCDMA方式において特に必要とされるものである。
制御器9は、積分器8から入力される積分値に基づいて、メモリ6に記憶された可変減衰器用テーブル13に格納された補正データやメモリ6に記憶された移相器用テーブル14に格納された補正データを更新し、また、積分器8から入力される積分値に基づいて、可変減衰器1を制御する。
【0041】
具体的には、制御器9は、例えば、積分器8から入力される積分値が小さくなるように、つまり、前記送信出力に含まれる歪成分が小さくなるように、可変減衰器用テーブル13の記憶内容や移相器用テーブル14の記憶内容を更新する。また、制御器9は、例えば、積分器8から入力される積分値が予め設定された閾値を超えた場合に、可変減衰器1の減衰量が大きくなるように制御する。
【0042】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、メモリ6に記憶された補正テーブル13、14から読み出される補正データによってプリディストーション回路3に入力される信号の振幅及び位相が調整され、このような調整により発生させられる歪(前置歪)により、増幅器4で発生する歪が相殺されるようにする。
【0043】
また、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器4で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪の成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるように、制御器9が可変減衰器1を制御して当該可変減衰器1により信号を減衰させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0044】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器8からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路3によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器9が積分器8からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器8からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで可変減衰器1の減衰量を増加させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0045】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器4で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、プリディストーション前の信号を減衰させて歪補償後に残る歪の成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0046】
なお、本例では、増幅器4が歪補償の対象となる増幅器に相当し、サイドバンド電力検出器7の機能や積分器8の機能により歪成分大きさ検出手段が構成されており、制御器9の機能や可変減衰器1の機能により増幅信号レベル低減制御手段が構成されている。また、本例では、歪成分の大きさとして、サイドバンド信号の電力レベルの積分値が検出されている。
【0047】
また、本例では、可変減衰器11と移相器12から構成されたプリディストーション回路3の機能や、包絡線検出器5の機能や、可変減衰器用テーブル13と移相器用テーブル14を記憶したメモリ6の機能により、プリディストーション手段が構成されている。また、本例では、包絡線検出器5の機能により信号レベル検出手段が構成されており、可変減衰器用テーブル13の機能や移相器用テーブル14の機能によりプリディストーション制御態様記憶手段が構成されている。また、本例では、制御器9の機能によりプリディストーション制御手段が構成されている。
【0048】
次に、第2実施例を説明する。
図2には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、増幅器24の前段に可変減衰器23を付加し、制御器29により当該可変減衰器23を制御することが可能な構成としてある。
【0049】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、遅延器21と包絡線検出器25に入力される。
遅延器21は、入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路22へ出力する。
【0050】
プリディストーション回路22では、例えば上記図1に示したプリディストーション回路3と同様に、可変減衰器31及び移相器32が遅延器21から入力される信号の振幅及び位相を調整し、当該調整後の信号を可変減衰器23へ出力する。
可変減衰器23は、後述する制御器29により制御される減衰量でプリディストーション回路22から入力される信号を減衰させ、当該減衰後の信号を増幅器24へ出力する。
【0051】
増幅器24は、可変減衰器23から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
包絡線検出器25や、メモリ26に記憶された可変減衰器用テーブル33や移相器用テーブル34では、例えば上記図1に示した包絡線検出器5や可変減衰器用テーブル13や移相器用テーブル14と同様に、入力信号の包絡線を検出し、包絡線情報に対応する振幅の補正データの信号を可変減衰器31へ出力するとともに包絡線情報に対応する位相の補正データの信号を移相器32へ出力する。
【0052】
サイドバンド電力検出器27や積分器28は、例えば上記図1に示したサイドバンド電力検出器7や積分器8と同様に、増幅器24から出力される信号の一部を用いて、サイドバンド信号の電力の検出値を積分し、当該積分結果を制御器29へ出力する。
【0053】
制御器29は、例えば上記図1に示した制御器9と同様に、積分器28から入力される積分値に基づいて、可変減衰器用テーブル33に格納された補正データや移相器用テーブル34に格納された補正データを更新する。また、制御器29は、積分器28から入力される積分値に基づいて、可変減衰器23を制御する。
【0054】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器24で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪の成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるなるように、制御器29が可変減衰器23を制御して当該可変減衰器23により信号を減衰させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0055】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器28からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路22によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器29が積分器28からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器28からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで可変減衰器23の減衰量を増加させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0056】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器24で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、プリディストーション後の信号を減衰させて歪補償後に残る歪の成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0057】
次に、第3実施例を説明する。
図3には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、制御器48により増幅器43を制御することが可能な構成としてある。なお、本例では、増幅器43として、例えば、利得(増幅率)を可変に制御することが可能な可変利得増幅器が用いられている。
【0058】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、遅延器41と包絡線検出器44に入力される。
遅延器41は、入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路42へ出力する。
【0059】
プリディストーション回路42では、例えば上記図1に示したプリディストーション回路3と同様に、可変減衰器51及び移相器52が遅延器41から入力される信号の振幅及び位相を調整し、当該調整後の信号を増幅器43へ出力する。増幅器43は、後述する制御器48により制御される利得でプリディストーション回路42から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
【0060】
包絡線検出器44や、メモリ45に記憶された可変減衰器用テーブル53や移相器用テーブル54では、例えば上記図1に示した包絡線検出器5や可変減衰器用テーブル13や移相器用テーブル14と同様に、入力信号の包絡線を検出し、包絡線情報に対応する振幅の補正データの信号を可変減衰器51へ出力するとともに包絡線情報に対応する位相の補正データの信号を移相器52へ出力する。
【0061】
サイドバンド電力検出器46や積分器47は、例えば上記図1に示したサイドバンド電力検出器7や積分器8と同様に、増幅器43から出力される信号の一部を用いて、サイドバンド信号の電力の検出値を積分し、当該積分結果を制御器48へ出力する。
【0062】
制御器48は、例えば上記図1に示した制御器9と同様に、積分器47から入力される積分値に基づいて、可変減衰器用テーブル53に格納された補正データや移相器用テーブル54に格納された補正データを更新する。
また、制御器48は、積分器47から入力される積分値に基づいて、増幅器43を制御する。具体的には、制御器48は、例えば、積分器47から入力される積分値が予め設定された閾値を超えた場合に、増幅器43の利得が小さくなるように制御する。
【0063】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器43で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるように、制御器48が増幅器43を制御して当該増幅器43による信号増幅の利得を低下させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0064】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器47からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路42によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器48が積分器47からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器47からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで増幅器43の利得を低下させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0065】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器43で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、増幅器43の利得を低下させて歪補償後に残る歪成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0066】
なお、上記第1実施例では、可変減衰器1を遅延器2の前段に備えた構成例を示し、上記第2実施例では、可変減衰器23をプリディストーション回路22と増幅器24との間に備えた構成例を示したが、可変減衰器を他の位置に備えるような構成を用いることも可能であり、例えば、可変減衰器を遅延器とプリディストーション回路との間に備えるような構成を用いることも可能である。
【0067】
ここで、本発明に係る増幅装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0068】
また、本発明に係る増幅装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る増幅装置によると、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分の大きさを検出し、当該検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合には、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行うようにしたため、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させて、増幅装置の運用を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図4】従来例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1、11、23、31、51・・可変減衰器、 2、21、41・・遅延器、
3、22、42・・プリディストーション回路、 4、24、43・・増幅器、
5、25、44・・包絡線検出器、 6、26、45・・メモリ、
7、27、46・・サイドバンド電力検出器、 8、28、47・・積分器、
9、29、48・・制御器、 12、32、52・・移相器、
13、33、53・・可変減衰器用テーブル、
14、34、54・・移相器用テーブル、
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償する増幅装置に関し、特に、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、運用を継続することが可能な増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動通信システムの基地局装置などでは、高周波の歪補償増幅器としてプリディストーション歪補償増幅器(PD歪補償増幅器)を用いて、移動局装置などに対して無線により送信する対象となる信号を増幅器で増幅して、当該増幅器で発生する歪を補償することが行われる。
【0003】
図4には、アダプティブなPD歪補償増幅器(APD歪補償増幅器)の基本的な構成の一例を示してある。
同図に示したAPD歪補償増幅器は、遅延器61と、プリディストーション回路62と、歪補償の対象となる増幅器63と、包絡線検出器64と、補償用テーブルを記憶するメモリ65と、サイドバンド電力検出器66と、積分器67と、制御器68とから構成されている。また、プリディストーション回路62は、可変減衰器71と、移相器72とから構成されている。また、メモリ65には、補償用テーブルとして、可変減衰器用テーブル73と、移相器用テーブル74が記憶されている。
【0004】
同図に示したAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
高周波の入力信号が遅延器61に入力されると、同時に当該入力信号の包絡線が包絡線検出器64により検出される。遅延器61からの出力は、プリディストーション回路62において可変減衰器71により振幅が調整されるとともに移相器72により位相が調整された後に、増幅器63に入力される。増幅器63では、入力信号に対してプリディストーション回路62で生成した歪成分と当該増幅器63で発生した歪成分とが相殺され、当該増幅器63からは歪補償がなされた高周波の送信信号が出力される。
【0005】
この歪成分の相殺の精度は、プリディストーション回路62の歪特性と増幅器63の非線形性とがうまく合致するか否かによって決まる。可変減衰器用テーブル73では入力信号の包絡線情報と可変減衰器71の制御態様(補正データ)との対応を記憶しており、移相器用テーブル74では入力信号の包絡線情報と移相器72の制御態様(補正データ)との対応を記憶している。包絡線検出器64により得られた入力信号の包絡線情報はメモリ65の可変減衰器用テーブル73及び移相器用テーブル74で照合され、これにより、刻々と変化する包絡線情報に対応する補正データがそれぞれのテーブル73、74から読み出され、当該補正データの信号により可変減衰器62による信号振幅の減衰量と移相器72による信号位相の変化量(移相量)が制御される。
【0006】
また、この補正量の精度を上げて最適化するために、フィードバック制御を行う。すなわち、増幅器63からの送信出力の電力スペクトラムにおいて隣接チャネル漏洩電力となるサイドバンド成分の電力をサイドバンド電力検出器66により検出し、当該検出結果を積分器67により一定時間毎に積分して当該積分結果を制御器68に入力し、そして、制御器68は当該入力される積分値に基づいて可変減衰器用テーブル73や移相器用テーブル74の記憶値を更新する。これにより、最適な補正データの信号が可変減衰器テーブル73や移相器用テーブル74からプリディストーション回路62の可変減衰器71や移相器72に入力されるように適応的に(アダプティブに)制御される。
【0007】
また、入力信号のタイミングに対して、包絡線情報や送信出力のサイドバンド電力情報によるプリディストーション回路62の制御処理のタイミングに遅延時間が生じるため、上述のように、入力信号をプリディストーション回路62に入力する前に、遅延器61により当該制御処理に要する遅延時間と同じ時間だけ遅延させている。
【0008】
なお、増幅器で発生する歪を検出する歪検出器に関する従来技術の例を示す。従来の歪検出器(以下で、歪検出器Aと言う)では、複数の基本波を増幅器で増幅するに際して、増幅器で発生する3次相互変調歪を狭帯域なフィルタにより検出するものがある。なお、この歪検出器Aでは、例えば、複数の基本波の周波数が固定されていない場合には、フィルタにより3次相互変調歪を検出することが困難である(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、従来の歪検出器(以下で、歪検出器Bと言う)では、デジタル変調波を主増幅器で増幅するに際して、主増幅器の出力端子に並列に接続されたフィルタにより信号周波数の倍数波を通過させ、増幅器により当該通過信号を増幅し、検波器により当該増幅信号を検波して入力レベルに応じて直流電圧信号へ変換し、そして、当該直流電圧信号に基づいて主増幅器の非線形性によって発生する隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel Power)を検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
ここで、この歪検出器Bでは、増幅器で発生した歪の成分として、ACPを検出している。また、例えば、3倍波は、2倍波と比べて歪波の電力変化量が大きいため、ACPを検出するために用いられるのに適している。一例として、この歪検出器Bのフィルタでは、倍数波として、2倍波或いは3倍波を通過させる(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−286644号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば上記図4に示したような従来のPD歪補償増幅器では、例えば、増幅器63の異常により歪成分が大幅に増大して、プリディストーション回路62により発生させる歪成分では増幅器63で発生する歪成分を相殺することができなくなってしまうことが発生する。そして、このような事態が発生した場合には、歪の出力がスプリアスとなって他の電波に妨害を与えてしまうために速やかに送信を停止する必要があるが、このように送信を停止してしまうと、PD歪補償増幅器の運用ができなくなってしまうといった不具合があった。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、運用を継続することができる増幅装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る増幅装置では、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、歪成分大きさ検出手段が、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分の大きさを検出する。そして、増幅信号レベル低減制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合に、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う。
【0015】
従って、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御されるため、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させることができ、これにより、増幅装置の運用を継続することができる。一例として、無線により送信する対象となる信号を増幅するような場合には、歪の出力がスプリアスとなって他の電波に妨害を与えてしまうようなことを防ぐことができ、これにより、信号の送信を継続することができる。
【0016】
通常、運用中に増幅装置の電源をオフにして当該増幅装置を停止させることは、運用者にとってはできるだけ行いたくないことである。本発明に係る増幅装置では、このようなことを回避することができ、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、出力を低下させて運用を継続することができる。
【0017】
ここで、増幅器により増幅する対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよく、例えば無線により送信する対象となる信号などを用いることができる。
また、増幅器としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、1つの増幅素子から構成されるものが用いられてもよく、或いは、複数の増幅素子が組み合わされて構成されるようなものが用いられてもよい。
【0018】
また、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分としては、例えば、歪補償がなされた後であり且つ増幅器により増幅された後である信号について、当該信号に含まれる歪成分であって増幅器で発生した歪成分が用いられる。つまり、このような歪成分は、増幅器で発生した歪の成分であって、歪補償によっても補償しきれずに残った歪(残歪)の成分に相当する。
【0019】
また、歪成分大きさ検出手段では、必ずしも増幅器で発生する歪の全ての成分についてその大きさが検出されなくともよく、例えば増幅器で発生する歪の一部の成分についてその大きさが検出されてもよい。
また、歪成分大きさ検出手段により増幅器で発生する歪の一部の成分の大きさを検出する場合には、種々な成分の大きさが検出されてもよく、例えば予め設定された周波数の歪成分の大きさを検出するような態様を用いることができる。一例として、増幅器による増幅対象となる信号(基本信号)の3倍波の周波数成分の大きさや或いは2倍波の周波数成分の大きさを、歪成分の大きさとして検出するような態様を用いることができる。
【0020】
また、歪成分の大きさとしては、種々な大きさが検出されてもよく、例えば、電力などのレベルの大きさを検出することができる。
また、歪成分の大きさとしては、例えば、所定の期間に検出される歪成分のレベルの積分値や、所定の期間に検出される歪成分のレベルの時間的な平均値を用いることも可能である。この場合、当該所定の期間としては、例えば通信方式などに応じて、種々な期間が用いられてもよい。
【0021】
また、増幅信号レベル低減制御手段により用いられる所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよい。一例として、精度のよい歪補償ができずにスプリアスなどのような悪影響をもたらしてしまう程度に大きな歪が歪補償後における増幅信号に残ってしまうような場合に検出される歪成分の大きさの値を所定の閾値として用いることができ、この態様では、当該悪影響が発生する程度に大きな歪が歪補償後における増幅信号に残るようになった場合に、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させるように制御することが行われる。
【0022】
また、上記では、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合について述べたが、当該歪成分の大きさが所定の閾値と等しい場合には、特に限定はなく、例えば、所定の閾値を超えた場合と同様に扱われてもよく、或いは、他の態様が用いられてもよい。
【0023】
また、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う態様としては、種々な態様を用いることができ、例えば、信号を減衰させる可変減衰器などを増幅器の前段に備えて増幅器により増幅される前の信号を減衰させる態様や、信号を減衰させる可変減衰器などを増幅器の後段に備えて増幅器により増幅された後の信号を減衰させる態様や、或いは、可変利得増幅器を用いて増幅器を構成して当該増幅器の利得を変化させることで増幅後の信号のレベルを低減させる態様などを用いることができる。
【0024】
また、増幅信号レベル低減制御手段により増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御する程度としては、種々な程度が用いられてもよく、例えば、歪による悪影響の発生を防止することができる程度に制御を行うような態様を用いることができ、一例として、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値未満(又は所定の閾値以下)となるように制御を行うような態様を用いることができる。
【0025】
また、本発明に係る増幅装置では、一構成例として、次のような手段を備えて、増幅器で発生する歪を補償する。なお、この構成例は、アダプティブなプリディストーション方式に対応するものである。
すなわち、プリディストーション手段が増幅器により増幅される前の信号に対して歪を発生する。そして、プリディストーション制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさに基づいて、プリディストーション手段により発生する歪を制御する。
【0026】
ここで、プリディストーション手段により発生する歪としては、例えば、増幅器で発生する歪を打ち消すことができるような歪となるように或いは増幅器で発生する歪を打ち消すことができるような歪に近づくように制御され、具体的には、増幅器で発生する歪とは反転した歪つまり増幅器で発生する歪と振幅が同一であって位相が逆の(つまり、位相が180度ずれた)歪となるように或いはこのような歪に近づくように制御される。
【0027】
また、プリディストーション制御手段は、例えば、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが小さくなるように、プリディストーション手段により発生する歪を制御し、好ましい態様例として、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが最小となるように、プリディストーション手段により発生する歪を制御する。
【0028】
また、プリディストーション制御手段によりプリディストーション手段により発生する歪を制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該歪の振幅や位相を制御するような態様を用いることができる。
【0029】
また、一例として、増幅器により増幅される前の信号のレベルを検出する信号レベル検出手段と、信号レベルとプリディストーション手段の制御態様とを対応付けて記憶するプリディストーション制御態様記憶手段を備え、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応付けられてプリディストーション制御態様記憶手段に記憶された制御態様を用いてプリディストーション手段を制御するような態様を用いることができる。また、このような態様において、例えば、プリディストーション制御手段が、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさに基づいてプリディストーション制御態様記憶手段の記憶内容を更新するような態様を用いることができる。
【0030】
なお、増幅装置により行われる歪補償の方式としては、必ずしもプリディストーション方式やアダプティブプリディストーション方式に限られず、他の方式が用いられてもよい。一例として、歪補償の方式として、フィードフォワード方式(FF方式)を用いることもでき、この場合、本発明は、例えば歪検出ループと歪補償ループ(歪除去ループ)を有するようなフィードフォワード歪補償増幅器に適用される。なお、従来のフィードフォワード歪補償増幅器では、パイロット信号を用いた制御が行われる。また、本発明は、例えば、ベースバンド信号(BB信号)を処理するアダプティブプリディストーション(APD)方式などの歪補償増幅器や、デジタル信号を処理するAPD方式などの歪補償増幅器などに適用することも可能である。
【0031】
また、本発明に係る増幅装置は、例えば、移動通信システムなどの無線通信システムに備えられる基地局装置や中継増幅装置などに適用することが可能である。
ここで、無線通信システムとしては、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの種々なシステムが用いられてもよい。
また、通信方式としては、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)方式やW(Wide band)−CDMA方式やTDMA(Time Division MultipleAccess)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式などの種々な方式が用いられてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
以下の本実施例では、本発明をアダプティブプリディストーション歪補償増幅器(APD歪補償増幅器)に適用した場合を示す。また、以下の実施例で示すAPD歪補償増幅器は、移動通信システムの基地局装置に備えられており、当該基地局装置により無線により送信する対象となる信号を入力して、当該入力信号を増幅する。そして、当該基地局装置は、当該APD歪補償増幅器により増幅及び歪補償された信号をアンテナから通信相手となる移動局装置などに対して無線により送信する。
【0033】
まず、第1実施例を説明する。
図1には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、遅延器2の前段に可変減衰器1を付加し、制御器9により当該可変減衰器1を制御することが可能な構成としてある。
【0034】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、可変減衰器1と包絡線検出器5に入力される。
可変減衰器1は、後述する制御器9により制御される減衰量で入力される信号を減衰させ、当該減衰後の信号を遅延器2へ出力する。
遅延器1は、可変減衰器1から入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路3へ出力する。
【0035】
プリディストーション回路3の可変減衰器11は、後述する可変減衰器用テーブル13から入力される補正データの信号に基づく減衰量で遅延器2から入力される信号を減衰させることにより、当該信号の振幅を調整し、当該振幅調整後の信号を移相器12へ出力する。
プリディストーション回路3の移相器12は、後述する移相器用テーブル14から入力される補正データの信号に基づく位相変化量(移相量)で可変減衰器3から入力される信号の位相を変化させることにより、当該信号の位相を調整し、当該位相調整後の信号を増幅器4へ出力する。
【0036】
増幅器4は、プリディストーション回路3の移相器12から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
包絡線検出器5は、入力される信号の包絡線を検出し、包絡線情報をメモリ6に記憶された補正用テーブルである可変減衰器用テーブル13及び移相器用テーブル14へ出力する。
【0037】
可変減衰器用テーブル13は、包絡線情報と可変減衰器11による振幅調整に関する補正データとを表にして格納しており、包絡線検出器5から入力される包絡線情報に対応する補正データの信号を可変減衰器11へ出力する。
移相器用テーブル14は、包絡線情報と移相器12による位相調整に関する補正データとを表にして格納しており、包絡線検出器5から入力される包絡線情報に対応する補正データの信号を移相器12へ出力する。
【0038】
サイドバンド電力検出器7は、増幅器4から出力される信号の一部を入力し、当該入力信号から、前記送信出力において隣接チャネルヘの漏洩電力となるサイドバンド信号の電力を検出し、当該検出結果を積分器8へ出力する。このように、本例では、サイドバンド信号を基準として、後述する制御器9により制御が行われる。
【0039】
なお、本例では、サイドバンド電力検出器7として、例えば上記した特許文献1に記載されたような歪検出器Bを用いており、サイドバンド信号の成分としてACPの成分を検出している。また、サイドバンド信号としては、例えば、1次歪や2次歪などの種々な信号が用いられてもよい。
【0040】
積分器8は、サイドバンド電力検出器7から入力される検出結果を一定時間積分し、当該積分結果を制御器9へ出力する。なお、積分器8は、概念的には面積を図る機能を有しており、例えばCDMA方式において特に必要とされるものである。
制御器9は、積分器8から入力される積分値に基づいて、メモリ6に記憶された可変減衰器用テーブル13に格納された補正データやメモリ6に記憶された移相器用テーブル14に格納された補正データを更新し、また、積分器8から入力される積分値に基づいて、可変減衰器1を制御する。
【0041】
具体的には、制御器9は、例えば、積分器8から入力される積分値が小さくなるように、つまり、前記送信出力に含まれる歪成分が小さくなるように、可変減衰器用テーブル13の記憶内容や移相器用テーブル14の記憶内容を更新する。また、制御器9は、例えば、積分器8から入力される積分値が予め設定された閾値を超えた場合に、可変減衰器1の減衰量が大きくなるように制御する。
【0042】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、メモリ6に記憶された補正テーブル13、14から読み出される補正データによってプリディストーション回路3に入力される信号の振幅及び位相が調整され、このような調整により発生させられる歪(前置歪)により、増幅器4で発生する歪が相殺されるようにする。
【0043】
また、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器4で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪の成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるように、制御器9が可変減衰器1を制御して当該可変減衰器1により信号を減衰させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0044】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器8からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路3によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器9が積分器8からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器8からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで可変減衰器1の減衰量を増加させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0045】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器4で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、プリディストーション前の信号を減衰させて歪補償後に残る歪の成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0046】
なお、本例では、増幅器4が歪補償の対象となる増幅器に相当し、サイドバンド電力検出器7の機能や積分器8の機能により歪成分大きさ検出手段が構成されており、制御器9の機能や可変減衰器1の機能により増幅信号レベル低減制御手段が構成されている。また、本例では、歪成分の大きさとして、サイドバンド信号の電力レベルの積分値が検出されている。
【0047】
また、本例では、可変減衰器11と移相器12から構成されたプリディストーション回路3の機能や、包絡線検出器5の機能や、可変減衰器用テーブル13と移相器用テーブル14を記憶したメモリ6の機能により、プリディストーション手段が構成されている。また、本例では、包絡線検出器5の機能により信号レベル検出手段が構成されており、可変減衰器用テーブル13の機能や移相器用テーブル14の機能によりプリディストーション制御態様記憶手段が構成されている。また、本例では、制御器9の機能によりプリディストーション制御手段が構成されている。
【0048】
次に、第2実施例を説明する。
図2には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、増幅器24の前段に可変減衰器23を付加し、制御器29により当該可変減衰器23を制御することが可能な構成としてある。
【0049】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、遅延器21と包絡線検出器25に入力される。
遅延器21は、入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路22へ出力する。
【0050】
プリディストーション回路22では、例えば上記図1に示したプリディストーション回路3と同様に、可変減衰器31及び移相器32が遅延器21から入力される信号の振幅及び位相を調整し、当該調整後の信号を可変減衰器23へ出力する。
可変減衰器23は、後述する制御器29により制御される減衰量でプリディストーション回路22から入力される信号を減衰させ、当該減衰後の信号を増幅器24へ出力する。
【0051】
増幅器24は、可変減衰器23から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
包絡線検出器25や、メモリ26に記憶された可変減衰器用テーブル33や移相器用テーブル34では、例えば上記図1に示した包絡線検出器5や可変減衰器用テーブル13や移相器用テーブル14と同様に、入力信号の包絡線を検出し、包絡線情報に対応する振幅の補正データの信号を可変減衰器31へ出力するとともに包絡線情報に対応する位相の補正データの信号を移相器32へ出力する。
【0052】
サイドバンド電力検出器27や積分器28は、例えば上記図1に示したサイドバンド電力検出器7や積分器8と同様に、増幅器24から出力される信号の一部を用いて、サイドバンド信号の電力の検出値を積分し、当該積分結果を制御器29へ出力する。
【0053】
制御器29は、例えば上記図1に示した制御器9と同様に、積分器28から入力される積分値に基づいて、可変減衰器用テーブル33に格納された補正データや移相器用テーブル34に格納された補正データを更新する。また、制御器29は、積分器28から入力される積分値に基づいて、可変減衰器23を制御する。
【0054】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器24で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪の成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるなるように、制御器29が可変減衰器23を制御して当該可変減衰器23により信号を減衰させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0055】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器28からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路22によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器29が積分器28からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器28からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで可変減衰器23の減衰量を増加させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0056】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器24で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、プリディストーション後の信号を減衰させて歪補償後に残る歪の成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0057】
次に、第3実施例を説明する。
図3には、本例のAPD歪補償増幅器の構成例を示してある。
本例のAPD歪補償増幅器では、概略的には、例えば上記図4に示したようなAPD歪補償増幅器の構成において、制御器48により増幅器43を制御することが可能な構成としてある。なお、本例では、増幅器43として、例えば、利得(増幅率)を可変に制御することが可能な可変利得増幅器が用いられている。
【0058】
本例のAPD歪補償増幅器により行われる動作の一例を示す。
本例のAPD歪補償増幅器の入力端に入力される高周波の信号は、遅延器41と包絡線検出器44に入力される。
遅延器41は、入力される信号を所定の時間遅延させてプリディストーション回路42へ出力する。
【0059】
プリディストーション回路42では、例えば上記図1に示したプリディストーション回路3と同様に、可変減衰器51及び移相器52が遅延器41から入力される信号の振幅及び位相を調整し、当該調整後の信号を増幅器43へ出力する。増幅器43は、後述する制御器48により制御される利得でプリディストーション回路42から入力される信号を増幅し、当該増幅後の信号を出力する。当該出力信号は、送信出力として、本例のAPD歪補償増幅器の出力端から出力される。
【0060】
包絡線検出器44や、メモリ45に記憶された可変減衰器用テーブル53や移相器用テーブル54では、例えば上記図1に示した包絡線検出器5や可変減衰器用テーブル13や移相器用テーブル14と同様に、入力信号の包絡線を検出し、包絡線情報に対応する振幅の補正データの信号を可変減衰器51へ出力するとともに包絡線情報に対応する位相の補正データの信号を移相器52へ出力する。
【0061】
サイドバンド電力検出器46や積分器47は、例えば上記図1に示したサイドバンド電力検出器7や積分器8と同様に、増幅器43から出力される信号の一部を用いて、サイドバンド信号の電力の検出値を積分し、当該積分結果を制御器48へ出力する。
【0062】
制御器48は、例えば上記図1に示した制御器9と同様に、積分器47から入力される積分値に基づいて、可変減衰器用テーブル53に格納された補正データや移相器用テーブル54に格納された補正データを更新する。
また、制御器48は、積分器47から入力される積分値に基づいて、増幅器43を制御する。具体的には、制御器48は、例えば、積分器47から入力される積分値が予め設定された閾値を超えた場合に、増幅器43の利得が小さくなるように制御する。
【0063】
以上のように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器43で発生する歪が歪補償によっても相殺されずに歪補償後に残った歪成分が所定のレベルよりも大きくなった場合には、当該歪補償後に残る歪の成分が当該所定のレベル以下となるように、制御器48が増幅器43を制御して当該増幅器43による信号増幅の利得を低下させることにより、当該APD歪補償増幅器からの出力レベルを低減させ、これにより、運用を続ける。
【0064】
従って、本例のAPD歪補償増幅器では、例えば、積分器47からの積分値が所定のレベルを超えてプリディストーション回路42によっては歪の補正ができなくなったような場合に、制御器48が積分器47からの積分値と当該所定のレベルとの大小を比較して積分器47からの積分値が当該所定のレベル以下となるまで増幅器43の利得を低下させる。これにより、本例のAPD歪補償増幅器では、悪影響を与えてしまうような大きな歪成分を出力することなく、プリディストーション歪補償増幅器の運用を続けることができる。
【0065】
このように、本例のAPD歪補償増幅器では、増幅器43で発生する歪を相殺する補正において所定の補正量が保たれなくなった場合においても、増幅器43の利得を低下させて歪補償後に残る歪成分を所定のレベル以下に低減することにより、運用を続けることが可能である。
【0066】
なお、上記第1実施例では、可変減衰器1を遅延器2の前段に備えた構成例を示し、上記第2実施例では、可変減衰器23をプリディストーション回路22と増幅器24との間に備えた構成例を示したが、可変減衰器を他の位置に備えるような構成を用いることも可能であり、例えば、可変減衰器を遅延器とプリディストーション回路との間に備えるような構成を用いることも可能である。
【0067】
ここで、本発明に係る増幅装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0068】
また、本発明に係る増幅装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る増幅装置によると、信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償するに際して、歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分の大きさを検出し、当該検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合には、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行うようにしたため、例えば、歪補償後における増幅信号に含まれる歪成分の大きさが大きくなった場合においても、歪補償後における増幅信号に含まれる歪のレベルを低減させて、増幅装置の運用を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【図4】従来例に係るアダプティブプリディストーション歪補償増幅器の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1、11、23、31、51・・可変減衰器、 2、21、41・・遅延器、
3、22、42・・プリディストーション回路、 4、24、43・・増幅器、
5、25、44・・包絡線検出器、 6、26、45・・メモリ、
7、27、46・・サイドバンド電力検出器、 8、28、47・・積分器、
9、29、48・・制御器、 12、32、52・・移相器、
13、33、53・・可変減衰器用テーブル、
14、34、54・・移相器用テーブル、
Claims (2)
- 信号を増幅器により増幅し、当該増幅器で発生する歪を補償する増幅装置において、
歪補償後における増幅器により増幅された信号に含まれる増幅器で発生した歪成分の大きさを検出する歪成分大きさ検出手段と、
歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさが所定の閾値を超えた場合に、増幅器による増幅信号のレベルが低減されるように制御を行う増幅信号レベル低減制御手段と、
を備えたことを特徴とする増幅装置。 - 請求項1に記載の増幅装置において、
増幅器で発生する歪を補償する手段として、増幅器により増幅される前の信号に対して歪を発生するプリディストーション手段と、歪成分大きさ検出手段により検出される歪成分の大きさに基づいてプリディストーション手段により発生する歪を制御するプリディストーション制御手段とを備えた、
ことを特徴とする増幅装置。
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