JP2002192043A - ノズルユニット、ノズルチップユニット、および蛍光体インク塗布ノズル - Google Patents

ノズルユニット、ノズルチップユニット、および蛍光体インク塗布ノズル

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JP2002192043A
JP2002192043A JP2000391475A JP2000391475A JP2002192043A JP 2002192043 A JP2002192043 A JP 2002192043A JP 2000391475 A JP2000391475 A JP 2000391475A JP 2000391475 A JP2000391475 A JP 2000391475A JP 2002192043 A JP2002192043 A JP 2002192043A
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nozzle
unit
ink
phosphor
phosphor ink
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JP2000391475A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kirihara
信幸 桐原
Hiroyuki Kawamura
浩幸 河村
Keisuke Sumita
圭介 住田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、ノズルチップをノズルユニットを構成
する筐体底部の穿孔部に取り付けることが困難であっ
た。 【解決手段】 ノズルチップユニット513に設けられ
ている穿孔部に、蛍光体インクを吐出するためのノズル
チップ516を熱軟化性樹脂で取り付け、ノズルユニッ
トを構成する筐体504の、蛍光体インクが充填される
インクスペース510に連通するインク吐出口が存在す
る側の面に、ノズルチップ516が取り付けられている
ノズルチップユニット513を熱軟化性樹脂で取り付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体インク塗布
ノズルとガス放電パネルの製造方法とに関し、特に高精
細な構造を有するガス放電パネルに精度よく蛍光体イン
クを塗布する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細な表示(ハイビジョン等)
や大画面などディスプレイのさらなる高性能化が要求さ
れるようになり、種々のディスプレイの研究開発がなさ
れている。その代表的なディスプレイとしてはCRTデ
ィスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)などが挙げられる。
【0003】このうちPDPはガス放電パネルの一種で
あり、2枚の薄いガラス板を隔壁(リブ)を介して対向
させ、隔壁の間に蛍光体インクを塗布して蛍光体層を形
成し、両ガラス板の間に放電ガスを封入して気密接着し
た構造であって、放電ガス中で放電して蛍光発光させる
ものである。したがって、大画面化してもCRTのよう
に奧行き寸法や重量が増加しにくく、また、LCDのよ
うに視野角が限定される問題も回避できる点で優れてい
る。近年のPDPでは、50インチ以上のハイビジョン
型PDPまでが製造されるに至っている。
【0004】ところで高精細なPDPを作製するには、
例えば42インチクラスのハイビジョン型PDPで画素
数1920×1080、セルピッチ0.14mm、およ
び単位セル面積約0.063mm2ほどの性能が要求さ
れる。これは現行のNTSC方式型等のPDPに比べて
相当に高精細な構造である。これに伴い、蛍光体層もハ
イビジョンなどに見合った微細なものを形成する必要が
あるが、一般に高精細に蛍光体インクを塗布しようとす
れば問題が生じ易い。
【0005】例えばスクリーン印刷法では、隔壁ピッチ
が0.1mm〜0.15mmとなる高精細PDPにおい
ては、隔壁の厚み影響で蛍光体インクの充填可能な隔壁
間の幅が0.1mm〜0.08mm程度と非常に狭くな
る。この狭い幅に、本来より高粘度(数万センチポア
ズ)の蛍光体インクを効率よく且つ精度よく塗布しよう
とすると、隣接する隔壁内に別の色の蛍光体インクが入
り、混色するといった問題が生じる。
【0006】これに対し、例えば特開平10−1925
41号公報には、蛍光体インクを微細なノズルより吐出
し、隔壁間に蛍光体インクを充填し塗布するインクジェ
ット(ラインジェット)法が開示されている。
【0007】ここで図5は上記インクジェット法で用い
るノズルユニット101の正面断面図である。当該ノズ
ルユニット101はステンレス鋼をバスタブ状に削り出
してなる筐体103と蓋部102とで構成される中空直
方体であって、インク供給口105から供給される蛍光
体インクはインクスペース104に充填され、一定の加
圧力(例えば7〜8kg/m2)で合計7孔のインク吐
出口106〜112より吐出する。各インク吐出口10
6〜112の口径サイズは数十〜百数十μmほどであ
り、蛍光体インクを塗布する隔壁間サイズに合わせて調
整されている。このようなインク吐出口106〜112
は筐体103底壁にあたるインクスペース104の底面
を放電加工により一定間隔貫通加工して複数並設されて
いる。
【0008】以上の構成のノズルユニットを用いれば、
一度に複数の隔壁間(当図では7溝分)に蛍光体インク
を塗布することが可能となっている。
【0009】しかしながら、上記構成のノズルユニット
101におけるインク吐出口106〜112は上述のよ
うに放電加工により形成するので、全てのインク吐出口
を一様に形成することが困難であった。したがって、各
インク吐出口から吐出する蛍光体インクの吐出量が一様
にならないことがあった。そこで、蛍光体インクの吐出
量をそろえるために、図8に示すように、筐体820底
面に穿孔部822を設け、その穿孔部822に吐出量を
一様にするためのノズルチップを取り付ける方法が考え
られた。
【0010】なお、図8(a)はノズルユニット800
の分解斜視図であって、インク供給口811を有する蓋
部810と、インクスペース821および7個の穿孔部
822を持つ筐体820とで構成されるノズルユニット
800の例を示している。また、図8(b)はノズルチ
ップ600の斜視図であって、そのノズルチップ600
は、実質上円錐状の中空部601と、その中空部601
に連通する吐出口602とが設けられている円柱体であ
る。
【0011】具体的には、上記のノズルチップ600
を、図8(a)に示すノズルユニット800の筐体82
0の各穿孔部822に取り付けて、インクスペース82
1に充填された蛍光体インクをノズルチップ600の吐
出口602から吐出させるのである。ここで、各ノズル
チップ600からの吐出量が一様にならなければ、全部
または一部のノズルチップ600を、各ノズルチップ6
00からの吐出量が一様になるものと取り換えることが
できるので、蛍光体インクの吐出量を容易にそろえるこ
とができることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、図8を用
いて説明したノズルチップ600をノズルユニット80
0の筐体820の各穿孔部822に取り付ける方法を用
いると、各ノズルチップ600からの吐出量を一様にす
ることができるが、ノズルチップ600のサイズが小さ
いために、各ノズルチップ600を筐体820の各穿孔
部822に取り付けることが困難であった。
【0013】また従来は、1色の蛍光体インクしか塗布
できず、3色の蛍光体を塗布するには塗布対象物である
バックパネルガラスの載置換えや、RGB蛍光体のいず
れか1色の塗布後に乾燥等の同じ工程を3度繰り返す必
用があり、3色の蛍光体インク塗布完成まで長い工程が
必用となっていた。
【0014】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あって、ノズルチップをノズルユニットに簡単に取り付
けるための、ノズルチップが取り付けられるノズルチッ
プユニットと、ノズルチップが取り付けられたノズルチ
ップユニットを筐体インク吐出口が存在する面に取り付
けるための取付部を有するノズルユニットと、それらノ
ズルチップユニット、ノズルユニットおよびノズルチッ
プで構成される蛍光体インク塗布ノズルと、その蛍光体
インク塗布ノズルの製造方法と、上記蛍光体インク塗布
ノズルを用いて所定の塗布対象に蛍光体インクを塗布す
る蛍光体インク塗布装置と、その蛍光体インク塗布装置
を用いて所定のパネルの所定の位置に蛍光体インクを塗
布してガス放電パネルを製造する方法とを提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の本発明(請求項1に対応)は、蛍光体インク
が充填されるインクスペース、およびそのインクスペー
スに連通するインク吐出口を有する筐体と、蓋部とを備
え、前記筐体の前記インク吐出口が存在する側の面に
は、所定の数の穿孔部が設けられた平板状のノズルチッ
プユニットを取り付けるための取付部が設けられている
ことを特徴とするノズルユニットである。
【0016】第2の本発明(請求項2に対応)は、前記
ノズルチップユニットには、前記取付部に固定されるた
めの突起部が設けられており、前記取付部には、前記ノ
ズルチップユニットの前記突起部と嵌合する段付き溝が
設けられており、その段付き溝に前記ノズルチップユニ
ットの前記突起部が嵌合することによって、前記ノズル
チップユニットが前記筐体の前記取付部に固定されるこ
とを特徴とする第1の本発明に記載のノズルユニットで
ある。
【0017】第3の本発明(請求項3に対応)は、前記
筐体には、赤色の蛍光体インク、緑色の蛍光体インク、
および青色の蛍光体インクそれぞれが充填される少なく
とも3個の前記インクスペースが設けられており、前記
取付部が前記各インクスペースそれぞれに対応して形成
されていることを特徴とする第1または第2の本発明に
記載のノズルユニットである。
【0018】第4の本発明(請求項4に対応)は、第1
から第3のいずれかに記載の本発明のノズルユニットに
取り付けられる、前記所定の数の穿孔部が設けられた平
板状のノズルチップユニットであって、前記各穿孔部に
は、前記ノズルユニットに前記ノズルチップユニットが
取り付けられたときに、前記ノズルユニットの前記イン
クスペースに充填された蛍光体インクを吐出するための
ノズルチップが取り付けられていることを特徴とするノ
ズルチップユニットである。
【0019】このように、筐体と複数個のノズルチップ
が装着されたノズルチップユニットを別体で構成するこ
とにより、たとえ3色のうち1色の蛍光体吐出状態が精
度上のバラツキなどの問題があったとしても、問題のあ
る箇所のノズルチップユニットを交換するだけで修正が
可能になる。従って前記修正加工にかかる部品の取り回
しが飛躍的に改善されるとともに、当該修正加工にかか
るコストも抑えることができる。また、RGB3色の蛍
光体インクを同時にバックパネルの隔壁間に塗布するこ
とができ、精度のよい蛍光体インクノズルを飛躍的に効
率よくかつ迅速に構成することができる。
【0020】なお、筐体の吐出口が存在する面に取り付
けられるノズルチップユニットは外周部に形成された位
置決め突起部を筐体底部の穿孔部周辺に加工された位置
決め部に装着することで、バックパネルに形成されてい
る隔壁との位置関係を自動的に決定することができる。
【0021】第5の本発明(請求項5に対応)は、ノズ
ルチップユニットに設けられている穿孔部に、蛍光体イ
ンクを吐出するためのノズルチップを、熱軟化性樹脂を
用いて取り付け、ノズルユニットを構成する筐体の、前
記蛍光体インクが充填されるインクスペースに連通する
インク吐出口が存在する側の面に、前記ノズルチップが
取り付けられている前記ノズルチップユニットを、熱軟
化性樹脂を用いて取り付ける蛍光体インク塗布ノズルの
製造方法であって、前記ノズルチップを前記ノズルチッ
プユニットに固着したさいの軟化点より低い温度で、前
記ノズルチップユニットを前記ノズルユニットの前記筐
体の前記取付部に固着することを特徴とする蛍光体イン
ク塗布ノズルの製造方法である。
【0022】第6の本発明(請求項6に対応)は、蛍光
体インクを吐出するためのノズルチップと、所定の数の
穿孔部が設けられており、前記穿孔部の全部または一部
に前記ノズルチップが取り付けられる平板状のノズルチ
ップユニットと、前記蛍光体インクが充填されるインク
スペースおよびそのインクスペースに連通するインク吐
出口を持つ筐体と、蓋部とを有し、前記筐体の前記イン
ク吐出口が存在する側の面に、前記ノズルチップユニッ
トが取り付けられるノズルユニットとを備え、前記ノズ
ルチップユニットには前記ノズルチップが取り付けられ
ており、前記ノズルユニットには前記ノズルチップユニ
ットが取り付けられていることを特徴とする蛍光体イン
ク塗布ノズルである。
【0023】第7の本発明(請求項7に対応)は、第6
の本発明に記載の蛍光体インク塗布ノズルが載置され、
所定の塗布対象を載せるテーブル表面に沿って、前記蛍
光体インク塗布ノズルを移動するための加工ヘッドを備
えたことを特徴とする蛍光体インク塗布装置である。
【0024】第8の本発明(請求項8に対応)は、第7
の本発明に記載の蛍光体インク塗布装置の前記加工ヘッ
ドに第6の本発明に記載の蛍光体インク塗布ノズルを載
置し、複数の隔壁が並設された所定のパネルのパネル面
に対し、前記蛍光体インク塗布ノズルのノズルユニット
に充填された蛍光体インクを塗布するガス放電パネルの
製造方法であって、前記蛍光体インク塗布装置の加工ヘ
ッドを前記隔壁の長手方向に沿って移動させることによ
って、前記ノズルユニットに充填された蛍光体インク
を、前記隔壁の間隙に塗布する蛍光体インク塗布工程を
備えたことを特徴とするガス放電パネルの製造方法であ
る。
【0025】このようなガス放電パネルの製造方法を用
いると、ハイビジョン方式などの微細構造のガス放電パ
ネルであっても良好に蛍光体層を形成することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の、ノ
ズルユニットと、ノズルチップユニットと、それらノズ
ルユニット、ノズルチップユニット、およびノズルチッ
プで構成された蛍光体インク塗布ノズルと、蛍光体イン
ク塗布装置と、蛍光体インク塗布ノズルおよび蛍光体イ
ンク塗布装置を用いたガス放電パネル(PDP)への蛍
光体インクの塗布方法について順を追って説明する。
【0027】ここではまず、蛍光体インクの塗布装置等
の説明に先だち、蛍光体インクを塗布することによって
作製されるPDPの基本構成を示しておく。
【0028】1−1.PDPの基本構成 図1は本発明の実施の形態の蛍光体インク塗布装置によ
って蛍光体インクを塗布してなる交流面放電型PDP
(以下単に「PDP」という)の主要構成を示す部分的
な断面斜視図である。図1中、z方向がPDPの厚み方
向、xy平面がPDPのパネル面に平行な平面に相当す
る。本PDPは42インチクラスのNTSC仕様に合わ
せた構成になっている。また、以下に挙げるすべての図
面において、xyz各方向は一致するものとする。
【0029】図1に示すように、本PDPは互いに主面
を対向させて配設されたフロントパネル20およびバッ
クパネル26から構成される。
【0030】フロントパネル20の基板となるフロント
パネルガラス21には、その片面に厚さ1.0μm、幅
120μmの帯状の透明電極220(230)と、厚さ
5μm、幅40μmのバスライン221(231)で構
成される表示電極22(23)(X電極23,Y電極2
2)がx方向に沿って複数対並設され、各対の表示電極
22、23との間隙(約60μm)で面放電を行うよう
になっている。
【0031】表示電極22、23を配設したフロントパ
ネルガラス21には、当該ガラス21の主面全体にわた
って厚さ約20μmの誘電体層24がコートされ、さら
に誘電体層24上に厚さ約0.9μmの保護層25がコ
ートされている。
【0032】バックパネル26の基板となるバックパネ
ルガラス27には、その片面に5μm、幅40μmの複
数のアドレス電極28がy方向を長手として一定間隔毎
(約360μm)でストライプ状に並設され、このアド
レス電極28を内包するようにフロントパネルガラス2
1の全面にわたって厚さ15μmの誘電体膜29がコー
トされている。誘電体膜29上には、隣接するアドレス
電極28の間隙に合わせて高さ120μm、幅40μm
の隔壁30が配設され、そして隣接する隔壁30の側面
とその間の誘電体膜29の面上には、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体インクを
塗布してなる蛍光体層31〜33が形成されている。こ
れらのRGB各蛍光体層31〜33はx方向に順次配さ
れている。
【0033】このような構成を有するフロントパネル2
0とバックパネル26は、アドレス電極28と表示電極
22、23の互いの長手方向が直交するように対向させ
つつ、両パネル20、26の外周縁部にて接着し封止さ
れている。前記両パネル20、26間にはHe、Xe、
Neなどの希ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が
所定の圧力(通常500〜760Torr程度)で封入
されている。
【0034】隣接する隔壁30間は放電空間38とな
り、隣り合う一対の表示電極22、23と一本のアドレ
ス電極28が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画
像表示にかかるセル(不図示)に対応している。ここで
一例として、x方向のセルピッチは約360μm、y方
向のセルピッチは約1080μmである。
【0035】なお、このPDPを駆動する時には不図示
のパネル駆動部によって、アドレス電極28と表示電極
22、23のいずれか(本実施の形態ではこれをX電極
23とし、当該X電極23はスキャン電極、Y電極22
はサステイン電極と称される)にパルスを印加し、放電
させることにより各セルに書き込み放電(アドレス放
電)を行った後、一対の表示電極22、23同士にパル
スを印加し、放電させることによって短波長の紫外線
(波長約173nmを中心波長とするXeの分子線)を
発生させ、蛍光体層31〜33を発光させて画像表示を
なす。
【0036】上記構成のPDPは、実際の駆動実験にお
いて放電維持電圧150V、周波数30kHzで放電さ
せた場合、約480cd/cm2のパネル輝度が得られ
た。
【0037】次に、上記PDPの製造方法について、そ
の一例を説明する。
【0038】1−2.PDPの製造方法 1−2−1.フロントパネルの作製 厚さ約2.8mmのソーダライムガラスからなるフロン
トパネルガラス21の面上に表示電極22、23を製作
する。これにはまず、透明電極220、230をフォト
エッチング法などにより形成する。
【0039】フロントパネルガラス21の全面に、厚さ
約0.5μmでフォトレジスト(例えば紫外線硬化型樹
脂)を塗布する。そして透明電極220、230のパタ
ーンのフォトマスクを上に重ねて紫外線を照射し、現像
液に浸して未硬化の樹脂を洗い出す。次に透明電極22
0、230の材料としてITO(Indium Tin Oxide)
等をフロントパネルガラス21のレジストのギャップに
塗布する。この後に洗浄液などでレジストを除去し、透
明電極220、230を完成する。
【0040】続いて、AgもしくはCr/Cu/Crを
主成分とする金属材料により、前記透明電極220、2
30上に幅40μmのバスライン221、231を形成
する。Agを用いる場合にはスクリーン印刷法が適用で
き、Cr/Cu/Crを用いる場合には蒸着法またはス
パッタ法などが適用できる。
【0041】以上で表示電極22、23が形成される。
【0042】次に、表示電極22、23の上から酸化鉛
(PbO)、酸化ホウ素(B22)、酸化ケイ素(Si
2)をそれぞれ70:15:15の重量比で混合して
なる材料をスクリーン印刷法によりフロントパネルガラ
ス21の全面にわたってコートし、焼成(例えば520
℃で10分)して厚さ約20μmの誘電体層24を形成
する。
【0043】次に誘電体層24の表面に、例えばスパッ
タ法により酸化マグネシウム(MgO)からなる厚さ約
0.9μmの保護層25を形成する。
【0044】以上でフロントパネル20が作製される。
【0045】1−2−2.バックパネルの製作 厚さ2.8mmのソーダライムガラスからなるバックパ
ネルガラス27の表面上に、スクリーン印刷法により銀
(Ag)を主成分とする導電体材料を一定間隔でストラ
イプ状に塗布し、厚さ40μmのアドレス電極28を形
成する。
【0046】続いて、アドレス電極28を形成したバッ
クパネル26の面前体にわたって鉛系ガラスペーストを
厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電体膜29
を形成する。
【0047】次に、誘電体膜29と同じ鉛系ガラス材料
を用いて、誘電体膜29の上に、隣り合うアドレス電極
28の間隙(約140μm)毎に高さ約120μmの隔
壁30を形成する。この隔壁30は、たとえば上記ガラ
ス材料を含むペーストを繰り返しスクリーン印刷し、そ
の後焼成して形成できる。
【0048】隔壁30ができたら、隔壁30の壁面と、
隣接する隔壁30間で露出している誘電体膜29の表面
に、赤色(R)、蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色
(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布し、こ
れを乾燥・焼成(例えば500℃で10分)してそれぞ
れ蛍光体層31〜33とする。
【0049】一般的にPDPに使用されている蛍光体材
料の一例を以下に列挙する。
【0050】・赤色蛍光体;(YxGd1-x)BO3:E
3+(或いはYBO3:Eu3+) ・緑色蛍光体; Zn2SiO4:Mn(或いはBaAL
1219:Mn) ・青色蛍光体; BaMgAL1017:Eu3+(或いは
BaMgAL1423:Eu3+) 各蛍光体材料は、例えば平均粒径約2μm程度の粉末が
使用できる。なお、蛍光体インクの塗布については詳細
を後述する。
【0051】以上でバックパネル26が完成される。
【0052】1−2−3.PDPの完成 上記製作したフロントパネル20とバックパネル26
を、封着用ガラスを用いて貼り合わせる。その後、放電
空間38の内部を高真空(4×10-7Torr)程度に
排気し、これに所定の圧力(500〜800Torr)
でNe−Xe系やHe−Ne−Xe系、He−Ne−X
e−Ar系などのいずれかの放電ガスを封入する。この
とき、Xeの含有量を5体積%以上にする。
【0053】以上で本PDPが完成される。
【0054】2.蛍光体層の形成方法についての詳細 次に、蛍光体層31〜33の材料となる蛍光体インクを
塗布する塗布装置について説明する。
【0055】なお、蛍光体インク塗布装置には、上記し
たPDPの製造工程において、バックパネルガラス27
上にアドレス電極28、誘電体膜29、および隔壁30
が並設された直後のバックパネル26がセッティングさ
れる。
【0056】2−1.蛍光体インク塗布装置の全体構成 図2に本発明の実施の形態の蛍光体インク塗布装置の模
式的な外観図を示す。当該蛍光体インク塗布装置10は
xyテーブル(xy単独移動テーブル)を基本構成とし
ており、移動テーブル200(y方向に往復移動自在)
および加工ヘッドベース320(x方向に往復移動自
在)等を有するものである。
【0057】蛍光体インク塗布装置10の基盤となる長
方形のテーブル101には、その長手方向(y方向)に
平行にレール板102が敷設されている。当該レール板
102の幅方向(x方向)両端部は折り曲げ加工により
レール1020R、1020Lとなっており、これにボ
ールリテーナーなどを内蔵するレール走行体201R、
201Lがそれぞれ係合されている。
【0058】レール板102のy方向両端部付近には、
プーリ104および誘導プーリ(紙面奧側のため不図
示)が設置され、レール板102を介してプーリ104
にタイミングベルト105が架張されている。プーリ1
04はステッピングモータ103の駆動軸に直結されて
おり、これによってタイミングベルト105が回動駆動
される。
【0059】上記移動テーブル202上には、バックパ
ネル26が載置され、公知の吸着固定機構(真空チャッ
ク法)などによりxy平面に沿って水平固定される。
【0060】一方、テーブル101にはレール板102
を跨ぐように固定された逆U字型ブリッジ301を中心
にしてブリッジ部300が配置されている。ブリッジ3
00には、加工ヘッドベース320を駆動するための機
構が備えられている。
【0061】すなわち図2に示すように、ブリッジ30
1の側面片側には、x方向に沿ってシャフト310、ボ
ールスクリュー311、およびyz平面に沿った断面が
凹型のレールガイド312等が配設されている。ボール
スクリュー311は軸受部313、314で回転可能に
保持され、その軸にプーリ315、Vベルト316プー
リ317を介してステッピングモータ318の回転駆動
力が伝達されるようになっている。
【0062】加工ヘッドベース320は図2に示すよう
に、z方向を長手方向としxz平面に主面を有する板体
であって、厚み部分がx方向に2箇所穿孔された形状を
有する。
【0063】そして、この穿孔部にシャフト310、ボ
ールスクリュー311が通され、かつレールガイド31
2により案内されるように保持されている。これによ
り、ステッピングモータ318が回転すると、当該加工
ヘッドベース320はシャフト310とレールガイド3
12に沿って精密にx方向へ往復移動するように制御さ
れる。
【0064】以上の構成により、移動テーブル200
(およびこれに載置した被加工物;この場合バックパネ
ル26)と加工ヘッドベース320は、各ステッピング
モータ103、318により精密駆動され、相対的にx
y方向に移動する。この加工ヘッドベース320にはノ
ズルユニット500が装着されれおり、以下のようにバ
ックパネル26に対して2次元座標に基づく数十μmオ
ーダーの蛍光体インクの塗布が可能になっている。
【0065】なお、これらのステッピングモータ10
3、318等の動作はCPU、記憶部、オペレータ用の
入力部等を備えるマイクロコンピュータを内蔵する制御
部(不図示)により制御される。この制御部はその記憶
部に格納された制御プログラムに基づいて、前記ステッ
ピングモータ103、318等とともに、ブリッジ部3
00上部のタンクホルダー324に装着されたインクタ
ンク325に加圧するエアポンプ(図示せず)の駆動を
も制御し、後述する蛍光体インク塗布プロセスを実行す
る。
【0066】このような制御部としては、実際にはPC
(パーソナルコンピュータ)型のものが使用される。
【0067】2−2.加工ヘッドベース320周辺の構
成 次に、加工ヘッドベース周辺の構成を説明する。
【0068】図2に示すように、加工ヘッドベース32
0にはz方向にラック323が設けられた加工ヘッド高
さ調節板321が装着され、さらに加工ヘッド高さ調節
板321の主面にノズルユニット500が固定された加
工ヘッド固定板322が装着されている。加工ヘッド高
さ調節板321に対し加工ヘッド固定板322は、図示
しないピニオンと前記ラック部323の構成によりz方
向に沿った微妙な高さ調整が可能である。
【0069】加工ヘッド固定板322にはノズルユニッ
ト500が固定されている。また、ノズルユニット50
0は、R・G・Bのインクタンク325と配管L1で連
結されている。
【0070】2−3.ノズルユニット周辺の構成 図3(a)はノズルユニット500を分解したあとの蓋
部501の上面側の正面図および側面断面図であり、図
3(b)は筐体504の底面側の正面図と側面断面図で
ある。なお、図3(a)の上図が蓋部501の上面側の
正面図であって、図3(a)の下図が蓋部501の側面
断面図であり、図3(b)の上図が筐体504の底面側
の正面図であって、図3(b)の下図が筐体504の側
面断面図である。
【0071】蓋部501はR・G・B蛍光体それぞれを
ノズルユニット500の内部に供給するための配管締結
部503と筐体504と締結するための6箇所の固定部
502で構成されている。
【0072】一方、筐体504は赤色蛍光体液室51
0、緑色蛍光体液室511、青色蛍光体液室512が設
けられ、各液室510、511、512の底部には、ノ
ズルチップユニットが固定される位置決め溝508と穿
孔部509が形成されており、穿孔部509のセンター
間ピッチは、赤色蛍光体液室510と緑色蛍光体液室5
11との間が21.960mm(0.36mm(隔壁1
ピッチ)×3(トリオピッチ=1.08mm)×20ト
リオピッチ(蛍光体の非干渉距離)+0.36mm(隔
壁への緑色蛍光体を塗布するための、1ピッチずらし
分)=21.96mm)とし、同じく緑色蛍光体液室5
11と青色蛍光体液室512とのセンター間距離は2
2.32mmとした。
【0073】筐体504と蓋部501は6箇所の固定部
502と固定用ネジ部507にて六角穴付きボルト等で
固定し、筐体固定ネジ穴部506を介して、加工ヘッド
固定板322に取り付けられ、配管L1を配管締結部5
03に固定する。
【0074】2−4.ノズルチップユニット周辺の構成 図4(a)はノズルチップユニット513の正面図であ
り、図4(b)はノズルチップユニット513の側面図
であって、図4(c)は図4(a)のA−A’断面図で
ある。図9にノズルチップ516の斜視図を示す。
【0075】ここにおいて、本実施の形態の特徴はノズ
ルチップユニット513の構成にある。ノズルチップユ
ニット513は円板体であって、その板厚はノズルチッ
プ516の厚みより5〜10μmほど小さく仕上げられ
ており、センターを含め7個の穿孔部514が設けられ
ている。各穿孔部514には図9に示すノズルチップ5
16が嵌合され、両者は熱軟化性樹脂(例えば日化精工
社製エレクトロンワックス)によって固定される。ま
た、この熱軟化性樹脂によって、一定の温度に加熱する
ことでノズルチップ穿孔部514からノズルチップ51
6を簡単に取り外せるようになっている。
【0076】ノズルチップ穿孔部514は2000μm
(外径部519)より若干大きい径を有し、x方向に沿
って隣り合う中心距離(図4(a)ではノズルピッチと
表示、以降単に「x方向中心距離」という)が1080
μmに一定間隔をおくようにして、y方向に互い違いに
千鳥配置構造(六角形状とその中央に配置された構造)
を形成するように配置されている。この千鳥配置構造は
限られた領域内に各ノズルチップ穿孔部514の互いの
x方向中心距離をできるだけ狭めて配置する工夫であっ
て、前記x方向中心距離をそれほど小さく抑える必用が
ない場合などには、一直線状にノズルチップ穿孔部51
4を配置するようにしてもよい。
【0077】そして、ノズルチップユニット513の各
穿孔部514にノズルチップ516を熱軟化性樹脂を用
いて取り付けた後、そのノズルチップユニット513
を、図3(b)に示した筐体504の各穿孔部509に
熱軟化性樹脂を用いて取り付ける。このようにして、筐
体504に、ノズルチップユニット513が取り付けら
れたノズルチップ516を取り付けることによって構成
される蛍光体インク塗布ノズルの構成を図10に示す。
その図10は蛍光体インク塗布ノズルの一断面を示して
いる。
【0078】なお、ノズルチップユニット513を筐体
504の各穿孔部509に取り付けるさい、段付きの位
置決め溝508に、ノズルチップユニット513の位置
決め突起部515をはめ込んで取り付ける。また、ノズ
ルチップ516をノズルチップユニット513に固着し
たさいの軟化点より低い温度で、ノズルチップユニット
513をノズルユニットの筐体504に固着する。しか
しながら、筐体504の各穿孔部509へのノズルチッ
プユニット513の取り付けは、熱軟化性樹脂を用いて
取り付けるものと限定することはない。
【0079】ここで、ノズルチップ516のサイズの一
例は以下の通りである。
【0080】ノズルチップ高さ(上面517から底面5
22までのz方向高さ):2000μm ノズルチップ外径:2000μm テーパ部最大径:1200μm テーパ部最小径:(直線部の径):150μm テーパ部z方向長さ:1850μm 直線部z方向長さ:150μm このようなノズルチップ516はまず超硬合金丸材(例
えば外径が2100μmで長さが50mm程度の金属
棒)を円筒研削盤で研削して外径寸法を2000μmと
し、長さを2050μm程度に切断したのち、平面研削
盤で長さを2000μmに加工して、外径部519を有
する円柱体を形成する。そして公知の放電加工により前
記円柱体の内部を加工してテーパ部521および直進部
518を製作することにより形成される。
【0081】また、ノズルチップユニット513の各ノ
ズルチップ穿孔部514の互いのx方向中心距離(10
80μm)は、これに嵌合される各ノズルチップ516
の先端部520の互いのx方向中心距離に相当する。そ
してこの1080μmという数字は、x方向で隣接する
RGB各3色分の蛍光体層からなる1画素のピッチ(x
方向セルピッチ360μm×3=1080μm)に合わ
せて設定されたものである。
【0082】2−5.ノズルチップユニットの効果 上記構成を有する本実施の形態のノズルチップユニット
513へのノズルチップ516の取り付け、取り外しが
非常に簡単に行えるという優れた特徴を持ち、ノズルチ
ップユニット513の位置決め突起体515(図4
(a)参照)を、筐体504の位置決め溝508(図3
(b)参照)に嵌合するだけで、隣接する他の蛍光体液
室のセンター間距離が確保される。また、何よりもRG
Bの蛍光体をバックパネルに形成された隔壁間に同時に
蛍光体を塗布することができ、バックパネルを製作する
上で大幅な工数削減が図れる。
【0083】3.蛍光体インクについて ここでは本蛍光体インク塗布装置10で用いる蛍光体イ
ンクの成分例を挙げる。当該蛍光体インク塗布装置では
基本的に一般的な蛍光体インクを用いることが可能であ
る。例えば青色蛍光体インクの場合、平均粒径2μmの
青色蛍光体(BaMgAI1017:Eu3+)30wt
%、エチルセルロース(分子量約20万)4.5wt%
分散剤(グリセルトリオレエート)2wt%、平均粒径
0.01μmの酸化ケイ素粒子(シリカ粒子)1wt
%、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)62wt
%、可塑剤0.5wt%を混合し、これをよく撹拌して
約100センチポイズ(cp)としたものが使用可能で
ある。
【0084】4.蛍光体インク塗布装置10を用いたP
DPへの蛍光体インク塗布工程 次に、本蛍光体インク塗布装置を10を用いたPDPへ
の蛍光体インク塗布工程について具体的に説明する。
【0085】4−1.蛍光体インク塗布装置の各種設定 まず、上記構成を有する蛍光体インク塗布装置10の移
動テーブル200上に、バックパネル26を方向に注意
しながら(バックパネル26のxy方向が蛍光体インク
塗布装置10のxy方向一致するように)載置し、移動
テーブル200上にバックパネル26を水平に固定す
る。
【0086】続いて、ラック323を調節してノズルユ
ニット500底面に取り付けられたノズルチップユニッ
ト513の底面とバックパネル26の隔壁30の間の距
離を600μm程度まで近づける。これは蛍光体インク
の飛沫や、ノズルチップユニット513に取り付けられ
たノズルチップ516から吐出するインク流の直進性不
良(曲がり)によって生じる隣接セル間の混色などの悪
影響をできるだけ防ぐ目的による。
【0087】次に、蛍光体インク塗布装置10の前記制
御部のオペレータ入力部より、ポンプ(図示せず)およ
び循環ポンプ(図示せず)の吐出力を調節し、インクタ
ンク内にされている蛍光体インクに圧力をかけ、ノズル
チップ516からのインク吐出力を7〜8Kg/cm2
の範囲に設定する。そしてこの設定に引き続き、塗布プ
ロセスの速度条件(ステッピングモータ103、318
のドライブコントロールを含む)を設定し、全体的な蛍
光体インク塗布プロセスの設定を完了する。
【0088】4−2.蛍光体インクの塗布プロセス 蛍光体インク塗布プロセスの設定後、ワーク開始指示を
入力すると、自動的に蛍光体インク塗布プロセスが開始
される。当該インクプロセスは、例えば図6のように行
われる。図6中、x方向に平行な一点鎖線矢印は、ノズ
ルユニット500を備えた加工ヘッドベース320側
(以下「加工ヘッドベース320側」と称す)の移動方
向、y方向に平行な実線矢印は移動テーブル200(バ
ックパネル26を含む)の移動方向を示す。また「有効
塗布範囲」は、隔壁30のy方向長(形成すべき蛍光体
層31〜33y方向長)を十分に含む塗布範囲である。
【0089】図6のように、本蛍光体インク塗布プロセ
スは蛇行プロセスからなる。
【0090】なお、図6では説明の簡略化のためテーブ
ルの移動回数および加工ヘッドベースの移動回数を実際
より少なく図示している。
【0091】蛍光体インク塗布プロセスは、バックパネ
ル26のx方向最左端部下の所定の隔壁30間に赤色蛍
光体液室510に装着されたノズルチップユニット51
3の最右端のノズルチップ516の先端部520を位置
させてから開始する。
【0092】なお、蛍光体インクはRGB蛍光体供給部
510A(図7参照)から赤色蛍光体液室510、緑色
蛍光体液室511、青色蛍光体液室512に圧力がかか
った状態で供給され、この時、図中で「start」と
表示した位置より紙面下側(バックパネル26よりy方
向手前側)で予め蛍光体インクを吐出状態にさせてお
く。
【0093】上記ノズルチップ516とバックパネル2
6の位置合わせが済んだら、移動テーブル200側をy
方向へ一気に走査し、(最大速度約2.0m/se
c)、所定の隔壁30間に蛍光体インクを塗布する。ノ
ズルチップユニット513に装着されたノズルチップ5
16は計7孔であるから、3色同時塗布の場合は計21
溝の蛍光体層に相当する蛍光体インクが同時に塗布され
る。
【0094】ここで、図7(a)は蛍光体インクをバッ
クパネル26に塗布する様子を示している。ノズルユニ
ット500は実際よりも大きく、またバックパネル26
は部分的に図示している。図7(b)は550部の拡大
図である。バックパネル26の隔壁30間にはすでに赤
色蛍光体510Bと、緑色蛍光体511Bが塗布され、
最後に青色蛍光体512Bが塗布される。なお当図では
3溝毎に塗布しているが、実際にはノズルチップ516
はx方向に1080μm間隔で7個装着されているの
で、1色当たり7溝でRGB3色の蛍光体が合計21溝
に同時に塗布されている。この時、加工ヘッドベース3
20側のy方向の移動距離は7560μm(7孔分のノ
ズルチップ516の間隔1080μm×7=7560μ
m)であり、速度1.0〜1.5m/sec程度で移動
し、バックパネル26の規格サイズに合わせて所定回数
だけ繰り返し(本実施の形態では一例として123
回)、バックパネル26全面にわたって行った後、3色
の蛍光体インク塗布プロセスを完了する。
【0095】5.その他の注意事項 上記実施の形態では、NTSC方式のPDPへの蛍光体
インクの塗布について例示したが、当然ながらこれ以外
の方式のPDP(ハイビジョン方式のPDP)であって
もよく、さらに他種のガス放電パネルに本発明を適用し
てもよい。
【0096】また、本発明はインクジェット法(方式)
に限らず、インクスペース(液室)とインクノズルを備
えるタイプのノズルであれば、前記以外の塗布方法に適
用してもよい。
【0097】また、蛍光体インク塗布装置は例示した方
式に限らず、これ以外のもの(例えば加工ヘッドベース
側を固定し、移動テーブルがxy各方向に移動する方
式)であってもよい。
【0098】さらに実施の形態では、隣接するノズルチ
ップ516のx方向中心距離を1080μmとしたが、
本発明は当然ながらこれに限定するものではなく、塗布
するPDPの規格・サイズ等に合わせて変更してもよ
い。ただし、前記x方向中心距離を変更することによっ
て、これに合ったインク塗布プロセスを調整する必要が
あるのは言うまでもない(これについては例えば走査プ
ロセス数を増減するなどの方法は考えられる)。また、
ノズルチップ516も7孔に限らず、これ以外の数であ
ってもよい。
【0099】また、上記した蛍光体インク塗布プロセス
においては、バックパネルガラス27の所定の位置に予
めアライメントマークを付し、これを蛍光体インク塗布
装置10側に備えたCCD等で読み取って、さらに精密
なアライメントを行った上で蛍光体インクを塗布するよ
うにしてもよい。
【0100】上述したように、筐体内の液室に供給され
る蛍光体インクを当該液室の底面に形成されたインク吐
出口から塗布対象へ吐出する蛍光体インクノズルが、ノ
ズルユニットと、ノズルチップユニットと、ノズルチッ
プとで構成されており、ノズルユニットの液室底面のノ
ズルチップユニットが取り付けられる位置に穿孔部が設
けられ、ノズルが取り付けられたノズルチップユニット
が脱着可能な状態で上記液室底面に装着されるので、ノ
ズルチップ単体で吐出量等にばらつきが生じても、問題
となるノズルチップユニットを取り外して別のユニット
を取り替えることで、修正加工することが可能となる。
【0101】これにより従来に比べて飛躍的に優れた性
能のインクノズルを迅速に構成することが可能となる。
またRGBの3色の蛍光体インクを同時にバックパネル
の隔壁間に塗布することができ、蛍光体インク塗布プロ
セスの簡略化と大幅な工数の削減が図れる。したがっ
て、このようなインクノズルを搭載した蛍光体インク塗
布装置を用いれば、ハイビジョン方式のような微細構造
のPDPなどのガス放電パネルであっても良好に蛍光体
インクを塗布することが可能であり、高精度で蛍光体層
を形成することができる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、ノズルチップをノズルユニットに簡単に
取り付けるための、ノズルチップが取り付けられるノズ
ルチップユニットと、ノズルチップが取り付けられたノ
ズルチップユニットを筐体インク吐出口が存在する面に
取り付けるための取付部を有するノズルユニットと、そ
れらノズルチップユニット、ノズルユニットおよびノズ
ルチップで構成される蛍光体インク塗布ノズルと、その
蛍光体インク塗布ノズルの製造方法と、上記蛍光体イン
ク塗布ノズルを用いて所定の塗布対象に蛍光体インクを
塗布する蛍光体インク塗布装置と、その蛍光体インク塗
布装置を用いて所定のパネルの所定の位置に蛍光体イン
クを塗布してガス放電パネルを製造する方法とを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルの部分概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における蛍光体インク塗布
装置の概略図である。
【図3】ノズルユニットの構成を示す概略図である。
【図4】ノズルチップユニットの構成を示す図である。
【図5】従来型のノズルユニットの構成を示す正面断面
図である。
【図6】蛍光体インク塗布プロセスを示す図である。
【図7】蛍光体インク塗布時のノズルユニット周辺の様
子を示す図である。
【図8】複数の吐出部からの蛍光体インク吐出量を一様
にするためのノズルユニットと、ノズルチップの構成図
である。
【図9】ノズルチップの斜視図である。
【図10】蛍光体インク塗布ノズルの断面図である。
【符号の説明】
10 蛍光体インク塗布装置 26 バックパネル 30 隔壁 31〜33 蛍光体層 325 インクタンク 500 ノズルユニット 501 蓋部 504 筐体 509 穿孔部 513 ノズルチップユニット 516 ノズルチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 349 G09F 9/30 349Z 5C094 H01J 9/227 H01J 9/227 E 5G435 11/02 11/02 B (72)発明者 住田 圭介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC08 AC09 CA47 DA32 DB13 DC24 EA33 4F033 AA01 BA03 CA04 DA05 EA05 MA00 NA01 4F041 AA05 AA17 AB02 BA05 BA13 BA22 5C028 FF06 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GG09 5C094 AA05 AA08 AA43 AA48 AA55 BA12 BA31 CA19 CA24 DA13 EA04 EA05 EB02 EC04 FA01 FA02 GB10 5G435 AA04 AA17 BB06 CC09 HH06 KK05 KK10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体インクが充填されるインクスペー
    ス、およびそのインクスペースに連通するインク吐出口
    を有する筐体と、蓋部とを備え、 前記筐体の前記インク吐出口が存在する側の面には、所
    定の数の穿孔部が設けられた平板状のノズルチップユニ
    ットを取り付けるための取付部が設けられていることを
    特徴とするノズルユニット。
  2. 【請求項2】 前記ノズルチップユニットには、前記取
    付部に固定されるための突起部が設けられており、 前記取付部には、前記ノズルチップユニットの前記突起
    部と嵌合する段付き溝が設けられており、 その段付き溝に前記ノズルチップユニットの前記突起部
    が嵌合することによって、前記ノズルチップユニットが
    前記筐体の前記取付部に固定されることを特徴とする請
    求項1に記載のノズルユニット。
  3. 【請求項3】 前記筐体には、赤色の蛍光体インク、緑
    色の蛍光体インク、および青色の蛍光体インクそれぞれ
    が充填される少なくとも3個の前記インクスペースが設
    けられており、前記取付部が前記各インクスペースそれ
    ぞれに対応して形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のノズルユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のノズ
    ルユニットに取り付けられる、前記所定の数の穿孔部が
    設けられた平板状のノズルチップユニットであって、 前記各穿孔部には、前記ノズルユニットに前記ノズルチ
    ップユニットが取り付けられたときに、前記ノズルユニ
    ットの前記インクスペースに充填された蛍光体インクを
    吐出するためのノズルチップが取り付けられていること
    を特徴とするノズルチップユニット。
  5. 【請求項5】 ノズルチップユニットに設けられている
    穿孔部に、蛍光体インクを吐出するためのノズルチップ
    を、熱軟化性樹脂を用いて取り付け、 ノズルユニットを構成する筐体の、前記蛍光体インクが
    充填されるインクスペースに連通するインク吐出口が存
    在する側の面に、前記ノズルチップが取り付けられてい
    る前記ノズルチップユニットを、熱軟化性樹脂を用いて
    取り付ける蛍光体インク塗布ノズルの製造方法であっ
    て、 前記ノズルチップを前記ノズルチップユニットに固着し
    たさいの軟化点より低い温度で、前記ノズルチップユニ
    ットを前記ノズルユニットの前記筐体の前記取付部に固
    着することを特徴とする蛍光体インク塗布ノズルの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 蛍光体インクを吐出するためのノズルチ
    ップと、 所定の数の穿孔部が設けられており、前記穿孔部の全部
    または一部に前記ノズルチップが取り付けられる平板状
    のノズルチップユニットと、 前記蛍光体インクが充填されるインクスペースおよびそ
    のインクスペースに連通するインク吐出口を持つ筐体
    と、蓋部とを有し、前記筐体の前記インク吐出口が存在
    する側の面に、前記ノズルチップユニットが取り付けら
    れるノズルユニットとを備え、 前記ノズルチップユニットには前記ノズルチップが取り
    付けられており、前記ノズルユニットには前記ノズルチ
    ップユニットが取り付けられていることを特徴とする蛍
    光体インク塗布ノズル。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の蛍光体インク塗布ノズ
    ルが載置され、所定の塗布対象を載せるテーブル表面に
    沿って、前記蛍光体インク塗布ノズルを移動するための
    加工ヘッドを備えたことを特徴とする蛍光体インク塗布
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の蛍光体インク塗布装置
    の前記加工ヘッドに請求項6に記載の蛍光体インク塗布
    ノズルを載置し、複数の隔壁が並設された所定のパネル
    のパネル面に対し、前記蛍光体インク塗布ノズルのノズ
    ルユニットに充填された蛍光体インクを塗布するガス放
    電パネルの製造方法であって、 前記蛍光体インク塗布装置の加工ヘッドを前記隔壁の長
    手方向に沿って移動させることによって、前記ノズルユ
    ニットに充填された蛍光体インクを、前記隔壁の間隙に
    塗布する蛍光体インク塗布工程を備えたことを特徴とす
    るガス放電パネルの製造方法。
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JP (1) JP2002192043A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230086A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネル用ノズル板の製造方法とプラズマディスプレイパネル用ノズル板およびこのノズル板を使用した塗布装置

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