JP2000357453A - プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルとその製造方法

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JP2000357453A
JP2000357453A JP12290199A JP12290199A JP2000357453A JP 2000357453 A JP2000357453 A JP 2000357453A JP 12290199 A JP12290199 A JP 12290199A JP 12290199 A JP12290199 A JP 12290199A JP 2000357453 A JP2000357453 A JP 2000357453A
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laser
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JP12290199A
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Inventor
Hiroyoshi Tanaka
博由 田中
Masaki Aoki
正樹 青木
Junichi Hibino
純一 日比野
Yusuke Takada
祐助 高田
Nobuaki Nagao
宣明 長尾
Isamu Inoue
勇 井上
Shinya Fujiwara
伸也 藤原
Koji Funemi
浩司 船見
Toshiyuki Okada
敏幸 岡田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数対の表示電極等の作製工程にかかる時間
や工程数を短く合理化し、歩留まりよく作製することが
可能なPDPの製造方法と、当該製造方法より作製した
PDPを提供する。 【解決手段】 レーザ加工機100の第一レーザヘッド
1030と第二レーザヘッド1040の各レーザ光を並
行して透明導電膜50上に照射し、一対の透明電極22
1、231の間隙36(および対向する凸部の間隙3
5)と、隣接する二対の透明電極221、231の間隙
37を並行して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルと、その製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンなどに代表される高
品位で大画面の表示デバイスに対する期待が高まってお
り、CRT、液晶ディスプレイ(以下LCDと記載す
る)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display P
anel、以下PDPと記載する)といった各表示デバイス
についての研究開発がなされている。このような表示デ
バイスにはそれぞれ次のような特徴がある。
【0003】CRTは、解像度・画質の点で優れてお
り、従来からテレビなどに広く使用されている。しか
し、大画面化すると奥行きのサイズや重量が増大すると
いった課題があり、この問題をどう解決するかがポイン
トとされている。このことから、CRTで40インチを
超す大画面のものは作りにくいと考えられている。一
方、LCDはCRTに比べて消費電力が少なく、サイズ
が小さくて重量も軽いという優れた性能を有しており、
現在ではコンピュータのモニタとして普及が進んでい
る。しかし、LCDで代表的なTFT(Thin Film Tran
sistor)方式等を採用するものは非常に微細な構造を有
するため、これを製造するためには複雑かつ複数の工程
を経る必要がある。これにより画面のサイズの増大に比
例して製造にかかる歩留まりが低下するといった性質が
ある。このため現在では、20インチを超えるサイズの
LCDは作りにくいとされている。
【0004】これに対しPDPは、上記のようなCRT
やLCDとは違って、比較的軽量で大画面を実現するこ
とが有利であり、しかも自ら発光して画面表示する駆動
方式を採っている。したがって次世代の表示デバイスが
求められる現在では、PDPを大画面化するための研究
開発が特に積極的に進められており、既に50インチを
超える製品も開発されるに到っている。
【0005】PDPは、複数対の表示電極と複数の隔壁
をストライプ状に並設したガラス板と、他方のガラス板
とを対向させ、隔壁間にRGB各色毎に蛍光体を塗布し
て気密接着し、隔壁と2枚のガラス板の間の放電空間に
封入した放電ガスの発生する紫外線(UV)により放電
し、蛍光発光させる構成のものである。このようなPD
Pは駆動方式の違いからDC(直流)型とAC(交流)
型に分けられる。このうちAC型が大画面化に適してい
ると考えられており、これが一般的なPDPとして普及
しつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
るフルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルは、
画素数が1920(横)×1080(縦)であり、ドッ
トピッチは42インチクラスで0.16mm×0.48m
mであって、1セル当たりの面積は0.077mm2の細
かさになる。これは、同じ42インチクラスのNTSC
規格のテレビに対し、7〜8倍の細かさであり、走査線
数は3倍近くも多い。以上の理由から、ハイビジョンテ
レビ用のPDPを作製するに当たっては、NTSC規格
のテレビを作製するよりも高精度の加工技術が要求され
る。
【0007】このような背景によって、例えば複数対の
表示電極の間隙はNTSC規格のテレビなどよりさらに
小さい値に設定する必要がある。しかしながら、ここに
おいて以下に示すPDPの製造上の問題が存在する。す
なわち複数対の表示電極は、一般的には特開平9─35
628号公報に開示されているような方法で作製され
る。これは具体的には、前面板となるガラス板上にスパ
ッタリング法などによりITOまたはSnO2等からな
る透明導電膜、およびCr─Cu─Crからなる金属導
電膜を順次成膜し、その後フォトリソグラフィー法によ
り、前記各導電膜を所望の電極形状に加工する方法であ
る。このフォトリソグラフィー法は、フォトレジストの
塗布、パターニング、エッチングといった工程を繰り返
すので工程数が多く、作業時間が掛かりやすい向きがあ
る。また、工程を繰り返すうちに、エッチング液による
望ましくない浸食作用や、パターニングの際のマスキン
グのずれなどが発生しやすく、全ての工程にわたって一
定上の精度を確保することが難しい。このような問題は
特に、前述したハイビジョンテレビの細かい表示電極を
作製する上で障害となる向きがある。
【0008】プラズマディスプレパネルの製造方法にお
いて、従来に比べて迅速に且つ精度良く表示電極を作製
する技術問題は、このように現在でも改善の余地が多い
とされている。本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、複数対の表示電極等の作製工程
などにレーザー加工プロセスを導入することによって、
当該作製工程にかかる時間を短く合理化し、歩留まりよ
くPDPを作製することが可能なPDPの製造方法と、
当該製造方法によって作製したPDPを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、第一プレー
トの主面に、長手方向を平行にして並設した複数対の表
示電極を形成する表示電極形成ステップと、複数対の表
示電極を形成した第一プレートの主面を、第二プレート
の主面に合わせて接着するプレート接着ステップとを備
えるプラズマディスプレパネルの製造方法として、表示
電極形成ステップにおいて、第一プレートの主面に表示
電極材料を被覆し、当該表示電極材料を部分的にレーザ
加工し、前記複数対の表示電極を形成することで実現で
きる。
【0010】具体的には、前記表示電極形成ステップに
おいて、第一プレートの主面に透明電極部材料を被覆
し、当該被覆した透明電極部材料をレーザ加工して透明
電極部とした後、当該透明電極部に電気的に接触するよ
うに、金属電極部材料を第一プレートの主面に被覆する
ことにより金属電極部を形成し、前記複数対の表示電極
を形成することによって実現できる。
【0011】また、前記表示電極形成ステップにおい
て、第一プレートの主面に透明電極部材料を被覆し、当
該透明電極材料をレーザ加工して透明電極部とアライメ
ントマークを形成した後、当該アライメントマークを用
いて透明電極部に合わせて金属電極部材料を第一プレー
トの主面の所定の位置に被覆することにより、金属電極
部を形成し、前記複数対の表示電極を形成してもよい。
【0012】このようにレーザ光を用いて複数対の表示
電極を作製すれば、レーザ加工プロセスはレーザカット
工程および洗浄・乾燥工程等のみで行えるため、従来採
用していたフォトリソグラフィー法などの方法に比べ、
数分の一の工程数で迅速に複数対の表示電極が形成でき
るようになる。これにより、環境に有害とされる廃液な
どの発生も少なく、レーザ加工プロセスを採用すること
で環境問題が改善されるといった効果が期待できる。な
お、このようなレーザ加工プロセスは、複数対の表示電
極の作製の他に、アライメントマークの作製などにも適
用できる。
【0013】また、第一プレートの主面に、長手方向を
平行にして複数対並設した表示電極を形成する表示電極
形成ステップと、複数対の表示電極を形成した第一プレ
ートの主面を、複数のアドレス電極を平行に並設した第
二プレートの主面に合わせ、複数対の表示電極と複数の
アドレス電極が交叉するように、第一プレートの主面と
第二プレートの主面を接着するプレート接着ステップと
を備えるプラズマディスプレパネルの製造方法として、
表示電極形成ステップにおいて、表示電極材料を第一プ
レートの主面に被覆し、第一のスポット形状のレーザ光
と、当該第一のスポット形状とは異なる第二のスポット
形状のレーザ光を表示電極材料に照射することにより、
部分的に表示電極材料を蒸発加工し、複数対の表示電極
を形成してもよい。
【0014】さらに前記表示電極形成ステップにおい
て、第一の強度のレーザ光と、第一の強度とは異なる第
二の強度のレーザ光を照射することにより、第一プレー
トの主面に被覆した表示電極材料を部分的に蒸発加工
し、複数対の表示電極を形成してもよい。このように、
第一の強度(または第一のスポット形状)のレーザ光と
第二の強度(または第二のスポット形状)のレーザ光を
使用して複数対の表示電極を形成することで、部分的に
間隙の異なる複数対の表示電極を形成したり、複数対の
表示電極の抵抗値の補正や細部形状の補修(リペアリン
グ)が可能となり、上記効果に加えてさらにレーザ加工
プロセスを合理的に行うことができる。
【0015】さらに本発明は、一対の表示電極を、長手
方向を平行にして複数対並設した第一プレートの主面
を、第二プレートの主面に合わせて接着した構成のプラ
ズマディスプレイパネルとして、第一プレートの主面と
第二プレートの主面の少なくともいずれかに、レーザ加
工により形成したパネル位置合わせ用のアライメントマ
ークを備えるものとした。
【0016】さらに、透明電極部と金属電極部を電気的
に接触させてなる一対の表示電極を、長手方向を平行に
して複数対並設した第一プレートの主面を、第二プレー
トの主面に合わせて接着した構成のプラズマディスプレ
イパネルとして、第一プレートの主面に、レーザ加工に
より形成した透明電極部と金属電極部の位置合わせ用の
アライメントマークを備えるものとした。
【0017】このように、第一プレートの主面にパネル
位置合わせ用、または透明電極部と金属電極部の位置合
わせ用のアライメントマークを設けることにより、第一
プレート主面と第二プレート主面、または透明電極部と
金属電極部が精度良く組み合わされ、設計上の本来の性
能を十分に発揮することが可能なプラズマディスプレイ
パネルとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>図1は、実施の
形態1の交流面放電型PDPの部分的な断面斜視図であ
る。図中、z方向がPDPの厚み方向、xy平面がPD
P面に平行な平面に相当する。当図のように、本PDP
の構成はフロントパネル20とバックパネル26の2つ
のユニットに大別される。なお当図をはじめ、これ以降
に説明する全ての図面(図1〜図10)において、xy
z各方向は一致するものとする。
【0019】フロントパネル20の基板となるフロント
パネルガラス21はソーダライムガラス材料からなる。
そして、フロントパネルガラス21のバックパネル26
と対向する面には、複数対の表示電極22、23(一対
の表示電極はX電極22とY電極23で構成される)が
x方向に延伸され、y方向に一定の間隔で交互に配設さ
れる。ここでは各実施の形態に共通して、X電極22が
アドレス放電時に走査電極として作動するものとする。
複数対の表示電極22、23の全体図については後に示
す。
【0020】このような複数対の表示電極22、23を
配設したフロントパネルガラス21の面上には、酸化鉛
系ガラスからなる誘電体層24がコートされる。これに
よって、複数対の表示電極22、23は誘電体層24中
に埋設される状態になっている。誘電体層24の表面上
には、さらに酸化マグネシウム(MgO)からなる保護
層25がコートされている。
【0021】バックパネル26の基板となるバックパネ
ルガラス27もフロントパネルガラス21と同様に作製
されたものであって、フロントパネル20と対向する側
の面には、複数のアドレス電極28がy方向に延伸され
て並設され、z方向に一定間隔を挟んで、前記フロント
パネル20の複数対の表示電極22、23と格子状の配
設パターンを形成している。アドレス電極28を配設し
たバックパネルガラス27の面上には、誘電体層24と
同様の材料からなる誘電体膜29がアドレス電極28を
包むように形成され、さらに誘電体膜29の面上に、隣
接する2つのアドレス電極28の間隔に合わせて、一定
の高さと厚みを持つ複数の隔壁30がy方向に沿って形
成されている。隔壁30の側面と誘電体膜29の表面に
は、RGBの各色に合わせた蛍光体層31、32、33
の何れかが塗布される。
【0022】フロントパネル20とバックパネル26は
封着ガラスで互いに貼り合わされる。そして、複数の隔
壁30で仕切られた各空間に希ガスを含む放電ガスが封
入され、それぞれの空間がy方向に長い帯状の放電空間
38となる。この放電空間38において、一対の表示電
極22、23と一本のアドレス電極28との交叉箇所を
一箇所ずつ含む領域が、画面表示のためのセル(後述す
る)となる。当該各セルはx方向を行方向、y方向を列
方向とするマトリックス状に配列するように形成される
ので、本PDPでは各セルを適時点滅することによっ
て、マトリックス表示ができるようになっている。
【0023】図2は、本PDPの表示電極パターンをz
方向から見下ろした場合の平面図である。ここでは図の
複雑化を避けるために隔壁30の図示を省略してある。
当図において、破線で区切った領域のそれぞれがセル1
1、12、13、14に相当する。当図のように、本P
DPの複数対の表示電極22、23のそれぞれは、透明
電極部221、231と、当該透明電極部221、23
1に電気的に接触するように、一対の表示電極22、2
3で最も遠い透明電極部221、231の部分上に配さ
れた金属電極部222、232とから構成される。透明
電極部221、231は、一対の表示電極22、23の
間隙36においてセルピッチ(隣接する複数のアドレス
電極28のピッチ)毎に凸部220、230が対向する
ように1つずつ配置された形状を有している。
【0024】この複数対の表示電極22、23における
各部のサイズは以下の通りである。すなわち、対向する
凸部220、230の間隙35は80μm、一対の表示
電極22、23の最大間隙36は520μm、凸部22
0、230はx方向長さ150μm×y方向長さ220
μmの長方形状である。また、凸部220、230を除
く透明電極部221、231の幅は150μmであり、
隣接する二対の表示電極22、23の間隙37は260
μmである。ここで本実施の形態1の特徴として、上記
透明電極部221、231は後述のレーザ加工プロセス
により作製したものである。
【0025】また、金属電極部222、232は幅が5
0μmである。さらに、前記セルピッチは、360μm
となっている。なお図では、凸部220、230を有す
る各表示電極22、23の形状の特徴を把握しやすくす
るため、実際より凸部220、230を大きくし、一対
の表示電極22、23の最大間隙36を狭く図示してい
る。
【0026】透明電極部221、231をこのようなパ
ターン形状に設定するのは、以下に説明するように、面
放電開始時の電圧を抑制しつつ、良好な放電規模の面放
電を行うためである。すなわち、以上の構成を有する本
PDPによれば、駆動時には各電極22、23、28に
適宜給電することで2種類の放電がなされる。
【0027】一つは、セル11、……の点灯のON/O
FFを制御するアドレス放電であって、走査電極である
X電極22と、アドレス電極28とに給電することによ
って行われる。もう一つはPDPの画面表示に直接寄与
する維持放電(面放電)であって、一対の表示電極2
2、23にパルス電圧を印加することによって行われ
る。
【0028】面放電は、具体的には複数対の表示電極2
2、23に給電がなされ、パルスが印加されると開始す
る。このとき凸部220、230の間隙35で面放電が
開始されるが、この凸部220、230の間隙35が約
80μmと一対の表示電極22、23の最大間隙36
(約520μm)に比べて狭く取られているため、開始
放電にかかる電圧が低く抑えられる。
【0029】したがって、面放電が開始されると、放電
の規模が次第に広がって輝度が向上し、かつ放電電圧が
抑えられるので、PDPとして良好な発光効率が得られ
ることとなる。具体的には、面放電時に複数対の表示電
極22、23に印加される電圧を185Vとした場合、
実際の複数対の表示電極22、23に印加される電圧の
ばらつきが従来型のPDPで±5V程度であったのに対
し、本実施の形態1により作製したPDPでは透明電極
部221、231がレーザ加工プロセスにより従来に比
べて精密に作製されているため、前記電圧のばらつきが
±2V程度まで抑えられる。このように、本PDPは従
来のPDPよりちらつきの低減した優れた表示性能を呈
することが可能である。
【0030】ここで、本発明の主な特徴はPDPの製造
方法にある。以下に本実施の形態1のPDPの製造方法
を説明する。 (PDPの作製方法) i.フロントパネル20の作製 厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるフロン
トパネルガラス21の表面上に、表示電極22、23を
形成する。ここにおいて、複数対の表示電極22、23
をレーザ加工プロセスを利用して形成するのが本発明の
主な特徴である。この複数対の表示電極22、23の形
成過程を、図3の(a)〜(e)に示すフロントパネル
ガラス21部分断面図、図4の(a)〜(c)に示すレ
ーザ加工機100の構成図、および図5の(a)、
(b)に示すレーザ加工プロセス図、図6の(a)、
(b)に示す透明電極部221、231の完成図と、レ
ーザ加工プロセスにかかるレーザワークの動作を表す図
等を参照しながら説明する。
【0031】実施の形態1の複数対の表示電極22、2
3は、前述の通り透明電極部221、231と金属電極
部222、232とで構成される。このため、まず透明
電極部221、231の材料であるSnO2─Sb23
系透明導電膜材料(酸化スズSnO2と酸化アンチモン
Sb23を、SnとSbが98:2の原子比になるよう
にした混合材料)を、CVD(Chemical Vapor Deposit
ion)法にてフロントパネルガラス21の全面に被覆
し、厚さ約0.2μmの透明導電膜50を形成する。C
VD法は、ここでは前記透明導電膜材料をガス状にし、
これを約550℃に加熱した高温のフロントパネルガラ
ス21の表面上に流して透明導電膜50を作るように行
う。図3(a)は当該透明導電膜50を形成した様子を
示す図である。
【0032】次に、形成した透明導電膜50のうち、フ
ロントパネルガラス21の長手方向(x方向)両端部に
相当する部分に引き出し電極部(不図示、各表示電極2
2、23と駆動回路(不図示)を接続するために金属電
極部222、232を延長してなる直線状の電極部)形
成領域210を確保し(図3(b)および図6参照)、
続いて透明電極膜をパターニングして透明電極部22
1、231等を形成する(図3(c)参照)。なお、引
き出し電極部形成領域210は図6に図示している。
【0033】これらの工程の実施には図4(a)の斜視
図に示すようなレーザ加工機100を用いる。当該レー
ザ加工機100はガントリー式と公称される形式のもの
であり、1軸テーブル103(x方向に往復移動自
在)、1軸レーザトーチ102(y方向に往復移動自
在)を備える公知のレーザ加工機100である。レーザ
トーチ102はテーブル103をy方向に跨ぐように配
設された形状のレーザトーチガイド101と連結されて
おり、当該レーザトーチガイド101にガイドされてy
方向へ往復移動することが可能である。レーザトーチ1
02およびテーブル103は、図示しないステッピング
モータにより精密に駆動され、テーブル103に載置し
た被加工物に対してレーザトーチ102とテーブル10
3が相対的にxy方向に移動することにより、マイクロ
オーダーでの精密な2次元レーザ加工が可能となってい
る。
【0034】レーザトーチ102は具体的には図4
(b)に示すように、レーザトーチ本体1020に、締
め付け固定ジグ1021および締め付けボルト1022
で第一レーザヘッド1030、第二レーザヘッド104
0が固定された構成である。第一レーザヘッド1030
(第二レーザヘッド1040)は波長1.06μmのY
AGレーザ光を発光するものであり、レーザ発振器(不
図示)より延長された石英ガラス製の光ファイバケーブ
ル1032(1042)の末端に連結され、レーザ光を
集光する光学系ユニットを内蔵している。そして第一お
よび第二レーザヘッド1030(1040)の先端に
は、図4(c)に示すアパーチャ1031(1041)
と対物レンズユニット1050(1060)が装着され
ており、第一および第二レーザヘッド1030(104
0)が複数のレーザスポットを重ね合わせて連結するよ
うにパルスレーザを断続的に発光させることで、一定の
形状のレーザ加工が可能となっている。
【0035】ここで、アパーチャ1031(対物レンズ
ユニット1050(1060)との組合せにより、テー
ブル103に載置されたフロントパネルガラス21の表
面上に、y方向520μm×x方向210μmの長方形
にy方向80μm×x方向150μmの長方形を組み合
わせた形状のレーザスポットを形成する)は対向する凸
部220、230の間隙35と一対の表示電極22、2
3の最大間隙36の和のサイズ、アパーチャ1041
(対物レンズユニット1050(1060)との組合せ
により、テーブル103に載置されたフロントパネルガ
ラス21の表面上に、y方向260μm×x方向360
μmの長方形状のレーザスポットを形成するスリットを
有する)は隣接する二対の表示電極の間隙37のサイズ
に合わせて作られている。このうちアパーチャ1031
の凸部1031aは透明電極部221、231の凸部2
20、230を形成するために設けられている。第一レ
ーザヘッド1030(第二レーザヘッド1040)から
第一レーザ光(第二レーザ光)を出力すると、これらの
アパーチャ1031(1041)と対物レンズユニット
1050(1060)を介し、テーブル103に載置し
たフロントパネルガラス21上に各形状のレーザスポッ
トが照射される。なお、テーブル103に載置されたフ
ロントパネルガラス21の表面上における各レーザスポ
ットのサイズは、レーザトーチ102に対する第一レー
ザヘッド1030(第二レーザヘッド1040)の位置
合わせによっても適宜調節できる。
【0036】このような構成を有するガントリー式レー
ザ加工機100のテーブル103上に、フロントパネル
ガラス21を方向に注意しながら(フロントパネルガラ
ス21のxy方向がレーザ加工機100のxy方向と一
致するように)載置し、公知の真空チャック法などによ
りテーブル103上にフロントパネルガラス21を水平
に固定する。
【0037】次に、レーザ光の出力設定を行う。レーザ
光は第一レーザヘッド1030および第二レーザヘッド
1040ともに100nsec/pulseのパルスレ
ーザ出力を有するものとし、1.5mJ/pulseの強
度に設定する。レーザ光の出力設定に続き、レーザ加工
機100の所定の設定入力メニューから、図6(a)に
示す形状パターン仕様に従ってレーザ加工プロセスを設
定する。ここではフロントパネルガラス21の全面に被
膜した透明導電膜50をレーザ加工して、透明電極部2
21、231、透明導電膜50残留部、および十字型ア
ライメントマークを形成することが一連のレーザ加工プ
ロセスの内容となる。レーザ加工プロセスの設定後、ワ
ーク開始指示を入力すると、自動的にレーザ加工プロセ
スが開始される。
【0038】レーザ加工プロセスは、例えば図3(b)
に示すように、まずフロントパネルガラス21の左右
(x方向両端部)に引き出し電極部形成領域210を確
保することから始める。これには第二レーザヘッド10
40からの第二レーザ光を単独で使用して行う。すなわ
ち、テーブル103とレーザトーチ102の相対的な位
置を調節し、第二レーザトーチ1040の真下にフロン
トパネルガラス21の四隅の一角(図6(a)ではフロ
ントパネルガラス21の左下の角)を位置させる。そし
てテーブル103を固定したまま、レーザトーチ102
をy方向へ移動させながら、第二レーザ光を出力させ、
フロントパネルガラス21の透明導電膜50を部分的に
レーザ加工する。これにより、フロントパネルガラス2
1上にはy方向に沿って透明導電膜50が蒸発気化した
幅360μmの溝が形成される。
【0039】このレーザ加工が1ストローク分(フロン
トパネルガラス21のy方向への1ストローク分)につ
いて完了したら、テーブル103を第二レーザ光のレー
ザスポットのy方向幅である360μmだけx方向へ微
少移動し、そこからy方向に沿ってレーザトーチ102
を移動させることにより、前述と同様にレーザ加工を再
開する。このような往復運動のレーザ加工プロセスを約
56ストローク×2回分(フロントパネルガラス21の
x方向両端部分)について行い、幅が約20mmの引き
出し電極部形成領域210をフロントパネルガラス21
の長手方向(x方向)両端部に設ける。以上が図3
(b)に相当するレーザ加工プロセスである。
【0040】次に、フロントパネルガラス21の表面上
にレーザ加工によって透明導電膜残留部211、アライ
メントマーク212等を形成する。図6(b)は、この
ときのレーザ加工プロセスを模式的に表す図である。当
図のように、テーブル103とレーザトーチ102の相
対的な位置を調節し、第二レーザヘッド1040の真下
にフロントパネルガラス21の四隅の一角(図6(b)
ではフロントパネルガラス21の左下の角)を位置させ
る。そしてテーブル103をxy方向に微少移動させな
がら、透明導電膜50の一定の位置を十字型にレーザ加
工し、反転マーク状のアライメントマーク212(例え
ばアパーチャ1041のレーザスポットを組み合わせた
y方向長980μm(レーザスポット4個分のy方向長
さ)×x方向長1080μm(レーザスポット3個分の
x方向長さ)の形状マーク)を形成する。アライメント
マーク212は、透明電極部221、231に金属電極
部222、232を位置合わせして形成する場合と、フ
ロントパネルガラス21とバックパネルガラス27を位
置合わせして貼り合わせるときに用いる。なお、アライ
メントマーク212を形成する「一定の位置」とは、例
えば図6(a)に示すように、フロントパネルガラス2
1のy方向両端部から5mmの距離で、フロントパネル
ガラス21の長手方向に沿う直線上で等間隔な3箇所の
位置である。
【0041】各アライメントマーク212を形成した
後、第二レーザヘッド1040の真下にフロントパネル
ガラス21のx方向端部(図6(b)ではx方向右側端
部)が位置するようにテーブル103を移動させる。そ
してレーザトーチ102をy方向へ5mm移動させ、第
二レーザ光を透明導電膜50に照射しながらx方向へ折
り返す。このレーザ加工の1ストローク(フロントパネ
ルガラス21のx方向への1ストローク、図6(b)参
照)で幅約260μmの帯状に透明導電膜50が蒸発気
化し、x方向幅が約10mmの透明導電膜残留部211
が形成される。
【0042】透明導電膜残留部211を形成した後、フ
ロントパネルガラス21をx方向端部(図6(b)では
x方向左側端部)まで移動させる。そしてテーブル10
3に対してレーザトーチ102をy方向へ1080μm
(一対の表示電極22、23の最大間隙520μm+隣
接する二対の表示電極22、23の間隙260μm+凸
部220、230を除いた各表示電極22、23の2本
分の幅150μm×2=1080μm、詳細は図2を参
照のこと)だけ移動させ、第一レーザヘッド1030
(第二レーザヘッド1040)を稼働準備状態にする。
そして透明導電膜50に第一レーザ光と第二レーザ光を
y方向に並行して照射させつつ、テーブル103をx方
向へ移動させ、一対の表示電極22、23の間隙36
と、隣接する二対の表示電極22、23の間隙37をフ
ロントパネルガラス21上に並行して形成する。このレ
ーザ加工で一対の表示電極22、23の透明電極部22
1、231が形成される。
【0043】ここで、図5(a)はレーザ加工によって
形成されつつある一対の表示電極22、23の様子を示
すフロントパネルガラス21の部分斜視図である。この
ようなレーザ加工は、例えば図5(b)の第一レーザ光
による加工プロセスに示すように、断続的なパルスレー
ザ光として発光される。このパルスレーザ光によるレー
ザスポットを連結させながら透明電極部221、231
が形成されることとなる。
【0044】なお、ここで隣接するレーザスポットをx
方向に若干重ねるようにレーザ走査すると、確実に各電
極間隙35〜37が形成できる。ただしこの場合、前記
レーザスポットの重なり部分を考慮に入れてアパーチャ
1031、1041の形状をx方向に長めに設定するな
どの工夫が必要である。また、y方向にレーザトーチ1
02を移動させる際には、必ずしもフロントパネルガラ
ス21のx方向端部を第一レーザヘッド1030(第二
レーザヘッド1040)の真下に位置させる必要はな
く、形成した各透明電極部221、231のx方向端部
真上付近でレーザトーチ102を移動させるようにして
もよい。
【0045】さらに、レーザトーチは1個に限るもので
はなく、例えば複数のレーザヘッドを用い、各レーザヘ
ッドを個々のレーザトーチに設けるようにしてもよい。
このような透明電極部221、231を形成するレーザ
加工プロセスでは、図6(b)のレーザ加工プロセスの
流れに従い、x方向への1ストロークのレーザ加工によ
り一対の表示電極22、23の透明電極部221、23
1を形成し、レーザトーチ102をy方向へ約1080
μmだけ微少移動させるといったプロセスを繰り返す。
このx方向へのレーザ加工とy方向へのレーザトーチ1
02の移動の組合せからなる一連のジグザグ移動のレー
ザ加工プロセスによって、一対の表示電極22、23の
透明電極部221、231は、フロントパネルガラス2
1上に複数対(例えば42インチXGAパネルで合計7
68対)形成される。
【0046】全ての対の表示電極22、23の透明電極
部221、231が形成されたら(図3(c))、第一
レーザヘッド1030の駆動を一旦停止させる。そして
前述の動作と同様に第二レーザヘッド1040のみを駆
動させ、透明導電膜残留部211を形成する。透明導電
膜残留部211を形成したら、次に前述の動作と同様に
して複数のアライメントマーク212を形成する。これ
で、フロントパネルガラス21の一枚当たりのレーザ加
工プロセスがすべて終了する。
【0047】このように、従来より複数対の表示電極2
2、23の作製方法として行われているウエットプロセ
スのフォトリソグラフィー法の工程が約11工程あるの
に対し、本実施の形態1のレーザ加工プロセスはレーザ
加工と被レーザ加工物の洗浄・乾燥の約3工程で済み、
しかもわずか約10分程度の工程時間で行うことが可能
である。これによりPDPの製造工程における歩留まり
も改善され、コスト対策にも有効となる。
【0048】またレーザ加工プロセスを用いると、他の
製造方法に比べて精度良く透明電極部221、231を
作製することができる。これは例えば透明電極部22
1、231の形状をx方向に延伸した幅約50μmの帯
状とした場合、フォトリソグラフィー法では±5.0μ
m程度のサイズの誤差が生じていたのに対し、本実施の
形態1では±3.0μm程度のサイズの誤差にまで抑え
られる。
【0049】以上のレーザ加工プロセスを行った後、フ
ロントパネルガラス21をテーブル103から下ろし、
続いて透明電極部221、231等を形成したフロント
パネルガラス21の全面に、Cr─Cu─Crの積層膜
からなる厚さ約0.1μmの金属導電膜60をスパッタ
リング法にて形成する(図3(d))。次に、形成した
金属導電膜60にウエットプロセスによるフォトリソグ
ラフィー法を用い、金属電極部222、232および引
き出し電極部(不図示)を形成する(図3e)。ウエッ
トプロセスは、一般的には以下の(a)〜(k)工程を
経て行う。金属導電膜60の洗浄(a)→金属導電膜6
0にフォトレジスト塗布(b)→乾燥(c)→金属電極
部222、232の形状にマスキングして露光(d)→
現像(e)→リンス(f)→洗浄および乾燥(g)→金
属電極膜上に残ったレジストを硬化(h)→エッチング
(i)→フォトレジスト剥離(j)→洗浄・乾燥(k)
なお、(d)工程において、マスキングする際にアライ
メントマーク212を利用してマスクを金属導電膜60
上に合わせる。これにより、正確な露光を行うことが出
来る。
【0050】また金属電極部222、232は、ここで
は一対の表示電極22、23を構成する透明電極部22
1、231の外側端部上において、幅約50μmの帯状
に設ける。次に、複数対の表示電極22、23の上か
ら、鉛系ガラスのペーストを厚さ約20〜30μmでフ
ロントパネルガラス21の全面にわたって被膜し、焼成
して誘電体層24を形成する。
【0051】次に、誘電体層24の表面に、厚さ約1μ
mの酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層25を
蒸着法あるいはCVD(化学蒸着法)などにより形成す
る。これで、フロントパネル20が完成される。 ii.バックパネル26の作製 厚さ約2mmのソーダライムガラスからなるバックパネ
ルガラス27の表面上に、印刷法により、銀を主成分と
する導電体材料を一定間隔でストライプ状に塗布し、厚
さ約5μmの複数のアドレス電極28を形成する。ここ
で、隣接する2つのアドレス電極28の間隔を360μ
mに設定する。
【0052】続いてアドレス電極28を形成したバック
パネルガラス27の面全体にわたって、鉛系ガラスのペ
ーストを厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電
体膜29を形成する。次に、誘電体膜29と同じ鉛系ガ
ラス材料を用いて、誘電体膜29の上に、隣接する2つ
のアドレス電極28の間ごとに、高さ約100μmの隔
壁30を形成する。この隔壁30は、例えば上記ガラス
材料を含むペーストを繰り返しスクリーン印刷し、その
後焼成して形成できる。
【0053】隔壁30が形成できたら、隔壁30の壁面
と、隔壁間で露出している誘電体膜29の表面に、赤色
(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体の
何れかを含む蛍光インクを塗布し、これを乾燥・焼成し
てそれぞれ蛍光体層31、32、33を形成する。ここ
で、一般的にPDPに使用されている蛍光体材料の例を
以下に列挙する。
【0054】 赤色蛍光体;(YxGd1-x)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体; Zn2SiO4:Mn 青色蛍光体; BaMgAl1017:Eu3+(或いはB
aMgAl1423:Eu3+) 以上で、バックパネル26が完成される。
【0055】なお、フロントパネルガラス21およびバ
ックパネルガラス27をソーダライムガラスからなるも
のとしたが、これは材料の一例として挙げたものであっ
て、これ以外の材料(例えば高歪点ガラス)でもよい。
さらに誘電体層24および保護層25も上記材料に限定
せず、適宜材料を変更してもよい。複数対の表示電極2
2、23も同様に、例えば良好な透明性を有する透明電
極部221、231とするために材料を選択することが
可能である。このような各材料の選択は、可能な範囲に
おいて各実施の形態でも同様に行ってよい。
【0056】iii.PDPの完成 作製したフロントパネル20とバックパネル26を、ア
ライメントマーク212を用いてアライメントし、封着
用ガラスで貼り合わせる。その後、放電空間38の内部
を高真空(8×10-7Torr)に脱気し、これに所定
の圧力(ここでは2000Torr)でNe-Xe(5
%)の組成からなる放電ガスを封入することによって、
PDPの完成とする。放電ガスについては、この他にも
He-Xe系やHe-Ne-Xe系などが使用可能であ
る。
【0057】このように本実施の形態1のPDPの製造
方法では、透明電極部221、231を作製する際に、
2つの異なるレーザスポットのレーザ光を並行して発光
しながらレーザ加工するので、迅速に透明電極部22
1、231を作製できるという効果が特徴である。した
がって、実施の形態1によれば、非常に効率よくPDP
を製造することができるといった効果が望める。
【0058】また、本実施の形態1ではフォトリソグラ
フィー法を採用する工程が従来に比べて少ないため、排
ガスや廃液などの発生に伴う問題も低減され、環境問題
への対策としても大いに有効である。なお、本実施の形
態1ではレーザ加工プロセスにより、透明電極部22
1、231以外にも部分的に透明導電膜50を蒸発気化
しない例(すなわち透明導電膜残留部211を設ける)
を示した。このように、作製する複数対の表示電極2
2、23など(本実施の形態中では透明導電膜50)で
積極的に蒸発気化する必要のない透明導電膜50の領域
をそのまま残留させることにより、過剰なレーザ加工プ
ロセスを省略することができ、一連のレーザ加工プロセ
スが簡単化および高速化されるとともに歩留まりも改善
されるといった効果がある。
【0059】さらに、上記「iii.PDPの完成」の工程
において、バックパネル26側にもアライメントマーク
を形成しておき、アライメントマーク212と相対的に
アライメントすると、一層精密なアライメントの実施が
期待できる。なお、本発明のPDPの作製方法は、各実
施の形態ごとに形成する複数対の表示電極22、23の
作製方法に主な特徴があり、それ以外のところは大体共
通している。したがってこれ以降の各実施の形態におけ
るPDPの作製方法については、複数対の表示電極2
2、23の製造方法について主に説明し、また前記実施
の形態と重複する説明を割愛する。
【0060】<実施の形態2>本実施の形態2では複数
対の表示電極22、23の金属電極部222、232に
銀材料を用いる場合について、金属電極部222、23
2の形成および金属電極部222、232のアニーリン
グ処理にレーザ加工プロセスを適用する例を示す。
【0061】金属電極部222、232の材料には、C
r─Cu─Cr材料の他に銀材料(具体的には銀とガラ
ス粉末の混合材料)が広く用いられているが、銀材料の
有する性質上の理由から、銀材料を透明導電膜50(透
明電極部221、231)の上に被膜すると、凹凸を有
する歪んだ形状になってしまう。これは後に、フロント
パネルガラス21の全面に誘電体層24を形成する時点
において、金属電極部222、232と誘電体層24と
の間に気泡が混入し、絶縁破壊を起こしてPDPが正常
に駆動しない原因となる。
【0062】このため、上記銀材料から金属電極部22
2、232を作製するには、透明導電膜50(または透
明電極部221、231)上に一旦被膜した金属導電膜
60(または金属電極部222、232)を加熱し、金
属導電膜60(または金属電極部222、232)中に
含まれるガラス成分を溶融して、金属導電膜60(また
は金属電極部222、232)の形状を滑らかに整える
(すなわちアニーリング処理する)ことが望ましい。
【0063】本実施の形態2はこの問題に対し、第一レ
ーザヘッド1030の第一レーザ光で金属電極部22
2、232を形成した後に、第二レーザヘッド1040
の第二レーザ光で金属電極部222、232をアニーリ
ング処理する。その具体的な工程は以下の通りである。
図7(a)〜(c)は、本実施の形態2における複数対
の表示電極22、23の製造工程を示すフロントパネル
ガラス21の部分断面図である。なお形成する複数対の
表示電極22、23の形状は、実施の形態1と同様とす
る。
【0064】まず、フロントパネルガラス21の表面
に、印刷法などにより一定の形状の透明電極部221、
231を形成する。ここで、透明電極部221、231
を形成する材料には、銀材料よりも高温で蒸発気化する
もの、すなわち上記銀材料からなる金属導電膜60をレ
ーザ加工する際に透明電極部221、231が蒸発気化
しないものを選択することが必要である。このような透
明電極部221、231の材料としては、具体的にはS
nO2などが挙げられる。
【0065】次に、透明電極部221、231を形成し
たフロントパネルガラス21に、印刷法などにより銀材
料を塗布し、これを焼成して金属導電膜60(厚さ約
0.1μm)を形成する。図7(a)はこのときフロン
トパネルガラス21の全面に金属導電膜60を形成する
例を示しているが、これより領域を限定して(例えば透
明電極部221、231上にのみ銀材料を被膜して)金
属導電膜60を形成してもよい。
【0066】続いてレーザ加工機100を使用し、レー
ザ加工プロセスを設定する。ここでは第一レーザヘッド
1030からの第一レーザ光を金属電極部222、23
2の形成に用いる。第一レーザヘッド1030に装着す
るアパーチャ(不図示)は対物レンズユニット1050
との組合せにより、例えばy方向幅が一対の表示電極2
2、23の間隙36とほぼ同様の520μm、x方向幅
が360μm程度のレーザスポットをテーブル103に
載置したフロントパネルガラス21上に形成するように
設定しておくとよい。さらに第一レーザ光の強度を調節
し、金属導電膜60の下にある透明電極部221、23
1に悪影響のない程度(すなわち透明電極部221、2
31を蒸発気化しない程度)の強度、かつ金属導電膜6
0のレーザ加工が十分可能な強度に設定する。
【0067】次に第二レーザ光の強度の設定を行う。こ
こで、第二レーザ光は金属電極部222、232のアニ
ーリング処理に用いるため、金属電極部222、232
中に含まれるガラス成分を溶融でき、かつ透明電極部2
21、231に吸収されない強度(具体的には紫外線寄
りの可視光波長)の強度に設定する。さらに、レーザト
ーチ102の第一レーザヘッド1030(第二レーザヘ
ッド1040)の固定位置を調節し、フロントパネルガ
ラス21上の金属導電膜60に対するレーザスポットの
位置およびサイズを設定する。
【0068】なお、ここでは第一レーザヘッド1030
(第二レーザヘッド1040)を並行して駆動するよう
にレーザ加工機100を設定するが、このレーザ加工プ
ロセスに限定せず、例えば第一レーザヘッド1030に
よるレーザ加工プロセスを全て終えた後に、第二レーザ
ヘッド1040によるレーザ加工プロセスを逐次開始す
るようにしてもよい。
【0069】第一レーザヘッド1030(第二レーザヘ
ッド1040)の位置合わせと各レーザ光の強度の設定
を終えたら、金属電極部222、232と図示しない引
き出し電極部以外の金属導電膜60を蒸発気化するよう
にレーザ加工プロセスを開始する。これにより、図7
(b)に示すように幅が約50μmの金属電極部22
2、232が形成される。
【0070】しかしながらここにおいて、この時点で
は、金属電極部222、232の形状は図8(a)のフ
ロントパネルガラス21断面図に示すように、凹凸の多
い歪な形状になっている。これは銀材料の性質によるも
のであるが、このままでは前述のように誘電体層24を
形成する際に気泡が多く入り込み、PDPの性能を低下
させる原因となる。
【0071】そこで本実施の形態2の特徴として、第一
レーザ光で一旦形成した図8(a)の状態の金属電極部
222、232に第二レーザヘッド1040からの第二
レーザ光を用い、アニーリング処理する(図7
(c))。これにより、金属電極部222、232中の
ガラス成分が溶融し、図8(a)に示すように金属電極
部222、232の表面が滑らかに改善される。
【0072】このような本実施の形態によれば、レーザ
加工プロセスにより迅速に金属電極部222、232を
作製することが可能となる。またさらに金属電極部22
2、232の形成とアニーリング処理を並行して行うこ
とにより、金属導電膜60に銀材料のような凹凸が生じ
やすい材料を用いる場合でも、優れた品質のPDPを歩
留まり良く製造することができるといった効果がある。
【0073】具体的には、42インチのXGAパネルの
PDPで従来は24個程度、誘電体層24中に確認出来
た直径10μm程度の気泡が、本実施の形態のPDPで
は1個程度にまで低減される。これにより、PDPの絶
縁破壊に対する耐圧も従来の800V程度から2kV程
度にまで向上されることとなる。なお、第一レーザヘッ
ド1030による第一レーザ光の照射で金属導電膜60
だけを蒸発気化するためのアイデアとして、例えばレー
ザ強度を可視光線の波長に合わせてもよい。
【0074】また、本実施の形態2のバリエーションと
して、金属電極部222、232をレーザ加工プロセス
により形成する前に、予め透明電極部221、231を
上記金属電極部222、232に関するレーザ加工プロ
セスとは別のレーザ加工プロセスにより形成してもよ
い。この場合、実施の形態1と同様に透明導電膜50を
加工してなるアライメントマーク212を形成してお
き、このアライメントマーク212を利用すると金属電
極部222、232を正確な位置に形成し、アニーリン
グ処理することができる。このとき金属導電膜60は、
前記アライメントマーク212上に被膜しないように適
宜マスクすることが必要である。
【0075】また本実施の形態2では、金属電極部22
2、232をレーザ加工プロセスで形成する際にアニー
リング処理を並行して行う例を示したが、透明電極部2
21、231を形成する際に当該透明電極部221、2
31のアニーリング処理を並行して行ってもよい。すな
わち、第一レーザ光で透明電極部221、231をパタ
ーニングしながら、第二レーザ光を透明電極部221、
231(または透明導電膜50)のアニーリング処理時
に用いてもよい。この場合、例えば透明電極部221、
231(または透明導電膜50)中のSnO2の結晶粒
径が約4倍程に成長するため、金属電極部222、23
2(または金属導電膜60)との附着性が向上するとい
った効果が得られる。
【0076】具体的には、例えばこのアニーリング処理
により透明電極部221、231の作製における耐圧不
良に関する歩留まりが従来の約80%から約96%程度
にまで向上する。なお、このとき第二レーザ光の強度
は、透明電極部221、231の有する透明性等の理由
から、金属電極部222、232のアニーリング処理よ
り約30%ほど高めの強度とするのが望ましい。
【0077】<その他の実施の形態のバリエーション>
次に、前述した2つの実施の形態以外の本発明の適用例
をいくつか説明する。 (バリエーション1)図9は、本バリエーションのPD
Pの製造方法に基づき、作製されつつある透明電極部2
21、231等の様子を示すフロントパネルガラス21
の正面図である。当図のように本バリエーション1で
は、レーザ加工プロセスで透明電極部221、231を
形成した後にそのライン抵抗値を調べ、当該ライン抵抗
値に基づいて任意の透明電極部221、231に改質処
理を施し、そのライン抵抗値を補正することを特徴とす
る。
【0078】具体的には、フロントパネルガラス21の
表面に被膜した透明導電膜50を第一レーザ光で加工し
て透明電極部221、231を形成する(なお図9では
形成する透明電極部221、231の形状を分かり易い
ように直線状としている)。ここでは一対の表示電極2
2、23の間隙36と、隣接する二対の表示電極22、
23の間隙37を第一レーザ光のみで形成するが、隣接
する二対の表示電極22、23の間隙37形成する際は
第一レーザ光をx方向へ数ストローク分連続して走査す
ることにより形成する。
【0079】そして、形成された透明電極部221、2
31のx方向両端部にプローブ301a、301bを接
触させ、当該プローブ301a、301bに接続された
公知のライン抵抗測定器(不図示)により透明電極部2
21、231のライン抵抗値を測定する。プローブ30
1a、301bはレーザトーチガイド101側に固定し
ておき、ライン抵抗測定器は予めレーザ加工機100の
制御部(例えばPC(パーソナルコンピュータ)型入力
端末機)と接続しておく。また入力端末機(不図示)の
記憶部にも比較のための標準値を予め格納しておき、こ
の入力端末機において、ライン抵抗測定器より得られる
透明電極部221、231のライン抵抗値を前記標準値
と逐次比較する。そして当該比較により算出された、任
意の透明電極部221、231のライン抵抗値のずれを
補修するため、入力端末機に前記ずれの度合いから適切
な第二レーザ光の強度を設定させ、対象とする透明電極
部221、231に第二レーザ光を照射させる。これに
よりレーザ照射された透明電極部221、231は改質
処理されてライン抵抗値が補正され、駆動時に均一な表
示性能を呈するPDPを製造することが可能となる。
【0080】すなわち本バリエーション1では、第一レ
ーザ光による各透明電極部221、231の形成と、当
該形成した各透明電極部221、231についてのライ
ン抵抗の測定と、当該抵抗測定により得られた測定値に
基づく第二レーザ光による各透明電極部221、231
抵抗値の補正が並行して行われることとなる。このバリ
エーション1によれば、具体的には、例えば従来におい
て形成直後の各透明電極部221、231のライン抵抗
値の平均値が約1.0kΩで、そのばらつき度σが約1
7%であったのが、当該ライン抵抗値の補正によりライ
ン抵抗値の平均値が約0.5kΩで、そのばらつき度σ
が約7%にまで改善される。
【0081】(バリエーション2)図10は、本バリエ
ーション2のPDPの製造方法に基づき、作製されつつ
ある透明電極部221、231等の様子を示すフロント
パネルガラス21の正面図である。前述のバリエーショ
ン1では透明電極部221、231を形成しつつ、形成
した透明電極部221、231のライン抵抗値を調整す
る例を示したが、本バリエーション2では形成した透明
電極部221、231の細部の形状をCCDカメラで調
べ、問題のある箇所を補修(リペアリング)することを
特徴とするものである。
【0082】具体的には図10のフロントパネルガラス
21の正面図に示すように、透明電極部221、231
を形成した後にその形状をレーザトーチガイド101側
に固定したCCDカメラ70で撮像し、得られた透明電
極部221、231の画像をレーザ加工機100の制御
部に接続したPC型入力端末機に取り込んで公知のPM
(パターンマッチング)処理を行う。そして、PM処理
により検出された透明電極部221、231の形状に問
題のある箇所(例えば好ましくない微細な凹凸部分な
ど)を第二レーザヘッド光の照射によりリペアする。
【0083】このようなバリエーション2によれば、P
DPの製造工程にかかる時間および工程数を削減するこ
とができ、しかも形状にばらつきを抑えた均一な品質の
透明電極部221、231を有するPDPを作製するこ
とが可能となる。 (バリエーション3)図11は、本バリエーション3の
PDPの製造方法に基づき、作製されつつある透明電極
部221、231等の様子を示すフロントパネルガラス
21の正面図である。本バリエーション3は基本的には
バリエーション1と同様に、レーザ加工プロセスで透明
電極部221、231を形成した後にそのライン抵抗値
を調べ、当該ライン抵抗値に基づいて任意の透明電極部
221、231に改質処理を施してライン抵抗値を補正
するものであるが、この一連の工程において、フロント
パネルガラス21の表面に部分的にマスク300が被覆
されていることを特徴とする。
【0084】すなわち、本バリエーション3は、スパッ
タリング法などにより透明導電膜60をフロントパネル
ガラス21上に被膜する場合、当該透明導電膜60をフ
ロントパネルガラス21上に被膜しても後に除去するこ
とが分かっているフロントパネルガラス21上の領域に
は、前記スパッタリング法の実施前に予めマスク300
を設けておくことで、透明導電膜50の被膜面積を合理
的に減らすものである。これにより、レーザ加工プロセ
スが簡単化され、前記加工にかかる時間も短縮されて歩
留まりも改善されるといった効果が期待できる。
【0085】なお透明導電膜残留部250は、アライメ
ントマーク212を形成するために透明導電膜50を形
成する部分であり、当該アライメントマーク212を形
成する必要のない場合には、透明導電膜残留部250の
部分もマスク300を施してもよい。このようなマスク
300の仕様は、実施の形態1および2、バリエーショ
ン1および2などにも適用してもよい。
【0086】また、この他のバリエーションとして、第
一レーザ光を照射することにより透明電極部221、2
31または金属電極部222、232を形成し、第二レ
ーザ光を前記形成した透明電極部221、231または
金属電極部222、232に照射し、反射した第二レー
ザ光を公知のレーザ顕微鏡で捉えて透明電極部221、
231または金属電極部222、232の形状を検査す
るようにしてもよい。
【0087】<レーザ加工プロセスで形成する透明電極
部の断面形状について>図12(a)は、一例として前
記バリエーション1のPDPの製造方法に基づき作製し
た各透明電極部221、231の形状を示すフロントパ
ネルガラス21のパネル断面方向(z方向)断面図であ
る。すなわち図12(a)では、透明電極部221、2
31はその幅方向の端部80a、80bにおいて、中央
部分よりも丸く盛り上がった形状をなしている。より詳
細には、前記端部80a、80bは鋭い角度の角部が加
工され、なめらかな形状となっている。このような形状
は透明電極材料にITOを用いると形成できることが分
かっている。
【0088】なお、ここで「丸い形状」とは、真球形状
だけを指すものではなく、鋭角(90°以下の角度)と
異なり鈍角(90°を超える角度)を有する形状を含ん
だ概念を指すものとする。次に、図12(b)に示す形
状は、端部81a、81bにおいて、図中z方向上部
(PDPとしてはバックパネル26側)で丸く盛り上が
った、鋭い角度の角部がないなめらかな形状となってい
る。このような形状は、透明電極材料にSnO2を用い
ると形成できることが分かっている。
【0089】更に、図12(c)に示す形状は、端部8
2a、82bがフロントパネルガラス21のxy平面よ
り図中z方向上部(PDPとしてはバックパネル26
側)に向かって垂直に立ち上がり、その上部で丸く盛り
上がった、鋭い角度の角部がないなめらかな形状でとな
っている。このような図12(c)の端部82a、82
bの形状は、上記図12(a)(b)の形状をさらに加
工して得られるものである。これらの形状への加工の仕
方については後で述べる。
【0090】このように、透明電極部221、231に
図12の(a)〜(c)のいずれかの端部80a〜82
a、80b〜82bを形成することによって、次によう
な効果が得られる。すなわち一般に、面放電のための電
界は放電空間38に臨んだ複数対の表示電極22、23
の形状において角状の部分に集中しやすいため、面放電
時にはその複数対の表示電極22、23の角状の部分付
近で電界が局所的に大きくなり、異常放電が発生しやす
くなる。
【0091】これに対し、上記のように透明電極部22
1、231に端部80a〜82a、80b〜82b等を
設け、放電空間38に臨む各表示電極22、23の形状
から角状の部分をなくすことにより、放電空間38で発
生する電界が角状の部分前記角状の部分を中心に局所的
に過剰となるのが抑制される。従って、異常な放電の発
生や、誘電体層24中で絶縁破壊が発生するのが防止さ
れることとなる。
【0092】また、端部80a〜82a、80b〜82
bは透明電極部221、231の幅方向中央部分と比べ
て高く盛り上がっている(すなわち、端部80a〜82
a、80b〜82bを覆う誘電体層24の厚みが薄くな
っている)ため、面放電における放電開始時または維持
放電時の電圧を低減させることが可能となる。具体的に
端部80a〜82a、80b〜82bによる効果は、端
部80a〜82a、80b〜82bの前記丸み部分の半
径が、透明電極部221、231の平均的な厚みが0.
1〜0.13μm程度の場合に、0.05〜0.1μm程
度とすると顕著なものとなることが分かっている。
【0093】上述のように、端部80a、81a、80
b、81bなどを有する透明電極部221、231は、
例えばフロントパネルガラス21上に被膜した透明導電
膜50をレーザ加工プロセスすることにより形成でき
る。つまりレーザ光が照射される領域の透明導電膜50
は、高温に熱されて蒸発気化するが、蒸発気化する周辺
の透明導電膜50は上記高温によって溶融し、表面張力
の作用により丸く盛り上がることとなる。したがってレ
ーザ光の強度を適宜調節する(具体的には、透明導電膜
50を蒸発気化するよりも若干強めの強度に設定する)
ことでこのレーザ加工プロセスの実施が可能となる。
【0094】ここで図12(c)の端部82a、82b
は、図13に示す方法によって形成することが可能であ
る。図13では、一例として図12(a)で形成した端
部80a、80bを元に端部82a、82bを形成する
方法である。具体的には、端部80a、80bを有する
透明電極部221、231をレーザ加工プロセスにより
形成したフロントパネルガラス21上に、フォトレジス
ト70を被膜する(図13(a))。
【0095】続いて一定のパターン(ここでは一対の表
示電極の間隙と隣接する二対の表示電極の間隙以外をマ
スクするパターン)のマスク80を前記フロントパネル
ガラス21上に載置し、露光した後、アルカリ溶液でマ
スクされなかった部分のフォトレジスト70を処理する
(図13(b))。次に、アルカリ溶液で処理されたフ
ォトレジスト70以外を洗い出し、全てのフォトレジス
ト70をフロントパネルガラス21上から除去する(図
13(c))。
【0096】これにより、図12(c)に示す端部82
a、82bを有する透明電極部221、231を形成す
ることができる。図12(c)の端部82a、82bは
そのエッジ部分がシャープに仕上がるため、特に精密な
形状に透明電極部221、231を形成する場合(セル
サイズが小さい場合)などに有効である。なお、強度の
異なる第一レーザ光と第二レーザ光(例えば第一レーザ
光に対して第二レーザ光が若干弱い強度にしておく)を
組み合わせたレーザ加工プロセスより、上記各端部80
a〜82a、80b〜82b以外の端部を作製してもよ
い。これには例えば各透明電極部221、231を第一
レーザ光で基本的に作製しておき、後に第二レーザ光を
各透明電極部221、231に部分的に照射して形成す
るようにしてもよい。
【0097】また、端部80a〜82a、80b〜82
b等は全ての透明電極部221、231の両端に設ける
必要はなく、少なくとも一対の表示電極22、23の間
隙においてのみ端部80a〜82aを設けるようにすれ
ばよい。<その他の事項>実施の形態ではYAGレーザ
(波長1.06μm)を使用する例を示したが、これ以
外にもエキシマレーザ、ガスレーザなど各種レーザを用
いてもよい。またレーザの波長も1.06μmに限定せ
ず、0.53μm、0.25μmなど適宜、他の波長に設
定してもよい。
【0098】また、実施の形態1において、レーザ加工
プロセスにより透明電極部221、231を形成する説
明のところで、透明導電膜50の作製方法としてCVD
法等を用いる例を示したが、この他にもスパッタリング
法や印刷法などを適宜使用してもよい。これらのことは
金属電極部222、232を形成する場合にも同様であ
る。
【0099】さらに、透明導電膜50の材料としてSn
2─SbO3系透明導電材料の他に、SnO2─F系、
InGaZnO4系、Cd2SnO4系、In23─Sn
3系、GaInO3系、ZnO─GeO系、その他一般
に知られている透明導電材料のいずれを用いてもよい。
また、金属導電膜60の材料としても銀材料やCr─C
u─Cr材料などを用いる例を示したが、これ以外の金
属導電材料を用いてもよい。但し実施の形態2は主に、
銀材料を金属電極部222、232に使用する場合に効
果が高いと思われる。
【0100】また、各実施の形態およびバリエーション
では、一対の表示電極22、23が透明電極部221、
231と金属電極部222、232からなるものとした
が、フロントパネルガラス21の全面に直接金属導電膜
60をスパッタリング法などで被膜し、これをレーザ加
工プロセスにかけて金属電極部222、232を形成
し、当該金属電極部222、232だけで一対の表示電
極(すなわち透明電極部221、231を持たない一対
の表示電極)を構成してもよい。
【0101】また実施の形態1で、フロントパネルガラ
ス21に透明導電膜50を被膜した後、透明電極部22
1、231を形成し、続いて金属電極部222、232
を形成する例を示したが、透明導電膜50と金属導電膜
60を順次フロントパネルガラス21上に被膜し、フォ
トリソグラフィー法などにより金属電極部222、23
2を形成した後にレーザ加工プロセスにより透明電極部
221、231を形成してもよい。
【0102】さらに、各実施の形態で凸部を有する複数
対の表示電極22、23を形成する例を示し、実施の形
態のバリエーションで直線状の複数対の表示電極22、
23を形成する例を示したが、上記凸部は、例えば複数
の楕円状のレーザスポットを、その長軸方向のスポット
部分が若干重なるようにしながらパルスレーザ走査する
ことにより、透明電極部221、231をレーザ加工し
ても形成することができる。また、表示電極の形状は凸
部を備える形状に限定するものではなく、適宜セルサイ
ズ等に合わせた形状に変えてもよい。このように複数対
の表示電極22、23の形状を変える場合には、具体的
にはレーザヘッドのアパーチャの形状を変えるとよい。
【0103】ここで、実施の形態で使用したアパーチャ
1031、1041の形状を変更することにより、レー
ザスポットの形状を変える場合、アパーチャを長方形状
のレーザスポットが得られるように設定すると、複数の
レーザスポットをxy方向に連結することで比較的幅広
いレーザ加工が行えるようになると考えられる。また、
透明導電膜50のレーザ加工プロセスでフロントパネル
ガラス21の長手方向上下に十字型の反転型アライメン
トマーク212を形成する例を示したが、当然ながらア
ライメントマークの形状と形成位置は実施の形態で説明
した内容に限定するものではなく、適宜変更してもよ
い。さらにアライメントマークはフロントパネルガラス
21とバックパネルガラスのアライメント、透明電極部
221、231と金属電極部222、232のアライメ
ントのいずれに使用してもよい。
【0104】また、透明導電膜50をフロントパネルガ
ラス21の全面に被膜し、これにレーザ加工プロセスを
利用して複数対の透明電極部221、231等を形成す
る例を示したが、例えば引き出し電極部形成領域など、
透明導電膜50を被膜する必要のない領域に予めマスキ
ングを施しておき、しかる後にCVD法またはスパッタ
リング法などの各種方法に基づいて透明導電膜50を形
成するようにしてもよい。
【0105】また、透明電極部221、231をレーザ
加工プロセスにより形成し、金属電極部222、232
をフォトリソグラフィー法で形成する例と、透明電極部
221、231を印刷法により形成し、金属電極部22
2、232をレーザ加工プロセスにより形成する例を主
に説明したが、本発明はこれらの製造方法に限定せず、
透明電極部221、231と金属電極部222、232
の少なくとも一方をレーザ加工プロセスにより形成すれ
ばよい。但し、金属材料のみで複数対の表示電極22、
23を形成する場合にはレーザ加工プロセスを行う必要
がある。
【0106】さらに実施の形態では、レーザトーチ10
2に第一レーザヘッド1030、第二レーザヘッド10
40を備え、各レーザヘッド1030、1040により
同時または逐次レーザ加工プロセスを実行する例を示し
たが、可能な範囲でレーザ加工プロセスの順序(一対の
表示電極の間隙の作製と、隣接する二対の表示電極の間
隙の作製など)は適宜変えてもよい。
【0107】さらに実施の形態において、レーザ加工プ
ロセスにかかる各種数値(レーザスポットのサイズやx
y方向への移動距離)などの具体例を示したが、当然な
がら本発明はこれに限定するものではなく、製造するP
DPのサイズ等に合わせて適宜変更してもよい。さら
に、レーザ加工プロセスにおいて、隣接するレーザスポ
ットが多少重なるようにしてもよい。これにより、1ス
トロークのレーザ加工が途切れることなく行えるように
なる。ただしこの場合、レーザスポットの重なり部分の
サイズを考慮して、アパーチャまたはレーザスポットの
形状を設定する必要がある。
【0108】また、各実施の形態で2つのレーザヘッド
1030、1040からの2つのレーザ光を並行してレ
ーザ加工プロセスを行う例を示したが、各レーザ光を発
光するレーザヘッドは1個でも3個以上でもよい。レー
ザヘッドを1個だけ使用する場合は、複数のアパーチャ
を適時切り替えて使えるようにするとよい。さらに複数
のレーザヘッドを使用する場合は、実施の形態に示した
ように、レーザスポットの形状、レーザスポットのサイ
ズ、レーザの強度などの各条件のいずれかの性質の異な
る複数のレーザ光を発光するように設定すると、複数対
の表示電極22、23の形成と、ライン抵抗値の補正や
細部形状の補修などの様々な複数対の表示電極22、2
3のリペアリングがより迅速に行えるので望ましい。
【0109】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
はフロントパネルガラスの面に、長手方向を平行にして
並設した複数対の表示電極を形成する表示電極形成ステ
ップと、複数対の表示電極を形成したフロントパネルガ
ラスの面を、バックパネルガラスの面に合わせて接着す
るプレート接着ステップとを備えるPDPの製造方法と
して、表示電極形成ステップにおいて、フロントパネル
ガラスの面に表示電極材料を被覆し、当該表示電極材料
を部分的にレーザ加工し、前記複数対の表示電極を形成
するので、レーザ加工プロセスを複数対の表示電極2
2、23の作製方法に取り入れることにより、従来に比
べて格段に製造工程にかかる時間と手間を省くことが可
能となる。
【0110】また、レーザ加工プロセスに複数のレーザ
ヘッドを備えるレーザ加工機100を使用すれば、複数
対の表示電極22、23を形成しつつ、表示電極のアニ
ーリング処理、抵抗値調整処理、形状補修処理などを同
時または逐次的に行うことが可能となり、より迅速で合
理的なPDPの製造方法を行うことができる。また本発
明は、透明電極部と金属電極部を電気的に接触させてな
る一対の表示電極を、長手方向を平行にして複数対並設
したフロントパネルガラスの面を、バックパネルガラス
の面に合わせて接着した構成のPDPにおいて、フロン
トパネルガラスの面に、レーザ加工により形成した透明
電極部と金属電極部の位置合わせ用、または透明電極部
と金属電極部の位置合わせ用のアライメントマークを設
けたPDPとした。
【0111】これによりフロントパネルガラス側とバッ
クパネルガラス側、または透明電極部と金属電極部が精
度良く組み合わされ、設計上の本来の性能を十分に発揮
することが可能なPDPとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における交流面放電型PDPの部
分的な断面斜視図である。
【図2】実施の形態1における複数対の表示電極の形状
パターンを示す平面図である。
【図3】実施の形態1における一対の表示電極の製造工
程を示すフロントパネルガラス21の部分断面図であ
る。(a)は、透明導電膜50をフロントパネルガラス
21上に被膜した様子を示す図である。(b)は、引き
出し電極部形成領域210を設けるためにフロントパネ
ルガラス21のx方向両端部の透明導電膜50を除去し
た様子を示す図である。(c)は、レーザ加工プロセス
により透明電極部221、231を形成した様子を示す
図である。(d)は、金属導電膜60を被膜した様子を
示す図である。(e)は、エッチング(ウエットプロセ
スのフォトリソグラフィー法)にて金属電極部222、
232を形成した様子を示す図である。
【図4】ガントリー式レーザ加工機100の各部を示す
外観図である。(a)は、ガントリー式レーザ加工機1
00の全体外観斜視図である。(b)は、レーザトーチ
102の拡大正面図である。(c)は、各アパーチャ1
031、1041の形状を示す正面図である。
【図5】実施の形態1の透明電極部221、231等の
作製にかかるレーザ加工プロセスを示す図である。
(a)は、第一レーザ光と第二レーザ光による透明電極
部221、231の形成過程を示すフロントパネルガラ
ス21の部分斜視図である。(b)は、一対の透明電極
部221、231の間隙の形成過程を示すフロントパネ
ルガラス21の部分正面図である。
【図6】実施の形態1のレーザ加工機100のレーザ加
工プロセスにかかるレーザワークの設定内容を示す図で
ある。(a)は、レーザ加工プロセスによって完成する
透明電極部221、231等の完成図である。(b)
は、レーザ加工プロセスにかかる一連のレーザワークの
動作を示した図である。
【図7】実施の形態2にかかる複数対の表示電極の製造
工程を示すフロントパネルガラス21の部分断面図であ
る。(a)は、金属導電膜60をフロントパネルガラス
21上に被膜した様子を示す図である。(b)は、レー
ザ加工プロセスにより不要な金属導電膜60を除去した
様子を示す図である。(c)は、レーザ加工プロセスに
より金属電極部222、232をアニーリング処理した
様子を示す図である。
【図8】実施の形態2にかかる金属電極部232のレー
ザ加工プロセスの様子を示す図である。(a)は、アニ
ーリング処理前の金属電極部232の様子を示すフロン
トパネルガラス21の部分断面図である。(b)は、ア
ニーリング処理後の金属電極部232の様子を示すフロ
ントパネルガラス21の部分断面図である。
【図9】実施の形態のバリエーション1におけるレーザ
加工プロセス(透明電極部221、231の作製とその
抵抗値の調整処理)の様子を示すフロントパネルガラス
21の正面図である。
【図10】実施の形態のバリエーション2におけるレー
ザ加工プロセス(透明電極部221、231の作製とそ
の細部の補修処理)の様子を示すフロントパネルガラス
21の正面図である。
【図11】実施の形態のバリエーション3におけるレー
ザ加工プロセス(フロントパネルガラス21にマスク3
00を着けた状態での透明電極部221、231の作製
とその抵抗値調整処理)の様子を示すフロントパネルガ
ラス21の正面図である。
【図12】実施の形態バリエーション1における透明電
極部221、231の端部80a〜82a、80b〜8
2bの形状を示すフロントパネルガラス21の断面図で
ある。(a)は、端部80a、80bの断面形状を示す
フロントパネルガラス21の部分断面図である。(b)
は、端部81a、81bの断面形状を示すフロントパネ
ルガラス21の部分断面図である。(c)は、端部82
a、82bの断面形状を示すフロントパネルガラス21
の部分断面図である。
【図13】端部82a、82bの製造工程を示すフロン
トパネルガラス21の部分断面図である。(a)は、フ
ォトレジスト70を被膜した様子を示すフロントパネル
ガラス21の部分断面図である。(b)は、フォトレジ
スト70を露光し、アルカリ溶液処理した様子を示すフ
ロントパネルガラス21の部分断面図である。(c)
は、形成された端部82a、82bの断面形状を示すフ
ロントパネルガラス21の部分断面図である。
【符号の説明】
11〜14 セル 20 フロントパネル 21 フロントパネルガラス 22、23 表示電極(X電極22、Y電極23) 24 誘電体層 28 アドレス電極 35 対向する凸部の間隙 36 一対の表示電極の最大間隙 37 隣接する二対の表示電極の間隙 38 放電空間 50 透明導電膜 60 金属導電膜 100 レーザ加工機 102 レーザトーチ 103 テーブル 210 引き出し電極部形成領域 211、250 透明導電膜残留部 212 アライメントマーク 220、230 凸部 221、231 透明電極部 222、232 金属電極部 300 マスク 1030 第一レーザヘッド 1031、1041 アパーチャ 1040 第二レーザヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−118332 (32)優先日 平成10年4月28日(1998.4.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−118342 (32)優先日 平成10年4月28日(1998.4.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−280813 (32)優先日 平成10年10月2日(1998.10.2) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−108420 (32)優先日 平成11年4月15日(1999.4.15) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 日比野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高田 祐助 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長尾 宣明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井上 勇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤原 伸也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 船見 浩司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡田 敏幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA01 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GC19 JA11 MA26

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一プレートの主面に、長手方向を平行に
    して並設した複数対の表示電極を形成する表示電極形成
    ステップと、複数対の表示電極を形成した第一プレート
    の主面を、第二プレートの主面に合わせて接着するプレ
    ート接着ステップとを備えるプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法であって、 表示電極形成ステップにおいて、第一プレートの主面に
    表示電極材料を被覆し、当該表示電極材料を部分的にレ
    ーザ加工し、前記複数対の表示電極を形成することを特
    徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記表示電極形成ステップにおいて、第一
    プレートの主面に透明電極部材料を被覆し、当該透明電
    極部材料をレーザ加工して透明電極部とした後、当該透
    明電極部に電気的に接触するように、金属電極部材料を
    第一プレートの主面に被覆することにより金属電極部を
    形成し、前記複数対の表示電極を形成することを特徴と
    する請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記表示電極形成ステップにおいて、第一
    プレートの主面に透明電極部材料を被覆し、当該透明電
    極部材料をレーザ加工して透明電極部とアライメントマ
    ークを形成した後、当該アライメントマークを用いて透
    明電極部に合わせて金属電極部材料を第一プレートの主
    面に被覆することにより、金属電極部を形成し、前記複
    数対の表示電極を形成することを特徴とする請求項2に
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記表示電極形成ステップにおいて、第一
    プレートの主面に透明電極部材料を被覆し、当該被覆し
    た透明電極部材料上に金属電極部材料を被覆することに
    より金属電極部を形成した後、透明電極部材料をレーザ
    加工して透明電極部を形成することにより前記複数対の
    表示電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記表示電極形成ステップにおいて、第一
    プレートの主面に透明電極部材料と金属電極部材料を順
    次被覆し、被覆した金属電極部材料と透明電極部材料を
    順次レーザ加工して前記複数対の表示電極を形成するこ
    とを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】前記表示電極形成ステップにおいて、表示
    電極材料に金属材料を用い、第一プレートの主面に当該
    金属材料を被覆し、被覆した金属材料を部分的にレーザ
    加工することにより、前記複数対の表示電極を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】前記表示電極形成ステップにおいて、前記
    表示電極材料に対するレーザ加工により第一プレートの
    主面に前記複数対の表示電極とともにアライメントマー
    クを形成し、 前記プレート接着ステップにおいて、前記アライメント
    マークを利用して第一のプレートの主面と第二のプレー
    トの主面とをアライメントして接着することを特徴とす
    る請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記表示電極形成ステップにおいて形成す
    るアライメントマークが、第一プレートの主面に被覆し
    た表示電極材料をレーザ加工して形成した反転マークで
    あることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】前記表示電極形成ステップにおいて形成す
    るアライメントマークが、十字型の反転マークであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一プレートの主面に表示電極材料を被覆し、当該表示電
    極材料をレーザ加工し、前記複数対の表示電極と、アラ
    イメントマークと、第一プレートの主面上の表示電極の
    長手方向両端部付近に複数の引き出し電極部形成領域と
    を形成し、 前記プレート接着ステップにおいて、前記アライメント
    マークを利用して第一のプレートの主面と第二のプレー
    トの主面とをアライメントして接着することを特徴とす
    る請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造
    方法。
  11. 【請求項11】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一プレートの主面に透明電極材料を被覆し、複数対の透
    明電極部の形成部分を除く前記主面の外周部に被覆した
    透明電極材料をレーザ加工せずに残すことを特徴とする
    請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  12. 【請求項12】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一プレートの主面の面積よりも狭く、かつ表示電極の長
    手方向以上の長さを有する第一プレートの主面の領域に
    のみ表示電極材料を被覆し、当該被覆した表示電極材料
    を部分的にレーザ加工し、前記複数対の表示電極を形成
    することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  13. 【請求項13】前記表示電極形成ステップにおいて、複
    数対の表示電極を形成する領域以外の第一プレートの主
    面をマスクし、表示電極材料を複数対の表示電極を形成
    する第一プレートの主面の領域のみに制限して被覆し、
    当該表示電極材料を部分的にレーザ加工し、前記複数対
    の表示電極を形成することを特徴とする請求項12に記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 【請求項14】前記表示電極形成ステップにおいて、複
    数対の表示電極とアライメントマークを形成する領域以
    外の第一プレートの主面をマスクし、表示電極材料を複
    数対の表示電極とアライメントマークを形成する第一プ
    レートの主面の領域のみに被覆し、当該表示電極材料を
    部分的にレーザ加工し、前記複数対の表示電極と前記ア
    ライメントマークを形成することを特徴とする請求項1
    3に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 【請求項15】第一プレートの主面に、長手方向を平行
    にして複数対並設した表示電極を形成する表示電極形成
    ステップと、複数対の表示電極を形成した第一プレート
    の主面を、複数のアドレス電極を平行に並設した第二プ
    レートの主面に合わせ、複数対の表示電極と複数のアド
    レス電極が交叉するように、第一プレートの主面と第二
    プレートの主面を接着するプレート接着ステップとを備
    えるプラズマディスプレパネルの製造方法であって、 表示電極形成ステップにおいて、表示電極材料を第一プ
    レートの主面に被覆し、第一のレーザ光と、第二のレー
    ザ光を表示電極材料に並行して照射することにより、部
    分的に表示電極材料を加工し、複数対の表示電極を形成
    することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  16. 【請求項16】前記表示電極形成ステップにおいて、表
    示電極材料を第一プレートの主面に被覆し、第一のスポ
    ット形状のレーザ光と、当該第一のスポット形状とは異
    なる第二のスポット形状のレーザ光を表示電極材料に照
    射することにより、複数対の表示電極を形成することを
    特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパ
    ネルの製造方法。
  17. 【請求項17】前記表示電極形成ステップにおいて、表
    示電極材料を第一プレートの主面に被覆し、一対の表示
    電極と一本のアドレス電極が交叉する領域の個々に、一
    対の表示電極の形状パターン単位の領域サイズが一致す
    るように、複数対の表示電極を形成することを特徴とす
    る請求項16に記載のプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  18. 【請求項18】前記表示電極形成ステップにおいて、表
    示電極材料に照射する第一のスポット形状のレーザ光お
    よび第二のスポット形状のレーザ光は、互いにサイズの
    異なる長方形であることを特徴とする請求項16に記載
    のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 【請求項19】前記表示電極形成ステップにおいて、表
    示電極材料に照射する第一のスポット形状のレーザ光で
    一対の表示電極の間隙を形成し、表示電極材料に照射す
    る第二のスポット形状のレーザ光で隣接する二対の表示
    電極の間隙を形成することを特徴とする請求項15に記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  20. 【請求項20】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一の強度のレーザ光と、第一の強度とは異なる第二の強
    度のレーザ光を照射することにより、第一プレートの主
    面に被覆した表示電極材料を部分的に加工し、複数対の
    表示電極を形成することを特徴とする請求項15に記載
    のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  21. 【請求項21】第一プレートの主面に、一対の表示電極
    を、長手方向を平行にして複数対並設する表示電極形成
    ステップと、表示電極を形成した第一プレートの主面
    を、複数のアドレス電極と複数の隔壁を互いに平行に並
    設した第二プレートの主面に合わせて接着するプレート
    接着ステップとを備えるプラズマディスプレパネルの製
    造方法であって、 前記表示電極形成ステップにおいて、表示電極材料を第
    一プレートの主面に被覆し、当該被覆した表示電極材料
    に第一のレーザ光と、第二のレーザ光を並行して照射
    し、第一のレーザ光で表示電極材料を部分的に加工して
    複数対の表示電極を形成しつつ、形成した複数対の表示
    電極を第二のレーザ光で補修することを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
  22. 【請求項22】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一の強度のレーザ光で複数対の表示電極を形成し、第二
    の強度のレーザ光が前記複数対の表示電極を含む第一プ
    レートの主面の領域より反射したレーザ光をレーザ顕微
    鏡で捕捉して、各表示電極の形状を検査することを特徴
    とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  23. 【請求項23】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一のレーザ光で複数対の表示電極を形成し、第二のレー
    ザ光で前記形成した複数対の表示電極の形状を補修する
    ことを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法。
  24. 【請求項24】前記表示電極形成ステップにおいて、第
    一プレートの主面に透明電極部を形成し、当該形成した
    透明電極部を含む第一のプレートの全面にわたって金属
    電極部材料を被覆したのち、当該金属電極部材料に第一
    のレーザ光を照射して金属電極部を形成し、前記第二の
    レーザ光を照射して金属電極部の抵抗値を調整すること
    を特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  25. 【請求項25】一対の表示電極を、長手方向を平行にし
    て複数対並設した第一プレートの主面を、第二プレート
    の主面に合わせて接着した構成のプラズマディスプレイ
    パネルであって、 第一プレートの主面と第二プレートの主面の少なくとも
    いずれかに、レーザ加工により形成したパネル位置合わ
    せ用のアライメントマークを備えることを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル。
  26. 【請求項26】透明電極部と金属電極部を電気的に接触
    させてなる一対の表示電極を、長手方向を平行にして複
    数対並設した第一プレートの主面を、第二プレートの主
    面に合わせて接着した構成のプラズマディスプレイパネ
    ルであって、 第一プレートの主面に、レーザ加工により形成した透明
    電極部と金属電極部の位置合わせ用のアライメントマー
    クを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル。
  27. 【請求項27】 透明電極部を備える表示電極が、長手
    方向に平行にして複数対並設された第一のプレートの主
    面を、第二のプレートの主面に合わせてなるプラズマデ
    ィスプレイパネルにおいて、一対の表示電極の間隙で対
    向する各透明電極部の幅方向端部の第二のプレートに向
    かう断面形状が、丸い形状であることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル。
  28. 【請求項28】 前記各透明電極部の幅方向端部の第二
    のプレートに向かう断面形状が、当該各透明電極部の幅
    方向中央部付近よりも、透明電極部の厚み方向に沿って
    盛り上がり、かつ丸い形状であることを特徴とする請求
    項27に記載のプラズマディスプレイパネル。
  29. 【請求項29】 前記各透明電極部の幅方向端部の第二
    のプレートに向かう断面形状が、レーザ加工により丸い
    形状に形成されていることを特徴とする請求項27に記
    載のプラズマディスプレイパネル。
  30. 【請求項30】 透明電極部を備える表示電極が、長手
    方向に平行にして複数対並設された第一のプレートの主
    面を、第二のプレートの主面に合わせてなるプラズマデ
    ィスプレイパネルにおいて、各透明電極部の幅方向両端
    部の第二のプレートに向かう断面形状が、丸い形状であ
    ることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  31. 【請求項31】 前記各透明電極部の幅方向端部の第二
    のプレートに向かう断面形状が、当該各透明電極部の幅
    方向中央部付近よりも、透明電極部の厚み方向に沿って
    盛り上がり、かつ丸い形状であることを特徴とする請求
    項30に記載のプラズマディスプレイパネル。
  32. 【請求項32】 各透明電極部の幅方向両端部の第二の
    プレートに向かう断面形状が、レーザ加工により丸い形
    状に形成されていることを特徴とする請求項30に記載
    のプラズマディスプレイパネル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005268473A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Ricoh Microelectronics Co Ltd 中継基板用部材の製造方法
JP2007207554A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Osaka Univ 電子回路及びその製造方法
JP2011165617A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

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