JP2004117854A - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバケーブルの外被に収納されたテープ状光ファイバ心線を傷つけることなく容易に取り出すことができる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】8心のテープ状光ファイバ心線4の2枚が積層されて外被1に収納されている。集合体の両側には、抗張力体2が配設されている。外被には、2対の引き裂き用ノッチ3a,3aと3b,3bが設けられている(A)。引き裂き用ノッチで外被が引き裂かれると(B)、取り出し時において、テープ状光ファイバ心線4と外被材の接触面積をできる限り少なくしてテープ状光ファイバ心線を取り出し易くすることができる(C)。
【選択図】 図1
【解決手段】8心のテープ状光ファイバ心線4の2枚が積層されて外被1に収納されている。集合体の両側には、抗張力体2が配設されている。外被には、2対の引き裂き用ノッチ3a,3aと3b,3bが設けられている(A)。引き裂き用ノッチで外被が引き裂かれると(B)、取り出し時において、テープ状光ファイバ心線4と外被材の接触面積をできる限り少なくしてテープ状光ファイバ心線を取り出し易くすることができる(C)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ状光ファイバ心線を用いた光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外被内に光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルが、架空ケーブルからの引落用光ケーブルとして、あるいは、宅内用光ケーブルとして用いられている。外被から光ファイバ心線を取り出すために、1対の引き裂き用ノッチを1個所に設けている。
【0003】
図6は、1対の引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの一例の断面図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3は引き裂き用ノッチ、11は光ファイバ心線である。光ファイバ心線11は、被覆が施された外径250μmの光ファイバ心線である。1対の引き裂き用ノッチ3,3で外被を引き裂くことにより、容易に光ファイバ心線11を取り出すことができる。
【0004】
しかし、1対の引き裂き用ノッチを設ける構造は、収納する光ファイバ心線が多心化した場合に心線の取り出し性が不良となる。
【0005】
図7は、テープ状光ファイバ心線を外被に収納した光ファイバケーブルの一例の断面図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3は引き裂き用ノッチ、4はテープ状光ファイバ心線である。この例では、図7(A)に示すように、2枚のテープ状光ファイバ心線4が外被1の中に埋められ、外被1には、1対の引き裂き用ノッチ3,3が形成されている。
【0006】
この光ファイバケーブルを引き裂き用ノッチ3,3で引き裂くと、図7(B)に示すように、収納する光ファイバ心線の心数が多心化することで、外被1とテープ状光ファイバ心線4の接触面積が増えることにより、引裂き用ノッチ3,3から引裂いた際、テープ状光ファイバ心線が外被1の中に埋まり、容易にテープ状光ファイバ心線を取り出すことができない。
【0007】
図8は、図7の光ファイバケーブルにおける心線の取り出し例の説明図である。図中、図7と同じ部分には同じ符号を付した。図7で説明した外被を引き裂いた状態が図8(A)である。外被1に埋まったテープ状光ファイバ心線4を取り出すには、図8(B)に示すように、手でテープ状光ファイバ心線4を引っぱり出す。このとき、テープ状光ファイバ心線4が外被1に少しでも引っかかると、テープ状光ファイバ心線4に外傷が生じたり、あるいは、テープ被覆の剥離が生じることがあり、信頼性上の不安が残る。
【0008】
また、図9(A)に示すように、テープ状光ファイバ心線4の中央と引き裂き用ノッチ3,3の中心軸が、多少ずれるだけで(ずれδ)、図9(B)に示すように、テープ状光ファイバ心線4と外被1の引き裂き後の接触面積が大きく、取り出し性が困難となる。
【0009】
図10は、引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの他の一例である。図中、図6と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。12は光コードである。この光ファイバケーブルは、フロア配線用光ケーブルに適したものであり、外被1内に2本の光コード12が収納されている。引き裂き用ノッチ3,3は、千鳥掛けに設けられており、コードの外被埋まりを防止している。
【0010】
しかし、千鳥掛けによる引き裂き方法は、フロア配線用光ケーブル等では収納されている光ファイバが、外径1.5mmの光コードとして構成され、被覆樹脂で十分保護されているのに対し、この構造をテープ状光ファイバ心線に適用しようとすると、0.3mm厚の薄肉のテープ被覆のテープ状光ファイバ心線では、斜めに力が加わることで、外被のエッジ部分で外傷もしくはテープ樹脂の剥離が発生する恐れがある。
【0011】
このように、1対の引き裂き用ノッチを設けた構造や千鳥掛けに引き裂き用ノッチを設けた構造は、収納される光ファイバ心線が多心化されたテープ状光ファイバ心線である場合には、外被材とテープ状光ファイバ心線との接触面積が増えることにより、引き裂き用ノッチで外被を引裂いた際、テープ状光ファイバ心線が外被の中に埋まり、テープ状光ファイバ心線を容易に取り出すことができないという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、光ファイバケーブルの外被に収納されたテープ状光ファイバ心線を傷つけることなく容易に取り出すことができる光ファイバケーブル提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1枚のテープ状光ファイバ心線、または、幅広の面が積層面として複数枚が積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体、または、側部を接して並べられた複数枚のテープ状光ファイバ心線が1段または複数段に積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体が外被に収納されている光ファイバケーブルにおいて、前記外被には、対向して形成された1対の引き裂き用ノッチが2箇所以上に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光ファイバケーブルの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1(A)は断面図、図1(B),(C)は心線の取り出し方法の説明図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3a,3bは引き裂き用ノッチ、4は光ファイバ心線である。
【0015】
図1(A)に示す例では、テープ状光ファイバ心線4は8心であり、2枚が積層されて集合体として、外被1に収納されているが、テープ状光ファイバ心線4の心数や集合数はこの例に限られるものではない。テープ状光ファイバ心線4の集合体の両側には、抗張力体2が配設されているが、光ファイバケーブルの収縮が問題となる環境で用いられるテープ状光ファイバ心線にあっては、抗収縮体を配設するようにしてもよい。しかしながら、抗張力体2や抗張力体は、光ファイバケーブルの用途に応じて設けられるもので、用途によっては、必ずしも必要とするものではない。
【0016】
外被1には、1対の引き裂き用ノッチ3a,3aに対して、もう1対の引き裂き用ノッチ3b,3bが設けられている。すなわち、外被1には、2対の引き裂き用ノッチが設けられている。2対の引き裂き用ノッチは、テープ状光ファイバ心線の集合体の両側近傍の位置に設けられるのがよく、図1(B)に示すように、引き裂き用ノッチを利用して引き裂いた際に、テープ状光ファイバ心線の集合体の幅方向の両端側が露出するような位置に設けられるのがよい。さらに、第3の位置、例えば、2対の引き裂き用ノッチ3a,3a,3b,3bの中間の位置に、もう1対の引き裂き用ノッチが設けれてもよい。特に、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接するように並べた集合体を外被に収納した場合には、集合体の両端近傍の側部に加えて、テープ状光ファイバ心線の側部が接する位置の近傍にも引き裂き用ノッチが設けられるのがよい。したがって、本発明においては、引き裂き用ノッチは、2対以上設けられる。
【0017】
図1(B)に示すように、引き裂き用ノッチ3a,3aと3b,3bとで外被1が引き裂かれると、図1(C)に示すように、取り出し時において、テープ状光ファイバ心線4と外被材の接触面積をできる限り少なくしてテープ状光ファイバ心線を取り出し易くすることができるので、テープ状光ファイバ心線に外傷や剥離を防止して、光ファイバケーブルからテープ状光ファイバ心線を分離して取り出すことができる。すなわち、テープ状光ファイバ心線の積層体の両脇を破壊することで、テープ状光ファイバ心線が埋め込まれることなく、テープ状光ファイバ心線の短径面に残っている外被を簡単に剥ぎ取ることが可能な構造であるといえる。
【0018】
引き裂き用ノッチの断面形状は、この例では、三角形状の尖端ノッチとしたが、図6〜図10で示したような台形状のノッチや、その他の形状のノッチを用いることができる。
【0019】
図2は、光ファイバケーブルを自己支持型とした実施の形態の一例の断面図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。5は支持線、6は支持線の被覆、7は首部である。
【0020】
この例では、8心のテープ状光ファイバ心線4の1枚が外被1に収納されているが、テープ状光ファイバ心線4の心数や集合数はこの例に限られるものではない。外被1に平行して支持線5が配され、被覆6が施されている。被覆6は外被1と首部7を介して、一体的に施されている。首部を切断することで、容易に、光ファイバケーブル部分を支持線部分とを分離できる。
【0021】
引き裂き用ノッチの位置と数について考察した結果を図3で説明する。2心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、1対の引き裂き用ノッチを設けておけば、ノッチ形状が尖端ノッチであっても、台形ノッチであっても、心線の取り出し性は良好である。しかし、4心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、1対の引き裂き用ノッチを設けたものでは、ノッチ形状が、尖端ノッチでも、台形ノッチでも、取り出し性は良好とはいえない。8心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、2対の引き裂き用ノッチを設けておけば、心線の取り出し性は良好である。この場合は、ノッチ形状が、尖端ノッチであっても、台形ノッチであってもよい。しかし、引き裂き用ノッチの対数が多くなると、幅を取らない尖端ノッチがよりよいといえる。テープ状光ファイバ心線のテープ幅でみれば、テープ幅が約1.1mm程度までは、1対の引き裂き用ノッチで何とか取り出し性が確保できているが、それ以上幅が広くなると、引き裂いても、テープ状光ファイバ心線が外被内に埋まってしまうので、2対以上の引き裂き用ノッチを設けることによって、良好な心線取り出し性が確保できる。なお、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を側部を接するように並べて外被に収納した場合は、1対の引き裂き用ノッチを設けたのでは、8心のテープ状光ファイバ心線の場合よりも、心線取り出し性は極めて悪いが、2対の引き裂き用ノッチを設けることで心線取り出し性は、8心のテープ状光ファイバ心線の場合と同様に良好である。
【0022】
テープ状光ファイバ心線と引き裂き用ノッチの位置関係は、テープ状光ファイバ心線が十分取り出せる位置に引き裂き用ノッチを施す必要がある。引き裂き用ノッチによってテープ状光ファイバ心線の積層体の両脇を破壊することが好ましいことから、対をなす引き裂き用ノッチの位置は、図4(A)に示すように、各対共に、テープ状光ファイバ心線の最端の位置から、図4(B)に示すように、2心目の光ファイバ心線の中央までの位置までの範囲にあることが望ましい。2心目の光ファイバ心線の中央よりも中心に近くなる位置にになると、引き裂き用ノッチで引き裂いた場合に、テープ状光ファイバ心線が外被に埋まった状態となり、心線取出し性が困難となる恐れがある。なお、引き裂き用ノッチの位置は、尖端ノッチににおいては、切り込まれた三角形の頂点の位置であり、台形ノッチにおいては、切り込まれた台形の頂部の辺の中心の位置である。
【0023】
また、複数枚のテープ状光ファイバ心線を積層して集合体として外被内に収納した場合は、積層させたテープ状光ファイバ心線の幅方向のずれが大きいように積層されていると、心線取り出し性が悪くなる。したがって、ずれの許容範囲は、光ファイバ心線の外径程度までであり、現在用いられているテープ状光ファイバ心線の光ファイバ心線が、外径125μmのガラスファイバに、被覆が施されて外径が公称250μmであることから、積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体における幅方向のずれは、250μm以内であることが望ましい。
【0024】
図5は、本発明の光ファイバケーブルにおけるテープ状光ファイバ心線の集合体の具体例を説明するための断面図である。図5(A)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を幅広の面を積層面として1列に積層させた集合体の具体例であり、3枚の8心のテープ状光ファイバ心線の積層した例である。図5(B)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接して並べた集合体の具体例であり、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を幅方向に並べた例である。図5(C)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接して並べた複数枚のテープ状光ファイバ心線を複数段に積層させた集合体の具体例であり、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を幅方向に並べたものを2段に積層した例である。また、図5(D)は、図5(C)の集合体を用いた光ファイバケーブルにおいて、3対の引き裂き用ノッチを設けた具体例である。中間の引き裂き用ノッチ3c,3cは、側部が接している位置に対応して設けられている。
【0025】
この具体例については、テープ状光ファイバ心線の心数や集合体の枚数は一例であり、この具体例に限られるものではないが、いずれの具体例においても、引き裂き用ノッチで外被を引き裂くことにより、テープ状光ファイバ心線を容易に取り出すことができるものである。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、光ファイバケーブルを引き裂き用ノッチで引き裂くことによりテープ状光ファイバ心線と外被との密着部分(埋め込み部分)による外被埋まりを防止して、容易にテープ状光ファイバ心線を取り出すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブルの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1(A)は断面図、図1(B),(C)は心線の取り出し方法の説明図である。
【図2】光ファイバケーブルを自己支持型とした実施の形態の一例の断面図である。
【図3】引き裂き用ノッチの位置と数について考察した結果の説明図である。
【図4】テープ状光ファイバ心線と引き裂き用ノッチの位置関係の説明図である。
【図5】本発明の光ファイバケーブルにおけるテープ状光ファイバ心線の集合体の具体例を説明するための断面図である。
【図6】1対の引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの一例の断面図である。
【図7】テープ状光ファイバ心線を外被に収納した光ファイバケーブルの一例の断面図である。
【図8】図7の光ファイバケーブルにおける心線の取り出し例の説明図である。
【図9】テープ状光ファイバ心線4の中央と引き裂き用ノッチの中心軸のずれの説明図である。
【図10】引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの他の一例である。
【符号の説明】
1…外被、2…抗張力体、3,3a,3b,3c…引き裂き用ノッチ、4…テープ状光ファイバ心線、5…支持線、6…支持線の被覆、7…首部、11…光ファイバ心線、12…光コード。
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ状光ファイバ心線を用いた光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外被内に光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルが、架空ケーブルからの引落用光ケーブルとして、あるいは、宅内用光ケーブルとして用いられている。外被から光ファイバ心線を取り出すために、1対の引き裂き用ノッチを1個所に設けている。
【0003】
図6は、1対の引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの一例の断面図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3は引き裂き用ノッチ、11は光ファイバ心線である。光ファイバ心線11は、被覆が施された外径250μmの光ファイバ心線である。1対の引き裂き用ノッチ3,3で外被を引き裂くことにより、容易に光ファイバ心線11を取り出すことができる。
【0004】
しかし、1対の引き裂き用ノッチを設ける構造は、収納する光ファイバ心線が多心化した場合に心線の取り出し性が不良となる。
【0005】
図7は、テープ状光ファイバ心線を外被に収納した光ファイバケーブルの一例の断面図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3は引き裂き用ノッチ、4はテープ状光ファイバ心線である。この例では、図7(A)に示すように、2枚のテープ状光ファイバ心線4が外被1の中に埋められ、外被1には、1対の引き裂き用ノッチ3,3が形成されている。
【0006】
この光ファイバケーブルを引き裂き用ノッチ3,3で引き裂くと、図7(B)に示すように、収納する光ファイバ心線の心数が多心化することで、外被1とテープ状光ファイバ心線4の接触面積が増えることにより、引裂き用ノッチ3,3から引裂いた際、テープ状光ファイバ心線が外被1の中に埋まり、容易にテープ状光ファイバ心線を取り出すことができない。
【0007】
図8は、図7の光ファイバケーブルにおける心線の取り出し例の説明図である。図中、図7と同じ部分には同じ符号を付した。図7で説明した外被を引き裂いた状態が図8(A)である。外被1に埋まったテープ状光ファイバ心線4を取り出すには、図8(B)に示すように、手でテープ状光ファイバ心線4を引っぱり出す。このとき、テープ状光ファイバ心線4が外被1に少しでも引っかかると、テープ状光ファイバ心線4に外傷が生じたり、あるいは、テープ被覆の剥離が生じることがあり、信頼性上の不安が残る。
【0008】
また、図9(A)に示すように、テープ状光ファイバ心線4の中央と引き裂き用ノッチ3,3の中心軸が、多少ずれるだけで(ずれδ)、図9(B)に示すように、テープ状光ファイバ心線4と外被1の引き裂き後の接触面積が大きく、取り出し性が困難となる。
【0009】
図10は、引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの他の一例である。図中、図6と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。12は光コードである。この光ファイバケーブルは、フロア配線用光ケーブルに適したものであり、外被1内に2本の光コード12が収納されている。引き裂き用ノッチ3,3は、千鳥掛けに設けられており、コードの外被埋まりを防止している。
【0010】
しかし、千鳥掛けによる引き裂き方法は、フロア配線用光ケーブル等では収納されている光ファイバが、外径1.5mmの光コードとして構成され、被覆樹脂で十分保護されているのに対し、この構造をテープ状光ファイバ心線に適用しようとすると、0.3mm厚の薄肉のテープ被覆のテープ状光ファイバ心線では、斜めに力が加わることで、外被のエッジ部分で外傷もしくはテープ樹脂の剥離が発生する恐れがある。
【0011】
このように、1対の引き裂き用ノッチを設けた構造や千鳥掛けに引き裂き用ノッチを設けた構造は、収納される光ファイバ心線が多心化されたテープ状光ファイバ心線である場合には、外被材とテープ状光ファイバ心線との接触面積が増えることにより、引き裂き用ノッチで外被を引裂いた際、テープ状光ファイバ心線が外被の中に埋まり、テープ状光ファイバ心線を容易に取り出すことができないという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、光ファイバケーブルの外被に収納されたテープ状光ファイバ心線を傷つけることなく容易に取り出すことができる光ファイバケーブル提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1枚のテープ状光ファイバ心線、または、幅広の面が積層面として複数枚が積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体、または、側部を接して並べられた複数枚のテープ状光ファイバ心線が1段または複数段に積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体が外被に収納されている光ファイバケーブルにおいて、前記外被には、対向して形成された1対の引き裂き用ノッチが2箇所以上に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光ファイバケーブルの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1(A)は断面図、図1(B),(C)は心線の取り出し方法の説明図である。図中、1は外被、2は抗張力体、3a,3bは引き裂き用ノッチ、4は光ファイバ心線である。
【0015】
図1(A)に示す例では、テープ状光ファイバ心線4は8心であり、2枚が積層されて集合体として、外被1に収納されているが、テープ状光ファイバ心線4の心数や集合数はこの例に限られるものではない。テープ状光ファイバ心線4の集合体の両側には、抗張力体2が配設されているが、光ファイバケーブルの収縮が問題となる環境で用いられるテープ状光ファイバ心線にあっては、抗収縮体を配設するようにしてもよい。しかしながら、抗張力体2や抗張力体は、光ファイバケーブルの用途に応じて設けられるもので、用途によっては、必ずしも必要とするものではない。
【0016】
外被1には、1対の引き裂き用ノッチ3a,3aに対して、もう1対の引き裂き用ノッチ3b,3bが設けられている。すなわち、外被1には、2対の引き裂き用ノッチが設けられている。2対の引き裂き用ノッチは、テープ状光ファイバ心線の集合体の両側近傍の位置に設けられるのがよく、図1(B)に示すように、引き裂き用ノッチを利用して引き裂いた際に、テープ状光ファイバ心線の集合体の幅方向の両端側が露出するような位置に設けられるのがよい。さらに、第3の位置、例えば、2対の引き裂き用ノッチ3a,3a,3b,3bの中間の位置に、もう1対の引き裂き用ノッチが設けれてもよい。特に、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接するように並べた集合体を外被に収納した場合には、集合体の両端近傍の側部に加えて、テープ状光ファイバ心線の側部が接する位置の近傍にも引き裂き用ノッチが設けられるのがよい。したがって、本発明においては、引き裂き用ノッチは、2対以上設けられる。
【0017】
図1(B)に示すように、引き裂き用ノッチ3a,3aと3b,3bとで外被1が引き裂かれると、図1(C)に示すように、取り出し時において、テープ状光ファイバ心線4と外被材の接触面積をできる限り少なくしてテープ状光ファイバ心線を取り出し易くすることができるので、テープ状光ファイバ心線に外傷や剥離を防止して、光ファイバケーブルからテープ状光ファイバ心線を分離して取り出すことができる。すなわち、テープ状光ファイバ心線の積層体の両脇を破壊することで、テープ状光ファイバ心線が埋め込まれることなく、テープ状光ファイバ心線の短径面に残っている外被を簡単に剥ぎ取ることが可能な構造であるといえる。
【0018】
引き裂き用ノッチの断面形状は、この例では、三角形状の尖端ノッチとしたが、図6〜図10で示したような台形状のノッチや、その他の形状のノッチを用いることができる。
【0019】
図2は、光ファイバケーブルを自己支持型とした実施の形態の一例の断面図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。5は支持線、6は支持線の被覆、7は首部である。
【0020】
この例では、8心のテープ状光ファイバ心線4の1枚が外被1に収納されているが、テープ状光ファイバ心線4の心数や集合数はこの例に限られるものではない。外被1に平行して支持線5が配され、被覆6が施されている。被覆6は外被1と首部7を介して、一体的に施されている。首部を切断することで、容易に、光ファイバケーブル部分を支持線部分とを分離できる。
【0021】
引き裂き用ノッチの位置と数について考察した結果を図3で説明する。2心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、1対の引き裂き用ノッチを設けておけば、ノッチ形状が尖端ノッチであっても、台形ノッチであっても、心線の取り出し性は良好である。しかし、4心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、1対の引き裂き用ノッチを設けたものでは、ノッチ形状が、尖端ノッチでも、台形ノッチでも、取り出し性は良好とはいえない。8心のテープ状光ファイバ心線を収納した光ファイバケーブルでは、2対の引き裂き用ノッチを設けておけば、心線の取り出し性は良好である。この場合は、ノッチ形状が、尖端ノッチであっても、台形ノッチであってもよい。しかし、引き裂き用ノッチの対数が多くなると、幅を取らない尖端ノッチがよりよいといえる。テープ状光ファイバ心線のテープ幅でみれば、テープ幅が約1.1mm程度までは、1対の引き裂き用ノッチで何とか取り出し性が確保できているが、それ以上幅が広くなると、引き裂いても、テープ状光ファイバ心線が外被内に埋まってしまうので、2対以上の引き裂き用ノッチを設けることによって、良好な心線取り出し性が確保できる。なお、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を側部を接するように並べて外被に収納した場合は、1対の引き裂き用ノッチを設けたのでは、8心のテープ状光ファイバ心線の場合よりも、心線取り出し性は極めて悪いが、2対の引き裂き用ノッチを設けることで心線取り出し性は、8心のテープ状光ファイバ心線の場合と同様に良好である。
【0022】
テープ状光ファイバ心線と引き裂き用ノッチの位置関係は、テープ状光ファイバ心線が十分取り出せる位置に引き裂き用ノッチを施す必要がある。引き裂き用ノッチによってテープ状光ファイバ心線の積層体の両脇を破壊することが好ましいことから、対をなす引き裂き用ノッチの位置は、図4(A)に示すように、各対共に、テープ状光ファイバ心線の最端の位置から、図4(B)に示すように、2心目の光ファイバ心線の中央までの位置までの範囲にあることが望ましい。2心目の光ファイバ心線の中央よりも中心に近くなる位置にになると、引き裂き用ノッチで引き裂いた場合に、テープ状光ファイバ心線が外被に埋まった状態となり、心線取出し性が困難となる恐れがある。なお、引き裂き用ノッチの位置は、尖端ノッチににおいては、切り込まれた三角形の頂点の位置であり、台形ノッチにおいては、切り込まれた台形の頂部の辺の中心の位置である。
【0023】
また、複数枚のテープ状光ファイバ心線を積層して集合体として外被内に収納した場合は、積層させたテープ状光ファイバ心線の幅方向のずれが大きいように積層されていると、心線取り出し性が悪くなる。したがって、ずれの許容範囲は、光ファイバ心線の外径程度までであり、現在用いられているテープ状光ファイバ心線の光ファイバ心線が、外径125μmのガラスファイバに、被覆が施されて外径が公称250μmであることから、積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体における幅方向のずれは、250μm以内であることが望ましい。
【0024】
図5は、本発明の光ファイバケーブルにおけるテープ状光ファイバ心線の集合体の具体例を説明するための断面図である。図5(A)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を幅広の面を積層面として1列に積層させた集合体の具体例であり、3枚の8心のテープ状光ファイバ心線の積層した例である。図5(B)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接して並べた集合体の具体例であり、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を幅方向に並べた例である。図5(C)は、複数枚のテープ状光ファイバ心線を側部を接して並べた複数枚のテープ状光ファイバ心線を複数段に積層させた集合体の具体例であり、2枚の4心のテープ状光ファイバ心線を幅方向に並べたものを2段に積層した例である。また、図5(D)は、図5(C)の集合体を用いた光ファイバケーブルにおいて、3対の引き裂き用ノッチを設けた具体例である。中間の引き裂き用ノッチ3c,3cは、側部が接している位置に対応して設けられている。
【0025】
この具体例については、テープ状光ファイバ心線の心数や集合体の枚数は一例であり、この具体例に限られるものではないが、いずれの具体例においても、引き裂き用ノッチで外被を引き裂くことにより、テープ状光ファイバ心線を容易に取り出すことができるものである。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、光ファイバケーブルを引き裂き用ノッチで引き裂くことによりテープ状光ファイバ心線と外被との密着部分(埋め込み部分)による外被埋まりを防止して、容易にテープ状光ファイバ心線を取り出すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブルの第1の実施の形態を説明するためのもので、図1(A)は断面図、図1(B),(C)は心線の取り出し方法の説明図である。
【図2】光ファイバケーブルを自己支持型とした実施の形態の一例の断面図である。
【図3】引き裂き用ノッチの位置と数について考察した結果の説明図である。
【図4】テープ状光ファイバ心線と引き裂き用ノッチの位置関係の説明図である。
【図5】本発明の光ファイバケーブルにおけるテープ状光ファイバ心線の集合体の具体例を説明するための断面図である。
【図6】1対の引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの一例の断面図である。
【図7】テープ状光ファイバ心線を外被に収納した光ファイバケーブルの一例の断面図である。
【図8】図7の光ファイバケーブルにおける心線の取り出し例の説明図である。
【図9】テープ状光ファイバ心線4の中央と引き裂き用ノッチの中心軸のずれの説明図である。
【図10】引き裂き用ノッチを設けた光ファイバケーブルの他の一例である。
【符号の説明】
1…外被、2…抗張力体、3,3a,3b,3c…引き裂き用ノッチ、4…テープ状光ファイバ心線、5…支持線、6…支持線の被覆、7…首部、11…光ファイバ心線、12…光コード。
Claims (5)
- 1枚のテープ状光ファイバ心線、または、幅広の面が積層面として複数枚が積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体、または、側部を接して並べられた複数枚のテープ状光ファイバ心線が1段または複数段に積層されたテープ状光ファイバ心線の集合体が外被に収納されている光ファイバケーブルにおいて、前記外被には、対向して形成された1対の引き裂き用ノッチが2箇所以上に設けられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
- 前記引き裂き用ノッチの中心が、外側から最も近いテープ状光ファイバ心線の端と当該端から2心目の光ファイバの中心との間に存在することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
- 複数枚を積層させたテープ状光ファイバ心線の集合体は、各テープ状光ファイバ心線同士のずれが、250μm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
- 前記外被内に抗張力線または抗収縮線が埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
- 前記外被に平行して支持線が設けられ、該支持線の被覆が前記外被と一体的に、かつ、首部を介して連結されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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-
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- 2002-09-26 JP JP2002281256A patent/JP2004117854A/ja active Pending
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