JP2004119185A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型小型軽量化や高自由度な形状設計が可能な燃料電池を提供すること。
【解決手段】還元ガスが供給・排出される還元ガス注入口32・排出口33と還元ガス用流路と、ガス流路付き電極2が取り付けられる電極取付部が設けられるアノード用パネル3と、酸化ガスが供給・排出される酸化ガス注入口12・排出口と酸化ガス用流路と、ガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部10cが設けられるカソード用パネル1と、アノード用パネル3のガス流路付き電極2と、カソード用パネル1のガス流路付き電極2とにより挟持される固体高分子電解質とを備え、この固体高分子電解質をアノード用パネル3とカソード用パネル1とで挟持することでパネルユニットPを構成し、各パネル1,3は夫々、平面状に形成され、その内面側に電極取付部10cが設けられ、その外面側に電極取り出し用穴11a,31aが形成される。
【選択図】 図3
【解決手段】還元ガスが供給・排出される還元ガス注入口32・排出口33と還元ガス用流路と、ガス流路付き電極2が取り付けられる電極取付部が設けられるアノード用パネル3と、酸化ガスが供給・排出される酸化ガス注入口12・排出口と酸化ガス用流路と、ガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部10cが設けられるカソード用パネル1と、アノード用パネル3のガス流路付き電極2と、カソード用パネル1のガス流路付き電極2とにより挟持される固体高分子電解質とを備え、この固体高分子電解質をアノード用パネル3とカソード用パネル1とで挟持することでパネルユニットPを構成し、各パネル1,3は夫々、平面状に形成され、その内面側に電極取付部10cが設けられ、その外面側に電極取り出し用穴11a,31aが形成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質を用いた燃料電池に関し、特に厚みを薄くすることのできる燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、下記の非特許文献1に開示されており、これを図6に示す。
【0003】
図6に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成する。電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
【0004】
【非特許文献1】
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年のITの発展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器のほとんどの電源は、リチウムイオン二次電池が用いられている。しかし、これらモバイル機器の高機能化に伴い消費電力がどんどん増加する傾向にあり、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池に注目が集まっている。
【0005】
しかしながら、図6に示すような従来構造では、構造に自由度がないので、モバイル機器の電源として求められる薄型小型軽量化や形状の高自由度化の点で難がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、薄型小型軽量化や高自由度な形状設計が可能な燃料電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る燃料電池は、
酸化ガスが供給・排出される酸化ガス注入口・排出口と酸化ガス用流路と、この酸化ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるカソード用パネルと、
還元ガスが供給・排出される還元ガス注入口・排出口と還元ガス用流路と、この還元ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるアノード用パネルと、
前記アノード用パネルのガス流路付き電極と、前記カソード用パネルのガス流路付き電極とにより挟持される固体高分子電解質とを備え、この固体高分子電解質をアノード用パネルとカソード用パネルとで挟持することでパネルユニットを構成し、
前記各パネルは夫々、平面状に形成され、その内面側に前記電極取付部が設けられ、その外面側に電極取り出し用穴が形成されることを特徴とするものである。
【0007】
この構成による燃料電池の作用・効果は、以下の通りである。すなわち、 アノード用パネルとカソード用パネルにより固体高分子電解質を挟持することでパネルユニットを構成する。この各パネルには、酸化ガスや還元ガスのガス流路が形成される。また各パネルには、電極取付部が設けられており、この電極取付部にガス流路付き電極が取り付けられる。電極取付部やガス流路付き電極の形状、電極取付部のパネル上の配置等を工夫することで、設計の自由度が増す。また、各パネルは、平面状であり、内面側に電極取付部、外面側に電極取り出し用穴を形成している。特に、外面側に電極取り出し用穴を設けることで、パネル、すなわち、 パネルユニットを薄型にすることができる。その結果、薄型小型軽量化や高自由度な形状設計が可能な燃料電池を提供することができる。
本発明の好適な実施形態として、前記各パネルには、前記電極取付部の複数が平面的に並べて配置されるものがあげられる。
【0008】
平面的に並べることで、出力を大きくすることができる。また、平面的に並べることで、薄型を保持したまま出力を上げることができる。平面的に並べる並べ方を変えれば、形状を自由に変えることができる。
【0009】
本発明の別の好適な実施形態として、複数の前記パネルユニットを層状に積層してあるものがあげられる。
パネルユニットを層状に積層することでも、出力を高めることができる。
【0010】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記各パネルは、内面側が樹脂製シートで、外面側が金属製シートで形成されているものがあげられる。
かかるシート構成にすることで、薄型を維持しながらも所望の強度を確保することができる。
【0011】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記固体高分子電解質は、カソード用膜電極とアノード用膜電極に挟持されており、これが平面状のゴム弾性体に支持されているものがあげられる。
【0012】
平面状のゴム弾性体で支持し、これをアノード用パネルとカソード用パネルとで挟持することで、薄型に形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃料電池の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、燃料電池を構成するパネル1の構成を示す図である。図2は、パネル1とガス流路付き電極2の断面形状を示す図である。図3は、ガス流路付き電極2の構成を示す斜視図である。
【0014】
パネル1は、平面状に形成されており、樹脂シート10とステンレス製の金属シート11を貼り合わせて形成される。貼りあわせの方法は、適宜の方法で行うことができる。パネル1は、還元ガス(例えば、水素ガス)用と酸化ガス(例えば、酸素ガス)用と2つあるが、形状はいずれも同じである。パネル1には、ガス注入口12とガス排出口が設けられている。また、パネル1には、ガス流路10a,10bが形成されている。ガス流路は、互いに平行な注入側ガス流路10aと排出側ガス流路10bがあり、樹脂シート10に一体形成されている。注入側ガス流路10aの端部には、貫通穴12aが形成され、ガス注入口12と連通する。排出側ガス流路10bの端部にも、貫通穴13aが形成され、ガス排出口と連通する。
【0015】
パネル1の樹脂シート10には、5つの電極取付部10c(取り付け穴であり、パネル1の状態では凹部となる)が平面的に並べて形成されている。この電極取付部10cの配置に対応して、金属シート11には、電極取り出し穴11aが形成されている。電極取付部10cの大きさよりも、電極取り出し穴11aの大きさのほうが小さい。電極取付部10c及び電極取り出し穴の形状は、正方形に形成されている。もちろん、これに限定されるものではない。パネル1は、全体として電気絶縁性を有している。外面側に電極取り出し穴11aを設けることで、フレキシブル基板と直接接続が可能になる。これにより、薄型とすることができる。
【0016】
パネル1の内面側に電極取付部10cを設け、外面側に電極取り出し穴11aを設けることで、薄型に寄与できる。電極をパネル1の側面部から取り出す方法も考えられるが、この場合は、電極取り出しのためにある程度の高さが必要であり、本発明による構成の方が薄型にできる。
【0017】
図3は、上記電極取付部10cに取り付けられるガス流路付き電極2を示す。ガス流路付き電極2には、パネル1の注入側ガス流路10aと通じる流路入口部21と、排出側ガス流路10bと通じる流路出口部22とが一体形成され、さらに、その間に流路23が形成されている。流路23の深さは、パネル1に形成された流路10a,10bと同じ深さである。また、ガス流路付き電極2の高さは、電極取付部10cの深さと同一、又は、ほぼ同一である。これにより、パネル1の高さが高くならないようにしている。ガス流路付き電極2におけるガスの流れを矢印で示している。また、ガス流路付き電極2は、通常グラファイト製であり強度的にもろいため、パネル1を金属シート11で補強しているのである。
【0018】
図4は、パネルユニットP(セル)の組み立て構造を示す図であり、図5は、電解質保持ユニットの構造を示す図である。図4に示すように、カソード用パネル1とアノード用パネル3の間に電解質保持ユニット4が挟持される。既に説明したように、各パネル1,3の構成は同じであり、使用されるガス流路付き電極2も同じ構造のものが使用される。アノード用パネル3も樹脂シート30と金属シート31の貼り合わせで構成され、ガス注入口32とガス排出口33とが設けられる。金属シート31にも、電極取り出し穴31aが形成されている。
【0019】
カソード用パネル1のガス流路付き電極2と、アノード用パネル3のガス流路付き電極2とが向かい合う形になり、その間に電解質保持ユニット4により保持される電解質が挟持される形となる。図5に示すように、固体電解質膜40(例えば、ポリマー電解質)がカソード用膜電極41とアノード用膜電極42に挟持されており、これらがゴム弾性体43により保持されている。各電極41,42と固体電解質膜40により、膜電極接合体を構成する。膜電極接合体は、取り付けられるガス流路付き電極2の数だけ用意されている。
【0020】
以上のように、カソード用パネル1、電解質保持ユニット4、カソード用パネル3とを重ねて貼り合わせることで、パネルユニットPを得る。貼り合わせは、超音波融着、熱融着等の方法で行うことができる。このパネルユニットPのみで燃料電池として用いることができる。また、このパネルユニットPを層状に積層した燃料電池とすることもできる。
【0021】
【実施例】
次に、以上のように説明した燃料電池の更に具体的な材料、寸法等について説明する。各パネル1,3の大きさとして、93mm×27mmの長方形とすることができる。また、樹脂シート10,30は厚みが0.3mm、金属シート11,31は厚みが0.1mmとすることができる。樹脂シート10,30は、樹脂成形で得られる。金属シート11,31はプレス成形で得られる。電極取付部10cの大きさは15mm×15mm、電極取り出し穴11a,31aの大きさは5mm×5mmとすることができる。パネル1,3に形成するガス流路10a,10bは、幅1mm、深さ0.2mmである。また、ガス流路付き電極2に形成されるガス流路23は、幅0.6mm、深さ0.2mmである。ガス流路付き電極2は、グラファイト製である。
【0022】
対向するグラファイト製ガス流路付き電極2の間に配置される電解質保持ユニット4(ゴム弾性体43)の厚さは0.2mmである。各パネル1,3の厚さは0.1+0.3=0.4mmであるから、パネルユニットPの厚さは、0.4+0.4+0.2=1mmとなる。
【0023】
この電解質保持ユニット4は、次のようにして作製した。まず、白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90)を10mm角に切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
【0024】
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパー2枚を、固体電解質膜としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112)13mm角を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた電極膜接合体を、上記対向パネル内に装着した。
【0025】
このようにして、外寸93mm×27mm×1mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得ることが出来た。このマイクロ燃料電池の電池特性を評価した。
【0026】
燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、純水素ガス、純酸素ガスを用いて評価した。ガス流量は、100mL/minとした。得られた最大出力密度は、電極面積当たり70mW/cm2 であった。そして5個の電極を電気的に接続することで、本発明によるマイクロ燃料電池として350mWの出力が得られた。パネルユニットを複数積層すれば、更に高出力とすることができる。
【0027】
<別実施形態>
(1)本実施形態では、ガス流路付き電極2を5つ横に並べているがこれに限定されるものではない。並べる個数は任意である。並べる方向も一直線である必要はなく、適宜の配置にすることができる。これにより、設計の自由度が増す。
【0028】
(2)燃料電池を構成するパネル1,3、ガス流路付き電極2、電解質保持ユニット4の材料については、特定の種類の材料に限定されるものではない。例えば、パネル1,3を構成する樹脂シート10,30や金属シート11,31については、適宜の樹脂材料や金属材料を使用することができる。また、パネル1,3として、樹脂と金属の貼り合わせではなく、単一材料により形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池を構成するパネルの構成を示す図
【図2】パネルとガス流路付き電極の断面形状を示す図
【図3】ガス流路付き電極の構成を示す斜視図
【図4】パネルユニットP(セル)の組み立て構造を示す図
【図5】電解質保持ユニットの構造を示す図
【図6】従来技術に係る燃料電池の構成を示す図
【符号の説明】
1 カソード用パネル
2 ガス流路付き電極
3 アノード用パネル
4 電解質保持ユニット
10,30 樹脂シート
10a 注入側ガス流路
10b 排出側ガス流路
10c 電極取付部
11,31 金属シート
11a,31a 電極取り出し穴
12,32 ガス注入口
33 ガス排出口
40 固体高分子電解質
41 カソード用膜電極
42 アノード用膜電極
43 ゴム弾性体
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質を用いた燃料電池に関し、特に厚みを薄くすることのできる燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、下記の非特許文献1に開示されており、これを図6に示す。
【0003】
図6に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成する。電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
【0004】
【非特許文献1】
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年のITの発展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器のほとんどの電源は、リチウムイオン二次電池が用いられている。しかし、これらモバイル機器の高機能化に伴い消費電力がどんどん増加する傾向にあり、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池に注目が集まっている。
【0005】
しかしながら、図6に示すような従来構造では、構造に自由度がないので、モバイル機器の電源として求められる薄型小型軽量化や形状の高自由度化の点で難がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、薄型小型軽量化や高自由度な形状設計が可能な燃料電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る燃料電池は、
酸化ガスが供給・排出される酸化ガス注入口・排出口と酸化ガス用流路と、この酸化ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるカソード用パネルと、
還元ガスが供給・排出される還元ガス注入口・排出口と還元ガス用流路と、この還元ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるアノード用パネルと、
前記アノード用パネルのガス流路付き電極と、前記カソード用パネルのガス流路付き電極とにより挟持される固体高分子電解質とを備え、この固体高分子電解質をアノード用パネルとカソード用パネルとで挟持することでパネルユニットを構成し、
前記各パネルは夫々、平面状に形成され、その内面側に前記電極取付部が設けられ、その外面側に電極取り出し用穴が形成されることを特徴とするものである。
【0007】
この構成による燃料電池の作用・効果は、以下の通りである。すなわち、 アノード用パネルとカソード用パネルにより固体高分子電解質を挟持することでパネルユニットを構成する。この各パネルには、酸化ガスや還元ガスのガス流路が形成される。また各パネルには、電極取付部が設けられており、この電極取付部にガス流路付き電極が取り付けられる。電極取付部やガス流路付き電極の形状、電極取付部のパネル上の配置等を工夫することで、設計の自由度が増す。また、各パネルは、平面状であり、内面側に電極取付部、外面側に電極取り出し用穴を形成している。特に、外面側に電極取り出し用穴を設けることで、パネル、すなわち、 パネルユニットを薄型にすることができる。その結果、薄型小型軽量化や高自由度な形状設計が可能な燃料電池を提供することができる。
本発明の好適な実施形態として、前記各パネルには、前記電極取付部の複数が平面的に並べて配置されるものがあげられる。
【0008】
平面的に並べることで、出力を大きくすることができる。また、平面的に並べることで、薄型を保持したまま出力を上げることができる。平面的に並べる並べ方を変えれば、形状を自由に変えることができる。
【0009】
本発明の別の好適な実施形態として、複数の前記パネルユニットを層状に積層してあるものがあげられる。
パネルユニットを層状に積層することでも、出力を高めることができる。
【0010】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記各パネルは、内面側が樹脂製シートで、外面側が金属製シートで形成されているものがあげられる。
かかるシート構成にすることで、薄型を維持しながらも所望の強度を確保することができる。
【0011】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記固体高分子電解質は、カソード用膜電極とアノード用膜電極に挟持されており、これが平面状のゴム弾性体に支持されているものがあげられる。
【0012】
平面状のゴム弾性体で支持し、これをアノード用パネルとカソード用パネルとで挟持することで、薄型に形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃料電池の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、燃料電池を構成するパネル1の構成を示す図である。図2は、パネル1とガス流路付き電極2の断面形状を示す図である。図3は、ガス流路付き電極2の構成を示す斜視図である。
【0014】
パネル1は、平面状に形成されており、樹脂シート10とステンレス製の金属シート11を貼り合わせて形成される。貼りあわせの方法は、適宜の方法で行うことができる。パネル1は、還元ガス(例えば、水素ガス)用と酸化ガス(例えば、酸素ガス)用と2つあるが、形状はいずれも同じである。パネル1には、ガス注入口12とガス排出口が設けられている。また、パネル1には、ガス流路10a,10bが形成されている。ガス流路は、互いに平行な注入側ガス流路10aと排出側ガス流路10bがあり、樹脂シート10に一体形成されている。注入側ガス流路10aの端部には、貫通穴12aが形成され、ガス注入口12と連通する。排出側ガス流路10bの端部にも、貫通穴13aが形成され、ガス排出口と連通する。
【0015】
パネル1の樹脂シート10には、5つの電極取付部10c(取り付け穴であり、パネル1の状態では凹部となる)が平面的に並べて形成されている。この電極取付部10cの配置に対応して、金属シート11には、電極取り出し穴11aが形成されている。電極取付部10cの大きさよりも、電極取り出し穴11aの大きさのほうが小さい。電極取付部10c及び電極取り出し穴の形状は、正方形に形成されている。もちろん、これに限定されるものではない。パネル1は、全体として電気絶縁性を有している。外面側に電極取り出し穴11aを設けることで、フレキシブル基板と直接接続が可能になる。これにより、薄型とすることができる。
【0016】
パネル1の内面側に電極取付部10cを設け、外面側に電極取り出し穴11aを設けることで、薄型に寄与できる。電極をパネル1の側面部から取り出す方法も考えられるが、この場合は、電極取り出しのためにある程度の高さが必要であり、本発明による構成の方が薄型にできる。
【0017】
図3は、上記電極取付部10cに取り付けられるガス流路付き電極2を示す。ガス流路付き電極2には、パネル1の注入側ガス流路10aと通じる流路入口部21と、排出側ガス流路10bと通じる流路出口部22とが一体形成され、さらに、その間に流路23が形成されている。流路23の深さは、パネル1に形成された流路10a,10bと同じ深さである。また、ガス流路付き電極2の高さは、電極取付部10cの深さと同一、又は、ほぼ同一である。これにより、パネル1の高さが高くならないようにしている。ガス流路付き電極2におけるガスの流れを矢印で示している。また、ガス流路付き電極2は、通常グラファイト製であり強度的にもろいため、パネル1を金属シート11で補強しているのである。
【0018】
図4は、パネルユニットP(セル)の組み立て構造を示す図であり、図5は、電解質保持ユニットの構造を示す図である。図4に示すように、カソード用パネル1とアノード用パネル3の間に電解質保持ユニット4が挟持される。既に説明したように、各パネル1,3の構成は同じであり、使用されるガス流路付き電極2も同じ構造のものが使用される。アノード用パネル3も樹脂シート30と金属シート31の貼り合わせで構成され、ガス注入口32とガス排出口33とが設けられる。金属シート31にも、電極取り出し穴31aが形成されている。
【0019】
カソード用パネル1のガス流路付き電極2と、アノード用パネル3のガス流路付き電極2とが向かい合う形になり、その間に電解質保持ユニット4により保持される電解質が挟持される形となる。図5に示すように、固体電解質膜40(例えば、ポリマー電解質)がカソード用膜電極41とアノード用膜電極42に挟持されており、これらがゴム弾性体43により保持されている。各電極41,42と固体電解質膜40により、膜電極接合体を構成する。膜電極接合体は、取り付けられるガス流路付き電極2の数だけ用意されている。
【0020】
以上のように、カソード用パネル1、電解質保持ユニット4、カソード用パネル3とを重ねて貼り合わせることで、パネルユニットPを得る。貼り合わせは、超音波融着、熱融着等の方法で行うことができる。このパネルユニットPのみで燃料電池として用いることができる。また、このパネルユニットPを層状に積層した燃料電池とすることもできる。
【0021】
【実施例】
次に、以上のように説明した燃料電池の更に具体的な材料、寸法等について説明する。各パネル1,3の大きさとして、93mm×27mmの長方形とすることができる。また、樹脂シート10,30は厚みが0.3mm、金属シート11,31は厚みが0.1mmとすることができる。樹脂シート10,30は、樹脂成形で得られる。金属シート11,31はプレス成形で得られる。電極取付部10cの大きさは15mm×15mm、電極取り出し穴11a,31aの大きさは5mm×5mmとすることができる。パネル1,3に形成するガス流路10a,10bは、幅1mm、深さ0.2mmである。また、ガス流路付き電極2に形成されるガス流路23は、幅0.6mm、深さ0.2mmである。ガス流路付き電極2は、グラファイト製である。
【0022】
対向するグラファイト製ガス流路付き電極2の間に配置される電解質保持ユニット4(ゴム弾性体43)の厚さは0.2mmである。各パネル1,3の厚さは0.1+0.3=0.4mmであるから、パネルユニットPの厚さは、0.4+0.4+0.2=1mmとなる。
【0023】
この電解質保持ユニット4は、次のようにして作製した。まず、白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90)を10mm角に切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
【0024】
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパー2枚を、固体電解質膜としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112)13mm角を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた電極膜接合体を、上記対向パネル内に装着した。
【0025】
このようにして、外寸93mm×27mm×1mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得ることが出来た。このマイクロ燃料電池の電池特性を評価した。
【0026】
燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、純水素ガス、純酸素ガスを用いて評価した。ガス流量は、100mL/minとした。得られた最大出力密度は、電極面積当たり70mW/cm2 であった。そして5個の電極を電気的に接続することで、本発明によるマイクロ燃料電池として350mWの出力が得られた。パネルユニットを複数積層すれば、更に高出力とすることができる。
【0027】
<別実施形態>
(1)本実施形態では、ガス流路付き電極2を5つ横に並べているがこれに限定されるものではない。並べる個数は任意である。並べる方向も一直線である必要はなく、適宜の配置にすることができる。これにより、設計の自由度が増す。
【0028】
(2)燃料電池を構成するパネル1,3、ガス流路付き電極2、電解質保持ユニット4の材料については、特定の種類の材料に限定されるものではない。例えば、パネル1,3を構成する樹脂シート10,30や金属シート11,31については、適宜の樹脂材料や金属材料を使用することができる。また、パネル1,3として、樹脂と金属の貼り合わせではなく、単一材料により形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池を構成するパネルの構成を示す図
【図2】パネルとガス流路付き電極の断面形状を示す図
【図3】ガス流路付き電極の構成を示す斜視図
【図4】パネルユニットP(セル)の組み立て構造を示す図
【図5】電解質保持ユニットの構造を示す図
【図6】従来技術に係る燃料電池の構成を示す図
【符号の説明】
1 カソード用パネル
2 ガス流路付き電極
3 アノード用パネル
4 電解質保持ユニット
10,30 樹脂シート
10a 注入側ガス流路
10b 排出側ガス流路
10c 電極取付部
11,31 金属シート
11a,31a 電極取り出し穴
12,32 ガス注入口
33 ガス排出口
40 固体高分子電解質
41 カソード用膜電極
42 アノード用膜電極
43 ゴム弾性体
Claims (5)
- 酸化ガスが供給・排出される酸化ガス注入口・排出口と酸化ガス用流路と、この酸化ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるカソード用パネルと、
還元ガスが供給・排出される還元ガス注入口・排出口と還元ガス用流路と、この還元ガス用流路の一部が形成されるガス流路付き電極が取り付けられる電極取付部が設けられるアノード用パネルと、
前記アノード用パネルのガス流路付き電極と、前記カソード用パネルのガス流路付き電極とにより挟持される固体高分子電解質とを備え、この固体高分子電解質をアノード用パネルとカソード用パネルとで挟持することでパネルユニットを構成し、
前記各パネルは夫々、平面状に形成され、その内面側に前記電極取付部が設けられ、その外面側に電極取り出し用穴が形成されることを特徴とする燃料電池。 - 前記各パネルには、前記電極取付部の複数が平面的に並べて配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 複数の前記パネルユニットを層状に積層してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 前記各パネルは、内面側が樹脂製シートで、外面側が金属製シートで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記固体高分子電解質は、カソード用膜電極とアノード用膜電極に挟持されており、これが平面状のゴム弾性体に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
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- 2002-09-26 JP JP2002280646A patent/JP2004119185A/ja active Pending
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