JP2004071421A - プラズマ表示装置 - Google Patents

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Hiroshi Mori
森 啓
Ichiro Uchiumi
内海 一郎
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Abstract

【課題】放電電極の光透過性を維持しつつ、各画素部に配置された放電電極部分における放電時の実効的な電圧降下を防止することが可能なプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】基板上に設けられた複数条の隔壁9と、隔壁9間の放電空間aを保った状態で隔壁9の上方において隔壁9と直交する方向に延設された一対の放電電極101a,101bと、これらの放電電極のそれぞれに接続させて設けられたバス電極103とを具備してなり、バス電極103が、放電電極101a,101bと放電空間aとの交差部に構成される画素11の周囲となる位置に放電電極101a,101bに沿って配置される本体部103aと、放電電極101a,101b間の放電ギャップd側に延びる延設部103bとを備えている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ表示装置に関し、特には放電電極に接続するバス電極を有するプラズマ表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面で奥行きが短く省スペース性に優れたディスプレイとしてプラズマ表示装置が製品化され急速に普及しつつある。プラズマ表示装置の表示用デバイスとして使用されるプラズマディスプレイパネル(以下PDPと記載する。)は大別して直流型(DC型)と交流型(AC型)に分けられるが、現在は寿命に優れる交流型(AC型)が主流になっている。
【0003】
図6には、AC型PDPの基本的な構成の一例を示す。この図に示すPDPは、ガラス基板からなる第1基板1と第2基板2とを対向配置してなる。そして、図7の断面図(第1基板1側の断面図)を参照し、第1基板1の一主面上には、一定の放電ギャップd(例えば100μm)を設けて平行に配置された一対の放電電極3a,3b、これらの放電電極3a,3bの抵抗値を下げるためのバス電極4、これらを被覆する誘電体層5および保護膜層6がこの順で積層形成されている。一方、第2基板2の一主面上には、放電電極3a,3bと直交する方向に並列配置されたアドレス電極7、これを被覆する誘電体層8、アドレス電極7間に設けられた隔壁9、および隔壁9間の内壁面上に塗布された各色の(赤、青、緑)の蛍光体層10がこの順に積層形成されている。
【0004】
このような第1基板1と第2基板2とは、上述した各層が形成された一主面側を対向させる状態で配置され、外周部をガラスペーストによって貼り合わされ密閉容器を形成している。そして、容器内部における各隔壁9間に形成される放電空間aには、例えばNeに対して5%のXeを混合させた混合ガスが65kPa程度のガス圧力で満たされる。
【0005】
このような構成のPDPを備えたプラズマ表示装置においては、一対の放電電極3a,3bと放電空間aとが交差する各部分に対応して画素11が配置されることになり、フルカラー表示のPDPにおいては、隣接して配置される赤、青、緑の各画素11のそれぞれをサブピクセルとし、これらを1組として1つの表示画素(ピクセル)が構成されることになる。そして、第1基板1に形成された一対の放電電極3a,3bに電圧をかけて放電空間a内のガス中で放電させ、この放電によって発生する真空紫外線光で蛍光体層10を励起して可視光を得る。この際、アドレス電極7によって、光らせる画素11と光らせない画素11とをコントロールすることで所望の画像を得ることができる。
【0006】
ところで、このような構成のプラズマ表示装置においては、上述のようにして放電空間a内で得られた可視光が、第1基板1側から表示光hとして取り出されて発光表示が行われる。しかし、放電空間aの第1基板1側には放電電極3a,3bが配置されており、図8に示すように、これらの放電電極3a,3bは、一定幅Wの帯状を有して隔壁9に対して交差するように配置され、放電空間a上の広い範囲を覆うように設けられる。したがって、各画素11の放電空間aで生じた発光光のほとんどは、これらの放電電極3a,3bを通過して第1基板1側から表示光h(図7参照)として取り出されることになる。そこで、表示光hの取り出し効率を高めるべく、放電電極3a,3bには光透過性の高い材料、いわゆる透明導電膜が用いられることになる。しかし、このような材料は抵抗が高く電圧降下を起し易い。このため、各放電電極3a,3bに接続させて、画素11の周縁側の位置に抵抗値の低い銀や銅などの金属材料からなるバス電極4を設け、これによってPDPの中心部に位置する放電電極3a,3b部分にも、放電のための充分な電圧が印加されるようにしている。
【0007】
また、図9に示すように、放電電極3a’,3b’間の駆動時の容量を低下させたり、表示光hの取り出し効率の向上を図るため、隔壁9間に矩形形状の放電電極3a’,3b’を配置し、隔壁9と交差する方向に配列されたこれらの放電電極3a’,3b’をそれぞれバス電極4によって接続した構成もある。これらの放電電極3a’,3b’は、バス電極4と重なる位置において繋げて形成されている場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電電極を形成する材料の表面抵抗値は、バス電極があるので高くても良いかというと、そのようなことはなく、放電電極の表面抵抗値が高いと、放電時に放電電流による実効的な電圧降下を引き起こすので、出来るだけ表面抵抗値が低いことが望ましい。実際には放電時の電圧低下を引き起こさないためには、放電電極の表面抵抗値は最大でも100Ω/□以下、出来れば30Ω/□以下が望ましい。
【0009】
表面抵抗値Rs(Ω/□)は、放電電極を構成する透明導電膜の材質の比抵抗Rv(Ω・cm)及び膜厚t(cm)と下記式(1)のような関係を持つ。
Rs=Rv/t…(1)
故に、放電電極の表面抵抗Rsを下げるためには、比抵抗Rvが出来るだけ小さい材質を使うことと膜厚を出来るだけ大きくすることが有効である。しかしながら放電電極の膜厚を大きくすることは、膜の光透過率を低下させ表示光の取り出し効率を低下させること、膜の成膜やパターニングに時間がかかりコストを押し上げること等があり望ましい方向ではない。したがって、膜の材質として比抵抗が出来るだけ小さいものを選択するのが非常に重要となる。
【0010】
そのような条件を満たすような透明導電膜の材料として通常、ITO(Indeum−Tin−Oxide)膜が用いられる事が多い。これは酸化インジウム(In2O3)に5〜10wt%程度の酸化錫(SnO2)を添加したものであり、成膜方法としてはマグネトロン直流スパッタ法が用いられることが多い。ITO膜の比抵抗は成膜条件によって大きく異なるが、最適条件にすると1×10−4Ωcm程度の膜が得られる。
【0011】
ここで、PDPの放電電極に求められる表面抵抗は100Ω/□以下であるのでITO膜の膜厚は最適条件下では0.01μm以上あれば良いと言うことになるが、実際には必ずしもITO膜の成膜条件が理想的でないこと、また、放電電圧を少しでも下げたいことというような理由で0.1−0.15μm程度の膜厚にすることが多い。他の透明導電膜材料では現在、ITO膜に匹敵するほど比抵抗が低いものは見いだされていない。また、ITO膜はエッチングによって容易にパターニングする事が出来、放電電極材料としての要件を揃えている。
【0012】
このように、性能、利便性に優れているために、近年、ITO膜はプラズマ表示装置の放電電極のみならず、LCD(液晶表示装置)の電極やタッチパネル、無反射膜などの材料として各方面で大量に使用されている。そのような状況においてITO膜の主要原料であるインジウムも当然、大量に使用されており、資源の枯渇、価格の高騰の懸念が非常に高まっており、ITO膜の代替材料が強く求められている。
【0013】
そこで本発明は、放電電極の光透過性を維持しつつ、各画素部に配置された放電電極部分における放電時の実効的な電圧降下を防止することが可能なプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するための本発明のプラズマ表示装置は、基板上に設けられた複数条の隔壁と、これらの隔壁間に形成される放電空間を保った状態でこれらの隔壁と直交する方向に延設された一対の放電電極と、一対の放電電極のそれぞれに接続させて設けられたバス電極とを具備しており、特に、バス電極が、一対の放電電極と放電空間との交差部に構成される画素の周囲となる位置に各放電電極に沿って配置されると共に、放電空間上の放電ギャップ側に延びる延設部を備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成のプラズマ表示装置によれば、バス電極が、放電空間上の放電ギャップ側に延びた延設部を備えているため、放電時の放電電流がこの延設部から逃がされる。したがって、放電時の放電電流による放電電極の電圧降下が防止され、実行的な放電電圧が維持される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラズマ表示装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
次の各実施形態で説明するプラズマ表示装置と、図6〜図9を用いて説明した従来のプラズマ表示装置との異なるところは、放電電極およびバス電極の構成であり、他の部分の構成は同様であることとする。すなわち、各実施形態のプラズマ表示装置は、図6を用いて説明した構成のPDPを有するプラズマ表示装置において、その放電電極とバス電極の構成を変更したものである。このため、各実施形態においては、それぞれの実施形態に特徴的な構成を示す各平面図に基づき、また先の図6を参照しつつ、放電電極とバス電極の構成を中心に本発明の説明を行う。尚、各実施形態を示す平面図において、従来と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態のプラズマ表示装置の特徴的な構成部分を示す平面図であり、図6に示す第1基板1側から、放電電極101a,101b、バス電極103、および隔壁9の積層状態を見た平面図である。尚、図1においては、第1基板1、誘電膜5、保護膜6、および蛍光体10の図示を省略した(図6参照)。
【0019】
図6を参照した図1に示すように、第1基板1の一主面上に設けられる一対の放電電極101a,101bは、それぞれが一定幅Wの帯状を有して隔壁9と直交する方向(水平方向)に延設配置されている。これらの一対の放電電極101a,101b間には、所定の間隔の放電ギャップdが設定されている。これらの放電電極101a,101bは、例えば酸化スズのような、光透過率の高い材料で構成されていることとする。尚、図面においては、一対の放電電極101a,101bのみを図示したが、第1基板1上には、複数対の放電電極101a,101bが並列配置されていることとする。
【0020】
また、バス電極103は、第1基板1の一主面上に、放電電極101a,101bを介して形成されている。このバス電極103は、各放電電極101a,101bに沿って配置される帯状の本体部103aと、この本体部103aから延設された延設部103bとで構成される。
【0021】
このうち、本体部103aは、隔壁9間の放電空間aと、一対の放電電極101a,101bとの交差部に対応して形成される画素11の周囲となる位置、すなわち一対の放電電極101a,101bの両側に、放電電極101a,101bに少なくとも一部分を重ねた状態で設けられることになる。
【0022】
また、この本体部103aから延設された延設部103bは、放電空間a上に位置する放電ギャップd側に向かって延設される。この延設部103bは、各放電空間aに対応する画素11毎に設けられ、放電空間a上を通って放電ギャップd付近にまで延設されていることとする。
【0023】
このような構成のバス電極103は、銀や銅などの導電性の高い材料を用いて構成されていることとする。このような材料は、光透過率が低いため、放電空間aで生じた発光光の第1基板1側からの取り出し効率を妨げることのないような大きさで形成されると共に、できるだけ放電部101aに近い位置にまで延設部103bの先端が延設されていることが好ましい。ただし、延設部103bの先端は、放電電極101a,101bから露出しないように配置されることとする。
【0024】
尚、上述した放電電極101a,101bが酸化スズからなる場合には、当該放電電極101は、例えばリフトオフ法によって形成される。図2には、このようなリフトオフ法による放電電極101a,101bの形成手順を示す。この場合、先ず図2(1)に示すように、第1基板1の一主面上にレジスト膜201を形成し、このレジスト膜201に対して露光光eを照射したパターン露光を行う。次に、現像処理を行うことで図2(2)に示すようなレジストパターン201aを得る。このレジストパターン201aは、放電電極の形成部を開口するパターンとて形成されることとする。その後、図2(3)に示すように、レジストパターン201a上を含む第1基板1上に酸化スズ膜203を成膜する。この際、480℃程度に加熱した第1基板1に対して、ジブチルティンジアセテート(DBTDA)を少量ずつスプレーし、所定膜厚(例えば0.8μm)の酸化スズ膜203を得る。尚、このような方法で形成した膜厚0.8μmの酸化スズ膜には、可視光領域である波長範囲400nm〜800nmの光に対して82%の高い透過率が得られる。また、この酸化スズ膜203の表面抵抗値は、1kΩ/□となる。
【0025】
以上の後、第1基板1上のレジストパターン201aを除去すると共に、この上部の酸化スズ膜203をリフトオフ除去し、第1基板1上のみに酸化スズ膜203を残す。これにより、図2(4)に示すように、酸化スズ膜203をパターニングしてなる放電電極101a,101bが得られる。
【0026】
尚、以上のようにして第1基板1上に放電電極101a,101bを形成した後に、図1に示したように、放電電極101a,101b上に重ねて第1基板1(図6参照)上に基板バス電極103を形成する。このバス電極103の形成は、先ず金属材料膜を成膜し、この金属材料膜上にレジストパターンを形成し、次のこのレジストパターンをマスクにして金属材料膜をパターンエッチングすることによって行われる。その後は、従来と同様の製造手順によってプラズマ表示装置を完成させる。
【0027】
以上、図1を用いて説明したこのような構成の放電電極101a,101bおよびバス電極103を備えたプラズマ表示装置では、バス電極103が、放電空間a上の放電ギャップd側に延びた延設部103bを備えている。このため、放電空間a上においては、放電開始直後の放電電流がこの延設部103bから逃がされる。したがって、放電電極101a,101bの膜厚を厚膜化して表面抵抗を下げることなく、放電時の放電電流による放電電極101a,101bの電圧降下が防止され、放電空間a上における実行的な放電電圧を維持することができる。この結果、放電電極101a,101bを薄膜化して、これらの放電電極101a,101bの光透過性の向上を図り、表示光の取り出し効率を確保することができる。また、駆動電圧の低下も可能となる。
【0028】
またこれにより、上述した酸化スズのように、比抵抗が高めの材料を放電電極101a,101bとして用いた場合であっても、表示光の取り出し効率を確保して輝度を維持したプラズマ表示装置を得ることが可能になる。
【0029】
<第2実施形態>
図3は、第1実施形態の変形例として、本発明の第2実施形態のプラズマ表示装置の特徴的な構成部分を示す平面図であり、図6に示す第1基板1側から、放電電極102a,102b、バス電極103、および隔壁9の積層状態を見た平面図である。尚、図3においては、第1基板1、誘電膜5、保護膜6、および蛍光体10の図示を省略した(図6参照)。
【0030】
本第2実施形態と、図1を用いて説明した第1実施形態との異なるところは、放電電極102a,102bの構成にあり、バス電極103の構成は同様であることとする。
【0031】
すなわち、この図に示すように、各放電電極102a,102bは、放電空間a毎に矩形形状にパターニングされている。そして、複数の放電電極102aが隔壁9の延設方向と直交する方向に配列されており、同様に複数の放電電極102bが隔壁9の延設方向と直交する方向に配列されている。また、同一の放電空間aに配置される一対の放電電極102a,102b間には、所定の間隔の放電ギャップdが設定されている。これらの放電電極102a,102bは、第1実施形態と同様に、例えば酸化スズのような、光透過率の高い材料で構成されていることとする。
【0032】
そして、第1実施形態において説明したと同様の構成のバス電極103が、第1基板1上に、放電電極102a,102bを介して形成されている。このバス電極103は、その本体部103aによって、隔壁9の延設方向と直交する方向に配列された複数の放電電極102aまたは各放電電極102bを接続するように設けられており、これによって、隔壁9の上方において隔壁9と直交する方向に一対の放電電極102a,102bが延設された状態となっている。
【0033】
また、このバス電極103は、第1実施形態と同様に、本体部103aが画素11の周囲となる位置に配置され、延設部103bが各放電空間aにおいて放電空間a上を通って放電ギャップd付近にまで延設されている。
【0034】
このような構成の放電電極102a,102bおよびバス電極103を備えたプラズマ表示装置であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、放電電極102a,102bが各画素11に対応してパターニングされているため、第1実施形態の構成と比較して、放電電極102a,102b間に生じる駆動時の容量を低減することができる。
【0035】
尚、上述した第2実施形態においては、放電電極102a,102bが画素11毎にパターニングされた矩形形状である場合を説明したが、これらの放電電極102a,102bは、バス電極103の本体部103aと重なる部分で繋げられた形状であっても良く、同様の効果を得ることができる。
【0036】
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態のプラズマ表示装置の特徴的な構成部分を示す平面図であり、図6に示す第1基板1側から、放電電極101a,101b、バス電極105、および隔壁9の積層状態を見た平面図である。尚、図4においては、第1基板1、誘電膜5、保護膜6、および蛍光体10の図示を省略した(図6参照)。
【0037】
図4に示す第3実施形態と、図1を用いて説明した第1実施形態との異なるところは、バス電極105の構成にあり、放電電極101a,101bの構成は同様であることとする。
【0038】
すなわち、このバス電極105は、第1基板1上に、放電電極101a,101bを介して形成されており、本体部105aとこの本体部105aから延設された延設部105bとで構成されている。
【0039】
このうち、本体部105aは、図1を用いて説明した第1実施形態のバス電極103の本体部103aと同様に、画素11の周囲となる位置に各放電電極101a,101bに沿って配置される。
【0040】
一方、延設部105bは、隔壁9上において放電ギャップd側に向かって延設され、さらに放電電極101a,101bの縁部上において放電ギャップdに沿って放電空間a上に延設されていることとする。
【0041】
そして、例えば図示したように、本体部105aと延設部105bとで囲まれた開口窓105cが構成されるように延設部105bが設けられていても良い。この場合、放電ギャップdに沿った延設部105b部分は、放電電極101a,101bから露出しないように配置されることが好ましい。ただし、放電ギャップdが一定に保たれれば、延設部105b部分が、放電電極101a,101bから均等に露出した状態で設けられても良い。
【0042】
このような構成のバス電極105を備えたプラズマ表示装置であっても、バス電極105が、放電空間a上の放電ギャップd側に延びた延設部105bを備えているため、第1実施形態のプラズマ表示装置と同様に、放電電極101a,101bを薄膜化して、これらの放電電極101a,101bの光透過性の向上を図り、表示光の取り出し効率を確保することができ、酸化スズのように比抵抗が高めの材料を放電電極101a,101bとして用いた場合であっても、表示光の取り出し効率を確保して輝度を維持することがきる。
【0043】
特に、本第3実施形態で説明した構成のバス電極105は、その延設部105bが、放電ギャップdに沿って配置されているため、第1実施形態のバス電極(103)と比較して、さらに放電電流を逃がす効果が高く、より確実に放電空間a上における実行的な放電電圧を維持することが可能になる。また、バス電極105の延設部105bは、隔壁9上を通って放電空間a上の放電ギャップd側にまで延設されているため、光透過性の低い金属材料からなる延設部105bでの遮光による光取り出し効率の低下を小さく抑えることも可能である。
【0044】
<第4実施形態>
図5は、第3実施形態の変形例として、本発明の第4実施形態のプラズマ表示装置の特徴的な構成部分を示す平面図であり、図6に示す第1基板1側から、放電電極102a,102b、バス電極105、および隔壁9の積層状態を見た平面図である。尚、図5においては、第1基板1、誘電膜5、保護膜6、および蛍光体10の図示を省略した(図6参照)。
【0045】
本第4実施形態と、先の図4を用いて説明した第3実施形態との異なるところは、放電電極102a,102bの構成にあり、バス電極105の構成は同様であることとする。すなわち、この図に示すように、第4実施形態においては、第2実施形態において図3を用いて説明したと同様の構成の放電電極102a,102bを用いている。
【0046】
そして、バス電極105は、その本体部105aによって、隔壁9の延設方向と直交する方向に配列された複数の放電電極102aまたは複数の放電電極102bを接続するように設けられており、これによって、隔壁9の上方において隔壁9と直交する方向に一対の放電電極102a,102bが延設された構成となっている。
【0047】
また、このバス電極105は、第3実施形態と同様に、本体部105aが画素11の周囲となる位置に配置される一方、延設部105bが各放電電極102a,102bの周縁に沿って放電ギャップd付近にまで延設され、さらに放電ギャップdに沿って放電電極102a,102bの周縁に延設されていることとする。そして、例えば図示したように、本体部105aと延設部105bとで囲まれた開口窓105cが構成されるように延設部105bが設けられていても良い。
【0048】
このような構成の放電電極102a,102bおよびバス電極105を備えたプラズマ表示装置であっても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、放電電極102a,102bが各画素11に対応してパターニングされているため、第3実施形態の構成と比較して、放電電極102a,102b間に生じる駆動時の容量を低減することができる。
【0049】
尚、以上の各実施形態においては、第1基板1の一主面上に、放電電極を介してバス電極が形成される構成を説明したが、放電電極とバス電極との積層順は、逆であっても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプラズマ表示装置によれば、放電電極に接続させたバス電極に、放電空間上の放電ギャップ側に延びる延設部を設けた構成としてことで、放電時の放電電流による放電電極の電圧降下を防止することが可能になるた。しがたって、放電電極を薄膜化して、これらの放電電極の光透過性の向上を図り、表示光の取り出し効率を確保することができる。この結果、例えば酸化スズのように、比抵抗が高めの材料を放電電極として用いた場合であっても、表示光の取り出し効率を確保して輝度を維持したプラズマ表示装置を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のプラズマ処理装置の特徴的な構成部を示す平面図である。
【図2】リフトオフ法による放電電極の形成を説明する断面工程図である。
【図3】第2実施形態のプラズマ処理装置の特徴的な構成部を示す平面図である。
【図4】第3実施形態のプラズマ処理装置の特徴的な構成部を示す平面図である。
【図5】第4実施形態のプラズマ処理装置の特徴的な構成部を示す平面図である。
【図6】プラズマ表示装置のパネル構成を説明するための構成図である。
【図7】プラズマ表示装置を構成する第1基板側の断面図である。
【図8】従来のプラズマ処理装置の特徴的な構成部の一例を示す平面図である。
【図9】従来のプラズマ処理装置の特徴的な構成部の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…第1基板、9…隔壁、11…画素、101a,101b,102a,102b…放電電極、103,105…バス電極、103a,103b…本体部(バス電極)、103b,105b…延設部(バス電極)、a…放電空間、d…放電ギャップ、h…表示光

Claims (4)

  1. 基板上に設けられた複数条の隔壁と、当該隔壁間の放電空間を保った状態で当該隔壁の上方において当該隔壁と直交する方向に延設された一対の放電電極と、当該一対の放電電極のそれぞれに接続させて設けられたバス電極とを具備し、前記一対の放電電極間を放電ギャップとした放電によって前記放電空間内で生じた表示光を当該放電電極側から取り出すプラズマ表示装置において、
    前記バス電極は、前記一対の放電電極と前記放電空間との交差部に構成される画素の周囲となる位置に当該各放電電極に沿って配置されると共に、前記放電空間上の放電ギャップ側に延びる延設部を備えている
    ことを特徴とするプラズマ表示装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ表示装置において、
    前記延設部は、前記隔壁上を通って前記放電空間上の放電ギャップ側に延設されている
    ことを特徴とするプラズマ表示装置。
  3. 請求項1記載のプラズマ表示装置において、
    前記放電電極は、前記放電空間毎に分離されたパターニング部分を有し、
    前記バス電極の延設部は、前記パターニング部分の周縁を囲むように配置されている
    ことを特徴とするプラズマ表示装置。
  4. 請求項1記載のプラズマ表示装置において、
    前記放電電極が酸化スズからなる
    ことを特徴とするプラズマ表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006185903A (ja) * 2004-11-30 2006-07-13 Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイ装置
KR100718996B1 (ko) * 2004-09-01 2007-05-16 엘지전자 주식회사 전극을 포함하는 플라즈마 디스플레이 패널
JP2008034363A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Cinos Engineering Co Ltd プラズマディスプレイパネルの前面基板

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