JP2004119345A - 燃料電池セパレーターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、成形性、電気的特性や機械的特性に優れ、イオン性不純物が少なく長期的に安定した発電性能が得られる燃料電池セパレーターを提供することである。
【解決手段】本発明は、熱硬化性樹脂と導電性炭素質材を必須成分として含有する導電性成形材料の成形体をセパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法であり、好ましくは後硬化させた後、300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレーターの製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、熱硬化性樹脂と導電性炭素質材を必須成分として含有する導電性成形材料の成形体をセパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法であり、好ましくは後硬化させた後、300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレーターの製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セパレーターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池セパレーターは熱硬化性樹脂と炭素質粉末の混合物を成形した後、成形体を焼成し導電性を高める黒鉛化工程と切削や研磨などにより必要形状を付与する機械加工工程を含む方法(例えば、特許文献1参照)、或いは金属板に溝などの形状加工をした上で樹脂コートを行うなどの金属樹脂コンポジットを素材とする方法(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)などにより作成が試みられて来た。しかし、前述の方法では、2000〜3000℃での焼成と複雑な溝形状の加工に費用を要すためにコストが下げられず、大量生産への展開が困難である。一方、後述の手法では、使用される環境において金属と樹脂との界面層で発生する層剥離及び金属板の腐食問題が解決されていない。このように、品質と価格で適切な燃料電池セパレーターを供給する目途が未だ十分に立っていない。このため、さらに種々の試みがなされており、黒鉛やカーボンブラック等の導電性炭素質材に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をバインダー成分として配合した導電性成形材料の成形体での試みがなされている。(例えば、特許文献3参照)
【0003】
この手法では、セパレーターとして高導電性を得るために、成形材料中の導電性炭素質材配合率を高くする事と、成形性を向上させるために樹脂配合率を高くする事が相反する要因であるため、その両立が難しく、また成形体表面の樹脂層や成形後金型からの離型を容易にするために用いた離型剤の付着により導電性低下を引き起こすため、成形体の表面層を除去する工程が必要であった。
【0004】
樹脂や導電性炭素質材を始め、必要特性を得るために配合される添加剤中にはイオン性不純物が含有されるため、セパレーター成形体のイオン性不純物含有量が無視できない量となりやすく発電性能が不安定になりやすい。そのため場合によっては使用原料を制限しなければならず、低コスト化の障壁にもなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−169230号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−345618号公報 (請求項1)
【特許文献3】
特開平11−204120号(請求項1)
【非特許文献1】
平成12年度固体高分子形燃料電池研究開発成果報告会要旨集,「II.高効率燃料電池システム実用化技術開発 II−2固体高分子形燃料電池システム実用化技術開発」,新エネルギー産業技術総合開発機構 水素・アルコール・バイオマス技術開発室,平成13年3月,P70
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題点から、本発明の目的は、導電性と成形性に優れ、イオン性不純物が少なく長期的に安定した発電性能が得られる燃料電池セパレーターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(5)記載の本発明により達成される。
(1) 導電性炭素質材(A)と熱硬化性樹脂(B)とを必須成分として含有する燃料電池セパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレーターの製造方法。
(2) 前記成形体が、成形後に後硬化させたものである前記(1)に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(3) 前記加熱処理が300〜600℃の第1の加熱工程と500〜800℃の第2の加熱工程からなる前記(1)または前記(2)に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(4) 前記導電性炭素質材(A)の平均粒径が0.5〜100μmである前記(1)ないし前記(3)のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(5) 前記成形体が、成形体全体に対して導電性炭素質材(A)60〜90重量%を含有するものである前記(1)ないし前記(4)のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池セパレーターの製造方法について詳細に説明する。
本発明の燃料電池セパレーターの製造方法は、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を必須成分として含有してなる燃料電池セパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする。
【0009】
まず、本発明の燃料電池セパレーター(以下、単に「セパレーター」という)の製造方法について説明する。
本発明において、セパレーターを得るためには、まず、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を含有してなる成形材料を用いて、これを所定の条件で成形することにより燃料電池セパレーター用成形体(以下、単に「成形体」という)を得る。成形材料を前記成形体に成形する場合は、圧縮成形やトランスファー成形、射出成形により成形する。例えば圧縮成形を用いる場合は、成形体の形状に合わせて予備成形体を成形し、これを成形することで成形性を改善することもできる。圧縮成形による製造の一例を挙げると、圧力50〜400kg/cm2、温度20〜70℃、時間0.1〜2分間で予備成形体を成形し、これをさらに圧力200〜1500kg/cm2、温度150〜200℃、時間1〜30分間で成形することにより、成形体を得ることができる。
【0010】
この成形体はそのままでも導電性を有しているためセパレーターとして用いることができるが、成形体表面に形成される樹脂層により、さらには、成形後金型からの離型のために用いた離型剤の付着により接触抵抗の増大を招くため、実用レベルの導電性を確保することが困難である。黒鉛配合量をより多くすることにより導電性を実用レベルまで引き上げることもできるが、成形性の低下を生じる。また、前記樹脂層を研磨等により除去することにより導電性を向上することもできるが、加工工程が多くなり加工費が増大する。
【0011】
本発明においては、かかる成形体を300〜800℃で加熱処理することにより導電性を向上することできる。本発明における加熱温度では、前記樹脂層を含む成形体の樹脂分は完全に黒鉛化することはないが黒鉛の前駆体領域にまで炭化されるため、結果として成形体に実用レベルの導電性を付与することができる。従って、樹脂層を除去する加工工程を不要とし、加工費を低減することができる。さらに、従来のように黒鉛の高充填により導電性を付与するという必要がないため黒鉛配合量が低い成形性の良好な成形材料で成形体を成形することができるため、セパレーターの薄肉化や精密化に対応した成形体を供給することができる。
【0012】
また本発明においては、かかる成形体を加熱処理することにより、成形体表面に存在する有機のイオン性不純物を炭化、あるいは揮発できるため、導電性を向上させるとともにイオン性不純物を低減することもできる。加熱処理温度は、300〜800℃であるが、550〜700℃であることが好ましい。処理温度をかかる範囲内とすることによって、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とをバランス良いものとすることができる。この際、熱分解による揮発成分の発生速度が速すぎると、成形体に膨れが生じ、成形体内部にクラックが生じやすく、また機械的強度の低下を招く恐れがあるため、昇温速度は50℃/時間以下で行うことが好ましく、更に好ましくは20℃/時間以下である。この加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が550℃の場合には1〜5時間が好ましく、700℃の場合、0.5〜3時間が好ましい。
次に、冷却する場合には、成形体の急激な収縮による破損を招く恐れがあるため、できる限りゆっくりと冷却する必要があり、例えば、50℃/時間以下とすることが好ましい。
【0013】
加熱処理温度が前記上限値を超えると、不純物成分の熱分解や揮発による不純物の十分な低減と樹脂分の炭化による導電性の向上を十分に発現できるが、樹脂分の炭化が必要以上に進行し、それに伴う成形体の収縮や成形体内部の気孔の発生量が大きく、内部クラックも生じやすくなるため、強度低下を生じやすく、気体不透過性を損なうことがある。また、処理時間に時間を費やすことになるため、コスト高となりやすい。処理温度が前記下限値を下回ると、不純物の低減が不十分であり、導電性の向上効果も小さくなることがある。加熱処理は酸素雰囲気下で行うこともできるが、成形体の樹脂成分の劣化と導電性炭素質の酸化による強度低下の点から非酸素雰囲気下で行うことが好ましい。また、導電性の向上の点からも非酸素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0014】
本発明において、前記加熱処理するに先立って、成形後の成形体を後硬化させることが好ましい。これは、成形体を完全硬化した状態に近づけるためである。成形体の硬化が不十分であると、架橋密度が低いため、成形体の機械的強度が不足し、加熱処理時に樹脂分の分解が生じやすい。従って加熱処理による収縮やガス膨れに伴い、割れが発生することがある。後硬化のための温度は、特に限定されないが、150〜300℃が好ましい。150℃未満では、後硬化に長時間を要することとなり、300℃を越えると、硬化が十分に進む前に、樹脂の分解が生じ、セパレーターに内部クラックや強度低下を生じやすくなる。
【0015】
本発明においては、これまで説明してきた成形体を300〜600℃の第1の加熱工程と500〜800℃の第2の加熱工程からなる2段階加熱処理をすることがさらに好ましい。これにより、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とのバランスを更に良いものとすることができる。
【0016】
第1の加熱工程における加熱温度は300〜600℃であることが好ましく、450〜600℃であることが更に好ましい。かかる温度範囲では樹脂分や不純物成分の分解ガスが発生しやすいため、この温度範囲で第1段の加熱工程を加えることにより、分解ガスによる成形体の収縮やガス膨れによるクラック発生を低減し、セパレーターの機械的強度、気体不透過性をより良好にすることができる。第1の工程における加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が450℃の場合には1〜5時間が好ましい。また第1の加熱工程までの昇温速度は20℃/時間以下で、できるだけ緩やかにすることが好ましく、これにより分解ガスによる成形体の収縮やガス膨れによるクラック発生をより低減することができる。
【0017】
前記第1の加熱工程を経て、より高温の第2の加熱工程を加え、二段階加熱処理を施すことによって、セパレーターの機械的強度、気体不透過性を更に良好にすることができる。第2の加熱工程は500〜800℃が好ましく、より好ましくは、550〜700℃である。かかる温度範囲内とすることによって、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とをバランス良いものとすることができる。
これは樹脂分や不純物成分の分解により成形体の重量減少と収縮は同時に生じるが、第1の加熱工程の温度範囲では、前者の方が支配的に起こるため、成形体に気孔が生じやすい。しかし第2の加熱工程の温度範囲では、重量減少が小さくなり、収縮が主になり気孔が消滅するためである。第2の工程における加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が600℃の場合には0.5〜2時間が好ましい。第2の加熱工程までの昇温速度は50℃/時間以下であること好ましく、更に好ましくは20℃/時間である。これにより収縮によるクラック発生をよりより低減することができる。
【0018】
次に、本発明に用いる成形材料について説明する。かかる成形材料は、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を含有してなるものである。
導電性炭素質材(A)としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス状カーボン及びこれらの2種以上を併用して使用できる。これらのうち導電性に優れている点で天然や人造の黒鉛、炭素繊維が好ましく、成形性の点では、黒鉛の結晶構造が発達した天然や人造の黒鉛が、劈開しやすく潤滑性が良好であることから、成形時の流れがよく好ましい。天然黒鉛としては鱗片状の黒鉛と土壌黒鉛があるが、このうち天然鱗片状黒鉛が導電性に優れている点で好ましく、更には精製により純度を高めたもの、例えば固定炭素分が99.60%〜99.99%であることが燃料電池の長期安定性という点で好ましい。
【0019】
また成形体の加熱処理時には、樹脂分や不純物成分による収縮と相反して、導電性炭素材の熱膨脹が生じ、加熱処理後に冷却してもその膨脹が一部保持されるため、成形体の寸法変化は導電性炭素材の種類により支配されることがある。例えば、結晶構造が発達し結晶面が揃った炭素質材を使用した場合には、加熱処理による(樹脂分の収縮や炭素質材自身の熱膨張により発生する応力で)結晶面間の層剥離(劈開)が生じやすいため、寸法精度を損なうことがある。またアスペクト比が大きい炭素質材を使用した場合には、成形時に配向が生じやすいため、成形体の面方向と垂直方向の熱膨張に異方性が起きることがある。従って加熱処理時の成形体の寸法変化を安定化できる点では、例えば、球状黒鉛のようなアスペクト比の小さい炭素材あるいはガラス状カーボンのように劈開が生じ難い結晶構造の炭素材が好ましい。成形体中での形状としてはアスペクト比が小さく球形状であることが特に好ましい。
【0020】
導電性炭素質材(A)の平均粒径は、0.5〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは1〜50μmであり、特に好ましくは5〜30μmである。導電性炭素質材(A)の平均粒径をかかる範囲内とすることによって成形材料の成形性と成形体の導電性を良好なものとすることができ、また加熱処理による成形体の寸法変化を低減でき、セパレーターの機械的強度を良好なものとすることができる。平均粒径が前記上限値を上回ると、成形体の機械的強度の低下が生じるため、加熱処理により樹脂分や不純物成分のガス化に伴うクラックの発生が増大し、セパレーターの機械的強度と寸法精度を損なうことがある。一方、平均粒径が前記下限値を下回ると成形時に十分な流動性が確保できず、精密な形状の成形体を成形することが難しくなることがある。これは細粒化に伴う導電性炭素質材の見かけの体積が大きくなるため、樹脂体積が相対的に小さくなり、黒鉛粒子間を充填するにはその体積が不充分であるためと考えられる。また平均粒径が小さすぎると、成形体内部での導電性炭素材の接触抵抗の増大により導電性が低下し、加熱処理を施しても実用に適した電気的特性を得ることが難しくなる場合がある。
【0021】
導電性炭素質材(A)の配合量は、成形体全体100重量部に対して60〜90重量部であることが好ましい。更に好ましくは70〜85重量部であり、特に好ましくは77〜83重量部である。配合量をかかる範囲内とすることによって、成形材料の成形性とセパレーターの電気的特性を良好なものとすることができる。配合量が前記上限値を超えると、成形時に十分な流動性が確保できず、精密な形状の成形体を成形することが難しくなることがある。これは樹脂量が相対的に少なく、黒鉛粒子間を充填するにはその体積が不充分であるためと考えられ、この結果成形体の機械的強度にも影響することがある。一方、配合量が前記下限値を下回ると、成形体の導電性が低下し、実用に適したセパレーターを得ることが難しくなる場合がある。また樹脂体積が増えることで炭化による成形体の収縮が大きく、内部クラックも生じやすくなるため、機械的強度低下を生じやすく、気体不透過性を損ないやすい。
【0022】
本発明で用いる熱硬化性樹脂(B)としては、公知の熱硬化性樹脂が使用でき、特に限定されない。例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用してもよく、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。これらの中でも加熱処理工程を経た場合に残炭率が高いという点ではフェノール樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましく、耐熱性、耐酸性、コスト等種々の点において優れているとともに、ベースとなる樹脂を低分子量のものから適宜選択することができるなどの点ではフェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましいものである。
【0023】
熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用いる場合、その種類としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂が挙げられる。これらを単独ないしは併用して用いることができる。これらの中でも、ヘキサメチレンテトラミン硬化のノボラック型フェノール樹脂は、硬化に伴う残留アンモニアが燃料電池の触媒である白金系プロトン交換触媒の触媒毒となることがあるため、主としてレゾール型フェノール樹脂を使用することが好ましい。また、レゾール型フェノール樹脂を用いる場合、その種類としては特に限定されないが、例えば、メチロール型レゾールフェノール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂などが挙げられる。一般的なレゾール型フェノール樹脂はメチロール基を多く残し活性化エネルギーが低いため、樹脂として反応性が高いが、ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂は、フェノール核結合官能基としてジメチレンエーテル結合を多く有しており、樹脂自体が柔軟な構造をしているため、例えば複雑な溝形状を有するセパレーターの製造では、一般的なレゾール型フェノール樹脂に比べ、良好な成形性を付与することができる点で好ましい。
【0024】
フェノール樹脂を用いる場合,その分子量についても特に限定されないが,例えば,ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂の場合では、GPC測定による遊離フェノール除外フェノール換算数平均分子量が800〜1200であることが好ましい。これにより、成形材料を成形する際に良好な成形性を得ることができる。数平均分子量が前記下限値を下回ると、成形時に硬化収縮によりヒケを生じやすくなることがあり、一方、前記上限値を超えると流動性が低下する傾向がみられ、いずれの場合も成形性や成形体の溝の加工精度に影響することがある。
【0025】
なお、本発明に用いる成形材料には、これまで説明した原材料以外にも、本発明の目的および効果に反しない範囲内において、成形材料として一般的に用いられる硬化助剤、可塑剤、離型剤、強度補強剤などの添加剤を用いることができる。例えば、強度補強剤は加熱処理による成形体の収縮や強度低下を補うことができる点で有効である。
【0026】
本発明の成形材料は、通常の方法により製造することができる。すなわち、前記原材料を所定量配合し、リボンブレンダーやプラネタリミキサーなどを用いて予備混合した後、加熱ロールや二軸混練機を用いて溶融混練し、これをさらに造粒化するか、冷却後粉砕・分級などの操作を経て成形材料とすることができる。また前記原料に必要に応じて溶剤加え、均一混合・分散させた後、乾燥工程や加熱混練工程などを経て成形体の特性を損なわない程度まで溶剤を除去し、成形材料とすることもできる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。実施例における「%」は全て「重量%」を表す。
【0028】
実施例1
[フェノール樹脂の製造]
フェノール(P)100kg、87%パラホルムアルデヒド(F)62kg(F/Pモル比1.70)、酢酸亜鉛0.5kgを還流コンデンサー撹拌機、加熱装置、真空脱水装置、スタティックミキサー付きレジン循環装置を備えた300リッター反応釜内に入れ、還流反応を3時間行った。この時点のフェノール反応率は92%であった。その後、脱水を行いながら115℃迄加熱し、更に115℃、真空度100Torrを1時間維持して反応を進めた後、冷却バット上に取り出し、遊離フェノール除外フェノール換算数平均分子量が900のジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂(固形)105kgを得た。
【0029】
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂22%、人造黒鉛(エスイーシー製、SGL−1045/平均粒径25μm)78%をヘンシェルミキサーで撹拌して原料混合物を得た。この原料混合物に対して1%のメタノールを添加し、70℃の加熱ニーダーで5分間溶融混練した後取り出し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
【0030】
[成形及び加熱処理]
得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形した後、185℃、1時間で後硬化を行い、成形体を得た。これを図1に示すプログラム1にて窒素雰囲気下で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は、第1段階で550℃、第2段階で750℃である。
【0031】
実施例2
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂20%、人造黒鉛(日本黒鉛製、SP−20/平均粒径10μm)80%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム2で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は、第1段階で450℃、第2段階で600℃である。
【0032】
実施例3
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂25%、人造黒鉛75%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0033】
実施例4
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂15%、人造黒鉛85%とした以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例2と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0034】
実施例5
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂35%、人造黒鉛65%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0035】
実施例6
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂20%、人造黒鉛(日本黒鉛製、CB−100/平均粒径80μm)80%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0036】
実施例7
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム3で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は550℃である。
【0037】
比較例1
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例3と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム4で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は2000℃である。
【0038】
比較例2
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例3と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム5で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は250℃である。
【0039】
各特性の評価方法は、以下の通りである。
[成形性の評価]
スパイラルフロー:JIS K 6911により測定した。
【0040】
[機械的特性の評価]
実施例及び比較例で得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形して300×300×2mmの大きさの成形体を得た。これよりテストピースを切り出し、実施例及び比較例での加熱処理後、評価を行った。
曲げ強さ、曲げ弾性率:JIS K 7203により常温下で測定した。
【0041】
[収縮率の評価]
実施例及び比較例で得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形してφ100×2mmの大きさの成形体を得た。実施例及び比較例での加熱処理後、寸法測定を行い評価した。
収縮率:((金型寸法)−(加熱処理後得られた成形体の寸法))×100
【0042】
[イオン性導電率の評価]
実施例及び比較例で得られたセパレーターを90℃の純水中で100時間浸漬後、常温冷却した。この浸漬水のイオン導電率を電導度計(東亜電波工業製/CM−60S)で評価した。
【0043】
[導電性の評価]
図2に示す方法で貫通方向の抵抗を測定し、導電性の評価を行った。即ち、厚さの異なる2枚の試料3,4を組み合わせて、カーボンペーパー2を介して電極1にセットし、成形体の厚みが異なった状態での抵抗値より、貫通方向の固有抵抗を求めた。比較データとしてJIS K 7194により体積固有抵抗率も測定した。
【0044】
特性の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0045】
表1の結果から、実施例1〜7は、人造黒鉛と、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を特定の割合で配合した成形材料から得られる成形体に対して、特定の加熱処理を実施したものであり、電気的特性、機械的特性、収縮率、イオン性不純物の溶出度はいずれも良好なものとなった。
また実施例1、実施例3及び実施例5では樹脂量が他の実施例に比べ多いが、劈開し難く、球形状の黒鉛(SGL−1045)を使用したため、収縮の増大が緩和される効果が得られた。実施例2、実施例4及び実施例6では樹脂量が少ないが、潤滑性に優れた黒鉛(SP−20、CB−100)を使用したため、良好な成形性が得られた。
一方、比較例1は、加熱処理温度が高く十分に樹脂が炭化されているため、良好な導電性を得ることができたが、収縮率が大きく、熱分解により揮発した樹脂成分によるボイド発生が多く、それに起因すると思われる強度低下が生じた。比較例2は、加熱処理温度が低いため、導電性向上効果が乏しく、またイオン不純物の溶出も多い。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、導電性炭素質基材と熱硬化性樹脂を必須成分として含有してなる成形体を従来の焼成及び黒鉛化温度(900〜3000℃)よりも低温領域で加熱処理することを特徴とするものであり、導電性と成形性に優れ、イオン性不純物が少なく長期的に安定した発電性能が得られる燃料電池セパレーターの製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例における加熱処理プログラムを示すグラフ
【図2】本発明の実施例における貫通方向抵抗率の測定法を示す概略図
【符号の説明】
1 電極
2 カーボンペーパー
3 本発明の樹脂組成物の成形物(厚さ5mm)
4 本発明の樹脂組成物の成形物(厚さ2mm)
5 定電流装置
6 電圧計
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セパレーターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池セパレーターは熱硬化性樹脂と炭素質粉末の混合物を成形した後、成形体を焼成し導電性を高める黒鉛化工程と切削や研磨などにより必要形状を付与する機械加工工程を含む方法(例えば、特許文献1参照)、或いは金属板に溝などの形状加工をした上で樹脂コートを行うなどの金属樹脂コンポジットを素材とする方法(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)などにより作成が試みられて来た。しかし、前述の方法では、2000〜3000℃での焼成と複雑な溝形状の加工に費用を要すためにコストが下げられず、大量生産への展開が困難である。一方、後述の手法では、使用される環境において金属と樹脂との界面層で発生する層剥離及び金属板の腐食問題が解決されていない。このように、品質と価格で適切な燃料電池セパレーターを供給する目途が未だ十分に立っていない。このため、さらに種々の試みがなされており、黒鉛やカーボンブラック等の導電性炭素質材に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をバインダー成分として配合した導電性成形材料の成形体での試みがなされている。(例えば、特許文献3参照)
【0003】
この手法では、セパレーターとして高導電性を得るために、成形材料中の導電性炭素質材配合率を高くする事と、成形性を向上させるために樹脂配合率を高くする事が相反する要因であるため、その両立が難しく、また成形体表面の樹脂層や成形後金型からの離型を容易にするために用いた離型剤の付着により導電性低下を引き起こすため、成形体の表面層を除去する工程が必要であった。
【0004】
樹脂や導電性炭素質材を始め、必要特性を得るために配合される添加剤中にはイオン性不純物が含有されるため、セパレーター成形体のイオン性不純物含有量が無視できない量となりやすく発電性能が不安定になりやすい。そのため場合によっては使用原料を制限しなければならず、低コスト化の障壁にもなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−169230号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−345618号公報 (請求項1)
【特許文献3】
特開平11−204120号(請求項1)
【非特許文献1】
平成12年度固体高分子形燃料電池研究開発成果報告会要旨集,「II.高効率燃料電池システム実用化技術開発 II−2固体高分子形燃料電池システム実用化技術開発」,新エネルギー産業技術総合開発機構 水素・アルコール・バイオマス技術開発室,平成13年3月,P70
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題点から、本発明の目的は、導電性と成形性に優れ、イオン性不純物が少なく長期的に安定した発電性能が得られる燃料電池セパレーターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(5)記載の本発明により達成される。
(1) 導電性炭素質材(A)と熱硬化性樹脂(B)とを必須成分として含有する燃料電池セパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレーターの製造方法。
(2) 前記成形体が、成形後に後硬化させたものである前記(1)に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(3) 前記加熱処理が300〜600℃の第1の加熱工程と500〜800℃の第2の加熱工程からなる前記(1)または前記(2)に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(4) 前記導電性炭素質材(A)の平均粒径が0.5〜100μmである前記(1)ないし前記(3)のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
(5) 前記成形体が、成形体全体に対して導電性炭素質材(A)60〜90重量%を含有するものである前記(1)ないし前記(4)のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池セパレーターの製造方法について詳細に説明する。
本発明の燃料電池セパレーターの製造方法は、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を必須成分として含有してなる燃料電池セパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする。
【0009】
まず、本発明の燃料電池セパレーター(以下、単に「セパレーター」という)の製造方法について説明する。
本発明において、セパレーターを得るためには、まず、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を含有してなる成形材料を用いて、これを所定の条件で成形することにより燃料電池セパレーター用成形体(以下、単に「成形体」という)を得る。成形材料を前記成形体に成形する場合は、圧縮成形やトランスファー成形、射出成形により成形する。例えば圧縮成形を用いる場合は、成形体の形状に合わせて予備成形体を成形し、これを成形することで成形性を改善することもできる。圧縮成形による製造の一例を挙げると、圧力50〜400kg/cm2、温度20〜70℃、時間0.1〜2分間で予備成形体を成形し、これをさらに圧力200〜1500kg/cm2、温度150〜200℃、時間1〜30分間で成形することにより、成形体を得ることができる。
【0010】
この成形体はそのままでも導電性を有しているためセパレーターとして用いることができるが、成形体表面に形成される樹脂層により、さらには、成形後金型からの離型のために用いた離型剤の付着により接触抵抗の増大を招くため、実用レベルの導電性を確保することが困難である。黒鉛配合量をより多くすることにより導電性を実用レベルまで引き上げることもできるが、成形性の低下を生じる。また、前記樹脂層を研磨等により除去することにより導電性を向上することもできるが、加工工程が多くなり加工費が増大する。
【0011】
本発明においては、かかる成形体を300〜800℃で加熱処理することにより導電性を向上することできる。本発明における加熱温度では、前記樹脂層を含む成形体の樹脂分は完全に黒鉛化することはないが黒鉛の前駆体領域にまで炭化されるため、結果として成形体に実用レベルの導電性を付与することができる。従って、樹脂層を除去する加工工程を不要とし、加工費を低減することができる。さらに、従来のように黒鉛の高充填により導電性を付与するという必要がないため黒鉛配合量が低い成形性の良好な成形材料で成形体を成形することができるため、セパレーターの薄肉化や精密化に対応した成形体を供給することができる。
【0012】
また本発明においては、かかる成形体を加熱処理することにより、成形体表面に存在する有機のイオン性不純物を炭化、あるいは揮発できるため、導電性を向上させるとともにイオン性不純物を低減することもできる。加熱処理温度は、300〜800℃であるが、550〜700℃であることが好ましい。処理温度をかかる範囲内とすることによって、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とをバランス良いものとすることができる。この際、熱分解による揮発成分の発生速度が速すぎると、成形体に膨れが生じ、成形体内部にクラックが生じやすく、また機械的強度の低下を招く恐れがあるため、昇温速度は50℃/時間以下で行うことが好ましく、更に好ましくは20℃/時間以下である。この加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が550℃の場合には1〜5時間が好ましく、700℃の場合、0.5〜3時間が好ましい。
次に、冷却する場合には、成形体の急激な収縮による破損を招く恐れがあるため、できる限りゆっくりと冷却する必要があり、例えば、50℃/時間以下とすることが好ましい。
【0013】
加熱処理温度が前記上限値を超えると、不純物成分の熱分解や揮発による不純物の十分な低減と樹脂分の炭化による導電性の向上を十分に発現できるが、樹脂分の炭化が必要以上に進行し、それに伴う成形体の収縮や成形体内部の気孔の発生量が大きく、内部クラックも生じやすくなるため、強度低下を生じやすく、気体不透過性を損なうことがある。また、処理時間に時間を費やすことになるため、コスト高となりやすい。処理温度が前記下限値を下回ると、不純物の低減が不十分であり、導電性の向上効果も小さくなることがある。加熱処理は酸素雰囲気下で行うこともできるが、成形体の樹脂成分の劣化と導電性炭素質の酸化による強度低下の点から非酸素雰囲気下で行うことが好ましい。また、導電性の向上の点からも非酸素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0014】
本発明において、前記加熱処理するに先立って、成形後の成形体を後硬化させることが好ましい。これは、成形体を完全硬化した状態に近づけるためである。成形体の硬化が不十分であると、架橋密度が低いため、成形体の機械的強度が不足し、加熱処理時に樹脂分の分解が生じやすい。従って加熱処理による収縮やガス膨れに伴い、割れが発生することがある。後硬化のための温度は、特に限定されないが、150〜300℃が好ましい。150℃未満では、後硬化に長時間を要することとなり、300℃を越えると、硬化が十分に進む前に、樹脂の分解が生じ、セパレーターに内部クラックや強度低下を生じやすくなる。
【0015】
本発明においては、これまで説明してきた成形体を300〜600℃の第1の加熱工程と500〜800℃の第2の加熱工程からなる2段階加熱処理をすることがさらに好ましい。これにより、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とのバランスを更に良いものとすることができる。
【0016】
第1の加熱工程における加熱温度は300〜600℃であることが好ましく、450〜600℃であることが更に好ましい。かかる温度範囲では樹脂分や不純物成分の分解ガスが発生しやすいため、この温度範囲で第1段の加熱工程を加えることにより、分解ガスによる成形体の収縮やガス膨れによるクラック発生を低減し、セパレーターの機械的強度、気体不透過性をより良好にすることができる。第1の工程における加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が450℃の場合には1〜5時間が好ましい。また第1の加熱工程までの昇温速度は20℃/時間以下で、できるだけ緩やかにすることが好ましく、これにより分解ガスによる成形体の収縮やガス膨れによるクラック発生をより低減することができる。
【0017】
前記第1の加熱工程を経て、より高温の第2の加熱工程を加え、二段階加熱処理を施すことによって、セパレーターの機械的強度、気体不透過性を更に良好にすることができる。第2の加熱工程は500〜800℃が好ましく、より好ましくは、550〜700℃である。かかる温度範囲内とすることによって、成形体中のイオン性不純物の低減と電気的特性及び機械的特性の向上とをバランス良いものとすることができる。
これは樹脂分や不純物成分の分解により成形体の重量減少と収縮は同時に生じるが、第1の加熱工程の温度範囲では、前者の方が支配的に起こるため、成形体に気孔が生じやすい。しかし第2の加熱工程の温度範囲では、重量減少が小さくなり、収縮が主になり気孔が消滅するためである。第2の工程における加熱処理の時間は、温度にもよるが、例えば加熱処理温度が600℃の場合には0.5〜2時間が好ましい。第2の加熱工程までの昇温速度は50℃/時間以下であること好ましく、更に好ましくは20℃/時間である。これにより収縮によるクラック発生をよりより低減することができる。
【0018】
次に、本発明に用いる成形材料について説明する。かかる成形材料は、導電性炭素質基材(A)と熱硬化性樹脂(B)を含有してなるものである。
導電性炭素質材(A)としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス状カーボン及びこれらの2種以上を併用して使用できる。これらのうち導電性に優れている点で天然や人造の黒鉛、炭素繊維が好ましく、成形性の点では、黒鉛の結晶構造が発達した天然や人造の黒鉛が、劈開しやすく潤滑性が良好であることから、成形時の流れがよく好ましい。天然黒鉛としては鱗片状の黒鉛と土壌黒鉛があるが、このうち天然鱗片状黒鉛が導電性に優れている点で好ましく、更には精製により純度を高めたもの、例えば固定炭素分が99.60%〜99.99%であることが燃料電池の長期安定性という点で好ましい。
【0019】
また成形体の加熱処理時には、樹脂分や不純物成分による収縮と相反して、導電性炭素材の熱膨脹が生じ、加熱処理後に冷却してもその膨脹が一部保持されるため、成形体の寸法変化は導電性炭素材の種類により支配されることがある。例えば、結晶構造が発達し結晶面が揃った炭素質材を使用した場合には、加熱処理による(樹脂分の収縮や炭素質材自身の熱膨張により発生する応力で)結晶面間の層剥離(劈開)が生じやすいため、寸法精度を損なうことがある。またアスペクト比が大きい炭素質材を使用した場合には、成形時に配向が生じやすいため、成形体の面方向と垂直方向の熱膨張に異方性が起きることがある。従って加熱処理時の成形体の寸法変化を安定化できる点では、例えば、球状黒鉛のようなアスペクト比の小さい炭素材あるいはガラス状カーボンのように劈開が生じ難い結晶構造の炭素材が好ましい。成形体中での形状としてはアスペクト比が小さく球形状であることが特に好ましい。
【0020】
導電性炭素質材(A)の平均粒径は、0.5〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは1〜50μmであり、特に好ましくは5〜30μmである。導電性炭素質材(A)の平均粒径をかかる範囲内とすることによって成形材料の成形性と成形体の導電性を良好なものとすることができ、また加熱処理による成形体の寸法変化を低減でき、セパレーターの機械的強度を良好なものとすることができる。平均粒径が前記上限値を上回ると、成形体の機械的強度の低下が生じるため、加熱処理により樹脂分や不純物成分のガス化に伴うクラックの発生が増大し、セパレーターの機械的強度と寸法精度を損なうことがある。一方、平均粒径が前記下限値を下回ると成形時に十分な流動性が確保できず、精密な形状の成形体を成形することが難しくなることがある。これは細粒化に伴う導電性炭素質材の見かけの体積が大きくなるため、樹脂体積が相対的に小さくなり、黒鉛粒子間を充填するにはその体積が不充分であるためと考えられる。また平均粒径が小さすぎると、成形体内部での導電性炭素材の接触抵抗の増大により導電性が低下し、加熱処理を施しても実用に適した電気的特性を得ることが難しくなる場合がある。
【0021】
導電性炭素質材(A)の配合量は、成形体全体100重量部に対して60〜90重量部であることが好ましい。更に好ましくは70〜85重量部であり、特に好ましくは77〜83重量部である。配合量をかかる範囲内とすることによって、成形材料の成形性とセパレーターの電気的特性を良好なものとすることができる。配合量が前記上限値を超えると、成形時に十分な流動性が確保できず、精密な形状の成形体を成形することが難しくなることがある。これは樹脂量が相対的に少なく、黒鉛粒子間を充填するにはその体積が不充分であるためと考えられ、この結果成形体の機械的強度にも影響することがある。一方、配合量が前記下限値を下回ると、成形体の導電性が低下し、実用に適したセパレーターを得ることが難しくなる場合がある。また樹脂体積が増えることで炭化による成形体の収縮が大きく、内部クラックも生じやすくなるため、機械的強度低下を生じやすく、気体不透過性を損ないやすい。
【0022】
本発明で用いる熱硬化性樹脂(B)としては、公知の熱硬化性樹脂が使用でき、特に限定されない。例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用してもよく、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。これらの中でも加熱処理工程を経た場合に残炭率が高いという点ではフェノール樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましく、耐熱性、耐酸性、コスト等種々の点において優れているとともに、ベースとなる樹脂を低分子量のものから適宜選択することができるなどの点ではフェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましいものである。
【0023】
熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用いる場合、その種類としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂が挙げられる。これらを単独ないしは併用して用いることができる。これらの中でも、ヘキサメチレンテトラミン硬化のノボラック型フェノール樹脂は、硬化に伴う残留アンモニアが燃料電池の触媒である白金系プロトン交換触媒の触媒毒となることがあるため、主としてレゾール型フェノール樹脂を使用することが好ましい。また、レゾール型フェノール樹脂を用いる場合、その種類としては特に限定されないが、例えば、メチロール型レゾールフェノール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂などが挙げられる。一般的なレゾール型フェノール樹脂はメチロール基を多く残し活性化エネルギーが低いため、樹脂として反応性が高いが、ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂は、フェノール核結合官能基としてジメチレンエーテル結合を多く有しており、樹脂自体が柔軟な構造をしているため、例えば複雑な溝形状を有するセパレーターの製造では、一般的なレゾール型フェノール樹脂に比べ、良好な成形性を付与することができる点で好ましい。
【0024】
フェノール樹脂を用いる場合,その分子量についても特に限定されないが,例えば,ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂の場合では、GPC測定による遊離フェノール除外フェノール換算数平均分子量が800〜1200であることが好ましい。これにより、成形材料を成形する際に良好な成形性を得ることができる。数平均分子量が前記下限値を下回ると、成形時に硬化収縮によりヒケを生じやすくなることがあり、一方、前記上限値を超えると流動性が低下する傾向がみられ、いずれの場合も成形性や成形体の溝の加工精度に影響することがある。
【0025】
なお、本発明に用いる成形材料には、これまで説明した原材料以外にも、本発明の目的および効果に反しない範囲内において、成形材料として一般的に用いられる硬化助剤、可塑剤、離型剤、強度補強剤などの添加剤を用いることができる。例えば、強度補強剤は加熱処理による成形体の収縮や強度低下を補うことができる点で有効である。
【0026】
本発明の成形材料は、通常の方法により製造することができる。すなわち、前記原材料を所定量配合し、リボンブレンダーやプラネタリミキサーなどを用いて予備混合した後、加熱ロールや二軸混練機を用いて溶融混練し、これをさらに造粒化するか、冷却後粉砕・分級などの操作を経て成形材料とすることができる。また前記原料に必要に応じて溶剤加え、均一混合・分散させた後、乾燥工程や加熱混練工程などを経て成形体の特性を損なわない程度まで溶剤を除去し、成形材料とすることもできる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。実施例における「%」は全て「重量%」を表す。
【0028】
実施例1
[フェノール樹脂の製造]
フェノール(P)100kg、87%パラホルムアルデヒド(F)62kg(F/Pモル比1.70)、酢酸亜鉛0.5kgを還流コンデンサー撹拌機、加熱装置、真空脱水装置、スタティックミキサー付きレジン循環装置を備えた300リッター反応釜内に入れ、還流反応を3時間行った。この時点のフェノール反応率は92%であった。その後、脱水を行いながら115℃迄加熱し、更に115℃、真空度100Torrを1時間維持して反応を進めた後、冷却バット上に取り出し、遊離フェノール除外フェノール換算数平均分子量が900のジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂(固形)105kgを得た。
【0029】
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂22%、人造黒鉛(エスイーシー製、SGL−1045/平均粒径25μm)78%をヘンシェルミキサーで撹拌して原料混合物を得た。この原料混合物に対して1%のメタノールを添加し、70℃の加熱ニーダーで5分間溶融混練した後取り出し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
【0030】
[成形及び加熱処理]
得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形した後、185℃、1時間で後硬化を行い、成形体を得た。これを図1に示すプログラム1にて窒素雰囲気下で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は、第1段階で550℃、第2段階で750℃である。
【0031】
実施例2
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂20%、人造黒鉛(日本黒鉛製、SP−20/平均粒径10μm)80%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム2で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は、第1段階で450℃、第2段階で600℃である。
【0032】
実施例3
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂25%、人造黒鉛75%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0033】
実施例4
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂15%、人造黒鉛85%とした以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例2と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0034】
実施例5
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂35%、人造黒鉛65%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0035】
実施例6
[成形材料の作製]
前記の方法で製造したレゾール型フェノール樹脂20%、人造黒鉛(日本黒鉛製、CB−100/平均粒径80μm)80%とした以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形及び加熱処理を実施してセパレーターを得た。
【0036】
実施例7
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例1と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム3で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は550℃である。
【0037】
比較例1
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例3と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム4で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は2000℃である。
【0038】
比較例2
[成形材料の作製]
実施例1と同様にして成形材料を得た。
[成形及び加熱処理]
実施例3と同様にして成形体を得、図1に示すプログラム5で加熱処理を実施してセパレーターを得た。最高加熱温度は250℃である。
【0039】
各特性の評価方法は、以下の通りである。
[成形性の評価]
スパイラルフロー:JIS K 6911により測定した。
【0040】
[機械的特性の評価]
実施例及び比較例で得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形して300×300×2mmの大きさの成形体を得た。これよりテストピースを切り出し、実施例及び比較例での加熱処理後、評価を行った。
曲げ強さ、曲げ弾性率:JIS K 7203により常温下で測定した。
【0041】
[収縮率の評価]
実施例及び比較例で得られた成形材料を金型温度175℃、成形圧力300kg/cm2、成形時間5分間で圧縮成形してφ100×2mmの大きさの成形体を得た。実施例及び比較例での加熱処理後、寸法測定を行い評価した。
収縮率:((金型寸法)−(加熱処理後得られた成形体の寸法))×100
【0042】
[イオン性導電率の評価]
実施例及び比較例で得られたセパレーターを90℃の純水中で100時間浸漬後、常温冷却した。この浸漬水のイオン導電率を電導度計(東亜電波工業製/CM−60S)で評価した。
【0043】
[導電性の評価]
図2に示す方法で貫通方向の抵抗を測定し、導電性の評価を行った。即ち、厚さの異なる2枚の試料3,4を組み合わせて、カーボンペーパー2を介して電極1にセットし、成形体の厚みが異なった状態での抵抗値より、貫通方向の固有抵抗を求めた。比較データとしてJIS K 7194により体積固有抵抗率も測定した。
【0044】
特性の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0045】
表1の結果から、実施例1〜7は、人造黒鉛と、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を特定の割合で配合した成形材料から得られる成形体に対して、特定の加熱処理を実施したものであり、電気的特性、機械的特性、収縮率、イオン性不純物の溶出度はいずれも良好なものとなった。
また実施例1、実施例3及び実施例5では樹脂量が他の実施例に比べ多いが、劈開し難く、球形状の黒鉛(SGL−1045)を使用したため、収縮の増大が緩和される効果が得られた。実施例2、実施例4及び実施例6では樹脂量が少ないが、潤滑性に優れた黒鉛(SP−20、CB−100)を使用したため、良好な成形性が得られた。
一方、比較例1は、加熱処理温度が高く十分に樹脂が炭化されているため、良好な導電性を得ることができたが、収縮率が大きく、熱分解により揮発した樹脂成分によるボイド発生が多く、それに起因すると思われる強度低下が生じた。比較例2は、加熱処理温度が低いため、導電性向上効果が乏しく、またイオン不純物の溶出も多い。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、導電性炭素質基材と熱硬化性樹脂を必須成分として含有してなる成形体を従来の焼成及び黒鉛化温度(900〜3000℃)よりも低温領域で加熱処理することを特徴とするものであり、導電性と成形性に優れ、イオン性不純物が少なく長期的に安定した発電性能が得られる燃料電池セパレーターの製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例における加熱処理プログラムを示すグラフ
【図2】本発明の実施例における貫通方向抵抗率の測定法を示す概略図
【符号の説明】
1 電極
2 カーボンペーパー
3 本発明の樹脂組成物の成形物(厚さ5mm)
4 本発明の樹脂組成物の成形物(厚さ2mm)
5 定電流装置
6 電圧計
Claims (5)
- 導電性炭素質材(A)と熱硬化性樹脂(B)とを必須成分として含有する燃料電池セパレーター用成形体を300〜800℃で加熱処理することを特徴とする燃料電池セパレーターの製造方法。
- 前記成形体が、成形後に後硬化させたものである請求項1に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
- 前記加熱処理が300〜600℃の第1の加熱工程と500〜800℃の第2の加熱工程からなる請求項1または請求項2に記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
- 前記導電性炭素質材(A)の平均粒径が0.5〜100μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
- 前記成形体が、成形体全体に対して導電性炭素質材(A)60〜90重量%を含有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池セパレーターの製造方法。
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2002
- 2002-09-30 JP JP2002285081A patent/JP2004119345A/ja active Pending
Cited By (3)
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EP1686638A1 (en) | 2005-01-31 | 2006-08-02 | Nichias Corporation | Fuel cell separator |
CN108028393A (zh) * | 2015-09-18 | 2018-05-11 | 本田技研工业株式会社 | 燃料电池和其制造方法 |
CN108028393B (zh) * | 2015-09-18 | 2021-02-09 | 本田技研工业株式会社 | 燃料电池和其制造方法 |
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