JP2004117762A - 光透過性基板製造方法、光透過性基板、タッチパネル及びプラズマ表示装置 - Google Patents

光透過性基板製造方法、光透過性基板、タッチパネル及びプラズマ表示装置 Download PDF

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Kazunori Miyamoto
宮本 和徳
Naoki Taruno
樽野 直樹
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Abstract

【課題】製造過程での廃液の発生による環境汚染を抑えながら、オンデマンド型の生産要求に柔軟に対応し、且つレーザー加工に伴って黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができる透明基板を提供する。
【解決手段】次のようにして透明基板を製造した。即ち、ガラス等からなる支持板101に対し、透明性の材料からなる層を真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の手法によって複数積層せしめる(図1(b)の中間層102や導電層103)。そして、少なくとも最上層(図示の例では導電層103)をレーザー光Lの照射によって部分的に除去して層パターンを形成する(図1c))。次に、層パターンが形成された基板前駆体100’を溶解液200に所定時間だけ浸した(図1(e))。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光透過性基板製造方法及び光透過性基板、並びに、この光透過性基板を用いるタッチパネル及びプラズマ表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タッチパネルやプラズマディスプレイパネルに用いられる光透過性基板たる透明基板は、次のような方法によって製造されるのが一般的であった。即ち、ガラスや透明樹脂等からなる透明支持板上にITO(インジウム酸化スズ)等からなる透明導電層を形成した後、これをフォトリソグラフィー法によって部分的に除去して透明導電層パターンを形成するのである。しかしながら、かかる方法では、フォトレジストの現像液やエッチング液が廃液となって発生するので、環境保護の観点から好ましくない。また、フォトリソグラフィー法において透明導電層パターンの仕様に応じて異なった遮光パターンの遮光マスクを用いる必要があるため、多品種少量受注というオンデマンド型の生産要求に十分に対応することができなかった。
【0003】
そこで、本発明者は、特開平11−320141号公報において、レーザー光(例えばYAGレーザー光)の照射によって透明支持板上の層を部分的に除去して層パターンを形成する層加工装置を提案した。この層加工装置によれば、フォトリソグラフィー法によらずに透明電極層パターンなどの層パターンを形成することが可能なので、現像液やエッチング液などによる環境汚染を抑えることができる。また、透明基板に対するレーザー光走査を制御するための電子データを書き換えるだけで様々な仕様の層パターンを形成することができる。よって、オンデマンド型の生産要求にも柔軟に対応することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この層加工装置によって透明支持板上の層を部分的に除去すると、その除去部分に黄色みを帯びさせる場合があることがわかった。この黄色みは、ITO(インジウム酸化スズ)などからなる透明導電層を部分的に除去する場合に限らず、透明支持板上に形成した透明層であれば、そのレーザー加工に伴って発生することになる。透明基板に部分的なこのような黄色みを帯びさせてしまうと、その商品価値を著しく低下させてしまうことになる。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような光透過性基板製造方法、光透過性基板、タッチパネル及びプラズマ表示装置を提供することである。即ち、製造過程での廃液の発生による環境汚染を抑えながら、オンデマンド型の生産要求に柔軟に対応し、且つ光透過性基板に黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができる光透過性基板等である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の黄色みの部分を電子顕微鏡によって観察したところ、透明支持板の上に積層されたアルカリ成分滲出防止層や最上部の透明導電層が部分的に残り、透明支持板の表面から盛り上がっていることを確認した。アルカリ成分滲出防止層や透明導電層がレーザー光の照射によって透明支持板の表面から剥がれたものの、完全に除去されないでその表面から盛り上がった形状で残ることにより、光を散乱させて黄色みとして視認させていたのである。この盛り上がりの部分は、レーザー光が照射されずに透明支持板上にしっかりと固着しているパターン内のアルカリ成分滲出防止層や透明導電層に比べてもろくなっていると考えられた。そこで、本発明者らは次のような実験を試みた。即ち、もろくなっていると考えられる盛り上がりの部分を溶媒中に溶解して除去すべく、透明基板を酸性溶液中に所定時間だけ浸してみたのである。すると、パターン内のアルカリ成分滲出防止層や透明導電層を殆ど損傷させることなく、盛り上がりの部分を除去して、それによる黄色みをほぼ解消することができた。
【0007】
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光透過性を発揮する支持板の上に、光透過性を発揮する材料からなる層を形成する層形成工程と、レーザー光の照射によって該層を部分的に除去して層パターンを形成する層パターン形成工程とを実施して、該支持板と該層パターンとを有する光透過性基板を製造する光透過性基板製造方法において、上記層を溶解し得る溶解液を用意し、上記レーザー光が照射されたにもかかわらず、上記層が除去されずに部分的に残ってしまったことによって形成された残存層を除去し、且つ上記層パターンを残し得る時間だけ、上記層パターンが形成された上記光透過性基板を該溶解液に浸す浸漬工程を実施することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、光透過性を発揮する支持板と、光透過性を発揮する材料によって該支持板の上に形成された層パターンとを有する光透過性基板であって、請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、光透過性を発揮する支持板と、光透過性を発揮する材料によって該支持板の上に形成された層パターンとを有する2枚の光透過性基板が互いの面を向かい合わせるように対向配設され、操作者の押圧操作による互いの層パターンの接触に基づいて押下箇所を特定させるためのタッチパネルであって、これら2枚の光透過性基板が、それぞれ請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、支持板と、これの上に形成された層パターンとを有する2枚の基板を備え、両基板の対向部に配設された障壁によって区切られた複数の放電空間を両基板間に生じせしめた放電によって発光させて画像を表示するプラズマ表示装置であって、これら2枚の基板のうち、少なくとも一方が光透過性基板であり、請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
【0008】
これらの発明においては、光透過性基板の支持板上に層パターンを形成するための層の部分的な除去処理がレーザー加工によって行われる。このことにより、層の部分的な除去のための現像液やエッチング液などが不要になるため、廃液による環境汚染が抑えられる。また、光透過性基板に対するレーザー光走査を制御するための電子データの書き換えによって層パターンの仕様が容易に変えられるため、オンデマンド型の生産要求に柔軟に対応することができる。更に、これらの発明においては、層パターン形成後の光透過性基板が溶解液に所定時間浸されることで、レーザー加工に伴って支持板の表面から除去されずに該表面上で盛り上がってしまった層部分(導電層部分など)が取り除かれる。このことにより、レーザー加工に伴って生ずる光透過性基板の黄色みが抑えられる。よって、この黄色みによる商品価値の低下を抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を適用した光透過性基板製造方法として、液晶表示装置、タッチパネル、プラズマ表示装置などに用いられる透明基板を製造する透明基板製造方法の一実施形態について説明する。
図1(a)〜図1(d)は、それぞれ本透明基板製造方法で実施される各工程を説明するための説明図である。本透明基板製造方法では、まず、絶縁性及び光透過性を発揮する支持板101が用意される(図1(a))。そして、この支持板101に対し、光透過性を発揮する材料からなる層を真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の手法によって複数積層せしめる積層工程が施される(図1(b))。図1(b)では、支持板101に対して、絶縁性且つ光透過性を発揮する材料からなる中間層102と、導電性且つ光透過性を発揮する材料からなる導電層103とが順次積層された例を示している。中間層102は、基板全体の光反射や、ニュートンリングを抑える役割を担っており、絶縁性及び光透過性を発揮するSi系の透明樹脂などからなる。また、導電層103の材料には、導電性及び光透過性を発揮するITO(インジウム酸化スズ)やネサ膜(酸化スズ)などが用いられる。
【0010】
上記積層工程の後には、それによって得られた基板前駆体100’の少なくとも最上層(図示の例では導電層103)をレーザー光Lの照射によって部分的に除去して層パターンを形成する層パターン形成工程が実施される(図1c))。これにより、支持板101上に層パターンが形成される(図1(d):図示の場合には導電層103からなる導電層パターン)。そして、層パターンが形成された基板前駆体100’を溶解液200に所定時間だけ浸す浸漬工程が実施されて光透過性基板たる透明基板100が得られる(図1(e))。なお、必要に応じて、この透明基板100に対して更なる工程(例えばスペーサ部材を形成するスペーサ形成工程)が施されて最終的な透明基板が得られる場合もある。
【0011】
以上の工程を実施する本透明基板製造方法では、エッチング処理を伴うフォトリソグラフィー法を用いることなく、基板前駆体100’に層パターンを形成することがことができる。このため、フォトレジストの現像液やエッチング液の廃液による環境汚染を抑えることができる。また、層パターンの仕様(形状)を変える場合でも、フォトグラフィーのための遮光マスクを新たに形成するといった手間を必要とせず、レーザー加工装置に記憶させているレーザー光走査用の電子データを書き換えるだけでよい。このため、新たな遮光マスクを形成することによって受注から出荷までのリードタイムを長くしてしまうといった事態を開始して、他品種少量生産というオンデマンドの生産要求に対しても十分に対応することができる。
【0012】
図2は、上記層パターン形成工程で用いられる層加工装置たるレーザー加工装置を示す概略構成図である。図において、Qスイッチ1aで制御されるYAGレーザー光源部1からは、波長λ=1064[nm]の近赤外光からなるYAGレーザー光(以下、単にレーザー光という)Lが出射される。そして、ステップインデックス型の光ファイバ2によって加工ヘッド3に導かれる。この加工ヘッド3は、複数のレンズから構成されたレンズ群3a、これらを収容するヘッドケース3b、レーザー出口3cなどを有している。
【0013】
上記加工ヘッド3に進入したレーザー光Lは、レンズ群3aによって集光せしめられながら、レーザー出口3cから上記基板前駆体100’に向けて出射される。そして、基板前駆体100’の図示しない最上層を加熱・蒸発させる。これにより、基板前駆体100’の最上層のレーザー照射部分がレーザースポットと同じ円形状に除去される。
【0014】
上記基板前駆体100’は、X−Yテーブル4の移動台4a上に固定されている。この移動台4aは駆動部4c内に配設されたリニアモータ4dで駆動されることで図中水平方向に2次元的に移動可能となっている。レーザー光Lの1照射あたりの時間は極めて短い。レーザー光Lの照射が停止されると、移動台4aがX−Y方向に高速移動して次のレーザー照射位置が決定される。このようにしてレーザー光Lの照射と、移動台4aの移動とが繰り返されると、上記最上層の円形状除去部分が複数連なった溝状の凹部が形成される。そして、残った最上層部分による層パターンが形成される。
【0015】
上記YAGレーザー光源部1、リニアモータ4dは、パーソナルコンピュータ5a、シーケンサ5b、同期連動型運転用の制御回路基板5c等からなる制御部5で制御される。制御部5は、例えばYAGレーザー光源部1の駆動部を制御し、これによってレーザー光Lの繰り返し周期を変更する。また、YAGレーザー光源部1からのレーザー光Lの出力に応じてリニアモータ4dを駆動制御して上記基板前駆体100’を移動させる。また、移動台4aの移動状態に応じてYAGレーザー光源部1からのレーザー光Lの出力を変化させる。また、次に説明する目的などのために、レーザー光Lの繰り返し周期を移動台4aの移動速度に応じてリアルタイムに変化させる。即ち、移動台4aの移動開始や移動終了の際における加減速時に、レーザー光Lのエネルギー密度を一定にして均一な加工形状を形成できるようにする目的などである。これらの制御が行われることにより、移動台4aの加速及び減速時に必要な助走距離が大幅に短縮される。そして、このことにより、従来のエッチング加工と同等もしくはそれ以上の加工速度(例えば1基板あたり35秒〜15秒程度)で層加工が可能となる。また、寸法精度の向上によって焦げ付きや未加工部分の発生が防止される。
【0016】
図3(a)から(c)は、それぞれ上記層パターン形成工程で層パターンが形成される過程の上記基板前駆体100’を示す平面図である。基板前駆体100’に対して初めのレーザー光の照射が行われると、その照射領域の少なくとも最上層部分が、レーザースポットと同じ円形状に除去される(図3(a))。次に、この円形除去部分Rに部分的に重ねるように、次のレーザー光の照射が行われ、2つの円形除去部分Rを部分的に重ね合わせたような形状の除去領域が形成される(図3(b))。更に、この除去領域に円形除去部分Rを部分的に重ね合わせるようなレーザー光の照射が順次行われて、導電層103の円形除去部分Rが複数連なった溝状のスリットSが形成される。図2に示したレーザー加工装置によるレーザー加工では、この溝状のスリットSに黄色みを帯びさせることがあった。
【0017】
図4は、電子顕微鏡による拡大観察によって認められたこの溝状のスリットSを示す模式図である。レーザー加工によって形成された溝状のスリットSには、互いに隣設する2つの円形除去部分Rの重なり部分において、先に形成された円形除去部分Rの外周に沿った鱗状の盛り上がり部分Bが形成される。この盛り上がり部分Bは、レーザー照射によって除去されず残ってしまった層部分(中間層102や導電層103)が上記支持板(101)表面から盛り上がることによって形成されていることがわかった。電子顕微鏡によるミクロ的な観察では、この盛り上がり部分Bが光照射によって白く輝いて見えたが、肉眼観察では、光の散乱によって黄色みとして視認されてしまう。そこで、上記浸漬工程において、レーザー加工後の上記基板前駆体(100’)を溶解液に所定時間浸すことで、この盛り上がり部分Bを溶解して取り除くのである。これにより、スリットSの黄色みをほぼ解消することができた。よって、レーザー加工に伴って透明基板100に黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができる。
【0018】
上記浸漬工程で用いられる溶解液は、上記支持板(101)上に形成された各層(図示の例では中間層102と導電層103)を溶解し得るものであればよい。特に酸性溶液、とりわけ塩酸溶液が良好な除去結果を示した。具体的には、0.2[mol/l]濃度の希塩酸溶液や、0.1[mol/l]濃度の希硫酸溶液などといった、希酸性溶液で良好な除去結果が得られた。また、99.7[重量%]濃度の酢酸溶液でも良好な除去結果が得られた。
【0019】
次に、この透明基板製造方法によって製造された透明基板を用いた製品の各実施例について説明する。
[実施例1]
図5は、本実施例1に係るタッチパネルの要部を示す断面図である。図5において、タッチパネルは、互いに対向するように配設された第1透明基板10と第2透明基板20とを備えている。第1透明基板10は、図中下側が裏面側になっている。これに対し、第2透明基板20は、図中上側が裏面側になっている。
【0020】
図6は、上記第1透明基板10や第2透明基板20の層構造を説明するための断面図である。第1透明基板10、第2透明基板20は、それぞれ多層構造となっており、各層は何れも透明性の材料から構成されている。具体的には、支持板11,21のおもて面(図中下側面)に、ハードコート層14,24が積層されている。また、支持板11,21の裏面に、中間層12,22、導電層13,23が順次積層されている。この中間層12,22は、更に、おもて面側から裏面側に向けて、ハードコート層12a,22a、固着層12b,22b、第2アルカリ成分滲出防止層12c,22c、第1アルカリ成分滲出防止層12d,22dに分かれている。各層の材質や厚みは、次の表1に示す通りである。
【表1】
Figure 2004117762
【0021】
先に示した図5において、第2透明基板20の導電層23上には、所定の高さ(例えば9〜12μm)のスペーサ部材25が複数立設されている。第1透明基板10と第2透明基板20とは、互いの導電層形成面の間にこのスペーサ部材25を挟み込んでいる。タッチパネルの任意の位置が第1透明基板10のおもて面側から押圧されると、第1透明基板10の押圧部分が図中2点鎖線で示されるように第2透明基板20に向けて変形し、両透明基板の導電層同士が接触する。この接触による導通に基づいて、タッチパネルの面方向における押圧箇所が特定される。
【0022】
図7(a)、図7(b)は、このタッチパネルを模式的に示す分解斜視図、平面図である。図示のように、第1透明基板10には、図示しない導電層(13)の部分的な除去による直線状のスリットS1が、図中Y方向に複数並ぶように形成されている。また、第2透明基板20には、図示しない導電層(23)の部分的な除去による直線状のスリットS2が、図中Y方向に直交するX方向に複数並ぶように形成されている。これらスリットS1、S2の形成されていない導電層部分が第1透明基板10、第2透明基板20の導電層パターンである。
【0023】
上記スリットS1,S2は、図2に示したレーザー加工装置によるレーザー加工によって形成されたものである。また、第1透明基板10、第2透明基板20は、何れも実施形態に係る透明基板製造方法によって製造されたものであり、スリットS1,S2の形成後に、それぞれ上述の溶解液に浸される浸漬工程が施されている。かかる構成のタッチパネルによれば、第1透明基板10や第2透明基板20に対して、その導電層パターンを形成するためのレーザー加工に伴って黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができる。
【0024】
なお、第1透明基板10の導電層13や、第2透明基板20の導電層23は、先に図1(e)に示した透明基板100の導電層103に相当する。また、第1基板10の中間層12や、第2透明基板20の中間層22は、図1(e)に示した透明基板100の中間層102に相当する。また、本実施例1に係るタッチパネルとして、デジタル方式とアナログ方式との併用によるハイブリット方式のものを説明したが、デジタル方式やアナログ方式のタッチパネルでも本発明の適用が可能である。
【0025】
[実施例2]
図8は、本実施例2に係るプラズマ表示装置たるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の要部構成を示す破断斜視図である。図8においてPDPは、互いに対向配設された透明前面基板30と背面基板40とを備えている。透明前面基板30は、図中下側が裏面側となる。これに対し、背面基板40は、図中上側が裏面側となる。
【0026】
上記背面基板40は、ガラスなどからなる支持板41の裏面に、Siなどからなる固着層42が被覆されている。更に、この固着層42上には、基板面方向のうち、図中Y方向に延びる短冊状のアドレス電極43がY方向に直交するX方向に複数並ぶように形成されている。また、各アドレス電極43の間の固着層42部分からは、同じく図中Y方向に延びる障壁44が突設せしめられている。この障壁44は、その横断面形状が図示のような台形状になっており、その側面が背面基板40側から透明前面基板30側に向けて斜めに立ち上がるテーパー状となっている。互いに隣り合う2つの障壁44間には、それぞれ放電空間が形成されており、この放電空間を囲むように各アドレス電極43の表面や、各障壁44の側面に蛍光層が被覆されている。この蛍光層には、赤蛍光層5Rと、緑蛍光層5Gと、青蛍光層5Bとの3種類が存在し、図中左側から右側に向けて赤蛍光層5R、緑蛍光層5G、青蛍光層5Bという順で繰り返し形成されている。赤蛍光層5Rは、例えばBO:Eu3+等の赤蛍光材料から構成されている。また、緑蛍光層5Gは、例えばBaAl1219:Mn等の緑蛍光材料から構成されている。また、青蛍光層5Bは、BaMgAl1423:Eu2+等の青蛍光体材料から構成されている。
【0027】
上記透明前面基板30は、絶縁性及び光透過性を発揮するガラスなどからなる支持体31の裏面上に、図中X方向に延びる面放電用電極32がY方向に複数並ぶように形成されている。各面放電用電極32の表面や、それらの間の支持体31部分には、低融点ガラスからなる誘電体層33が積層され、更にこの上にはMgO等からなる保護層34が積層されている。各面放電用電極32のうち、互いに隣り合う1組の電極対が、放電制御電極部35として機能する。上述の放電空間のうち、この放電制御電極部35に対向する領域が1画素分の画素領域に相当する。各面放電用電極32は、導電性及び光透過性を発揮するITOやネサ膜等からなる透明導電部32aと、この透明導電部32aの電気抵抗値を下げるためのCr/Cu/Crの三層被膜や銀等からなるバス部32bとを有している。
【0028】
各画素領域では、そこに対応する上記アドレス電極43にアドレス電圧パルスが印加され、同時にそこに対応する放電制御電極部35の一方の面放電用電極32に走査電圧パルスが印加されることによってアドレス放電が生ずる。このアドレス放電によって画素領域に壁電荷が蓄積された後、放電制御電極部35の各面放電用電極32に維持電圧パルスが印加されると、両電極間に維持放電が生ずる。この維持放電により、画素領域には紫外光が生ずる。この紫外光はその画素領域を囲む蛍光層の蛍光材料を励起して赤、緑あるいは青の可視光を発生させる。PDPは、これらの可視光の組合せによってカラー画像を表示する。
【0029】
本PDPでは、上述のように障壁44を台形の横断面状に形成している。そして、各アドレス電極43上だけでなく、障壁44の斜めに立ち上がる側面にも蛍光層を形成することで、障壁44の側面を略垂直に立ち上がらせる場合に比べ、蛍光層からの可視光を透明前面基板30に対してより多く透過させることができる。そして、このことにより、PDPの輝度を向上させることができる。
【0030】
光透過性基板たる透明前面基板30の各面放電用電極32は、支持体31の裏面に一体形成された1つの導電層(図示せず)が、図2に示したレーザー加工装置によるレーザー加工によって部分的に除去されて形成されたものである。レーザー加工によって形成された導電層パターンが、各面放電用電極32による電極パターンになっているのである。また、透明前面基板30は、実施形態に係る透明基板製造方法によって製造されたものであり、レーザー加工による電極パターンの形成の後に、上述の溶解液に浸される浸漬工程が施されている。かかる透明前面基板30を備える本PDPによれば、光透過性基板たる透明前面基板30に対し、その製造過程のレーザー加工に伴って黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができる。
【0031】
なお、本実施例2に係るPDPの透明前面基板30においては、支持体31と、導電層たる面放電用電極32との間に中間層を設けていないが、中間層を設けてもよい。
【0032】
【発明の効果】
請求項1、2、3又は4の発明によれば、製造過程での廃液の発生による環境汚染を抑えながら、オンデマンド型の生産要求に柔軟に対応し、且つレーザー加工に伴って光透過性基板に黄色みを帯びさせることによる商品価値の低下を抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、それぞれ実施形態に係る透明基板製造方法で実施される各工程を説明するための説明図。
【図2】同透明基板製造方法の層パターン形成工程で用いられるレーザー加工装置を示す概略構成図。
【図3】(a)から(c)は、それぞれ層パターンが形成される過程の基板前駆体を示す平面図。
【図4】電子顕微鏡による同基板前駆体の拡大観察によって認められた溝状のスリットを示す模式図。
【図5】実施例1に係るタッチパネルの要部を示す断面図。
【図6】同タッチパネルの第1透明基板や第2透明基板の層構造を説明するための断面図。
【図7】(a)は、同タッチパネルを模式的に示す分解斜視図。
(b)は、同タッチパネルを模式的に示す平面図。
【図8】実施例2に係るPDPの要部構成を示す破断斜視図。
【符号の説明】
10     第1透明基板(光透過性基板)
11     支持板
12     中間層(光透過性を発揮する材料からなる層)
13     導電層(光透過性を発揮する材料からなる層)
20     第2透明基板(光透過性基板)
21     支持板
22     中間層(光透過性を発揮する材料からなる層)
23     導電層(光透過性を発揮する材料からなる層)
30     透明前面基板(光透過性基板)
31     支持板
32     面放電用電極32(層パターン)
40     背面基板(基板)
44     障壁
100’   基板前駆体
100    透明基板(光透過性基板)
101    支持板
102    中間層(光透過性を発揮する材料からなる層)
103    導電層(光透過性を発揮する材料からなる層)
R      円形除去部分
S      スリット

Claims (4)

  1. 光透過性を発揮する支持板の上に、光透過性を発揮する材料からなる層を形成する層形成工程と、レーザー光の照射によって該層を部分的に除去して層パターンを形成する層パターン形成工程とを実施して、該支持板と該層パターンとを有する光透過性基板を製造する光透過性基板製造方法において、
    上記層を溶解し得る溶解液を用意し、上記レーザー光が照射されたにもかかわらず、上記層が除去されずに部分的に残ってしまったことによって形成された残存層を除去し、且つ上記層パターンを残し得る時間だけ、上記層パターンが形成された上記光透過性基板を該溶解液に浸す浸漬工程を実施することを特徴とする光透過性基板製造方法。
  2. 光透過性を発揮する支持板と、光透過性を発揮する材料によって該支持板の上に形成された層パターンとを有する光透過性基板であって、
    請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とする光透過性基板。
  3. 光透過性を発揮する支持板と、光透過性を発揮する材料によって該支持板の上に形成された層パターンとを有する2枚の光透過性基板が互いの面を向かい合わせるように対向配設され、操作者の押圧操作による互いの層パターンの接触に基づいて押下箇所を特定させるためのタッチパネルであって、
    これら2枚の光透過性基板が、それぞれ請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とするタッチパネル。
  4. 支持板と、これの上に形成された層パターンとを有する2枚の基板を備え、両基板の対向部に配設された障壁によって区切られた複数の放電空間を両基板間に生じせしめた放電によって発光させて画像を表示するプラズマ表示装置であって、
    これら2枚の基板のうち、少なくとも一方が光透過性基板であり、請求項1の光透過性基板製造方法によって製造されたことを特徴とするプラズマ表示装置。
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JP2014002322A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 光学素子及び導電性光学素子

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